JP2000119343A - N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法 - Google Patents

N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法

Info

Publication number
JP2000119343A
JP2000119343A JP10290604A JP29060498A JP2000119343A JP 2000119343 A JP2000119343 A JP 2000119343A JP 10290604 A JP10290604 A JP 10290604A JP 29060498 A JP29060498 A JP 29060498A JP 2000119343 A JP2000119343 A JP 2000119343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
isopropyl
acrylamide
polymer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10290604A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Nanba
多加志 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP10290604A priority Critical patent/JP2000119343A/ja
Publication of JP2000119343A publication Critical patent/JP2000119343A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広い範囲で曇点の制御され、pHや電位、
塩濃度などへの感受性を有するN−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド単位含有重合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基
もしくはヒドロキシアルキル基である。)で示されるN
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド構造単位と、シ
ステアミン構造単位またはその中和塩とを含んでなるN
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド単位含有重合体およびその製法
に関する。更に詳しくは、システアミンを構造単位とし
て有するN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド単位
含有重合体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ドの単独重合体は、ある温度以上では水に不溶になる臨
界温度(Lowest Critical Solution Temperature、以
下、LCST、或いは曇点ということがある)を有する
ことが知られており、この臨界温度を利用した医療、医
薬、農薬、水処理剤、塗料、粘着剤などの分野での応用
が期待されている。
【0003】しかしながら、前記単独重合体の曇点が必
ずしも当該用途で最適でない事から、適用範囲は限られ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、曇点の制御
が容易でかつ、pH、電位、塩濃度などへの感受性;吸
着能等物性を有するN−イソプロピル(メタ)アクリル
アミド構造単位含有重合体およびその製法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1):
【0006】
【化5】
【0007】(式中、 R1は水素、または炭素数1〜4
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。)
で示されるN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド構
造単位(A)と、下記一般式(2):
【0008】
【化6】
【0009】で示されるシステアミン構造単位(B)と
を含んでなるN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド
重合体に関する。
【0010】また本発明の他の発明は、N−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド単量体を含んでなるエチレン
性不飽和単量体組成物を、システアミンの存在下に重合
することを特徴とする前記N−イソプロピル(メタ)ア
クリルアミド単位含有重合体の製法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のN−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド重合体は、前記一般式(1)で示さ
れるN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド構造単位
(A)と、前記一般式(2)で示されるシステアミン構
造単位(B)またはその中和塩とを含んでなる重合体で
ある。
【0012】前記N−イソプロピル(メタ)アクリルア
ミド重合体は、下記一般式(3):
【0013】
【化7】
【0014】(式中、 R1は水素、または炭素数1〜4
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、X
は、NH基またはC=O基であり、R2およびR3は炭素
数1〜4のアルキル基である。)で示される構造単位
(C)またはその中和塩をさらに含んでいることが、N
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド単位由来の機能
(吸着能など)を保持したままで、pH、電位、塩濃度
などへの感受性を重合体に付与し、更により高い曇点を
