JPH0770204A - オルガノポリシロキサンを含有する多糖化合物及び蛋白質化合物 - Google Patents

オルガノポリシロキサンを含有する多糖化合物及び蛋白質化合物

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JPH0770204A
JPH0770204A JP7536894A JP7536894A JPH0770204A JP H0770204 A JPH0770204 A JP H0770204A JP 7536894 A JP7536894 A JP 7536894A JP 7536894 A JP7536894 A JP 7536894A JP H0770204 A JPH0770204 A JP H0770204A
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organopolysiloxane
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polysaccharide
protein
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JP7536894A
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Masahiro Takizawa
正博 滝沢
Yoshio Shimizu
喜雄 清水
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性に優れると共に、人体に対する安全
性も高いオルガノポリシロキサン含有高分子及びそれを
含む化粧料を提供すること。 【構成】 多糖化合物からなる主鎖と、オルガノポリシ
ロキサンからなる側鎖とから構成され、オルガノポリシ
ロキサンの含有率が0.01〜50重量%であることを
特徴とするオルガノポリシロキサン含有多糖化合物。蛋
白質化合物からなる主鎖と、オルガノポリシロキサンか
らなる側鎖とから構成され、オルガノポリシロキサンの
含有率が0.01〜50重量%であることを特徴とする
オルガノポリシロキサン含有蛋白質化合物。前記多糖化
合物又は蛋白質化合物を含む化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オルガノポリシロキサ
ンを側鎖として含有する多糖化合物及び蛋白質化合物
と、それらを含む化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサンはオイル状を示
し、撥水性、潤滑性、光沢付与性に優れると共にさらさ
らとした感触を示すために、毛髪化粧料や皮膚化粧料等
に使用されている。しかし、このオルガノポリシロキサ
ンの場合、前記のような使用上の有利な特性を有する反
面、化粧料に対するその配合量が多くなるとベタツキを
生じるという問題がある。また、オルガノポリシロキサ
ンから形成された被膜は極性溶媒への再溶解性が悪いた
めに、その用途が限られるという問題もある。
【0003】オルガノポリシロキサンに見られるこれら
の問題を解決するために、オルガノポリシロキサンを含
むマクロモノマーを、ビニルピロリドンやアクリレート
又はメタクリレート等のビニル化合物とラジカル共重合
させて、共重合体として用いることが提案されている
(特開昭52−57337号公報、特開平2−2541
1号公報、特開平3−128311号公報、特開平3−
170518号公報、特開平4−175318号公報、
特開平4−36218号公報等)。しかし、これらの製
品はいずれも合成高分子を基体とするものなので生分解
性は期待できず、自然環境破壊の原因となる危険性があ
る上に、皮膚や粘膜及び毛髪等に対する安全性の点でも
未だ不満足のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生分解性に
優れると共に人体に対する安全性においても優れたオル
ガノポリシロキサン含有高分子、及びそれを含む化粧料
を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、多糖化合物から
なる主鎖とオルガノポリシロキサンからなる側鎖とから
構成されていることを特徴とするオルガノポリシロキサ
ン含有多糖化合物が提供される。また、本発明によれ
ば、蛋白質化合物からなる主鎖とオルガノポリシロキサ
ンからなる側鎖とから構成されていることを特徴とする
オルガノポリシロキサン含有蛋白質化合物が提供され
る。さらに、本発明によれば、前記多糖化合物又は蛋白
質化合物を含む化粧料が提供される。
【0006】以下、本発明のオルガノポリシロキサンを
含有する多糖化合物及び蛋白質化合物について詳述す
る。 (オルガノポリシロキサン含有多糖化合物)多糖化合物
としては、従来公知の各種のもの、例えば、セルロー
ス、ヘミセルロース等の木質系多糖類;アラビアガム、
トラガカントガム、トロロアオイ等の植物粘質物;ペク
チン、でんぷん、こんにゃく、マンナン等の果肉根茎由
来の多糖類;グアーガム、ローカストビーンガム、タマ
リンドガム、クインスシードガム等のマメ科多糖類;ア
ルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系多糖類;キサ
ンタンガム、デキストラン、プルラン、レバン等の微生
物系多糖類;キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンド
ロイチン硫酸等の動物由来の多糖類;前記多糖類の水溶
性誘導体、例えば、カルボキシメチル化、硫酸化、リン
