JP3488142B2 - 固形化粧品組成物及びその使用 - Google Patents

固形化粧品組成物及びその使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、局所適用のための
固形組成物並びにその化粧品及び／または皮膚科用の使
用、特に皮膚、頭皮、髪及び／または粘膜のコンディシ
ョニング及び／または処理のため、皮膚及び／または睫
毛及び髪などのケラチン繊維のメイクアップのため、及
びケラチン繊維、特に髪のスタイリング及び／または整
髪のための使用に関する。
【０００２】
【従来の技術】固形形態の製品は、化粧品業界では既知
である。このタイプの製品で挙げることのできるもの
は、メイクアップの分野では、例えば、リップスティッ
クのチューブまたは“スティック”、ファンデーション
またはアイシャドウ；スキンケアまたはリップケアの分
野では、リップリペアペンシル及び脱色、メイクアップ
除去またはモイスチャライジングチューブまたは“ステ
ィック”；衛生の分野では消臭スティック及び皮膚のシ
ェービングまたはクレンジングのための起泡スティック
またはバーである。
【０００３】更に、挙げることのできる固形製品は、特
に、例えば活性剤を皮膚に浸透させるかまたは皮膚を洗
浄するといった経皮効果によって作用するパッチであ
る。
【０００４】ワックスを主成分とする製剤スティック
は、所定の欠点を有する。これらは、使用者が好まない
脂性の性質を有し、適用時の爽やかさに欠ける。さら
に、これらに親水性の活性剤を導入することは困難であ
る。
【０００５】さらにまた、消臭スティック等の非脂性の
スティックは、比較的大量の脂肪酸塩を含有するが、こ
れらは顔の手入れ等の適用に際しては刺激性の性質を有
する恐れがある。さらにまた、これらのスティックは、
皮膚への適用後に粘つくフィルムを残す。
【０００６】水性の剛性ゲルは、国際特許出願９７／１
７０５５号公報及び同９７／１７０５３号公報に記載さ
れています。しかしながら、これらのゲルにはゲル化剤
をかなり高濃度で使用することが必要であり、特殊な調
製技術、押し出しが含まれる。さらに、国際特許出願９
７／１７０５５号公報に記載されたスティックは、透明
性に欠け、ゲル化剤が高濃度なため皮膚に適用した際の
爽やかさ及び柔らかさに欠け、国際特許出願９７／１７
０５３号公報に記載されたものは使用時に水和させなけ
ればならない。
【０００７】欧州特許出願８０３，２４５号公報には、
熱可逆多糖類、湿潤剤及び粉体相（充填剤）を含有する
水性固形組成物が記載されている。しかしながら、粉体
相の存在は、以下の欠点を引き起こす。該組成物を皮膚
に適用した際に目に見える跡が存在し、心地よい感覚が
削減される。さらにまた、粉体相が当該文献に記載され
た組成物から除去された場合には、組成物は、十分な固
体性も十分な安定性も持たず、皮膚上に十分に転移しな
い（製品が十分に皮膚に付着しない）。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
による欠点を有しない、局所適用のための固形組成物
が、依然望まれている。
【０００９】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】出
願人がここに、予期せぬことに、親水コロイドと結合ポ
リマーをベースとする所定のゲル化剤により、ゲル化剤
の含量が少量であっても安定な、均質で剛性の水性組成
物を調製することができ、特殊な調製技術を必ずしも要
しないことを発見したことが判った。得られる組成物
は、適用の際には爽やかであり、皮膚上によく付着する
と同時に十分に固形である。さらにこれらは、予め湿潤
化することを要さず、皮膚に直接適用することができ
る。
【００１０】結合ポリマーは、少なくとも一の脂肪鎖、
すなわち疎水性部分及び少なくとも一の親水性ユニッ
ト、即ち親水性部分を含む両親媒性ポリマーである。
【００１１】したがって、本発明の主題は、水相中に、
（i）ゲランゴム（gellan gum）、（ii）キサンタンガ
ム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アガー
アガー、カラギーナン、アルギナート、カロブガム、グ
アーガム、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカンスゴ
ム、ガッチゴム、ペクチン、ゼラチン、カゼイナート及
びヒドロキシプロピルグアーより選択される少なくとも
一の他の親水コロイド、及び（iii）少なくとも一の脂
肪鎖及び少なくとも一の親水性ユニットを含む少なくと
も一の両親媒性ポリマー、を含むゲル化システムを含有
する固体組成物である。
【００１２】本発明の目的に関しては、“固形組成物”
との表現は、該組成物の基質に直径０．８cmの軸対称プ
ローブを０．５mm/sの速度で１mmの深さに貫入し、前記
プローブを０．５mm/sの速度で該組成物の基質から除去
した後に、室温（２０−２５℃）にて、２０グラム以上
の圧縮強度を有するあらゆる組成物を意味する。圧縮強
度はStevens/Mechtric社により市販の“LFRA Texture A
nalyser”等の分析器をを用いて測定される。
【００１３】本発明の固形組成物は支持体に直接適用可
能であり、すなわち、支持体、特に皮膚に適用するため
に湿潤化させる必要がない。本発明による組成物におけ
る“支持体”との語は、局所適用が可能なあらゆる表
面、特に皮膚、睫毛及び髪などのケラチン繊維、頭皮及
び唇などの粘膜を意味する。
【００１４】本発明により使用されるゲル化システム
は、少量であっても、強度及び剛性が十分であると同時
に皮膚上によく付着する固形組成物を供する。
【００１５】さらに、粉体を多量に含有する固形組成物
とは異なり、本発明による組成物は支持体に適用された
際に目に見える粉状の跡を残さないという利点を有す
る。さらにまた、これは、オイルを含まないため透明ま
たは半透明であるという特性を有する。
【００１６】さらにまた、本発明による固形組成物は、
優れた転移特性を有し、すなわち、支持体に適用される
と、この支持体上に効果的な量の製品を放出し、同時に
特に固形である。
【００１７】本発明による組成物においては、ゲランゴ
ムが、組成物全重量に対して少なくとも１．５重量％、
例えば１．５から１５重量％の量、好ましくは２から８
重量％、更に好ましくは２から４重量％の量で存在す
る。
【００１８】本発明の好ましい実施態様に依れば、親水
コロイド（ii）は、キサンタンガム、カロブガム、カル
ボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルグアー
及びこれらの混合物より選択されることが好ましい。
【００１９】親水コロイド（ii）は、本発明による組成
物中に、非常に広い範囲の量で存在する。このように、
この量は、例えば、組成物全重量に対して０．１から１
０重量％、好ましくは１から５重量％、更に好ましくは
２から４重量％の範囲であると良い。
【００２０】割合により、特に親水コロイドの総量（ゲ
ラン＋親水コロイド（ii））が４％を越える場合、該混
合物は欧州特許出願６６７，１４８号公報に記載の技術
によって、ツインスクリュー押し出し器で調製されるこ
とが望ましい。
【００２１】本発明の組成物においては、両親媒性ポリ
マー（iii）としてあらゆる結合ポリマーが使用可能で
ある。この両親媒性ポリマーにおいては、疎水性部分は
ポリマー鎖の残りの部分に対して少ない数であってよ
く、鎖に対して外側に位置していてよく、ランダムに分
布していても（ランダムコポリマー）、列またはグラフ
トの形態で分布していても（ブロックコポリマーまたは
シークエンスコポリマー）よい。さらにまた、水溶性ま
たは水分散性ポリマー、あるいはまた水膨潤性ポリマー
も使用可能である。
【００２２】両親媒性ポリマーとしては、あらゆる化学
的性質のものが可能である。したがって、任意に変性さ
れた天然起源のポリマー；ラジカルポリマー、特にビニ
ル又はアクリルポリマー；重縮合物；及びこれらの混合
物を選択することができる。これらはイオン性または非
イオン性であってよく、好ましくはアニオン性または非
イオン性である。
【００２３】本発明において使用される、少なくとも一
の脂肪鎖及び少なくとも一の親水性ユニットを含む少な
くとも一の両親媒性ポリマーは、（１）少なくとも一の
脂肪鎖を含む基で変性されたホロシド。挙げることので
きる変性ホロシドは、例えば、 ・セルロースまたはその誘導体、少なくとも一の脂肪
鎖、例えばアルキル、アリールアルキルまたはアルキル
アリール基を含む基またはこれらの混合物であって、ア
ルキル基が８から２２の炭素原子を有するもの； ・非イオン性アルキルヒドロキシエチルセルロース、例
えばAqualon社製の製品、Natrosol Plus Grade 330 C
