JP2000510496A - 会合ポリウレタンと脂肪鎖非イオン性ポリマーとを主成分とする化粧品組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、化粧品として許容される媒体中に、増粘系として、（Ａ）少なくとも一の非イオン性会合ポリウレタン及び（Ｂ）少なくとも一の脂肪鎖を含む少なくとも一の非イオン性ポリマーを含有する化粧品組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 会合ポリウレタンと脂肪鎖非イオン性ポリマーとを主成分とする化粧品組成物 本発明は、会合ポリウレタンと脂肪鎖非イオン性ポリマーとを主成分とする水 性媒体の新規な増粘系を含有する化粧品組成物並びに、特に洗い流さないヘアケ アゲルまたはスタイリングゲルとしてのその使用に関する。 ポリマーによる水性媒体の増粘及び／またはゲル化は、長年、化粧品研究の重 要な主題であった。一般に、水溶性ポリマーに有利な増粘効果を得るには、高い モル質量及び大きな流体力学的体積が前提とされている。このため、水性媒体の ゲル化は、直線上ポリマーの架橋もしくは二官能性または多官能性モノマーの共 重合によって得られる三次元ポリマーネットワークの結果と考えられている。し かしながら、非常に高いモル質量のこうしたポリマーの使用には、相当数の問題 があり、例えば比較的に不快なテクスチャー及び得られるゲルの塗布が困難であ ること等である。 有利なアプローチの一つとして、増粘剤として、可逆の自己会合もしくは他の 分子または粒子との会合が可能なポリマーを使用することがある。この物理会合 により、チキソトロピックまたは流動性（rheofluidizing）巨大分子系、すなわ ち、その粘度がさらされる剪断力に依存する系を生じる。 こうした可逆の自己会合もしくは他の分子または粒子との会合が可能なポリマ ーは、“会合ポリマー”として既知である。作用する相互作用の力は、性質にお いて非常に相違し得るが、例えば静電的性質、水素結合タイプ、または疎水性相 互作用等である。 会合ポリマーの特定の場合の一つに、両親媒性ポリマー、すなわち、一以上の 親水性部分を含むことにより水に可溶であり、一以上の疎水性領域を含み、これ を介してポリマーが相互作用、自己集結（self-assemble）、または多分子と集 結するポリマーがある。 増粘系として、こうした会合両親媒性ポリマーを界面活性剤と組み合わせて使 用し、ゲル形態のヘアケア用組成物を調製することは既知の方法である。こうし て得られるゲルの有利なレオロジー特性は、界面活性剤と両親媒性ポリマーの疎 水性部分を含む混合ミセルの生成に起因し、これらのミセルが物理的架橋点の多 数を構成していると考えられている。 しかしながら、会合ポリマーと界面活性剤を主成分とするこれらの組成物は、 常に所望の化粧品特性を有するわけではない。このように、例え少量であっても 界面活性剤が存在するため、前記化粧品組成物の化粧品特性、例えば適用時の特 性または乾燥後の感触等に、望ましからぬ変化が起こり得る。さらにまた、洗い 流さないヘアケアまたはスタイリング用のゲルの分野では、該製品を頭髪全体に 均一に分布させることが可能であって、過剰な適用及びこれによる美観上の欠陥 を回避し得ることが重要である。 ここに、会合非イオン性ポリウレタンと脂肪鎖を含む少なくとも一のユニット を含む非イオン性ポリマーを組み合わせることによって、優れた増粘性、さらに ゲル化特性及び有利な化粧品特性が得られることが見出された。 これら二つのタイプのポリマーの組み合わせによって得られるゲルは、非常に 溶解性のテクスチャーを有し、適用して快適なものである。乾燥後の髪に最終的 に得られる感触は、より快適で重い感じ（laden）がない。該ゲルは、さらに、 比類ないスタイリング力を有する。 したがって、本発明の主題の一つは、少なくとも一の会合非イオン性ポリウレ タンを脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む少なくとも一の非イオン性ポ リマーと共に含む化粧品組成物である。 本発明の別の主題は、少なくとも一の会合非イオン性ポリウレタンと脂肪鎖を 含む少なくとも一のユニットを含む少なくとも一ーの非イオン性ポリマーとの組 み合わせの、化粧品組成物のための増粘剤としての使用である。 