JP6053685B2 - ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物 - Google Patents

ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物に関する。より詳しくは、繊維の架橋剤として有用なポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物、それを用いた繊維用架橋剤及び架橋繊維に関する。
繊維を化学的に分子内架橋することにより、流体吸収特性が向上することが知られており、このような架橋繊維は各種生活材料や医療材料等に欠かせないものとなっている。架橋繊維(処理繊維とも称す)を得るには架橋剤を使用することが一般的であり、繊維の架橋剤(繊維用架橋剤とも称す)として種々の化合物が知られている。例えば、特許文献1には、重合体ポリカルボン酸架橋剤で繊維内架橋したセルロース系繊維を含有し、該重合体ポリカルボン酸架橋剤が約500乃至約40000の分子量を有する、個別化された、化学的に架橋したセルロース系繊維が開示され、このような重合体ポリカルボン酸架橋剤が、ポリアクリル酸重合体、ポリマレイン酸重合体、アクリル酸の共重合体、マレイン酸の共重合体及びそれらの混合物からなる群より選ばれる形態が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも65の浸透係数及び約70℃〜約105℃のTgdを有するアクリル酸のホスフィナート含有テロマーで形成される繊維内架橋を有するセルロース系繊維が開示されている。
特表2002−508456号公報 特開2009−191434号公報
上記の通り、繊維用架橋剤として種々の化合物が知られている。しかしながら、繊維(とりわけパルプ繊維)の色相を良好に保ちつつ、従来に比べて浸透速度と水保持性とをともに向上させることができる架橋剤への要求が高まってきている。また一方で、繊維(とりわけパルプ繊維)の吸収特性を向上させることができる架橋剤への要求も高まっている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、繊維用架橋剤として使用した場合に繊維の色相を良好に保ちつつ、繊維の浸透速度と水保持性とをともに充分なものとすることができる重合体組成物、それを用いた繊維用架橋剤及び架橋繊維を提供することを目的とする。本発明はまた、繊維の吸収特性を良好なものとすることができ、吸収特性が強く要望される用途に特に有用な重合体組成物、それを用いた繊維用架橋剤及び架橋繊維を提供することも目的とする。
本発明者は、繊維用架橋剤に代表される各種用途に有用な組成物について鋭意研究を行ったところ、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、かつ特定の重量平均分子量を有するポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、所定量の(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とを含む重合体組成物が、繊維用架橋剤に特に好適なものとなることを見いだした。具体的には、この重合体組成物を繊維用架橋剤として使用すると、繊維の色相を良好に保ちつつ、繊維の浸透速度と水保持性とをともに向上することができ、各種生活材料や医療材料等に好適な架橋繊維が得られることを見いだした。また、分子内に所定量の次亜リン酸(塩)基を有し、かつ特定の重量平均分子量を有するポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、所定量の次亜リン酸(塩)とを含む重合体組成物は、繊維用架橋剤として使用すると、繊維の吸収特性を良好なものとすることができるため、吸収特性が強く要望される用途に特に有用なものとなることを見いだした。そして、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記の(1)〜(4)の発明からなる。
(1)ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とを含む重合体組成物であって、該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、重量平均分子量が500〜1000000であり、該(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有量は、該重合体組成物に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量100質量部に対し、0.5〜15質量部であるポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物。
(2)ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、次亜リン酸(塩)とを含む重合体組成物であって、該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、分子内に0.6〜10質量%の次亜リン酸(塩)基を有し、重量平均分子量が500〜1000000であり、該次亜リン酸(塩)の含有量は、該重合体組成物に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量に対し、10〜50000ppmであるポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物。
(3)上記(1)又は(2)に記載のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物を含む繊維用架橋剤。
(4)上記(1)又は(2)に記載のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物により処理されてなる架橋繊維。
以下に本発明を詳述する。なお、以下において段落に分けて記載される本発明の好ましい形態の2つ又は3つ以上を組み合わせたものも本発明の好ましい形態である。
〔ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物〕
上記(1)のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物(重合体組成物(1)とも称す)は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とを含み、また、上記(2)のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物(重合体組成物(2)とも称す)は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、次亜リン酸(塩)とを含む。これら各重合体組成物における含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、上記重合体組成物は、他の成分の1種又は2種以上を更に含んでいてもよい。
上記重合体組成物(1)及び(2)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体とは、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位を含む重合体を意味する。(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位とは、(メタ)アクリル酸(塩)がラジカル重合することにより形成される構造単位であり、−CHCR(COOM)−で表すことができる。この式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム塩又は有機アミン塩を表す。
