JP6209759B2 - 固体材料処理用水性液状組成物 - Google Patents

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Description

本発明は固体材料処理用水性液状組成物に関する。より詳細に、本発明は、固体材料を処理したときに、処理された固体材料同士のブロッキングが抑制され、処理された固体材料の静止摩擦係数が高い、殺虫成分を含有する固体材料処理用水性液状組成物に関する。
本願は、2013年9月13日に日本に出願された特願2013−191072号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
建材などの固体材料のシロアリなどによる虫害を防ぐために、殺虫成分を含有する組成物で固体材料を被覆することが行われている(特許文献1、2)。ところが、その被覆は固体材料の全面で行うわけではなく、固体材料の一部のみ塗布する(部分塗布)。この部分塗布は、塗布面積を節約することでコストダウンすることができるが、塗布していない部分がシロアリなどに侵されてしまう。そのため、単に殺虫成分を塗布するだけではなく、粘性のある被覆を行う方法が知られている(特許文献3)。これにより、シロアリなどが被覆面に接した時により長く殺虫成分と接することができ、結果として被覆しない面をシロアリなどから防御することができる。しかし粘性のあるもので被覆された固体材料を重ねておくと、固体材料同士が貼り付く(ブロッキングする)ことがある。ブロッキングした固体材料を引きはがすと、固体材料が破損することがある。
そこでブロッキングを防止するために、コロイダルシリカなどに含まれる無機微粒子や、有機微粒子などを用いることが一般的に知られている(特許文献4、5)。しかし、このような方法を殺虫成分含有被覆層のブロッキングの防止に使用すると、殺虫成分含有被覆層のべたつきが低下して、虫が殺虫成分含有被覆層の上からすぐに避難してしまい、虫害の防止効果が十分に発揮されないことがある。
特開2002−294890号公報 特開2006−219463号公報 特開平6−312903号公報 特開平7−118573号公報 特開昭61−138640号公報
本発明の目的は、耐ブロッキング性を有しながら、害虫に対しては粘着性を示し、それにより殺虫成分の効力を増強させることができる固体材料処理用水性液状組成物を提供することである。
本発明は、以下の態様を包含する。
(1)ブロッキング防止剤、水性樹脂エマルジョン、水溶性ポリビニルアルコール系重合体、および殺虫成分を含有する、固体材料処理用水性液状組成物。
(2)前記ブロッキング防止剤がコロイダルシリカである、前記(1)項に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(3)前記水溶性ポリビニルアルコール系重合体がポリビニルアルコールである、前記(1)または(2)項に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(4)前記殺虫成分がネオニコチノイド系殺虫成分である、前記(1)〜(3)項のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(5)前記殺虫成分がアセタミプリドである、前記(4)項に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(6)前記組成物の総質量に対して、
前記ブロッキング防止剤が1〜20質量%、
前記水性樹脂エマルジョンに含有される樹脂が1〜50質量%、
前記水溶性ポリビニルアルコール系重合体が0.01〜1質量%、および
前記殺虫成分が0.01〜1質量%であり、
前記ブロッキング防止剤に対する前記水性樹脂エマルジョンに含有される樹脂の質量比が1/1〜5/1である、前記(1)〜(5)項のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(7)前記組成物で処理された固体材料の表面(50mm×50mm)同士の粘着荷重が100g以下で且つ前記組成物で処理された固体材料とフェルトとの静止摩擦係数が0.8以上である、前記(1)〜(6)項のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(8)水溶性の銀アミノ酸錯体をさらに含有する、前記(1)〜(7)項のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
(9)固体材料を、前記(1)〜(8)項のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物で処理することを含む材料加工方法。
(10)前記処理は、前記固体材料の少なくとも一部の表面を前記組成物で塗布または浸漬し、次いで乾燥させることを含む、前記(9)項に記載の材料加工方法。
(11)前記固体材料を、前記(9)または(10)項に記載の材料加工方法により処理して得られる加工材料。
(12)前記固体材料が建材である、前記(11)項に記載の加工材料。
