JP3585309B2 - 香粧品基剤および外用香粧品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、香粧品基剤および外用香粧品に関し、より詳しくは、生体(肌等)に塗布等により適用する直前の温度では流動性のあるゾル状態であり、生体に適用した際に体温等により速やかにゲル状態に変化する香粧品基剤および外用香粧品に関する。本明細書において、「香粧品」とは、薬事法で規定される「化粧品」に加えて、「芳香製品」および「医薬部外品」をも包含する趣旨で用いる(田村健夫・廣田博「香粧品科学」第6頁、1990年、フレグランス・ジャーナル社)。また、「基剤」(base material)とは、香粧品を構成する「他の成分」を混和ないし分散させて、該香粧品の生体への適用を容易とする目的で(該「他の成分」とともに)使用される媒体(mediumないしmatrix)をいう。
【0002】
本発明の外用香粧品は、例えば、コスメティック・パックとして、あるいは除毛剤として、あるいは脱色剤として好適に使用することが可能である。
【0003】
【従来の技術】
従来より、外用香粧品の分野においては、該香粧品の生体(皮膚等)へ適用する際の容易性(および安定性、迅速性)、および/又は生体から該外用香粧品を除去する際の容易性の両立ないしバランスさせることが、極めて困難であった。
【0004】
例えば、外用香粧品の1態様であるコスメティック・パック(化粧用途のパック)は、無機粉末を水と混合して肌に塗布、乾燥させて、無機粉末の被膜を形成させた後、水等で洗い落とす水洗型パックと;被膜形成用の水溶性高分子(ポリビニルアルコール等)を水に溶解して肌に塗布、乾燥させて、該水溶性高分子の薄い被膜を形成させた後、該被膜を剥離する剥離型パックに大別される。
【0005】
上記したいずれのパックにおいても、主成分は水であるため、肌上で被膜を形成させるためには水を蒸発除去する必要があり、したがって該パック塗布から被膜形成までに長時間が必要であった。該パックを夏期に使用する場合は、発汗あるいは多湿のため被膜形成までに更なる長時間が必要であった。多忙な現代人にとって、パックが乾燥するまでに要する時間は貴重であるため、できるだけ早急に被膜が形成されることがコスメティック・パックの重要な要件となっている。
【0006】
従来より、被膜形成までの時間を短縮するためにエチルアルコール等の低沸点物質を添加したり、あるいは無機粉末、水溶性高分子あるいは保湿剤等の増量剤を添加して、固形分を増やす方法が行われてきた。しかしながら、エチルアルコール等の多量の低沸点物質のパックへの添加は、皮膚を過度に刺激する傾向が避けがたい。また、パックにおける固形分の増加は、該パックの流動性を低減させて、塗布時のパックの延び具合、およびパック自体の保存安定性を低減させるばかりでなく、コスメティック・パックの最大の効用であるところの、肌に柔軟性と張りを与えるための水分含量を著しく低減させてしまう結果となる。
【0007】
また、特に従来の剥離型パックの場合には完全に被膜が形成される前に、何らかの理由でパックを肌から取り除く必要がある場合には、含水する被膜の強度が弱いため、該パック被膜を物理的に剥離することが困難であること、また該被膜を部分的に形成した高分子は水に溶解しにくくなるため、水洗によっても簡単には除去できないという問題も指摘されていた。
【0008】
一方、外用香粧品の他の態様である除毛剤においては、従来より、腋の下の毛や、手足の体毛を除去する目的で、除毛剤(化学的脱毛剤)が一般的に使われてきた。
【0009】
従来より、上記の化学的除毛剤は、毛髪の主成分であるケラチン蛋白質のシスチン結合(ジスルフィド結合)を還元して、可溶化する能力を有する主成分たる還元剤(チオグリコール酸カルシウム等)と、毛髪を膨潤させるためpHを11以上に調節するためのpH調整剤(水酸化カルシウム等)とからなる。除毛剤の主成分である還元剤(チオグリコール酸カルシウム等)は、空気と接触している除毛剤の表面においては非常に酸化されやすく除毛効果が消失してしまうため、該脱毛剤は、通常は、皮膚上に厚く塗布することができるように、ペースト状、あるいはクリーム状の形態を有している。
【0010】
除毛剤はシェービングと異なり、毛孔の中から毛を除去するために毛の生長が遅いこと、除毛後の皮膚が滑らかなことが重要な要素であるが、従来の除毛剤の形態がペースト状あるいはクリーム状であるため、細かい毛孔にまで除毛剤が侵入しにくいといった問題が指摘されている。
【0011】
また、除毛剤は強い還元作用を有する薬剤を含有するため皮膚に対しての刺激が強く、除毛後にはできるだけ速やかに、かつ完全に皮膚から除去する必要がある。しかしながら、従来の除毛剤が粘度の高いペースト状あるいはクリーム状であるために、その除去が大変面倒であることのみならず、除毛剤を完全に除去すること、特に毛孔に詰まった除毛剤を除去するためには皮膚を強くこすったり、洗ったりする必要があった。また、このようなペースト状あるいはクリーム状の除毛剤の場合、その形態の特性から、誤った場所(例えば、除毛を欲しない生体表面の箇所)、あるいは生体以外の箇所(衣類等)に付着した場合においては、その除去は大変面倒であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来の外用香粧品の欠点を解消した外用香粧品、および「他の成分」とともに該香粧品を与えるべき香粧品基剤を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、生体(皮膚等)へ適用する際の容易性(および安定性、迅速性)、および/又は生体から除去する際の容易性を両立させた外用香粧品および香粧品基剤を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、上記した従来のコスメティック・パックの被膜形成までに長時間が必要であるという問題点を、エチルアルコール等の多量の低沸点物質の添加あるいは固形分の増量という方法を必須とせずに解消したコスメティック・パックを提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、肌に十分な柔軟性、張り、潤い等を与えるための水分量を充分に含むコスメティック・パックを提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、被膜が完全に形成される前にパックを除去する必要があった場合に、剥離も水洗除去も困難であるという従来の剥離型パックの欠点を解消したコスメティック・パックを提供することにある。
【0017】
本発明の更に他の目的は、従来の除毛剤と比較して、塗布時に凹凸のある複雑な形状をした肌の表面にも容易に密着し、毛孔の中まで侵入することができる、除毛効果の高い除毛剤を提供することにある。
【0018】
本発明の更に他の目的は、従来の除毛剤と比較して除去が著しく簡便で、かつ毛孔の中からも完全に除去可能な除毛剤を提供することにある。
【0019】
本発明の更に他の目的は、従来の脱色剤と比較して、塗布時に凹凸のある複雑な形状をした肌の表面にも容易に密着し、毛孔の中まで侵入することができる、脱色効果の高い脱色剤を提供することにある。
