JP5167601B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP5167601B2
JP5167601B2 JP2006192073A JP2006192073A JP5167601B2 JP 5167601 B2 JP5167601 B2 JP 5167601B2 JP 2006192073 A JP2006192073 A JP 2006192073A JP 2006192073 A JP2006192073 A JP 2006192073A JP 5167601 B2 JP5167601 B2 JP 5167601B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
monomer
hydrogen atom
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006192073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007161986A (ja
Inventor
祥也 與田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2006192073A priority Critical patent/JP5167601B2/ja
Publication of JP2007161986A publication Critical patent/JP2007161986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5167601B2 publication Critical patent/JP5167601B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明はコンディショニング用に適する毛髪化粧料に関する。

シャンプーやボディソープ等の洗浄剤には、洗浄時のすべり、洗浄後の毛髪の指通りや櫛通り、乾燥後のなめらかさ、毛髪や肌のサラサラ感やしっとり感、その他の感触性を改良させるために、いわゆるコンディショニング用ポリマーが配合されている。例えばシャンプーにはカチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体等をコンディショニング用ポリマーとして配合することが知られている。
また、洗浄後の毛髪や肌の感触を向上させるためにコンディショニング剤(リンスやコンディショナー、トリートメント等)やスキンケア剤が用いられており、特に洗い上がりの毛髪の感触を向上させる目的でインバス用リンスオフタイプのコンディショニング剤が広く使用されている。
処理剤は一般にカチオン界面活性剤と高級アルコールを含有し、これらが形成するラメラと呼ばれるゲル状物が毛髪に吸着し良好な感触を与えるほか、乾燥後の感触を更に改良するためにシリコーン油の添加も行われている。
ところで、特許文献1には、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体とカチオン性基を有するビニル系単量体とを含む単量体混合物の共重合体に相当する構造を有する水溶性樹脂が開示されており、例えば、アニオン界面活性剤を含有する毛髪化粧料等に用いたときに、コンディショニング効果を与えることが示されている。特許文献2には、アニオン性基を有するユニットと珪素原子を有するユニットを含む共重合体又は1分子中にアニオン性基と珪素原子を有する化合物が開示され、これを毛髪処理剤に用いた時に、毛髪にコシを与え、柔軟性やなめらかさを与える等の優れたコンディショニング効果を付与できることが示されている。
特開2005−255982号公報 特開2004−018414号公報
しかし近年、コンディショニング剤やスキンケア剤には更に高いコンディショニング効果が求められている。特に毛髪用途においては、脱色、染毛等で傷んだ毛髪(以下、「ダメージ毛」と記す場合がある。)の場合、リンスなどで処理しただけでは十分なコンディショニング効果が得られず、トリートメントといった更に高濃度のものや、洗い流さないタイプのものなどを使用する必要があった。しかし逆にベタつきやすくなったり、消費者にとってコストが高くなったりする課題があり、リンスなど汎用のコンディショニング剤であっても十分なコンディショニング効果が得られることが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、例えば、従来のリンス等に配合することで、ダメージ毛に対しても、乾燥後のサラサラ感やしっとり感、すすぎ時のなめらかさなどを向上させるポリマーを提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題に鑑み鋭意検討した結果、アミド結合又は水酸基を含有する特定構造のビニル系単量体及びアニオン性単量体に相当する構成単位を特定比率で含むポリマーが優れたコンディショニング効果を与えることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の要旨は、少なくとも、アニオン性ポリマーを含有する毛髪化粧料であって、前記アニオン性ポリマーが、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるビニル系単量体(A)に相当する構成単位、及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分と、ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%であり、且つ、ビニル系単量体(A)のうち50〜100質量%は一般式(1)で表されるビニル系単量体であることを特徴とする毛髪化粧料に存する。
CH2=C(R1)−CO−NR23 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は以上4以下である。但し、R 及びR の少なくとも一方は水酸基を有するアルキル基である。
CH2=C(R4)−COO−(CH2)a−(CHOH)b−OH (2)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
CH2=C(R5)−COO−(CH2)c−CH(OH)−(CH2)d−CH3 (3)
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。)