酸化、メチル化、エチレンオキサイドやプロピレンオキ
サイド等のアルキレンオキサイド付加、アシル化、カチ
オン化、低分子化等の処理による各種誘導体;等を挙げ
ることができる。これらの多糖化合物は、その多糖化合
物の種類に応じて水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
イミノ等の反応基を1種又は2種以上含有する。多糖化
合物の重量平均分子量は、通常、1×103〜5×1
6、好ましくは1×103〜1×106である。
【0007】前記多糖化合物にオルガノポリシロキサン
からなる側鎖を導入するには、多糖化合物に直接又はス
ペーサー化合物を介して、オルガノポリシロキサン化合
物を反応させればよい。オルガノポリシロキサン化合物
は、その末端に反応基を有するもので、例えば、下記一
般式(I)で表されるものを用いることができる。
【化3】
【0008】前記式中に示した符号は次のことを意味す
る。A'は、多糖化合物に対し直接又はスペーサー化合
物を介して反応結合し得る反応基である。このような反
応基としては、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル
基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、(メタ)ア
クリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アミノ
基、イミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基
等を挙げることができる。Bは、2価脂肪族基を示す。
該脂肪族基としては、アルキレン基、主鎖中に酸素原
子、窒素原子、イオウ原子等を持つアルキレン基、主鎖
中にフェニレン基等のアリーレン基を含むアルキレン
基、主鎖中にカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル
基を含むアルキレン基等が挙げられる。また、脂肪族基
の末端原子は、酸素、窒素、イオウ原子等のヘテロ原子
であることができる。さらに、これらの脂肪族基はヒド
ロキシ基やアルコキシ基、アルキル基等を置換基として
持つことができる。二価脂肪族基Bとしては以下のもの
を例示することができる。
【0009】
【化4】(1) -(CH2)x- (2) -(CH2)x-O-(CH2)y- (3) -NH-(CH2)x- (4) -(CH2)x-NR-(CH2)y-(NH)b-(CH2)s- (5) -(CH2)s-(NR)b-(CH2)v-C6H4-(CH2)w- (6) -(CH2)x-(NR)-CO-NR-C6H4-(CH2)p- (7) -CH2-CH(OH)-(CH2)x-NR-L (8) -CH2-CH(OH)-(CH2)x-O-L (9) -NR-CH2-CH(OH)-L (10) -(CH2)x-(CHR6)b-O-CH2-CH(OH)-L (11) -(CH2)x-OCO-(CH2)y-COO-CH2-CH(OH)-L (12) -(CH2-CHR6-O)x-(CH2-CHR7-O)s-CH2-CH(OH)-L 前記した(1)〜(12)の各式中、bは0又は1;p
は1〜8;sは0〜12;vは0〜12;wは0〜1
2;xは1〜12;yは1〜12の整数を示す。R、R
6、R7は水素又は炭素数1〜12のアルキル基を示す。
Lは式(1)〜(6)の中から選ばれるいずれかの2価
脂肪族基を示す。
【0010】前記一般式(I)中のR1、R2、R3、R4
及びR5は同一でも異なっていてもよく、脂肪族基や芳
香族基を示す。脂肪族基には、メチル基、エチル基、メ
トキシ基、エトキシ基等の低級アルキル基や低級アルコ
キシ基が包含される。芳香族基には、フェニル基、トリ
ル基、ベンジル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等
のアリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ
基、アリールアルコキシ基等が包含される。また、これ
らの置換基はアルキル基やアルコキシ基等の置換基を持
っていてもよい。一般式(I)におけるpは0又は1;
mは0又は1;nは5〜500の整数を示す。
【0011】前記したオルガノポリシロキサン化合物
は、その反応基A’を介して多糖化合物に反応結合させ
ることができる。例えば、A’がエポキシ基やイソシア
ネート基等の活性水素に対して反応性を持つ基であれ
ば、多糖化合物中に含まれている水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、イミノ等の反応基に結合する活性水素と
反応させることで多糖化合物に結合させることができ
る。この場合の反応は、水中又は極性有機溶媒中で酸や
塩基を触媒として行うことができる。A’がアミノ基や
イミノ基等の塩基性反応基であれば、多糖化合物中に含
まれるエポキシ基やイソシアネート基等との反応で、多
糖化合物に結合させることができる。A’が水酸基、メ
ルカプト基、カルボキシル基の場合には、多糖化合物中
に含まれるカルボキシル基やエポキシ基、イソシアネー
ト基、ハロゲン基、アルデヒド基等と反応させることで
多糖化合物に結合させることができる。
【0012】A’がビニル基、ビニルエーテル基、ビニ
ルエステル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等の重合性二重結合を有する反応基の
場合は、グラフト共重合法により多糖化合物に反応結合
させることができる。このグラフト共重合反応は、硝酸