【0020】
本発明の更に他の目的は、従来の脱色剤と比較して除去が著しく簡便で、かつ毛孔の中からも完全に除去可能な脱色剤を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、従来の外用香粧品に含有されていた成分とは全く異なる特性を有する高分子化合物;すなわち、その水溶液が特定のゾル−ゲル転移温度を有し、且つゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度よりも低い温度で可逆的に水可溶性を示す高分子化合物を、ゲル形成成分(ゲル化成分)として用いて、香粧品基剤ないし香粧品を構成することが、上記の問題点解決に極めて効果的であることを見出した。
【0022】
本発明の香粧品基剤は上記知見に基づくものであり、より詳しくは水と、ゲル形成成分とを少なくとも含む香粧品基剤であって;該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、基剤全体として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示すことを特徴とするものである。
【0023】
本発明によれば、更に、水と、ゲル形成成分とを少なくとも含む香粧品であって;該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、香粧品全体として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示すことを特徴とする外用香粧品が提供される。
【0024】
本発明の外用香粧品(ないし基剤)は、ゲル形成成分として、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物を含み;且つ香粧品として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示すため、該香粧品を生体(皮膚等)へ適用する直前には、(例えば、香粧品の温度を前記ゾル−ゲル転移温度より低温とすることにより)流動性の高いゾル状態(液体状態;水可溶性の状態)として、生体に容易に塗布等により適用することができる。生体への適用後には、体温等による香粧品自体の温度上昇により、該香粧品は速やかにゲル化する(実質的に水に不溶性の状態となる)ため、生体上で迅速に安定な被膜を形成することができる。
【0025】
他方、生体から該外用香粧品を除去する際には、例えば、香粧品の温度を低温としてゾル状態に戻すことにより、極めて容易、且つ、より完全な生体からの除去が可能となる。すなわち、従来の外用香粧品では極めて困難であったところの、生体への適用の容易性(および安定性、迅速性)と、生体から該外用香粧品を除去する際の容易性との両立が可能となる。
【0026】
上述した本発明の外用香粧品を「コスメティック・パック」の態様とした場合には、該パックは上記ゾル−ゲル転移温度より低い温度(例えば室温)ではゾル(液体)状態であるため、肌の表面等の複雑な凹凸のある生体表面に簡便に塗布することができるのみならず、皺等の凹凸の中にまで該パックを進入させることができる。一方、本発明のコスメティック・パックは該ゾル−ゲル転移温度より高い温度、即ち肌の表面の温度では、速やかにゲル状態に変化するため、肌上への滞留性が著しく向上する。
【0027】
従来のコスメティック・パックは、既に述べたように、肌に塗布した後に水を蒸散させることによって被膜を形成するために、被膜が形成されるまでに長時間かかるという問題があったが、本発明のコスメティック・パックは肌に塗布すると速やかにゲル化し、被膜が形成されるため、被膜形成までの時間が著しく短縮されるという特徴を有する。また従来の剥離型パックの場合には被膜形成の途中、即ち生乾きの状態では被膜の強度が弱いため、該被膜を物理的に剥離することが困難であったが、本発明のコスメティック・パックは肌に塗布すると直ちにゲル状の被膜が形成されるため、塗布後には速やかに(何時でも)物理的に剥離することが可能であるという特徴を有している。
【0028】
また本発明のコスメティック・パックはゾル−ゲル転移温度を有し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度ではゾル状態に変化するため、例えば冷たい水で洗浄することによって該コスメティック・パックを簡単に除去することができる。また、本発明のコスメティック・パックは肌上で多量の水を含有するハイドロゲルを形成するため、肌に対して柔軟性、張り、潤いを充分に付与することができる。また本発明のコスメティック・パックは肌に塗布すると直ちにゲル状態に変化し、徐々に水分が蒸散し最後には従来のコスメティック・パックと同様、本発明の成分である高分子化合物の薄い被膜が形成されるため、物理的に剥離が可能である。
【0029】
更には、本発明のコスメティック・パックの場合も従来から使用されてきた皮膚保護剤、抗酸化剤、保存安定化剤、洗浄剤等を添加することができ、肌に塗布されて直ちにゲル化するために、上記した各成分をゲル中に均一に分散することができるという特徴を有している。
【0030】
他方、本発明の外用香粧品を「除毛剤」の態様とした場合には、該除毛剤は、該ゾルーゲル転移温度より低い温度、例えば室温ではゾル(液体)状態であり、従来のクリーム状あるいはペースト状の従来の除毛剤よりも粘度が著しく低いため、塗布時に凹凸のある複雑な形状をした肌の表面に密着し、毛孔の中まで容易に侵入させることができる。本発明の除毛剤は該ゾルーゲル転移温度より高い温度、即ち肌の表面の温度で速やかにゲル状態に変化し、肌上で密着した状態での滞留性が著しく向上すると同時に、(従来のクリーム状あるいはペースト状の除毛剤の表面と異なり)ゲル表面のベタつきが少なく、衣類などへの付着も著しく低減させることができる。
【0031】
本発明の除毛剤を皮膚に塗布し除毛を実行した後には、本発明の除毛剤の塗布膜はゲル化しているため、該ゲル化塗膜は、容易に物理的に肌から剥離することができ(特に毛孔からの除去も容易に行うことができ)、従来のクリーム状あるいはペースト状の除毛剤のように肌を強く拭き取ったり、水洗いするというような煩雑な手間を省くことができる。
【0032】
他方、本発明の外用香粧品を「脱色剤」の態様とした場合には、該脱色剤は、該ゾルーゲル転移温度より低い温度、例えば室温ではゾル(液体)状態であり、従来のクリーム状あるいはペースト状の従来の脱色剤よりも粘度が著しく低いため、塗布時に凹凸のある複雑な形状をした肌の表面に密着し、毛孔の中まで容易に侵入させることができる。本発明の脱色剤は該ゾルーゲル転移温度より高い温度、即ち肌の表面の温度で速やかにゲル状態に変化し、肌上で密着した状態での滞留性が著しく向上すると同時に、(従来のクリーム状あるいはペースト状の脱色剤の表面と異なり)ゲル表面のベタつきが少なく、衣類などへの付着も著しく低減させることができる。
【0033】