なお、(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を意味し、(メタ)アクリル酸(塩)とは、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸の塩を意味する。
上記(メタ)アクリル酸の塩における塩とは、金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩を意味する。酸性物質の塩といった場合の塩も、特に言及しない場合には同様である。
上記金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;鉄塩等の遷移金属塩;等が挙げられ、有機アミン塩としては、例えば、メチルアミン塩、n−ブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、モルホリン塩、トリメチルアミン塩等の1〜4級のアミン塩等が挙げられる。
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、未中和のカルボキシル基(すなわち、アルカリ性物質で中和されていないカルボキシル基(−COOH基))を有することが好適である。特に、各々の重合体が有する、中和されていないカルボキシル基と中和されているカルボキシル基との合計量100モル%に対して、中和されていないカルボキシル基の割合が50〜100モル%であることが好ましく、特にパルプ繊維用架橋剤として用いる場合に好適である。未中和のカルボキシル基の割合が50〜100%であることにより、上記重合体を含む重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより顕著に向上される。より好ましくは60〜100%、更に好ましくは80〜100%である。
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はまた、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位のみを有するものであってもよいし、(メタ)アクリル酸(塩)と共重合可能なその他の単量体由来の構造単位を含むものであってもよい。(メタ)アクリル酸(塩)や他の単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記その他の単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−メチレングルタル酸及びこれらの塩等の(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート又はその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びこれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸等のホスホン酸基を有する単量体等(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1〜300モル付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;等が挙げられる。
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体はまた、該重合体に含まれる全単量体由来の構造単位の総量(すなわち、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位と、必要に応じて更に含まれるその他の単量体由来の構造単位との合計)100質量%に対し、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位を、酸型換算で、60〜100質量%含むことが好ましい。60質量%以上であれば、上記重合体を含む重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより向上される。より好ましくは90〜100質量%である。
ここで、酸型換算とは、塩型の単量体を、対応する酸型単量体として質量割合を計算することをいい、例えば(メタ)アクリル酸ナトリウム由来の構造単位であれば、(メタ)アクリル酸由来の構造単位として質量割合を計算する。その他の単量体も同様に酸型換算で計算する。
なお、その他の単量体由来の構造単位は、上記重合体に含まれる全単量体由来の構造単位100質量%に対し、0〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜10質量%である。
上記重合体組成物(1)に含まれる(メタ)アクリレート系重合体(重合体(1)とも称す)は、少なくとも1つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を含む(有する)。ただし、重合体組成物(1)には、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を含まない重合体(例えば、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を含まない(メタ)アクリレート系重合体)が含まれていてもよい。スルホン酸(塩)基とは、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩基を意味するが、本発明の重合体組成物(1)が少なくとも1つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有する重合体(1)を含むことで、当該重合体組成物(1)を繊維の架橋剤として使用した場合に、処理繊維(架橋繊維)の浸透速度と水保持性とがともに充分に向上され、また、処理繊維の色相を良好に保つことが可能となる。
なお、上記重合体(1)が少なくとも1つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有することは、例えば、HNMR分析により確認することができる。
上記主鎖末端のスルホン酸(塩)基は、例えば、後述する通り、連鎖移動剤として亜硫酸水素(塩)(又は亜硫酸水素(塩)を生成し得る化合物)を使用し、アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合することにより、重合体の分子中に導入することができる。
上記重合体(1)の重量平均分子量は、500〜1000000である。重量平均分子量がこの範囲を超えると粘度が高くなり、取扱いが煩雑になるおそれがあり、一方で重量平均分子量がこの範囲を下回ると、重合体(1)を含む重合体組成物(1)を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の水保持性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは800〜100000であり、更に好ましくは1000〜50000である。なお、繊維用架橋剤として処理繊維への浸透速度を高める目的では、重量平均分子量が1000〜3000であることが最も好適である。
本明細書中、重合体の重量平均分子量の値は、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
上記重合体(1)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))としては、1.1〜3であることが好適である。この範囲内であれば、重合体(1)を含む重合体組成物(1)を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の水保持性がより向上される。より好ましくは1.5〜2.8、更に好ましくは1.8〜2.6である。
本明細書中、重合体の分子量分布の値は、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
