JP6948176B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料に関する。より詳しくは、皮膚化粧料、皮膚外用剤及び頭髪化粧料等に有用な環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料に関する。
化粧品には、皮膚の乾燥を防ぐための保湿、使用感や化粧料の安定性等の向上のための種々の添加剤が含まれている。
例えば特許文献1には、炭素数8〜44の直鎖、分岐鎖、若しくは環状構造を含む二価カルボン酸1種又は2種以上と、数平均分子量285〜1万のポリアルキレングリコールとの、重量平均分子量が5万未満であるオリゴマーエステルを含有する保湿剤及び該保湿剤を含有する化粧料が開示されている。
特許文献2には、増粘添加組成物を含むパーソナルケア組成物であり、前記増粘添加組成物は、(A)1つ以上の実質的に無水であり、実質的に非アルコールの溶媒系、および(B)増粘剤を含み、前記増粘剤は強度に膨潤性であり、軽度から中程度に架橋されたポリビニルピロリドンである、パーソナルケア組成物が開示されている。
特許文献3には、ビニルピロリドンに対して0.2〜1質量%の架橋剤の存在下で沈殿重合することにより得られるポリビニルピロリドン架橋重合体を含み、該架橋重合体の水溶性ゲルの体積が15〜150ml/gであり、5%水溶液の粘度が10000cps以上である化粧料組成物が開示されている。
特開2007−45776号公報 特表2012−520317号公報 米国特許第5139770号明細書
上述のように、添加剤として保湿剤を含有する化粧料等の種々の化粧料が開示されているが、消費者の安全志向から、より安全性が高く、さらに添加剤粒子の肌への密着性や、肌への塗布性にも優れた添加剤を含有する化粧料の開発が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の化粧料より、人に対する安全性が高く、肌への密着性にも優れる添加剤を含有する化粧料、及び、人に対する安全性が高く、肌への塗布性を良好にすることができる添加剤を含有する化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は、化粧料について種々検討したところ、粒子のアスペクト比が1.15〜10である、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体が、安全性に優れ、保湿、吸油、増粘効果を発揮し、肌への密着性にも優れ、また、5質量%水分散体の粘度が100mPa・s以上、10000mPa・s未満である環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体が、安全性に優れ、保湿、吸油効果を発揮し、肌への塗布性が良好であり、これらが化粧料用途に好適に用いることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち第1の本発明は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料であって、上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、下記の条件で測定する粘度が100mPa・s以上、10000mPa・s未満である化粧料である。
<粘度測定条件>
試料:該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の5質量%水分散体であって、16時間攪拌したもの
測定機器:B型粘度計を用いて25℃の上記試料を測定する
測定条件:ロータNo.4、回転数30rpm
また第2の本発明は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料であって、上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、粒子状の形態に於いて、下記方法により求めるアスペクト比が1.15〜10である粒子の割合が、該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の合計数に対して10〜100%(個数)である化粧料である。
<アスペクト比の測定方法>
光学又は電子顕微鏡により、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の一次粒子の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比として求める。
以下に本発明を詳述する。本明細書中において、単に「本発明」という場合には第1及び第2の本発明に共通する事項を意味するものとする。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の化粧料に含まれる環状N−ビニルラクタム系架橋重合体(以下、本発明の架橋重合体ともいう。)は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する。
上記「N−ビニルラクタムに由来する構造単位」とは、N−ビニルラクタム(N−ビニルラクタム系単量体)が重合して形成される構造単位と同じ構造の構造単位を表す。すなわち、N−ビニルラクタムが重合して形成される構造単位と同じ構造を有すれば、N−ビニルラクタムを重合する方法以外の方法で形成された構造単位も、N−ビニルラクタムに由来する構造単位に含まれる。
イオン系のポリマーは、皮膚刺激性・腐食性があることが多く、安全性が充分でないが、上記環状N−ビニルラクタムは非イオン性であることから、本発明の架橋重合体は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有することにより、従来の添加剤よりも安全性に優れ、化粧料用途に好適に用いることができる。
また、本発明の架橋重合体が環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有することにより、水及び/又は油を吸収、保持、徐放させることができ、これにより保湿効果を発揮することができる。更に、油を吸液することができるため、吸油剤としての効果を発揮することもできる。また、本発明の架橋重合体は、水やその他の溶媒を吸液すると、架橋構造を有することにより、膨潤しゲル化することにより、増粘効果を発揮し、化粧料に添加した場合に肌への密着性を向上させることもできる。
第1の本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、下記の条件で測定する粘度が100mPa・s以上、10000mPa・s未満である。
上記架橋重合体がこのような粘度であれば、化粧料の肌への塗布性を良好にすることができる。上記粘度は、500mPa・s以上、10000mPa・s未満であることが好ましく、より好ましくは1000mPa・s以上、10000mPa・s未満であり、更に好ましくは3000mPa・s以上、9000mPa・s以下であり、特に好ましくは5000mPa・s以上、9000mPa・s以下であり、特に一層好ましくは7000mPa・s以上、9000mPa・s以下である。
<粘度測定条件>
試料:該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の5質量%水分散体であって、16時間攪拌したもの
測定機器:B型粘度計を用いて25℃の上記試料を測定する
測定条件:ロータNo.4、回転数30rpm
第2の本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、粒子状の形態に於いて、上記方法により求めるアスペクト比が1.15〜10である粒子の割合が、該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の合計数に対して10〜100%(個数)であり、このような形状の粒子は、球状の粒子よりも肌との接触面積が大きくなるため、肌の表面にひっかかりやすく、肌への密着性に優れることとなる。なお、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の粒子は、粒子が凝集している場合があるが、上記アスペクト比の測定は、凝集していない一次粒子について測定するものとする。また、一次粒子が重なっている場合は、重なっていない粒子のみを測定の対象とする。
上記アスペクト比は、サンプルの光学又は電子顕微鏡による画像データより、画像解析式粒度分析測定ソフトを用いて算出するものとする。「画像解析式粒度分析測定ソフト Mac−view ver.4(マウンテック社製)」や「粒子画像分析装置 モフォロギG3(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製)」、又は、これと原理が同じである画像解析ソフトや画像分析装置により測定することができる。
上記アスペクト比が1.15〜10である粒子の割合は、ランダムに選択した粒子100個以上について、アスペクト比を測定して求めることができる。
アスペクト比が1.15〜10である粒子の割合として好ましくは30〜100%(個数)であり、より好ましくは50〜100%(個数)であり、更に好ましくは70〜100%(個数)であり、特に好ましくは90〜100%(個数)であり、最も好ましくは100%(個数)である。
上記粒子のアスペクト比として好ましくは1.15〜7であり、より好ましくは1.15〜5であり、更に好ましくは1.2〜5であり、特に好ましくは1.2〜3である。更に特に好ましくは1.25〜3であり、最も好ましくは1.25〜2.5である。
また、上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の、ランダムに選択した粒子100個以上のアスペクト比の平均値は、1.15〜5であることが好ましい。より好ましくは1.15〜3であり、更に好ましくは1.2〜3であり、特に好ましくは1.2〜2.5である。最も好ましくは1.2〜2である。
第1の本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体が、上記方法により求めるアスペクト比が1.15〜10である粒子の割合が、該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の合計数に対して10〜100%(個数)であることもまた、本発明の好ましい形態の1つである。
第2の本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体が、上記の条件で測定する粘度が100mPa・s以上、10000mPa・s未満であることもまた、本発明の好ましい形態の1つである。
本発明の架橋重合体の形状は、特に制限されないが、粒子状であることが好ましい。すなわち、本発明の化粧料が、粒子状の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含むものであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記「N−ビニルラクタム」とは、環状N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(1);
Figure 0006948176
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、エチレン性不飽和炭化水素基;カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基等が挙げられる。
上記式(1)におけるR〜Rの少なくとも1つが、置換基として上述の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基を有する炭素数1〜10のアルキル基であれば、後述する(2)、(3)により架橋構造を形成することができる。
〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
xとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
yとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。N−ビニルラクタムとしては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
また、本発明の架橋重合体の架橋構造は、例えば下記(1)〜(5)により形成することができる。
(1)架橋性単量体を含む単量体成分を重合して架橋構造を有する重合体を製造する
(2)反応性官能基を有する単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体に、該反応性官能基と反応する官能基を複数有する架橋剤を反応させて架橋構造を形成する
(3)反応性官能基を有する単量体1と、該単量体1が有する反応性官能基と反応する反応性官能基を有する単量体2とを共に含む単量体成分を重合した後、該単量体1の反応性官能基と単量体2の反応性官能基とを反応させて架橋構造を形成(自己架橋)する
(4)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体間で架橋構造を形成(自己架橋)する