本発明の脱色剤を皮膚に塗布し脱色を実行した後には、本発明の脱色剤の塗布膜はゲル化しているため、該ゲル化塗膜は、容易に物理的に肌から剥離することができ(特に毛孔からの除去も容易に行うことができ)、従来のクリーム状あるいはペースト状の脱色剤のように肌を強く拭き取ったり、水洗いするというような煩雑な手間を省くことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の記述において、量比を表す「%」および「部」は、特に断らない限り質量(重量)基準(すなわち、質量%(重量%)および質量部(重量部))とする。
【0035】
(ゾル−ゲル転移温度)
本発明に用いられる「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」の「ゾル−ゲル転移温度」の定義および測定は、文献(H. Yoshioka ら、Journal of Macromolecular Science, A31(1), 113 (1994))に記載された定義および方法に基づく。即ち、観測周波数1Hzにおける試料の動的弾性率を低温側から高温側へ徐々に温度を変化(1℃/1分)させて測定し、該試料の貯蔵弾性率(G´、弾性項)が損失弾性率(G″、粘性項)を上回る点の温度をゾル−ゲル転移温度とする。一般に、G″>G´の状態がゾルであり、G″<G´の状態がゲルであると定義される。このゾル−ゲル転移温度の測定に際しては、下記の測定条件が好適に使用可能である。
【0036】
<動的・損失弾性率の測定条件>
測定機器(商品名):ストレス制御式レオメーターCSL700、Carri−Med社製
試料溶液(ないし分散液)の濃度(ただし「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」の濃度として):10(質量(重量))%
試料溶液の量:約0.8 g
測定用セルの形状・寸法:アクリル製平行円盤(直径4.0cm)、ギャップ600μm。
【0037】
適用ストレス:線形領域内。
【0038】
上記の「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」は、その水溶液または水分散液が上記ゾル−ゲル転移温度より高い温度では流動性の乏しいゲル状(ハイドロゲル)となり、一方、該温度より低い温度ではゾル(ないし液状)となる特性を有する。
【0039】
本発明に用いられる高分子は、0℃より高く、37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する。生体表面(肌等)の温度(約37℃)において効率的なゲル化を可能とする点からは、該ゾル−ゲル転移温度は、15℃以上35℃以下(更には20℃以上30℃以下)であることが好ましい。
【0040】
このように好適なゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物は、外用香粧品のゲル形成成分として使用可能な(前述した一般的特性を有する)種々の高分子化合物の中から、上記したスクリーニング方法(ゾル−ゲル転移温度測定法)に従って容易に選択することができる。
【0041】
(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)
本発明の外用香粧品に使用可能な高分子化合物は、0℃より高く、37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有するものであれば特に制限されないが、速やかな水不溶性への変化が容易な点からは、該高分子化合物は、その水溶液が0℃より高く37℃より低いLCSTを有する温度感応性高分子部分(ブロック)と、親水性高分子部分とが結合されてなる高分子化合物であることが好ましく、該「LCSTを有する温度感応性高分子部分」が一分子中に複数存在する高分子化合物であることが更に好ましい。
【0042】
本発明に用いられる「その水溶液がLCSTを有する温度感応性高分子」部分とは、水に対する溶解度温度係数が負を示す高分子化合物であり、低温にて生成する高分子化合物と水分子との水素結合に依存する水和物(オキソニウムヒドロキシド)が高温で分解し、脱水和により高分子化合物同士が凝集し沈澱する特徴を有する。
【0043】
本発明において、LCST(Lower Critical Solution Temperature)とは、高分子化合物の水和と脱水和の転移温度をいう(例えば、ヘスキンズ(M. Heskins)らの J. Macromol. Sci.−Chem., A2 (8), 1441 (1968)参照)。該温度感応性高分子部分はLCSTより低い温度では親水性で水に可溶性であるが、LCSTより高い温度では疎水性となって水中で不溶性であって沈澱し、この変化は可逆的である。本発明においては、前述した高分子化合物が生体表面の温度および「これより低い温度」に速やかに対応した可溶性−不溶性の可逆的変化を与える点からは、上記温度感応性高分子部分のLCSTは0℃より高く37℃未満(更には15〜37℃)であることが好ましい。
【0044】
上記LCSTを有する限り、本発明においては上記温度感応性高分子として特に制限なく使用することが可能である。本発明に好適に使用可能な高分子化合物としては、例えば、ポリN−置換アクリルアミド誘導体、ポリN−置換メタアクリルアミド誘導体、これらの共重合体;ポリプロピレンオキサイド、プロピレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール部分酢化物、ポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。
【0045】
本発明において好適な温度感応性高分子化合物を、以下にLCSTが低い順に列挙する。
【0046】
ポリ−N−アクリロイルピペリジン;
ポリ−N−n−プロピルメタアクリルアミド;
ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド;
ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド;
ポリ−N−イソプロピルメタアクリルアミド;
ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド;
ポリ−N−アクリロイルピロリジン;
ポリ−N、N−エチルメチルアクリルアミド;
ポリ−N−シクロプロピルメタアクリルアミド;
ポリ−N−エチルアクリルアミド;
上記の高分子は単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、また上記重合体を構成する単量体と、他の単量体との共重合体であってもよい。このような共重合体を構成する他の単量体としては、親水性単量体、疎水性単量体のいずれを用いることもできる。
【0047】
上記親水性単量体としては、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ヒドリキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、酸性基を有するアクリル酸、メタアクリル酸及びそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等、並びに塩基性基を有するN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びそれらの塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
