JP2013234153A - 透明害虫駆除剤、害虫駆除用スプレー製品、並びに、害虫の駆除方法 - Google Patents

透明害虫駆除剤、害虫駆除用スプレー製品、並びに、害虫の駆除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適用場所を必要以上に汚すことがなく、かつスプレー特性に優れたチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤等を提供する。
【解決手段】水系溶媒に、(a)害虫駆除成分:透明害虫駆除剤中における含有率が0.01〜5重量%、(b)疎水変性ポリエーテルウレタン:透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜2重量%、を各配合割合で含有させてなるチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤が提供される。当該透明害虫駆除剤には、さらに(c)ノニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の1〜8重量倍、(d)アニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の0.4〜3.5重量倍、を含有させてもよい。当該透明害虫駆除剤が充填されてなる害虫駆除用スプレー製品、当該透明害虫駆除剤を噴射する害虫の駆除方法も提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明害虫駆除剤、害虫駆除用スプレー製品、並びに、害虫の駆除方法に関し、さらに詳細には、チキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤、当該透明害虫駆除剤が充填されてなる害虫駆除用スプレー製品、並びに、当該透明害虫駆除剤を噴射する害虫の駆除方法に関する。
害虫駆除用の薬剤として、液状やゲル状の害虫駆除剤が知られている。例えば、害虫を駆除したい場所に対して、液状やゲル状の害虫駆除剤を塗布、散布、噴射等し、害虫を駆除する。一般に、液状の害虫駆除剤は散布や噴射が容易であり、広範囲の場所に適用可能である。しかし、液状の害虫駆除剤は、壁面に適用した場合には容易に流れ落ちてしまい、効能の持続性に問題がある。一方、ゲル状の害虫駆除剤は定着性がよいので、壁面に適用しても容易に流れ落ちることはない。また、害虫の体表に対する定着性(以下、害虫捕捉性とも称する)もよく、害虫に対する効果が高い。しかし、ゲル状の害虫駆除剤は高粘度であり、散布や噴射を広範囲に行うことが困難である。
このような問題を解決するために、チキソトロピー性を有する基材を用いた技術が検討されている。すなわち、スプレー容器に収容した害虫駆除剤をノズルから噴射させる場合に、チキソトロピー性を有する害虫駆除剤を用いる。これにより、せん断速度が大きい噴射時には低粘度となって噴射が容易であり、壁面や害虫の体表に付着した後は高粘度となって長時間にわたって壁面等に定着させることができる。
特許文献1には、チキソトロピー性を有するゲル状害虫用組成物が開示されている。具体的には、チキソトロピー性を付与する成分(チキソトロピー剤)として粘土鉱物(スメクタイト)を使用したスプレー組成物を得ている。さらに特許文献1には、当該スプレー組成物を大気圧に保持して収容したスプレー製品も開示されている。しかし、チキソトロピー剤として粘土鉱物を使用したスプレー組成物では、粘土鉱物の分散によって分散液が不透明となり、さらに粘土鉱物独特の着色がみられるため、透明性が求められる用途には不適である。また、スプレー後の塗膜を乾燥させると、粉吹きが生じやすいという問題がある。さらに、溶媒中にアルコールが存在する場合には粘土鉱物が凝集し、スプレー特性(噴射特性)が大きく低下するおそれがある。
スプレー用組成物に添加される粘土鉱物以外のチキソトロピー剤としては、アクリル系増粘剤(カルボキシビニルポリマー等)、セルロース系増粘剤(カルボキシメチルセルロース等)などがある(特許文献2)。しかし、アクリル系増粘剤は、電解質などの塩類やイオン性物質の存在下では機能低下し、組成物の粘度が大きく低下する。そのため、粘度が要求されるスプレー用組成物に用いる場合には、配合できる電解質やイオン性物質等の機能性添加剤に制限がある。セルロース系増粘剤についても、イオン性物質等の添加によってセルロース分子の水和が阻害されて凝集・沈殿を起こすことがあり、配合できる機能性添加剤に制限がある。
特開2009−161453号公報 特開2010−37200号公報
上記現状に鑑み、本発明は、噴射が容易でかつ壁面や害虫の体表に長時間付着することができ、適用場所を必要以上に汚すことがなく、かつスプレー特性に優れたチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤と、当該透明害虫駆除剤を用いた害虫駆除用スプレー製品及び害虫の駆除方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記した課題を解決するため鋭意研究した結果、ゲル化剤として疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることにより、上記の課題が解決できることを見出した。
請求項1に記載の発明は、水系溶媒に、下記成分(a)及び(b)を各配合割合で含有させてなるチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤である。
(a)害虫駆除成分:透明害虫駆除剤中における含有率が0.01〜5重量%、
