JP4259638B2 - 懸濁状農薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

懸濁状農薬組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬活性成分を、界面活性剤の存在下で、水と相溶性のない非水系溶媒に分散してなる、水にも非水系溶媒にも希釈可能であり、貯蔵安定性に優れかつ取扱いが容易な懸濁状農薬組成物や、かかる懸濁状農薬組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年環境面より農薬活性成分とキャリヤーを混合した粉状の水和剤や溶媒に溶解した乳剤は敬遠されつつあり、代わりに水和剤を固形化した顆粒水和剤や水に農薬活性成分を分散した水ベースの懸濁剤が開発されている。さらに、より活性が高い農薬を創製し、農薬の投下薬量を減少する努力が世界的になされている。また、投下薬量を減少するため散布時に水で希釈すると同時にアジュバントを添加する方法も一般的になりつつある。
【0003】
そして従来、農薬活性成分を界面活性剤の存在下で鉱物油や植物油に懸濁する技術は知られている。例えば、特開平4―21611号公報、特開平4―21613号公報には、除草剤活性成分を鉱物油や植物油を分散媒とし、HLBが3〜10のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を配合した油性懸濁製剤を直接湛水下の水田に滴下し、水田の田面水上に均一に拡散させることが記載されている。また、特開平6―40823号公報には、除草剤活性成分に鉱物油や植物油と界面活性剤を配合した油性懸濁状除草組成物の安定化のために尿素を添加し、油性懸濁状除草組成物の分解を防止する方法が記載されているが、散布時にどのように希釈して使用するのか、あるいは油性懸濁状除草組成物製剤を製造する上でどのようなタイプの界面活性剤を使用すると製剤が安定化するかについては記載されていない。さらに、特開平3―350336号公報には、水にも油にも希釈容易な水和剤タイプの製剤について記載されているが、水和剤タイプのため、計量時の粉立ち及び乾式粉砕で製造するため活性物質の粒径が大きい等の問題があった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
本発明の課題は、計量時の粉立ちを回避することができ、貯蔵安定性が良好で、散布時に水にも非水系溶媒にも希釈可能な実用的かつ効率的な懸濁状農薬組成物製剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、農薬活性成分を水と相溶性のない非水系溶媒に分散してなる農薬組成物において、特定の界面活性剤成分、すなわちソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン性界面活性剤を配合したものを使用することより、計量時の粉立ちのない、貯蔵安定性が良好でかつ散布時に水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物が得られることを見出した。すなわち、農薬活性成分にオイル等の水と相溶性のない非水系溶媒とソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン性界面活性剤を配合して、湿式粉砕機により粉砕することにより、0.5〜3.0μmの粒径の農薬活性成分がアジュバント作用のあるオイル中に懸濁した、計量時の粉立ちのない、貯蔵安定性が良好でかつ散布時に水にも非水系溶媒にも希釈可能な製剤が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、農薬活性成分を水と相溶性のない非水系溶媒に分散してなる懸濁状農薬組成物であって、界面活性剤としてソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン性界面活性剤とが配合されていることを特徴とする水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物に関する。
【0007】
また本発明は、平均粒径が0.5〜3ミクロンの農薬活性成分が含まれている上記懸濁状農薬組成物や、水と相溶性のない非水系溶媒が鉱物油もしくは植物油又はこれらの誘導体である上記懸濁状農薬組成物や、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとしてその脂肪酸部がC8〜C18 の直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪酸を用いる上記懸濁状農薬組成物に関する。
【0008】
さらに本発明は、水と相溶性のない非水系溶媒と、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤とを混合し、この混合物に農薬活性成分を添加した後、均一に混合することを特徴とする水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物の製造方法、特に、水と相溶性のない非水系溶媒と、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤とを混合し、この混合物に乾式粉砕機であらかじめ5〜10ミクロン程度に粉砕した農薬活性成分を添加した後、湿式粉砕機で粉砕することを特徴とする、農薬活性成分の平均粒径が0.5〜3ミクロンであり、水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物は、農薬活性成分、水と相溶性のない非水系溶媒、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル、HLBが8〜15のノニオン系界面活性剤、及び必要に応じて配合されるその他の助剤から調製される。ここで「希釈可能」とは、『製剤品を水あるいは非水系溶媒に希釈した際、初期乳化性及び乳化安定性の両方が良好で、実使用場面に適応できる物性を備えている』ことを意味する。そして、これらの配合割合は、農薬活性成分が5〜60重量%、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルが2〜15重量%、HLBが8〜15のノニオン系界面活性剤が2〜15重量%、非水系溶剤をバランスとして配合する。なお、その他の助剤は必要に応じて適宜配合する。