本発明の第三の主題は、少なくとも一の会合非イオン性ポリウレタンとポリマ ーを脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む少なくとも一の非イオン性ポリ マーとを組み合わせることによって得られる化粧品組成物を使用する髪の処理の ための美容方法である。 他の主題は、以下の記載及び実施例を読むにつれて明らかになるであろう。 本発明による化粧品組成物は、本質的に、化粧品として許容される媒体中に、 （Ａ）一般式 [Ｒ₁及びＲ₂の少なくとも一の基がＣ₈−Ｃ₁₈高級アルキル基を表し、他方がＣ₁ −Ｃ₆低級アルキル基を表し、 Ｒ₃がＣ₄−Ｃ₃₆、好ましくはＣ₆−Ｃ₁₀の炭化水素ベースの基を表し、 Ｒ₄が水素原子またはＣ₁−Ｃ₆アルキル基、好ましくは水素原子を表し、 ａが独立して９０から６００の範囲であり、ｂが１から４の範囲である]に相当 する少なくとも一の両親媒性非イオン性会合ポリウレタン、及び （Ｂ）脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む少なくとも一の非イオン性ポ リマーであって、式（I）のポリマー以外のもの、 を含有することを特徴とする。 本発明によれば、“Ｃ₁−Ｃ₆低級アルキル基”との表現は、１から６の炭素原 子を含む直鎖状または分枝状の鎖、例えば、メチル、エチル、ｎ-プロピル、ｎ- ブチル、ｎ-ペンチル、及びｎ-ヘキシル基、並びに、対応する分枝状異性体を意 味する。 本発明によれば、Ｃ₈−Ｃ₁₈高級アルキル基とは、８から１８の炭素原子を含 む直鎖状または分枝状の鎖を含むアルキル基、例えば、オクチル、ノニル、デシ ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサ デシル、ヘプタデシル及びオクタデシル基を示す。 好ましい実施態様の一つでは、式（I）のポリマーのα,ω-アルキル基である Ｒ₁及びＲ₂の一方のみがＣ₈−Ｃ₁₈高級アルキル基を表し、他方がＣ₁−Ｃ₆低級 アルキル基を表す。 本発明の特に推奨される会合ポリウレタンは、Ｒ₁及びＲ₂の一方がオクタデシ ル基を表し、他方がメチル基を表すものである。 本発明の組成物に使用される会合ポリウレタンは、任意に所定量の可溶性デン プンを含有する溶液または懸濁液の形態で使用される。このデンプンは天然の供 給源から抽出されるあらゆるデンプン、例えば、小麦デンプン、コーンスターチ 、米デンプン、ジャガイモデンプン等の、水に可溶なように化学的、酵素的又は 微生物学的に変性されたものであるとよい。 好ましいポリマーは、Rohm & Haas社によりAcrysol 46の名で市販されている 。これは、ヘキサメチレンジイソシアナートとポリエチレングリコールで、概し てその末端にメチル残基及びオクタデシル残基をそれぞれ坦持するものの縮合に よって得られるポリウレタンである。このポリマーは、１５重量％のポリウレタ ン活性物質を含有し、さらに酵素により変性されたデンプン基質を含有する水溶 液の形態である。 本発明によれば、成分（Ｂ）として使用される、少なくとも一の脂肪鎖を含む 非イオン性ポリマーは、好ましくは、 （１）少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたセルロース、例えば、 ・少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロー スで、例えばこうした製品は、Aqualon社製のNatrosol Plus Grade 330（Ｃ₁₆ア ルキル鎖）、またはBerol Nobel社製のBermocoll EHM 100；あるいは、 ・アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で変性されたセルロー スで、例えばAmerchol社製の製品、Amercell Polymer^R HM-1500； （２）少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグ アー、例えばLamberti社製の製品、Esaflor^R HM 22、及びRhone-Poulenc社製の 製品、Miracare^R XC95-3及びRE205-1； （３）ビニルピロリドンと脂肪鎖Ｃ_8-22を含む疎水性モノマーとのコポリマー、 例えば、I.S.P.