本発明の組成物を用いて、固体材料を処理すると、耐ブロッキング性を有しながら、害虫に対しては粘着性を示し、それにより殺虫成分の効力を増強させることができる。
粘着荷重の測定装置を示す概念図である。 静止摩擦係数の測定装置を示す概念図である。
本発明の固体材料処理用水性液状組成物は、ブロッキング防止剤、水性樹脂エマルジョン、水溶性ポリビニルアルコール系重合体、および殺虫成分を含有する。
一実施形態に係る固体材料処理用水性液状組成物
本発明の一実施形態に係る固体材料処理用水性液状組成物は、該組成物で処理された固体材料の表面(50mm×50mm)に形成された殺虫成分含有被覆層同士の粘着荷重が、好ましくは100g以下、より好ましくは90g未満である。粘着荷重は、その値が小さいほど耐ブロッキング性に優れていることを示すが、通常は1g以上である。
粘着荷重は、前記固体材料処理用水性液状組成物で処理された2つの物体の平滑な表面に形成された殺虫成分含有被覆層同士を粘着させ、表面に平行な方向に荷重し、2つの物体が離れる瞬間の荷重を測定した値である。具体的に、直方体状の2物体の各1面(50mm×50mm)を前記固体材料処理用水性液状組成物で処理し、処理された2表面に形成された殺虫成分含有被覆層同士を粘着させ、一方の物体のみが天秤上皿(水平面)に載る形で天秤上に置く。天秤で重量を測定しながら、皿上にない1物体のみに鉛直方向に荷重し、2物体が分離する瞬間の重量を測定する。この分離する瞬間の重量値から、荷重する前の重量値を引いた数値を、粘着荷重とする。
本発明の一実施形態に係る固体材料処理用水性液状組成物は、該組成物で処理された固体材料(殺虫成分含有被覆層)の静止摩擦係数が、好ましくは0.8以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1以上2以下である。静止摩擦係数は、その値が高いほど、殺虫成分含有被覆層の上に虫を長く滞在させることができることを示す。逆に、静止摩擦係数が高過ぎると耐ブロッキング性が低下するおそれがある。
静止摩擦係数は、日本工業規格JIS K 7125「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」に記載の方法またはそれに準じた方法で測定することができる。具体的には、試験片(固体材料)を机上に固定し、この試験片上(殺虫成分含有被覆層上)に底面がフェルトで覆われた滑り片(2mm厚、接触面46mm×85mm)を載せ、さらにその上に200gの重りを載せて、法線力(Fp)を1.98Nとする。滑り片の端に紐を取り付け、この紐を机の端に設置した滑車に通し、紐の末端にポリビーカーをつなぎ下垂させる。ポリビーカーに水を注ぎ入れ、滑り片が動き始めた時点の水およびポリビーカーの重量から静止摩擦力Fsを求め、静止摩擦係数μ=Fs/Fpを算出する。
(殺虫成分)
殺虫成分は、対象となる虫を防除できるものであれば特に限定されない。殺虫成分は、水溶性、難水溶性または非水溶性のいずれのものであってもよい。固体材料処理用水性液状組成物中において殺虫成分は、水に溶解して均一になるもの、水に懸濁または乳化して不均一になるもののいずれのものであってもよい。また固体材料処理用水性液状組成物中において懸濁または乳化している殺虫成分は、室温において、固体であってもよいし、液体であってもよい。
本発明においては、殺虫成分として、室温における水溶解度が100ppm以上のものが好ましい。室温における水溶解度が100ppm以上である殺虫成分としては、アセフェート、DDVP等のリン系化合物;ベンダイオカルブ、カルタップ、エチオフェンカルブ等のカーバメート系化合物;オキサミル、メソミル、1,3−ジクロロプロペン(別名:D−D)等;ネオニコチノイド系殺虫成分が挙げられる。これらのうち高い水溶解度を有するネオニコチノイド系殺虫成分が好ましい。係るネオニコチノイド系殺虫成分としては、ニテンピラム、イミダクロプリド、アセタミプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、チアクロプリド、ジノテフラン等が挙げられる。これらの殺虫成分の中で、シロアリ等に対して高い殺虫効果を有する、アセタミプリドが特に好ましい。
本発明の固体材料処理用水性液状組成物における殺虫成分の含有量は、固体材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。
(ブロッキング防止剤)
ブロッキング防止剤は、固体材料のブロッキングを防止または軽減する性質を有するものであれば特に制限されない。ブロッキング防止剤としては、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、珪藻土、ゼオライト、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロケイ酸マグネシウム等の無機微粒子からなるブロッキング防止剤; 樹脂ビーズなどの有機微粒子からなるブロッキング防止剤;ポリエチレンワックス、高級脂肪酸アミド、金属セッケン、シリコーン油などの油脂系ブロッキング防止剤が挙げられる。これらの中で、微粒子からなるブロッキング防止剤が好ましく、無機微粒子からなるブロッキング防止剤がより好ましく、二酸化ケイ素微粒子からなるブロッキング防止剤が特に好ましい。微粒子からなるブロッキング防止剤は、一般に、微粒子が液中に分散してなるもの、またはコロイド状のものである。本発明においてはコロイド状のものが好ましい。ブロッキング防止剤中の微粒子は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される平均一次粒径が、通常10μm以下、好ましくは0.05〜10μmである。二酸化ケイ素からなるブロッキング防止剤として、コロイダルシリカが好適に用いられる。
