JP2007039477A - カチオン変性カラヤガム及び該物質を含む化粧料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カラヤガムに含まれる水酸基の一部が、特定の第4級窒素含有基で置換されたカチオン変性カラヤガムであって、該第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gであるカチオン変性カラヤガム。
Description
特許文献2には第4級窒素含有基を導入したカチオン変性デンプンを、シャンプー、リンス等のヘアケア製品に使用することが示されている。
実施例1
28質量%のナトリウムメチラートメタノール溶液27.5g及び塩化ナトリウム3.2gを、80容量%のイソプロパノール水溶液730mlに添加した後、カラヤコール殺菌品(三栄薬品貿易株式会社製)160.0gを徐々に添加し分散させた。次に80質量%グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下GTAとも記す)水溶液246.0gを加え、加温し50℃で3時間反応させた。反応終了後35%塩酸12.7gを80容量%のイソプロパノール水溶液634mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール1240mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性カラヤガムのカチオン電荷量は1.13meq/gであった。この結果を表1に示した(表1中、試料番号1)。
28質量%のナトリウムメチラートメタノール溶液27.5g及び塩化ナトリウム3.2gを、80容量%のイソプロパノール水溶液730mlに添加した後、カラヤコール殺菌品(三栄薬品貿易株式会社製)160.0gを徐々に添加し分散させた。次に3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルジメチルモノラウリルアンモニウムクロライド420.7gを加え、加温し50℃で3時間反応させた。反応終了後35%塩酸12.7gを80容量%のイソプロパノール水溶液634 mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール1240mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性カラヤガムのカチオン電荷量は1.09meq/gであった。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号3)。
加圧密閉容器内でカラヤコール殺菌品(三栄薬品貿易株式会社製)160.0gを80容量%のイソプロパノール水溶液730mlに分散させ、28質量%のナトリウムメチラートメタノール溶液27.5gを添加した。次にエチレンオキサイド5.6g、プロピレンオキサイド19.7gを加え、加温し70℃で3時間、加圧密閉下で反応させた。反応終了後解圧し、50℃ま冷却する。冷却後、80質量%GTA水溶液236.2gを加え、50℃で3時間反応させる。反応終了後35%塩酸12.7gを80容量%のイソプロパノール水溶液634mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール1240mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性カラヤガムのカチオン電荷量は1.11meq/gであった。この結果を表1に示した(表1中、試料番号4)。
実施例1の方法に準じ、添加するGTAの量を変えることで電荷量の異なるカチオン変性カラヤガムを合成した。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号5、6)。
本発明のカチオン変性カラヤガムと比較するために、マンノースとガラクトースの組成比が2対1であるグアーガム及び4対1であるローカストビーンガムを実施例1の方法に準じてカチオン変性した。得られたカチオン変性グアーガムの窒素含有率は1.7質量%、カチオン電荷量は0.74meq/gであった。一方、カチオン変性ローカストビーンガムの窒素含有率は1.9質量%、カチオン電荷量は0.72meq/gであった。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号7、8)。なお、未変性のグアーガム及びローカストビーンガムに含まれる窒素はそれぞれ0.7質量%、0.9質量%であった。
実施例4 毛髪に対する柔軟性(その1)
カチオン変性したカラヤガムの毛髪に対する柔軟性を洗い流し製品
(ヘアシャンプー)で確認した。
4−a
実施例1、2及び3で得たカチオン変性カラヤガムを用いて表2の(A)に示した組成のシャンプーを調製した。表2中の(A)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合した。こうして表2の(A)に示した組成のシャンプーを各々調製し、表1中の試料番号1、2、3、及び4に対応するカチオン変性カラヤガムから調製したものを順に、本発明品の処方S1〜S4とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらにカチオン性水溶性高分子としてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC-100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表2の(B)に示した組成のシャンプーを調製した。表2中の(B)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)及び(3)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方S5とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらに両性水溶性高分子としてN-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(YukaformerSM;三菱化学株式会社製)を含む、表2の(C)に示した組成のシャンプーを調製した。表2中の(C)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)及び(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、本発明品の処方S6とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらにカチオン性水溶性高分子と両性水溶性高子の両方を含む、表2の(D)に示した組成のシャンプーを調製した。表2中の(D)の成分(12)を60℃に加熱し成分(1)及び(3)、(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方S7とした。