一方、上記疎水性単量体としては、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアクリレート誘導体およびメタクリレート誘導体、N−n−ブチルメタアクリルアミド等のN−置換アルキルメタアクリルアミド誘導体、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0049】
一般的には、上記高分子化合物に親水性単量体を共重合することにより、LCSTを上昇させることが可能となり、一方疎水性単量体を共重合することにより、LCSTを下降させることが可能となる。従って、これらの共重合成分(親水性単量体および/又は疎水性単量体)を選択することによっても、所望のLCSTを有する高分子化合物を得ることができる。
【0050】
一方、本発明において温度感応性高分子化合物と結合させる親水性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、デキストラン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリN−メチルアクリルアミド、ポリヒドロキシメチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸およびそれらの塩、ポリN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドおよびそれらの塩等が挙げられる。
【0051】
本発明に用いられる「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」における、その水溶液がLCSTを有する高分子部分(A)と親水性高分子部分(B)とを結合してなる共重合体の結合様式は特に制限されないが、例えば、AとBのブロック共重合体、あるいは主鎖Aに側鎖Bが結合したグラフト共重合体、または主鎖Bに側鎖Aが結合したグラフト共重合体等の様式が好適に使用可能である。
【0052】
LCSTを有する高分子部分と、親水性高分子部分とのブロック共重合体は、例えば予め両者に反応活性な官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基等)を複数導入し、両者を化学反応により結合させることによって得ることが可能である。
【0053】
また、一般にグラフト共重合体の合成法としては、1)重合体の連鎖移動反応を利用する方法、2)幹重合体に遊離基に分裂し得る官能基を導入し、該官能基から重合を開始する方法、3)幹重合体からイオン重合を開始せしめる方法等が知られている。本発明に使用すべきグラフト共重合体をこれらの方法によって得ることもできるが、側鎖の重合度を制御するという観点からは、LCSTを有する高分子部分中に1個の重合性官能基を導入し、親水性高分子部分を与える単量体と共重合させる;あるいは、親水性高分子部分中に1個の重合性官能基を導入し、LCSTを有する高分子部分を与える単量体と共重合させることで得ることが有利である。
【0054】
本発明の外用香粧品に用いられる「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」の分子量は特に制限されないが、分散系(エマルション、ディスパージョン等)に用いた場合の分散の安定性の点からは、分子量が大きい程有利である。より具体的には、本発明においては、上記「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」としては、その分子量が10万以上のものを少なくとも含むものが好ましく用いられる。ここに「分子量10万以上の高分子化合物」とは、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度においてその水溶液(濃度:約1%)を分画分子量10万の限外濾過膜(アミコン社製、商品名:H1P100−43)を用いて限外濾過した際に、実質的に濾過されないものをいう。ここに、「実質的に濾過されない」とは、原液の容量を1/3まで限外濾過濃縮した時、濾液中に検出される該高分子化合物の濃度が原液(濃縮前)中の該高分子化合物の濃度の1/10以下であることをいう。この「実質的に濾過されない」ことは、例えば、原液と濾液中の高分子化合物の濃度比をUV測定等により確認することが可能である。
【0055】
上記した限外濾過に際しては、下記の実験条件が好適に使用可能である。
【0056】
<限外濾過の確認測定条件>
高分子水溶液の原液量:約3000ml
限外濾過膜:アミコン社製、商品名:H1P100−43(ホローファイバー型)。
【0057】
温度:「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」水溶液のゾル−ゲル転移温度以下。
限外濾過加圧:98.07 kPa(1kg/cm 2 )
循環流速:5l/min
本発明に用いる「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」の水溶液は、低温(ゾル−ゲル転移より低い温度)では流動性のある水溶液状態を呈し、高温(ゾル−ゲル転移より高い温度)では、流動性を失ってハイドロゲル状態を呈する、熱可逆性ゾル−ゲル転移を示す。本発明者の知見によれば、このような熱可逆性ゾル−ゲル転移のメカニズムは、以下のように推定される。
【0058】
すなわち、分子内に存在する温度感応性高分子部分のLCSTより低い温度では、該温度感応性高分子部分、親水性高分子部分ともに水溶性であるため、該「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」は完全に水に溶解可能となる。しかしながら、この水溶液の温度を該LCSTより高い温度に昇温すると、該温度感応性高分子部分が非水溶性(疎水性)となり、疎水相互作用によって、別個の分子間で会合する。
【0059】
他方、親水性高分子部分は該LCSTより高い温度においても水溶性を保つため、このような親水性高分子部分の存在が、上記「LCSTを有する高分子部分」間の凝集が巨視的な相分離に至ることを防止して、安定なハイドロゲル形成に寄与する。
【0060】
このようにして生成したハイドロゲルの温度を、再び、分子内に存在する温度感応性高分子部分のLCSTより低い温度に冷却すると、該温度感応性高分子部分が水溶性となって疎水性会合による架橋点が解放され、ハイドロゲル構造が消失する。このため、本発明に用いる「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」再び、完全に水に溶解可能となる。このように、このゾル−ゲル転移は、分子内に存在する温度感応性高分子部分のLCSTにおける可逆的な親水性−疎水性の変化に基づくものであるため、温度変化に対応して完全な可逆性を有する。