ブロッキング防止剤の含有量は、固形材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
(水性樹脂エマルジョン)
水性樹脂エマルジョンは、水相にて樹脂が乳化されてなるものである。該樹脂は、耐ブロッキング性を低下させない点で、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以上であることが好ましく、0〜40℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121により、DSC測定装置を用いて測定される中間点ガラス転移温度(Tmg)を意味する。係る樹脂として、アクリル系樹脂が好ましい。市販品としては、ボンコートDV−759EF(DIC社製)などが挙げられる。
本発明の固体材料処理用水性液状組成物における水性樹脂エマルジョンの含有量は、水性樹脂エマルジョン中の樹脂質量として、固体材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
被覆膜のべたつきとブロッキング防止を両立させる観点から、水性樹脂エマルジョンとブロッキング防止剤とは、本発明に係る組成物の調製に供するために、事前に混ぜ合わせておくことが好ましい。ブロッキング防止剤の質量に対する水性樹脂エマルジョン中の樹脂質量の比は、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4である。
(水溶性ポリビニルアルコール系重合体)
水溶性ポリビニルアルコール系重合体は、ビニルアルコール構造単位を分子中に少なくとも有する、水溶性の重合体である。水溶性ポリビニルアルコール系重合体は、例えば、ポリ酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル単位を少なくとも有する重合体をケン化することによって得られるもの、酢酸ビニル単位を少なくとも有する重合体をケン化し次いで変性することによって得られものなどが挙げられる。ケン化度は、特に限定されないが、好ましくは97モル%以上である。変性は、酢酸などのカルボン酸、メタノール、エタノールなどのアルコールによって行うことができる。水溶性ポリビニルアルコール系重合体の具体例としては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、エーテル化されたポリビニルアルコール、エステル化されたポリビニルアルコール(特開2000−239317号公報)などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
本発明の固体材料処理用水性液状組成物における水溶性ポリビニルアルコール系重合体の含有量は、固体材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(防腐、抗菌、防カビまたは防藻に係わる成分)
本発明の固体材料処理用水性液状組成物は、組成物自体あるいは塗工対象材料の変質や分解を防止する観点から、防腐、抗菌、防カビまたは防藻に係わる成分をさらに含有してもよい。防腐、抗菌、防カビまたは防藻に係わる成分としては、例えば、銀、銅等を含有する重金属化合物;ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(慣用名:DDAC)、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート(慣用名:DDAA)等の第4級アンモニウム塩系化合物;ポリヘキサメチレンビグアニド(慣用名:PHMB)、グルコン酸クロルヘキシジン等のビグアナイド系化合物;セチルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド等のピリジニウム系化合物;1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物;3−ヨード−2−プロピニル−ブチルカーバメート等の有機ヨウ素系化合物;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン等のピリジン系化合物;ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン等のピリチオン系化合物、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