上記重合体組成物(1)において、重合体(1)の含有割合は、重合体組成物(1)の使用目的等に応じて任意に設定することができるが、例えば、重合体組成物(1)の固形分100質量%に対して(以下、固形分換算とも称す)、1〜99.5質量%であることが好適である。
上記重合体組成物(1)はまた、上述した重合体(1)に加えて、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物も含む。(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とは、(メタ)アクリル酸(塩)に亜硫酸水素(塩)が付加した化合物とも称し、(メタ)アクリル酸(塩)に亜硫酸水素(塩)(すなわち亜硫酸水素及び/又はその塩)が付加しながらも、(メタ)アクリル酸(塩)は重合をしていない化合物を意味する。例えば、3−スルホプロピオン酸(塩)等が例示される。
上記重合体組成物(1)において、上記(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有割合は、重合体組成物(1)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量100質量部に対し、0.5〜15質量部である。この範囲内にあることで、重合体組成物(1)を繊維用架橋剤として使用した場合に、繊維の色相が良好なものとなり、また、処理繊維の浸透速度及び水保持性を充分なものとすることができる。上記含有割合の下限値として好ましくは0.8質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、上限値は13質量部以下であることが好ましい。
ここで、本明細書中、「重合体組成物(1)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量」とは、重合体組成物(1)が、少なくとも1つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有するポリ(メタ)アクリル酸系重合体以外のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む場合には、該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体をも含む合計量を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有割合を計算するときは、該付加物や、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の量は、酸型換算で計算するものとする(すなわち塩である場合は、対応する酸として計算する。)。
上記重合体組成物(1)は、吸水特性の向上を目的として、次亜リン酸(塩)を更に含んでいてもよい。重合体組成物(1)が次亜リン酸塩を含む場合、その含有量は、重合体組成物(1)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量に対し、10〜50000ppm(質量ppm)であることが好適である。上記含有割合として好ましくは20ppm以上、更に好ましくは100ppm以上であり、また、20000ppm以下が好ましく、より好ましくは10000ppm以下である。
なお、次亜リン酸(塩)の含有量を計算するときは、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体や次亜リン酸(塩)は、酸型換算で計算し、次亜リン酸(塩)が水和物である場合には、無水和物として計算するものとする。
上記重合体組成物(1)はまた、亜硫酸水素(塩)を含んでいてもよい。亜硫酸水素(塩)を含むことにより、繊維(とりわけパルプ繊維)架橋体の白色度が向上する傾向にある。重合体組成物(1)が亜硫酸水素(塩)を含む場合、その含有量は、重合体組成物(1)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上であり、また、2質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以下である。
なお、亜硫酸水素(塩)の含有量を計算するときは、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体や亜硫酸水素(塩)は、酸型換算で計算するものとする。
上記重合体組成物(2)に含まれる(メタ)アクリレート系重合体(重合体(2)とも称す)は、分子内に次亜リン酸(塩)基を含む(有する)。次亜リン酸(塩)基とは、次亜リン酸基及び/又は次亜リン酸塩基を意味し、例えば、次亜リン酸ナトリウム基は、−PH(=O)(ONa)、又は、−P(=O)(ONa)−、で表すことができる。本発明の重合体組成物(2)が分子内に次亜リン酸(塩)基を有する重合体(2)を含むことで、重合体組成物(2)を繊維用架橋剤として用いた場合に、得られる処理繊維の吸水特性が向上される。
上記重合体(2)中の次亜リン酸(塩)基の含有量は、重合体(2)100質量%に対し、0.6〜10質量%であることが適当である。これにより、処理繊維の吸水特性を顕著に向上することが可能になり、特に吸収特性が要望される用途に有用な処理繊維を得ることができる。上記次亜リン酸(塩)の含有量としてより好ましくは1〜6質量%である。
なお、上記重合体(2)中の次亜リン酸(塩)基の含有量は、例えば、31PNMR分析により測定することができる。
上記分子内の次亜リン酸(塩)基は、例えば、後述する通り、連鎖移動剤として次亜リン酸(塩)を使用し、アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合することにより、重合体の分子中に導入することができる。
上記重合体(2)の重量平均分子量は、500〜1000000である。重量平均分子量がこの範囲を超えると粘度が高くなり、取扱いが煩雑になるおそれがあり、一方で重量平均分子量がこの範囲を下回ると、重合体(2)を含む重合体組成物(2)を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性が充分とはならないおそれがある。より好ましくは2000以上、更に好ましくは4000以上、より更に好ましくは5000以上、一層好ましくは10000以上、特に好ましくは12000以上、最も好ましくは15000以上である。また、100000以下が好ましく、より好ましくは50000以下である。
上記重合体(2)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))としては、1.1〜3であることが好適である。この範囲内であれば、重合体(2)を含む重合体組成物(2)を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより向上される。より好ましくは1.5〜2.8、更に好ましくは1.8〜2.6である。
上記重合体組成物(2)において、重合体(2)の含有割合は、重合体組成物(2)の使用目的等に応じて任意に設定することができるが、例えば、重合体組成物(1)の固形分100質量%に対して(固形分換算とも称す)、1〜99.9質量%であることが好適である。
上記重合体組成物(2)はまた、上述した重合体(2)に加えて、次亜リン酸(塩)も含む。次亜リン酸(塩)の含有割合は、重合体組成物(2)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量に対し、10〜50000ppmである。この含有割合が10ppm未満であると、重合体組成物(2)の色調が良好なものとはならないおそれがある。一方、50000ppmを超える場合、重合体組成物(2)を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性が充分なものとはならないおそれがある。上記含有割合として好ましくは20ppm以上、更に好ましくは100ppm以上であり、また、20000ppm以下が好ましく、より好ましくは10000ppm以下である。