【0061】
LCSTを有する温度感応性高分子部分と親水性高分子部分との組成、両高分子部分の疎水性度、親水性度、及び/又はそれらの分子量を調整することによって上記高分子化合物のゾル−ゲル転移温度、即ち、本発明の外用香粧品のゾル−ゲル転移温度が0℃より高く、37℃より低くなるように制御することができる。また、該高分子化合物水溶液に添加される「他の成分」(例えば、尿素、グアニジン、チオグリコール酸塩、pH調製剤など)を含んでいても、該ゾル−ゲル転移温度を0℃より高く、37℃より低くなるように制御することができる。
【0062】
本発明の外用香粧品を構成する高分子化合物水溶液中の、上記高分子化合物濃度は、実質的にゾル−ゲル転移が生じる濃度範囲内であれば特に制限されない。外用香粧品としての含水率、ないし浸透圧作用等に基づく生体への刺激抑制の点からは、外用濃度は、通常0.5%〜50%(更には2%〜20%)の範囲であることが好ましい。
【0063】
(粘度)
生体に塗布等により適用する際の容易性(延び等)の点からは、本発明の外用香粧品の粘度は、「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物」水溶液のゾル−ゲル転移温度以下(たとえば20℃)で、1000mPa・s(センチポイズ)以下、更には500mPa・s(センチポイズ)以下(特に200mPa・s(センチポイズ)以下)であることが好ましい。本発明において、外用香粧品の粘度は、例えば、以下の測定条件で測定することが可能である。
【0064】
<粘度測定条件>
測定機器:東京計器(株)社製、商品名:B型粘度計
ローター:「No.3 ローター」を使用
ずり速度:38s−1
(分散媒)
本発明において、上述した「ゾル−ゲル転移温度を有する高分子」とともにハイドロゲルを構成する分散媒は、水ないし水性(aqueous)の液状媒体であることが好ましい。
【0065】
ここに「水性の分散媒」は、溶液、分散液(ディスパージョン、エマルション等)のいずれの形態であってもよい。生体表面に対する刺激性の点からは、水性媒体を水とともに構成する「他の液状媒体」(下記アルコール等)は、10%以下(更には5%以下)であることが好ましい。このような態様における「他の液状媒体」としては、例えば、エタノール等の1価アルコール、エチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコールを始めとする1価ないし多価アルコールが好適に使用可能である。
【0066】
(香粧品基剤)
本発明の香粧品基剤は、水と、ゲル形成成分とを少なくとも含み;該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、基剤全体として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示す。
【0067】
上記香粧品基剤とともに香粧品を構成する「他の成分」は、上記の温度変化に基づくゾル−ゲル転移を実質的に阻害しない限り、従来より公知の香粧品成分から選択された1以上の成分を特に制限なく使用することができる。この場合においても、本発明の基剤の使用に基づき、生体への適用の容易性(および安定性、迅速性)と、生体から除去する際の容易性とをバランス良く両立させた香粧品を得ることが可能となる。このような態様で使用可能な上記した「他の成分」の例としては、例えば、基礎化粧品、メークアップ化粧品、頭髪用化粧品、芳香性化粧品、歯科用香粧品(歯磨き等)、特殊化粧品(制汗・脱臭剤、日焼け止め・サンタン製品、にきび用製品)等を構成する成分が挙げられる。これらの種々の成分については、例えば、上記した文献(田村健夫・廣田博「香粧品科学」1990年、フレグランス・ジャーナル社)の目次第3〜10頁を参照することが可能である。
【0068】
(コスメティック・パック)
本発明の外用香粧品を「コスメティック・パック」の態様とする場合、該コスメティック・パックは、水と;その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなるゲル形成成分とを少なくとも含む。
【0069】
コスメティック・パック全体として、上記した好適な粘度を有する限り、コスメティック・パックを構成する固形分の量比は特に制限されないが、通常50%以下(コスメティック・パック構成成分全体の合計重量を基準として)、更には30%以下であることが好ましい。
【0070】
(水溶性高分子)
上記したコスメティック・パックの被膜の剥離性等を改良する目的で、該パックのゾル−ゲル転移特性が実質的に損なわれない範囲内で、従来からコスメティック・パックに使用されている水溶性高分子化合物(ポリビニルアルコール等)を、「他の成分」として添加することができる。前述したパック全体としての「好適な粘度」を有する限り、該水溶性高分子の量比は特に制限されないが、パックを構成する水100(重量)部に対して、通常20部以下、更には10部以下であることが好ましい。
【0071】
(除毛剤)
本発明の外用香粧品を「除毛剤」の態様とする場合、該除毛剤は、水と;その水溶液が0℃より高く37℃以下であるゾルーゲル転移温度を有する高分子化合物とを少なくとも含む。このような成分の除毛剤を用いた場合には、例えば、物理的剥離による除毛が可能である。除毛を緩和な条件下で効率的に行う点からは、該除毛剤は更にチオグリコール酸塩を含むことが好ましい。該チオグリコール酸塩の使用量は特に制限されないが、除毛剤を構成する水100部に対して、通常1部以上、更には1〜10部程度(特に3〜7部程度)であることが好ましい。
【0072】
上記除毛剤は、必要に応じて、他の成分を含有していてもよい。このような「他の成分」としては、実質的に該ゾル−ゲル転移が損なわれない範囲内で、従来の除毛剤の添加剤として公知のものを用いることが可能である。前述した除毛剤全体としての「好適な粘度」を有する限り、該「他の成分」の量比は特に制限されないが、除毛剤を構成する水100部に対して、通常15部以下、更には10部以下であることが好ましい。
【0073】
このような目的で用いる「他の成分」としては、例えば、従来の除毛剤用の添加剤として公知のpH調節剤(水酸化カルシウム、カセイアルカリ等);あるいは助剤(尿素および/またはグアニジン等)を含有していてもよい。
【0074】
(添加剤)
上述したように本発明の香粧品は、特定のゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物と、水を少なくとも含むが、必要に応じて他の「添加剤」を含有していてもよい。このような「添加剤」としては、実質的に該ゾル−ゲル転移が損なわれない範囲内で、従来の外用香粧品用の添加剤として公知のものを用いることが可能である。前述した香粧品全体としての「好適な粘度」を有する限り、該「添加剤」の量比は特に制限されないが、香粧品を構成する水100部に対して、通常20部以下、更には10部以下であることが好ましい。
【0075】
このような目的で用いる「添加剤」としては、例えば、従来の香粧品の添加剤として公知の皮膚保護剤、抗酸化剤、保存安定化剤、洗浄剤、香料等が挙げられる。