S、Polysurf 67及びADX 410、（Ｃ16アルキル）； ・四量化（カチオン性）アルキルヒドロキシエチルセル
ロース、例えば、Amerchol社製の製品、Quatrisoft LM
200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529
-18-B（Ｃ12アルキル）及びQuatrisoft LM-X 529-8（Ｃ
18アルキル）及びCroda社製の製品、Crodacel QM、Crod
acel QL（Ｃ12アルキル）及びCrodacel QS（Ｃ18アルキ
ル）； ・非イオン性ノノキシニルヒドロキシエチルセルロー
ス、例えばAmerchol社製の製品、Amercell HM-1500； ・非イオン性アルキルセルロース、例えばBerol Nobel
社製の製品、Bermocoll EHM 100； ・ポリアルコール（Ｃ12−Ｃ18）サッカライド、例え
ば、Petroferm社製の製品、Emulsan（Ｄ-ガラクトサミ
ン／アミンウロン酸混合物）及び製品Biosan LPS-50； ・脂肪鎖で変性されたヒドロキシプロピルグアー、例え
ば、Lamberti社製の製品、Esaflor HM 22（Ｃ22アルキ
ル鎖で変性）；Rhone-Poulenc社製の製品、Miracare XC
95-3（Ｃ14アルキル鎖にて変性）及び、製品RE 205-14
6（Ｃ20アルキル鎖にて変性）；
【００２４】（２）マレイン酸無水物またはその誘導体
と、少なくとも一の脂肪鎖を含むモノマーとのコポリマ
ー。挙げることのできる例は、 ・Ｎ-オクタデシルビニルエーテル／マレイン酸無水物
コポリマー、例えばISP社により市販の製品、Gantrez A
N-8194； ・酢酸ビニル／イソブチルモノマレアート／ビニルネオ
デカノアートターポリマー、例えばISP社より市販の製
品、ACV-4033及び9649-147、Meyhall社より市販の製
品、Meypro-Fix 509及びBASF社より市販の製品Densodri
n BA及びLipoderm Liquor FP；
【００２５】（３）少なくとも一の脂肪鎖を含む基を有
するポリウレタンとその誘導体、例えば、下記の市販
品：Rheox社製のRheolate 204、205、208、210、255及
び278；Berol Nobel社製のBermodol Pur 2130；Rohm &
Haas社製のAcrysol SCT-275、Acrysol RM-870、Acrysol
RM-825、Acrysol 44及びAcrysol 46、DW-1206B、DW-12
06F、DW-1206 G及びDW-1206 J；Akzo社製のDapral T 21
2；Huls社製のSER-AD FX 1100；Borchers社製のBorchig
el LW.44及びBorchigel L.75.N；
【００２６】（４）クロトン酸と、少なくとも一の脂肪
鎖を含むモノマーとのコポリマー、例えば酢酸ビニル／
クロトン酸／アリルステアラートターポリマー； （５）Ｎ-ビニルピロリドンと、少なくとも一の脂肪鎖
を含むモノマー、例えば、長い炭化水素をベースとする
鎖を含むアルキル基で置換されたオレフィンとのコポリ
マー、例えば、ISP社製の製品、Antaron V216及びAntar
on V220；
【００２７】（６）メタクリル酸と、少なくとも一の脂
肪鎖を含むモノマーとのコポリマー；これらのモノマー
は、脂肪鎖を含む疎水性モノマー、脂肪鎖を含む疎水性
部分と親水性部分を含む両親媒性モノマー、またはこれ
らの混合物より選択される。挙げることのできるこのタ
イプのコポリマーは、例えば： ・アクリル酸／Ｃ10−Ｃ30アルキルアクリラートの架橋
コポリマー、例えばGoodrich社製の製品、Pemulen TR
1、Pemulen TR 2、Carbopol 1382、Carbopol 1342及びC
arbopol ETD 2020； ・メタクリル酸／エチルアクリラート／アルキルアクリ
ラートコポリマー、例えば、Rohm & Haas社製の製品、A
cusol 823及びHoechst社製のImperon R； ・アクリル酸／ビニルイソデカノアート架橋ポリマー、
例えば、3V社製の製品Stabylen 30； ・アクリル酸／ビニルピロリドン／ラウリルメタクリラ
ートターポリマー、例えばISP社製の製品、Acrylidone
