JP2003064102A - コンディショニング効果を与えるカチオン性ポリマー - Google Patents

コンディショニング効果を与えるカチオン性ポリマー

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JP2003064102A JP2001295055A JP2001295055A JP2003064102A JP 2003064102 A JP2003064102 A JP 2003064102A JP 2001295055 A JP2001295055 A JP 2001295055A JP 2001295055 A JP2001295055 A JP 2001295055A JP 2003064102 A JP2003064102 A JP 2003064102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 頭髪用化粧料において乾燥時のゴワツキ感、
すすぎ時のコンディショニング効果を改善し、皮膚用化
粧料において皮膚に対するつっぱり感を解消し、べたつ
き、ぬるつき感を改善し、また化粧料配合時の安定性を
欠く問題を改善したカチオン性ポリマーを提供するこ
と。 【解決手段】 豆類、果実、野菜、米等の高等植物の細
胞壁を構成する成分として知られる多糖類であり、グル
コースを主鎖としキシロース、ガラクトースを側鎖に持
つ非イオン性水溶性高分子であるキシログルカン多糖を
基材とし、特定量の第4級窒素含有基を導入したカチオ
ン性ポリマーを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は毛髪や皮膚に対する
吸着性が良く、化粧料に配合した場合に優れたコンディ
ショニング特性を与えると共に、処方中における安定性
に優れるカチオン性ポリマーと、これを配合した頭髪化
粧料、皮膚化粧料などの化粧料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】頭髪用化粧料においては、洗浄性を与え
る為にアニオン性界面活性剤が汎用されるが、洗浄の
際、毛髪の油脂成分を必要以上に除去してしまい、その
為、裂毛や枝毛が生じ易くなる。さらに、洗髪、すすぎ
時の頭髪の絡まり合いによってもこれらは助長される。
また、皮膚化粧料にもアニオン界面活性剤が汎用される
が、皮膚に対してつっぱり感が生じるという問題もあ
る。このような不都合を解消する為、頭髪用化粧料、皮
膚化粧料にはコンディショニング剤等が配合されてい
る。
【0003】頭髪用化粧料の場合、コンディショニング
剤は毛髪に吸着する事が必須であり、コンディショニン
グ効果を与える物質としては、主としてイオン性に基づ
く吸着作用を用いるカチオン性ポリマーが用いられてい
る。カチオン性ポリマーとしては、セルロース誘導体や
デンプン等のポリサッカライドに第4級窒素含有基を導
入して得られる水溶性高分子や、ジアルキルジアリルア
ンモニウム塩重合体等が使用されている。例えば、特公
昭47−20635号公報にはシャンプーや毛髪化粧料
に、第4級窒素含有基を導入したセルロース誘導体であ
るカチオン変性セルロースを使用する事が示されてい
る。また特公昭60−42761号公報には第4級窒素
含有基を導入したカチオン変性デンプンが、特公平7−
17491号公報には第4級窒素含有基を導入したカチ
オン変性グアーガムがシャンプー、リンス等のヘアケア
製品に使用する事が示されている。さらには、特開平1
−128914号公報にはジアルキルジアリルアンモニ
ウム塩の共重合体と第4級窒素含有基を導入したセルロ
ース誘導体とを配合したシャンプー組成物が洗髪時につ
るつるした指通りの滑らかな泡感触を与え、かつすすぎ
時の毛髪にさらっとした滑らかな指通りを与えると共
に、仕上がり時に毛髪に良好なつやを与える事が示され
ている。さらにはこれらのカチオン性ポリマーを配合す
る事でクリーミィーな泡質が得られたり、皮膚に対して
つっぱり感を解消し、しっとり感を付与する効果からボ
ディーソープ等の皮膚化粧料へも配合されている。
【0004】また、ボディーソープなどの皮膚化粧料の
場合は、グリセリン等の保湿剤を配合する事でもつっぱ
り感を解消している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カチオン変性セルロー
スは頭髪用化粧料配合時には滑らかな泡質を持ち、アニ
オン界面活性剤と複合塩を形成して毛髪に吸着し、すす
ぎ時の優れたコンディショニング効果を示す反面、乾燥
後にゴワツキ感を示し、感触が悪くなるという課題があ
る。また、カチオン変性グアーガムは、乾燥後のゴワツ
キ感は少ないものの、吸着量が少なく、すすぎ時のコン
ディショニング効果は弱いという課題がある。さらに
は、近年のヘアスタイルの変化、嗜好の多様化等から、
従来のしっとり感の付与だけではなく、サラサラ感も求
められているが、これらのカチオン変性セルロース、カ
チオン変性グアーガムはしっとり感を付与するものの、
サラサラ感を得る事は出来ないという課題がある。ま
た、皮膚化粧料にカチオン性ポリマー等のコンディショ