【0076】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は特許請求の範囲により限定されるものであり、本実施例によって限定されるものではない。
【0077】
【実施例】
実施例1
(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子の合成)
N−イソプロピルアクリルアミド(イーストマンコダック社製)10.2gと、N−アクリロキシスクシンイミド(国産化学(株)製)1.71gとを反応容器内のクロロホルム400mlに溶解し、該反応容器内を窒素で置換した後、N,N´−アゾビスイソブチロニトリル0.135gを加えて、60℃で、6時間重合させた。反応終了後、反応生成物を減圧下で濃縮し、次いで、ジエチルエーテル中に沈澱させた。得られた沈殿を濾過により分離した後、約40℃で約24時間真空乾燥して、8.8gのポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−N−アクリロキシスクシンイミド)を得た。
【0078】
上記により得たポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−N−アクリロキシスクシンイミド)1.0gと、両末端アミノ化ポリエチレンオキシド(分子量6,000、川研ファインケミカル(株)製)0.5gとを、クロロホルム100mlに溶解し、室温で終夜(約10時間)反応させた。次いで、イソプロピルアミン0.1gを加え、25℃で終夜(約10時間)放置した。
【0079】
得られた反応生成物を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル中に沈澱させた。得られた沈殿を濾過により分離、乾燥した後、蒸留水1000mlに希釈し、分画分子量10万のホローファイバー型限外濾過膜(アミコン社製H1P100−43)を用いて10℃で300mlまで濃縮した。該濃縮液に蒸留水700mlを加えて希釈し、上記希釈操作を再度行った。上記の希釈、限外濾過濃縮操作をさらに5回繰り返し、分子量10万以下のものを除去した。この限外濾過により濾過されなかったもの(限外濾過膜内に残留したもの)を回収して凍結乾燥して、約40℃で約10時間真空乾燥して、1.3gの「高分子化合物 I」(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)を得た。
【0080】
このようにして得た「高分子化合物 I」1gを、9gの蒸留水に室温で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を、上記した貯蔵弾性率(G´、弾性項)が損失弾性率(G″、粘性項)を上回る点の温度として測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は35℃であった。
【0081】
実施例2
N−イソプロピルアクリルアミド 9.61gと、N−アクリロキシスクシンイミド1.71gと、n−ブチルメタクリレート0.71gとを、反応容器中でクロロホルム400mlに溶解し、該反応容器中を窒素で置換した後、N,N´−アゾビスイソブチロニトリル0.135gを加えて、60℃で、6時間重合させた。得られた反応生成物を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテルに沈澱させた。得られた沈殿を濾過により分離した後、約40℃で約24時間真空乾燥して、7.8gのポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−N−アクリロキシスクシンイミド−co−n−ブチルメタクリレート)を得た。
【0082】
上記により得たポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−N−アクリロキシスクシンイミド−co−n−ブチルメタクリレート)1.0gと、両末端アミノ化ポリエチレンオキシド(分子量6,000、川研ファインケミカル(株)製)0.5gとを、クロロホルム100mlに溶解し、室温で終夜(約10時間)反応させた後、イソプロピルアミン0.1gを加え、約25℃で終夜(約10時間)放置した。得られた反応生成物を減圧下で濃縮した後、ジエチルエーテル中に沈澱させた。得られた沈殿を濾過により分離、約40℃で約24時間真空乾燥した後、蒸留水1000mlに希釈し、分画分子量10万のホローファイバー型限外濾過膜(アミコン社製H1P100−43)を用いて10℃で300mlまで濃縮した。該濃縮液に蒸留水700mlを加えて希釈し、上記希釈操作を再度行った。上記の希釈、限外濾過濃縮操作をさらに5回繰り返し、分子量10万以下のものを除去した。この限外濾過により濾過されなかったもの(限外濾過膜内に残留したもの)を回収して凍結乾燥して、1.3gの「高分子化合物 II」(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)を得た。
【0083】
上記により得た「高分子化合物II」1gを、9gの蒸留水に氷冷下で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を実施例1と同様の方法で測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は21℃であった。
【0084】
実施例3
両末端アミノ化ポリエチレンオサイド(分子量6,000、川研ファインケミカル(株)製)3gをクロロホルム100mlに溶解した後、ジイソシアン酸トリレン(コロネートT65、日本ポリウレタン工業(株)製)0.1gと、末端に1級アミノ基を有するトリアミノポリプロピレンオキサイド(平均分子量約3000、米国ジェファーソンケミカル社製:ジェファーミンT−3000)1gとを加え、室温で5分反応させた。次いで、イソプロピルアミン1gを加え、室温終夜(約10時間)反応させた。溶媒を減圧下で留去して、「高分子化合物」III(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)を得た。
【0085】
上記により得た「高分子化合物III」1gを、9gの蒸留水に氷冷下で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を実施例1と同様の方法で測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は15℃であった。
【0086】
実施例4
両末端アミノ化ポリエチレンオキサイド(分子量6,000、川研ファインケミカル(株)製)30gをクロロホルム1000mlに溶解した後、ジイソシアン酸トリレン(コロネートT65、日本ポリウレタン工業(株)製)1gと、末端に1級アミノ基を有するトリアミノポリプロピレンオキサイド(平均分子量約5000、米国ジェファーソンケミカル社製:ジェファーミンT−5000)17gとを加え、室温で5分反応させた。次いで、イソプロピルアミン10gを加え、室温で終夜(約10時間)反応させた。溶媒を減圧下で留去して、「高分子化合物IV」(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)を得た。