ビニル系単量体(A)の100質量%は一般式(1)で表されるビニル系単量体であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるビニル系単量体はN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドであることが好ましい。
また、アニオン性単量体(B)が、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有することが好ましい。より好ましくはアニオン性単量体(B)が一般式(4)又は(5)で表される。
CH2=C(R6)−COOX1 (4)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
CH2=C(R7)−COO−(CH2)e−OCO−Y−COOX2 (5)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、Xは水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
本発明の毛髪化粧料、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感やしっとり感等が向上し、優れたコンディショニング効果を与える利点がある。
かでも、ダメージ毛に使用した際にはゴワツキを抑制する効果が高い。このためトリートメントといった更に高濃度のものや、洗い流さないタイプのものなどを使用する必要がなく、ベタつきにくく、ダメージ毛と未処理毛の両方に優れたコンディショニング効果を与える。かつコスト面でも有利である
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明の濃度や粘度は特に述べない限り、25℃におけるものを示している。
本発明のポリマーは、アミド結合又は水酸基を含有する特定構造のビニル系単量体(A)に相当する構成単位、及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分とするアニオン性ポリマーであり、ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%である。
ここでアニオン性ポリマーとは、カチオン性基を有してもよいが全体としてアニオン性基の数がカチオン性基の数より勝っているポリマーのことである。カチオン性基はアニオン性基の効果を相殺してしまうため、アニオン性基の効果が十分に機能するためには、カチオン性基の数はできるだけ少ない方が好ましい。
また主成分とは、単量体(A)と(B)に相当する単位以外の構成単位も本発明の効果を阻害しない範囲で含むことができるが、単量体(A)と(B)に相当する単位の合計量がポリマーの全重量に対して少なくとも60質量%以上であることを言う。
好ましくはポリマーの全重量に対して単量体(A)と(B)に相当する単位を70質量%以上含み、更に好ましくは80質量%以上含む。
このポリマーは、化粧料等に配合することで、優れたコンディショニング効果を発揮するもので、これを含有する化粧料は、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性といった優れた効果を与える。
ポリマー中、ビニル系単量体(A)に相当する構成単位はアミド結合又は水酸基を有しており、これらに由来する親水性によりポリマーに親水性を付与する効果がある。これにより肌や毛髪、特にダメージ毛などに対する親和性が高くなり、肌や毛髪へのポリマーの吸着力を高め、更にはサラサラ感、しっとり感を与えるものと考えられる。
ポリマー全重量中の、ビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合は、50〜99質量%とする。50質量%未満では肌や毛髪への吸着力が劣り、サラサラ感、しっとり感が向上しない。好ましくは60質量%以上とし、より好ましくは65質量%以上とし、更に好ましくは70質量%以上とし、特に好ましくは75質量%以上とすることで、肌や毛髪への吸着力がより高まり、サラサラ感、しっとり感がより高まる。
ただしビニル系単量体(A)に相当する構成単位の割合が99質量%を超えるとアニオン性単量体(B)に相当する構成単位が少なすぎ、すすぎ時の良好ななめらかさが得られない。好ましくは96質量%以下とし、より好ましくは92質量%以下とし、更に好ましくは85質量%以下とすることで、すすぎ時のなめらかさが向上する。
ポリマー中、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位は、化粧料組成物中で通常併用される界面活性剤、特にカチオン界面活性剤とコンプレックス(複合体)を形成し易い。こうして形成されたコンプレックスが毛髪に付着し毛髪を均一に被覆することで、肌や毛髪になめらかさやサラサラ感、しっとり感を与えやすくなる。
ポリマー全重量中の、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合は、1〜50質量%とする。1質量%未満では少なすぎ、すすぎ時の良好ななめらかさが得られない。好ましくは4質量%以上とし、より好ましくは8質量%以上とし、更に好ましくは15質量%以上とすることで、すすぎ時のなめらかさが向上する。
ただしアニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が50質量%を超えると、化粧料が良性のゲル状物を形成せず粘度が低下し液状になったり、すすぎ時のなめらかさが損なわれたり、乾燥後にゴワツキを与えたりする場合がある。好ましくは40質量%以下とし、より好ましくは35質量%以下とし、更に好ましくは30質量%以下とし、特に好ましくは25質量%以下とすることで、化粧料組成物の均一性がより高くなる。
本発明のアニオン性ポリマーは、通常、それぞれの構成単位に相当する構造のビニル系単量体(A)及びアニオン性単量体(B)を、相当する質量分率で重合させることにより得られる。
ビニル系単量体(A)としては、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるものを用いる。
CH2=C(R1)−CO−NR23 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子
、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
CH2=C(R4)−COO−(CH2)a−(CHOH)b−OH (2)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
CH2=C(R5)−COO−(CH2)c−CH(OH)−(CH2)d−CH3 (3)