【0010】
本発明に用いられる農薬活性成分としては、水と相溶性のない非水系溶媒に分散しうる、すなわち、水と相溶性のない非水系溶媒に溶解しない、殺菌剤・殺虫剤・殺ダニ剤・除草剤等農薬活性を有するものであればどのようなものでもよい。例えば殺菌剤としては、チオファネ−トメチル、ベノミル、チアベンダゾ−ル、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、ポリカ−バメ−ト、ジラム、チウラム、ビンクロゾリン、イプロジオン、プロシミドン、トリアジメホン、ビテルタノ−ル、ヘキサコナゾ−ル、プロピコナゾ−ル、トリフルミゾ−ル、プロクロラズ、硫酸ストレプトマイシン等を、殺虫剤としては、NAC、MTMC、BPMC、メソミル、カルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、アセタミプリド、イミダクロプリド等を、殺ダニ剤としては、フェニソブロモレ−ト、テトラジホン、BPPS、ヘキシチアゾクス等を、また、除草剤としては、アロキシジムNa、ベンスルフロン−メチル、プレチラクロール、メフェナセット、チオベンカルブ、ピラゾレート、トリフルラリン等を、それぞれ例示することができる。
【0011】
本発明に係る懸濁状農薬組成物におけるこれら農薬活性成分の含有量は特に限定されるものではないが、製造及び輸送上のコストを考慮した場合できるだけ多い方が好ましい。また、これらの農薬活性成分は1種類に限定されるものではなく、必要に応じて2種又は3種あるいはそれ以上を混合して使用してもよい。さらに、農薬活性成分の粒径としては、葉面上に散布し浸透により効力が発現するような場合には細かい方が好適であり、具体的には5μm以下が好ましく、0.5〜3μmが特に好ましい。
【0012】
本発明に用いられる水と相溶性のない非水系溶媒としては、引火点及び沸点の高い鉱物油、植物油又は植物油もしくは動物油の誘導体を挙げることができる。鉱物油としては、農薬用マシン油、液状パラフィン、ナフテン油等を、植物油としては、綿実油、大豆油、菜種油、パーム油、ひまわり油、やし油等をそれぞれ例示することができる。また、植物油又は動物油の誘導体としては、植物や動物由来の油脂を加水分解した脂肪酸とメタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールや高級アルコールとをエステル化したものを例示することができる。
【0013】
これらの非水系溶媒は使用目的により適宜選択すれことができ、例えば中南米のバナナ地帯で実施されているオイルに製剤を希釈して散布する場合には従前より使用されているマシン油等の鉱物油が好適である。また、効力の向上を目的とする場合は、色々の農薬活性成分の効力向上用に広く市販されている鉱物油や大豆油、菜種油、ひまわり油及びオレイン酸のメチルエステルを主体とした脂肪酸のエステル類が好適である。この場合、水に希釈して散布するか又は水に希釈すると同時にアジュバントを添加して散布するのが一般的である。
【0014】
本発明に用いられるソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルは、固体の農薬活性成分を水と相溶性のない非水系溶媒に分散する上で重要である。これらの脂肪酸エステルの脂肪酸部はC8〜C18 の直鎖又は分岐状で飽和あるいは不飽和脂肪酸であり、具体的な脂肪酸の種類としては、例えばカプリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、セスキオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸等を挙げることができる。
【0015】
本発明に用いられるHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤は、本発明の農薬組成物の貯蔵安定性を付与したり、水に希釈して使用する上で重要である。そして、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等を例示することができ、これらは必要に応じて混合して用いてもよいが、そのHLBは8〜15であることが必要であり、HLBが8未満の場合は水への希釈性が悪くなり、また、HLBが15を超える場合は製剤が高粘度状となり、オイルへの希釈性が悪くなるため好ましくない。また、本発明に用いられるHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤には、HLBが8未満のノニオン系界面活性剤及び/又はHLBが15を超えるノニオン系界面活性剤を用いて調製したHLBが8〜15に調整されたノニオン系界面活性剤の混合物も含まれる。
【0016】
本発明における界面活性剤としては、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤を併用することが重要であり、それらの使用割合については特に限定されるものではないが、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとノニオン系界面活性剤との使用割合は、1:0.5〜1:3が好ましい。
【0017】