【0087】
上記により得た「高分子化合物IV」1gを、9gの蒸留水に氷冷下で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を実施例1と同様の方法で測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は9℃であった。
【0088】
実施例5
片末端に1級アミノ基を有するポリプロピレンオキサイド(平均分子量約2000、米国ジェファーソンケミカル社製:ジェファーミンM−2005)20gを四塩化炭素50mlに溶解した後、アクリル酸クロライド(国産化学(株)製)0.91gと、トリエチルアミン1.38mlとを加えて、室温で終夜(約10時間)反応させた。反応により生成した固形分を濾過で分離した後、濾液から溶媒を減圧下で留去して、片末端に重合性官能基を導入したポリプロピレンオキサイドモノアクリルアミド体を得た。
【0089】
上記により得たポリプロピレンオキサイドモノアクリルアミド体10gと、アクリルアミド20gとを反応容器内で蒸留水970mlに氷冷下で溶解し、該反応容器内を窒素で置換した後、過硫酸アンモニウム0.3gとテトラメチルエチレンジアミン200μlとを加え、氷冷・窒素雰囲気下で終夜(約10時間)反応させた。
【0090】
得られた反応液を蒸留水で3lに希釈し、分画分子量10万のホローファイバー型限外濾過膜(アミコン社製H1P100−43)を用いて10℃で1lまで濃縮した。該濃縮液に蒸留水2lを加えて希釈し、上記希釈操作を再度行った。上記の希釈、限外濾過濃縮操作をさらに5回繰り返し、分子量10万以下のものを除去した。この限外濾過により濾過されなかったもの(限外濾過膜内に残留したもの)を回収して凍結乾燥して、ポリアクリルアミド主鎖にポリプロピレンオキサイド側鎖を結合してなる、分子量10万以上の「高分子化合物V」(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)27gを得た。
【0091】
上記により得た「高分子化合物V」1gを、9gの蒸留水に氷冷下で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を実施例1と同様の方法で測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は20℃であった。
【0092】
実施例6
N−イソプロピルアクリルアミド37gと、n−ブチルメタクリレート3gと、ポリエチレンオキサイドモノアクリレート(分子量4,000、日本油脂(株)製:PME−4000)28gとを、ベンゼン340mlに溶解した後、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.8gを加え、60℃で6時間反応させた。得られた反応生成物にクロロホルム600mlを加えて溶解し、該溶液をエーテル20L(リットル)に滴下して沈澱させた。得られた沈殿を濾過により回収し、該沈澱を約40℃で24時間真空乾燥した後、蒸留水6Lに再び溶解し、分画分子量10万のホローファイバー型限外濾過膜(アミコン社製H1P100−43)を用いて10℃で2lまで濃縮した。該濃縮液に蒸留水4lを加えて希釈し、上記希釈操作を再度行った。上記の希釈、限外濾過濃縮操作をさらに5回繰り返し、分子量10万以下のものを除去した。この限外濾過により濾過されなかったもの(限外濾過膜内に残留したもの)を回収して凍結乾燥し、分子量10万以上の「高分子化合物VI」(ゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物)60gを得た。
【0093】
上記により得た「高分子化合物VI」1gを、9gの蒸留水に氷冷下で溶解した。この水溶液のゾル−ゲル転移温度を実施例1と同様の方法で測定したところ、該ゾル−ゲル転移温度は25℃であった。
【0094】
実施例7
(コスメティック・パックの調製)
実施例2で合成した約21℃のゾル−ゲル転移温度を有する「高分子化合物II」3gを27gの冷水に溶解して、濃度10質量%(wt%)の水溶液を調製した。該高分子化合物水溶液は18℃で粘性のある液体状態で、肌の上に塗布すると体温によって1分以内でゲル化することが認められた。
【0095】
また、このようにゲル化した該高分子化合物の塗膜は、従来のコスメティック・パックと異なり、乾燥させた状態でなくても、肌から容易に剥離する事が可能であった。塗布から約10分後に塗膜を肌から剥離したところ、肌の清涼感が得られた。
【0096】
一方、上記のゲル化塗膜は、従来のコスメティック・パックと同様に、充分乾燥して被膜を形成させた後においても、剥離が容易であった。
【0097】
実施例8
(コスメティック・パックの調製)
ポリビニルアルコール(平均分子量:約40,000、ケン化度:約80モル%)2.2gを40gの水に加温(約90℃)・攪拌下に溶解して、濃度が約5質量%(wt%)のポリビニルアルコール水溶液を調製した。次いで、該ポリビニルアルコール水溶液中に、実施例2で合成した約21℃のゾル−ゲル転移温度を有する「高分子化合物II」3gを冷却・攪拌下に溶解して、ポリビニルアルコール(5質量%(wt%))と「高分子化合物II」(7質量%(wt%))との混合溶液を作製した。
【0098】
このようにして得られた混合溶液は、18℃で粘性のある液状で、肌に容易に且つ均一に塗布することが可能で、一旦、肌上に塗布されると体温で直ちにゲル化することが認められた。
【0099】
該ゲル化被膜は、従来のコスメティック・パックと異なり、乾燥させた状態でなくても、肌から容易に剥離することが可能であった。塗布から約20分後に塗膜を肌から剥離したところ、肌の清涼感が得られた。
【0100】
一方、上記のゲル化塗膜は、従来のコスメティック・パックと同様に、充分乾燥させて薄い被膜を形成させた後においても、剥離することが容易であった。
【0101】
実施例9
(除毛剤の調製)
チオグリコール酸カルシウム5gと、水酸化カルシウム7gとを混合して、全量が100mlとなるように蒸留水を加え、撹拌下に溶解した。このようにして得られた水溶液100ml中に、実施例2で合成した約21℃のゾル−ゲル転移温度を有する「高分子化合物II」約7.5gを加えて冷却下に溶解し、濃度が約7質量%(wt%)の「高分子化合物II」の水溶液を作製し除毛剤とした。
【0102】
上記により得られた除毛剤は、約18℃では流動性のある液体状態で、皮膚上に塗布すると直ちにゲル化した。該除毛剤約5mlを皮膚(脚部、大きさ=約 5cm×5cm)上に10分間、放置して除毛を行った。肉眼観察においては、上記除毛剤配置部分は良好に除毛されていた。
【0103】
上記の除毛後、該ゲル状の除毛剤は容易に皮膚から物理的に剥離することができた。該剥離後の皮膚上には肉眼で何等の残存物は認められず、皮膚の拭き取り、あるいは洗浄の必要は全く認められなかった。
【0104】
実施例10