系化合物;メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメート、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド等のチオカーバメート系化合物;2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物;N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミド等のハロアルキルチオ系化合物;α−t−ブチル−α(p−クロロフェニルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(テブコナゾール)等のトリアゾール系化合物;3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(慣用名:DCMU)等のフェニルウレア系化合物;2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン等のトリアジン系化合物等が挙げられる。
前記防腐、抗菌、防カビまたは防藻に係わる成分のうち、水溶性の銀アミノ酸錯体が特に好ましい。水溶性の銀アミノ酸錯体は、安全性が高く、殺虫成分の分解を抑制する効果がある。また、水溶性の銀アミノ酸錯体は、それ自体にシロアリ防除効果がある。殺虫成分と水溶性銀アミノ酸錯体との共存によりシロアリ防除効果が相乗的に増強される。水溶性銀アミノ酸錯体としては、安定性が高い点から、水溶性銀ヒスチジン錯体が特に好ましい。水溶性の銀アミノ酸錯体の含有量は、固体材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは0.00001〜0.5質量%、より好ましくは0.00005〜0.1質量%である。また、殺虫成分の量が、水溶性の銀アミノ酸錯体1質量部に対して、1〜5000質量部になるようにすることが好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、さらに他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、水、界面活性剤、増粘剤、改質剤、酸化防止剤、光安定剤、有機溶剤、pH調整剤、香料、消泡剤などが挙げられる。これらの他の成分は総計で、固体材料処理用水性液状組成物の総質量に対して、好ましくは0.00001〜1.0質量%、より好ましくは0.00005〜0.5質量%である。
(界面活性剤)
本発明の固体材料処理用水性液状組成物に含有される界面活性剤は、特に限定されないが、以下のものを例示することができる。
アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルフェニルエーテル硫酸塩、POEスチリルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、POEアルキルエーテルスルホコハク酸エーテル塩、α−スルホ脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルエーテルリン酸塩、POEアルキルフェニルエーテルリン酸塩、POEスチリルフェニルエーテルリン酸塩、高級脂肪酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤;
ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、POAベンジルフェニルエーテル、POAスチリルフェニルエーテル、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤;
アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ポリヘキサメチレンビグアニド等のカチオン系界面活性剤;
アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、ジアルキルジアミノエチルグリシン、アルキルメチルアミンオキシド等の両性界面活性剤。
これらの界面活性剤は、水性樹脂エマルジョンに予め含有されてもよいし、本発明の組成物を製造する際に新たに添加されてもよい。これらの界面活性剤は、分散安定性の確保、塗布後のハジキ防止、消泡等の効果を有し、必要に応じてこれらのいずれかの効果を奏する界面活性剤の種類を選択して用いればよい。
(増粘剤)
本発明の固体材料処理用水性液状組成物においては、必須成分である水溶性ポリビニルアルコール系重合体が増粘剤としての効果を有するが、その他に本発明の効果を損なわない限りにおいて、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン等の増粘多糖類;カルボキシメチルセルロール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロール誘導体;デンプンまたはデンプン誘導体;ベントナイト等の無機増粘剤;ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成高分子等を増粘剤として用いることができる。増粘剤は、塗布後の流れ落ちを防止する効果を奏する。