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。)
ここで、R1は水素原子が好ましい。R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は
炭素数1〜3の水酸基を有していてもよいアルキル基が好ましい。炭素数1〜3の水酸基を有していてもよいアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。R2とR3の炭素数の和は2以上4以下が好ましく、最も好ましくは2である。aは1〜3の整数が好ましく、最も好ましくは2である。bは好ましくは1である。
一般式(1)で表されるビニル系単量体としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアクリルアミド類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類;が挙げられる(ここで「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを表す)。
なかでも乾燥後のサラサラ感が高いことやゴワツキ感の無さ、及び肌や毛髪への親和性が高いことから、好ましくはN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドである。
一般式(2)で表されるビニル系単量体としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。なかでも乾燥後のサラサラ感が高いことやゴワツキ感の無さ、及び肌や毛髪への親和性が高いことから、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
一般式(3)で表されるビニル系単量体としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。なかでも乾燥後のサラサラ感が高いことやゴワツキ感の無さ、及び肌や毛髪への親和性が高いことから、好ましくは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
アミド結合を有すると毛髪等への吸着が促進され洗浄後の髪のサラサラ感が高くゴワツキ感が低減されるので、ビニル系単量体(A)としては、一般式(1)で表されるビニル系単量体を含むのが好ましい。
好ましくは、ビニル系単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表されるビニル系単量体に相当する構成単位の割合を50〜100質量%とする。即ちビニル系単量体(A)の50質量%以上を一般式(1)で表されるビニル系単量体とすることで、高い毛髪親和性が得られる。より好ましくは80〜100質量%とし、更に好ましくは90〜100質量%とし、最も好ましくは100質量%とする。
また、一般式(1)のR2とR3の炭素数の和が2以上4以下であるものが好ましい。例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、又はN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドである。なかでも好ましくはR2とR3の炭素数の和は2である。例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド又はN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドであり、最も好ましくは、水酸基を有しているため親水性が高くダメージ毛との親和性に優れていることからN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドである。
なお、ビニル系単量体は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよく、一般式(1)〜(3)で表されるものを併用してもよい。
本発明においてビニル系単量体とはビニル重合しうる単量体である。ビニル系単量体(A)は、通常、親水性のノニオン性ビニル系単量体である。これは水溶性であり、且つイオン性の基を有さないものである。ここでいう水溶性とは100gの水に対して10g以上均一に溶解するものをいう。
次に、本発明においてアニオン性単量体(B)とは、アニオン性基を1以上有し、カチオン性基を有しないか又はアニオン性基の数より少ないカチオン性基を有するビニル系単量体である。アニオン性基は酸の形でも塩の形でもよく、塩の形にするのは重合前でも重合後でもよい。
有しうるアニオン性基は特に限定されないが、好ましくはカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有する。これら官能基は酸の形でも塩の形でもよい。これらの官能基は、化粧料中で通常併用されるカチオン界面活性剤と適度に相互作用することができるため好ましく、また人体への安全性の面からも好ましい。より好ましくはカルボン酸基又はスルホン酸基を有し、特に好ましくはカルボン酸基を有する。
カルボン酸基を有するアニオン性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸単量体が挙げられる。スルホン基を有するアニオン性単量体としては、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アニオン性単量体(B)としては、なかでも下記一般式(4)又は(5)で表されるものが好ましい。
CH2=C(R6)−COOX1 (4)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
CH2=C(R7)−COO−(CH2)e−OCO−Y−COOX2 (5)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、Xは水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。1価の金属イオンとしてはアルカリ金属イオンが挙げられ、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等である。
アンモニウムイオンは置換基を有してもよいが、置換基として好ましくは、水酸基を有していてもよい、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基である。例えば、アンモニウムイオンの他、1〜3級アミンの4級化物などが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミンの4級化物や、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン、アミノメチルプロパノール等の1級アミンの4級化物等がある。