LM、ACP-1184、ACP-1194； ・アクリル酸／ラウリルメタクリラートコポリマー、例
えばCoatex社製の製品、Coatex SX； ・メタクリル酸／アルキルアクリラート／ポリエトキシ
ル化アルキルアリルエーテルターポリマー、例えば、Al
lied Colloids社製の製品、Rheovis -CR、-CR3、-CR2及
び−CRX； ・メタクリル酸／エチルアクリラート／ポリエトキシル
化ステアリルアリルエーテルターポリマー、例えば、Al
lied Colloids社製の製品、Salcare-SC90及び-SC80； ・メタクリル酸／エチルアクリラート／ポリオキシエチ
レン化ラウリルアクリラートターポリマー、例えば、Co
atex社製のRheo 2000； ・メタクリル酸／エチルアクリラート／ポリオキシエチ
レン化ステアリルメタクリラートターポリマー、例え
ば、Rohm & Haas社製の製品、Acrysol 22、Acrysol25及
びDW-1206A； ・メタクリル酸／エチルアクリラート／ポリオキシエチ
レン化ノニルフェニルアクリラートコポリマー、例え
ば、Coatex社製のRheo 3000； ・アクリル酸／ポリオキシエチレン化ステアリルモノイ
タコナートコポリマーまたはアクリル酸／ポリオキシエ
チレン化セチルモノイタコナートコポリマー、例えば、
National Starch社製の製品、8069-72A及び8069-72B； ・メタクリル酸／ブチルアクリラート／少なくとも一の
脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えば、Na
tional Starch社製の製品、8069-146A； ・アクリル酸／Ｃ15アルキルアクリラート／ポリエチレ
ングリコールアクリラート（エチレンオキシド２８mo
l）ターポリマー、例えば、Akzo社製の製品、Dapral GE
202； ・アクリル酸／ジメチルエタノールアミンコポリマーの
部分的な脂肪酸エステルの塩、例えば、Akzo社製の製
品、Dapral GE 202 DMA； ・アクリル酸／アクリラート／ウレタン基を含む脂肪鎖
を有する両親媒性モノマーのコポリマー、例えば、Hoec
hst社製の製品、Additol VXW 1312； ・脂肪鎖を含む疎水性基で変性されたアクリルコポリマ
ー、例えば、Rohm & Haas社製の製品、Acusol 102；
【００２８】（７）低級（Ｃ1−Ｃ6）アルキルメタクリ
ラートと、脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとの非イオン
性コポリマー、例えば、メチルメタクリラート／ポリオ
キシエチレン化ステアリルアクリラートのコポリマー、
例えば、Goldschmidt社製の製品、Antil 208； （８）親水性メタクリラートと脂肪鎖を含む疎水性モノ
マーとの非イオン性コポリマー、例えば、ポリエチレン
グリコールメタクリラート／メチルメタクリラートコポ
リマー；より選択されることが好ましい。
【００２９】本発明の好ましい実施態様に依れば、両親
媒性ポリマーはポリウレタン及び変性ホロシドより選択
されることがさらに好ましい。両親媒性ポリマーまたは
両親媒性ポリマーの混合物が、本発明の組成物に使用可
能である。
【００３０】両親媒性ポリマーは、本発明の組成物に、
推定される結果を得るのに効果的な量で使用される。両
親媒性ポリマーの量は、組成物全重量に対して０．０５
から２０重量％の範囲であることが好ましい。更に好ま
しくは、この量は、組成物全重量に対して０．１から１
０重量％、更に好ましくは０．２から５重量％の範囲で
ある。
【００３１】本発明の組成物において、化合物（i）、
（ii）及び（iii）を含むゲル化システムは、推定され
る結果を得るのに効果的な量で使用される。これは、組
成物全重量に対して、２から３０重量％、さらには２か
ら１０重量％を占めることが好ましい。本発明による組
成物の水相は、一般的に、組成物全重量に対して６０か
ら９７重量％、好ましくは８０から９５重量％を占め
る。
【００３２】本発明による組成物の剛性を、この剛性を
増大しうる一以上の塩を添加することにより変性させる
ことが可能である。これらの塩は、一価、二価または三
価の金属の塩、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属