本発明で用いるカチオン変性カラヤガムのシャンプーにおける効果を比較するため、例1で得た表1中の試料番号5及び6のカチオン変性カラヤガムを用いて表2の比較品(E)に示した組成のシャンプーを調製した。表2中の比較品(E)の成分(12)を60℃に加熱し成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させた。溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、表1中の試料番号5及び6を含むシャンプーを、それぞれ比較品C1及びC2とした。
本発明で用いるカチオン変性カラヤガムのシャンプーにおけるその効果を比較するため、上記4−eで使用した試料番号5の代わりに、同じ配合割合の未変性カラヤガム用い、表2の比較品(E)に示した組成のシャンプーを4−eと同様に調製し、これを比較品C3とした。
先述の4−a〜4−fで調製した、各々の本発明品の処方S1〜S7のシャンプーと比較品C1、C2及びC3のシャンプー、さらにブランクとして表2のブランク(F)に示す組成からなるシャンプーを、それぞれ1.0g用いて15gの毛髪ストランド(全長180mm)を洗髪した。その後流水中ですすぎ、恒温恒湿 (20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、自然乾燥を行った。その後毛髪のコシの強さを純曲げ試験機(カトーテック株式会社製、KES-FB2-S)にて測定した。その結果を表3に示した。尚、ブランクは表2のブランク(F)中の成分(12)を60℃に加熱した後、成分(5)〜(7)を加え攪拌して均一とした後、冷却し30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合して調製した。
・髪質が柔らかいと感じたテスターが8名以上・・・◎
・髪質が柔らかいと感じたテスターが6〜7名・・・○
・髪質が柔らかいと感じたテスターが4〜5名・・・△
・髪質が柔らかいと感じたテスターが4名未満・・・×
(評価)
実施例4で調整した各々の本発明品の処方S1〜S7のシャンプーと、比較品C1、C2及びC3のシャンプーを用い、本発明のカチオン変性カラヤガムの損傷した毛髪に対する柔軟性を洗い流し製品で確認した。実施例4で使用したものと同様の毛髪ストランドを、6%H2O2と3%アンモニア水の2対1混合液(w/w)のブリーチ剤に、浴比1対100(毛髪ストランド重量対ブリーチ剤溶液重量)、40℃の条件下で60分間浸漬した。温水で洗浄後、ドライヤーで乾燥した。このブリーチ処理により得られた損傷の著しい毛髪ストランドを、先述の4−a〜4−dで調製した本発明品の処方S1〜S7、4−e、4−fで調製した比較品C1〜C3、さらにブランクとして表2のブランク(F)に示す組成からなるシャンプーを、それぞれ1.0g用いて15gの毛髪ストランド(全長180mm)を洗髪した。その後流水中ですすぎ、恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、自然乾燥を行った。その後毛髪のコシの強さを純曲げ試験機(カトーテック株式会社製、KES-FB2-S)にて測定した。その結果を表4に示した。
(調製)
実施例6
6−a
実施例1、2及び3で得た本発明の試料番号1、2、3、4のカチオン変性カラヤガムを用いて表5の(A)に示した組成のシャンプーを調製した。表5中の(A)の成分(14)を60℃に加熱し成分(1)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合した。こうして表1中の試料番号1、2、3、4に対応するカチオン変性カラヤガムを配合した表5の(A)に示した組成のシャンプーを各々調製し、表1中の試料番号1、2、3、4を含むシャンプーを順に、本発明品の処方1〜4とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらにカチオン性水溶性高分子Aとしてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC-100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表5の(B)に示した組成のシャンプーを調製した。表5中の(B)の成分(14)を60℃に加熱し、成分(1)及び(3)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方5とした。
上記カチオン性水溶性高分子Aの代わりにカチオン性水溶性高分子Bとして塩化ジアリルジメチルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(Merquat 550;NALCO社製)を含む表5の(C)に示した組成のシャンプーを同様に調製し、これを本発明品の処方6とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらに両性水溶性高分子としてN-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(YukaformerSM;三菱化学株式会社製)を含む、表5の(D)に示した組成のシャンプーを調製した。表5中の(D)の成分(14)を60℃に加熱し成分(1)及び(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方7とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用いてカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高子を含む、表5の(E)に示した組成のシャンプーを調製した。表5中の(E)の成分(14)を60℃に加熱し成分(1)及び(3)、(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方8とした。
