JP2006335959A - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも界面活性剤及び水を含有する洗浄剤組成物であって、洗浄過程で析出物を生成し、前記析出物が被洗浄体表面に1000nm以下の粒子径を有するミクロ構造を形成し吸着する洗浄剤組成物。
【選択図】 なし
Description
併用する界面活性剤の選択やオイルの添加等では、乾燥後のごわつきを十分に抑制することが出来ず、特に痛んだ髪に対し良好な仕上がりを実現できないという課題があった。また毛髪のダメージ度が高いとすすぎ時の指通り性能も低いものとなり、十分なコンディショニング効果が得られないという課題があった。
好ましくは洗浄剤組成物は更にカチオン性ポリマーを含有し、析出物がカチオン性ポリマーと界面活性剤との複合体を主成分とする。またカチオン性ポリマーは単体で水に可溶であり、かつ洗浄剤組成物中で実質的に均一に溶解していることが好ましい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。
カチオン性ビニル系単量体が下記式(1)で表されることが更に好ましい。
・・・(1)
ノニオン性ビニル系単量体が、下記式(2)で表されることが更に好ましい。
洗浄剤組成物は、陰イオン界面活性剤を5〜40質量%、非イオン性又は両性界面活性剤を0〜10質量%、及びカチオン性ポリマーを0.01〜5質量%含むことが好ましい。
洗浄剤組成物は毛髪用に用いられること、すなわち被洗浄体が毛髪であることが特に好ましい。
洗浄過程で析出物を生成することにより被洗浄体表面への吸着が促進され良好な感触が得られるが、析出物量が少ないと十分な性能が得られないため適度な量が析出してくることが好ましい。吸着したものの粒子径が1000nm以下であることにより、触ったときの感触が優れる。粒子径が1000nmよりも大きいとざらつきやべたつきなどが感じられ好ましくない。粒子径が小さいほど触ったときの感触が優れ、好ましくは500nm以下、更に好ましくは200nm以下、最も好ましくは100nm以下である。粒子径の下限値については特に制限はないが、一般的には0.1nm以上である。なお粒子径とは、析出物の最大粒子径をAFM写真より計測した値である。
本発明に用いるカチオン性ビニル単量体としては、本発明の目的を達しうる限り特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルエステル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルアミド系4級アンモニウム塩、L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン種などが例示できる。特に式(1)で表される(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体が、本発明の効果が高いので好ましい。
・・・(1)
カチオン性ビニル系単量体とノニオン性ビニル系単量体との共重合体は、上述したようなカチオン性ビニル単量体とノニオン性ビニル系単量体とを共重合しても得られるが、カチオン性ビニル単量体前駆体とノニオン性ビニル系単量体とを共重合した後に、カチオン化剤により、対応するカチオン基を有する構造に変換することによっても得られる。
・・・(1’)
カチオン性ビニル単量体前駆体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
なお、カチオン性ビニル単量体又はその前駆体は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
式(2)で表されるノニオン性単量体の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。なかでも、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、更に好ましくはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、最も好ましくはN,N−ジメチルアクリルアミドである。
本発明に用いるカチオン性ポリマーは、それぞれの構成単位を与える単量体又はその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてカチオン化反応を行うことにより製造することができる。
陰イオン界面活性剤の濃度は5〜40質量%が好ましく、より好ましい下限値は10質量%以上であり、より好ましい上限値は30質量%以下である。また、非イオン性又は両性界面活性剤の濃度としては0〜10質量%が好ましく、より好ましい下限値は2質量%以上であり、より好ましい上限値は5質量%以下である。カチオン性ポリマーの濃度は0.01〜5質量%が好ましく、より好ましい下限値は0.1質量%以上であり、より好ましい上限値は1質量%以下である。
陰イオン界面活性剤の濃度が5質量%より多いほど泡立ちが良くなる傾向にあり、40質量%より少ないほど粘度が低く扱いやすい傾向がある。カチオン性ポリマーの濃度が0.01質量%より多いほど微小な析出物が生成しやすくなり指通り性等が向上する傾向にあり、5質量%より少ないほど乾燥後の違和感が少ない傾向にある。
本発明の洗浄剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で他の任意成分を含有させてもよい。以下に例示するがこれに限られるものではない。
本発明のカチオン性ポリマー以外の水溶性高分子として、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。カチオン性高分子として、カチオン変性セルロースエーテル誘導体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド、ジメチルジアリルアンモニウムハライドとアクリルアミドのコポリマー等が挙げられる。また、アニオン性高分子として、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が、ノニオン性高分子として、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリルアミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)が、そして両性高分子として、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)等が挙げられる。
パール化剤として、脂肪酸エチレングリコール等、懸濁剤としてはポリスチレン乳化物等が挙げられる。
<物性測定方法>
(1)分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak (Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、重量平均分子量の測定を行った。
各シャンプー組成物を、用意した毛束に塗布して下記項目をそれぞれ評価した。なお、使用した毛束は、「人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛 10g×30cm)」として(株)ビューラックスより購入したものを「未処理毛」として使用し、「未処理毛」をブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。ダメージ毛作成は、ブリーチ剤としては(株)ミルボン製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)、(株)メロス化学製パウダーブリーチMR2を使用し、それぞれ12g、6gを混合したものを毛束1本に塗布し、塗布後30分放置したのち、水洗及びラウロイル(EO)3硫酸ナトリウムを塗布して洗浄することにより行った。