社製の製品、Antaron^R V216、Antaron^R V220、Ganex^R V261及びG anex^R V220； （４）Ｃ_1-6アルキルメタクリラートまたはアクリラートと少なくとも一の脂肪 鎖Ｃ_8-22を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えば、Goldschmidt社によ りAnti^R 208の名で市販のオキシエチレン化メチルメタクリラート／ステアリル アクリラートコポリマー； （５）疎水性メタクリラートまたはアクリラートと少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22 を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えば、National Starch社製の製品 ４７０／６６等のポリエチレングリコールメタクリラートとラウリルメタクリラ ートとのコポリマー； （６）脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含むポリウレタンであって、式（ I）のポリウレタン以外のもの； より選択される。 本発明によれば、会合ポリウレタン及び脂肪鎖を含む非イオン性ポリマーは、 水性媒体に十分な増粘またはゲル化が得られる量で使用される。 会合ポリウレタンの量は、組成物全重量に対し、活性物質として表して０．１ から１０重量％、好ましくは０．５から５重量％であることが、特に推奨される 。 本発明の組成物においては、脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む非イ オン性ポリマーが、組成物全重量に対して活性物質０．０１から１０重量％、好 ましくは０．１から５重量％の割合で存在する。 本発明において、（Ａ）式（I）の前記非イオン性会合ボリウレタンと（Ｂ） 脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む非イオン性ポリマーとの比は、好ま しくは９０／１０から１０／９０の範囲内である。 化粧品として許容される媒体は、好ましくは水から成り、さらに化粧品として 許容される溶媒、例えばエタノールまたはイソプロパノール等の低級モノアルコ ール、エチレングリコール等のグリコール、エチレングリコールまたはジエチレ ングリコールのアルキルエーテル等のグリコールエーテル、あるいはまた脂肪酸 エステル等を含有可能であり、これら全ての溶媒は単独又は混合物の形態である 。 ヘアケアまたはスタイリング用のゲルはまた、こうした髪用組成物において通 常使用される一以上の添加剤を含有可能である。例えば、香料、染料、保存料、 サンスクリーン、ビタミン、ｐＨ調整剤等を挙げることができる。これら化合物 の選択が、起こりうる増粘剤系との相互作用を考慮に入れて成されるべきことは 、明白に理解される。当業者であれば、これらの添加剤の添加によって、本発明 の方法によって得られる組成物の有利な特性に望ましからぬ影響の及ぶことが確 かに無いようにするであろう。 本発明による髪の処理のための好ましい美容方法の一つは、上記組成物を髪に 適用し、均一に分布させ、このように処理した髪を洗い流すことなく乾燥させる ことからなる。 以下の実施例は、本発明を、その性質を限定することなく詳説することを目的 とするものである。 （実施例１） 下記の組成を有するゲルを調製した。 Acrysol 46 ２％活性物質 470/66^* ２％活性物質 脱イオン水 全体を１００gとする量^* 470/66（National Starch社製）なるポリマーは、ポリエチレングリコールメタ クリラートとラウリルメタクリラートとのコポリマーの、３９．２％水溶液であ る。 （実施例２） 下記の組成を有するゲルを調製した。 Acrysol 46 ３％活性物質 Amercell Polymer HM 1500^* ２％活性物質 脱イオン水 全体を１００gとする量^* Amercell Polymer HM 1500なるポリマーは、Amerchol社製のノノキシニルヒド ロキシエチルセルロースである。 （実施例３） 下記の組成を有するゲルを調製した。 Acrysol 46 ４％活性物質 Bermodol Pur 2130^* ３％活性物質 脱イオン水 全体を１００gとする量^* Bermodol Pur 2130（Berol Nobel社製）なるポリマーは、変性ポリウレタン（ ２５％水溶液として）である。 