(5)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体と架橋性単量体を反応させて架橋構造を形成する
本発明の架橋重合体の架橋構造は上記(1)〜(5)のいずれによって形成されたものであってもよいが、上記(1)によって形成されたものであることが好ましい。
上記(1)、(5)における架橋性単量体については、後述のとおりである。
本発明の架橋重合体が、上記(2)又は(3)によって形成された架橋構造を有する場合、本発明の架橋重合体は、上記N−ビニルラクタム系単量体又は後述するその他の単量体(E)に由来する構造単位として、反応性官能基を有する単量体に由来する構造単位を有することになる。
上記(2)、(3)における反応性官能基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。
架橋構造が、上記(3)によって形成されたものである場合、互いに反応性を有する反応性官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)と水酸基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)と水酸基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)とアミノ基等が挙げられる。本発明の架橋重合体の架橋構造が上記(2)によって形成されたものである場合の、単量体が有する反応性官能基と、架橋剤が有する該反応性官能基と反応する官能基の組み合わせの例もこれと同様である。
上記(2)における架橋剤としては、上記反応性官能基と反応することができる官能基を複数有するものであれば特に制限されないが、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、オキサゾリン基含有ポリマー(株式会社日本触媒製 エポクロス)、ブタンジオール、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明の化粧料に含まれる架橋重合体が上記(1)又は(5)により架橋構造が形成される場合の架橋性単量体は、1分子あたりに少なくとも2個の重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物であり、好ましくは1分子あたりに少なくとも2個のラジカル重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物である。
なお、ラクタム構造及び少なくとも2個のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物は、N−ビニルラクタム系単量体にも、架橋性単量体にも含まれるものとする。
上記架橋性単量体としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するN,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド;1,4−ブチレンビス(N−ビニルアミド)等の炭素数1〜6のアルキレン基を有するアルキレンビス(N−ビニルアミド);(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されていてもよいトリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート等のグリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等のジペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ)(メタ)アクリレ−ト;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル;トリアリルシアヌレート(シアヌル酸トリアリル)、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン等の炭素数9〜20のトリアリル化合物;炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール等の炭素数6〜20のジアリル化合物;ジビニルエーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン、ジビニルエチレン尿素等の炭素数4〜20の(ジ、トリ)ビニル化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数2〜20のジイソシアネート;ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロース等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性単量体の中でも、残存するN−ビニルラクタム及び可溶分(架橋されない重合体分であって水への溶解分)が低下する傾向にあることから、アリル基を2個以上有する化合物を使用することが好ましい。具体的には、シアヌル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロース等が好ましく、シアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロースがより好ましい。
上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、好ましくは1分子あたり2以上、50以下、より好ましくは2以上、20以下、さらに好ましくは2以上、10以下のオキシアルキレン基を有する。上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが有するオキシアルキレン基100モル%に対し、オキシエチレン基が50〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。
上記トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレートが炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されたものである場合の、トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート1分子あたりのアルキレンオキサイドの平均付加数も同様であることが好ましい。
上記架橋性単量体に由来する構造単位とは、上記架橋性単量体が有する重合性の炭素炭素二重結合基の少なくとも1以上が単結合になった構造単位と同じ構造の構造単位である。すなわち、上記架橋性単量体が有する重合性の炭素炭素二重結合基の少なくとも1以上が単結合になった構造単位と同じ構造であれば、例えば架橋性単量体以外の単量体を重合した後に、後架橋により形成された構造単位も架橋性単量体に由来する構造単位に含まれる。
本発明の化粧料に含まれる架橋重合体は、N−ビニルラクタム系単量体、架橋性単量体及び架橋剤以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体(E)は、N−ビニルラクタム系単量体と共重合でき、ラクタム構造を有さず、エチレン性不飽和炭化水素基を1つ有する化合物であれば、特に制限されないが、例えば、(i)アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(vi)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド;(vii)スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;(viii)エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等のアルケン類;(ix)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(x)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールおよびこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(xi)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;(xii)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類;(xiii)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(xiv)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(xv)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、上記(i)〜(x)の単量体が好ましく、より好ましくは、上記(i)(v)(vi)(vii)(ix)(x)の単量体である。
これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)、(x)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1〜20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1〜4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記(iv)におけるアルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0〜50モルが好ましく、0〜20モルがより好ましい。
上記その他の単量体(E)としては、炭素数2〜20の単量体が好ましい。より好ましくは、炭素数2〜15の単量体であり、更に好ましくは、炭素数2〜10の単量体である。なお、その他の単量体(E)がアルキレンオキシド付加物である場合は、アルキレンオキシド構造部位以外の構造部位の炭素数がこれらの値であることが好ましい。
上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位の割合が全構造単位(N−ビニルラクタムに由来する構造単位とその他の単量体(E)に由来する構造単位)100モル%に対して、30〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは70〜100モル%であり、一層好ましくは80〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%であり、最も好ましくは100モル%である。
ただし、全構造単位に架橋性単量体に由来する構造は含まれない。
上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、その他の単量体(E)に由来する構造単位の割合が全構造単位100モル%に対して、0〜70モル%であることが好ましい。より好ましくは0〜50モル%であり、更に好ましくは0〜30モル%であり、一層好ましくは0〜20モル%であり、特に好ましくは0〜10モル%であり、最も好ましくは0モル%である。
環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、架橋性単量体及び/又は架橋剤由来の構造単位を、全構造単位100モル%に対して、0.0001〜10モル%有することが好ましい。より好ましくは0.01〜2モル%有することである。
上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、架橋性単量体に由来する構造単位を、全構造単位100モル%に対し、0.0001〜10モル%有することが好ましく、より好ましくは0.01〜2モル%、更に好ましくは0.01〜1モル%有することである。
架橋性単量体の使用量を調整することで、本発明の架橋重合体が有する、水などの溶媒を吸収、保持する能力を調整することができる。
本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の平均粒子径は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜100μmである。より好ましくは、0.1〜80μmであり、更に好ましくは、0.1〜50μmであり、一層好ましくは、1〜40μmである。上記範囲であることにより、本発明の水等の吸液速度が向上する傾向にある。また、化粧品に配合した際に良好な感触が得られる。架橋重合体(粒子)の平均粒子径としてより一層好ましくは1〜30μmであり、更に一層好ましくは1〜20μmであり、特に好ましくは、1〜10μmである。
架橋重合体の平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製 マイクロトラックMT3000IIシリーズ)(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)、又は、これと原理が同じであるレーザ回折・散乱法を採用した粒子径分布測定装置により測定した値である。
本発明の架橋重合体は、水の吸液能力が3倍以上であることが好ましい。より好ましくは5倍以上であり、更に好ましくは10倍以上であり、特に好ましくは15倍であり、最も好ましくは20倍以上である。