セリウムアンモニウム塩のようなセリウム塩を触媒とし
て酸性条件下、20〜60℃で行うことができる。この
グラフト共重合反応については、「工業化学雑誌」64
巻、213〜218頁(1961年)に詳記されてい
る。このグラフト共重合反応では、多糖化合物中から主
に水素原子が引抜かれ、ここに重合性二重結合を有する
オルガノシロキサン化合物がグラフト重合する。
【0013】オルガノポリシロキサン化合物と多糖化合
物との反応生成物において、オルガノポリシロキサン化
合物に非重合性の化合物〔一般式(I)において、A’
が重合性2重結合を持たない反応基〕を用いた場合に
は、下記一般式(II)で表されるオルガノポリシロキ
サン鎖が側鎖として多糖化合物に結合する。
【化5】 式中、Aは前記一般式(I)における反応基A’由来の
2価結合基であり、例えば、エポキシ基由来の結合基、
イソシアネート基由来の結合基、アミノ基由来の結合
基、イミノ基由来の結合基、水酸基由来の結合基、メル
カプト基由来の結合基、カルボキシル基由来の結合基等
である。
【0014】一般式(I)における反応基A’と一般式
(II)における2価結合基Aとの関係についてさらに
詳記すると、エポキシ基の場合は多糖化合物中の活性水
素と反応して結合基:−CH2−CH(OH)−が形成
される。イソシアネート基の場合は多糖化合物中の活性
水素と反応して結合基:−CONH−が形成される。ア
ミノ基の場合は多糖化合物中のエポキシ基、イソシアネ
ート基、ハロゲン基、アルデヒド基等と反応して結合
基:−NH−が形成される。イミノ基の場合は多糖化合
物中のエポキシ基、イソシアネート基、ハロゲン基、ア
ルデヒド基等と反応して結合基:−NR−(R:アルキ
ル基)が形成される。水酸基の場合は多糖化合物中のカ
ルボキシル基と反応して結合基:−O−が形成される。
メルカプト基の場合は多糖化合物中のエポキシ基、イソ
シアネート基、ハロゲン基、ビニル基等と反応して結合
基:−S−が形成される。
【0015】オルガノポリシロキサン化合物と多糖化合
物との反応生成物において、オルガノポリシロキサン化
合物にラジカル重合性化合物〔一般式(I)において、
A’が重合性2重結合を含む反応基〕を用いた場合に
は、下記一般式(III)で表されるオルガノポリシロキ
サン鎖が側鎖として多糖化合物に結合する。
【化6】 前記式中、Dは重合性化合物から炭素−炭素2重結合部
を除いた残基であり、−COO−、−CO−、−O−、
−OCO−、−Ph−(Ph:フェニル基)等である。
1は水素、アルキル基、−COOR(R:アルキル
基)、フェニル基、シアノ基等である。X2はラジカル
重合反応の停止末端を示し、水素、水酸基、アルコキシ
基、重合開始剤残基等である。dは1〜300の整数を
示す。B、R1〜R5、p、m及びnは前記一般式(I)
に関して示したものと同じである。
【0016】前記重合開始剤残基を重合開始剤との関連
で具体的に示すと次の通りである。 (1)重合開始剤として、硫酸セリウム・アンモニウム
や硝酸セリウム・アンモニウム等の金属塩を使う場合の
重合開始反応は、酸化反応なので重合開始剤残基が生成
物中に残らず、この場合のX2は溶媒残基を示し、溶媒
が水の場合は水素又は水酸基である。 (2)重合開始剤として、過硫酸塩(M228)とハロ
ゲン化リチウム(LiX、X:Br、Cl、I等)との
組合せ、又は過硫酸塩と酸性亜硫酸塩(MHSO3
M:Na、K、NH4等)との組合せを用いる場合に
は、重合開始剤残基X2として前者では−SO4と−X、
後者では−SO4と−SO3Hを示す。
【0017】(3)重合開始剤として、下記一般式(I
V)で表されるものを使用する場合は、その重合開始剤
残基X2は下記一般式(V)で表される。
【化7】 (式中、Rは水素、低級アルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、フェニル基、置換フェニル基等を示す)
【化8】 〔式中、Rは一般式(IV)のRと同じ意味を有する〕
【0018】多糖化合物にオルガノポリシロキサン化合
物を反応結合させる場合、多糖化合物がオルガノポリシ
ロキサン化合物と反応し易いように、あらかじめ多糖化
合物に所望の反応基をスペーサー化合物を介して導入す
ることができる。スペーサー化合物としては、多糖化合
物に結合し得る反応基とオルガノポリシロキサン化合物
の反応基と結合し得る反応基を有する化合物が用いられ
る。スペーサー化合物としては、例えば、エピクロルヒ
ドリンやグリシドール、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;エ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイド;臭化シアン等のハロゲン化シアン;(メ
タ)アクリル酸クロライド等の重合性2重結合を持つ酸
ハライド等が挙げられる。
【0019】スペーサー化合物にエピクロルヒドリンを
用いる場合は、多糖化合物中の水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、スルホン基等の反応基に含まれる活性水
素とエポキシ基又は塩素原子が反応し、塩素原子又はエ
ポキシ基が多糖化合物に導入される。この場合、更にア
ミノ基、水酸基、メルカプト基等を分子内に2個以上有
する第2のスペーサーを結合してもよい。このような第
2スペーサー化合物の例としては、エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、エチレン
メルカプタン、ヘキサメチレンメルカプタン、アミノエ