上記の記載は純然たる例示目的のために記載したものであり、何ら限定的意図 を含まず、本発明の文脈内で変形及び修正が応用可能なことは、明確に理解され るべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ， ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，Ｌ Ｕ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，Ｕ Ｇ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．化粧品として許容される媒体中に、 （Ａ）一般式 [Ｒ₁及びＲ₂の少なくとも一の基がＣ₈−Ｃ₁₈高級アルキル基を表し、他方がＣ₁ −Ｃ₆低級アルキル基を表し、 Ｒ₃がＣ₄−Ｃ₃₆、好ましくはＣ₆−Ｃ₁₀の炭化水素ベースの基を表し、 Ｒ₄が水素原子またはＣ₁−Ｃ₆アルキル基、好ましくは水素原子を表し、 ａが独立して９０から６００の範囲であり、ｂが１から４の範囲である]に相当 する少なくとも一の非イオン性会合ポリウレタン、及び （Ｂ）脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む少なくとも一の非イオン性ポ リマーであって、式（I）のポリマー以外のもの、 を含有することを特徴とする化粧品組成物。 ２．成分（Ａ）が非イオン性会合ポリウレタンであって、α,ω基であるＲ₁及び Ｒ₂の一方のみが高級アルキル基を表し、他方が低級アルキル基を表すことを特 徴とする請求項１に記載の化粧品組成物。 ３．成分（Ａ）が非イオン性会合ポリウレタンであって、Ｒ₁及びＲ₂の概して一 方がオクタデシル基を表し、他方がメチル基を表すことを特徴とする請求項２に 記載の化粧品組成物。 ４．成分（Ａ）が、化学的、酵素的または微生物学的に変性された可溶性デンプ ンを更に含有する水中の溶液または懸濁液の形態であることを特徴とする請求項 １から３のいずれか一項に記載の化粧品組成物。 ５．脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含む前記ポリマー（成分（Ｂ））が 、下記のポリマー： （１）少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたセルロース、例えば、 ・少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたヒドロキシエチルセルロー ス、 ・アルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で変性されたセルロー ス； （２）少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22を含む基で変性されたヒドロキシプロピルグ アー； （３）ビニルピロリドンと脂肪鎖Ｃ_8-22を含む疎水性モノマーとのコポリマー； （４）Ｃ_1-6アルキルメタクリラートまたはアクリラートと少なくとも一の脂肪 鎖Ｃ_8-22を含む両親媒性モノマーとのコポリマー； （５）疎水性メタクリラートまたはアクリラートと少なくとも一の脂肪鎖Ｃ_8-22 を含む両親媒性モノマーとのコポリマー； （６）脂肪鎖を含む少なくとも一のユニットを含むポリウレタンであって、式（ I）のポリウレタン以外のもの； より選択されることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の化粧品 組成物。 ６．成分（Ａ）を、組成物全重量に対する活性物質の量で表して０．１から１０ 重量％、好ましくは０．５から５重量％の割合で含有することを特徴とする請求 項１から５のいずれか一項に記載の組成物。 ７．成分（Ｂ）を、組成物全重量に対する活性物質の量で表して０．０１から１ ０重量％、好ましくは０．１から５重量％の割合で含有することを特徴とする請 求項１から６のいずれか一項に記載の組成物。 ８．式（I）の前記非イオン性会合ポリウレタンと脂肪鎖を含む少なくとも一の ユニットを含む前記非イオン性ポリマーとの重量比が、９０／１０から１０／９ ０の範囲であることを特徴とする請求項１から１０のいずれか一項に記載の組成 物。 ９．洗い流さないヘアケアゲルまたはスタイリングゲルの形態であることを特徴 とする請求項１から８のいずれか一項に記載の組成物。 １０．式（１）の非イオン性会合ポリウレタンと脂肪鎖を含む少なくとも一のモ ノマーユニットを含む非イオン性ポリマーとの組み合わせの、化粧品組成物を増 粘するための系としての使用。 １１．請求項１から９のいずれか一項に定義される組成物を髪に適用し、このよ うに処理した髪を洗い流すことなく乾燥させることを特徴とする髪の処理のため の美容方法。