本発明における界面活性剤として、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤の他に、必要に応じてアニオン系界面活性剤を添加・配合することも可能である。アニオン系界面活性剤の種類としては、通常農薬の水和剤、乳剤及びフロアブル剤等に使用されるもの、例えば、アルキルベンゼンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、アルキル(アリル)サルフェート、アルキル(アリル)フォスフェート、及びこれらのナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
界面活性剤の総使用量として10重量%から20重量%が最適であり、10重量%以下では水及びオイルへの希釈性が悪くなり、20重量%以上では製剤の粘度が上がって取り扱い性が悪くなる。
【0019】
本発明の懸濁状農薬組成物においては、以上の他にも必要に応じていろいろな添加剤を使用することができるが、農薬活性成分の沈降を防止して、経変後の相分離やハードケーキの発生を抑制するためには、ベントナイト系有機粘土やシリカ等の増粘剤を添加した方がより好ましい。また、農薬活性成分が光や酸化作用に対して不安定な場合には、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を使用することが好ましい。
【0020】
本発明の懸濁状農薬組成物は、非水系溶媒とソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤とを混合し、この混合物にピンミルやジェットミル等の乾式粉砕機であらかじめ5〜10ミクロン程度に粉砕した農薬活性成分を添加し、ヒスコトロンやポリトロン等のホモジナイザーで均一に混合することにより製造することができる。また、微粉化が要求される場合には、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノーミル等の湿式粉砕機で粉砕することにより平均粒径が0.5〜3ミクロン程度の懸濁状農薬組成物を得ることができる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の内容をさらに具体的に示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
38.8gのスタノールLP−35[パラフィン系農薬オイル(エクソン化学(株)製)]に5.5gのニューコール80[ソルビタンモノオレエート(HLB:6.4、日本乳化剤(株)製)]と5gのニューコール1210[ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:12.4、日本乳化剤(株)製)]を加えて均一になるまでよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックス[ジェット粉砕機(日曹エンジニアリング(株)製)]でジェット粉砕したチオファネートメチル原体[殺菌性農薬活性成分(日本曹達(株)製)]50gとBENTON−34[有機ベントナイト(ウィルバー・エリス(株)製)]0.7gを加え(合計重量100g)、ヒスコトロン[超高速万能ホモジナイザー(日音医理科機器製作所(株)製)]10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダー[湿式粉砕機(五十嵐機械製造(株)製)]の400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0022】
実施例2
39.5gのスタノールLP−35に2gのニューコール80と6gのニューコール1210及び2gの試作品93048[70重量%のジオルチルスルホサクシネートNaと30重量%の芳香族系溶剤の混合物(竹本油脂(株)製)]を加えて均一になるまでよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gと0.5gのBENTON−34を加え(合計重量100g)、ヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0023】
実施例3
36.5gのスタノールLP−35に5gのニューコール80と3gのニューコール1210及び5gのニューコール564[ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB:12.3、日本乳化剤(株)製)]を加えて均一になるまでよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gと0.5gのBENTON−34を加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0024】
実施例4
実施例3のニューコール564をニューカルゲンD−230[ポリオキシエチレンカスターエーテル(HLB:12.0、竹本油脂(株)製)]に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0025】
実施例5
実施例3のニューコール1210をニューコール1100[ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:13.1、日本乳化剤(株)製)]に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0026】
実施例6
実施例3のニューコール1210をニューカルゲン1109S[ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB:13.3、竹本油脂(株)製)]に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0027】
実施例7
実施例3のニューコール80をニューコール3−80[ソルビタントリオレエート(HLB:3.4、日本乳化剤(株)製)]に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0028】