(b)下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタン:透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜2重量%、
1-{(O-R2k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5hm ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR4は、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、R5は直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)。
本発明の透明害虫駆除剤は、ゲル化剤(チキソトロピー剤)として所定量の上記疎水変性ポリエーテルウレタンを含有しており、これによりチキソトロピー性が付与されている。また、本発明の透明害虫駆除剤は「透明」である。本発明では疎水変性ポリエーテルウレタンを用いるので、粘土鉱物を用いた従来の組成物のように不透明となったり着色することがなく、また粉吹きが起こることもない。そのため、家屋の壁面等に塗布等しても、壁面等を必要以上に汚すことがない。また、スプレー製品に適用した場合に、本発明の透明害虫駆除剤によれば、粘土鉱物の凝集によるスプレー特性の低下といった問題が起こるおそれもない。本発明によれば、噴射が容易でかつ壁面や害虫の体表に長時間付着することができるとともに、透明でかつスプレー特性に優れたチキソトロピー性を有する害虫駆除剤を提供することができる。
ここで「チキソトロピー性」とは、せん断速度が大きいときは粘度が小さく、せん断速度が小さくなると高粘度となる性質をいう。
上記疎水変性ポリエーテルウレタンは単一の化合物に限定されず、上記一般式(1)を満たす複数種の化合物の混合物も含まれる。なお、上記疎水変性ポリエーテルウレタンからなるゲル化剤は公知であり、例えば、特開2002−69430号公報に記載されている。
請求項2に記載の発明は、さらに下記成分(c)及び(d)を各配合割合で含有させてなる請求項1に記載の透明害虫駆除剤である。
(c)ノニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の1〜8重量倍、
(d)アニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の0.4〜3.5重量倍。
本発明の透明害虫駆除剤は、所定量のノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤をさらに含んでいる。かかる構成は、害虫駆除成分が水性溶媒への溶解性が低いものである場合に特に適している。
請求項3に記載の発明は、単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定した粘度について、ローター回転数6rpmにおける粘度をローター回転数60rpmにおける粘度で除した値が、4〜14であることを特徴とする請求項2に記載の透明害虫駆除剤である。
本発明の透明害虫駆除剤においては、単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定したローター回転数6rpmにおける粘度を、同条件でのローター回転数60rpmにおける粘度で除した値(いわゆるチキソトロピックインデックス)が4〜14である。かかる構成により、スプレー製品に適用した場合に、噴射がより容易であるとともに壁面等への定着性により優れたものとなる。
請求項2又は3に記載の透明害虫駆除剤において、前記(b)疎水変性ポリエーテルウレタンの透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜1.5重量%であることが好ましい(請求項4)
請求項5に記載の発明は、(c)ノニオン性界面活性剤のHLBが、9以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の透明害虫駆除剤である。
かかる構成により、透明害虫駆除剤の透明性がより高くなる。
請求項2〜5のいずれかに記載の透明害虫駆除剤において、(c)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい(請求項6)。
請求項2〜6のいずれかに記載の透明害虫駆除剤において、(d)アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい(請求項7)。
請求項8に記載の発明は、単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定した粘度について、ローター回転数6rpmにおける粘度をローター回転数60rpmにおける粘度で除した値が、4〜14であることを特徴とする請求項1に記載の透明害虫駆除剤である。
かかる構成により、スプレー製品に適用した場合に、噴射がより容易であるとともに壁面等への定着性により優れたものとなる。
請求項1〜8のいずれかに記載の透明害虫駆除剤において、(a)害虫駆除成分が、ピレスロイド系化合物、カーバメート系化合物、ネオニコチノイド系化合物、及び有機リン系化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい(請求項9)。
請求項1〜9のいずれかに記載の透明害虫駆除剤において、水系溶媒が、水、又は水とアルコールの混和物であることが好ましい(請求項10)。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の透明害虫駆除剤が、スプレー容器に充填されてなる害虫駆除用スプレー製品である。