塩、特にナトリウム及びカルシウム塩より選択可能であ
る。これらの塩を構成するイオンは、例えば、炭酸塩、
重炭酸塩、硫酸塩、グリセロリン酸塩、ホウ酸塩、塩化
物、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物及び過硫酸塩、並びにα
-ヒドロキシ酸（クエン酸、酒石酸、乳酸塩、リンゴ酸
塩）またはフルーツ酸、あるいはまたアミノ酸（アスパ
ラギン酸塩、アルギナート、グリココール酸塩、フマル
酸塩）の塩より選択可能である。
【００３３】塩は、好ましくは、ナトリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、ストロンチウム、ネオジミウムまた
はマンガンの塩化物、カルシウム、マグネシウムまたは
ストロンチウムの硝酸塩、カルシウムまたはマグネシウ
ムのホウ酸塩、マグネシウムまたはカルシウムの硫酸
塩、及びカルシウムまたはマグネシウムの酢酸塩、及び
これらの混合物より選択される。
【００３４】塩の量としては、組成物全重量に対して
０．０１から５％、好ましくは０．１から２％の範囲が
可能である。
【００３５】本発明の好ましい実施態様に依れば、該組
成物はまた、少なくとも一の水以外の溶媒を含有する。
挙げることのできる溶媒は、１から４の炭素原子を含む
第一アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノー
ル、グリコール、例えばプロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール及びジエチレン
グリコール、グリコールエーテル、例えばモノ-、ジ-ま
たはトリプロピレングリコール（Ｃ1−Ｃ4）アルキルエ
ーテルまたは、モノ-、ジ-またはトリエチレングリコー
ル（Ｃ1−Ｃ4）アルキルエーテル、及びこれらの混合物
である。溶媒の量は、組成物全重量に対して０．０１か
ら２０重量％、好ましくは０．１から５重量％である。
【００３６】本発明の固形組成物は、局所適用を目的と
する組成物であり、特に化粧品または皮膚科用組成物で
ある。こうした組成物は、特に頭皮を含む皮膚、粘膜、
爪及び／またはケラチン繊維（髪または睫毛）に対して
生理学的に許容される媒体を含む。
【００３７】本発明の特定の実施態様によれば、該組成
物は少なくとも一のオイルを更に含有し、このオイルの
付加によって、該組成物が皮膚に適用された際、非常に
快適な感触が得られる。
【００３８】使用可能なオイルの中では、鉱物オイル、
植物起源のオイル、動物起源のオイル、合成オイル、例
えば脂肪エステル、シリコーンオイル、例えば揮発性シ
リコーンオイル、ポリメチルシロキサン、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、脂肪酸、脂肪アルコールまたはポリ
オキシアルキレンで変性されたポリシロキサン、フルオ
ロシリコーン及びペルフルオロオイルを挙げることがで
きる。他の脂肪物質、例えば脂肪酸、脂肪アルコール及
びワックスが、添加可能である。
【００３９】オイル及び任意に存在する他の脂肪物質
が、脂肪相を構成する。脂肪相は、組成物全重量に対し
て例えば３０重量％まで、好ましくは０．１から２０重
量％、更に好ましくは０．５から１０重量％の範囲を占
めることができ、この割合は選択される応用によって異
なる。
【００４０】脂肪相は、一以上の界面活性剤の存在下で
さらに分散を確実にし、水相に導入可能である。
【００４１】したがって、本発明による組成物はまた、
化粧品及び／または皮膚科において通常使用される一以
上の非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性界
面活性剤を更に含有可能である。界面活性剤の量として
は、組成物全重量に対して０．０５から８重量％、更に
好ましくは０．０５から５重量％の範囲が可能である。
【００４２】本発明による組成物は、粧品及び／または
皮膚科において通常使用される添加剤を更に含有可能で
ある。挙げることができるのは、特に、抗酸化剤、フリ
ーラジカル捕集剤、水溶性染料、例えばFD&C Red No.4
及びD&C Green No. 5、あるいはまた、該組成物が脂肪
鎖を含む場合は脂溶性染料、親水性または親油性の活性
剤、香料及び充填剤である。
【００４３】活性剤は、例えば、水和剤、ＵＶスクリー
ニング剤、フケ防止剤、コンディショナー、消臭活性