各シャンプー組成物の透過率を以下のように3段階で評価した。
0:ほぼ透明なシャンプーが得られる
−1:透明性は低いが、均一なシャンプーが得られる
−2:白濁し、均一なシャンプーが得られない
各シャンプー組成物で処理した毛髪を一昼夜乾燥後、AFM(原子間力顕微鏡)を用い、大気中にて毛髪表面の観察を行いミクロドメイン構造の有無を調べた。また毛髪表面に吸着する析出物の最大粒子径をAFM写真より計測した。被覆率はAFM観察において被洗浄体表面に対して析出物が付着している面積の百分率(%)である。
測定装置:セイコーインスツルメンツ社製SPM(走査型プローブ顕微鏡)
SPI3800(SPA400多機能測定ユニット)
測定条件:
測定モード:サイクリックコンタクトAFM(DFM)モード
感知レバー:セイコーインスツルメンツ社製
SI−DF20(ばね定数:20N/m、共振周波数:150Hz)
SI−DF40(ばね定数:64N/m、共振周波数:300Hz)
測定視野: 250×250nm、1×1μm、5×5μm
(視野は必要に応じ広げる)
毛束を各シャンプー組成物で処理後、40℃の流水中で毛束をすすいだときの指通りのなめらかさ及びそのなめらかさの持続具合を4段階で評価した。
+2: なめらかさ、持続性共に優れる
+1: なめらかさ、持続性のどちらかが優れる
−1: なめらかさ、持続性のどちらかが劣る
−2: なめらかさ、持続性共に劣る
すすぎ時のなめらかさ評価後の毛束を、23℃、60%RHの恒温室にて一晩乾燥させた後に、毛束のサラサラ感を4段階で評価した。
+2: サラサラ感が著しく優れる
+1: サラサラ感が優れる
−1: サラサラ感が劣る
−2: サラサラ感が著しく劣る
サラサラ感を評価した毛束にて、ゴワツキの無さを4段階で評価した。
+2: ほとんどゴワツキを感じない
+1: ゴワツキは無いが若干感じられる
−1: ゴワツキを感じる
−2: ゴワツキを著しく感じる
DMC:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
DMAPAAC:N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器に蒸留水250重量部を仕込み、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DMC)80%水溶液66重量部及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)60重量部、蒸留水80重量部の単量体混合液を滴下ロートに仕込み、反応器を窒素置換したのち90℃まで加熱した。2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プリピオンアミド)0.6重量部を反応器に投入後、単量体混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後から20時間反応させ共重合体を得た。
得られた重合体はDMC/DMAA=30/70(モル比)であり、重量平均分子量は319,000であった。
単量体混合液として、N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DMAPAAC)74%水溶液72重量部及びDMAA60重量部、蒸留水75重量部を用いたこと以外は製造例1と同様にした。
得られた重合体はDMAPAAC/DMAA=30/70(モル比)であり、重量平均分子量は427,000であった。
表−1に示す組成のシャンプー組成物を作成した。それぞれの評価方法に従い評価した結果を併せて表−1に示す。
AFMにより観察したところ、実施例1、2では、毛髪表面の吸着物の形はほぼ球状であり大きさもほぼ均一で、毛髪表面に隙間なく吸着しているのが観察された。
一方、比較例1では吸着物の形は不定形で、毛髪表面にまばらに吸着しているのが観察された。
Claims (12)
- 少なくとも界面活性剤及び水を含有する洗浄剤組成物であって、洗浄過程で析出物を生成し、前記析出物が被洗浄体表面に1000nm以下の粒子径を有するミクロ構造を形成し吸着することを特徴とする洗浄剤組成物。
- 被洗浄体表面に対する析出物の被覆率が60%以上である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- 洗浄剤組成物が更にカチオン性ポリマーを含有し、前記析出物がカチオン性ポリマーと界面活性剤との複合体を主成分とする、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
- 前記カチオン性ポリマーが単体で水に可溶であり、かつ洗浄剤組成物中で実質的に均一に溶解している、請求項3に記載の洗浄剤組成物。
- 前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量が1,000〜1,000,000の範囲である、請求項3又は4に記載の洗浄剤組成物。
- 前記カチオン性ポリマーが2種以上のビニル系単量体の共重合体である、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 前記カチオン性ポリマーが、少なくともカチオン性ビニル系単量体とノニオン性ビニル系単量体との共重合体である、請求項6に記載の洗浄剤組成物。
- 前記共重合体中のカチオン性ビニル系単量体とノニオン性ビニル系単量体のモル比が20/80〜40/60である、請求項7に記載の洗浄剤組成物。
- 前記カチオン性ビニル系単量体が下記式(1)で表される、請求項7又は8に記載の洗浄剤組成物。
CH2=C(R1)−CO(O)a−(NH)1−a−(CH2)b−N+R2R3R4・X−
・・・(1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアリール基又は炭素数1〜24のアラルキル基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアリール基、炭素数1〜24のアラルキル基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N+R5R6R7・Y−を表し、R5〜R7はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアリール基又は炭素数1〜24のアラルキル基を表し、X−及びY−はそれぞれ独立して陰イオンを表し、aは0又は1を表し、bは1〜10の整数を表す。) - 前記ノニオン性ビニル系単量体が、下記式(2)で表される、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
CH2=C(R8)−CO−NR9R10 ・・・(2)
(式中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9〜R10はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。) - 前記洗浄剤組成物が、陰イオン界面活性剤を5〜40質量%、非イオン性又は両性界面活性剤を0〜10質量%、及びカチオン性ポリマーを0.01〜5質量%含む、請求項3乃至10のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 毛髪用に用いられる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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