本発明は害虫駆除用スプレー製品に係るものであり、上記した本発明の透明害虫駆除剤がスプレー容器に充填されてなるものである。本発明の害虫駆除用スプレー製品によれば、透明害虫駆除剤を効率的かつ簡便に噴射することができる。
請求項11に記載の害虫駆除用スプレー製品において、前記スプレー容器は、透明害虫駆除剤を大気圧に保持して収容する容器本体と、当該容器本体に装着され、容器本体に収容された透明害虫駆除剤を噴射させる噴射手段とを有することが好ましい(請求項12)。
請求項12に記載の害虫駆除用スプレー製品において、前記噴射手段は、手動トリガー式のものであることが好ましい(請求項13)。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の透明害虫駆除剤を、害虫自体又は害虫を駆除すべき場所に噴射することを特徴とする害虫の駆除方法である。
本発明は害虫の駆除方法に係るものであり、上記した本発明の透明害虫駆除剤を、害虫自体又は害虫を駆除すべき場所に噴射するものである。本発明の害虫の駆除方法によれば、噴射場所を必要以上に汚すことなく、害虫を駆除することができる。また、害虫に直接噴射することにより、高い害虫捕捉性をもって害虫を駆除することができる。
請求項14に記載の害虫の駆除方法において、請求項11〜13のいずれかに記載の害虫駆除用スプレー製品を用いることが好ましい(請求項15)。
本発明の透明害虫駆除剤は、疎水変性ポリエーテルウレタンによってチキソトロピー性を付与されているので、透明であり、噴射等した場所を必要以上に汚すことがない。また、壁面や害虫の体表への定着性がよい。さらに、スプレー製品に適用した場合に、スプレー特性の低下が起こりにくい。
本発明の害虫駆除用スプレー製品によれば、本発明の透明害虫駆除剤を効率的かつ簡便に噴射することができる。
本発明の害虫の駆除方法によれば、噴射場所を必要以上に汚すことなく、害虫を駆除することができる。
本発明の一実施形態に係る害虫駆除用スプレー製品を表す正面図である。
本発明の透明害虫駆除剤は、水系溶媒に、下記成分(a)及び(b)を各配合割合で含有させてなるチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤である。
(a)害虫駆除成分:透明害虫駆除剤中における含有率が0.01〜5重量%、
(b)下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタン:透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜2重量%、
1-{(O-R2k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5hm ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR4は、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、R5は直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)。
上記一般式(1)において、R2及び/又はR4は、互いに同一でも異なってもよい炭素数2〜4のアルキレン基、又はフェニルエチレン基であってもよい。また、R3は、R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートの残基であることが好ましい。また、R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン結合を有するポリイソシアネートであることが好ましい。また、R1は、R1-(OH)mで表されるポリオールの残基であることが好ましい。また、R5は、炭素数8〜36の直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基であることが好ましい。
さらに、上記疎水変性ポリエーテルウレタンは、R1-[(O-R2)k-OH]mで表される1種又は2種以上のポリエーテルポリオールと、R3-(NCO)h+1で表される1種又は2種以上のポリイソシアネートと、HO-(R4-O)n-R5で表される1種又は2種以上のポリエーテルモノアルコールの反応物であることが好ましい。
なお、上記疎水変性ポリエーテルウレタンとしては、アデカノールGT−1306、SDX−3310(いずれもADEKA社製)が挙げられる。
本発明の透明害虫駆除剤において、疎水変性ポリエーテルウレタンの透明害虫駆除剤中における含有率は、0.5〜2重量%である。より好ましくは、0.5〜1.5重量%である。なお、含有率が0.5重量%未満であると、適用場所や害虫の体表へ付着した後の粘度が低く、定着性が悪い。一方、含有率が2重量%を超えると、高せん断速度での粘度が高すぎて、噴射が困難となる。さらに、透明性が低下する。