(改質剤)
改質剤としては、フッ素系添加剤を用いることができる。フッ素系添加剤とは、フッ素基を有するオリゴマーである。また、改質剤を添加することで塗工液をより平滑・均一に塗布できるようにすること(レベリング性)ができたり、形成される固体表面のブロッキング性を抑えることができたり、形成される固体表面に、水や油をはじく性質を付与するなどができる。改質剤としては、メガファックF−444(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物:DIC社製)等が挙げられる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]、アルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
(光安定剤)
水溶性銀−アミノ酸錯体に対する光安定剤としては、多価カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸およびそれらの塩が用いられる。このうち特にクエン酸、およびクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等のクエン酸塩が好ましい。
このほか一般に使用可能な光安定剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−セバケート)等が挙げられる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレンカーボネート等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒が挙げられる。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、上記のように水溶性銀アミノ酸錯体の安定化効果を有するクエン酸、およびクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等のクエン酸塩のほかに、酢酸等の有機酸またはその塩、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ成分等を用いることができる。
(香料)
香料としては、特に限定されるものではないが、忌避効果を持つものであればさらに好ましい。また、忌避効果を持つものとしては、2,3,4,5−ビス(Δ2−ブチレン)−テトラヒドロフラール、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド、ジ−ノルマル−プロピルイソシンコロメート、ジ−ノルマル−ブチルサクシネート、2−ハイドロキシエチルオクチルサルファイト、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、シクロヘキシミド、β−ニトロスチレンシアノアクリルニトリル、トリニトロベンゼン−アニリン複合体、ナフタリンなどがあげられる。
(消泡剤)
消泡剤としては、発泡を抑える効果を有していれば、特に限定されるものではないが、シリコーンオイル等が挙げられる。
(固体材料)
本発明の固体材料処理用水性液状組成物の処理対象である固体材料は特に限定されないが、シロアリ、キクイムシ等の害虫の害を受けやすい、木質材料若しくは建材であることが好ましい。
木質材料としては、丸太、板材、柱材、集成材、合板、単板積層材、木質ボードなど、またこれらを加工してなる家具類、道具類などが挙げられる。
建材は、住宅や事務所等の任意の建築物を建てるために使用される材料である。ここで、「建築物を建てるために使用される材料」とは、建築物としての基本的な形状を構成する為の材料を意味し、光設備、免振設備、および防音設備といった建築物に最初から組み込まれる仕組みを備えた部位の構成材料が含まれる。具体的には、建材として、床材、壁材、屋根材、天井材、断熱材、遮熱材、階段、合成集成材、改修下地調整材、基礎・下地材、手摺・スロープ、庇、内外装飾材、内外装仕上材、防音・遮音材、デザイン建材等を例示することができる。前記断熱材としては、具体的には、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂により構成されたものが挙げられる。
本発明の組成物は、上記固体材料のうち発泡樹脂製断熱材および木質材料の処理に適し、特に発泡樹脂性断熱材に好適に用いることができる。
本発明の固体材料処理用水性液状組成物は、害虫の防除に好ましく適用でき、水溶性銀アミノ酸錯体を含有する場合には更に木材腐朽菌およびその他の材料を汚染する真菌類を防除する効果もある。このうち、本発明の固体材料処理用水性液状組成物は、木材害虫防除用により好ましく適用される。