本発明の架橋重合体は、油の吸液能力が3倍以上であることが好ましい。より好ましくは5倍以上であり、更に好ましくは10倍以上であり、更により好ましくは15倍以上であり、最も好ましくは20倍以上である。
なお、水及び油の吸液能力は、「(架橋重合体重量+吸液された溶液量)/架橋重合体重量」で計算される値である。架橋重合体の吸液能力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の製造方法>
本発明の化粧料に含まれる環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。また、全単量体(環状N−ビニルラクタム及びその他の単量体(E))成分100モル%に対する環状N−ビニルラクタム、その他の単量体(E)及び架橋性単量体の含有割合は、上述の全構造単位100モル%に対する環状N−ビニルラクタム、その他の単量体(E)及び架橋性単量体由来の構造単位の割合と同様である。
また、架橋性単量体を用いて架橋構造を形成する場合には、上記重合工程と架橋構造形成工程が同時に行われることとなる。このような形態もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記重合工程において使用する環状N−ビニルラクタム単量体の純度は90%以上であることが好ましい。より好ましくは95%以上、更により好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
上記重合は、溶剤の不存在下で行ってもよいし、溶剤を使用してもよい。重合は、従来公知の種々の方法、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、沈殿重合法或いは注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等を採用することができる。重合方法として好ましくは溶液重合法である。溶液重合を行うことにより、架橋重合体における架橋の偏りを抑制することができる。
尚、重合反応を行なう際の攪拌方法は、特に限定されるものではないが、ゲル状の架橋重合体が生成する場合には、双腕型ニーダーを攪拌装置として用い、該双腕型ニーダーの剪断力によって細分化しながら攪拌することがより好ましい。また、上記重合の工程は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、N−ビニルラクタムを含む単量体成分の重合を開始する方法としては、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等を採用することができる。
上記重合工程において、溶剤を使用する場合、溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等から選ばれる1種または2種以上が例示される。得られる組成物の安全性の観点から、溶剤としては水を用いることが好ましく、この場合、溶媒の置換工程等を省略することもできるため、生産性も向上することとなる。
上記重合工程において、重合を行なう際には、重合開始剤を用いることが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒドロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。中でも、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(環状N−ビニルラクタムと上述したその他の単量体(E)と架橋性単量体との合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、10g以下であることが好ましく、0.1g以上、7g以下であることがより好ましく、0.1g以上、5g以下であることがさらに好ましい。
開始剤の使用量を0.1g以上とすることで、得られる架橋重合体に含まれる未反応の単量体の割合を充分に少なくすることができる。また、開始剤の使用量を10g以下とすることで、得られる架橋重合体に含まれる不純物量の割合を充分に少なくすることができる。また、開始剤の使用量をこのような割合とすることで、得られる架橋重合体の着色も抑制することができる。
上記重合工程において、逆相懸濁重合法を採用する場合に好適な分散剤としては、具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチルセルロースやセルロースアセテート等のセルロースエステル、セルロースエーテル、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体等が挙げられる。これら分散剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、逆相懸濁重合法を採用する場合に供される疎水性有機溶媒は、特に限定されるものではない。
上記重合工程において、重合時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、不活性気体(窒素、アルゴン等)雰囲気下で重合するのが好ましい。不活性気体雰囲気下で重合することで、得られる架橋重合体の粉砕効率を向上し、また、得られる架橋重合体に含まれる未反応の単量体の割合を少なくでき、有機酸を架橋重合体に添加する場合における有機酸と架橋重合体との反応時間を短くできる等の効果が期待できる。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が架橋重合体の分子量が大きくなるので好ましく、20℃〜100℃の範囲内が重合率が向上するのでさらに好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
上記重合工程における重合反応時のpHは、特に制限されないが、pH5〜10であることが好ましい。重合反応時のpHが5〜10であれば、N−ビニルラクタム系単量体の加水分解をより充分に抑制し、2−ピロリドン等の、残存N−ビニルラクタム系単量体量に由来する副生成物の量もより充分に低減することができる。重合反応時のpHとしてより好ましくはpH7〜9である。pHの調整方法は、特に制限されないが、使用する単量体成分の溶液のpHを、酸や塩基を用いて調整したうえで、N−ビニルラクタム系単量体と混合することが好ましい。
上記重合工程を行う反応容器の材質は、重合工程を行うことができるものである限り特に制限されないが、ステンレス等の材質の反応容器を用いることが好ましい。これらの熱が伝わりやすい材質の反応容器を用いて重合反応を行うことで重合反応を充分に進行させ、得られる架橋重合体中に含まれる未反応の単量体(ラクタム構造を有する不飽和単量体等)の含有量を少なくすることができる。
また、ポリプロピレン等の鉄を溶出させない材質の反応容器を用いることも好ましく、これらの材質の反応容器を用いることで、得られる架橋重合体中に含まれる鉄分の含有量を少なくすることができる。
本発明の化粧料に含まれる架橋重合体は、上記重合工程に加え、任意の工程を含んで製造してもよい。例えば、ゲル解砕工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、造粒工程、後架橋工程等を含んでいてもよい。
上記架橋重合体が、溶剤を用いた重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち溶剤を含むゲル状架橋重合体である場合、ゲル解砕工程を含んで製造することが好ましい。
ゲル解砕工程は、溶剤を含むゲル状架橋重合体を細粒化することができる限り特に制限されないが、例えば、解砕機(ニーダー、ミートチョッパー等)を用いて行うことができる。
上記架橋重合体は、乾燥工程を含んで製造することが好ましい。
特に、上記架橋重合体が、溶剤を用いた重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち溶剤を含むゲル状架橋重合体である場合、該ゲル状架橋重合体、又は、上記ゲル解砕工程により得られた粒子状のゲル状架橋重合体を、乾燥する工程を設けることが好ましい。なお、本発明において、乾燥とは固形分の上昇操作をいい、通常、架橋重合体全体の重量に対する固形分の割合が乾燥前と比較して上昇すればよいが、好ましくは架橋重合体全体の重量100質量%に対して固形分が95質量%以上、より好ましくは96質量%以上程度まで上昇させることである。なお、固形分の上限は99質量%程度であることが好ましい。乾燥は重合と同時に行ってもよく、重合時の乾燥と重合後の乾燥とを併用してもよいが、より好ましくは、重合後に乾燥装置を用いて乾燥する乾燥工程が設けられる。なお、ここで、架橋重合体の固形分は、下記の方法により測定される値をいう。
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W1(g))に、約1gの架橋重合体を量り取り(質量W2(g))、150℃の定温乾燥機中において1時間静置し、乾燥させる。乾燥後の秤量缶+架橋重合体の質量(W3(g))を測定し、以下の式より固形分を求める。
固形分(質量%)=((W3(g)−W1(g))/W2(g))×100
上記乾燥工程は、好ましくは乾燥工程の時間全体の50%以上の時間、より好ましくは実質すべての乾燥工程をとおして80℃〜250℃の範囲で行われる。上記範囲であることにより、架橋重合体の諸物性がより向上する傾向にある。
なお、乾燥温度は熱媒温度で規定するが、マイクロ波等熱媒温度で規定できない場合は材料温度で規定する。乾燥方法としては、乾燥温度が上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、熱風乾燥、無風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥等を好適に用いることができる。中でも、熱風乾燥を用いることがより好ましい。熱風乾燥を用いる場合の乾燥風量は、好ましくは0.01〜10m/sec、より好ましくは0.1〜5m/secの範囲である。乾燥温度の範囲はより好ましくは110℃〜220℃、さらに好ましくは120℃〜200℃の温度範囲である。また、乾燥は、一定温度で乾燥してもよく、温度を変化させて乾燥してもよいが、実質、すべての乾燥工程は上記の温度範囲内でなされることが好ましい。
上記製造方法において粉砕工程を含むことが好ましい。粉砕工程を行うことにより、架橋重合体のアスペクト比をより好適な範囲にすることができる。
上記粉砕工程は、粉砕機を使用して行うことが好ましい。本発明の製造方法が乾燥工程を含む場合、粉砕は乾燥前、中、後のいずれに行っても良いが、好ましくは乾燥後である。より好ましくは、ゲル解砕工程及び乾燥工程を行ったうえで、粉砕工程を行うことである。
上記粉砕機は特に限定されるものではないが、例えばロールミルのようなロール式粉砕機、ハンマーミルのようなハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッターミル、ターボグラインダー、ボールミル、ピンミル、フラッシュミル、ジェットミル等が用いられる。この中でも、粒度分布を制御するためにはロールミル、ピンミルを用いることがより好ましい。粒度分布を制御するため連続して2回以上粉砕することがより好ましく、連続して3回以上粉砕することがさらに好ましい。
また、2回以上粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても異なっていてもよい。異なる種類の粉砕機を組み合わせて使うことも可能である。
また、架橋重合体を平均粒子径100μm以下に粉砕する場合は、ジェットミルを用いることが好ましい。
例えば本発明の架橋重合体を特定の粒度分布に制御するために、分級工程や造粒工程を設けてもよい。上記分級は、特定の目開きの篩を使用してもよい。篩で分級するために用いる分級機は特に限定されるものではないが、たとえば振動篩(アンバランスウェイト駆動式、共振式、振動モータ式、電磁式、円型振動式等)、面内運動篩(水平運動式、水平円−直線運動式、3次元円運動式等)、可動網式篩、強制攪拌式篩、網面振動式篩、風力篩、音波篩等が用いられ、好ましくは振動篩、面内運動篩が用いられる。
上記架橋重合体が上記(2)〜(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、該架橋重合体の製造方法では、単量体成分を重合させる重合工程を行った後に当該架橋構造を形成するための後架橋工程を行うことになる。
上記後架橋工程において後架橋させる(重合後に架橋させる)方法としては、例えば、(i)重合工程で得られた重合体にUV、γ線、電子線を照射する方法、(ii)重合工程で得られた重合体に縮合剤のような反応促進剤を加えて自己架橋させる方法、(iii)重合工程で得られた重合体に熱を加えて自己架橋させる方法、(iv)重合工程で得られた重合体にラジカル発生剤を含有させた後、熱を加えて自己架橋させる方法、(v)重合工程で得られた重合体にラジカル重合性架橋剤(架橋性単量体)およびラジカル重合開始剤を含有させた後、加熱および/または光照射する方法等が挙げられる。
なお、後架橋工程に供される重合体としては、単量体成分から製造したものを用いてもよく、市販の重合体を用いてもよい。