上記(a)害虫駆除成分としては特に限定はなく、例えば、ピレスロイド系化合物、カーバメート系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機リン系化合物、などを用いることができる。これらの害虫駆除成分については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ピレスロイド系化合物の例としては、アクリナトリン、アレスリン、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、エンペントリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、レスメトリン、シグマ−サイパーメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、テトラメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、アルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、ラムダシハロトリン、ガンマシハロトリン、フラメトリン、タウフルバリネート、メトフルトリン、メパーフルスリン(Meperfluthrin)、テフルメスリン(Teflumethrin)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−シアノ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、等が挙げられる。これらのピレスロイド系化合物については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カーバメート系化合物の例としては、アラニカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、BPMC、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メトルカルブ、メソミル、メチオカルブ、NAC、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、XMC、チオジカルブ、キシリルカルブ、アルジカルブ、等が挙げられる。これらのカーバメート系化合物については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ネオニコチノイド系化合物の例としては、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、ジノテフラン、クロチアニジン、等が挙げられる。これらのネオニコチノイド系化合物については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機リン系化合物の例としては、アセフェート、りん化アルミニウム、ブタチオホス、キャドサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、シアノホス、ダイアジノン、DCIP、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、フェンチオン、フエニトロチオン、等が挙げられる。これらの有機リン系化合物については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の透明害虫駆除剤において、害虫駆除成分の透明害虫駆除剤中における含有率は、0.01〜5重量%である。より好ましくは0.02〜3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。
本発明の透明害虫駆除剤には、上記(a)と(b)以外の成分を含有させてもよい。例えば、下記成分(c)及び(d)を各配合割合で含有させてもよい。
(c)ノニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の1〜8重量倍、
(d)アニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の0.4〜3.5重量倍。
この実施形態は、害虫駆除成分が水性溶媒に対する溶解性が低いものである場合に適している。この実施形態において、(b)疎水変性ポリエーテルウレタンの透明害虫駆除剤中における含有率は、0.5〜1.5重量%であることが好ましい。
上記(c)ノニオン性界面活性剤としては特に限定はなく、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、等を用いることができる。好ましくは、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いる。これらのノニオン性界面活性剤については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の透明害虫駆除剤において、上記ノニオン性界面活性剤の好ましい含有量は(a)害虫駆除成分の1〜8重量倍である。なお、ノニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の8重量倍を超えると、高せん断速度での粘度が高すぎて、噴射が困難となる。一方、ノニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の1重量倍未満であると、適用場所へ付着した後の粘度が低く、定着性が悪い。
上記ノニオン性界面活性剤のHLBについては特に限定はないが、好ましくは9以上である。ここで、2種以上のノニオン性界面活性剤を用いる場合のHLBは、全ノニオン性界面活性剤の加重平均したHLBを採用する。ノニオン性界面活性剤のHLBが9以上であれば、透明害虫駆除剤の透明性がより高くなる。
上記(d)アニオン性界面活性剤としては特に限定はないが、好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を用いる。これらのアニオン性界面活性剤については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の透明害虫駆除剤において、上記アニオン性界面活性剤の好ましい含有量は(a)害虫駆除成分の0.4〜3.5重量倍である。なお、アニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の0.4重量倍未満あるいは3.5重量倍を超えると、適用場所へ付着した後の粘度が低く、定着性が悪い。