なかでも4級アンモニウムイオンが好ましく、上記置換基を3つ有するアンモニウムイオンがより好ましい。
はX1と同様である。
Yは置換基を有してもよいフェニル基を表す。置換基として好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基である。最も好ましくはYが置換基を有さないフェニル基である。
eは1〜3の整数が好ましく、最も好ましくは2である。
一般式(4)で表されるものとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウムなどが挙げられる。
一般式(5)で表されるものとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチルテレフタレート、(メタ)アクリル酸プロピルテレフタレートなどが挙げられる。
すすぎ時のなめらかさが高まる点で、アニオン性単量体(B)としては、一般式(5)で表される単量体を含むのが好ましい。
なお、アニオン性単量体(B)は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよく、一般式(4)及び(5)で表されるものを併用してもよい。
本発明のポリマー中には、本発明の効果を著しく損なわない限り、上記単量体(A)及び(B)以外の他の単量体に由来する構造単位を含有させてもよい。
他の単量体としては、例えば、ノニオン性単量体、両性単量体、半極性単量体、カチオン性単量体などの他、ポリシロキサン基含有単量体も用いうる。但しこれら他の単量体には単量体(A)及び(B)は含まないものとする。
他の単量体に由来する構造単位の含有量は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜定めることができる。例えば、ポリマーの肌や毛髪への親和性や、毛髪化粧料に用いる場合にはコンディショニング効果等を阻害しない範囲で適宜定めることができる。したがって、共重合体中の40質量%以下とする。好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
但し、本発明のアニオン性ポリマーにカチオン性の官能基が存在すると前述のカチオン性界面活性剤とのコンプレックス形成の障害となる場合があるので、カチオン性の官能基は少ないことが好ましく(例えば、全官能基の10モル%以下)、これを実質的に含まないことが更に好ましい。
以下に、他の単量体について例示するが、これに限定されるものではない。
ノニオン性単量体としては、例えば、炭素原子数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素原子数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、更にはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリンなどが挙げられ、両性単量体としては例えば、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、半極性単量体としては、例えば、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、カチオン性単量体としては、例えば、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルエステル、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。但し、単量体(A)及び(B)に含まれるものは除く。
ポリシロキサン基含有単量体は、ポリシロキサン構造を有し、ポリマーに共有結合で連結できる構造を有する化合物である。このような構成単位は、化粧料組成物中で通常併用されるシリコーン油との親和性が高く、ポリマー中の他の構成単位とシリコーン油とを結びつける働きをし、肌や毛髪、特にダメージ毛などに対してシリコーン油の吸着力を高める働きがあると考えられる。但し本発明のポリマーの効果を損なわないため、ポリシロキサン基含有単量体を共重合成分として用いる場合にはポリマー中に40質量%以下とし、好ましくは30質量%以下とし、更に好ましくは20質量%以下とする。
ポリシロキサン構造とは下記の繰り返し構造単位が2以上連結された構造である。
−(SiR910−O)−
(式中、R及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
ポリマーに共有結合で連結できる構造とは、例えば、(メタ)アクリルエステルや(メタ)アクリルアミド等のビニル構造を有し他の単量体と共重合できる構造や、チオールなどの官能基を有し重合中の連鎖移動によりポリマーに連結できる構造、又は、イソシアネート基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基などを有しポリマーの官能基と反応して連結できる構造などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一つのポリシロキサン基含有単量体に、これら連結可能な構造を複数個有してもよい。
ポリマー中においては、ポリシロキサン構造は主鎖にグラフト構造で連結されていてもよく、また逆にポリシロキサン構造を主鎖とし他の構造がグラフト構造で連結さされていてもよく、さらには、ポリシロキサン構造と他の構造とがブロック構造で直鎖状に連結されていてもよい。
ポリシロキサン基含有単量体としては、なかでも下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
CH=C(R8)−Z−(SiR910−O)n−R11 (6)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表し、R11は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは2価の連結基又は直接結合を表し、nは2〜200の整数を表す。)
より好ましくはnは3以上であり、更に好ましくはnは5以上である。nがこれより大きいほどシリコーン油との親和性が向上する。また、nは50以下であるのがより好ましい。これより小さいほど他の単量体との共重合性が向上する。