タノール等がある。グリシドールをスペーサー化合物に
する場合は、多糖化合物中の活性水素とエポキシ基が反
応して水酸基が導入される。
【0020】(メタ)アクリル酸グリシジルやアリルグ
リシジルエーテルをスペーサー化合物にする場合は、多
糖化合物中の活性水素とそのエポキシ基が反応して、多
糖化合物中に重合性2重結合が導入される。アルキレン
オキサイドをスペーサー化合物にする場合は、多糖化合
物中のカルボキシル基、メルカプト基、アミノ基等とオ
キシラン環が反応して多糖化合物中に水酸基が導入され
る。ハロゲン化シアンをスペーサー化合物にする場合
は、多糖化合物中の活性水素とスペーサー化合物のハロ
ゲン原子が反応して、多糖化合物中にシアノ基が導入さ
れ、該シアノ基は加水分解によりカルボキシル基に変え
ることができる。重合性2重結合を持つ酸ハライドをス
ペーサー化合物にする場合は、多糖化合物中の活性水素
とスペーサー化合物中のハロゲン原子が反応して、多糖
化合物中に重合性2重結合が導入される。
【0021】前記のようにしてスペーサー化合物を介し
て導入された反応基は、多糖化合物による立体障害を受
けないので、多糖化合物中に含まれる反応基よりも高い
反応性を持っている。また、スペーサー化合物はオルガ
ノポリシロキサン化合物よりも分子量の低いものであ
り、オルガノポリシロキサン化合物よりも容易に多糖化
合物と反応する。そして、多糖化合物に導入された反応
基は、その反応基と反応性を持つ反応基を末端に有する
オルガノポリシロキサン化合物と反応させることによ
り、オルガノポリシロキサンからなる側鎖を持つ多糖化
合物を得ることができる。多糖化合物中に導入された反
応基が重合性2重結合の場合は、該2重結合に重合性2
重結合を持つオルガノポリシロキサン化合物〔一般式
(I)におけるA’が重合性2重結合を有する反応基〕
をラジカル共重合させることにより、多糖化合物にオル
ガノポリシロキサン鎖を導入することができる。この場
合のラジカル重合反応は、従来公知の方法に従って行う
ことができる。
【0022】オルガノポリシロキサン鎖を持つ多糖化合
物の重量平均分子量は、2×103〜1×107、好まし
くは2×103〜2×106である。また、この多糖化合
物中に含まれるオルガノポリシロキサン鎖の含有率は、
0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜40重量
%である。なお、オルガノポリシロキサン鎖の含有率
は、下記一般式(VI)で表されるオルガノポリシロキサ
ンの含有率である。
【化9】 (式中、R1〜R5及びnは前記と同じ意味を有する)
【0023】(オルガノポリシロキサン含有蛋白質化合
物)蛋白質化合物としては、ゼラチン、ニカワ、カゼイ
ン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン、フィブロイ
ン、アルブミン、プロタミン、グロブリン、プロラミ
ン、グルテリン、ヒストン、糖蛋白質、リン又はリポ蛋
白質、前記蛋白質化合物の水溶性誘導体、例えば、カル
ボキシメチル化、硫酸化、リン酸化、メチル化、エチレ
ンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオ
キサイド付加、アシル化、カチオン化、低分子化等の処
理による誘導体等を挙げることができる。これらの蛋白
質化合物は、その蛋白質化合物の種類に応じて、アミノ
基、イミノ基、カルボキシル基、水酸基等を1種又は2
種以上含有するものである。蛋白質化合物の重量平均分
子量は、1×103〜5×106、好ましくは1×103
〜1×106である。
【0024】前記蛋白質化合物にオルガノポリシロキサ
ンからなる側鎖を導入するには、蛋白質化合物に直接又
はスペーサー化合物を介してオルガノポリシロキサン化
合物を反応させればよい。オルガノポリシロキサン化合
物は末端に反応基を有するもので、前記一般式(I)で
表されるものを用いることができる。前記一般式(I)
で表されるオルガノポリシロキサン化合物は、反応基
A’を介して蛋白質化合物に反応結合させることができ
る。この場合のオルガノポリシロキサン化合物を反応さ
せる方法としては、前記した糖化合物にオルガノポリシ
ロキサン化合物を反応させる場合と同じ方法を採用する
ことができる。オルガノポリシロキサン鎖を有する蛋白
質化合物の重量平均分子量は、2×103〜1×107
好ましくは2×103〜2×106である。また、この蛋
白質化合物中に含まれるオルガノポリシロキサンの含有
率は、0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜4
0重量%である。
【0025】本発明の化粧料は、前記したオルガノポリ
シロキサンを含有する多糖化合物や蛋白質化合物を被膜
形成剤として含有するものである。そして、被膜形成剤
の含有率は化粧料の種類に応じて変化するが、一般的に
は0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量
%である。本発明の化粧料は、水ベース、エタノールベ
ース、水/エタノールベース、水/多価アルコール(例
えば、グリセリン、アルキレングリコール等)ベース、
有機溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル、パラフィン、芳香
族炭化水素等)ベース等にすることができる。また、化
粧料の中には該化粧料の具体的用途に応じて他の被膜形
成剤、界面活性剤、脂肪酸、高級脂肪族アルコール、ア
ルカノールアミン、増粘剤、粘度調節剤、PH調節剤、
香料、着色料、防腐剤等の慣用成分を配合することがで