本発明によるカチオン変性カラヤガムのシャンプーにおけるその効果を比較するため、例1で得たカチオン変性カラヤガム、すなわち表1中の試料番号5及び6を用いて表5の比較品(G)に示した組成のシャンプーを調製した。表5中の比較品(G)の成分(14)を60℃に加熱し成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させた。溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーをそれぞれ比較品1及び2とした。
さらに効果を比較する為、上記6−fにおけるカチオン変性カラヤガムの代わりに、比較例1で得た、本発明品と主鎖のマンノースと側鎖のガラクトースの組成比の異なる、カチオン変性ガラクトマンナン多糖、すなわち表1中の試料番号7及び8を用いて、表5の比較品(G)に示した組成のシャンプーを6−fと同様に調製し、それぞれを比較品3及び4とした。
さらに他のカチオン性ポリマーとその効果を比較する為、先述の6−fにおけるカチオン変性カラヤガムの代わりに、エチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC-100;東邦化学工業(株)社製)を用い、表5の比較品(G)に示した組成のシャンプーを6−fと同様に調製し、これを比較品5とした。
(評価)
実施例6−aないし6−eで調製した各々のシャンプー、すなわち本発明品の処方1〜8について被試験者女子20名のテスターにより30日間夜1回使用し次に示した項目の性能評価を実施した。
性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマー等を含まない表5の標準品(F)に示される組成のシャンプーと、それぞれ評価するべき対象のシャンプーとを使用し、使用時及び使用後(乾いた髪)のコンディショニング効果の有無(櫛通り感、髪の手触りなど)、ドライヤー(80℃)による乾燥後の使用感特に柔軟性及びコシの強さについて標準品(F)を基準にして比較し、下記表6に示す方法にて数値化し、それぞれの項目について20名のテスターの評価の値を合計した。この評価結果を表7に示した。尚、上記標準品(F)は表5の標準品(F)中の成分(14)を60℃に加熱した後、成分(5)〜(10)を加え攪拌して均一とした後、冷却し30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合して調製した。
6−f、6−g及び6−hで調製した各々のシャンプー、比較品1〜5について、実施例7と同様に性能評価を実施し、その結果を表7中に示した。
表7の結果から、シャンプーに用いた場合、洗髪時の泡立ちと、使用時の指通り、手触りなどのコンディショニング効果に優れ、使用後では加熱する事無く柔軟なセット効果の付与が可能である事が確認された。
また、配合成分に、カチオン性水溶性高分子(カチナールHC-100、Merquat 550)及び/又は両性水溶性高分子(YukaformerSM)を併用することにより、本発明のカチオン変性カラヤガムのもつ性能を損なう事が無い事が確認された。
(評価)
セット効果(その1)
カチオン変性カラヤガム類の毛髪に対するセット効果を以下の方法で確認した。
1)30cm、2gの(株)ビューラックス製人毛(黒100%根元揃え/BS−B3A)の毛束を溶液に30秒浸し、余分な液をN0.2濾紙で除く。
2)毛束を櫛で整えた後、外径2cmのカーラーに巻き付ける。
3)60℃の温風で30分間かけ乾燥後、毛束をカーラーから外す
4)30℃、90%RHの恒温恒湿槽にいれ、カールの長さを測定する
5)カール保持力を下記の式より計算する。
保持力=(処理前の長さ−経時での長さ)/(処理前の長さ−初期の長さ)
(評価)
洗髪除去性(フィルム溶解性)
試料水溶液(濃度1.0重量%)をガラス版に100μアプリケーターで塗布し60℃で2日間放置乾燥しフィルムを作成する。次に20℃/40%RHの恒温恒湿の条件に放置後25℃のイオン交換水を添加しガラス版上のポリマーフィルムの溶解に要する時間を測定する。
評価結果を表9に示す。
(評価方法)
○ 1分以内に溶解する。
△ 1〜3分で溶解する。
× 3分以上。
(調製)
実施例10
10−a
実施例1で得られた試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用いて下記表14の(A)に示した、アミドアミン化合物と中和剤としてグリコール酸を用い中和した、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド・グリコール酸塩とさらには、高級アルコール(セタノール)を含む組成のリンスを調製した。表14の(A)の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(13)に成分(1)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を90℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合した。こうして表14の(A)に示した組成のリンスを調製し、表1中の試料番号1のカチオン変性カラヤガムを含むリンスを本発明品の処方9とした。
実施例1、2及び3で得られた試料番号2,3,4のカチオン変性カラヤガムを用いて下記表14の(B)に示した、アミドアミン化合物の有機酸塩(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド・グリコール酸塩)と高級アルコール(セタノール)、シリコーンを含む組成のリンスを調製した。表14の(B)の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(13)に成分(1)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を90℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合した。こうして表14の(B)に示した組成のリンスを各々調製し、表1中の試料番号2,3,4の本発明のカチオン変性カラヤガムを含むリンスを順に、本発明品の処方10〜12とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらにカチオン性水溶性高分子としてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC-100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表14の(C)に示した組成のリンスを調製した。表14の(C)の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(13)に成分(1)及び(3)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を90℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合し、得られたリンスを本発明品の処方13とした。
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性カラヤガムを用い、さらに両性水溶性高分子としてN-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(YukaformerSM;三菱化学株式会社製)を含む、表14の(D)に示した組成のリンスを調製した。表11の(D)の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(13)に成分(1)及び(4)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を90℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合し、得られたリンスを本発明品の処方14とした。
本発明によるカチオン変性カラヤガムのリンスにおけるその効果を比較するため、例1で得たカチオン変性カラヤガム、すなわち表1中の試料番号5及び6を用いて表14中の比較品(F)に示した組成のリンスを調製した。表14中の比較品(F)の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(13)に成分(2)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を90℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合し、表1中の試料番号5及び6を含むリンスを、それぞれ比較品6及び7とした。
さらに効果を比較する為、前記試料番号6及び7の代わりに、比較例1で得た、カチオン変性ガラクトマンナン多糖、すなわち表1中の試料番号7及び8を用いて、表14の比較品(F)に示した組成のリンスを10−eと同様に調製し、得られたリンスをそれぞれ比較品8及び9とした。
実施例11
先述の10−a〜10−dで調製した各々のリンス、すなわち本発明品の処方9〜14について、20名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。
性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマーを含まない表14の標準品(E)に示される組成のリンスと、それぞれ評価するべき対象のリンスとを使用し、ドライヤーによる乾燥後の使用感を、標準品(E)を基準にして、
・乾いた髪のコンディション効果の有無(櫛通り、きしみ感など)、
・毛髪の柔軟性、
について比較し、それを下記表15の方法にて数値化し、評価を実施した20名のテスターの値を合計した。この評価結果を表16に示した。尚、上記標準品(E)は表14の標準品(E)中の成分(5)〜(11)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、90℃に加熱した成分(13)を攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(12)を加えて均一に混合し調製した。
先述の10−e及び10−fで調製した各々のリンス、すなわち比較品6〜9について、実施例11と同様に性能評価を実施し、その結果を表16中に示した。
以下に、リンス、コンディショナー等のコンディショニング効果を必要とする毛髪処理用組成物への、本発明の好適な配合例を示す。
(調製)
実施例12
12−a
実施例1、3で得られた試料番号1,4のカチオン変性カラヤガムを用いて下記表20の(A)に示した、二剤式酸化染毛剤を調製し、表1中の試料番号1及び4のカチオン変性カラヤガムを含む二剤式酸化染毛剤を本発明品の処方15及び16とした。使用時には、この二剤式酸化染毛剤の第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合し、毛髪に塗布した。
本発明によるカチオン変性カラヤガムのヘアカラーにおけるその効果を比較するため、比較例1で得られたカチオン変性ガラクトマンナン多糖、すなわち表1中の試料番号7を用いて上記表20の比較品(C)に示した、二剤式酸化染毛剤を調製し比較品10とした。使用時には、この二剤式酸化染毛剤の第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合し、毛髪に塗布した。
実施例13
先述の12−aで調製した各々の二剤式酸化染毛剤、すなわち本発明品の処方15及び16について、20名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマーを含まない表20の標準品(B)に示される組成の酸化染毛剤と、それぞれ評価するべき対象の酸化染毛剤とを使用し、第一剤と第二剤の等量混合液を毛髪に塗布し、室温下で30分間放置した後、40°Cの流水で3分間すすぎ、ドライヤーで乾燥した。この時のすすぎ時のすべり性と、ドライヤーで乾燥後の感触を、標準品(B)を基準にして、
・すすぎ時のすべり性
・乾燥後の感触(しっとり感、柔軟性)
について比較し、それを下記表21の方法にて数値化し、評価を実施した20名のテスターの値を合計した。この評価結果を表22に示した。尚、上記標準品(B)は12−aに準じて調製し、第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合して毛髪に塗布した。
先述の12−bで調製した比較品10の酸化染毛剤について、実施例13と同様に性能評価を実施し、その結果を表22中に示した。
(調製)
実施例14
14−a
実施例1、2、3で得られた試料番号1、3及び4のカチオン変性カラヤガムを用いて表24の(A)に示した組成のボディ用洗浄剤(ボディソープ)を調製した。表24中の(A)の成分(13)を80℃に加熱し、成分(1)を攪拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(9)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(10)〜(12)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表24の(A)に示した組成のボディ用洗浄剤を各々調製し、表1中の試料番号1、3及び4の本発明のカチオン変性カラヤガムを含むボディ用洗浄剤を順に、本発明品の処方17、18及び19とした。
本発明によるカチオン変性カラヤガムのボディ用洗浄剤におけるその効果を比較するため、マンノースとガラクトースの組成比が2対1であるグアーガムカチオン変性物について表24の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製した。表24中の(C)の成分(13)を80℃に加熱し、成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(9)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(10)〜(12)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表24の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、これを比較品11とした。
同様に、本発明で用いるカチオン変性カラヤガムの、ボディ洗浄剤におけるその効果を比較するため、他のカチオン性ポリマーとしてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC-100:東邦化学工業(株)社製)について表24の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製した。表24中の(C)の成分(13)を80℃に加熱し、成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(9)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(10)〜(12)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表24の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、比較品12とした。
実施例15
先述の14−aで得た本発明品の処方17、18及び19の各々のボディ用洗浄剤について、20名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマー等の高分子化合物を含まない表24の標準品(B)に示される組成のボディ用洗浄剤と、それぞれ評価するべき対象のボディ用洗浄剤とを使用し、
・使用時の泡の量及び質、
・使用時の使用感(すすぎ易さ、すすぎ後のつっぱり感及びぬめり感)、
・使用後(乾いた後)の使用感(つっぱり感、滑らかさ感、しっとり感)、
について、標準品(B)の使い心地と比較し、それを下記表25及び26の方法にて数値化し、評価を実施した20名のテスターの値を合計した。この評価結果を表27に示した。なお、標準品は表24の標準品(B)の成分(13)を80℃に加熱した後、50〜60℃で成分(3)〜(9)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(10)〜(12)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合し、表24の(B)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、本評価の標準品とした。
先述の14−b及び14−cで得た比較品11及び、12のボディ用洗浄剤について、実施例15と同様の性能評価を行った。これらの結果を表27中に示した。
以下に、本発明のカチオン変性カラヤガムのケラチンに対するコンディショニング効果を利用する他の適用例として、塗布型の毛髪処理組成物への配合例を示す。
Claims (10)
- カラヤガムに含まれる水酸基の一部が、下記化学式(1)で表される第4級窒素含有基で置換されたカチオン変性カラヤガムであって、該第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gであるカチオン変性カラヤガム。
- 該カラヤガムが、インド中央部の乾燥した高原地帯を原生地とするSterculia Urensという大木から採取される天然の水溶性高分子多糖類である請求項1のカチオン変性カラヤガム。
- カラヤガムのカチオン変性が、グリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである請求項1〜2記載のカチオン変性カラヤガム。
- カラヤガムのカチオン変性が、カラヤガムに含まれる水酸基の一部に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した後、カチオン変性剤としてグリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである請求項1〜3記載のカチオン変性カラヤガム。
- 請求項1〜4記載のカチオン変性カラヤガムを含有する化粧料組成物。
- 請求項1〜4記載のカチオン変性カラヤガムの含有量が組成物全体を100質量%として、0.05〜5質量%である請求項5記載の化粧料組成物。
- 請求項5及び6記載の化粧料組成物に、他のカチオン性水溶性高分子及び/又は両性水溶性高分子を、組成物全体を100質量%として、5質量%以下含有することを特徴とする当該化粧料組成物。
- 請求項5〜7記載の化粧料組成物に、アミドアミン化合物を有機酸及び/又は無機酸等の中和剤で完全または部分中和したアミドアミン化合物の有機酸塩及び/又は無機酸塩とさらに、高級脂肪酸及び/又は高級アルコールを含むことを特徴とする当該化粧料組成物。
- 請求項5〜8記載の化粧料組成物に、シリコーンを配合することを特徴とする当該化粧料組成物。
- 請求項5〜9記載の化粧料組成物が毛髪処理用組成物である組成物。
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