Zは2価の連結基又は直接結合を表すが、なかでも以下に挙げられる構造の1つ又は2つ以上の組合せからなる構造が好ましい。組合せる個数は特に限定されないが、通常、5つ以下である。また、以下の構造の向き(どちらの端がポリシロキサン基側か)は任意である。なお、Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。
−COO−R−
−CONH−R−
−O−R−
−R−
一般式(6)で表されるポリシロキサン基含有単量体としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、α−(ビニルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α−(ビニルベンジルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−(ビニルベンジル)ポリメチルフェニルシロキサン、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリメチルフェニルシロキサン、α−(メタクリロイルアミノプロピル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。ポリシロキサン基含有単量体は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
市販品も用いることができる。例えば、α−(メタクリロイルオキシプロピル)ポリジメチルシロキサンとしてはサイラプレーン(チッソ株式会社)が入手可能であり、サイラプレーンFM0711(分子量1000)、サイラプレーンFM0721(分子量5000)、サイラプレーンFM0722(分子量10000)などがある。
共重合体中の単量体(A)及び(B)、及びその他ビニル系単量体に相当するそれぞれの構成単位の含有量は、カルボニル基、アミド結合、ポリシロキサン構造や各種官能基などのIR吸収や、ポリジメチルシロキサンのメチル基やアミド結合部位及びそれらに隣接するメチル基、メチレン基などの1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により
測定することができる。
本発明に係るポリマーは、例えば、それぞれの構成単位を与える単量体又はその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてポリシロキサン構造の付加、縮合反応等を行うことにより製造することができる。
また、アニオン性単量体(B)の対イオンは、重合する前に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えて重合に供することもでき、或いは、重合やその他の反応の後に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えることもできる。これらはその合成のし易さにより適宜選択して行うことができる。
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでもアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、又はそのレドックス系など、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全単量体に対して、0.01〜5質量%の範囲で用いることが好ましい。
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃で通常1〜30時間行うことができる。重合終了後は、生成したポリマーを、溶媒留去、貧溶媒の添加など適宜の手段で反応液から単離するとよい。このポリマーはそのまま、又は更に精製して、例えば化粧料の製造に用いることができる。精製は再沈澱、溶媒洗浄、膜分離など、適宜の手段を必要に応じて組み合わせて行うことができる。
本発明のポリマーの重量平均分子量は、それぞれ3,000〜1,000,000が好ましい。重量平均分子量を3,000以上とすることにより、カチオン界面活性剤とのコンプレックスが毛髪や肌に付着することによるコンディショニング効果がより高まる。より好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは10,000以上である。重量平均分子量を、通常、1,000,000以下とし、好ましくは400,000以下とすることにより、乾燥後の感触をより高めることができる。より好ましくは200,000以下であり、更に好ましくは100,000であり、最も好ましくは50,000以下である。
ポリマーの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(例えば、展開溶媒として、水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウムを用いる)により測定することができる。
ポリマーの分子量の調整は、例えば、ポリマーの重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量及び粘度が制御できる。但し架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造する上では制御が困難な面がある。このため架橋剤は含まないことが最も好ましい。
本発明のアニオン性ポリマーは、特にリンスやコンディショナーなどの毛髪化粧料に所要量配合することにより、優れたコンディショニング効果を与えることができる利点がある。毛髪化粧料の他の成分は特に限定されず、本発明の目的、効果を阻害しない範囲で配合することができる。
毛髪化粧料の他の成分としては、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、本発明のアニオン性ポリマー以外のアニオン性ポリマー、水溶性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、両性ポリマー、油分、パール化剤、pH調整剤等が挙げられる。
例えばコンディショナー等に用いる場合は、上記方法で得られたアニオン性ポリマーをカチオン界面活性剤、高級アルコール、シリコーン油、水と配合することにより調製することができる。この場合アニオン性ポリマーの濃度は0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。カチオン界面活性剤の濃度は0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。高級アルコールの濃度は0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。シリコーン油の濃度は0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。水は50〜99.6質量%含有することが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定されるものではない。