きる。
【0026】
【発明の効果】本発明の前記オルガノポリシロキサン含
有糖化合物及び蛋白質化合物は、良好な被膜形成性を持
つと共にオルガノポリシロキサン特有の撥水性、潤滑
性、光沢付与性を有し、しかもオルガノポリシロキサン
にはない滑沢性(さらさら感、すべり性等)を持ち、そ
の上オルガノポリシロキサンの欠点である被膜のぱさつ
き感がなく、化粧料用の被膜形成剤として好適なもので
ある。また、天然物を基体としているために優れた生分
解性を持ち、自然環境を損うようなこともない。本発明
のオルガノポリシロキサン含有多糖化合物及び蛋白質化
合物を含む化粧料には、シャンプー、リンス、トリート
メント、コンディショナー、整髪料、トニック、ヘアス
プレー等の毛髪化粧料;クリーム、ローション等の基礎
化粧料;マニキュア、ペディキュア等の美爪料;ファン
デーション、白粉、ほほ紅、アイシャドー、アイライナ
ー、マスカラ、口紅等のメイクアップ化粧料;等があ
る。
【0027】本発明によるオルガノポリシロキサンを含
有する多糖化合物や蛋白質化合物を含有する化粧料は、
以下のような特徴を有する。 (1)リンスやヘアートリートメントに用いるとぱさつ
きがなく、さらさらと流れるような感触を持つ上に滑ら
かな櫛通りのよい毛髪を与える。また、整髪料に用いる
場合には、毛髪に対して滑らかさと耐水性(雨、湿気等
によるヘアスタイルのくずれを防止する特性)を与える
ことができる。シャンプーとして用いる場合には、オル
ガノポリシロキサンに見られるような使用時のきしみが
ない。 (2)クリームやローション等の皮膚化粧料に用いる場
合は皮膚に滑らかさと保水性を与える。また、皮膚刺激
がなく安全に使用することができる。 (3)ネイルエナメル等の美爪料に用いる場合は爪に光
沢と滑沢性を与える。 (4)アクリル系やビニル系等の合成系シリコーングラ
フトポリマーを化粧料に添加する際は、該化合物の特性
を充分発揮させる為に該化合物を10重量%以上(好ま
しくは20重量%以上)加えねばならないが、本発明の
化合物は0.5重量%未満の添加でも充分な添加効果が
得られる。そのために、溶解性、溶液物性、溶液状態で
の使用感等では天然ポリマーの優れた特性を保ち、乾燥
後の皮膜形成時にはシリコーン特有の優れた特性を発現
させることも可能である。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下の%は重量%を示す。
【0029】実施例1 カチオン化セルロース(ヒドロキシエチルセルロースに
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを付加反
応させたもの)20gを水20g、水酸化ナトリウム
0.3g、下記(VII)式で示されるオルガノポリシロキ
サン8g、及びイソプロピルアルコール(IPA)80
gを含有する溶液中に分散させた。次に、この液を50
℃に加温して5時間撹拌して分散液を得、これを室温に
冷却してからろ過して固形分を回収し、水180gに膨
潤・溶解後、中和した。この液にIPA:500ミリリ
ットルを加えて高分子を析出させ、さらにこれをIPA
で洗浄後乾燥させて、オルガノポリシロキサン基をセル
ロース中の水酸基を介してグラフト結合したカチオン化
セルロースを得た。
【0030】このオルガノポリシロキサン含有カチオン
化セルロースの重量平均分子量は約15万であり、その
オルガノポリシロキサン含有率は2.1%であった。ま
た、該化合物は水や50%エタノール水溶液に可溶であ
った。
【化10】
【0031】実施例2 カチオン化セルロースの代りにヒドロキシエチルセルロ
ースを用いた以外は、実施例1と同様にして実験を行っ
た。ここに得られたオルガノポリシロキサン含有ヒドロ
キシエチルセルロースの重量平均分子量は約20万で、
そのオルガノポリシロキサン含有率は5.0%であっ
た。また、該化合物は水や50%エタノール水溶液に可
溶であった。
【0032】実施例3 実施例1で示した(VII)式の化合物と同じ構造を持ち、
その分子量が約5,000(n=66)のオルガノポリ
シロキサン8gをIPA180gに溶解し、これに水2
0gと水酸化カリウム0.3gを混合した溶液にグアー
ガム20gを分散した。この分散液を70℃に加温して
3時間撹拌した。この液を実施例1に記載した方法と同
様に処理して、オルガノポリシロキサンをグアーガム中
の水酸基を介してグラフト結合させたグアーガムを得
た。ここに得られたオルガノポリシロキサン含有グアー
ガムの重量平均分子量は約25万であり、そのオルガノ
ポリシロキサン含有率は4.5%であった。また、該化
合物は水や15%ラウリルポリオキシエチレン硫酸エス
テルナトリウム塩水溶液に可溶であった。
【0033】実施例4 カチオン化セルロースの代りにキトサン(重量平均分子
量:約10万、脱アセチル化度:約50%)を使用し、
オルガノポリシロキサンの使用量を15gとした以外
は、実施例1と同様にして実験を行った。ここに得られ
たオルガノポリシロキサン含有キトサンの重量平均分子
量は約12万であり、そのオルガノポリシロキサン含有
率は15%であった。また、該化合物は水や15%ラウ
リルポリオキシエチレン硫酸エステルナトリウム塩水溶
液に可溶であった。
【0034】実施例5 酸処理法で製造したゼラチン(重量平均分子量:約15
万、等電点pH:7〜9)20gと、水酸化ナトリウム
0.5gを水50gに40℃で溶解し、これを実施例1
で示したオルガノポリシロキサン10gを含む40℃の
IPA溶液200ml中に分散させた。該分散液を50
℃に昇温して7時間撹拌後に室温まで冷却後、中和し、
静置して上層のIPA相を除去した。これに水50gを
混合し、IPA500ミリリットルを加えて高分子を再
沈した。この再沈操作を2回繰り返してからIPAで洗
浄後乾燥し、オルガノポリシロキサン基をアミノ基を介
してグラフト結合させたゼラチンを得た。該オルガノポ
リシロキサン含有ゼラチンの重量平均分子量は約17万
であり、そのオルガノポリシロキサン含有率は11%で
あった。また、該化合物はエタノールに可溶な上に、3
5℃以下の温度でも水中でゲル化せずに溶解する性質を
示した。従って、このものは非ゲル性ゼラチンとして有
用である。
【0035】実施例6 ゼラチンの代りに加水分解コラーゲン(重量平均分子
量:約15,000、等電点pH:7〜9)を使用し、
オルガノポリシロキサンとして実施例1で示した(VII)
式の化合物と同じ構造を持ち、その分子量が約1,00
0(n=13)のものを用いた以外は、実施例5と同様
にして実験を行った。ここに得られたオルガノポリシロ
キサン含有コラーゲンの重量平均分子量は約17,00
0であり、そのオルガノポリシロキサン含有率は10重
量%であった。また、該化合物は水溶性及び5%エタノ
ール水溶液に可溶性を示した。
【0036】実施例7 ヒドロキシプロピルセルロース10g、硝酸セリウムア
ンモニウム塩0.6g及び0.1N硝酸25ミリリット
ルを水100gに混合・溶解させた。この溶液に窒素ガ
スを吹き込みながら下記(VIII)式で示されるポリシロキ
サン1.0gを分散し、35℃で5時間撹拌した。室温
に冷却後、反応液をアセトン3リットル中に添加して高
分子を析出させた。沈殿をアセトン及びIPAで洗浄後
乾燥して、オルガノポリシロキサン基をグラフト結合し
たヒドロキシプロピルセルロースを得た。該オルガノポ
リシロキサン含有ヒドロキシプロピルセルロースの重量
平均分子量は約100万であり、そのオルガノポリシロ
キサン含有率は8%であった。また、該化合物は水や5
0%エタノール水溶液に可溶性を示した。
【化11】
【0037】実施例8 セルロース20g、水酸化ナトリウム9g及び水15g
を混合し、アルカリ−セルロース混合体を調製した。次
に、これにイソプロパノール(IPA)120gとエピ
クロルヒドリン20gを加えて60℃で2時間撹拌し
た。この混合物を室温に冷却後、デカンテーションによ
って該混合物に含まれる固形分をIPAで洗浄した。こ
のような方法で、セルロース分子中の水酸基とエピクロ
ルヒドリン分子中の塩素原子及び一部のエポキシ基が反
応し、分子中に反応活性基としてエポキシ基、部分的に
塩素原子を有するセルロースを合成した。次に、この固
形分に水30g、IPA120g及び下記構造のオルガ
ノポリシロキサン(化合物A〜H)6gを加えて50℃
で5時間撹拌した。この反応液を室温に冷却後、濾過に
より固形分を回収してIPAで洗浄後に乾燥した。この
ようにして、オルガノポリシロキサン基をスペーサー化
合物を介してセルロース中の水酸基にグラフト結合させ
た生成物の分子量等を表1に示す。
【0038】(1)化合物A
【化12】 (2)化合物B
【化13】
【0039】(3)化合物C
【化14】 (4)化合物D
【化15】
【0040】(5)化合物E
【化16】 (6)化合物F
【化17】
【0041】(7)化合物G
【化18】 (8)化合物H
【化19】
【0042】
【表1】
【0043】 実施例9(シャンプー組成物) オルガノポリシロキサン含有カチオン化セルロース 1.0% (実施例1で製造した化合物) ラウリルポリオキシエチレン硫酸エステルナトリウム塩 15.0 ラウロイルジエタノールアミド 3.0 ポリエチレングリコール 1.0 香料 0.5 精製水 適量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0044】 実施例10(リンス) オルガノポリシロキサン含有加水分解コラーゲン 0.5% (実施例6で製造した化合物) オルガノポリシロキサン含有ヒドロキシエチルセルロース (実施例2で製造した化合物) 0.3 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 プロピレングリコール 10.0 香料 0.5 精製水 適量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0045】 実施例11(ブロー剤) オルガノポリシロキサン含有カチオン化セルロース 0.5% (実施例1で製造した化合物) エタノール 10.0 香料 0.1 精製水 適量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0046】 実施例12(フォーム剤) オルガノポリシロキサン含有ゼラチン 3.0% (実施例5で製造した化合物) オルガノポリシロキサン含有グアーガム 0.1 (実施例3で製造した化合物) 非イオン界面活性剤(ソフタノール90、日本触媒製) 1.0 エタノール 8.0 香料 0.5 精製水 適量 液化石油ガス 8.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0047】 実施例13(ネイルエナメル) オルガノポリシロキサン含有ヒドロキシプロピルセルロース (実施例7で製造した化合物) 10.0% エタノール 50.0 着色顔料 微量 精製水 適量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0048】 実施例14(スキンローション) オルガノポリシロキサン含有キトサン 0.3% (実施例4で製造した化合物) セタノール 1.0 スクワラン 10.0 オルガノポリシロキサン硬化ひまし油(E010モル) 1.5 モノステアリン酸ショ糖エステル 0.5 プロピレングリコール 3.0 エタノール 2.0 香料 0.1 精製水 適量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0049】実施例15 実施例9〜実施例14に組成を示した各化粧料と、その
各化粧料に対応する比較用化粧料とについて性能評価を
行った。この場合、比較用化粧料は対応する各実施例で
使ったオルガノポリシロキサン含有高分子に代えて、オ
ルガノポリシロキサン化合物を反応結合させる前の化合
物(多糖化合物又は蛋白質化合物)を配合した以外は、
対応する各実施例と同一の成分組成を有する化粧料であ
る。実施例9〜実施例14に組成を示した本発明の化粧
料と比較用化粧料の性能比較は、本発明の化粧料と対応
する比較用の化粧料を対にして以下に示す評価基準で官
能評価法により行った。その結果を表2に示す。 (評価基準) ○:本発明品の方が優れている △:本発明品と比較品とは同等 ×:比較品の方が優れている
【0050】
【表2】
【0051】実施例16 ヒドロキシエチルセルロースに、グリシジルトリメチル
アンモニウムクロライドを付加反応させて得られるカチ
オン化セルロース20gを、ジメチルスルホキシド38
0gに溶解し、これに水酸化ナトリウム0.3gと実施
例1で使用したものと同一構造のポリシロキサン[前記
(VII)式の構造でnが132、分子量が約10,000
のポリシロキサン]8.5gを混合後、70℃で5時間
撹拌した。この混合液を室温に冷却し、希塩酸で中和し
てからIPA約2リットルと混合し、析出した固形分を
IPAで洗浄後に乾燥させた。このようにして、オルガ
ノポリシロキサン基をカチオン化セルロース中の水酸基
を介してグラフト結合したカチオン化セルロースを得
た。このオルガノポリシロキサン含有カチオン化セルロ
ースの重量平均分子量は約15万で、そのオルガノポリ
シロキサン含有率は0.4%であった。
【0052】実施例17 グァーガムに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロ
ライドを付加反応させて得られるカチオン化グァーガム
20gと、水酸化ナトリウム0.3gを80%IPA水
溶液105gに分散後、実施例1で使用したものと同一
構造で分子量が約30,000(n=403)のポリシ
ロキサン0.5gを混合し、50℃で2時間撹拌した。
この混合液を室温に冷却し、希塩酸で中和してからろ過
により液体を除き、固形分をIPA約100ミリリット
ルで5回洗浄後に乾燥させた。このようにして、オルガ
ノポリシロキサン基を、グァーガム中の水酸基を介して
グラフト結合させたオルガノポリシロキサン含有グァー
ガムを得た。このオルガノポリシロキサン含有グァーガ
ムの平均分子量は約25万であり、そのオルガノポリシ
ロキサン含有率は0.05%であった。
【0053】実施例18 ヒドロキシエチルセルロース20gと水酸化カリウム
0.5gを80%IPA水溶液100gと混合し、実施
例1で使用したポリシロキサンと同じ構造で分子量約
5,000(n=65)のポリシロキサン0.8gを加
え、50℃で3時間撹拌した。生成した液を実施例17
に記載した方法と同じ方法で分離・精製し、オルガノポ
リシロキサン基を側鎖に持つオルガノポリシロキサン含
有ヒドロキシエチルセルロースを得た。このポリマーの
重量平均分子量は約70,000であり、そのオルガノ
ポリシロキサン含有率は0.2%であった。
【0054】実施例19 酸処理ゼラチン60gと水酸化ナトリウム1.5gを3
0%IPA水溶液に溶解し、これに実施例16で使用し
たものと同じポリシロキサン3gを加えて50℃で5時
間撹拌した。この液を室温に冷却してから希塩酸で中和
し、さらにIPA約1リットルと混合して高分子を析出
させた。この析出物をIPAとヘキサンで洗浄してから
乾燥し、オルガノポリシロキサン基を側鎖に持つオルガ
ノポリシロキサン含有ゼラチンを得た。このポリマーの
重量平均分子量は約20万で、そのオルガノポリシロキ
サン含有率は0.3%であった。該ポリマーの水溶液は
冷却するとゲル化するゼラチン本来の水溶液物性を保有
していた。
【0055】実施例20 セルロース20gと水酸化ナトリウム6g、水13g及
びIPA120gを混合して、アルカリ−セルロース混
合体を調製した。これにエピクロルヒドリン2gを加え
て70℃で2時間撹拌後、室温に冷却してからデカンテ
ーションによって該混合物に含まれる固形分をIPAで
洗浄した。このような方法により、セルロース分子中の
水酸基とエピクロルヒドリン分子中の主に塩素原子、部
分的にエポキシ基が反応し、分子中に反応活性基として
エポキシ基、部分的に塩素原子を有するセルロースを合
成した。次に、この固形分に水30g、IPA120g
及び下記化合物I〜Kに示される構造のオルガノポリシ
ロキサン0.2gを加え、50℃で7時間撹拌した。こ
の反応液を室温に冷却してから希塩酸で中和し、固形分
を炉別・回収してIPAで洗浄後に乾燥した。このよう
にして、オルガノポリシロキサン基を、スペーサー化合
物を介してセルロース中の水酸基にグラフト結合させた
反応生成物の分子量及びオルガノポリシロキサン含有率
を表3に示す。
【0056】(1)化合物I
【化20】 (2)化合物J
【化21】 (3)化合物K
【化22】
【0057】
【表3】
【0058】 実施例21 (シャンプー組成物) オルガノポリシロキサン含有カチオン化セルロース 1.0% (実施例16で製造した化合物) ラウリルポリオキシエチレン硫酸エステルナトリウム塩 15.0 ラウロイルジエタノールアミド 3.5 ポリエチレングリコール 1.0 プロピレングリコール 1.0 香料 0.3 精製水 適 量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0059】 実施例22 (リンス) オルガノポリシロキサン含有ヒドロキシエチルセルロース 0.3% (実施例18で製造した化合物) オルガノポリシロキサン含有グァーガム 0.2 (実施例17で製造した化合物) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0 プロピレングリコール 10.0 香料 0.5 精製水 適 量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0060】 実施例23 (ヘアートリートメント) オルガノポリシロキサン含有ヒドロキシエチルセルロース 0.5% (実施例18で製造した化合物) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5 エタノール 40.0 香料 0.3 精製水 適 量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0061】 実施例24 (ヘアフォーム) オルガノポリシロキサン含有カチオン化セルロース 2.0% (実施例16で製造した化合物) オルガノポリシロキサン含有セルロース 1.0% (化合物Iを使って実施例20で製造した化合物) ジプロピレングリコール 6.0 エチルアルコール 14.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0 香料 0.5 精製水 適 量 液化石油ガス 10.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0062】 実施例25 (スキンローション) オルガノポリシロキサン含有ゼラチン 0.2% (実施例19で製造した化合物) セチルアルコール 1.0% ミツロウ 0.5 ワセリン 2.0 スクワラン 6.0 エタノール 6.0 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 3.0 ホ゜リオキシエチレン(EO10モル)モノオレイン酸エステル 1.0 グリセロールモノステアリン酸エステル 1.0 香料 0.2 精製水 適 量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 合 計 100.0
【0063】実施例26 実施例21〜25に組成を示した各化粧料と、その化粧
料に対応する比較化粧料とについて性能評価を行った。
この場合、比較化粧料は対応する各実施例で使ったオル
ガノポリシロキサン含有高分子に代えて、オルガノポリ
シロキサン化合物を反応結合させる前の化合物(多糖化
合物又は蛋白質化合物)を配合した以外は、対応する各
実施例と同一の成分組成を有する化粧料である。実施例
21〜25に組成を示した本発明の化粧料と比較用化粧
料との性能比較は、本発明の化粧料と対応する比較用の
化粧料を対にして、以下に示す評価基準で官能評価法に
より行った。その結果を表4に示す。 (評価基準) 〇:本発明品の方が優れている △:本発明品と比較品は同等 ×:比較品の方が優れている
【0064】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/06 C08B 30/00 7433−4C 37/00 7433−4C // A61K 7/48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖化合物からなる主鎖と、オルガノポ
    リシロキサンからなる側鎖とから構成されていることを
    特徴とするオルガノポリシロキサン含有多糖化合物。
  2. 【請求項2】 側鎖が、下記一般式で表されるオルガノ
    ポリシロキサン鎖であることを特徴とする請求項1に記
    載の多糖化合物。 【化1】 (式中、Aは2価結合基、Bは2価脂肪族基を示し、R
    1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なっていてもよ
    く、脂肪族基又は芳香族基を示し、pは0又は1、mは
    0又は1、nは5〜500の整数を示す)
  3. 【請求項3】 蛋白質化合物からなる主鎖と、オルガノ
    ポリシロキサンからなる側鎖とから構成されていること
    を特徴とするオルガノポリシロキサン含有蛋白質化合
    物。
  4. 【請求項4】 側鎖が、下記一般式で表されるオルガノ
    ポリシロキサン鎖であることを特徴とする請求項3に記
    載の蛋白質化合物。 【化2】 (式中、Aは2価結合基、Bは2価脂肪族基を示し、R
    1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なっていてもよ
    く、脂肪族基又は芳香族基を示し、pは0又は1、mは
    0又は1、nは5〜500の整数を示す)
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の多糖化合物を被膜形成
    剤として含有する化粧料。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4の蛋白質化合物を被膜形
    成剤として含有する化粧料。
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