剤、脱色剤または漂白剤、テンショニング剤及び抗皺
剤、ラティス（latices）及びプロイドラティス（pseud
olatices）及び、懸かる固形製品の仕上げに適当な他の
あらゆる活性剤より選択される。
【００４４】挙げることのできるラクティス及びプソイ
ドラクティスは、例えば、多重縮合物タイプまたはラジ
カルタイプの合成ポリマーの分散物である。ラクティス
またはプソイドラクティスを構成するポリマーとして挙
げることのできるのは、アニオン性、カチオン性、非イ
オン性または両性ポリウレタン、ポリウレタン−ポリア
クリレート、ポリウレタン−ポリビニルピロリドン、ポ
リエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタ
ン、ポリウレア、アクリルポリマー、アクリルコポリマ
ー、スルホン化イソフタル酸ポリマー及び一以上のラジ
カルモノマーのラジカル重合から生じるポリマーであ
る。
【００４５】ラクティスとしての使用に好適な合成ポリ
マーとしては、特に、ポリエステル−ポリウレタン及び
ポリエーテル−ポリウレタンの分散物で、Sanncor社よ
り“Sancure 2060”（ポリエステル−ポリウレタン）、
“Sancure 2255”（ポリエステル−ポリウレタン）、
“Sancure 815”（ポリエステル−ポリウレタン）、“S
ancure 878”（ポリエーテル−ポリウレタン）及び“Sa
ncure 861”（ポリエーテル−ポリウレタン）の名で市
販のもの、ICI社により、“Neorez R974”（ポリエステ
ル−ポリウレタン）、“Neorez R981”（ポリエステル
−ポリウレタン）、“Neorez R970”（ポリエーテル−
ポリウレタン）の名で市販のもの、及びZeneca社により
“Neocryl XK-90”の名で市販のアクリルコポリマー分
散物を挙げることができる。
【００４６】挙げることのできる充填剤は、例えば、不
溶性染料、顔料、及び粉末、特にタルクパウダー、デン
プンパウダー、アクリラートポリマー及びコポリマーパ
ウダー、マイカパウダー、カオリンパウダー、ポリアミ
ド（ナイロン）パウダー、ポリエチレンパウダー、シリ
カパウダー及びシリコーンパウダーである。
【００４７】これらの添加剤は、最終組成物中に、組成
物全重量に対して０から３０重量％、好ましくは０．５
から２０重量％、さらには０．５から１０重量％の量を
占めることができる。
【００４８】言うまでもないが、当業者であれば、この
任意の添加剤及び／またはその量を、行おうとする添加
によって、本発明による組成物に本来備わった有利な特
性を損なうこと、または本質的に損なうことのないよ
う、選択できるであろう。
【００４９】本発明による組成物は、皮膚、粘膜、頭皮
及び／または髪の手入れ及び／またはコンディショニン
グ及び／または衛生のための製品を構成可能である。バ
ー、スティックまたはペンシル形態の手入れ、コンディ
ショニングまたは衛生用製品の中では、例えばヘアケア
用としては、スタイリング及び／または整髪用の固形ゲ
ル；スキンケア用としては、モイスチャライジング製
品、スリミング製品、脱色及び漂白用製品、及びリップ
ケア製品；顔及び／または全身の衛生用としては、シェ
ービング製品及び消臭剤を挙げることができる。
【００５０】本発明の別の主題は、皮膚、髪、頭皮及び
／または粘膜の手入れ及び／またはコンディショニング
及び／または衛生のための美容処理方法であって、この
方法は、上述の固形組成物を、皮膚、髪、頭皮及び／ま
たは粘膜に適用することからなる。
【００５１】本発明の組成物はまた、リップスティッ
ク、ファンデーション、アイシャドウ、ブラッシャー、
コンシーラー、マスカラ、リップペンシル、アイライン
ペンシルまたは髪の毛束を染色するためのスティックを
構成可能である。これらは特に、“転移のない”メイク
アップ製品、すなわち、適用後に転移または移動せず、
皮膚に塗布されたメイクアップ製品が、後に接触しうる
表面（衣服、グラス、カップ等）を汚さないような製品
を構成可能である。
【００５２】このように、本発明の主題はまた、“転移
しない”メイクアップ製品を得るための本発明による組
成物の使用である。メイクアップ製品が更にラテックス
またはプソイドラテックスを含有する場合、優れた保持
力を有する製品が得られる。
【００５３】本発明の主題はまた、皮膚及び／またはケ
ラチン繊維のメイクアップ方法であり、これは、上述の