防除対象とする木材害虫は特に限定されないが、特にシロアリ類が好適である。シロアリ類は木材の代表的害虫であるばかりでなく、発泡樹脂製断熱材を食害することが知られており、本発明の固体材料処理用水性液状組成物は発泡樹脂製断熱材におけるシロアリ防除剤として特に好適である。シロアリ類の例としては、シロアリ目のミゾガシラシロアリ科に属するヤマトシロアリ、イエシロアリなど、レイビシロアリ科に属するアメリカカンザイシロアリなどが挙げられる。
材料加工方法
本発明の材料加工方法は、本発明の固体材料処理用水性液状組成物を用いて固体材料を処理するものであれば特に限定されない。具体的な処理方法としては、例えば前記組成物を固体材料に刷毛塗りやスプレー塗りなどにより塗布する方法;前記組成物に固体材料を浸漬する方法;または前記組成物を固体材料に常圧、減圧若しくは加圧下に注入する方法などが挙げられる。固体材料の処理方法は、材料の用途、形状などに応じて適宜に選択することができる。このうち特に、発泡樹脂性断熱材に適し通常採用される方法として、塗布法または浸漬法が好ましい。本発明の材料加工方法としての塗布法または浸漬法は、より具体的には、固体材料の表面の少なくとも一部に本発明の固体材料処理用水性液状組成物を塗布したのち、これを乾燥させる方法である。
加工材料
本発明の加工材料は、前記固体材料を、本発明の材料加工方法により処理して得られる。前記固体材料は、前記木質材料若しくは前記建材であることが好ましく、前記建材であることがより好ましく、前記発泡樹脂性断熱材であることがより更に好ましい。具体的には硬質ウレタン等を挙げることができる。
前記加工材料は、前記固体材料と、前記固体材料の少なくとも一部の表面に、前記固体材料処理用水性液状組成物により形成された殺虫成分含有被覆層とを有する。前記殺虫成分含有被覆層の前記粘着荷重は、100g以下、より好ましくは1g以上90g未満であることが好ましい。また、前記殺虫成分含有被覆層の前記静止摩擦係数は、0.8以上、より好ましくは1以上2以下であることが好ましい。
本発明の加工材料は、十分な殺虫または防虫効果を有し、しかも、乾燥後に上下に重ねて置いたり、互いに密着させて立て掛けたりしても、ブロッキングを起こさず、従って広い保管場所を要しないという利点がある。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、部は質量部の意味である。
使用する原料は以下の通りである。
樹脂A:ボンコートDV−759EF(DIC社製;アクリル樹脂29.6質量%、平均一次粒子径0.15μm、Tg11℃のコロイダルシリカ9.9質量%を含む。)
樹脂B:ボンコートCM−8430(アクリルスチレン樹脂エマルジョン:DIC社製)
樹脂C:ボンコートNST−100EF(高濃度アクリルスチレン樹脂エマルジョン、不揮発成分67.0〜69.0質量%:DIC社製)
PVA:ポリビニルアルコール(クラレポバール:クラレ社製)0.2部10質量%を含有する水溶液
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース(NISSO HPC H:日本曹達社製)
CMC:セロゲン4H CMC(カルボキシメチルセルロース:第一工業製薬社製)
HEC:ダイセルH.E.C. HEC(ヒドロキシエチルセルロース:ダイセル社製)
界面活性剤A:エアロールCT−1L(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液:東邦化学工業社製)
改質剤A:メガファックF−444(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物:DIC社製)
殺虫剤A:アセタミプリド(日本曹達社製)
防腐剤A:ベストサイドSH(銀−ヒスチジン錯体水溶液:日本曹達社製)
(実施例1)
水性樹脂エマルジョンおよびブロッキング防止剤として樹脂A 97.29部に、界面活性剤として界面活性剤A 0.4部、水溶性ポリビニルアルコール系重合体としてPVA 2.0部(樹脂成分として0.2部、水として1.8部)、改質剤として、改質剤A 0.10部、殺虫成分として殺虫剤A 0.20部、および防腐剤として防腐剤A 0.01部を混合し溶解して、水性液状組成物を得た。
(粘着荷重)
硬質ウレタンで形成された2つの直方体の各1面(塗布面3:50mm×50mm)上に水性液状組成物0.375g(150g/m2相当)を塗布し、常温で乾燥させて試験片(2a,2b)を用意した。
試験片(2a,2b)を塗布面(3)で互いに重ねて全体に1kg荷重して粘着させた。これを、1試験片(2b)のみが天秤(1)の上皿上の台に載る形で天秤上に置いた。台に載っていない方の試験片(2a)のみに手で鉛直方向に荷重Fをかけながら、天秤(1)で重量を測定した。2試験片が分離する瞬間の重量値から、荷重する前の重量値を引いた数値を、粘着荷重(単位:g)とした。結果を表2に示す。粘着荷重90g未満の場合は「<90」と表記した。
(静止摩擦係数)
アルミニウム板に、水性液状組成物を100mm×50mm、150g/m2で塗布し常温で乾燥させて試験片(5)を作成した。