有する共重合体を得られる点で好ましい。
【0015】また前記N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド重合体は、下記一般式(4):
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R1は水素、または炭素数1〜4
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R
4及びR5は、少なくともその何れか一方はカルボキシル
基またはその中和塩であり、互いに結合して酸無水物を
形成していても良い。Qは水素又はアルカリ金属、アン
モニウムである。)で示される構造単位(D)をさらに
含んでいることが、N−イソプロピル(メタ)アクリル
アミド単位由来の機能(吸着能など)を保持したまま
で、pH、電位、塩濃度などへの感受性を重合体に付与
し、更により低い曇点を有する共重合体を得られる点で
好ましい。
【0018】また前記N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド重合体は、下記一般式(5):
【0019】
【化9】
【0020】(式中、R1は水素、または炭素数1〜4
のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、Y
は直接結合或いは、−CH2−、フェニル基、−CH2
−CH(OH)CH2CH2−、または−NH−C(CH
32CH2−であり、Qは水素又はアルカリ金属、アン
モニウムである。)で示される構造単位(E)をさらに
含んでいてもよい。
【0021】前記一般式(1)〜(5)中のR1は、水
素、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ter−ブ
チル基等の炭素数1〜4のアルキル基もしくは該アルキ
ル基に対応するヒドロキシアルキル基である。
【0022】前記一般式(1)〜(5)中のR2、R
3は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル
基等の炭素数1〜4のアルキル基である。
【0023】本発明のN−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド重合体の製法としては、例えば、N−イソプロ
ピル(メタ)アクリルアミド単量体を含んでなるエチレ
ン性不飽和単量体組成物を、システアミンまたはその中
和塩の存在下に重合することにより簡便に効率良く製造
できる。
【0024】前記エチレン性不飽和単量体組成物は、N
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド単量体を含むも
のれば特に制限はなく、N−イソプロピル(メタ)アク
リルアミドに加え、ラジカル重合が可能なエチレン性不
飽和基を分子内に有する共重合単量体を任意に選択する
ことが出来る。
【0025】前記共重合単量体としては、例えば、アニ
オン性単量体として、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体やその塩並
びに無水物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
ヒドロキシアロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸
基含有単量体やその塩;カチオン性単量体としては、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン等や
その中和塩を挙げることが出来、これらの1種又は2種
以上を用いることが出来る。
【0026】その他共重合可能な単量体としては、例え
ばエチレン、プロピレン、ブテン、スチレン等の不飽和
炭化水素類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アク
リルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソブ
チル(メタ)アクリルアミド等の置換、または無置換の
(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル類;酢酸ビニル;N−ビニル−2−ピロリジノ
ン、N−ビニル−カプロラクタム等のN−ビニルラクタ
ム化合物;N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニル−5
−メチルオキサゾリドン等のオキサゾリドン環含有化合
物;イソプロペニルオキサゾリン等のオキサゾリン環含
有化合物;N−ビニルカルバゾール等のフューズドヘテ
ロ環含有化合物を挙げることが出来、これらの1種又は
2種以上を用いることが出来る。
【0027】前記構造単位(C)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体の製造方法としては、
例えばN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドとジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン等やそ
の中和塩とをラジカル共重合することにより得ることが
出来る。また、アミノ基が未中和の状態で先ずラジカル
共重合し、更に得られる共重合体を中和しても良い。
【0028】前記構造単位(C)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体中のN−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド単位の含有量は、25モル%以
上が好ましく、60モル%以上が更に好ましい。N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミド単位の含有量が25
モル%よりも少ない場合には、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド単位に由来する機能が著しく損なわ
れる事がある。