固形組成物を、顔、唇、目の周辺、頬、唇の周辺、睫
毛、眉毛、髪及び／または瞼に適用することからなる。
【００５４】本発明の組成物はまた、皮膚に直接適用す
るためのパッチを構成可能である。これらのパッチは、
本発明による組成物を、単独でも、あるいは層の形態の
複合構造中に導入した状態で含有してもよく、この構造
は特に、本発明の組成物以外に、支持層及び／または分
離可能な保護層を具備可能である。
【００５５】このように、本発明の主題はまた、上述の
組成物を含有することを特徴とするパッチである。
【００５６】以下の実施例は、本発明を詳説するために
与えるが、その範囲を限定するものではない。パーセン
テージは、特に記載のない限り重量％で表示した。
【００５７】
【実施例】 （実施例１：モイスチャライジングスティック） ・ゲランゴム ２％ ・キサンタンガム １％ ・塩化ナトリウム １％ ・エタノール １％ ・ポリウレタン（SER-AD FX 1100） ０．５％ ・水 全体を１００％とする量
【００５８】成分を、８０℃にて攪拌しつつ混合するこ
とにより調製し、熱時鋳込みを行った。得られたスティ
ックは透明で、皮膚に適用した際に爽やかな感触のフィ
ルムを形成した。さらに、これは優れた堅さ（７００g/
cm2）を有し、皮膚上に好ましい被膜を残した。
【００５９】（比較例）ポリウレタンを用いない、同様
の組成物は、十分な堅さ（８００g/cm2）を有していた
が、皮膚上に目に見える被膜を形成しなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−110632（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−259152（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−151432（ＪＰ，Ａ) 国際公開97／001327（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水相中に、 （i）ゲランゴム（gellan gum）、 （ii）キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、
    ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒ
    ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
    セルロース、アガーアガー、カラギーナン、アルギナー
    ト、カロブガム、グアーガム、アラビアゴム、カラヤゴ
    ム、トラガカンスゴム、ガッチゴム、ペクチン、ゼラチ
    ン、カゼイナート及びヒドロキシプロピルグアーより選
    択される少なくとも一の他の親水コロイド、及び （iii）少なくとも一の脂肪鎖及び少なくとも一の親水
    性ユニットを含む少なくとも一の両親媒性ポリマー、 を含むゲル化システムを含有する固体組成物。
  2. 【請求項２】 親水コロイド（ii）が、キサンタンガ
    ム、カロブガム、カルボキシメチルセルロース及びヒド
    ロキシプロピルグアー及びこれらの混合物より選択され
    ることを特徴とする請求項１に記載の組成物。
  3. 【請求項３】 ゲランゴムが、組成物全重量に対して
    １．５から１５重量％の量で存在することを特徴とする
    請求項１または２に記載の組成物。
  4. 【請求項４】 親水コロイド（ii）の量が、組成物全重
    量に対して０．１から１０重量％の量で存在することを
    特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の組成
    物。
  5. 【請求項５】少なくとも一の脂肪鎖及び少なくとも一の
    親水性ユニットを含む少なくとも一の両親媒性ポリマー
    が、 （１）少なくとも一の脂肪鎖を含む基で変性されたホロ
    シド； （２）マレイン酸無水物またはその誘導体と、少なくと
    も一の脂肪鎖を含むモノマーとのコポリマー； （３）少なくとも一の脂肪鎖を含む基を有するポリウレ
    タンとその誘導体； （４）クロトン酸と、少なくとも一の脂肪鎖を含むモノ
    マーとのコポリマー； （５）Ｎ-ビニルピロリドンと、少なくとも一の脂肪鎖