ここで、本明細書中、「重合体組成物(2)に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量」とは、重合体組成物(2)が、次亜リン酸(塩)基を有するポリ(メタ)アクリル酸系重合体以外のポリ(メタ)アクリル酸系重合体を含む場合には、該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体をも含む合計量を意味する。
本発明の(メタ)アクリレート系重合体組成物(重合体組成物(1)及び(2))にはまた、上記の含有成分の他、未反応の(メタ)アクリル酸(塩)、未反応のその他の単量体、未反応の重合開始剤、重合開始剤分解物等の1種又は2種以上が含まれていてもよい。
上記(メタ)アクリレート系重合体組成物中に存在する未反応の単量体の含有量((メタ)アクリル酸(塩)とその他の単量体との合計の含有量)は、使用する単量体の種類によっても異なるが、各重合体組成物の固形分100質量%に対し、1質量%未満であることが好ましい。より好ましくは0.5質量%未満、0.1質量%未満である。
上記(メタ)アクリレート系重合体組成物はまた、溶媒を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、溶媒を含む場合、その含有量は、各重合体組成物100質量%に対して25〜99質量%であることが好ましい。25質量%未満であると、高粘度になり、取り扱い難くなるおそれがある。なお、上記溶媒としては特に限定されないが、水を用いることが好適である。
〔ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(組成物)の製造方法〕
本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物(重合体組成物(1)及び(2))は、例えば、後述する水系溶媒中で重合反応を行うことでポリ(メタ)アクリル酸系重合体(重合体(1)及び(2))を製造した後、不純物除去等の精製工程を経て得られるものであってもよいが、生産効率性の観点から、精製工程を経ずに得られるものであることが好適である。また、重合工程後に、得られた重合体溶液を、取り扱いの便等のため、少量の水にて希釈(例えば、得られた重合体溶液100質量部に対して1〜400質量部程度)したり、濃縮したり、乾燥したりしたものも、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物に含まれる。
このような製造方法により、本発明の必須成分たるポリ(メタ)アクリル酸系重合体、及び、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物を得ることが好ましい。
<重合工程>
(単量体組成)
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(及び重合体組成物)は、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合する工程(重合工程とも称す)を含む製造方法により得られるものであることが好適である。
なお、重合工程では(メタ)アクリル酸(塩)に加えてその他の単量体を共重合してもよいが、単量体成分の総量((メタ)アクリル酸(塩)とその他の単量体との合計量)100質量%に対し、(メタ)アクリル酸(塩)の含有割合が、酸型換算で90質量%以上であることが好ましい。90質量%以上であれば、得られる重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより向上される。
ここで、上記の通り、酸型換算とは、塩型の単量体を対応する酸型単量体として質量割合を計算することをいい、例えば(メタ)アクリル酸ナトリウムであれば、(メタ)アクリル酸として質量割合を計算する。その他の単量体も同様に酸型換算で計算する。
(重合溶媒)
上記重合工程は、溶媒中で行うことが好適である。ただし、無溶媒で重合することも可能である。溶媒を使用する場合、溶媒としては、例えば、水、又は、水と有機溶剤との混合溶媒が好適である。なお、得られる重合体組成物を各種用途に適用する観点から、有機溶剤の使用量は極力少なくすることが好ましい。上記溶媒として好ましくは、水である。
(重合開始剤)
上記重合工程ではまた、重合開始剤(開始剤とも称す)の存在下で重合反応を行うことが好適である。
上記重合開始剤としては公知のものを使用することができ、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸(塩);過酸化水素;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;等が好適である。上記重合開始剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよいが、重合体の分子量分布が小さくなる傾向にあるので、1種のみを使用することが好ましい。
上記重合開始剤の使用量は、特に言及する場合を除き、全単量体成分1モルに対して、15g以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜12gである。
上記重合開始剤の中でも、得られる重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合の処理繊維の浸透速度及び水保持性や、吸収特性を考慮すると、過硫酸(塩)を使用することが好ましい。過硫酸(塩)を用いる場合、その使用量は、特に吸収特性を考慮すると、全単量体成分1モルに対して、1.9g以下とすることが好ましい。より好ましくは1.6g以下、更に好ましくは1.2g以下、特に好ましくは1.1g以下である。また、全単量体成分1モルに対して、0.1g以上であることが好ましく、より好ましくは0.5g以上である。
(連鎖移動剤)
上記重合工程においては、重合開始剤とともに連鎖移動剤を用いることが好適である。
上記連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、公知の連鎖移動剤が使用できる。具体的には、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;次亜リン酸、次亜リン酸塩及びこれらの水和物等;亜硫酸水素(塩)や亜硫酸水素(塩)を発生し得る化合物(重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜硫酸(塩)等);等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記連鎖移動剤の添加量は、特に言及する場合を除き、全単量体成分1モルに対して、1〜20gであることが好ましい。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に20gを超えると、連鎖移動剤が残留したり、重合体純分が低下したりするおそれがある。より好ましくは2〜15gである。
ここで、上記重合体(及び重合体組成物)(1)を得る場合は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体にスルホン酸(塩)基を比較的容易に導入できる観点から、重合体(及び重合体組成物)(1)は、亜硫酸水素(塩)、及び/又は、亜硫酸水素(塩)を発生し得る化合物の存在下で、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合することにより製造することが好適である。この場合、亜硫酸水素(塩)は主として連鎖移動剤として作用する。亜硫酸水素(塩)を連鎖移動剤として使用することにより、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の少なくとも1つの主鎖末端にスルホン酸(塩)基を導入することができる。