(脱色剤の調製)
過酸化水素水(濃度約3%)80mlと、強アンモニア水(比重約0.90%)20mlとを混合して、全量が100mlとなるように蒸留水を加え、撹拌下に混合した。このようにして得られた水溶液100ml中に、実施例2で合成した約21℃のゾル−ゲル転移温度を有する「高分子化合物II」約7.5gを加えて冷却下に溶解し、濃度が約7質量%(wt%)の「高分子化合物II」の水溶液を作製して脱色剤とした。
【0105】
上記により得られた脱色剤は、約18℃では流動性のある液体状態で、皮膚上に塗布すると直ちにゲル化した。該脱色剤約5mlを皮膚(脚部、大きさ=約5cm×5cm)上に10分間、放置して脱色を行った。肉眼観察においては、上記脱色剤配置部分は良好に脱色されていた。
【0106】
上記の脱色後、該ゲル状の脱色剤は容易に皮膚から物理的に剥離することができた。該剥離後の皮膚上には肉眼で何等の残存物は認められず、皮膚の拭き取り、あるいは洗浄の必要は全く認められなかった。
【0107】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、水と、ゲル形成成分とを少なくとも含む香粧品基剤であって;該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、基剤全体として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示す香粧品基剤が提供される。
【0108】
本発明によれば、更に、水と、ゲル形成成分とを少なくとも含む香粧品であって;該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル−ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、香粧品全体として前記ゾル−ゲル転移温度より高い温度で実質的に水不溶性を示し、該ゾル−ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示す外用香粧品が提供される。
【0109】
本発明の外用香粧品は、上述したような特殊なゾル−ゲル転移挙動を示すため、該香粧品を生体(皮膚等)への適用する直前には、(例えば、香粧品の温度を前記ゾル−ゲル転移温度より低温とすることにより)流動性の高いゾル(液体)状態として、生体に容易に塗布等により適用することができる。生体への適用後には、体温等による香粧品自体の温度上昇により、該香粧品は速やかにゲル化するため、生体上で迅速に安定な被膜を形成することができる。
【0110】
他方、生体から該外用香粧品を除去する際には、例えば、香粧品の温度を低温としてゾル状態に戻すことにより、極めて容易、且つより完全な生体からの除去が可能となる。すなわち、従来の外用香粧品では極めて困難であったところの、生体への適用の容易性(および安定性、迅速性)と、生体から該外用香粧品を除去する際の容易性との両立が可能となる。
【0111】
上述した本発明の外用香粧品を「コスメティック・パック」の態様とした場合、該コスメティック・パックは肌への塗布時は流動性があり、複雑な凹凸のある肌の表面上に簡便に塗布することができると同時に皺の中まで侵入させることができる。また一旦、肌の表面に塗布されると本発明のコスメティック・パックは直ちにゲル状態に変化して肌上への滞留性が著しく向上する。また本発明のコスメティック・パックの剥離は従来のコスメティック・パックの場合のように水分が蒸発し、乾燥被膜が形成されるまで長時間待つ必要はなく塗布した後、直ちにゲル化した被膜が形成されるために、何時でも物理的に剥離が可能である。更に冷水を用いて該ゲル化膜をゾル状態に変化させ洗浄除去することも可能である。より高いのように本発明のコスメティック・パックは体温によるゲル化現象を利用したもため、従来のコスメティック・パックのように肌に過剰な刺激を与える低沸点物質を添加する必要がないばかりか、肌に柔軟性、張り、潤いを与える水分の含量を従来のコスメティック・パックと比較して著しく高めることが可能である。
【0112】
上述した本発明の外用香粧品を「除毛剤」ないし「脱色剤」の態様とした場合、該除毛剤/脱色剤は、皮膚への塗布時には流動性が有り、凹凸のある複雑な形状をした皮膚に密着し、毛孔の中まで侵入することができるため除毛/脱色効果が極めて高い。また一旦、皮膚に塗布されると本発明の除毛剤/脱色剤は直ちにゲル状態に変化するために、表面のベタつきが著しく減じ衣類等に誤って付着することが極めて効果的に防止できる。また、除毛/脱色後は、本発明の除毛剤/脱色剤はゲル化しているため、容易に物理的に皮膚から剥離することができる。特に毛孔からの除去も容易で、従来の除毛剤/脱色剤のように、肌の拭き取りあるいは洗浄などの面倒な手間が省ける。
Claims (9)
- 水と、ゲル形成成分とを少なくとも含む香粧品であって、その形態が、コスメティック・パック、除毛剤または脱色剤のいずれかであり;
該ゲル形成成分が、その水溶液が0℃より高く37℃より低いゾル-ゲル転移温度を有する高分子化合物からなり;且つ、香粧品全体として前記ゾル-ゲル転移温度より高い温度で水不溶性を示し、該ゾル-ゲル転移温度より低い温度で可逆的に水可溶性を示し、
該高分子化合物が、0℃より高く37℃より低いLCSTを有する複数の高分子部分(A)と、親水性高分子部分(B)とが結合された分子量10万以上のブロック共重合体またはグラフト共重合体であって、且つ、
該高分子部分(A)が、ポリプロピレンオキサイド、プロピレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール部分酢化物;または、ポリ−N−アクリロイルピペリジン、ポリ−N−n−プロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド、ポリ−N−アクリロイルピロリジン、ポリ−N、N−エチルメチルアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−エチルアクリルアミドの単独重合体または共重合体から選ばれることを特徴とする外用香粧品。 - 更に、水溶性高分子化合物を含有する請求項1に記載の外用香粧品。
- 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコールである請求項2に記載の外用香粧品。
- 更に、皮膚保護剤、抗酸化剤、保存安定化剤、および洗浄剤から選ばれた1種以上の成分を含有する請求項1に記載の外用香粧品。
- 更に、香料を含有する請求項1に記載の外用香粧品。
- 除毛剤であって、更にチオグリコール酸塩を含む請求項1に記載の外用香粧品。
- 除毛剤であって、更にpH調節剤として水酸化カルシウムまたはカセイアルカリを含有する請求項1に記載の外用香粧品。
- 除毛剤であって、更に助剤として尿素および/またはグアニジンを含有する請求項1に記載の外用香粧品。
- 脱色剤であって、更に過酸化水素とアンモニアとの混合物を含む請求項1に記載の外用香粧品。
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