JIS K7125に準拠して試験を行った。すなわち、試験片(5)を机上に固定した。この試験片(5)上に底面がフェルトで覆われた滑り片(2mm厚、接触面46mm×85mm)(4)を載せ、さらにその上に200gの重りを載せて、法線力(Fp)を1.98Nとした。滑り片(4)の端に紐を取り付け、この紐を机の端に設置した滑車(6)に通し、紐の末端にポリビーカー(7)をつなぎ下垂させた。ポリビーカー(7)に水を注ぎ入れ、滑り片(4)が動き始めた時点の水およびポリビーカーの重量から、静止摩擦力Fsを求め、静止摩擦係数μ=Fs/Fpを算出した。この試験を2回行った。その結果を表2に示す。
(実施例2〜3、比較例1、3〜6)
実施例1の原料を表1に記載の原料に替えて用いた以外は実施例1と同じ方法で、水性液状組成物を得た。実施例1と同じ方法で粘着荷重および静止摩擦係数を測定した。結果を表2に示す。
また、実施例1、比較例3、5、及び6については得られた水性液状組成物の状況を観察し、その結果を表3に示す。
(比較例2)
市販品である、水性塗膜性塗料コシペイントB(コシイプレザービング社製)を水性液状組成物として用い、実施例1と同じ方法で粘着荷重および静止摩擦係数を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006209759
Figure 0006209759
Figure 0006209759
以上からわかるように、本発明の組成物は、粘着荷重が低いにもかかわらず、静止摩擦係数が高い。
硬質ウレタン断熱材(29mm角の断片)の全面に、実施例1の水性液状組成物、又は、比較例2で用いた水性液状組成物をそれぞれ塗布し、水に5時間浸漬した後、40℃で19時間乾燥させて、試験片を得た。
前記試験片の上部に餌木としてホワイトウッド材の平板を置き、更に、イエシロアリが下面から試験片に接触できる程度に浮かせて、飼育容器(直径約8cm、高さ6cmのアクリル円筒の一端に、硬石膏を約5mm厚に固めたシャーレ状の容器)内に置き、水を加えた脱脂綿を敷きつめた蓋付き容器中に、前記飼育容器を並べ、イエシロアリの職蟻150匹、及び兵蟻15匹を自由に活動できるように前記容器内に置いた。その状態で、室温下で21日間放置し、イエシロアリの死虫率(%)を下記式で算出した。その結果を表4に示す。
Figure 0006209759
Figure 0006209759
本発明の組成物を用いて、固体材料を処理すると、耐ブロッキング性を有しながら、害虫に対しては粘着性を示し、それにより殺虫成分の効力を増強させることができる。
1 天秤
2a 試験片
2b 試験片
3 塗布面
F 荷重
4 滑り片
5 試験片
6 滑車
7 ポリビーカー

Claims (11)

  1. ブロッキング防止剤、水性樹脂エマルジョン、水溶性ポリビニルアルコール系重合体、および殺虫成分を含有する、固体材料処理用水性液状組成物において、
    組成物の総質量に対して、
    前記ブロッキング防止剤が1〜20質量%、
    前記水性樹脂エマルジョンに含有される樹脂が1〜50質量%、
    前記水溶性ポリビニルアルコール系重合体が0.01〜1質量%、および
    前記殺虫成分が0.01〜1質量%であり、
    前記ブロッキング防止剤に対する前記水性樹脂エマルジョンに含有される樹脂の質量比が1/1〜5/1である、固体材料処理用水性液状組成物
  2. 前記ブロッキング防止剤がコロイダルシリカである、請求項1に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  3. 前記水溶性ポリビニルアルコール系重合体がポリビニルアルコールである、請求項1または2に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  4. 前記殺虫成分がネオニコチノイド系殺虫成分である、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  5. 前記殺虫成分がアセタミプリドである、請求項4に記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  6. 前記組成物で処理された固体材料の表面(50mm×50mm)同士の粘着荷重が100g以下で且つ前記組成物で処理された固体材料とフェルトとの静止摩擦係数が0.8以上である、請求項1〜のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  7. 水溶性の銀アミノ酸錯体をさらに含有する、請求項1〜のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物。
  8. 固体材料を、請求項1〜のいずれかひとつに記載の固体材料処理用水性液状組成物で処理することを含む材料加工方法。
  9. 前記処理は、前記固体材料の少なくとも一部の表面を前記固体材料処理用水性液状組成物で塗布または浸漬し、次いで乾燥させることを含む、請求項に記載の材料加工方法。
  10. 前記固体材料を、請求項またはに記載の材料加工方法により処理して得られる加工材料。
  11. 前記固体材料が建材である、請求項10に記載の加工材料。
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