また上記の場合、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に導入されない亜硫酸水素(塩)及び/又は亜硫酸水素(塩)を発生し得る化合物を低減する観点から、その使用量は、全単量体成分1モルに対して、10g以下とすることが好ましく、より好ましくは7g以下、更に好ましくは6g以下である。また、所定量のスルホン酸(塩)基をポリ(メタ)アクリル酸系重合体に導入する観点から、使用量の下限は、全単量体成分1モルに対して、0.5g以上とすることが好ましく、より好ましくは1g以上である。
なお、亜硫酸水素(塩)、及び/又は、亜硫酸水素(塩)を発生し得る化合物の使用量が上述した上限値以下であると、得られる重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の浸透速度と水保持性とをより向上させることが可能になる。
また上記重合体(及び重合体組成物)(2)を得る場合は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に次亜リン酸(塩)基を比較的容易に導入できる観点から、重合体(及び重合体組成物)(2)は、次亜リン酸(塩)の存在下で、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合することにより製造することが好適である。この場合、次亜リン酸(塩)は主として連鎖移動剤として作用する。次亜リン酸(塩)を連鎖移動剤として使用することにより、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に次亜リン酸(塩)基を導入することができる。
また上記の場合、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に導入されない次亜リン酸(塩)を低減する観点から、その使用量は、全単量体成分1モルに対して、10g以下とすることが好ましく、より好ましくは7g以下、更に好ましくは6g以下である。また、所定量の次亜リン酸(塩)基をポリ(メタ)アクリル酸系重合体に導入する観点から、使用量の下限は、全単量体成分1モルに対して、0.5g以上とすることが好ましく、より好ましくは1g以上である。
なお、次亜リン酸(塩)の使用量が上述した上限値以下であると、連鎖移動に寄与しない次亜リン酸(塩)(重合体に取り込まれない次亜リン酸(塩))が減少することに起因して、得られる重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性をより向上させることが可能になる。
更に上記の場合、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体に効率よく次亜リン酸(塩)が取り込まれる(次亜リン酸(塩)の導入率を向上する)傾向にあることから、次亜リン酸(塩)の反応器(反応釜)への添加方法としては、下記の方法が好ましく採用される。
すなわち、次亜リン酸(塩)の使用量の少なくとも一部を、重合開始前に反応器(反応釜)に添加することが好ましい(初期仕込みともいう)。中でも、重合開始前に添加される次亜リン酸(塩)の割合を、次亜リン酸(塩)の使用総量100モル%に対し、2〜80モル%とすることが好適である。より好ましくは5〜60モル%、更に好ましくは10〜30モル%である。
なお、本明細書中、「重合開始前」とは、重合開始時より前を意味し、「重合開始時」とは、単量体の使用量の一部又は全部と、重合開始剤の使用量の一部又は全部との両方が、反応器(反応釜)に添加された時点を意味する。
(分解触媒、還元性化合物)
上記重合工程ではまた、重合開始剤等の他に、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物(これらをまとめて反応促進剤とも称す)を使用してもよい。つまり、この反応促進剤を重合系に添加してもよい。
上記重合開始剤の分解触媒や還元性化合物として作用する化合物としては、重金属イオン(又は重金属塩)が好適である。すなわち、上記重合工程では、重合開始剤等の他に、重金属イオン(又は重金属塩)の存在下で、重合反応を行うことが好適である。
ここでいう重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。
上記重金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましく、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、鉄が好ましい。
上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、重合開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、重金属塩(重金属化合物とも称す)を溶解してなる溶液を重合系に添加することにより、重合系に存在させることが好ましい。中でも、重金属塩を溶解してなる水溶液又は水性溶液を添加することが好適である。その際に用いる重金属塩は、重合開始剤に含有されることを所望する重金属イオンを含むものであればよく、用いる重合開始剤に応じて適宜設定することができる。例えば、重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属塩等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属塩はいずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れることになる。
なお、上記重金属塩を溶解してなる溶液の溶媒としては、水が好ましいが、水に限定されるものではなく、有機溶剤を単独で、又は、水と併用して使用してもよい。
上記重合工程で重金属イオンを使用する場合、その使用量は、使用する単量体成分の全量を添加した時点における重合反応液の全質量に対し、0.1〜10ppmであることが好ましい。0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が充分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調をより良好なものとすることができないおそれがある。
上記重金属イオン(又は重金属塩)以外の、重合開始剤の分解触媒としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、そのエステル及びその金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミン及びその誘導体;等が挙げられる。これらの分解触媒は、1種又は2種以上を使用することができる。
また上記重金属イオン(又は重金属塩)以外の還元性化合物としては、例えば、三フッ化ホウ素エーテル付加物、過塩素酸等の無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸エステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸とその置換体、パラトルエンスルフィン酸等の環状スルフィン酸の同族体等の硫黄含有化合物;上記チオール系連鎖移動剤として例示した化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の窒素含有化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレリアンアルデヒド等のアルデヒド類;アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元性化合物もまた、1種又は2種以上を使用することができる。
上記重合工程ではまた、上述した重合開始剤、連鎖移動剤、反応促進剤の他にも、必要に応じてpH調節剤、緩衝剤等を用いることができる。
(重合濃度)