ニング剤や、グリセリン等の保湿剤を配合した場合、処
方中の配合量によってはべたつき、ぬるつきを生じる場
合もある。その上カチオン性ポリマーの場合、化粧料処
方中の塩の量によっては安定性を欠く場合もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明は従来のカチオン性ポリマーのもつ頭髪用化粧料に
配合した時の乾燥時のゴワツキ感、すすぎ時のコンディ
ショニング効果の弱さを改善し、滑らかで軽い指通りと
サラサラ感を付与し、さらには皮膚用化粧料に配合した
時の皮膚に対するつっぱり感を解消し、べたつき、ぬる
つき感を改善すべく、また化粧料配合時の安定性を欠く
問題を改善すべく、鋭意検討を行った結果、グルコース
を主鎖としキシロース、ガラクトースを側鎖に持つ非イ
オン水溶性高分子であるキシログルカン多糖を基材と
し、特定量の第4級窒素含有基を導入したカチオン性ポ
リマーがコンディショニング剤として優れた効果を示す
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明で用いられるキシログルカン多糖は
グルコースを主鎖とし、キシロース、ガラクトースを持
つ、すべての高等植物の細胞壁を構成する成分として知
られている多糖類であり、豆類、果実、野菜、米、培養
細胞などにも存在する。そのなかでより好ましくは、容
易に入手可能である熱帯地方に産する豆科植物タマリン
ダスインディカの種子より得られる水溶性多糖類であ
る、分子量が約65万のタマリンドガムである。このタ
マリンドガムは商品名「グリロイド2A」、「グリロイ
ド6C」(大日本製薬株式会社製)として容易に入手可
能であり、その水溶液はデンプン様の流動性を示すニュ
ートン流体であり、糖類と混ぜる事によりゲル化する性
質を持ち、熱、酸および塩に安定である事は周知の事実
である。
【0008】また、タマリンドガムを化粧料に配合する
事により、安定性に優れる化粧料を提供する技術も知ら
れている。例えば、特開平11−12120号公報には
化粧料へアルキル変性カルボキシビニルポリマーとキシ
ログルカン多糖を配合することにより塩析を防ぐ技術
が、特開平9−70264にはキシログルカンと(1→
3、1→4)−β−グルカン複合体を化粧品に配合する
技術が示されているが、本発明の第4級窒素含有基を導
入したカチオン変性キシログルカン多糖が、コンディシ
ョニング剤として優れた効果を発揮する事はどこにも示
されていない。
【0009】またカチオン変性キシログルカン多糖に関
しては特開平1−158412に、天然多糖類をカチオ
ン化したカチオン性ポリマーがタンパク等の汚物を洗浄
し、保存機能にも優れるコンタクトレンズ用洗浄保存液
の使用例として示されており、天然多糖類の一つとして
キシログルカン多糖の一つであるタマリンドガムが挙げ
られている。さらに、特開2000−25470には同
様のカチオン変性多糖類の高含水浚渫泥土用処理剤が示
されており、多糖類の一例として、キシログルカン多糖
の一つであるタマリンドガムが挙げられている。しか
し、本発明のカチオン変性キシログルカン多糖が化粧料
組成物として、優れた効果を発揮する事はどこにも示さ
れていない。
【0010】本発明によるカチオン変性キシログルカン
多糖は、キシログルカン多糖にグリシジルトリアルキル
アンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシ
プロピルトリアルキルアンモニウム塩等の第4級窒素含
有基を有する化合物を窒素の含有率が0.2〜3重量%
含有するよう反応させることによって製造することがで
きる。この場合、反応は適当な溶媒、好適には含水アル
コール中において、アルカリの存在下で実施される。こ
のような第4級窒素含有基の導入は、従来公知の方法に
従って行うことができる。
【0011】本発明でキシログルカン多糖中に導入する
下記化学式(2)で示された第4級窒素含有基におい
て、R及びRの具体例としては、メチル、エチル及
びプロピルが挙げられ、Rの具体例としては炭素数1
〜24のアルキル基が挙げられる。また、陰イオンX
の具体例としては、塩素イオン、臭素イオン及び沃素イ
オンなどのハロゲンイオンの他、メチル硫酸イオン、エ
チル硫酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等を挙げるこ
とができる。
【0012】化学式(2) (式中R、Rは各々炭素数1〜3個のアルキル基、
は炭素数1〜24のアルキル基であり、Xは陰イ
オンを示す)
【0013】本発明において使用されるカチオン変性キ
シログルカン多糖のカチオン化反応によって導入される
窒素の含有率は0.2重量%未満では毛髪や皮膚に対す
る吸着量が不十分となり、実際シャンプー、リンス、ボ
ディーソープ等に配合しても効果は認められない。ま
た、窒素の含有率が3重量%を越えると使用時にべたつ
き感が生じ、使用感を悪化させるばかりでなく、使用後
の仕上がり感も期待するほど向上せず好ましくない。
【0014】本発明のカチオン変性キシログルカン多糖
の頭髪用化粧料、皮膚化粧料に対する配合量は0.1〜