本発明の架橋重合体が上記(2)によって形成された架橋構造を有するものである場合、架橋剤の使用量は、重合体が有する反応性官能基(架橋剤と反応する反応性官能基)100モル%に対して、架橋剤が有する官能基が30〜100モル%となる量であることが好ましい。より好ましくは、50〜100モル%である。このような割合で架橋剤を使用することで充分な架橋構造を形成することができるとともに、得られる架橋重合体中に残存する未反応の架橋剤の量も少なくすることができる。
上記(ii)の方法において用いる反応促進剤としては、硫酸、リン酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記(iv)の方法において用いるラジカル発生剤としては、上述した重合工程において用いる重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤のうち、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、オクタノイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の過酸化物が好ましい。
本発明の架橋重合体が上記(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、後架橋の際に使用する架橋性単量体の使用量は、後架橋工程前の重合体100質量%に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜30質量%である。このような割合で架橋性単量体を使用することで充分な架橋構造を形成することができるとともに、得られる架橋重合体中に残存する未反応の架橋性単量体の量も少なくすることができる。
上記架橋重合体の製造において、重合反応後、得られた架橋重合体に有機酸を添加する工程を含むことが好ましい。得られた架橋重合体に有機酸を添加することにより、架橋重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量を低減することができる。
上記有機酸としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、リン酸基等の酸基を有する有機化合物が挙げられる。このような有機酸としては、例えば、マロン酸、しゅう酸、コハク酸、アスパラギン酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、L−アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ラウリルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンホスホン酸、ラウリル硫酸等が挙げられる。
上記有機酸の使用量は、特に制限されないが、反応工程で仕込んだN−ビニルラクタム系単量体100質量%に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。有機酸の使用量が上記範囲であれば、得られる重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量を低減しつつ、有機酸(塩)の量も低減することができる。有機酸の使用量としてより好ましくは0.05〜3質量%であり、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
なお上記有機酸(塩)は、上記有機酸及び有機酸の塩を表し、有機酸の塩は、主に後述する中和工程において添加する塩基と有機酸との中和物である。
上記有機酸を架橋重合体に添加する場合における有機酸と架橋重合体との反応時間としては、特に制限されないが、10分〜3時間であることが好ましい。より好ましくは30分〜2時間である。
上記架橋重合体の製造方法は、重合反応後に、架橋重合体を熟成する工程を含むことが好ましい。熟成工程を行うことにより、残存N−ビニルラクタム系単量体量をより充分に低減することができる。上記熟成工程における温度は特に制限されないが、70〜150℃であることが好ましい。熟成温度が上記範囲であれば、残存N−ビニルラクタム系単量体量を低減することができる。より好ましくは80〜100℃である。
上記熟成工程における熟成時間は特に制限されないが、10分〜5時間であることが好ましい。より好ましくは30分〜3時間である。
上記架橋重合体の製造方法が有機酸を添加する工程を含む場合、上記熟成工程は、有機酸を添加する工程の前に行うことが好ましい。
上記熟成工程は、架橋重合体を解砕しながら行うことが好ましい。上記有機酸を添加する工程を含む場合、解砕することにより、有機酸が架橋重合体により充分に浸透することから、得られる架橋重合体中の残存N−ビニルラクタム系単量体の量をより充分に低減することができる。上記架橋重合体の解砕は、通常用いられる方法により行うことができ、例えば、ニーダー、ミートチョッパー等のスクリュー押し出し機、カッターミル等のゲル粉砕機等を用いて解砕する方法が挙げられる。
上記架橋重合体の製造方法は、有機酸を添加する場合、上記有機酸の添加工程の後に中和工程を含むことが好ましい。中和の方法は特に制限されないが、有機酸を重合体に反応させた後に、塩基を添加することが好ましい。上記塩基としては特に制限されないが、例えば、アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン;アニリン等の芳香族アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもアンモニア、脂肪族アミン、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、より好ましくはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
本発明の化粧料における環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の含有量は、特に制限されないが、化粧料100質量%に対して0.01〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜30質量%であり、更に好ましくは0.1〜20質量%である。
本発明の化粧料は、架橋構造を有しない環状N−ビニルラクタム系重合体(水可溶分)を含んでいてもよく、上記水可溶分の割合は、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体100質量%に対して、35質量%以下であることが好ましい。上記水可溶分の割合が、上記好ましい範囲であれば、本発明の化粧料における有効成分濃度がより向上し、保湿、吸油効果により優れ、化粧料が高粘度化することをより充分に抑制することができる。上記水可溶分の割合として、より好ましくは30質量%以下であり、更に好ましくは25質量%以下であり、最も好ましくは20質量%以下である。
上記化粧料における水可溶分の割合は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の化粧料は、N−ビニルラクタム系単量体等の残存モノマーの含有量が、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体100質量%に対して、200ppm以下であることが好ましい。残存モノマーの含有量が、上記好ましい範囲であれば、本発明の化粧料は安全性により優れることとなる。残存モノマーの含有量として、より好ましくは100ppm以下であり、更に好ましくは50ppm以下であり、最も好ましくは0ppmである。
上記化粧料における残存モノマーの割合は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の化粧料は、上記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体以外のその他の成分を含んでいてよい。その他の成分としては特に制限されないが、例えば、油性基剤、保湿剤・感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤・噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤・抗菌剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、粉体類、無機塩類、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、消炎剤・抗炎症剤、育毛用薬剤・血行促進剤・刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤・抗老化剤・ひきしめ剤・冷感剤・温感剤、創傷治癒促進剤・刺激緩和剤・鎮痛剤・細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス類、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素類、核酸類、香料、色素・着色剤・染料・顔料、水等が挙げられる。これらの成分の具体例として、下記のものが挙げられる。また、下記の具体例以外に、特開2007−45776号公報に記載のものと同様のものを用いることもできる。
上記油性基剤としては、セタノール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩等の金属石けん類;オクタン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類;ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、トリメチルシロキシケイ酸、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコンコポリオール等のシリコーン類;マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル等のステロールエステル類;コレステロール等のステロール類;水添レシチン等のリン脂質類;オリーブ油、パーム油、水添パーム油、マカデミアナッツ油等の植物油脂類;流動パラフィン(ミネラルオイル)、軽質流動イソパラフィン、固型パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;トリエチルヘキサノイン(トリオクタノイン)等の多価アルコール脂肪酸エステル類;ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体;セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス等のワックス類;ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル等のオキシ酸エステル類等が挙げられる。
上記保湿剤・感触向上剤としては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等のポリオール類及びその重合体;クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸及びその塩;アルギニン等のアミノ酸類及びその塩;シロキクラゲ多糖体;大豆蛋白分解ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;ソルビトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、イセチオン酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ラウレス硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム等のアシルN−メチルアミノ酸塩;ラウレス(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)類、セテス(ポリオキシエチレンセチルエーテル)類、オレス(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)類、ステアレス(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)類;ソルビタンモノステアレート(ステアリン酸ソルビタン)、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、テトラオレイン酸ソルベス−60、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化(水添)ヒマシ油等のヒマシ油及び硬化ヒマシ油誘導体;ステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸部分エステル類;ステアリン酸ポリグリセリル−10、ラウリル酸ポリグリセリル−6等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ラウロアンホ酢酸ナトリウム等のイミダゾリン型ベタイン;ラウラミドMPA、PPG−2コカミド、コカミドDEA等の脂肪酸アルカノールアミド類;PPG−6デシルテトラデセス−30等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。