上記重合工程において、重合反応は、使用する単量体成分の全量を添加した時点における固形分濃度(重合体溶液のうち、不揮発分の濃度を意味する。)が、重合溶液100質量%に対して30〜70質量%となる条件下で行われることが好適である。これにより、得られる重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより一層向上され得る。より好ましくは40〜65質量%、更に好ましくは50〜60質量%である。なお、重合体溶液中の固形分濃度は、後述する方法にて測定することができる。
(重合温度、重合圧力)
上記重合反応時の温度は、70℃以上とすることが好適である。より好ましくは75〜110℃、更に好ましくは80〜105℃である。重合時の温度がこのような範囲内であれば、残存単量体成分がより少なくなり、重合体組成物を繊維用架橋剤として使用した場合に、処理繊維の吸水特性がより向上し得る。
なお、重合時の温度は、重合反応の進行中において常に一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応の進行中に経時的に重合温度を変動(昇温又は降温)させてもよい。
上記重合工程において、反応系内の圧力は、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる重合体の分子量の点では、常圧下で行うか、又は、反応系内を密閉して加圧下で行うことが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点では、常圧(大気圧)下で行うことが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
(重合原料等の添加方法)
上記重合工程において、上記単量体成分は、全使用量を反応器に一括で添加してもよいが、一部又は全部を逐次的に反応器に添加することが好ましい。より好ましくは、単量体成分の一部又は全部を連続的に反応器に添加することである。単量体成分の一部又は全部を逐次的に添加することにより、重合による発熱を制御することが可能になり、また、重合中に反応系に存在する単量体濃度を制御することができるため、重合体の分子量分布を狭くすること等が可能である。単量体成分は、単独で添加してもよいし、また、水等の溶剤に溶解したり、他の原料等と混合したりして添加してもよい。
上記重合開始剤は、全使用量を反応器に一括で添加してもよいが、一部又は全部を逐次的に反応器に添加することが好ましい。より好ましくは、重合開始剤の一部又は全部を連続的に反応器に添加することである。重合開始剤の一部又は全部を逐次的に添加することにより、重合中に反応系に存在する重合開始剤濃度を制御することができるため、重合体の分子量分布を狭くすること等が可能である。バッチ式で重合する場合には、単量体成分の全量の添加と同時に又は単量体成分の全量の添加が終了した後に、重合開始剤の添加が終了することが好ましい。より好ましくは、単量体の添加終了後、1〜30分の間に重合開始剤の添加が終了することである。このように終了させることにより、残存単量体成分をより低減することが可能となる。重合開始剤は、単独で添加してもよいが、水等の溶剤に溶解して添加することが好ましい。
上記連鎖移動剤は、全使用量を反応器に一括で添加してもよいが、一部又は全部を逐次的に反応器に添加することが好ましい。より好ましくは、特に上記で言及した場合を除き、連鎖移動剤の一部又は全部を連続的に反応器に添加することである。連鎖移動剤の一部又は全部を逐次的に添加することにより、重合中に反応系に存在する連鎖移動剤濃度を制御することができるため、重合体の分子量分布を狭くすることや、連鎖移動剤による副反応を制御することが可能となる。バッチ式で重合する場合には、単量体成分の全量の添加と同時に又は単量体成分の全量の添加が終了する前に、連鎖移動剤の添加が終了することが好ましい。これにより、連鎖移動剤の残存量を低減することができ、不純物をより低減することが可能となる。連鎖移動剤は、単独で添加してもよいが、水等の溶剤に溶解して添加することが好ましい。
上記溶剤は、全使用量を反応器に一括で添加してもよい。少なくとも全使用量の一部を重合開始前に反応器に添加しておくことが好ましい。すなわち、少なくとも一部を初期仕込みしておくことが好適である。
なお、溶剤の一部を重合開始以後に反応器に添加する場合には、重合開始剤や連鎖移動剤等を溶解して逐次添加してもよい。また、所望により重合開始以後に溶剤を単独で反応器に添加してもよい。
<その他の工程>
上記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体(組成物)の製造方法は、上述した重合工程(すなわち、(メタ)アクリル酸(塩)を含む単量体成分を重合する工程)を必須とすることが好ましいが、その他の工程を1又は2以上含んでいてもよい。例えば、酸型及び/又は部分中和型のポリ(メタ)アクリル酸系重合体(を含む組成物)を、塩基性物質で中和する工程(中和工程)を含んでもよく、このような中和工程を含む形態もまた、好適である。
上記中和工程で使用される塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、アンモニア等が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
〔繊維用架橋剤〕
上述した本発明の(メタ)アクリレート系重合体組成物(重合体組成物(1)及び(2))は、繊維の架橋剤として特に有用である。このように上記重合体組成物(1)又は(2)を含む繊維用架橋剤もまた、本発明の1つである。なお、上記重合体組成物(1)又は(2)をそのままで本発明の繊維用架橋剤としてもよいし、該重合体組成物を精製したり、該重合体組成物に他の成分を添加したりして本発明の繊維用架橋剤としてもよい。上記他の成分としては、公知な架橋剤、架橋促進剤等が例示される。
上記繊維架橋剤を用いた繊維の処理方法(架橋方法)としては特に限定されず、公知の方法が用いられる。具体的には、(i)繊維と、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物(重合体組成物(1)及び(2))とを、溶媒の存在下で接触させる工程と、(ii)該繊維を乾燥させる工程と、を含む方法により架橋することが好ましい。
なお、このような架橋方法では、繊維を離解させるために、機械的な処理が施されてもよい。繊維を離解させることにより、得られる処理繊維の吸水特性がより向上する傾向にある。
上記架橋方法に使用される繊維としては特に限定されないが、例えば、各種木質パルプ繊維(クラフト法、亜硫酸法、サーモケミカル法、ケミサーモケミカル法等の処理をしたパルプ繊維、砕木パルプ繊維、再生又は2次木材パルプ繊維)、その他各種セルロース繊維、綿、綿・ポリエステル混紡、羊毛、ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維等の化学繊維、硝子繊維、炭素繊維、光ファイバー、金属ファイバー等が例示される。
上記(i)の工程では、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物が溶媒を含む場合には、溶媒を別途添加しなくてもよいが、繊維100質量部に対する溶媒の使用量を、100〜10000質量部に設定することが好適である。この範囲内とすることで、繊維に対するポリ(メタ)アクリル酸系重合体の浸透性がより向上され、また、処理繊維の吸水特性がより向上されることになる。
上記溶媒は、水を含むことが好ましく、水であることが最も好ましい。
上記(i)の工程は、加熱条件下で行ってもよく、その場合の温度は10〜80℃とすることが好適である。
上記(i)の工程の時間は、10〜300分であることが好ましい。
上記(i)の工程において、本発明のポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物の使用量は、繊維100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、2〜7質量部であることがより好ましい。
上記(ii)の工程では、加熱条件下で乾燥することが好ましい。乾燥温度としては、150〜250℃であることが好ましい。