5重量%が好ましく、0.1重量%未満では効果が十分
に発揮されず、5重量%を越えると使用時にべたつき感
が生じ使用感が悪くなる。
【0015】本発明のカチオン変性キシログルカン多糖
を公知の処方により処方系内に所要量配合することで本
発明の化粧料が得られるが、化粧料中の他の成分は特に
限定されず、化粧料に一般に用いられる成分を任意成分
として配合することが可能である。配合可能な他の成分
を下記に例示する。
【0016】アニオン界面活性剤としては、アルキル
(炭素数8〜24)硫酸塩、アルキル(炭素数8〜2
4)エーテル硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)ベン
ゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)リン酸
塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)
エーテルリン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)スルホ
コハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8
〜24)エーテルスルホコハク酸塩、アシル(炭素数8
〜24)化アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化N
−メチル−β−アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)
化グルタミン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化イセチ
オン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化サルコシン酸
塩、アシル(炭素数8〜24)化メチルタウリン塩、α
−スルホ脂肪酸エステル塩、エーテルカルボン酸塩、ポ
リオキシアルキレン脂肪酸モノエタノールアミド硫酸
塩、長鎖(炭素数8〜24)カルボン酸塩等が挙げられ
る。
【0017】ノニオン界面活性剤としては、アルカノー
ルアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアル
キレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコ
ールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアル
キレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エ
ステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシ
アルキレンアルキルフェニルエーテル、テトラポリオキ
シアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオ
キシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシ
アルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化
ヒマシ油誘導体、アルキルポリグリコシド、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0018】両性界面活性剤としては、アルキル(炭素
数8〜24)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素
数8〜24)カルボキシベタイン、アルキル(炭素数8
〜24)スルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)
ヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜2
4)アミノカルボン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)
イミダゾリニウムベタイン、アルキル(炭素数8〜2
4)アミンオキシド、3級窒素及び4級窒素を含むアル
キル(炭素数8〜24)リン酸エステル等が挙げられ
る。
【0019】水溶性高分子としてはアニオン性、カチオ
ン性、ノニオン性、両性の高分子を配合することができ
る。アニオン性水溶性高分子の例としては、アクリル酸
誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アク
リルアミド・アクリル酸エチル共重合体及びその塩
等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリル酸及びその
塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリ
ルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸
アルキルエステル共重合体及びその塩等)、クロトン酸
誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイ
ン酸誘導体(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合
体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグル
タミン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、カルボ
キシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が
挙げられる。
【0020】カチオン性水溶性高分子の例としては、第
4級窒素変性ポリサッカライド(カチオン変性セルロー
ス、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカスト
ビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチル
ジアリルアンモニウム誘導体(塩化ジメチルジアリルア
ンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチ
ルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導
体(ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリ
ル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、
ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共
重合体等)、メタクリル酸誘導体(メタクリロイルエチ
ルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメ
チルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩
化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタ
クリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)
等が挙げられる。
【0021】ノニオン性高分子の例としては、アクリル
酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メ
トキシエチル共重合体、ポリアクリル酸アミド等)、ビ
ニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニル
ピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)、ポリオキシアル
キレングリコール誘導体(ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等)、セルロース誘導体(メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等)、ポリサッカライド及びその
誘導体(グアーガム、ローカストビーンガム、デキスト
ラン等)等が挙げられる。
【0022】両性高分子の例としては、塩化ジメチルジ
アリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル
酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アク
リル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体
等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリロイルエチル
ジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル
N,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシ
ベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)等が挙げ
られる。
【0023】油分としては、オリーブ油、ホホバ油、流
動パラフィン、脂肪酸アルキルエステル等が挙げられ
る。また、パール化剤としては、脂肪酸エチレングリコ
ール等が挙げられる。
【0024】その他の成分としては、可溶化剤(エタノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール
等)、保湿剤(グリセリン、トレハロース、ソルビトー
ル、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、ヒア
ルロン酸Na等)、酸化防止剤、シリコーン及びシリコ
ーン誘導体、高級アルコール、高級脂肪酸、増粘剤、金
属封鎖剤(エデト酸塩等)、pH調整剤、紫外線吸収
剤、殺菌剤、防腐剤、色素、香料、起泡増進剤等が挙げ
られる。