実施例8
実施例3のニューコール80をリョートシュガーエステルER−290[ショ糖エルカ酸エステル(HLB:2、三菱化学フーズ(株)製)]に代え、ニューコール1210を試作品93048に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0029】
実施例9
実施例3の36.5gのスタノールLP−35を34gの大豆油に代え、5gのニューコール80の添加量を5.5gに代え、3gのニューコール1210の添加量を5gに代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0030】
実施例10
実施例3のスタノールLP−35をADJ−100[オレイン酸メチルエステル(竹本油脂(株)製)]に代え、ニューコール80をニューコール3−80に代える以外は実施例3と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0031】
実施例11
51gのスタノールLP−35に10gのニューコール80と3gのニューコール1210及び5gのニューコール564を加えて均一になるまでよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したアセタミプリド原体[殺虫性農薬活性成分(日本曹達(株)製)]30gと1gのBENTON−34を加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0032】
実施例12
実施例11のスタノールLP−35をADJ―100に代える以外は実施例11と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0033】
実施例13
実施例11の農薬活性成分をヘキシチアゾクス原体[殺ダニ性農薬活性成分(日本曹達(株)製)]に代え、ニューコール1210をニューコール1100に代える以外は実施例11と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0034】
実施例14
実施例11の農薬活性成分をアロキシジムNa[除草性農薬活性成分(日本曹達(株)製)]に代え、スタノールLP−35をADJ―100に代え、ニューコール80をニューコール3−80に代える以外は実施例11と同様にして懸濁状農薬組成物を得た。
【0035】
次に比較例を記載する。
比較例1
35gのスタノールLP−35に15gのニューコール564を加えてよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gを薬匙で混合したが、粘度が高いためホイップクリーム状となり、懸濁状農薬組成物を得ることはできなかった。
【0036】
比較例2
比較例1のニューコール564をニューコール707[ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(HLB:12.3、日本乳化剤(株)製)]に代えて同様に行ったが、比較例1と同様に粘度が高いためホイップクリーム状となり、懸濁状農薬組成物を得ることはできなかった。
【0037】
比較例3
35gのスタノールLP−35に15gのニューコール1210を加えてよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0038】
比較例4
比較例3のニューコール1210をニューコール1100に代える以外は比較例3と同様にして均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0039】
比較例5
比較例3のニューコール1210をニューカルゲンD−230に代える以外は比較例3と同様にして均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0040】
比較例6
37gの大豆油に5gのニューカルゲンD−905[グリセリン モノ オレエート(竹本油脂(株)製)]と3gのニューコール1210及び5gのニューコール564を加えて均一になるまでよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0041】
比較例7
40gのスタノールLP−35に10gのニューコール80を加えてよく混合し、この混合物にあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0042】
比較例8
比較例7のニューコール80をニューコール3−80に代える以外は比較例7と同様にして均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0043】
比較例9
39.5gのスタノールLP−35に5.5gのニューコール80と5gのニューコール506[ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:17.2、日本乳化剤(株)製)]を加えてよく混合し、ここにあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gを薬匙で混合したが、粘度が高いためホイップクリーム状となり、懸濁状農薬組成物を得ることはできなかった。
【0044】
比較例10
39.5gのスタノールLP−35に5.5gのニューコール80と5gのニューコール1203[ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:6.6、日本乳化剤(株)製)]を加えてよく混合し、ここにあらかじめウルマックスでジェット粉砕したチオファネートメチル原体50gを加えて合計重量100gをヒスコトロン10000回転で1分間混合した後、スラリー全体をサンドグラインダーの400mlベッセルに仕込み、直径1mmのガラスビーズ150mlを加えて30分間湿式粉砕し、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0045】