    を含むモノマーとのコポリマー； （６）メタクリル酸と、少なくとも一の脂肪鎖を含むモ
    ノマーとのコポリマー； （７）低級（Ｃ１−Ｃ６）アルキルメタクリラートと、
    脂肪鎖を含む両親媒性モノマーとの非イオン性コポリマ
    ー； （８）親水性メタクリラートと脂肪鎖を含む疎水性モノ
    マーとの非イオン性コポリマー； より選択されることを特徴とする請求項１から４のいず
    れか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項６】 両親媒性ポリマーの量が、組成物全重量
    に対して０．０５から２０重量％の量で存在することを
    特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の組成
    物。
  7. 【請求項７】 （i）、（ii）及び（iii）を含むゲル化
    システムが、組成物全重量に対して２から３０重量％を
    占めることを特徴とする請求項１から６のいずれか一項
    に記載の組成物。
  8. 【請求項８】 水相が、組成物全重量に対して６０から
    ９７重量％を占めることを特徴とする請求項１から７の
    いずれか一項に記載の組成物。
  9. 【請求項９】 少なくとも一の塩及び／または水以外の
    溶媒を更に含有することを特徴とする請求項１から８の
    いずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項１０】 塩の量が、組成物全重量に対して０．
    ０１から５重量％であることを特徴とする請求項９に記
    載の組成物。
  11. 【請求項１１】 溶媒の量が、組成物全重量に対して
    ０．０１から２０重量％であることを特徴とする請求項
    ９に記載の組成物。
  12. 【請求項１２】 少なくとも一の脂肪相を更に含むこと
    を特徴とする請求項１から１１のいずれか一項に記載の
    組成物。
  13. 【請求項１３】 脂肪相が、組成物全重量に対して３０
    重量％までを占めることを特徴とする請求項１２に記載
    の組成物。
  14. 【請求項１４】 化粧品または皮膚科用組成物をなす事
    を特徴とする請求項１から１３のいずれか一項に記載の
    組成物。
  15. 【請求項１５】 抗酸化剤、フリーラジカル捕集剤、水
    溶性または脂溶性染料、充填剤、親油性または疎水性活
    性剤及び香料から選択される少なくとも一の添加剤を更
    に含むことを特徴とする請求項１から１４のいずれか一
    項に記載の組成物。
  16. 【請求項１６】 活性剤が、水和剤、ＵＶスクリーニン
    グ剤、フケ防止剤、コンディショナー、消臭活性剤、脱
    色剤、漂白剤、テンショニング剤及び抗皺剤、ラティス
    （latices）及びプソイドラティス（pseudolatices）よ
    り選択されることを特徴とする請求項１５に記載の組成
    物。
  17. 【請求項１７】 請求項１から１６のいずれか一項に記
    載の組成物を含むことを特徴とするメイクアップ製品。
  18. 【請求項１８】 請求項１から１６のいずれか一項に記
    載の固形組成物を含むことを特徴とする皮膚、粘膜、頭
    皮または髪の手入れ及び／またはコンディショニング及
    び／または衛生のための製品。
  19. 【請求項１９】 請求項１から１６のいずれか一項に記
    載の組成物を含むパッチ。
  20. 【請求項２０】 請求項１から１６のいずれか一項に記
    載の固形組成物を顔、唇、目の周辺、頬、唇の周辺、睫
    毛、眉毛、髪及び／または瞼に適用することからなる皮
    膚及び／またはケラチン繊維のメイクアップ方法。
  21. 【請求項２１】 請求項１から１６のいずれか一項に記
    載の固形組成物を、皮膚、髪、頭皮及び／または粘膜に
    適用することからなる、皮膚、髪、頭皮及び／または粘
    膜の手入れ及び／またはコンディショニング及び／また
    は衛生のための美容処理方法。
  22. 【請求項２２】 転移のないメイクアップ製品を得るた
    めの請求項１から１６のいずれか一項に記載の組成物の
    美容のための使用。
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