[ポリマーの製造]
(ポリマー(1)の製造)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアクリルアミド80質量部、アクリル酸20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、ポリマー(1)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は28,000であった。
なお重量平均分子量の測定は次のように行った。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として重量平均分子量を求めた。
(ポリマー(2)〜(11)、(14)の製造)
表1(ポリマー(2)〜(11)、(14))に記載の単量体を用いたこと以外は、ポリマー(1)の製造と同様にしてポリマー(2)〜(11)、(14)を製造した。得られたポリマーの重量平均分子量を表−1に示した。
(ポリマー(12)の製造)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアミノエチルメタクリレート40.4質量部、ジメチルアクリルアミド20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち60℃まで冷却した。反応溶液に硫酸ジエチル39.6質量部を1時間かけて滴下したのち4時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、ポリマー(12)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量を表−1に示した。
(ポリマー(13)の製造)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器に蒸留水100質量部を仕込み、滴下ロートにアクリル酸40質量部、ジメチルアクリルアミド60質量部、及び蒸留水50質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち90℃まで加熱した。反応器に、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(VA−086;和光純薬工業(株)製)0.6質量部を投入後、単量体混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後から15時間反応させたのち室温まで冷却し、ポリマー(13)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量を表−1に示した。
Figure 0005167601
[毛髪化粧料の調製]
上記の方法によって得られたポリマー(1)〜(14)を用いて、下記組成のコンディショナーを調製した。ただし、アニオン性ポリマーは使用する前に水酸化ナトリウムで中和してから30%エタノール溶液として使用した。数値は全て活性成分の質量(質量部)である。アニオン性ポリマーの質量は水酸化ナトリウムにより中和された構造での質量である。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 2質量部
セチルアルコール 2質量部
ステアリルアルコール 2質量部
ポリマー(1)〜(14) 0.5質量部
シリコーン油 2質量部
蒸留水 91.5質量部
調製手順としては、まず、シリコーン油以外の成分を耐圧瓶に秤量し80℃の温水浴に浸し攪拌し、均一になったことを確認し60℃まで冷却し30分保持した。次いでシリコーン油を添加し攪拌した後、室温まで空冷した。シリコーン油としてはシリコーンエマルションBY22−029(東レダウコーニング社製、50質量%水溶液)を使用した。
[毛髪化粧料の評価]
このように調製したコンディショナーを用いて配合性を評価した。
また、ダメージ毛について、それぞれすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のしっとり感を評価した。これら評価はポリマーを含まない組成を比較標準品として評価した。これらの結果を表−2に示す。
(1)配合性
各コンディショナー組成物の均一性を以下のように3段階で評価した。
0 : 分離せずに均一なゲル状物が得られる。
−1: 分離はしないがゲル状物を形成していない。
−2: 分離し不均一な液状物。
(2)すすぎ時のなめらかさ
評価用の毛束として、人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛、10g×30cm、(株)ビューラックス社)を用い、これをブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。即ちこの毛束1本に、ブリーチ剤として、(株)ミルボン製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)を12g及び(株)メロス化学製パウダーブリーチMR2を6g混合したものを塗布し、30分放置したのち水洗しラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)で洗浄し、ダメージ毛の毛束とした。
この毛束を、ラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム10質量部、ラウラミドプロピルベタイン5質量部及び蒸留水85質量部からなるシャンプーで洗浄した。
次いで上記の各コンディショナーを塗布した後、40℃の流水中で毛束をすすいだときの指通りのなめらかさ及びそのなめらかさの持続具合を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性共に優れる
+1: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性のどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
(3)乾燥後のサラサラ感
すすぎ時のなめらかさ評価後の毛束を、23℃、60%RHの恒温室にて一晩乾燥させた後に、毛束のサラサラ感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてサラサラ感が著しく優れる