上記高分子、増粘・ゲル化剤としては、キサンタンガム;カルボキシビニルポリマー(カルボマー);ポリアクリル酸エステル共重合体;セルロース類;パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル;ポリクオタニウム−6等のジメチルジアリルアンモニウムクロリドの重合体;ポリクオタニウム−10等のカチオン化セルロース;ポリクオタニウム−22等のアクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体;ベヘントリモニウムクロリド、ステアリルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド等のアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ジココジモニウムクロリド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
上記溶剤・噴射剤としては、エタノール等の低級アルコール類等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、トコフェロール(ビタミンE)等のトコフェロール誘導体;ビタミンC(アスコルビン酸)および/またはその誘導体等が挙げられる。
上記還元剤としては、システイン、システアミン、チオグリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
上記酸化剤としては、過酸化水素水、臭素酸ナトリウム等が挙げられる。
上記防腐剤・抗菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等のヒドロキシ安息香酸及びその塩若しくはそのエステル;フェノキシエタノール;メチルイソチアゾリノン等のイソチアゾリンオン誘導体;安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
上記キレート剤としては、EDTA2Na、EDTA4Na等のエデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩);エチドロン酸等のホスホン酸及びそのナトリウム塩等の塩類;ペンテト酸塩(ジエチレントリアミン五酢酸塩);ピロリン酸ナトリウム等のポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記pH調整剤・酸・アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;アンモニア水;リン酸二アンモニウム、炭酸水素アンモニウム;乳酸ナトリウム等が挙げられる。
上記粉体類としては、マイカ、タルク、カオリン、酸化チタン等の無機粉体類等が挙げられる。
上記無機塩類としては、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;リン酸1Na・2Na・3Na等のリン酸ナトリウム類等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸オクチル)等の桂皮酸系紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記美白剤としては、アスコルビン酸及びその塩等やその誘導体等が挙げられる。
上記ビタミン類及びその誘導体類としては、アスコルビン酸及びそのナトリウム等の塩等のビタミンC類等が挙げられる。
上記消炎剤・抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体等が挙げられる。
上記育毛用薬剤・血行促進剤・刺激剤としては、センブリエキス、トウガラシチンキ等の植物エキス・チンキ類;等が挙げられる。
上記抗しわ剤・抗老化剤・ひきしめ剤・冷感剤・温感剤・創傷治癒促進剤・刺激緩和剤・鎮痛剤・細胞賦活剤等の薬効剤としては、メントール等の香料物質及びその誘導体等が挙げられる。
上記色素・着色剤・染料・顔料としては、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;チタン酸(リチウム/コバルト);赤色202号、黄色205号等の法定色素;o−,m−,若しくはp−アミノフェノール、レゾルシン、トルエン−2,5−ジアミン等及びその塩等の酸化染料中間体等が挙げられる。
上記水としては、常水、精製水の他、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、クラスター水が好ましいものとして挙げられる。
これらの他、化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格、日本化粧品工業連合会成分表
示名称リスト、INCI辞書(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、医薬部外品原料規格、日本薬局方、医薬品添加物規格、食品添加物公定書等に記載されている成分、及び、国際特許分類IPCがA61K7の分類に属する日本国及び諸外国特許公報及び特許公開公報(公表公報・再公表を含む)に記載されている成分等、公知の化粧料成分、医薬品成分、食品成分などを、公知の組み合わせ及び配合比・配合量で含有させることが可能である。
本発明の化粧料の製造方法は、特に制限されないが、例えば、上記架橋重合体と上記その他の成分を混合する工程を含むことが好ましい。
上記混合工程は、特に制限されず、例えば、上記架橋重合体は水等の溶媒に分散させた分散体として、その他の成分と混合することが好ましい。
上記架橋重合体の分散体は、湿式微粒化装置(吉田機械興業製「ナノヴェイタ」)、若しくは、撹拌・混合機(吉田機械興業製「ダマトリシステム」)、又は、これらと同様の原理で処理する湿式微粒化装置、若しくは、撹拌・混合機により処理したうえで、その他の成分と混合することが好ましい。このような処理を行うことにより、化粧料におけるゲルの凝集をより充分にほぐすことができ、化粧料の粘度安定性がより向上する。
本発明の化粧料としては特に制限されないが、例えば、皮膚化粧料、皮膚外用剤又は頭髪化粧料等が挙げられる。本発明の化粧料に含まれる架橋重合体は、このような化粧料において、保湿剤、増粘剤、吸油剤等としての効果を発揮することができる。本発明はまた、本発明の環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む保湿剤、増粘剤、又は、吸油剤でもある。
上記皮膚化粧料としては特に制限されないが、例えば、化粧水、クリーム、乳液、美容液等の基礎化粧料;リキッドファンデーション、下地乳液、チークカラー、アイシャドウ、マスカラ、口紅等のメイクアップ化粧料;クレンジングクリーム、洗顔フォーム、液状洗顔料等の洗浄用化粧料;日焼け止め化粧料等の化粧料(医薬部外品を含む);浴用剤等の浴用化粧料が挙げられる。
上記皮膚外用剤としては、リニメント剤、ローション剤、軟膏剤等の外用医薬品等が挙げられる。
上記頭髪化粧料としては特に制限されないが、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、ワックス、スプレー、ジェル、ミスト等が挙げられる。
本発明はまた、本発明の架橋重合体を含む皮膚化粧料、皮膚外用剤又は頭髪化粧料でもある。
本発明の化粧料は、上述の構成よりなり、従来の化粧料より、人に対する安全性の高い添加剤を含有するものであり、皮膚化粧料、皮膚外用剤及び頭髪化粧料等に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<製造例1>
N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製、以下、VPとも称する)を130.0部、架橋性単量体としてトリアリルシアヌレート(シアヌル酸トリアリル)(以下、CTAとも称する)を0.52部(VPに対し0.18モル%)、脱イオン水を304.6部、本体槽がステンレス(SUS304)製の卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV-1H型)に仕込んだ。次いで、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(以下、「VA−044」とも称する)の15質量%水溶液を1.96部(VPとCTAの合計の使用量1モルに対し0.25g)添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1質量%水溶液を65.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2質量%水溶液を32.5部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で、目開き38μmのJIS標準篩を通過するまで粉砕して、粒子状のVP架橋重合体(1)を得た。
得られたVP架橋重合体(1)の平均粒子径は22.8μmであった。平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製 型式:MT3300EXII 乾式)により測定し、累積50%値を平均粒子径とした。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
測定時間:10秒
分散圧力:300kPa(≒43.5psi)
粒子透過性:透過
粒子屈折率:1.81
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
溶媒屈折率:1.00
測定範囲:0.243〜2000μm
<製造例2>
VPを1000.0部、架橋性単量体としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製、商品名:ネオアリルP−30M、ジエタノールアミンでpH6以上にして使用)を15.0部(VPに対し0.65モル%)、脱イオン水を2368.33部、卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV−5H型)に仕込んだ。次いで、400ml/分で40分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「V−50」とも称する)の15質量%水溶液を47.37部(VPとペンタエリスリトールトリアリルエーテルの合計の使用量1モルに対し0.78g)添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1.4質量%水溶液を500.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2.8質量%水溶液を250.0部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で3時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット8枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機(ジェットミル)で粉砕して、粒子状のVP架橋重合体(2)を得た。
得られたVP架橋重合体(2)の平均粒子径は8.14μmであった。平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製 型式:MT3300EXII 乾式)により測定し、累積50%値を平均粒子径とした。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
測定時間:10秒
分散圧力:200kPa(≒29.0psi)
粒子透過性:透過
粒子屈折率:1.81
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
溶媒屈折率:1.00
測定範囲:0.243〜2000μm
<比較製造例1>
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、T.K.ホモジナイザー(撹拌機、特殊機化工業株式会社製)等を備えたフラスコに、分散安定剤としてのポリオキシエチレンアルキルスルホアンモニウム(第一工業製薬株式会社製、商品名:ハイテノールN−08)0.5部を脱イオン水400部に溶解してなる水溶液を仕込んだ。一方、ステアリルアクリレート99.5部と架橋性単量体としてのエチレングリコールメタクリレート(以下、EGDMAとも称する)0.5部を含む単量体組成物、重合開始剤(有機過酸化物)としての過酸化ラウロイル1.0部を混合してなる混合物を調製した。そして、フラスコ内の水溶液に上記混合物を添加した後、内容物を回転速度4000rpmで5分間、激しく撹拌することにより、均一な懸濁液を得た。次いで、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら、該懸濁液を75℃に加熱し、同温度で2時間、撹拌しながらラジカル重合反応を行い、微粒子分散液を得た。次いで、微粒子分散溶液を自然沈降により固液分離した。得られたケーキを50℃で10時間乾燥熱風乾燥させることにより吸油性樹脂(比較架橋重合体(1))を得た。