次に実施例と比較例の各サンプルについての試験例及び結果を記載する。
試験例1(水への希釈特性)
100mlの共栓付沈降管に20℃の水道水100mlを入れ、ここにサンプル0.2g(500倍希釈)を入れた後、栓をして2秒間に1回の割合で30回倒立して初期乳化性を観察する。次に、乳化安定性をみるために、沈降管を室温(20〜25℃)に静置して30分後に沈殿、凝集の有無と乳化性を観察する。結果を表1に示す。表中「○」印は良好、「△」印は普通、「×」印は不良をそれぞれ示す。本発明のサンプルはすべて水に対して良好な希釈性を示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004259638
【0047】
試験例2(油への希釈特性)
100mlの共栓付沈降管にスタノールLP−35を100ml入れ、ここにサンプル4g(25倍希釈)を入れた後、栓をして2秒間に1回の割合で30回倒立して初期乳化性を観察する。次に、乳化安定性をみるために、沈降管を室温(20〜25℃)に静置して30分後に沈殿、凝集の有無と液の均一性を観察する。結果を表1に示す。表中「○」印は良好、「△」印は普通、「×」印は不良をそれぞれ示す。本発明のサンプルはすべて油(スタノールLP−35)に対して良好な希釈性を示した。
【0048】
試験例3(原液の粘度と経変試験)
製造したサンプルを50mlの透明なバイアル瓶に入れ、B型粘度計[DVL−B型(東京計器製)]、No.2ローター、30回転で粘度を測定する。測定終了後、瓶のふたをして40℃の恒温槽に入れて30日後に、相分離率[懸濁相の量(mm)に対する上澄み量(mm)の割合]とハードケーキの有無を確認する。結果を表1に示す。表中、「相分離率」は、懸濁相の量(mm)に対する上澄み量(mm)の割合で示し、また「ハードケーキの有無」は、バイアル瓶底のケーキングの有無のスパチラによる確認結果である。本発明のサンプルはすべて原液の粘度が300〜1000mPa・Sの範囲であり、取り扱いが容易である。また、経変後の相分離率が少なく、容器の底にハードケーキが発生することもないため貯蔵安定性に優れていた。
【0049】
試験例4(小麦葉面への付着性試験)
サンプルを水に希釈し、3〜4葉期の小麦に肩掛け散布機を使用して散布し、葉面への付着性を観察する。実施例1及び2で調製したサンプルを1000倍希釈して試験した結果、対照のトップジンM水和剤[殺菌剤(日本曹達(株)製)]が水滴状に付着していたのに対して本発明品は水滴が認められず、葉面全体に均一にベットリと付着していた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の懸濁状農薬組成物は、水に希釈して散布する場合、またオイルに希釈して航空散布する場合のどちらにも対応可能である。また、原液の粘度が300〜1000mPa・Sの液剤であり、経変後の相分離率が低く、ハードケーキの発生もないため、粉立ちが回避された取り扱い容易でかつアジュバントを製剤中に組み込んだ効率的な製剤である。

Claims (5)

  1. 農薬活性成分を、鉱物油、植物油又は植物もしくは動物由来の油脂を加水分解した脂肪酸とアルコールとをエステル化したものである水と相溶性のない非水系溶媒に分散してなる懸濁状農薬組成物であって、界面活性剤としてソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン性界面活性剤が配合されていることを特徴とする水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物。
  2. 農薬活性成分を、鉱物油、植物油又は植物もしくは動物由来の油脂を加水分解した脂肪酸とアルコールとをエステル化したものである水と相溶性のない非水系溶媒に分散してなる懸濁状農薬組成物であって、界面活性剤としてソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとHLBが8〜15のノニオン性界面活性剤が配合されていることを特徴とする水にも非水系溶媒にも希釈可能であり、かつ平均粒径が0.5〜3ミクロンの農薬活性成分が含まれている懸濁状農薬組成物。
  3. ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステルとして、その脂肪酸部がC8〜C18 の直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪酸を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の懸濁状農薬組成物。
  4. 鉱物油、植物油又は植物もしくは動物由来の油脂を加水分解した脂肪酸とアルコールとをエステル化したものである水と相溶性のない非水系溶媒と、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤とを混合し、この混合物に農薬活性成分を添加した後、均一に混合することを特徴とする水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物の製造方法。
  5. 鉱物油、植物油又は植物もしくは動物由来の油脂を加水分解した脂肪酸とアルコールとをエステル化したものである水と相溶性のない非水系溶媒と、ソルビタン又はショ糖の脂肪酸エステル及びHLBが8〜15のノニオン系界面活性剤とを混合し、この混合物に乾式粉砕機であらかじめ5〜10ミクロン程度に粉砕した農薬活性成分を添加した後、湿式粉砕機で粉砕することを特徴とする、農薬活性成分の平均粒径が0.5〜3ミクロンであり、水にも非水系溶媒にも希釈可能な懸濁状農薬組成物の製造方法。
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