【0029】前記構造単位(D)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体の製造方法としては、
例えばN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドと(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシ
ル基含有単量体やその塩並びに無水物とをラジカル共重
合することにより得ることが出来る。また、未中和の酸
あるいは酸無水物の状態で先ずラジカル共重合し、更に
得られる共重合体を中和しても良い。
【0030】前記構造単位(D)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体中のN−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド単位の含有量は、25モル%以
上が好ましく、60モル%以上が更に好ましい。N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミド単位の含有量が25
モル%よりも少ない場合には、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド単位に由来する機能が著しく損なわ
れる事がある。
【0031】前記構造単位(E)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体の製造方法としては、
例えばN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドと2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ヒドロキシアロキ
シプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体とを
ラジカル共重合することにより得ることが出来る。ま
た、未中和の酸の状態で先ずラジカル共重合し、更に得
られる共重合体を中和しても良い。
【0032】前記構造単位(E)を含むN−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド重合体中のN−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド単位の含有量は、25モル%以
上が好ましく、60モル%以上が更に好ましい。N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミド単位の含有量が25
モル%よりも少ない場合には、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド単位に由来する機能が著しく損なわ
れる事がある。
【0033】本発明の製法に用いられるシステアミンま
たはその中和塩の使用量は、(エチレン性不飽和基):
(システアミン単位)のモル比が1000:1〜5:1
であるのが好ましく、さらには、500:1〜10:1
が好ましい。1000:1よりもシステアミンが少ない
場合、分子量の制御が困難になったり、通常のラジカル
重合のみで成長する分子の割合が著しく増大し、システ
アミン由来の切片を分子鎖末端に有する分子の割合が少
なくなり、所望の曇点やpH感受性を有する重合体が得
られなかったり、反応途中にシステアミンがほとんど消
費されてしまうために、低分子量の重合体と高分子量の
重合体の2種類の分子量分布を持つ重合体が得られるこ
とがある。一方、5:1より多い場合には、全く重合体
が得られなかったり、重合体が得られても、未反応のモ
ノマーが大量に残存することがある。
【0034】前記エチレン性不飽和単量体組成物の重合
は、熱、重合開始剤、放射線などにより実施することが
可能である。重合開始剤としては、過酸化水素、メチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート、ジ
t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパー
オキシマレイン酸等の過酸化物、アゾビスイソブチロニ
トリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カ
ルボニトリル)1−[(1−シアノ−1−メチルエチ
ル)アゾ]ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メト
キシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル、2,2’−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ
化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩等挙げることができ、これらの1種または2種以
上を用いることができる。また、過硫酸塩や過酸化物な
どの酸化剤と亜硫酸ナトリウムやL−アスコルビン酸、
塩化第一鉄、ロンガリット等の還元剤とによるレドック
ス系開始剤も用いることが出来る。更に、熱や紫外線、
電子線等の放射線と重合開始剤とを併用しても良い。
【0035】前記エチレン性不飽和単量体組成物の重合
に重合開始剤を用いる場合の開始剤量は、0.001〜
5重量%が好ましい。0.001重量%より少ない場合
には、重合が全く進行しない場合がある。一方、5重量
%より多い場合には、反応が激しくなり、反応系の温度
制御が困難となる場合がある他、通常のラジカル重合の
みで成長する分子の割合が著しく増大し、システアミン
を分子鎖末端に有する分子の割合が少なくなる場合があ
る。
【0036】本発明におけるエチレン性不飽和単量体組
成物の重合は、無溶媒でも、溶媒を用いても実施可能で
ある。使用される溶媒も、単量体組成物及びシステアミ
ンまたはその中和塩、重合開始剤等を溶解するものであ
れば特に制限はなく、水;食塩水、海水等の水溶液;ヘ
キサン等の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン等の脂環
系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール;エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリ
セリン等の多価アルコール;メトキシエチレングリコー
ル、ブトキシエチレングリコール、メトキシプロピレン
グリコール等のアルコキシアルキレングリコール;ジエ
チルエーテル等のエーテル;ジオキサン等の環状エーテ
ル;酢酸ブチル等のエステル;メチルイソブチルケトン
等のケトン;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;
ジメチルホルムアミド等のアミド;2−メチルピロリド
ン等のラクタム;クロロホルム、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン等の含ハロゲン系有機溶媒等を挙げることが
でき、これらの1種又は2種以上を用いることができ
る。中でも、水及び水を含む混合溶媒を使用すると、シ
ステアミンやその中和塩の溶解性が良好であり、反応系
の均一性を維持しやすい点で好ましい。
【0037】前記単量体組成物の濃度も、反応温度の制
御が可能で且つ経済的に重合体を得られる範囲であれば
良く、具体的には5〜100重量%が好ましい。
【0038】また、反応温度も反応温度の制御が可能で
且つ効率的に重合体を得られる範囲であれば良く、具体
的には−10〜150℃が好ましい。但し、得られる共
重合体が曇点を有することから、重合溶媒として水を含
む溶媒系を選択した場合には、重合温度が曇点以上にな
った場合に重合物が塊状に析出し、系の攪拌や除熱が困
難になる場合があるため、得られる重合体の曇点以下に
重合温度を制御することが望ましい。重合温度が曇点以
上になる場合でも、分散剤等を添加することにより重合
物が塊状に析出しないようにすることもできる。
【0039】N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド
は、水への溶解度がある温度で最大値を示し、更に生成
する共重合体が曇点を有することから、反応溶媒として
水系の溶媒系を選択した場合には、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミドを含む単量体組成物及び重合体
が、反応中、溶解した状態を維持できる重合濃度及び重
合温度を維持することが好ましい。
【0040】上記の如き条件を選択する事により得られ
る本発明の共重合体の数平均分子量は、概ね200〜5
00,000の範囲、好ましくは300〜250,00
0、さらに好ましくは、500〜100,000の範囲
で分子量の制御が可能である。
【0041】本発明のN−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド単位含有(共)重合体は、幅広い範囲で曇点の
制御が可能であり、かつ分子内に解離性基を有すること
から、温度以外に、pHや電位、塩濃度などへの感受性
を有しており、医薬、農薬、水処理、塗料、粘着剤など
の分野で極めて有用である。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0043】<分子量及び分子量分布の測定法>重合体
の分子量は、溶離液として30ミリモル/Lの濃度で臭
化リチウムを溶解させたヂメチルホルムアミドを用いた
サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチ
レンを標準物質とした換算分子量として求めた。
【0044】<曇点の測定法>重合体の曇点は、重合体
の0.5重量%の水溶液又は人工海水溶液を容量10m
lの試験管に5ml入れ、これを水浴に入れて、水浴の
温度を30℃から毎分1℃の速度で92℃まで昇温し、
目視にて最初に濁りが確認された温度とした。
【0045】<実施例1>撹拌機、冷却器、温度計およ
び窒素導入管を備えた500ml4つ口フラスコに、N
−イソプロピルアクリルアミド((株)興人製)35.
15g、30重量%−ジメチルアミノエチルアクリレー
トの塩酸塩水溶液32.83g、75重量%−システア
ミン塩酸塩水溶液4.68g及びイオン交換水232.
02gを入れた。次に窒素導入管の先端を溶液中に漬
け、0.5L/分の流量で30分間窒素をバブリングす
ることによって系内の溶存酸素を追い出し、その後窒素
導入管の先端を液面より引き上げた。
【0046】次に、フラスコを31℃の水浴に漬け、フ
ラスコ内の溶液の温度を30℃にした。該溶液の温度が
30℃で安定した時点で、撹拌下に重合開始剤として、
10%−過硫酸ナトリウム水溶液0.2gを添加した。
30秒後に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−65)の10
重量%−水溶液0.2gを添加し、さらに30秒後に1
重量%−L−アスコルビン酸水溶液0.2gを添加し
た。
【0047】L−アスコルビン酸水溶液を添加して2分
後から重合反応に伴う発熱が観察され、さらに10分後
に重合ピーク(36℃)を迎えた。その後、水浴の温度
を42℃に上昇させ、2時間反応させた。
【0048】得られた水溶液の一部をアルミカップに取
り、100℃−15mmHgで5時間減圧乾燥すること
により、重合体(1)を得た。
【0049】重合体(1)の赤外吸収スペクトルにより
分析した結果を、図1に示す。その結果、1550cm
-1付近に、システアミン塩酸塩に由来する−NH3基の
吸収が観察される。また1642cm-1付近に、アミド
基に由来するの吸収が観察される。さらに、1733c
-1付近に、エステル基に由来する−NH3基の吸収が
観察される。以上の結果より、前記構造単位(A)、
(B)および(C)を有するN−イソプロピルアクリル
アミド共重合体が得られていることが確認された。
【0050】また、重合体(1)の数平均及び重量平均
分子量、並びに0.5重量%−イオン交換水溶液及び人
工海水溶液の曇点を表1に示した。
【0051】<実施例2>撹拌機、冷却器、温度計およ
び窒素導入管を備えた500ml4つ口フラスコに、N
−イソプロピルアクリルアミド((株)興人製)38.
82g、アクリル酸6.18g、75重量%−システア
ミン塩酸塩水溶液4.51g及びイオン交換水255.
00gを入れた。次に窒素導入管の先端を溶液中に漬
け、0.5L/分の流量で30分間窒素をバブリングす
ることによって系内の溶存酸素を追い出し、その後窒素
導入管の先端を液面より引き上げた。
【0052】次に、フラスコを31℃の水浴に漬け、フ
ラスコ内の溶液の温度を30℃にした。該溶液の温度が
30℃で安定した時点で、撹拌下に重合開始剤として、
10%−過硫酸ナトリウム水溶液0.2gを添加した。
30秒後に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−65)の10
重量%−水溶液0.2gを添加し、さらに30秒後に1
重量%−L−アスコルビン酸水溶液0.2gを添加し
た。
【0053】L−アスコルビン酸水溶液を添加した直後
に反応溶液が白濁し、30秒後から重合反応に伴う発熱
が観察され、さらに8分後に重合ピーク(36℃)を迎
えたが、その間、反応溶液の濁りが徐々に強くなった。
その後、水浴の温度を42℃に上昇させ、2時間反応さ
せた。
【0054】得られた水溶液の一部をアルミカップに取
り、100℃−15mmHgで5時間減圧乾燥すること
により、前記構造単位(A)、(B)および(D)を有
する重合体(2−1)N−イソプロピルアクリルアミド
共重合体(2−1)を得た。
【0055】得られた重合体(2−1)の数平均及び重
量平均分子量、並びに0.5重量%−イオン交換水溶液
及び人工海水溶液の曇点を表1に示した。
【0056】また、得られた反応溶液の乾燥物の一部を
固形分濃度が50%となるようにイオン交換水に溶解
し、1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、10
0℃−15mmHgで5時間減圧乾燥することにより、
重合体(2−1)の中和塩である重合体(2−2)を得
た。
【0057】得られた重合体(2−2)の数平均及び重
量平均分子量、並びに0.5重量%−イオン交換水溶液
及び人工海水溶液の曇点を表1に示した。
【0058】参考例 撹拌機、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた50
0ml4つ口フラスコに、N−イソプロピルアクリルア
ミド((株)興人製)75.00g及びイオン交換水4
25.00gを入れた。次に窒素導入管の先端を溶液中
に漬け、0.5L/分の流量で30分間窒素をバブリン
グすることによって系内の溶存酸素を追い出し、その後
窒素導入管の先端を液面より引き上げた。
【0059】次に、フラスコを31℃の水浴に漬け、フ
ラスコ内の溶液の温度を30℃にした。該溶液の温度が
30℃で安定した時点で、撹拌下に重合開始剤として、
10%−過硫酸ナトリウム水溶液0.2gを添加した。
30秒後に2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−65)の10
重量%−水溶液0.2gを添加し、さらに30秒後に1
重量%−L−アスコルビン酸水溶液0.2gを添加し
た。
【0060】L−アスコルビン酸水溶液を添加してから
約1秒後から重合反応に伴う発熱が観察され、暫くする
と系が白濁した。さらに8分後に重合ピーク(36℃)
を迎えたが、その間、反応溶液は濁ったままであった。
その後、水浴の温度を42℃に上昇させ、2時間反応さ
せた。
【0061】得られた水溶液の一部をアルミカップに取
り、100℃−15mmHgで5時間減圧乾燥すること
により、N−イソプロピルアクリルアミドの単独重合体
を得た。
【0062】得られた単独重合体の数平均分子量及び重
量平均分子量、並びに0.5重量%−イオン交換水溶液
及び人工海水溶液の曇点を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明のN−イソプロピル(メタ)アク
リルアミド単位含有重合体は、幅広い範囲で曇点の制御
が可能であり、かつ分子内に解離性基を有することか
ら、温度以外に、pHや電位、塩濃度などへの感受性を
有しており、医薬、農薬、水処理、塗料、粘着剤などの
分野で極めて有用である。
【0065】また本発明の製法を用いれば、N−イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド単量体を含んでなるエチ
レン性不飽和単量体組成物を、システアミンまたはその
中和塩の存在下に重合することにより、前記構造単位
(A)および(B)を有するN−イソプロピル(メタ)
アクリルアミド重合体が簡便に効率良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体(1)のFT−赤外
スペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基
    もしくはヒドロキシアルキル基である。)で示されるN
    −イソプロピル(メタ)アクリルアミド構造単位(A)
    と、下記一般式(2): 【化2】 で示されるシステアミン構造単位(B)またはその中和
    塩とを含んでなるN−イソプロピル(メタ)アクリルア
    ミド重合体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(3): 【化3】 (式中、 R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基
    もしくはヒドロキシアルキル基であり、Xは、NH基ま
    たはC=O基であり、R2およびR3は炭素数1〜4のア
    ルキル基である。)で示される構造単位(C)またはそ
    の中和塩をさらに含んでなる請求項1に記載のN−イソ
    プロピル(メタ)アクリルアミド重合体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(4): 【化4】 (式中、 R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基
    もしくはヒドロキシアルキル基であり、R4及びR5は、
    少なくともその何れか一方はカルボキシル基またはその
    中和塩であり、互いに結合して酸無水物を形成していて
    も良い。Qは水素又はアルカリ金属、アンモニウムであ
    る。)で示される構造単位(D)をさらに含んでなる請
    求項1に記載のN−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
    ド重合体。
  4. 【請求項4】 N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
    ド単量体を含んでなるエチレン性不飽和単量体組成物
    を、システアミンの存在下に重合することを特徴とする
    請求項1から3の何れかに記載のN−イソプロピル(メ
    タ)アクリルアミド単位含有重合体の製法。
JP10290604A 1998-10-13 1998-10-13 N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法 Pending JP2000119343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290604A JP2000119343A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290604A JP2000119343A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000119343A true JP2000119343A (ja) 2000-04-25

Family

ID=17758163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10290604A Pending JP2000119343A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000119343A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161986A (ja) * 2005-11-18 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp アニオン性ポリマー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161986A (ja) * 2005-11-18 2007-06-28 Mitsubishi Chemicals Corp アニオン性ポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4748220A (en) Preparation of finely divided pulverulent crosslinked copolymers
US6225395B1 (en) Aqueous stable dispersions based on water-soluble polymers containing a cationic dispersant comprising hydrophobic units
GB2081725A (en) A Process for the Production of a Hydrogel
JP3259143B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
CN102167766B (zh) 乙烯基氨基酸(酯)聚合物及制备方法
JPS63256605A (ja) 水溶性エチレン性不飽和単量体からの粒状重合体の製法
JPH10202008A (ja) 水溶性ポリマーをベースにした水性分散体
JP6053685B2 (ja) ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物
JP2000119343A (ja) N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド重合体およびその製法
EP0838498B1 (en) Carboxylated polymer composition
JPH0555523B2 (ja)
JPH0586125A (ja) 水溶性ポリマーおよびその製造法
JPS60212410A (ja) マレイン酸塩共重合体の製造法
JPH02242809A (ja) 耐塩性吸水性樹脂の製造法
JPH11322849A (ja) N−ビニルカルボン酸アミド系重合体及びその製造方法
JPS6256888B2 (ja)
JPH0218899B2 (ja)
JP2000186121A (ja) 重合体の曇点向上方法
JP2001106795A (ja) N−(ポリアリル)アンモニウム塩系の架橋剤
JPS5940842B2 (ja) カチオン系重合体の製造方法
JPS5813609A (ja) 架橋型両性重合体の製造方法
JP3364092B2 (ja) 炭素−炭素二重結合を有する化合物の重合制御方法
JP2000290316A (ja) 耐塩性吸水性樹脂
JPS63235313A (ja) マレイン酸共重合体の製造方法
JPS5933312A (ja) N−ビニルカルボン酸アミドの重合方法