+1: 比較標準品に比べてサラサラ感が優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
(4)乾燥後のしっとり感
乾燥後のサラサラ感を評価した毛束にて、乾燥後のしっとり感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べて柔軟性を感じ、ほとんどゴワツキを感じない
+1: 比較標準品に比べて柔軟性、ゴワツキの無さのどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて柔軟性がなくゴワツキを感じる
Figure 0005167601
<結果の評価>
1)総合的に評価すると、実施例1が好ましい。
2)比較例1は、疎水性単量体を主成分として有しており、親水性単量体(A)に相当する単位も有していない。そのため、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後のしっとり感が劣っている。
3)比較例2は、アニオン性単量体(B)に相当する単位を有さず、親水性単量体(A)に相当する単位が99質量%を超えている。そのためすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の感触が向上していない。
4)比較例3は、アニオン性単量体(B)に相当する単位が50質量%を超えている。そのため、配合性が悪く、また、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の感触が劣る。
5)比較例4は、アニオン性単量体(B)に相当する単位を有していない。そのため、乾燥後のサラサラ感が劣る。
本発明のポリマーは、例えば毛髪化粧料に用いた場合、この毛髪化粧料で処理された毛髪にすすぎ時の良好ななめらかさ、乾燥後のサラサラ感及びしっとり感等のコンディショニング効果を与え、本発明の工業的価値は顕著である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、アニオン性ポリマーを含有する毛髪化粧料であって、前記アニオン性ポリマーが、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるビニル系単量体(A)に相当する構成単位、及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分と、 ポリマーの全重量に対して、単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%であり、且つ、ビニル系単量体(A)のうち50〜100質量%は一般式(1)で表されるビニル系単量体であることを特徴とする毛髪化粧料。
    CH2=C(R1)−CO−NR23 (1)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数2〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は2以上4以下である。
    但し、R及びRの少なくとも一方は水酸基を有するアルキル基である。)
    CH2=C(R4)−COO−(CH2)a−(CHOH)b−OH (2)
    (式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
    CH2=C(R5)−COO−(CH2)c−CH(OH)−(CH2)d−CH3 (3)
    (式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。)
  2. ビニル系単量体(A)の100質量%は一般式(1)で表されるビニル系単量体である請求項1に記載の毛髪用化粧料。
  3. 一般式(1)で表されるビニル系単量体がN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドである請求項1又は2に記載の毛髪用化粧料。
  4. アニオン性単量体(B)が、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
  5. アニオン性単量体(B)が一般式(4)又は(5)で表される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
    CH2=C(R6)−COOX1 (4)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
    CH2=C(R7)−COO−(CH2)e−OCO−Y−COOX2 (5)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、Xは水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
  6. 前記アニオン性ポリマーの重量平均分子量が3,000〜400,000であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
JP2006192073A 2005-11-18 2006-07-12 毛髪化粧料 Expired - Fee Related JP5167601B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006192073A JP5167601B2 (ja) 2005-11-18 2006-07-12 毛髪化粧料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005334967 2005-11-18
JP2005334967 2005-11-18
JP2006192073A JP5167601B2 (ja) 2005-11-18 2006-07-12 毛髪化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007161986A JP2007161986A (ja) 2007-06-28