【0025】さらに別の態様において、アミドアミン化
合物の有機酸及び/または無機酸と、高級脂肪酸及び/
または高級アルコールを添加することができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 タマリンドガム80gを、70容量%のイソプロパノー
ル水溶液560mlに分散させ、48重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液5.83gを添加した。次に80重量%
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下G
TAと記す)水溶液47.3gを加え、加温し50℃で
3時間反応させる。反応終了後35%塩酸7.3g(仕
込み水酸化ナトリウム1倍モル)を70容量%のイソプ
ロパノール水溶液150mlで希釈し、中和に使用し
た。室温で1時間中和後、メタノール300mlに反応
液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた
沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物
を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン
変性タマリンドガムの窒素含有率は1.8重量%であっ
た。この結果を表1に示した(表1中、試料番号1)
【0028】同様に添加するGTAの量を変えることで
窒素含有量の異なるカチオン変性タマリンドガムを合成
した。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号
2、3)。
【0029】実施例2 タマリンドガム80gを、70容量%のイソプロパノー
ル水溶液560mlに分散させ、48重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液10.6gを添加した。次に3−ハロゲ
ノ−2−ヒドロキシプロピルトリラウリルアンモニウム
クロライド115.2gを加え、加温し50℃で3時間
反応させる。反応終了後35%塩酸7.3g(仕込み水
酸化ナトリウム1/2倍モル)を70容量%のイソプロ
パノール水溶液200mlで希釈し、中和に使用した。
室温で1時間中和後、メタノール500mlに反応液を
注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿
物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減
圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性
タマリンドガムの窒素含有率は1.8重量%であった。
この結果を表1中に示した(表1中、試料番号4)。
【0030】比較例1 実施例1の方法に準じ、添加するGTAの量を変えるこ
とで窒素含有率の異なるカチオン変性タマリンドガムを
合成した。この結果を表1中に示した(表1中、試料番
号5、6)。
【0031】
【表1】
【0032】実施例3 実施例1及び2で得たカチオン変性キシログルカン多糖
を用いて表2の(A)に示した組成のシャンプーを調整
し、表1中の試料番号1〜4を順に本発明品の処方1〜
4とした。尚、標準品として表2の標準品(B)に示し
たカチオン変性キシログルカン多糖を配合しないシャン
プーを調整した。そして表2の(A)にて調整した各々
のシャンプーについて、10名のテスターにより次に示
した項目の性能評価を実施した。洗髪時における泡立
ち、指通り、濡れた髪の手触り、及びすすぎ後のきしみ
感、また使用後(乾いた髪)の柔らかさ、しっとり感、
サラサラ感、櫛通りの良さ、及び艶を表2の標準品
(B)にて調整した標準品と比較し、下記表3及び表4
の方法にて数値化し、その積算値を求めた。この評価結
果を表5に示した。
【0033】比較例2 本発明で用いるカチオン変性キシログルカン多糖と、そ
の効果を比較するため、比較例1で得たカチオン変性キ
シログルカン多糖、表1中の試料番号5及び6を用いて
表2の(C)に示した組成のシャンプーを調整し、比較
品1及び2とした。そして実施例3と同様に、洗髪時に
おける泡立ち、指通り、濡れた髪の手触り、及びすすぎ
後のきしみ感、また使用後(乾いた髪)の柔らかさ、し
っとり感、サラサラ感、櫛通りの良さ、及び艶を標準品
と比較した。この結果を表5中に示した。
【0034】比較例3 比較例2のシャンプー処方と同様に、エチレンオキシド
平均付加モル数1.65、窒素含有率1.8重量%のカ
チオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールH
C−100;東邦化学工業(株)社製)、ガラクトマン
ナン多糖類であるグアーガムをカチオン化したカチオン
変性グアーガム(ジャガーC−13s;ローディア社
製)、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・アクリルア
ミド共重合体(マーコート550;カルゴン社製)につ