得られた比較架橋重合体(1)の平均粒子径は12.5μmであった。平均粒子径は、マルチサイザーIIIコールターカウンター(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて、体積基準の粒度分布を計測し、得られた体積基準の粒度分布より算出した。累積50%値を平均粒子径とした。
<比較製造例2>
アクリル酸(日本触媒製、80質量%水溶液)(以下、AAとも称する)30.0部、水酸化ナトリウム(48質量%水溶液)12.14部、架橋性単量体としてポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業製NKエステルA−400、EO付加モル数9モル)(以下、A−400とも称する)0.021部(AAに対し0.01モル%)、脱イオン水42.2部を250mlポリプロピレン製容器に仕込んだ。(AAと水酸化ナトリウムを混合した後に、A−400と脱イオン水を添加した。)次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで窒素導入を30ml/分にし、撹拌を継続しながら、開始剤として過硫酸ナトリウムの15質量%水溶液を0.33部(AAとA−400の合計の使用量1モルに対し0.12g)およびL−アスコルビン酸の0.5質量%水溶液を0.04部添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化製PNV−1H型)で解砕した後に、120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット1枚使用)を行うことにより、AA系架橋重合体(比較架橋重合体(2))乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕して、粒子状の比較架橋重合体(2)を得た。
得られたVP比較架橋重合体(2)の平均粒子径は52.1μmであった。平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により測定した累積50%値を、平均粒子径とした。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
分散圧力:1bar
粒子屈折率:1.52
粒子吸収率:0.01
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
測定範囲:0.1〜3500μm
<比較製造例3>
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、撹拌翼等を備えたガラス製フラスコに、シクロヘキサン80部を仕込んだ。次いで、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、75℃まで昇温した。液温を75℃に安定させた後、開始剤として、有機過酸化物(日油株式会社製 パーブチルO)を42μl(VP100質量%に対し0.0002質量%)(VPとCTAの合計の使用量1モルに対し0.00022g)添加し、30分間撹拌した。一方、VP20部と架橋性単量体としてCTA0.2部(VPに対し0.4モル%)を混合してなる混合物を調製した。そして、撹拌翼の回転速度200rpmで、フラスコ内の水溶液に上記混合物を4時間かけて添加した(0.08g/分)。滴下終了後、85℃で60分熟成を行い、重合を終了した。次いで、微粒子分散溶液を自然沈降により固液分離し、得られたケーキを100℃で2時間乾燥を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物(比較架橋重合体(3))を得た。
得られた比較架橋重合体(3)の平均粒子径は36μmであった。平均粒子径は、乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により測定した累積50%値を、平均粒子径とした。測定条件は比較製造例2の通りである。
<評価例1> 油の吸収能力の評価
上記の製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、比較製造例1〜3で得られた比較架橋重合体(1)〜(3)の油の吸液能力を評価した。評価は以下の方法で行った。
(評価方法)
架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W5(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。このティーバッグを、油としてのリノール酸中に浸漬した後、40℃の乾燥機に入れた。24時間後に乾燥機から取り出し10分放冷後、ティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W6(g))を測定した。別途、同様の操作を架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W4(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率を油の吸収能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W6(g)−W4(g))/W5(g)
結果は表1に示す。
Figure 0006948176
<評価例2> 官能評価
上記の製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、比較製造例1〜3で得られた比較架橋重合体(1)〜(3)、ポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒製 ポリビニルピロリドンK−30 K値(カタログ値):27.0〜33.0 以下、PVP K−30とも称する)の3%水溶液(架橋重合体またはPVP K−30を3gに対しイオン交換水を97g添加した水溶液もしくはゲル状物)を作成し、パネラー10名の前腕内側部に塗布し、塗布部をぬるま湯で洗い流してもらい、その時の使用感を評価した。
評価は、しっとり感、べたつきの無さ、肌への塗布性(塗り心地)、密着感の4項目について行った。結果を表2に示す。
なお、表中、◎:10名中8名以上が良好と回答、○:10名中6名以上が良好と回答、△:10名中4名以上が良好と回答、×:10名中4名未満が良好と回答した。下記の結果より、本発明品はべたつきが少なく、しっとり感に優れ、肌への塗布性や密着感も良好であることがわかる。
Figure 0006948176
<評価例3> VP架橋重合体の物性評価
上記の製造例2で得られたVP架橋重合体(2)、比較製造例3で得られた比較架橋重合体(3)のアスペクト比を測定した。測定は以下の方法で行った。結果を表3に示す。
また、VP架橋重合体(2)の粘度、水可溶分、残存モノマー量を測定した。測定は以下の方法で行った結果、粘度7480mPa・s、水可溶分16.7%、残存モノマー量18ppmであった。
(評価方法)
<アスペクト比の測定>
光学顕微鏡により、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比とした。サンプルの光学顕微鏡による画像データより、「粒子画像分析装置 モフォロギG3(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製)」を用いてアスペクト比を算出した。任意に選定した粒子100個以上について測定し、アスペクト比の平均値、および、粒子をアスペクト比の小さい順に並び替えた際に、数割合で10%、50%、90%にあたる粒子のアスペクト比を算出した。
アスペクト比の測定に関しては、上記の装置以外に、サンプルの光学又は電子顕微鏡による画像データより「画像解析式粒度分析測定ソフト Mac−view ver.4(マウンテック社製)」を用いて測定することもできる。
<粘度の測定>
50mlガラス製スクリュー管に、粒子状架橋重合体2.5g、脱イオン水(導電率10μS/cm以下)47.5gを正確に秤量し、回転子を入れ、密栓した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。その後、室温(温度23±2℃)、常圧下で、マグネチックスターラーを用いて16時間撹拌し、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の5質量%水分散体を準備した。次いで、該水溶液を25℃にしたのちに、B型粘度計(東機産業株式会社製 BM型)(ロータNo.4、回転数30rpm)を用いて測定した。
<水可溶分の測定>
110mlガラス製スクリュー管に、粒子状架橋重合体約1g(質量W7(g))、脱イオン水(導電率10μS/cm以下)約100g(質量W8(g))を正確に秤量し、回転子を入れ、密栓した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。その後、室温(温度23±2℃)、常圧下で、マグネチックスターラーを用いて16時間以上撹拌(回転数 600rpm)後、定性濾紙(アドバンテック社製 型式:No.2)で濾過し、可溶性成分抽出液を得た。
次に、底面の直径が約5cmのアルミカップ(質量W9(g))に、約10gの上記抽出液を量り取り(質量W10(g))、120℃の定温乾燥機中において2時間静置し、乾燥させた。乾燥後のアルミカップ+可溶性成分の質量(W11(g))を測定し、以下の式より可溶分を求めた。
可溶分(質量%)=((W11(g)−W9(g))/(W10(g)×W7(g)/W8(g)))×100
<残存モノマー量の測定(N−ビニルラクタム系単量体の定量)>
容量110mlのスクリュー管に、粒子状架橋重合体約1g(質量W12(g))、脱イオン水(導電率10μS/cm以下)約100g(質量W13(g))を正確に秤量し、回転子を入れ、密栓した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。その後、室温(温度23±2℃)、常圧下で、マグネチックスターラーを用いて16時間以上撹拌(回転数 600rpm)した。上記操作により、粒子状架橋重合体の残存N−ビニルラクタム系単量体を抽出した。この抽出液を、以下の条件で、液体クロマトグラフで定量分析した。
装置:資生堂「NANOSPACE SI−2」
カラム:資生堂「CAPCELLPAK C18 UG120」、20℃
溶離液:LC用メタノール(和光純薬工業株式会社製)/超純水=1/24(質量比)、1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム 0.04質量%添加
流速:100μL/min
N−ビニルラクタム含有量(ppm)=測定値(ppm)×(W12(g)+W13(g))/W12(g)
Figure 0006948176
<評価例4> 濃度−粘度の評価
上記の製造例2で得られたVP架橋重合体(2)の濃度の異なる水分散体を作成し、各濃度の粘度を測定した。測定は以下の方法で行った。結果を表4に示す。
(評価方法)
脱イオン水(導電率10μS/cm以下)、エタノール、エチレングリコールを溶剤として用い、VP架橋重合体(2)の濃度1、2、3、4、5質量%水分散体を作成した。(室温(温度23±2℃)、常圧下で16時間撹拌し、作成した。)
該溶液を25℃にしたのちに、B型粘度計(東機産業株式会社製 BM型)を用いて粘度を測定した。
各溶液は、吸液飽和に達する点で急激に増粘した。また、エチレングリコールのように分子が大きく粘度が高い分散体は、VP架橋重合体の分散体の粘度も高くなった。
Figure 0006948176
<実施例1〜2、比較例1〜3> 化粧水
実施例1〜2としてそれぞれ製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、及び比較例1〜3としてそれぞれ比較製造例1〜2で得られた比較架橋重合体(1)〜(2)、ソルビトールを用いて、下記表5の処方の化粧水を調製した。
(調製方法)
表5の成分No.1〜6をNo.11に加え、均一に攪拌混合させた(A部)。次にNo.9〜10をNo.8に溶解した後、No.7を加え分散させた(B部)。B部にA部を攪拌しながら加え、均一にした。
Figure 0006948176
本発明で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)を配合した上記の化粧水(実施例1〜2)は、使用感、保湿感に優れ、皮膚を柔軟にし、みずみずしくなめらかなうるおいのある肌を保ち、これらの効果は長時間持続するものであった。これに対し、比較例1〜3の、比較架橋重合体(1)〜(2)、ソルビトールを配合した上記の化粧水は、使用感、保湿感の劣るものであった。また、比較例1、3の、比較架橋重合体(1)、ソルビトールを配合した上記の化粧水は、使用時の持続性に欠けるものであった。
<実施例3〜4、比較例4〜6> ひきしめ化粧水(アストリンゼントローション)
実施例3〜4としてそれぞれ製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、及び比較例4〜6としてそれぞれ比較製造例1〜2で得られた比較架橋重合体(1)〜(2)、ソルビトールを用いて、下記表6の処方のひきしめ化粧水を調製した。
(調製方法)
表6の成分No.1〜7をNo.11に加え、均一に攪拌混合させた(A部)。次にNo.9〜10をNo.8に溶解させた(B部)。B部にA部を攪拌しながら加え、均一にした。
Figure 0006948176
本発明で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)を配合した上記のひきしめ化粧水(実施例3〜4)は、使用感、保湿感に優れ、皮膚を柔軟にし、みずみずしくなめらかなうるおいのある肌を保ちながら、さっぱりした感触が得られ、これらの効果は長時間持続するものであった。これに対し、比較例4〜6の、比較架橋重合体(1)〜(2)、ソルビトールを配合した上記のひきしめ化粧水は、使用感、保湿感の劣るものであった。また、比較例4、6の、比較架橋重合体(1)、ソルビトールを配合した上記のひきしめ化粧水は、使用時の持続性に欠けるものであった。
<実施例5> 乳液
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表7の処方の乳液を調製した。
(調製方法)
表7の成分No.15を一部のNo.18に加え、撹拌して粘性の液とした(A部)。No.16を一部のNo.18に加えて撹拌した後、No.17を加えて粘性の液とした(B部)。次にNo.1〜8を約70℃に加温し、溶解させた(C部)。No.9〜14、残余のNo.18を約70℃に加温し、溶解させた(D部)。C部にD部を撹拌しながら加え、乳化させた後、約50℃まで冷却し、A部、B部を加え均一になるまで撹拌した。
この乳液は、しっとり感を付与する効果に優れるものであった。
Figure 0006948176
<実施例6〜7、比較例7〜9> 美容液
実施例6〜7としてそれぞれ製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、及び比較例7〜9としてそれぞれ比較製造例1〜2で得られた比較架橋重合体(1)〜(2)、ヒアルロン酸を用いて、下記表8の処方の美容液を調製した。
(調製方法)
A部を常温で溶解させた。C部をB部に攪拌しながら徐々に加え粘稠性液体とし、ついでA部、D部を加え攪拌し、均一とした。
Figure 0006948176
本発明で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)を配合した上記の美容液は、保湿感効果が高く、皮膚を柔軟にし、みずみずしくなめらかなうるおいのある肌を保ち、これらの効果は長時間持続するものであった。これに対し、比較例7〜9の、比較架橋重合体(1)〜(2)、ヒアルロン酸を配合した上記の美容液は、使用時の感触が悪く、うるおいの劣るものであった。
<実施例8> マッサージクリーム
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表9の処方のマッサージクリームを調製した。
(調製方法)
表9の成分No.1〜17を約70℃ に加温し、均一に溶解させた(A部)。次にNo.18〜22を約70℃ に加温し、均一に溶解させた(B部)。A部にB部を撹拌しながら加え、乳化させた後、冷却した。
このマッサージクリームは、マッサージ効果が高く、しっとり感を付与する効果に優れるクリームであった。
Figure 0006948176
<実施例9> エモリエントクリーム
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表10の処方のエモリエントクリームを調製した。
(調製方法)
表10の成分No.1〜10を加え、約80℃に加温し、溶解させた(A部)。別容器にNo.11〜15をとり、約80℃に加温し、均一に溶解させた(B部)。A部にB部を加え、ホモミキサーにて乳化させた後、40℃まで冷却した。
このエモリエントクリームは、しっとり感を付与する効果に優れるクリームであった。
Figure 0006948176
<実施例10> アンチエイジングクリーム
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表11の処方のアンチエイジングクリームを調製した。
(製造方法)
Aを約80℃に加温し、均一に溶解させた(A部)。Cを約80℃に加温し、溶解させた(C部)。約80℃でホモミキサーにて攪拌しながら、A部にC部を徐々に加え、乳化後均一に混合し、約40℃まで冷却し、Bを加え、均一に混合した。このクリームは、伸びがよく、しっとり感を付与する効果に優れるクリームであった。
Figure 0006948176
<実施例11> サンスクリーン剤
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表12の処方のサンスクリーン剤を調製した。
(調製方法)
表12の成分No.13にNo.1、2の一部、No.3を加え、ミルで練った(A部)。別容器にNo.2の残り、No.4〜6を加え、約150℃ に加温、溶解させた(B部)。別容器にNo.1の残り、No.7〜12を加え、約80℃に加温、溶解させた(C部)。別容器にNo.14、15を加え、約80℃に加温、溶解させた(D部)。B部にC部を加え、混合した後A部に加えて均一に混合した。次いで、D部を加え、攪拌し、乳化後40℃まで冷却した。
このサンスクリーン剤は、汗などによるくずれを抑え、また、しっとり感を有するクリームであった。
Figure 0006948176
<実施例12> 下地クリーム
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表13の処方の下地クリームを調製した。
(調製方法)
表13の成分No.16、17をそれぞれNo.18に溶かし粘性の液(2%)とした(A部)。別容器にNo.1〜10を加え、約80℃に加温、溶解させた(B部)。別容器にNo.11〜15、No.18の残りを加え、約80℃に加温、溶解させた(C部)。B部にC部を加え、乳化させた後、A部を加え、均一に混合した。攪拌後40℃まで冷却した。この下地クリームは、ファンデーションのつき、もちが良く、さらっとした感触が付与できる下地クリームであった。
Figure 0006948176
<実施例13> ファンデーション
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表14の処方のファンデーションを調製した。
(調製方法)
各成分を高速攪拌し、均一に混合した。
このファンデーションは、発色性に優れ、しっとりした感触を有するものであった。
Figure 0006948176
パネラー10名で該ファンデーション塗布後の感触を評価した。評価は、肌への密着性、もちの良さの2項目について行った。結果は下記表15に示した。なお、表中、
○:10名中5名以上がブランク(未配合品)より良好と回答、
×:10名中5名未満がブランク(未配合品)より良好と回答した。
下記表15の通り、本発明品を配合したファンデーション(実施例13)はブランク(未配合品)に比べ、肌への密着性が良好で、もちの良さも優れることがわかる。これに対し、ブランク(未配合品)は、肌への密着性、もちの良さに劣るものであった。
Figure 0006948176
<実施例14> 口紅
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表16の処方の口紅を調製した。
(調製方法)
表16の成分No.11〜14をNo.1、2で混練した(A部)。別容器にNo.3〜10を加え、約80℃に加温、溶解させた(B部)。約80℃でB部にA部を加え、溶解後、急冷した。この口紅は、みずみずしく、密着性の高い口紅であった。
Figure 0006948176
<実施例15> リップグロス
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表17の処方のリップグロスを調製した。
(調製方法)
表17の成分No.1,2を100〜110℃に加温して均一に溶解させた。次に、No.3〜6を加え、約80℃で均一に溶解させた。このリップグロスは、みずみずしく、密着性の高いものであった。
Figure 0006948176
<実施例16> マスカラ
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表18の処方のマスカラを製造した。
(調製方法)
表18の成分No.9にNo.1を加えホモミキサーで分散したのち、No.3を加え加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱して70℃に保った(油相)。油相に水相を加えホモミキサーで均一に乳化分散して目的のマスカラを得た。このマスカラは、付着性が良く、良好な使用感を有し、また、安定性も良好であった。
Figure 0006948176
<実施例17> アイシャドウ
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表19の処方のアイシャドウを製造した。
(調製方法)
表19の成分No.1〜3をブレンダーで混合後、粉砕器で処理した(粉体部)。No.11〜16を70〜75℃で加熱溶解させた(水相部)。No.4〜10を70〜80℃で加熱溶解させた(油相部)。粉体部を水相部に加え、撹拌混合した。これに油相部を撹拌しながら加え、ホモミキサーにより分散、室温まで撹拌冷却し、目的のアイシャドウを得た。この乳化アイシャドウは、付着性が良く、良好な使用感を有し、また、乳化安定性も良好であった。
Figure 0006948176
<実施例18〜19、比較例10〜12> シャンプー
実施例18〜19としてそれぞれ製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、及び比較例10〜12としてそれぞれ比較製造例1〜2で得られた比較架橋重合体(1)〜(2)、1,3−ブチレングリコールを用いて、下記表20の処方のシャンプーを調製した。
(調製方法)
表20の成分No.1〜5を約80℃に加温し、均一に溶解させた(A部)。次にNo.6〜8を約80℃に加温し、均一に溶解させた(B部)。A部にB部を加え均一になるまで約80℃で撹拌混合し、その後冷却した。また、No.1のみを除いた処方をブランクとした。
Figure 0006948176
パネラー10名で該シャンプー使用後の毛髪の感触を評価した。評価は、すべり感、しっとり感の2項目について行った。結果は下記表21に示した。なお、表中、
◎:10名中8名以上がブランクより良好と回答、
○:10名中6名以上がブランクより良好と回答、
△:10名中4名以上がブランクより良好と回答、
×:10名中4名未満がブランクより良好と回答した。
下記表21の通り、本発明品を配合したシャンプー(実施例18〜19)は未配合品に比べ、毛髪にしっとり感、なめらかな指通りを付与することができ、加脂肪剤としても優れていることがわかる。これに対し、比較例10〜12の、比較架橋重合体(1)〜(2)、1,3−ブチレングリコールを配合したシャンプーは、しっとり感、なめらかな指通りに劣るものであった。
Figure 0006948176
<実施例20> トリートメント
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表22の処方のトリートメントを調製した。
(調製方法)
表22の成分No.1〜6を約80℃に加温し、均一に溶解させた(A部)。次にNo.7〜11を約80℃に加温し、均一に溶解させた(B部)。A部にB部を加え均一に撹拌混合し、その後室温まで冷却した。
このトリートメントは、毛髪にしっとり感、柔軟感を付与することができるものであった。
Figure 0006948176
<実施例21> モイストリンス
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表23の処方のモイストリンスを調製した。
(調製方法)
表23の成分No.1〜12を約80℃に加温し、溶解させた(A部)。別容器にNo.14〜15を約80℃に加温し溶解させた(B部)。A部にB部を攪拌しながら、徐々に加え均一に混合し、その後No.13を添加し攪拌した後、急冷した。
このモイストリンスは、べたつかず、毛髪にしっとり感を付与することができるリンスであった。
Figure 0006948176
<実施例22> ストレートパーマ剤(カチオンタイプ)
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表24、25の処方のストレートパーマ剤(カチオンタイプ)の1液、2液を調製した。
(調製方法:1液)
表24の成分No.15の大部分を約80℃に加温した(A部)。別容器にNo.1〜8を加え加温し、溶解させた(B部)。別容器にNo.15の残り、No.9〜13を加え、均一に溶解させた(C部)。A部にB部を加え、混合攪拌し、約45℃付近でC部を加え、均一に混合した。室温まで冷却した後、No.14を加えた。
(調製方法:2液)
表25の成分No.1〜7を加え、約70℃に加温し、溶解させた(A部)。別容器にNo.11の大部分をとり、約70℃に加温し、No.8、9を加え溶解させた(B部)。別容器にNo.11の残りをとり、約60℃に加温し、No.10を加え溶解させた(C部)。約70℃でA部にB部を加え、粘度が高くなるまで攪拌した。60℃まで冷却し、攪拌しながらC部を加え均一に混合した。温度が約50℃まで低下した後、急冷した。このストレートパーマ液は、毛髪に対する密着性が高く、セット力があるため、ストレートパーマをしっかりかけることができるストレートパーマ液であった。
Figure 0006948176
Figure 0006948176
<実施例23> 毛髪脱色剤(2剤式)
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表26、27の処方の毛髪脱色剤(2剤式)を調製した。
(調製方法:1剤)
各成分を均一に攪拌、混合した。
(調製方法:2剤)
各成分を均一に混合し、クエン酸でpHを3.5〜4.0に調整した。
(配合比)
1剤:2剤=1:7
この毛髪脱色剤(2剤式) は、毛髪に施術することにより、脱色後の毛髪の損傷感を低減し、毛髪に柔軟性、しっとり感等の良好な感触を付与できる脱色剤であった。
Figure 0006948176
Figure 0006948176
<実施例24> 酸化染毛剤
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表28、29の処方の酸化染毛剤を調製した。
(調製方法:1剤)
各成分を均一に混合した。
(調製方法:2剤)
各成分を均一に混合し、クエン酸でpHを3.5〜4.0に調整した。
(配合比)
1剤:2剤=1:1
この酸化染毛剤は、毛髪に施術することにより、染毛後の毛髪の損傷感を低減し、毛髪に柔軟性、しっとり感等の良好な感触を付与できる酸化染毛剤であった。
Figure 0006948176
Figure 0006948176
<実施例25> カール剤
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表30、31の処方のカール剤を製造した。
(調製方法:1液)
表30の成分No.16の一部(20%分)にNo.1〜3を加えて溶かし、予め別の容器でNo.16の一部(10%分)にNo.14、15を加えて溶かしたものを、約40℃で加えて均一に溶解させた(A部)。別の容器でNo.16の残りを約75℃に加温した(B部)。別の容器にNo.8〜13を取り、約75℃に加温して溶解させた(C部)。C部にB部を加えて乳化させよく攪拌混合した後、40℃まで冷却してA部を加えて均一に攪拌した。次にNo.7を加えて攪拌し、次いでNo.5、6を加え、更にNo.4を加えて均一に攪拌混合し、pH9.0〜9.5に調整することにより、目的のカール剤1液を得た。
(調製方法:2液)
表31の成分No.4〜7を約80℃に加温し溶解させた(A部)。別の容器にNo.9の一部(70%)とNo.1、8を加え、約80℃に加温し溶解させた(B部)。さらに別の容器にNo.9の残りとNo.2、3を加え、約50℃に加温し溶解させた(C部)。A部にB部を加えて均一に混合攪拌し乳化させた後、40℃になったらC部を加えてよく混合し、室温にてpH6.5〜6.8に調整することにより、目的のカール剤2液を得た。
このように製造したカール剤1液、2液を毛髪に用いることにより、良好な柔軟性、しっとりとした風合い、良好な仕上がり感でカールさせることが出来た。
Figure 0006948176
Figure 0006948176
<実施例26> ヘアクリーム
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表32の処方のヘアクリームを調製した。
(調製方法)
表32の成分No.1〜6を約80℃に加温し、溶解させた(A部)。別容器にNo.7〜10を加え、約80℃に加温し、溶解させた(B部)。A部にB部を加え撹拌混合した。
このヘアクリームは、艶があり、べたつかず、毛髪の水分を保つことができるものであった。
Figure 0006948176
<実施例27> リーブオントリートメント
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表33の処方のリーブオントリートメント(毛髪用)を調製した。
(調製方法)
表33の成分No.1〜7を約80℃に加温して溶解させた(A部)。別の容器にNo.8,9をとり、約80℃に加温して溶解させた(B部)。A部にB部を徐々に加えて均一に混合した。このリーブオントリートメント(毛髪用)は、さらっとした感触で、毛髪に柔軟感を付与できるものであった。また、安定性も良好であった。
Figure 0006948176
<実施例28> ヘアエッセンス
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表34の処方のヘアエッセンスを調製した。
(調製方法)
表34の成分No.1〜7を約80℃に加温して溶解させた(A部)。別の容器にNo.8、9をとり、約80℃に加温して溶解させた(B部)。A部にB部を徐々に加えて均一に混合した。このヘアエッセンスは、さっぱりとした感触で、べたつかず、毛髪に柔軟感を付与できるものであった。
Figure 0006948176
<実施例29> 育毛剤
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表35の処方の育毛剤を調製した。
(製造方法)
各成分を均一に撹拌混合した。この育毛剤は、脱毛、ふけ、かゆみを防止できるものであった。
Figure 0006948176
<実施例30> パーマ剤
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表36、37の処方のパーマ剤を調製した。
(調製方法:1液)
表36の成分No.13の大部分にNo.11を溶解させ、次いでNo.12を少量ずつ加えて溶解させ、さらにNo.8〜10を加え溶解させた(A部)。別容器にNo.13の残りをとり、No.6、7を加え、加温、溶解させた(B部)。別容器にNo.1〜5を加え、約50℃に加温し、溶解させた(C部)。A部にB部を加え、均一に混合させた後、C部を徐々に加え、均一に混合した。
(調製方法:2液)
表37の成分No.10の大部分をとり、約60℃に加温し、No.1〜3を加え溶解させた後No.4を加え溶解させた。次いでNo.5、6を加え、加温、溶解させ、徐冷しながら40℃付近でNo.7〜9を加え均一にさせた。残りのNo.10を加え、均一に混合し、冷却した。
このパーマ剤は、毛髪に施術することにより、毛髪にすべり感、柔らかさを与えるパーマ剤であった。
Figure 0006948176
Figure 0006948176
<実施例31> 浴用剤(バブルバス)
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表38の処方の浴用剤を調製した。
(製造方法)
Aを一部のCに溶解し、均一にする。残余のC及びBを加えてよく混練する。この浴用剤は、肌をしっとりさせ、肌のつやをよくする等の効果を持つものであった。
Figure 0006948176
<実施例32> クレンジングオイル
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表39の処方のクレンジングオイルを調製した。
(調製方法)
全成分を加熱溶解、混合した。
このクレンジングオイルは、透明で、粘性があり、使用時に垂れないという特性を有し、感触もさっぱりしており、ファンデーション、メイク等となじみも良く、これらを素早く落とすことができるものであった。
Figure 0006948176
<実施例33> 液体洗顔料
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表40の処方の液体洗顔料を調製した。
(製造方法)
表40の成分No.3、10を約80℃に加温し溶解させた(A部)。A部にNo.1、2、4〜9、11〜13を加え、約80℃に加温し均一溶解させた後冷却した。また、No.9のみを除いた処方をブランクとした。
パネラー10名で該洗顔料使用後の皮膚の感触を評価した。評価は、すべり感、しっとり感の2項目についてともにブランクより優れている結果となった。
Figure 0006948176
<実施例34> ボディーシャンプー
製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記表41の処方のボディーシャンプーを調製した。
(製造方法)
表41の成分No.1及び一部のNo.11を約80℃で加温して均一に混合した(A部)。 No.2〜No.10、残りの11を約80℃で加温して均一に混合した(B部)。攪拌しながら、B部にA部を徐々に加えて均一に混合した。また、No.8のみを除いた処方をブランクとした。
パネラー10名で該ボディーシャンプー使用後の皮膚の感触を評価した。評価のすべり感、しっとり感の2項目についてともにブランクより優れている結果となった。
Figure 0006948176
<実施例35〜36及び比較例13〜15> 石鹸
実施例35〜36としてそれぞれ製造例1〜2で得られたVP架橋重合体(1)〜(2)、及び比較例13〜15としてそれぞれ比較製造例1〜2で得られた比較架橋重合体(1)〜(2)、PVP K−30を用いて、下記表42の処方の石鹸を調製した。
(製造方法)
全成分を80℃に加温溶解し、撹拌しながら冷却し、型に流し込み放置する。また、VP架橋重合体(1)〜(2)のみを除いた処方をブランクとした。
パネラー10名で該石鹸使用後の皮膚の感触を評価した。評価は、すべり感、しっとり感の2項目について行った。結果は下記表43に示した。なお、表中、
◎:10名中8名以上がブランクより良好と回答、
○:10名中6名以上がブランクより良好と回答、
△:10名中4名以上がブランクより良好と回答、
×:10名中4名未満がブランクより良好と回答した。
下記の通り、本発明品を配合した石鹸は未配合品に比べ、皮膚にしっとり感、つるっとしたすべり感を付与することができ、加脂肪剤としても優れていることがわかる。
Figure 0006948176
Figure 0006948176

Claims (5)

  1. 環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料であって、
    該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、下記の条件で測定する粘度が100mPa・s以上、10000mPa・s未満であり、平均粒子径が0.1〜80μmであることを特徴とする化粧料。
    <粘度測定条件>
    試料:該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の5質量%水分散体であって、16時間攪拌したもの
    測定機器:B型粘度計を用いて25℃の上記試料を測定する
    測定条件:ロータNo.4、回転数30rpm
  2. 環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位を有する環状N−ビニルラクタム系架橋重合体を含む化粧料であって、
    該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、粒子状の形態に於いて、下記方法により求めるアスペクト比が1.15〜10である粒子の割合が、該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の合計数に対して10〜100%(個数)であり、平均粒子径が0.1〜80μmであることを特徴とする化粧料。
    <アスペクト比の測定方法>
    光学又は電子顕微鏡により、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の一次粒子の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比として求める。
  3. 前記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、下記方法により求めるアスペクト比が1.15〜10である粒子の割合が、該環状N−ビニルラクタム系架橋重合体粒子の合計数に対して10〜100%(個数)であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
    <アスペクト比の測定方法>
    光学又は電子顕微鏡により、環状N−ビニルラクタム系架橋重合体の一次粒子の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比として求める。
  4. 前記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、N−ビニルラクタム系単量体、架橋性単量体及び架橋剤以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよく、環状N−ビニルラクタムに由来する構造単位の割合が、N−ビニルラクタムに由来する構造単位とその他の単量体(E)に由来する構造単位との合計100モル%に対して、30〜100モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料。
  5. 前記環状N−ビニルラクタム系架橋重合体は、N−ビニルラクタム系単量体、架橋性単量体及び架橋剤以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよく、架橋性単量体及び/又は架橋剤由来の構造単位を、N−ビニルラクタムに由来する構造単位とその他の単量体(E)に由来する構造単位との合計100モル%に対して、0.01〜2モル%有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の化粧料。
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