JP5167601B2 true JP5167601B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=38245254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006192073A Expired - Fee Related JP5167601B2 (ja) 2005-11-18 2006-07-12 毛髪化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5167601B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5804665B2 (ja) * 2008-04-04 2015-11-04 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5509533B2 (ja) * 2008-04-04 2014-06-04 ライオン株式会社 毛髪洗浄剤及び洗浄剤製品
JP5446200B2 (ja) * 2008-10-07 2014-03-19 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5459218B2 (ja) 2008-10-07 2014-04-02 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5556005B2 (ja) * 2008-11-27 2014-07-23 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5515514B2 (ja) * 2009-08-25 2014-06-11 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5515517B2 (ja) * 2009-08-27 2014-06-11 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5900326B2 (ja) * 2010-04-06 2016-04-06 ライオン株式会社 毛髪化粧料
JP5998445B2 (ja) 2010-10-22 2016-09-28 三菱化学株式会社 毛髪化粧料
MX2014012590A (es) * 2012-04-20 2014-11-21 Procter & Gamble Composicion cosmetica y agente acondicionador.
JP6167635B2 (ja) * 2012-04-20 2017-07-26 三菱ケミカル株式会社 共重合体、化粧料組成物及びコンディショニング剤

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4829137B1 (ja) * 1968-07-10 1973-09-07
CA981183A (en) * 1972-04-14 1976-01-06 Albert L. Micchelli Hair fixing compositions
AT364707B (de) * 1976-04-06 1981-11-10 Oreeal L Kosmetisches mittel zur behandlung der haare oder der naegel
JPS602918B2 (ja) * 1981-04-15 1985-01-24 株式会社片山化学工業研究所 スケ−ル防止剤
JP2759171B2 (ja) * 1988-04-18 1998-05-28 株式会社カンペハピオ 芳香防臭剤ゲル組成物
JPH0397999A (ja) * 1989-09-11 1991-04-23 Sanei:Kk 消臭機能性ウェットティッシュ組成物
JP2000119343A (ja) * 1998-10-13 2000-04-25 Nippon Shokubai Co Ltd N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法
JP2003048907A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Toyo Ink Mfg Co Ltd 架橋性(メタ)アクリルアミド系共重合体溶液の製造方法
JP2006199664A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Goo Chemical Co Ltd 毛髪化粧料用基剤及び毛髪化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007161986A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167601B2 (ja) 毛髪化粧料
JP4736741B2 (ja) 化粧料組成物
JP5245397B2 (ja) ブロックポリマー及びその製造方法と、このブロックポリマーを含有した化粧料組成物
KR101284386B1 (ko) 공중합체 및 이것을 이용한 세정제 조성물
JP5042652B2 (ja) 毛髪化粧料
JP5998445B2 (ja) 毛髪化粧料
JP5747519B2 (ja) ブロックポリマー
JP4941628B2 (ja) 液体洗浄剤組成物
US8236911B2 (en) Water-soluble resin, hair cosmetic material containing the same, and silicone oil adsorption assistant
JP5262376B2 (ja) シリコーン含有ブロックポリマーと、このシリコーン含有ブロックポリマーを含む化粧料組成物
JP5022722B2 (ja) 化粧料
JP2008189583A (ja) 洗浄用組成物
JP5168841B2 (ja) 毛髪洗浄剤組成物
JP4952120B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5900326B2 (ja) 毛髪化粧料
JP2006335959A (ja) 洗浄剤組成物
JP4894240B2 (ja) ポリマー及び化粧料組成物
JP5509533B2 (ja) 毛髪洗浄剤及び洗浄剤製品
JP5239132B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP5168842B2 (ja) 毛髪洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090127

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20090127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5167601

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees