JP5639806B2 - 防蟻性を有する発泡樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建材として要求される難燃性を有し、建築物の断熱材、保温材等として使用することのできる、防蟻性を有する発泡樹脂成形体、及びその製造方法に関する。
防蟻性を有する発泡樹脂成形体としては、発泡樹脂成形体の表面に防蟻性物質(防蟻薬剤)を有効成分とする防蟻製剤を塗布し、その成形体表面に防蟻性膜を形成したものが知られている。
例えば、クロロピリジルメチル基を含むアセタミプリドの含有量を極力少量に抑えることができ、しかも、防蟻性能と効力持続性の面で十分に実用に耐えて安全性の高い防蟻性発泡樹脂成型物を提供することを課題として、アセタミプリドから成る防蟻性化合物とシラフルオフェンから成る防蟻性化合物とを含む合成樹脂材料を、100℃以上の温度に熱履歴させることによって、前記各々の防蟻性化合物におけるSiまたはCの結合部の一部が解離して生ずる解離生成物を前記2種の防蟻性化合物と一緒に発泡合成樹脂中に分散共存させて所要形状に成型することを特徴とする防蟻性発泡樹脂成型物が知られている(特許文献1参照)。
また、発泡樹脂成形体に専用設備を用いることなく経済的で簡単に防虫・防蟻、耐熱、難燃、着色等の所望の性質を付与でき、またその性質を長期間保持することができる、含浸添加物が含浸された発泡樹脂成形体及び含浸方法を提供することを課題として、含浸添加物と界面活性剤と溶媒とからなる添加剤を発泡樹脂成形体に接触させて、含浸添加物を発泡樹脂成形体に含浸分散させるか、界面活性剤の代わりに有機溶剤系の分散剤を用いるか、さらに、界面活性剤及び溶媒の代わりに有機溶剤系の分散剤を用いてもよく、該含浸添加物は、ホウ酸又はその塩などからなる防虫・防蟻製剤であることを特徴とする発泡樹脂成形体への含浸添加物の含浸方法が知られている(特許文献2参照)。
また、発泡前の粒子に薬剤を付着させた後、一時発泡(予備発泡)させ、成型又は予備発泡、粒子に接着剤と防蟻製剤と噴霧し、撹拌混合させて付着させた後に成型を行う防蟻性発泡体が知られている(特許文献3参照)。しかしながらこの方法は、成型する時に、高温・高圧の蒸気により洗い流される為、付着量が少なく、接着剤も強固に付着させないと流され、又強固にするほど機械物性が低下し、ビーズ間のすき間を発生させて断熱性能を低下してしまうという問題を有していた。
そこで上記のような問題を回避するために、予備発泡体粒子に防蟻性を付着し発泡させて防蟻性を有する発泡樹脂成形体を製造する方法が考えられる。
断熱材等として使用される樹脂発泡成形体を白蟻が好んで食害侵入し、周辺木部等を加害し、ひどい場合は住宅が崩壊する恐れもある。この為、従来防蟻製剤としてクロルピリホス、ホキシム等の有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤を発泡ビーズに塗布又は含浸させた樹脂発泡成形体等の技術が開示されている(特許文献4〜6参照)。
さらに、良好な防蟻性を発揮するためには防蟻性物質の混合割合を多くする必要があり、その結果混練された防蟻性物質により得られた発泡樹脂成形体の機械的強度が著しく低下するという問題を生じていた。このような問題を回避するために、発泡樹脂成形体を製造する前の段階、すなわち予備発泡粒子に防蟻性を付加し発泡させて防蟻性を有する発泡樹脂成形体を製造する方法が考えられる。しかしながら防蟻性物質又は防蟻製剤を予備発
泡粒子と混合して付着させる方法は、予備発泡粒子に対する防蟻性物質又は防蟻製剤の付着力が欠け実用にならない。
そこで、防蟻性物質又は防蟻製剤を接着剤(バインダー)と混合攪拌し、予備発泡粒子に塗布して乾燥させて防蟻性物質又は防蟻製剤を予備発泡粒子に付着させた後、その予備発泡粒子を金型内で発泡させて成型し防蟻性発泡樹脂成形体を得る方法が開示されている(特許文献7参照)。
ところがこの方法では、防蟻製剤を均一に塗布する為に防蟻製剤の接着力を弱めて塗布すると、高温高圧の蒸気で樹脂発泡体を成型すると防蟻製剤が流れ出してしまう等という問題があった。
特開2001−240508号公報 特開2001−123003号公報 特平10−36549号公報 特開昭63−152648号公報 特開昭63−159451号公報 特開昭64−36629号公報 特公平6−10276号公報
上記の従来技術においては、発泡体への薬剤の接着剤として有機溶媒を用いるために、製造工程や発泡体の使用に際して、有機溶媒の環境への影響を考慮した設備や対策を必要とした。また、発泡体への薬剤の均一分散や、被覆が十分ではなかったり、加熱発泡法により発泡体を形成した際には、特に発泡処理後において薬剤が揮発したり変化して、均一な分散が妨げられた。
さらに、薬剤の効果が長時間均一に、且つ、所望する時間にわたり発揮される発泡体を得ることができず、期待する効果を充分に発揮する発泡体を、安価に得ることができなかった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、水をベースとする安定性の高い防蟻製剤を混入させた防蟻性の樹脂発泡体及びその製造方法を提供することを目的とする。
さらに詳しくは、防蟻製剤を均一に塗布する為に防蟻薬剤の濃度を薄めて塗布したにもかかわらず、高温高圧の蒸気で樹脂発泡体を成型した場合にも防蟻製剤が流れ出してしまうことのない防蟻性の樹脂発泡体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するための防蟻性を有する発泡樹脂成形体、及び、その製造方法に関する発明であって、次のとおりの構成を有することを特徴とする。
1.予備発泡粒子を撹拌させながら、該予備発泡粒子に防蟻薬剤を含有する防蟻製剤を噴霧して、その粒子表面に防蟻製剤を均一に付着させた後、熟成・乾燥させ、さらに該予備発泡粒子を発泡成型することを特徴とする防蟻性を有する発泡樹脂成形体。
2.防蟻製剤中の防蟻薬剤が、予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることを特徴とする防蟻性を有する発泡樹脂成形体。
3.防蟻製剤中の防蟻薬剤が、予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜0.05重量部であることを特徴とする防蟻性を有する発泡樹脂成形体。
4.防蟻製剤中の防蟻薬剤が、シラフルオフェン、及びまたは、イミダクロプリドであることを特徴とする発泡樹脂成形体。
5.防蟻製剤中の防蟻薬剤がシラフルオフェン及びイミダクロプリドよりなり、シラフルオフェンとイミダクロプリドの配合割合が、シラフルオフェン/イミダクロプリドとしたときに、10〜90質量%/90〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
6.シラフルオフェンとイミダクロプリドを混合させた防蟻製剤を、予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥することにより固着することを特徴とする発泡樹脂成形体。
7.イミダクロプリド製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥し、さらに、シラフルオフェン製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥することにより固着することを特徴とする発泡樹脂成形体。
8.難燃剤を含有することを特徴とする発泡樹脂成形体。
9.防蟻性を有する発泡樹脂成形体が12〜50Kg/m3の密度を有する発泡体であ
ることを特徴とする発泡樹脂成形体。
10.防蟻製剤がマイクロカプセル化していることを特徴とする発泡樹脂成形体。
11.1または2種以上の防蟻製剤を攪拌する工程と、発泡性樹脂粒子を予備発泡させる工程と、該攪拌された防蟻製剤と予備発泡させた該発泡性樹脂粒子とを流動させる攪拌装置と攪拌スクリューを有する被覆装置内において、該予備発泡させた発泡性樹脂粒子表面に防蟻製剤を被覆する工程と、該被覆された予備発泡粒子を発泡成型する工程とからなることを特徴とする、薬剤含有発泡樹脂成形体の製造方法。
12.上記製造方法に使用するための、攪拌された防蟻製剤と予備発泡させた発泡性樹脂粒子とを流動させる攪拌装置と、攪拌スクリューを有する被覆装置。
13.上記攪拌された防蟻製剤と予備発泡させた発泡性樹脂粒子とを流動させる攪拌装置が粒子を空中に流動させる気送攪拌装置であり、攪拌スクリューが逆円錐型被覆槽にほぼ接するように上下するヘリカルリボン型攪拌スクリューであることを特徴とする被覆装置。
本発明は、防蟻薬剤であるシラフルオフェン、及びまたは、イミダクロプリドを製剤し、予備発泡した粒子に均一に付着させた熟成・乾燥後、発泡成型することを特徴とする発泡樹脂成形体及びその製造方法、さらに詳しくは、防蟻製剤を逆円錐型の撹拌槽にて予備発泡した粒子に、薬剤をシャワー又は噴霧、撹拌することにより均一付着させた後に熟成・乾燥し、さらに発泡成型することを特徴とする発泡樹脂成形体及びその製造方法に関する。
本発明においては、例えばシラフルオフェンまたはイミダクロプリドを含有する製剤が予備発泡した粒子に付着して熟成・乾燥することにより、粘性が無くなり粒子表面に強固に固着する。
本発明の特徴は、特定の被覆装置を用いて薄い濃度でコーティングすることにより表面の薬剤濃度が均一になり、さらに、樹脂発泡体の内部においては、個々の樹脂発泡体の表面に薬剤が塗布され封じ込められているために、長時間にわたりその効果を持続することができる防蟻性の樹脂発泡体を得ることである。そして、少ない量の薬剤で多大な効果を発揮することができる防蟻性発泡体に関する発明である。
これに対し、薬剤を樹脂に混練する従来の方法では、本発明と同等の効果を発揮するためには濃度の高い薬剤が必要となり、そのために製造過程などにおいて作業者や使用者の負担や危険が増すものである。
上記の問題を解決する為に、本発明者らは発泡樹脂成形体を製造する前の予備発泡粒子に着目し、種々の方法を検討した結果、特定の被覆装置を使用することにより、予備発泡粒子に防蟻製剤を均一に塗布して防蟻性を付与した予備発泡粒子を形成し、しかも前記の付着力を高めた新たな方法を完成して高付着力のある粒子を成型した結果、均一な防蟻成分を含んだ成型品が完成した。
本発明の熟成・乾燥は、防蟻薬剤がシラフルオフェンとイミダクロプリドの混合物の場合は、塗布後数日、通風加温した状態に置くことにより達成される。
さらに、初めにイミダクロプリドを塗布乾燥後、数日置いて熟成・乾燥し、さらに、シラフルオフェンを塗布してから熟成・乾燥してもよい。
本発明により次の効果を得ることができる。
1.本発明の方法により、予備発泡粒子を本発明の被覆装置(混合攪拌槽)内で撹拌(流動)させながら、予備発泡粒子に濃度の低い防蟻製剤を噴霧、噴射(シャワー)することにより、予備発泡粒子表面に防蟻製剤を均一に付着することができる。
2.防蟻製剤付着粒子を発泡成型することにより付着量の安定した成形体ができる。そのため加熱発泡しても、実用に耐える濃度を維持できる。
3.本発明の製造方法により最少の防蟻薬剤量で充分な効果を発揮する防蟻製剤入り断熱材ができる。すなわち製造工程における防蟻製剤の減耗率が小さく経済的であり、また、人体にも安全である。
4.予備発泡粒子に防蟻製剤を薄くコーティングすることにより表面の薬剤濃度が均一になり、さらに、樹脂発泡体の内部においては、個々の樹脂発泡体の表面に薬剤が塗布され封じ込められるために、長時間にわたりその効果を持続することができる。
5.2種以上の混合防蟻製剤を用いることにより、適宜の効果持続時間や性能を自由に確保することができる。例えば、即効性薬剤と遅効性薬剤の組合せにより長時間、高い防蟻効果を持続させることができる。
本発明の製造工程を示す説明図 本発明の被覆装置の断面図
本発明は、イミダクロプリド及び又はシラフルオフェンを含有する製剤を予備発泡した粒子に均一に付着させて、熟成・乾燥後、発泡成型することを特徴とする発泡樹脂成形体及びその製造方法、さらに詳しくは、逆円錐型の撹拌槽により、予備発泡した粒子に、有機系の防蟻製剤をシャワー又は噴霧、撹拌することにより均一に付着させた後に熟成・乾燥し、さらに発泡成型することを特徴とする発泡樹脂成形体及びその製造方法に関する。
本発明においては、例えばシラフルオフェンの油性分が予備発泡した粒子に付着して熟成・乾燥することにより粘性が無くなり粒子表面に固着する。この際に、薬剤の添加剤の油性分が大きな役割を果たす。
また、充分な防蟻効果を発揮するために、防蟻製剤の粒径を微細化することも必要である。微細化して高濃度の防蟻製剤とするためには、防蟻製剤の粒径を10μm以下にすることが望ましい。
本発明の特徴は、薄くコーティングすることにより表面の薬剤濃度が均一になり、さらに、樹脂発泡体の内部においては、個々の樹脂発泡体の表面に薬剤が塗布され封じ込められている為に、長時間にわたりその効果を持続することができることである。その結果、
少ない量の薬剤で多大な効果を発揮する事ができる。
本発明の熟成・乾燥は、防蟻製剤塗布後数日置くことにより熟成・乾燥が達成される。すなわち、製剤(塗布)が熟成・固着する為の乾燥度と時間が必要である。
また、初めにイミダクロプリドを塗布乾燥後、次に、シラフルオフェンを塗布してもよい。そして、本発明においては、製剤付着粒子の乾燥度が70%以上になるように熟成・乾燥するが、乾燥度が高い程、より強固な固着となる。
[発泡性樹脂粒子]
本発明の発泡性樹脂粒子として、例えばポリスチレン系発泡性樹脂粒子、ポリエチレン系発泡性樹脂粒子、ポリプロピレン系発泡性樹脂粒子、ポリメチルメタアクリレート系発泡性樹脂粒子、ウレタン系発泡性樹脂粒子、イソシアヌレート系発泡性樹脂粒子、メラミン系発泡性樹脂粒子、フェノール系発泡性樹脂粒子及びそれらの共重合体発泡性樹脂粒子等を用いることができる。
発泡樹脂としては、例えば独立気泡からなる発泡樹脂成形体、連続気泡を有する発泡樹脂成形体、及び独立気泡と連続気泡を有する発泡樹脂成形体等如何なる発泡樹脂成形体でも用いることができる。
また、発泡樹脂の発泡倍率は適宜のどのような倍率でもよい。なお、第1発泡樹脂がスチレン系発泡樹脂である場合には、5倍から120倍であることが好ましい。5倍未満の場合には、多面体の細片に裁断することが困難であり、120倍を越える場合には成型時に収縮発生のおそれがある。また発泡粒子の発泡倍率は、適宜の倍率で塗布するに際して支障を生じない程度のものでよい。
上記添加剤含有予備発泡樹脂粒子を製造するための予備発泡機は、例えば常圧バッチ式予備発泡機、加圧バッチ式予備発泡機、連続式予備発泡機、温風式バッチ式予備発泡機等を用いることができる。これらは攪拌機を具備しているが、好ましくは、常圧及び加圧バッチ式予備発泡機である。
[防蟻製剤]
本発明の防蟻製剤は、防蟻薬剤として例えばイミダクロプリド(粉体で即効性)及び又はシラフルオフェン(油性で遅効性)を用いる。防蟻薬剤は、1種類のみならず、2種類以上を併用して使用することもできる。そしてこれらは、効果の長期化や安全性などの観点から、マイクロカプセル化して使用してもよい。
本発明の防蟻製剤は、防蟻薬剤を主に水で希釈し製剤とする。
上記の防蟻薬剤に加えて、或いはこれらに代えて、エトフェンプロック、フルフェンプロック、ペルメトリン、ビフェントリン、トラロメスリン等のピレスロイド様及び系薬剤、クロルピリホス、ホキシム、ピリダフェンチオン、テトラクロルビンホス、フェニトロチオン、プロペタンホス等の有機リン系薬剤、フェノブカルブ、カルバミン酸エステル等のカーバメート系薬剤、アセタミプリド及びイミダクロプリド等のクロロピリジルメチル基を有する薬剤、クロム・銅・砒素化合物系薬剤、クロルナフタリン系薬剤、ヒ酸ナトリウム、ヒ酸鉛、酸性ヒ酸バリウム等の砒素化合物等を用いても良い。
上記防蟻製剤含有発泡樹脂成形体を、建築物の断熱材・保温材等に用いる場合には、さらに、ホウ酸塩、ピレスロイド系薬剤等を併用してもよい。これらは毒性が低いので建築物用として好適である。
防蟻製剤の製造においては、防蟻薬剤や接着剤、難燃剤の他に、適宜、分散剤や界面活性剤、その他の添加剤を加えてもよい。
さらに、着色顔料として無機系顔料、有機系顔料を防蟻製剤に微量添加することにより、有彩色防蟻製剤として使用することも可能である。
[難燃剤]
本発明に用いる、難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤である水和金属化合物、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母等の雲母類、カオリン、滑石、沸石、ホウ砂、ダイアスポア、石膏等の鉱物類、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の金属化合物、赤燐、ポリリン酸アンモニウム等のリン系化合物、窒素系化合物等に代表される無機系難燃剤(無機材料系粒子)、及びリン系、シリコーン系、窒素系の有機系難燃剤、さらには金属粉末粒子(金属材料系粒子)等を用いることができる。難燃剤は、例えば平均粒径0.05〜100μmのものを用いることが好ましい。
また、難燃剤はビーズ中に含有させても良く、その際の難燃剤としては、臭素化脂環族化合物をあげることができる。
[分散剤]
本発明に用いる、使用可能な分散剤は特に限定されないが、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できるが、これらの中でも高分子界面活性剤(高分子分散剤)を用いることが好ましい。
高分子界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類などが挙げられる。
[界面活性剤]
本発明に用いる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含有することができる。水に溶解したときに、イオンの解離がなく、酸性からアルカリ性で使用でき、化学的に安定であるとの観点から、ノニオン性界面活性剤が特に好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
これらのノニオン性界面活性剤の中でも、水への溶解性が高く、低起泡性・高消泡性を有するとの観点から、アセチレングリコール系界面活性剤が特に好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オク
チン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。
また、市販品を使用することもでき、例えば、アセチレノール(川研ファインケミカル株式会社)やサーフィノール(エアープロダクツジャパン株式会社)等を好適に使用することができる。なかでも、β−ナフタリンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩でありノニオン性界面活性剤であるデモールN(花王株式会社)が適している。
[その他の添加剤]
その他の一般的な添加剤として、着色剤、帯電防止剤、導電剤等の各種添加剤を加えてもよい。
[製造方法]
以下に、本発明の製造方法及びその特徴を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、製造工程については図1参照。
予備発泡粒子に防蟻製剤を塗布する方法には、空間部を有しその下部より上方に向かって空気の吹き込みが可能で、その空間部に防蟻製剤などの液体を噴霧できる装置、例えば流動層乾燥装置を用いる。なお吹き込む空気の温度を調節する熱交換器を設けてもよい。この方法では、まず上記装置内に予め所定倍率に予備発泡させた予備発泡粒子を投入した後、その装置の下部より空気を吹き込み、予備発泡粒子を装置内で流動させて浮遊させる。そののち水等の溶剤などで希釈した防蟻製剤及び接着剤混合物を一定の割合づつ装置内で噴霧させ、予備発泡粒子の表面に防蟻製剤及び接着剤混合物を徐々に塗着させる。このとき装置の下部より吹き込まれている空気により上記溶剤の蒸発が生じ、防蟻製剤及び接着剤混合物の塗布された予備発泡粒子の表面は徐々に乾燥される。
そして、本発明の製造方法は、以下の特徴を有する。
1.本発明は、予備発泡粒子を逆円錐型の(上下を含めて撹拌)撹拌槽内に充填して防蟻製剤を噴霧し、その後、混合撹拌を一定時間行うことにより均一な防蟻製剤付着粒子を作る。さらに、サイロ等に保管し、一定期間(温風の場合は一定時間)熟成させることにより、油性分が乾燥固着し成形体は防蟻製剤の含有率の高い成形体とすることができる。また、付着させた粒子はサイロにて、1〜5日(実際は3日程度)熟成をさせた後に発泡成型する。
そして、予備発泡粒子を、混合機(槽)内で撹拌(流動)させながら、その予備発泡粒子に防蟻製剤を噴霧、噴射(シャワー)して、発泡粒子の表面に付着させた防蟻性予備発泡粒子を形成するが、噴霧した後、槽内で3分以上撹拌することにより粒子表面に防蟻製剤を均一になじみ付着することができた。
2.防蟻製剤の添加量が少ない為、防蟻製剤を粒子表面に均一に付着するには、防蟻製剤が油性であるから発泡含水率3%程度に(樹脂発泡体1Kgに対して3%)希釈した後、30秒〜120秒程度、噴霧付着し、その後120秒〜600秒撹拌するがこの時点で乾燥している。
3.防蟻製剤は、乳化剤、フロアブル剤、懸濁剤、水和剤としてもよく、防蟻薬剤/防蟻製剤の比率は1/10g〜1/100g位に薄めて付着することが望ましく、特に1/30以下が望ましい。重量比で(含水率)3〜5%程度が良好である。
また、予備発泡粒子に添加して使用する防蟻製剤の量が少ないため、界面活性剤や所要の添加剤を併用して被覆を均一化し、平均化することもできる。その際に、油性の防蟻製剤の方が強い付着力を確保することができる。
4.防蟻剤として、イミダクロプリドとシラフルオフェンを用いる場合は、初めに、イミダクロプリド製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥し、さらに、シラフルオフェン製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥することにより固着するのがよい。その理由は、イミダクロプリドが粉体のため付着力が弱いので、後に油性のシラフルオフェンを塗布することにより、粒子とイミダクロプリドを被覆するため、その後の乾燥・熟成により両者を強固に付着させることができる。また油性分の中に含まれる溶剤により、粒子表面が少し溶解して強固に付着する。
本発明においては、防蟻製剤中の防蟻薬剤が予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることを特徴とするが、望ましくは、防蟻製剤中の防蟻薬剤が予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜0.3重量部であり、さらに望ましくは、防蟻製剤中の防蟻薬剤が予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜0.2重量部である。最も望ましくは、防蟻製剤中の防蟻薬剤が予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜0.05重量部である。
5.本発明は、粘度の高い薬剤を付着させ熟成・乾燥を行い、さらに2薬剤を付着させて熟成・乾燥後、発泡成型する。
予備発泡機内で予備発泡を行ったときに、含水率が5〜7%となるため、ブロアによりサイロ内に送粒して熟成・乾燥、すなわち、サイロ内を30℃〜35℃程度に加熱して12時間〜48時間、望ましくは36時間程度、通風することにより、独立気泡の復元と含水率を0%近くにする。これにより、防蟻製剤の付着性が良くなり成型品の不良が少なくなる。
防蟻製剤塗布後の熟成・乾燥を36時間程度とする理由は、防蟻薬剤を乾燥して固着させる点と、成型において水分が悪影響を与え不安定化することを避けるためである。
最適な乾燥を得るために行った試験、すなわち、発泡粒子6Kgに防蟻製剤120g(合計6120g)を塗布した試験体をメッシュ袋に入れて、室温25〜30℃で通風して放置したものは、実測によると以下のとおりであった。
経過期間 室温 湿度 重量 減少重量
1日後 25℃ 72% 6074g 45.7g
2日後 27℃ 67% 6039g 35.6g
3日後 29℃ 44% 6020g 19.0g
4日後 26℃ 40% 6008g 11.4g
6.防蟻製剤の付着量の多い予備発泡粒子と、少ない予備発泡粒子を混合して成型しても良い。
7.最少の薬剤料で防蟻製剤入り断熱材ができ、薬剤は数μmの大きさが好ましい。
8.予備発泡粒子に防蟻製剤を塗布する方法には、逆円錐の槽に予備発泡粒子、一定重量を投入し、乳化希釈された防蟻製剤の液体を一定量、噴霧できる装置により発泡含水率3%程度を噴霧し、撹拌翼にはダブルヘリカルリボン翼により全体粒子を均等に付着させることができる。
さらに防蟻製剤の粘性は、500mPas以下が望ましく、粘性がこれより強すぎると、粒子同士がくっつき塊となってしまう。また、希釈しすぎると長時間乾燥しないと排出することができなくなり問題が生じることとなる。
9.発泡スチロール成型は、予備発泡(一次発泡)した粒子を、水分、ガスをある程度抜くために熟成させた後に金型に充填し、蒸気によって成型する。
10.防蟻製剤は数ミクロンの大きさが良い。
なお、発泡粒子内のガスが抜けると成型バランスが悪くなるため、スタートより1週間程度(7〜10日)で全ての工程を終了することが望ましい。
[被覆装置]
本発明において用いられる被覆装置は、逆円錐形となったダブルヘリカルリボンを有するリボンスクリュー型の攪拌機、すなわち、ダブルヘリカルリボン攪拌翼を有する攪拌機が望ましい。なお、被覆装置については図2参照。
この被覆装置は、逆円錐形となっているため、1)均一に早く混合することができる。2)粒子の取り出しが容易で、多少の水分が残った場合でも搬出が可能である。また、ダブルヘリカルリボンとすることにより、1)リボンが壁面に沿って回転するので、粒子が上下回転し混合が均一となる。2)ジャマ板が不要であるため粒子を傷つけず、成型品の強度が維持できる。またこの被覆装置により、発泡粒子に防蟻製剤を付着した粒子が適度に押しあいながら攪拌、均一化して、付着を安定化することができる。
これに対して他のタイプの攪拌機、例えば、円筒形では、充分で均一な攪拌ができなかったり、ジャマ板で粒子が傷ついたり攪拌機隅部に粒子が対流したりして問題が生じる。また、粘性が50mPas以上、または薬剤の噴霧量が多いと製剤が隅に片寄って、流動性不良や塗りむらが発生する。
本発明の被覆装置による混合攪拌により、防蟻製剤を、防蟻製剤噴霧ノズル等から噴霧して、発泡粒子表面に被覆する。混合時間は約5分程度の短時間で、均一な混合付着を行うことができる。
ヘリカルリボンの回転数は40〜120回転/分程度、望ましくは、60〜80回転/分程度とし、粒子が槽内で10〜40回、望ましくは24〜32回程度、さらに望ましくは20〜28回転するように攪拌する。
また、その際の計量ポンプによる防蟻製剤の噴霧量は、60〜120cc/分程度であることが望ましい。
以下に、本発明の実施例を示す。なお、製造工程については図1を、被覆装置については図2を参照。
混合被覆タイプ
(1)予備発泡機
発泡スチロール樹脂を所定の倍率である31倍に予備発泡させる。
缶内圧力0.01Mpaにて31倍に達するまで、105℃の蒸気で加熱し攪拌し、到達したことを計量カップにて計測確認する。
その後、サイロに送粒する。
(2)サイロ
予備発泡粒子の熟成・乾燥のために、サイロ内に18時間、33℃に加熱。通風させて格納する。サイロ内を通風することにより、防蟻製剤の水分が気化、乾燥して付着性が良くなり成型品の不良が少なくなる。予備発泡粒子の独立気泡を、減圧状態から復元させるために熟成を行う。この際に蒸気にて膨張させ含水率が5〜7%となるため、同時に乾燥する。
(3)計量器
熟成された発泡粒子を計量(2Kg)しながら、被覆装置に投入する。
(4)製剤攪拌機
防蟻製剤を投入して混合攪拌する。防蟻製剤は、10gあたり以下の組成を有するものである。
薬剤 2.50g (イミダクロプリド1.25g+シラフルオフェン1.25g)
界面活性剤 0.10g (デモールN、花王(株))
分散剤 0.04g (ノイゲンEA137、第一工業製薬(株))
水 7.36g
(5)被覆装置
上記の防蟻製剤を投入しながら混合攪拌して、発泡粒子表面に被覆する。混合時間は5分で防蟻製剤10gの均一な混合付着が行われる。
ヘリカルリボンの回転数は70回転/分とし、粒子が槽内で26回転するように攪拌する。防蟻製剤の噴霧量は90cc/分である。
(6)サイロ
発泡粒子の熟成・乾燥を行う。サイロ内を3日間30℃で通風することにより、防蟻製剤の水分が気化、乾燥して付着が良くなり、成型品への付着率が良くなる。
(7)成型機
成型機により所定の形状に成型する。
上記で作成した最終製品である成型品について、予備発泡粒子との比較で、防蟻薬剤の含有率を測定した。
測定試料は、予備発泡粒子については、薬剤を被覆した粒子2Kgを、1m2に均一に分散したものから、ランダムに5カ所を選んで試料とし、測定後、平均値をとった。同様に、成型品(発泡板)については、1枚の発泡板(1m2程度)から、ランダムに6カ所を選んで試料とし、測定後、平均値をとった。
発泡粒子2Kgに対して防蟻製剤の薬剤2.5g(イミダクロプリド1.25g+シラフルオフェン1.25g)を投入した(実施例1)。そして溶媒である水等で希釈濃度を変化させたそれぞれの薬剤2.5gは、ほとんど全量が発泡粒子表面に移行した。
その結果は以下のとおりであるが、成型品の防蟻薬剤の含有率は、希釈濃度に依存し、希釈濃度の高いものほど防蟻薬剤の残存率が高くなっている。
「希釈」
2.50g/80cc 2.50g/50cc 2.50g/10cc
「発泡粒子」
2.32g 2.36g 2.40g
「成型品」
0.10g 0.38g 2.08g
2層被覆タイプ
(1)予備発泡機
発泡スチロール樹脂を所定の倍率である31倍に予備発泡させる。
缶内圧力0.01Mpaにて31倍に達するまで、105℃の蒸気で加熱し攪拌し、到達したことを計量カップにて計測確認する。
その後、サイロに送粒する。
(2)サイロ
予備発泡粒子の熟成・乾燥のために、サイロ内に18時間、30℃に加熱。通風させて格納する。サイロ内を通風することにより、防蟻製剤の水分が気化、乾燥して付着性が良くなり成型品の不良が少なくなる。予備発泡粒子の独立気泡を、減圧状態から復元させるために熟成を行う。この際に蒸気にて膨張させ含水率が5〜7%となるため、同時に乾燥する。
(3)計量器
熟成された発泡粒子2Kgを計量しながら、被覆装置に投入する。
(4)製剤攪拌機
第1の防蟻製剤を投入して混合攪拌する。防蟻製剤は、10gあたり以下の組成を有するものである。
薬剤 1.25g (イミダクロプリド)
界面活性剤 0.10g (デモールN、花王(株))
分散剤 0.04g (ノイゲンEA137、第一工業製薬(株))
水 8.61g
(5)被覆装置
上記第1の防蟻製剤を投入しながら混合攪拌して、発泡粒子表面に被覆する。混合時間は5分で防蟻製剤10gの均一な混合付着が行われる
ヘリカルリボンの回転数は、70回転/分とし、粒子が槽内で26回転するように攪拌する。防蟻製剤の噴霧量は、90cc/分である。
(6)サイロ
発泡粒子の熟成・乾燥。サイロ内を3日間30℃で通風することにより、防蟻製剤の水分が気化、乾燥して付着が良くなり、成型品への付着率が良くなる。
(7)計量器
第1の防蟻製剤を被覆された発泡粒子を計量しながら、被覆装置に投入する。
(8)製剤攪拌機
第2の防蟻製剤を投入して混合攪拌する。防蟻製剤は、10gあたり以下の組成を有するものである。
薬剤 1.25g (シラフルオフェン)
界面活性剤 0.10g (デモールN、花王(株))
分散剤 0.04g (ノイゲンEA137、第一工業製薬(株))
水 8.61g
(9)被覆装置
第2の防蟻製剤を投入しながら混合攪拌して、発泡粒子表面に被覆する。
攪拌、混合時間約5分で防蟻製剤10gの均一な混合付着が行われる。
(10)サイロ
発泡粒子の熟成・乾燥。サイロ内を3日間30℃で通風することにより、防蟻製剤の水分が気化、乾燥して付着が良くなり、成型品への付着率が良くなる。
(11)成型機
成型により所定の形状に成型する。
[発泡粒子表面に防蟻薬剤が均一に付着していることの確認]
本発明によって、発泡粒子表面に、防蟻薬剤が均一に付着していることを確認するために、様々なタイプの試験体を用いて以下の試験を行った。
Figure 0005639806
試験体: 1及び2は、1.25g/10cc
(薬剤量) 3は、0.7g/10cc
4は、0.5g/10cc
噴霧量: (60秒当たり100cc)
1は、12秒、20cc
2は、9.6秒、16cc
3は、12秒、20cc
4は、12秒、20cc
測定方法:UV法、高速液体クロマトグラフィーHPLC
測定装置:HPLC(日立製 L−6000)
HPLCカラム:CHEMCOSORB 5−ODS−H (4.6X150(W))
(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合したもの)
HPLC検出器:UV (検出波長 254nm)
上記の結果から明らかなとおり、本発明により得られた予備発泡粒子は、発泡粒子表面に、防蟻薬剤が均一に、且つ、高い割合(濃度)で付着していることが確認できた。
[防蟻効力試験]
本発明により得られた様々な発泡成形体について、防蟻効力試験をおこなった。防蟻効力試験は、社団法人、日本木材保存協会の「加圧処理用木材防蟻剤の室内防蟻効力試験及び性能基準(JWSP−TW−P.1)」に基づいて実施した。
1.防蟻効力
処理試験体の平均死虫率及び平均質量減少率で示す。
2.試料
防蟻剤の適当量を採取し、指定された溶媒により指定濃度に調整する。
3.供試虫
試験に供するシロアリは、イエシロアリとする。
4.試験体
試験体は処理試験体と、無処理試験体の2種類とする。試験体の個数はそれぞれ5個とする。ビーカーに入れた試験片を真空デシケーターの中に入れて減圧し、試料を吸収させながら常圧に戻し、しばらく放置する。その後、試料中から試験片を取り出し、これを軽く布でぬぐい、直ちにその質量 (m2) を0.01gまで量り、これを処理試験体とする。木材片の試料吸収率は、次式によって算出する。
試料吸収率(%) = m2−m1/m1×100
処理試験体は、試験片の試料吸収率が、水溶性試料及び乳化性試料にあっては、(250±10)%、油性及び油溶性試料にあっては (200±10)%の吸収率をもったものを規定個数選び出し、20日間以上室温に放置したものとする。
5.試験
耐侯操作は溶脱操作と揮散操作を交互に10回繰り返すものとする。
溶脱操作は、試験体をビーカーに入れ、試験体容積の10倍量の脱イオン水を加え、試験体を水面下に沈め、マグネチックスターラーを用い、25±3℃で回転子を毎分450回転させ、8時間撹拌する。撹拌操作は、溶脱操作を行った試験体を、直ちに温度60±2℃の循環式乾燥機中に16時間静置する。なお一つの循環式乾燥機中には1種類の薬剤として他の薬剤の影響を避ける。
耐侯操作を行った処理試験体を無処理試験体は、温度60±2℃で48時間乾燥し、約30分間デシケーター中に放置した後、その質量(W1)を0.01gまで量る。
飼育容器としては直径8cm、高さ6cmのアクリル樹脂製円筒の一部に、硬石膏を厚さ約5mmに固めたものを用い、これをあらかじめ脱脂綿100gに水130mlを加えた湿潤綿を約1cmの厚さに敷きつめた蓋付き容器の中に置く。蓋には通気のため小孔をあけておく。
調整された飼育容器の硬石膏の上に、厚さ約1mmのプラスチック製の網を置き、この上に、試験体の木口面を上下にして、1個ずつ水平に置き、無作為に巣から取り出した職蟻150頭と兵蟻15頭を投入する。
飼育容器は、温度28±2℃の暗所に21日間静置する。試験期間中は良く観察し、死亡したシロアリを数える。またシロアリの試験体に対する行動状況も観察し、試験期間中に死亡したシロアリは容器から取り出す。
6. 試験結果
21日経過したら試験体を飼育容器より取り出し、試験体表面の付着物をていねいに取り除き、室温で1日間風乾後、60±2℃で48時間乾燥し、約30分間デシケーターに放置した後その質量(W2)を0.01gまで量る。
シロアリ職蟻の死亡頭数を記録する。ただし、試験期間中にシロアリが全数死亡した場合はその日数を記録する。
7.結果の表示
次式により試験体の質量減少率を算出し、処理試験体、無処理試験体ごとに5個の平均質量減少率を求める。
平均質量減少率(%) = W2−W1/W1×100
次式により死虫率を算出し、平均死虫数を求める。
平均死虫率(%) =死虫数/150×100
8.判定基準
処理試験体の平均質量減少率が、3.0%未満であるとき、防蟻剤の防蟻性能あり、とする。
なお、試験の対象とした防蟻剤、及び、発泡体は以下のとおりである。
防蟻剤 イミダクロプリド + シラフルオフェン
発泡体 発泡ポリスチロール板(100g)
Figure 0005639806
以上の表から明らかなとおり、本発明の防蟻性発泡樹脂成形体は、予備発泡体に被覆する薬品濃度が低いにもかかわらず、高い防蟻性能を有することが確認された。
1.予備発泡機
2.サイロ
3.計量器
4.製剤攪拌機
5.被覆装置
6.サイロ
7.計量器
8.製剤攪拌機
9.被覆装置
10.サイロ
11.成型機
12.ダブルヘリカルリボン攪拌翼
13.予備発泡粒子
14.防蟻製剤噴霧ノズル

Claims (10)

  1. 攪拌装置と攪拌スクリューを有する被覆装置内において、予備発泡粒子を撹拌させながら、予備発泡粒子に、防蟻薬剤を含有し接着剤を含有しない防蟻製剤を噴霧し、その粒子表面に防蟻製剤を均一に付着させた後、
    サイロ内において25〜30℃で1〜5日間熟成・乾燥させて該予備発泡粒子に該防蟻製剤を固着し、
    さらに該予備発泡粒子を発泡成型することを特徴とする防蟻性を有する発泡樹脂成形体。
  2. 防蟻製剤中の防蟻薬剤が、予備発泡粒子100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることを特徴とする防蟻性を有する請求項1記載の発泡樹脂成形体。
  3. 防蟻製剤中の防蟻薬剤が、シラフルオフェン及びまたはイミダクロプリドであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡樹脂成形体。
  4. 防蟻製剤中の防蟻薬剤がシラフルオフェン及びイミダクロプリドからなり、シラフルオフェンとイミダクロプリドの配合割合が、シラフルオフェン/イミダクロプリドとしたときに、10〜90質量%/90〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  5. シラフルオフェンとイミダクロプリドの混合物を含む防蟻製剤を、予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥することにより固着することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  6. イミダクロプリド製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥し、さらに、シラフルオフェン製剤を予備発泡粒子に噴霧して付着させた後、熟成・乾燥することにより固着することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  7. 難燃剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  8. 防蟻性を有する発泡樹脂成形体が12〜50Kg/m3の密度を有する発泡体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  9. 防蟻製剤がマイクロカプセル化していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形体。
  10. 1または2種以上の防蟻製剤を攪拌する工程と、発泡性樹脂粒子を予備発泡させる工程と、該攪拌された防蟻薬剤を含有し接着剤を含有しない防蟻製剤と予備発泡させた該発泡性樹脂粒子とを流動させる攪拌装置と攪拌スクリューを有する被覆装置内において、該予備発泡させた発泡性樹脂粒子表面に防蟻製剤を被覆する工程と、防蟻製剤を表面に被覆された該発泡性樹脂粒子を熟成・乾燥させて防蟻製剤を固着する工程と、該防蟻製剤が固着された予備発泡粒子を発泡成型する工程とからなることを特徴とする、請求項1記載の発泡樹脂成形体の製造方法。
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