上記水系溶媒としては、水を含む溶媒であれば特に限定はないが、好ましくは、水(単独)、又は水とアルコールとの混和物である。前記アルコールの例としては、メタノール、メトキシブタノール、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、などが挙げられる。これらの成分については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系溶媒における水以外の成分の含有量としては特に限定はないが、一般的には0〜80%、好ましくは0〜70%、より好ましくは0〜60%である。
本発明の透明害虫駆除剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(a)〜(b)以外の成分がさらに含まれていてもよい。当該成分としては、pH調節剤、金属カチオン、着色剤、紫外線吸収剤、安定化剤(酸化防止剤)、誤飲防止剤、防腐・防カビ剤等が挙げられる。
本発明の透明害虫駆除剤はチキソトロピック性を有するものである。一般に、チキソトロピー性の指標としてチキソトロピックインデックス(TI)が用いられている。ここでチキソトロピックインデックスとは、単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定した粘度について、ローター回転数6rpmにおける粘度(η1)を、60rpmにおける粘度(η2)で除した値と定義する。すなわち、「TI=η1/η2」である。本発明の透明害虫駆除剤のTIは、4〜14であることが好ましい。
なお、25℃でのローター回転数6rpmにおける粘度(η1)の好ましい範囲は、9000〜70000mPa・sである。また、25℃でのローター回転数60rpmにおける粘度(η2)の好ましい範囲は、2000〜9000mPa・sである。
本発明の透明害虫駆除剤は、例えば、適宜の水系溶媒に、所定量の上記成分(a)〜(d)等を添加及び混和することにより製造することができる。
本発明の害虫駆除用スプレー製品は、本発明の透明害虫駆除剤がスプレー容器に充填されてなるものである。スプレー容器としては、例えば、公知の手動トリガー式スプレー容器を用いることができる。
例えば、図1に示す本発明の一実施形態に係る害虫駆除用スプレー製品1は、手動トリガー式のスプレー容器2に透明害虫駆除剤3が充填されたものである。詳細には、スプレー容器2は、容器本体5と、容器本体5に対して着脱自在な噴射手段6を有し、容器本体5に本発明の透明害虫駆除剤3が収容されている。容器本体5は、透明害虫駆除剤3を大気圧に保持して収容可能なものである。
噴射手段6は、トリガーレバー7と、トリガーレバー7で操作可能なポンプ部8と、ポンプ部8に連結された送出チューブ10と、ノズル11を備えている。トリガーレバー7を操作することにより、容器本体5に収容された透明害虫駆除剤3が送出チューブ10から吸い込まれるとともに、ノズル11から噴射される。
透明害虫駆除剤3は、ノズル11から噴射される際にはせん断速度が大きい状態に晒されるので、容易にノズル11から噴射される。
本発明の害虫駆除用スプレー製品における1回の噴射量としては特に限定はないが、例えば、駆除剤に使用量として0.1mL〜5mLとすることができる。
本発明の害虫駆除用スプレー製品における、透明害虫駆除剤の充填量としては特に限定はないが、例えば100〜1000mL程度とすることができる。
本発明の害虫の駆除方法は、本発明の害虫駆除剤を、害虫自体又は害虫を駆除すべき場所に噴射するものである。特に、図1に例示したような害虫駆除用スプレー製品を用いて噴射することにより、害虫の駆除を効率的に行うことができる。
本発明の害虫駆除剤を適用する場所としては特に限定はなく、例えば、家屋やビル等の壁、天井、床、玄関、軒下、ベランダ、屋根などが挙げられる。さらに、岩場、草原、芝生、グラウンドなどの地面に適用することもできる。その他、物品の表面に適用することもできる。
本発明の駆除対象となる害虫の例としては、ゴキブリ類、アリ類、カメムシ類、ダンゴムシ類、クモ類、ヤスデ類、ムカデ類、ゲジ類、燐翅目の幼虫(毛虫)、等が挙げられる。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
表1〜4に示す各組成の害虫駆除剤(実施例1〜30、比較例1〜6)を調製した。表中の略号の意味は以下のとおりである。
<ゲル化剤>
・「SDX−3310」:ADEKA社製 疎水変性ポリエーテルウレタンSDX−3310
・「GT−1306」:ADEKA社製 疎水変性ポリエーテルウレタンGT−1306
<ノニオン性界面活性剤>
・「CP−80」:ニューカルゲンCP−80(竹本油脂製;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル)
・「CP−50」:ニューカルゲンCP−50(竹本油脂製;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル)
・「CP−120」:ニューカルゲンCP−120(竹本油脂製;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル)
・「FS−1」:ニューカルゲンFS−1(竹本油脂製;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル)
・「CL−70」:ナロアクティーCL−70(三洋化成社製;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
・「CL−140」:ナロアクティーCL−140(三洋化成社製;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
<アニオン性界面活性剤>
・「EP−70G」:ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂社製;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩/水−プロピレングリコール、有効成分70%)
・「155PG」:ニューカルゲン155PG(竹本油脂製)
・「A−41−C」:ニューカルゲンA−41−C(竹本油脂製;アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム/メタノール)
<その他>
・「PG」:プロピレングリコール
実施例2の「ノニオン性界面活性剤/薬剤重量比=5.1」の害虫駆除剤を例として、具体的な調製手順を以下に示す。本実施例で調製した他の害虫駆除剤についても、手順は基本的に同じである。
50mL容ガラス瓶に以下の物を加え、80℃にて30分間攪拌後、攪拌下空冷し、ジェル状の害虫駆除剤を得た。
スミスリン(一般名:フェノトリン)原体: 0.045g
ニューカルゲンCP−80: 0.23g
ニューカルゲンA−41−C: 0.136g(有効成分:0.095g)
Proxel LV(S): 0.045g(防腐剤)
SDX−3310: 0.44g
プロピレングリコール: 4.45g
イオン交換水:39.65g
各害虫駆除剤の粘度測定、チキソトロピックインデックス(TI)の算出、透明性、噴射性、垂れ性(定着性)の評価は、以下の手順で行った。
〔粘度測定とTI算出〕
単一円筒型回転粘度計(東機産業社製R型粘度計,型式RB85L)を使用し、4番ローターを用いて25℃にて粘度を測定した。6rpmと60rpmにおける粘度(mPa・s)を測定し、TIを算出した。
〔透明性〕
目視で評価した。
〔噴射性と垂れ性〕
図1に示すようなトリガー式スプレー容器を用いて、各害虫駆除剤を壁面に向かって噴射した。噴射性の評価は以下の2段階で行った。
○:簡単に噴射できる
×:噴射時にトリガーを引くのに力を要する
垂れ性の評価は以下の3段階で行った。
○:壁面に付着したゲルが長時間残る。
△:壁面に付着したゲルが徐々に崩れる。
×:壁面に付着したゲルが直ぐに崩れる。
表1〜4に各害虫駆除剤の組成と測定・評価結果を示す。以下、結果について考察する。
(1)ノニオン性界面活性剤の含有量検討
実施例1〜3に示すように、ノニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の2.0〜7.0重量倍の場合には、優れた粘度とチキソトロピー性を示した。しかし、ノニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の9.0重量倍の場合(比較例1)には、6rpmにおける粘度(η1)が低く、付着後の定着性が悪いものとなった。さらにTIが2.3と低く、チキソトロピー性に劣るものとなった。さらに垂れ性についても「×」と評価された。
噴射性に関しては、いずれの組成物とも「○」と評価された。
透明性に関しては、いずれの組成物とも「透明」と評価された。
(2)アニオン性界面活性剤の含有量検討
実施例4〜8に示すように、アニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の0.6〜3.4重量倍の場合には、優れた粘度とチキソトロピー性を示した。垂れ性については、「○」あるいは「△」と評価された。
しかし、アニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の0.3重量倍の場合(比較例2)と、4.0及び6.1重量倍の場合(比較例3,4)には、6rpmにおける粘度(η1)が低く、付着後の定着性が悪いものとなった。さらにTIも低く、チキソトロピー性に劣るものとなった。さらに垂れ性についても「×」と評価された。
噴射性に関しては、いずれの組成物とも「○」と評価された。
透明性に関しては、アニオン性界面活性剤の含有量が害虫駆除成分の0.3〜4.0重量倍の範囲では「透明」であったが、6.1重量倍の場合には白濁が生じた。
(3)害虫駆除成分の含有量検討
実施例9,10に示すように、害虫駆除成分の含有量が0.20〜1.00%の範囲において、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
(4)ノニオン性界面活性剤のHLB検討
実施例11〜16に示すように、ノニオン性界面活性剤のHLBについて、少なくとも11.1〜15.1の範囲において、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
なお実施例12〜15では、ニューカルゲンCP−50,CP−80,CP−120,及びFS−1を1種あるいは2種以上混合して用いた。
(5)疎水変性ポリエーテルウレタン(ゲル化剤)の含有量検討
実施例17〜19に示すように、疎水変性ポリエーテルウレタンの含有量が0.75〜1.29重量%の範囲の場合には、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。一方、疎水変性ポリエーテルウレタンの含有量が1.55重量%の場合(比較例5)には、粘度測定が不能な大きい粘度となり、噴射性が「×」と評価され、さらに不透明なものとなった。
噴射性と垂れ性については、「○」あるいは「△」と評価された。
(6)害虫駆除成分の種類の検討
スミスリン以外の害虫駆除成分について検討した。害虫駆除成分として、ゴキラート(一般名:シフェノトリン)、ベーパースリン(一般名:エンペントリン)、エトック(一般名:プラレトリン)、又はエクスミン(一般名:ペルメトリン)を用いた。
実施例20〜23に示すように、いずれの害虫駆除成分の場合でも、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
(7)ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の種類の検討
実施例24では、アニオン性界面活性剤として、ニューカルゲンA−41−Cを用いた。ノニオン性界面活性剤として、ナロアクティーCL−70とナロアクティーCL−140とを混合し、HLBを13.2に調整して用いた。実施例25では、アニオン性界面活性剤として、ニューカルゲンEP−70Gを用いた。ノニオン性界面活性剤として、ニューカルゲンCP−80を用いた。
実施例24と実施例25のいずれにおいても、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
(8)疎水変性ポリエーテルウレタンの種類の検討
実施例26では、別種類の疎水変性ポリエーテルウレタン(商品名:アデカノールGT−1306、30% 水−プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液、ADEKA社製)を用いた。実施例26においても、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
(9)水性溶媒の検討
実施例27では、水性溶媒として50%グリセリンを用いた。実施例28では、水性溶媒として、5%プロピレングリコール/40%グリセリンを用いた。
実施例27と実施例28のいずれにおいても、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
(10)界面活性剤を含まない害虫駆除剤の調製
実施例29と実施例30では、害虫駆除成分としてクロチアニジンを使用し、界面活性剤を使用せずに害虫駆除剤を調製した。実施例29では、水性溶媒として精製水を使用した。実施例30では、水性溶媒として30%グリセリンを使用した。
実施例29と実施例30のいずれにおいても、優れた粘度とチキソトロピー性、及び透明性が得られた。噴射性と垂れ性についても、全て「○」と評価された。
Figure 2013234153
Figure 2013234153
Figure 2013234153
Figure 2013234153
(11)害虫に対する殺虫効果確認〔1〕
下記組成のチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤(本発明害虫駆除剤)と液状害虫駆除剤(比較害虫駆除剤)を調製し、害虫(供試昆虫)に対する効果を調べた。供試昆虫としてヤスデ類を使用した。
〔本発明害虫駆除剤の組成〕
(a)害虫駆除成分:0.1重量%スミスリン
(b)疎水変性ポリエーテルウレタン:SDX−3310を0.98%
(c)ノニオン性界面活性剤:ニューカルゲン155PG 0.65重量%(有効成分(ノニオン+アニオン)としてスミスリンの4.55重量倍)
(d)アニオン性界面活性剤:155PGに含まれる
防腐剤 プロキセルLV(S):0.1%
水系溶媒:プロピレングリコール(10%)、イオン交換水:残分
〔比較害虫駆除剤の組成〕
スミスリン乳剤[ES](住化エンビロサイエンス社,水性乳剤,フェノトリン10.0%)をイオン交換水にて100倍に希釈し、比較害虫駆除剤とした。
〔試験方法〕
ポリカップ(底面部直径10cm、高さ10cm)にろ紙を3枚入れて、供試昆虫3頭を放飼した。ポリカップの側面には、供試昆虫の逃亡防止のため、予めフルオンを塗布しておいた。
供試昆虫に対して本発明害虫駆除剤又は比較害虫駆除剤を所定量噴霧処理した。噴霧後1,2,3,4,5,7,10,15,20,25,30,45,60分後に、ノックダウン数を調査した。ノックダウン数の全数に対する割合(ノックダウン率)を算出した。
噴霧前後に検体の重量を測定し、噴霧量を算出した。
供試昆虫に水を与え、約25℃の条件で管理し、24時間後および48時間後に苦死虫数を調査し、苦死虫率を算出した。
上記試験を2回反復して行った(N=2)。
〔結果〕
ノックダウン数の試験結果を表5に示す。表5中、「実施例」は本発明害虫駆除剤を使用した場合、「比較例」は比較害虫駆除剤を使用した場合を示す。すなわち、本発明害虫駆除剤を噴霧した場合は、少なくとも噴霧5分後から効果を発揮し(ノックダウン率:17%)、噴霧後60分でノックダウン率が100%となった。一方、比較害虫駆除剤を噴霧した場合は噴霧後60分でもノックダウン率は0%であった。以上より、本発明害虫駆除剤がより高い害虫駆除効果を有することが示された。なお、この結果は、本発明害虫駆除剤が有する高い害虫捕捉性(害虫の体表に対する定着性)が大きく寄与していると考えられた。
また苦死虫数については、本発明害虫駆除剤と比較害虫駆除剤のいずれの場合も、噴霧後48時間で全ての供試昆虫が苦死に至った。
本発明害虫駆除剤の噴霧量は2.43g、比較害虫駆除剤の噴霧量は2.13gであった。
Figure 2013234153
(12)害虫に対する殺虫効果確認〔2〕
上記(9)で調製した本発明害虫駆除剤と比較害虫駆除剤について、害虫(供試昆虫)としてクサギカメムシ(Halyomorpha halys)の雌雄成虫を用いて、同様の試験を行った。
〔試験方法〕
ポリカップ(底面部直径10cm、高さ10cm)にろ紙を3枚入れて、供試昆虫6頭(雄3頭、雌3頭)を放飼した。
供試昆虫に対して本発明害虫駆除剤又は比較害虫駆除剤を所定量噴霧処理した。噴霧後1,2,3,4,5,7,10,15,20,25,30,45,60分後に、ノックダウン数を調査した。ノックダウン数の全数に対する割合(ノックダウン率)を算出した。
噴霧前後に検体の重量を測定し、噴霧量を算出した。
供試昆虫に水を与え、約25℃の条件で管理し、24時間後および48時間後に苦死虫数を調査し、苦死虫率を算出した。
上記試験を3回反復して行った(N=3)。
〔結果〕
ノックダウン数の試験結果を表6に示す。表6中、「実施例」は本発明害虫駆除剤を使用した場合、「比較例」は比較害虫駆除剤を使用した場合を示す。すなわち、本発明害虫駆除剤を噴霧した場合は、少なくとも噴霧15分後から効果を発揮し(ノックダウン率:44%)、噴霧後45分でノックダウン率が100%となった。一方、比較害虫駆除剤を噴霧した場合は、噴霧後45分でもノックダウン率は39%と低かった。以上より、本発明害虫駆除剤がより高い害虫駆除効果を有することが示された。なお、この結果は、本発明害虫駆除剤が有する高い害虫捕捉性(害虫の体表に対する定着性)が大きく寄与していると考えられた。
また苦死虫数については、本発明害虫駆除剤と比較害虫駆除剤のいずれの場合も、噴霧後48時間で全ての供試昆虫が苦死に至った。
本発明害虫駆除剤の噴霧量は2.42g、比較害虫駆除剤の噴霧量は2.11gであった。
Figure 2013234153
1 害虫駆除用スプレー製品
2 スプレー容器
3 透明害虫駆除剤
5 容器本体
6 噴射手段
7 トリガーレバー

Claims (15)

  1. 水系溶媒に、下記成分(a)及び(b)を各配合割合で含有させてなるチキソトロピー性を有する透明害虫駆除剤。
    (a)害虫駆除成分:透明害虫駆除剤中における含有率が0.01〜5重量%、
    (b)下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタン:透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜2重量%、
    1-{(O-R2k-OCONH-R3[-NHCOO-(R4-O)n-R5hm ・・・(1)
    (式中、R1、R2及びR4は、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、R5は直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である)。
  2. さらに下記成分(c)及び(d)を各配合割合で含有させてなる請求項1に記載の透明害虫駆除剤。
    (c)ノニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の1〜8重量倍、
    (d)アニオン性界面活性剤:(a)害虫駆除成分の0.4〜3.5重量倍。
  3. 単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定した粘度について、ローター回転数6rpmにおける粘度をローター回転数60rpmにおける粘度で除した値が、4〜14であることを特徴とする請求項2に記載の透明害虫駆除剤。
  4. 前記(b)疎水変性ポリエーテルウレタンの透明害虫駆除剤中における含有率が0.5〜1.5重量%であることを特徴とする請求項2又は3に記載の透明害虫駆除剤。
  5. (c)ノニオン性界面活性剤のHLBが、9以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の透明害虫駆除剤。
  6. (c)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の透明害虫駆除剤。
  7. (d)アニオン性界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の透明害虫駆除剤。
  8. 単一円筒型回転粘度計を用いて25℃にて測定した粘度について、ローター回転数6rpmにおける粘度をローター回転数60rpmにおける粘度で除した値が、4〜14であることを特徴とする請求項1に記載の透明害虫駆除剤。
  9. (a)害虫駆除成分が、ピレスロイド系化合物、カーバメート系化合物、ネオニコチノイド系化合物、及び有機リン系化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明害虫駆除剤。
  10. 水系溶媒が、水、又は水とアルコールの混和物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の透明害虫駆除剤。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の透明害虫駆除剤が、スプレー容器に充填されてなる害虫駆除用スプレー製品。
  12. 前記スプレー容器は、透明害虫駆除剤を大気圧に保持して収容する容器本体と、当該容器本体に装着され、容器本体に収容された透明害虫駆除剤を噴射させる噴射手段とを有することを特徴とする請求項11に記載の害虫駆除用スプレー製品。
  13. 前記噴射手段は、手動トリガー式のものであることを特徴とする請求項12に記載の害虫駆除用スプレー製品。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の透明害虫駆除剤を、害虫自体又は害虫を駆除すべき場所に噴射することを特徴とする害虫の駆除方法。
  15. 請求項11〜13のいずれかに記載の害虫駆除用スプレー製品を用いることを特徴とする請求項14に記載の害虫の駆除方法。
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