いて処方を組み、記述順に比較品3〜5として評価を行
った。この結果を表5中に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】表5の結果よりカチオン変性キシログルカ
ン多糖中の窒素含有率により、シャンプーの性能が改善
される事が分かった。
【0040】また、その性能はカチオン変性ヒドロキシ
エチルセルロースより使用後(乾いた髪)の櫛通りに優
れ、ごわつき感の少ない、サラサラな感触を与えること
がわかった。さらに、ガラクトマンナン多糖類であるグ
アーガムをカチオン化したものと比較すると、洗髪時の
指通りに優れ、またすすぎ後のきしみ感も少なく、滑ら
かな感触を与え、使用後(乾いた髪)においてはサラサ
ラ感を得られることがわかった。さらに、塩化ジアリル
ジメチルアンモニウム・アクリルアミド共重合体と比較
すると、洗髪時の適度なぬめり感により指通りに優れ、
またすすぎ後のきしみ感も少なく、使用後(乾いた髪)
においては柔らかな感触を与えることがわかった。
【0041】実施例4 実施例1、2で得られた試料番号2及び4のカチオン変
性キシログルカン多糖を用いて表6の(A)に示した組
成のリンスを調整し、本発明品の処方5及び6とした。
尚、標準品として表6の標準品(B)に示したカチオン
変性キシログルカン多糖を配合しないリンスを調整し
た。
【0042】
【表6】
【0043】表6の(A)にて調整した各々のリンスに
ついて、10名のテスターにより次に示した項目の性能
評価を実施した。乾いた髪の柔軟性、櫛通り、きしみ
感、しっとり感、サラサラ感、及び艶を表6の標準品
(B)にて調整した標準品と比較し、下記表7の方法に
て数値化しその積算値を求めた。この評価結果を表8に
示した。
【0044】比較例4 本発明で用いるカチオン変性キシログルカン多糖と、そ
の効果を比較するためエチレンオキシド平均付加モル数
1.65、窒素含有率1.8重量%のカチオン変性ヒド
ロキシエチルセルロースを用いて表6の比較品(C)に
示した組成のリンスを調整し、比較品6とした。実施例
4と同様に、リンス使用後の乾いた髪の柔軟性、櫛通
り、きしみ感、しっとり感、サラサラ感、及び艶を比較
した。この結果を表8中に示した。
【0045】比較例5 比較例4のリンス処方と同様に、塩化ジアリルジメチル
アンモニウム・アクリルアミド共重合体について処方を
組み、比較品7として評価を行った。この結果を表8中
に示した。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】表7の結果より、カチオン変性キシログル
カン多糖により、リンスの性能が改善された事がわか
る。
【0049】また、本発明のカチオン変性キシログルカ
ン多糖はカチオン変性ヒドロキシエチルセルロースと比
較すると、櫛通りに優れ、柔らかでベタつき感の少な
い、サラサラした感触を与えることがわかった。さら
に、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・アクリルアミ
ド共重合体と比較すると、櫛通りに優れ、しっとりした
感触を与えることがわかった。
【0050】実施例5 実施例1、2で得られた試料番号2及び4のカチオン変
性キシログルカン多糖を用いて表9の(A)に示した組
成のボディソープを調整し、本発明品の処方7及び8と
した。尚、標準品として表9の標準品(B)に示したカ
チオン変性キシログルカン多糖を配合しないボディソー
プを調整した。
【0051】
【表9】
【0052】そして表9の(A)にて調整した各々のボ
ディソープについて、10名のテスターにより次に示し
た項目の性能評価を実施した。使用時の泡の量及び質、
すすぎ易さ、すすぎ後のつっぱり感及びぬめり感、乾い
た後のつっぱり感、ベタつき感、しっとり感を表9の標
準品(B)にて調整した標準品と比較し、下記表10及
び表11の方法にて数値化しその積算値を求めた。この
評価結果を表12に示した。
【0053】比較例6 本発明で用いるカチオン変性キシログルカン多糖と、そ
の効果を比較するためエチレンオキシド平均付加モル数
1.65、窒素含有率1.8重量%のカチオン変性ヒド
ロキシエチルセルロースを用いて表9の比較品(C)に
示した組成のボディソープを調整し、比較品8とした。
実施例5と同様に、使用時の泡の量及び質、すすぎ易
さ、すすぎ後のつっぱり感及びぬめり感、乾いた後のつ
っぱり感、ベタつき感、しっとり感を標準品と比較し
た。この結果を表12中に示した。
【0054】比較例7 比較例6のボディソープ処方と同様に、塩化ジアリルジ
メチルアンモニウム・アクリルアミド共重合体について
処方を組み、比較品9として評価を行った。この結果を
表12中に示した。
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】表12の結果より、カチオン変性キシログ
ルカン多糖によりボディソープの性能が改善される事が
わかる。
【0059】また、本発明のカチオン変性キシログルカ
ン多糖は、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースと
比較すると、すすぎ後のぬめり感が少なく、乾いた後で
のつっぱり感を低減し、ベタつかずにサラサラした感触
を与えることがわかった。さらに、塩化ジアリルジメチ
ルアンモニウム・アクリルアミド共重合体と比較する
と、つっぱり感が改善され、ベタつかずにサラサラした
感触を与えることがわかった。
【0060】実施例6 実施例1で得た試料番号2のカチオン変性キシログルカ
ン多糖を用いて表13の(A)に示した組成の食塩濃度
を変えたシャンプーを調整し、本発明品の処方8とし、
その安定性を外観の濁りにて確認した。この結果を表1
4に示した。
【0061】
【表13】
【0062】比較例8 本発明で用いるカチオン変性キシログルカン多糖と、そ
の効果を比較するためエチレンオキシド平均付加モル数
1.65、窒素含有率1.8重量%のカチオン変性ヒド
ロキシエチルセルロースについて表13の比較品(B)
に示した組成のシャンプーを調整し、比較品10として
評価を行った。この結果を表14中に示した。
【0063】比較例9 比較例8と同様に塩化ジアリルジメチルアンモニウム・
アクリルアミド共重合体について処方を組み、比較品1
1として評価を行った。この結果を表14中に示した。
【0064】
【表14】
【0065】表14の結果よりカチオン変性キシログル
カン多糖は塩化ジアリルジメチルアンモニウム・アクリ
ルアミド共重合体、カチオン変性ヒドロキシエチルセル
ロースと比較すると、化粧料に配合時の安定性に優れて
いる事がわかった。
【0066】
【発明の効果】本発明のカチオン変性キシログルカン多
糖は、シャンプー・リンスなど頭髪用化粧料に配合した
時、使用時になめらかな泡感触を与え、且つ濯ぎ時にな
めらかな指通りを与えるとともに、乾燥後にはゴワツキ
感の無いサラサラした軽い良好な仕上げ感を与え、また
ボディーソープなど皮膚化粧料に配合した時、クリーミ
ィーな泡質とべたつかずサラサラした感触を与え、さら
にこれら化粧料配合時に使用感を損なわずに処方中にお
ける安定性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/50 A61K 7/50 C11D 3/22 C11D 3/22 Fターム(参考) 4C083 AC072 AC122 AC182 AC302 AC312 AC342 AC352 AC392 AC482 AC532 AC642 AC712 AC782 AC902 AD131 AD132 AD211 AD212 AD351 CC01 CC23 CC38 CC39 EE06 4C090 AA02 AA08 BA21 BA92 BA97 BB12 BB53 BB62 BB92 BC01 DA04 DA26 4H003 AB31 AB46 AC13 AD04 DA02 EB07 EB08 EB09 EB16 EB41 ED02 ED28 FA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコースを主鎖とし、キシロース、ガ
    ラクトースを側鎖に持つ非イオン性多糖類であるキシロ
    グルカン多糖に含まれる水酸基の一部が、下記化学式
    (1)で表される第4級窒素含有基で置換されたカチオ
    ン変性キシログルカン多糖からなる、化粧料に配合した
    場合にコンディショニング特性を与えるカチオン性ポリ
    マー。 化学式(1) (式中R、Rは各々炭素数1〜3個のアルキル基、
    は炭素数1〜24のアルキル基であり、Xは陰イ
    オンを示す)
  2. 【請求項2】 キシログルカン多糖中の水酸基と置換さ
    れる第4級窒素含有基の量が、カチオン変性キシログル
    カン多糖中に窒素の含有率で0.2〜3重量%である請
    求項1記載のカチオン性ポリマー。
  3. 【請求項3】 グルコースを主鎖としキシロース、ガラ
    クトースを側鎖に持つ非イオン性多糖類であるキシログ
    ルカン多糖が豆類、果実、野菜、米等の高等植物の細胞
    壁や種子中に含まれる水溶性高分子である請求項1〜2
    記載のカチオン性ポリマー。
  4. 【請求項4】 請求項3の水溶性高分子が、主に熱帯地
    方に産する豆科植物タマリンダスインディカの種子より
    得られるタマリンドガムである請求項1〜3記載のカチ
    オン性ポリマー。
  5. 【請求項5】 キシログルカン多糖中の水酸基を第4級
    窒素含有基と置換するにあたりグリシジルトリアルキル
    アンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシ
    プロピルトリアルキルアンモニウム塩をキシログルカン
    多糖と反応させることで製造することができる請求項1
    〜4記載のカチオン性ポリマー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のカチオン性ポリマー
    を配合する事を特徴とする化粧料組成物。
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