なお、上記(i)の工程、及び、上記(ii)の工程を、この順番にて行うことで、吸水特性がより改善された好ましい架橋繊維が得られる。
〔架橋繊維〕
本発明の繊維用架橋剤により処理された繊維は、吸水特性を有するため、布巾、タオル、ティシュ、汗拭きシート、メイク落としシート、おむつ等として使用することができる。特に、上記重合体組成物(1)により処理された繊維(架橋繊維)は、色相が良好で、繊維の浸透速度及び水保持性が充分であるため、これらの特性が求められる用途にとりわけ有用である。また、上記重合体組成物(2)により処理された繊維(架橋繊維)は、極めて優れた吸水特性を有するため、吸水特性が強く要望される用途にとりわけ有用である。本発明ではまた、これら各種物性に優れることに加え、繊維架橋による繊維強度の向上も期待できる。このように本発明の繊維用架橋剤により処理されてなる架橋繊維、及び、上記重合体組成物(1)又は(2)で処理されてなる架橋繊維もまた、本発明に含まれる。
上記架橋繊維としては、水保持値(高圧)が130以上であることが好適である。これにより、各種用途により好適な架橋繊維となり得る。より好ましくは140以上、更に好ましくは150以上である。このように、上記架橋繊維の水保持値(高圧)が150以上である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。より一層好ましくは160以上、特に好ましくは170以上、最も好ましくは180以上である。なお、上限は特に限定されないが、例えば、1000以下であることが好適である。
なお、架橋繊維の水保持値(高圧)は、例えば後述するようにして求めることができる。
〔その他の用途〕
本発明の(メタ)アクリレート系重合体(組成物)は、その優れた特性から、繊維用架橋剤に特に有用であるが、他にも、任意の適切な用途に用いることができる。例えば、各種無機物や有機物の分散剤、凝集剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋性組成物等が挙げられる。より具体的には、泥土分散剤、金属微粒子分散剤、カーボンブラック分散剤、洗剤用ビルダー、重金属補足剤、スケール防止剤、金属表面処理剤、染色助剤、染料定着剤、泡安定剤、乳化安定剤、インク染料分散剤、水性インク安定剤、塗料用顔料分散剤、塗料用シックナー、感圧接着剤、紙用接着剤、スティック糊、医療用接着剤、貼付剤用粘着剤、化粧パック用粘着剤、樹脂用フィラー分散剤、樹脂用親水化剤、記録紙用コーティング剤、インクジェット紙用表面処理剤、感光性樹脂用分散剤、帯電防止剤、保湿剤、肥料用バインダー、医薬錠剤用バインダー、樹脂相溶化剤、写真薬添加剤、化粧用調剤添加剤、整髪料助剤、ヘアスプレー添加剤、サンスクリーン組成物用添加剤等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリレート系重合体組成物は、上述のような構成であるので、各種物性に優れ、繊維用架橋剤用途に特に有用なものである。特に、上記重合体組成物(1)は、繊維用架橋剤として使用した場合に繊維の色相を良好に保ちつつ、繊維の浸透速度と水保持性とをともに充分なものとすることができ、上記重合体組成物(2)は、繊維に良好な吸収特性を付与することができる。したがって、このような(メタ)アクリレート系重合体組成物により処理されてなる架橋繊維は、各種生活材料や医療材料等に極めて有効に適用することができる。
実施例1で得られた重合体のHNMRチャートである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、下記方法にて各分析・測定を行った。
<重量平均分子量及び数平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:日立製作所社製 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−2490
カラム:東ソー社製 TSK−GEL G3000PWXL
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検量線:創和科学社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:リン酸二水素ナトリウム12水和物/リン酸水素二ナトリウム2水和物(34.5g/46.2g)の混合物を純水にて5000gに希釈した溶液。
<重合体組成物中の単量体成分の測定、重合体組成物中の(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の測定>
それぞれ、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行う。
測定装置:日立製作所社製 L−7000シリーズ
検出器:日立製作所社製 UV検出器 L−7400
カラム:日立製作所社製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min。
<重合体中の主鎖末端スルホン酸基の分析>
pHを1に調整した重合体(水溶液)を室温で減圧乾燥して水を留去した後、重水を溶媒に用いてHNMR測定を行い、ポリマー主鎖末端にスルホン酸基が導入されたことに由来する2.7ppmのピークの有無により確認する。
<重合体組成物中の次亜リン酸(塩)の測定>
次亜リン酸(塩)の濃度分析は、下記条件のイオンクロマト分析にて行う。
装置 :Metrohm社製(762 Interface)
検出器 :Metrohm社製(732 IC Detecter)
イオン分析方式:サプレサー法
カラム :Shodex IC SI−90 4E
ガードカラム:Shodex SI−90 G
カラム温度 :40℃
溶離液 :NaHCO水(2gを水2000gに希釈)
流速 :1.0mL/min
<重合体中の次亜リン酸(塩)基の分析>
次亜リン酸(塩)基の定量は、31P−NMRの測定により行う。
31P−NMRの積分強度比から、重合体に含まれる次亜リン酸(塩)基の全てのリン化合物に対する割合を定量する。更に、単量体と次亜リン酸(塩)との使用量から、重合体の全質量100質量%に対する、次亜リン酸(塩)基の質量%(次亜リン酸(塩)基の導入率)を算出する。
31P−NMRの測定条件:
測定する重合体を室温で減圧乾燥し、得られた固形分を重水(アルドリッチ社製)に10質量%となるように溶解し、Varian社製UnityPlus−400(400MHz、パルスシーケンス:s2pu1、測定間隔:10.000秒、パルス:45.0度、捕捉時間:0.800秒、積算回数:128回)にて測定する。
<重合体組成物(重合体溶液)の固形分測定>
窒素雰囲気下、110℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を2時間放置して乾燥処理する。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)とを算出する。
<架橋繊維の水保持値の測定>
1.0部のパルプ繊維(日本製紙より入手)に対し、0.04部の重合体組成物(重合体換算4質量%;すなわち、1.0部のパルプ繊維に対する重合体の量が、4質量%である。)を10部の蒸留水を含むコンテナ中に入れて膨潤状態とし、2時間静置により均一組成とした後、80℃にて30分間熱風乾燥する。その後、180℃で10分間、熱処理を行う。冷却後、処理されたパルプ繊維を吸水しきれない充分な量の純水にて再度膨潤させ、浸されたパルプ繊維はフィルター上に集められ、遠心チューブの60メッシュスクリーン付き底部の上方約11/2インチで支えられた80メッシュワイヤバスケットに移される。このチューブはプラスチックカバーで覆われ、遠心分離装置を用いて下記の2条件にて処理を行う。
条件(1)1000rpm 5分(低圧脱水)、
条件(2)5000rpm 10分(高圧脱水)。
遠心分離処理された繊維は、次いで、バスケットから取り出され秤量される。秤量された繊維は105℃で一定の重量になるまで乾燥され、再度秤量される。水保持値は次の通り計算される:
水保持値=(含水パルプ質量−乾燥後質量)/乾燥後質量×100。
<架橋繊維の浸透速度の測定>
東洋濾紙社製No.1濾紙を幅1cm/長さ10cmの長方形に切断しテスト用紙とする。テスト用紙の端より1cm/6cmの所にそれぞれ線を記入する。
重合体水溶液を固形分7%となるよう純水を用いて希釈調整を行い、試験液とする。該試験液を100ccビーカーへ20gを計測して投入し、液温を25℃となるように制御する。テスト用紙を1cm試験液中に浸漬し、ストップウォッチで液が6cmの線に到達するまでの時間(5cmの浸透時間・秒)を計測し浸透速度とする。
<架橋繊維の色相(白色度)の測定>
東洋濾紙社製No.5C濾紙へ、重合体水溶液を固形分20%となるよう純水を用いて希釈調整を行った試験液に10分間浸漬した後、キムタオル上へ取り出し、過剰の試験液を取り除いたものを白色度試験紙とする。該白色度試験紙を150℃熱風乾燥機へ投入し、10分後に取り出し、デシケータにて25℃まで冷却する。冷却後、日本電色工業社製Spectro Color Meter SE2000を用いて白色度を示すb値を測定する。測定したb値を白色度とする。b値は、低いほど白色度が高いことを示す。
実施例1
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAとも略す)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSとも略す)133.3g(対単量体投入量(単量体投入量とは、単量体の全ての投入量をいう。以下同様とする)に換算すると、2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSとも略す)200g(対単量体投入量に換算すると7.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液(重合体組成物でもある)を用いて、重量平均分子量(Mw)、重合体組成物中の次亜リン酸(塩)の含有量(ppm)の分析、アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有量(質量%)の測定、末端スルホン酸(塩)基の有無の確認を行い、結果を表1に記載した。
実施例2
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)286g(対単量体投入量に換算すると10.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例3
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)429g(対単量体投入量に換算すると15.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例4
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)143g(対単量体投入量に換算すると5.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例5
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す。)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと略す。)133.3g(対単量体投入量(ここで、単量体投入量とは、単量体の全ての投入量をいう。以下同様とする。)に換算すると2.0g/mol。)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する)200g(対単量体投入量に換算すると7.0g/mol。)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液4.22gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例6
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)286g(対単量体投入量に換算すると10.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液4.41gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例7
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)429g(対単量体投入量に換算すると15.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液23.7gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例8
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)143g(対単量体投入量に換算すると5.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液4.09gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
実施例9
還流冷却器、攪拌機、温度計、原料投入ラインを備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水665.7gとモール塩0.0164gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、85℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、85℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)133.3g(対単量体投入量に換算すると2.0g/mol)、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(35%SBS)85.7g(対単量体投入量に換算すると3.0g/mol。)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、35%SBSを170分間、15%NaPSを200分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を85℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液3.97gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
比較例1
重合体水溶液を使用せず、純水のみを重合体水溶液と同量添加し、物性値の測定を行った。結果を表1に記載した。
比較例2
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)533.3g(対単量体投入量に換算すると8g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液2.08gを10分間で反応液に投入した後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
比較例3
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)333.3g(対単量体投入量に換算すると5g/mol)、45%SHP 8g(対単量体投入量に換算すると0.36g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について実施例1と同様の測定・分析を行い、結果を表1に記載した。
上述した実施例1〜9及び比較例1〜3で得た重合体水溶液(重合体組成物)の各々について、上記の方法により、架橋繊維の白色度、浸透速度及び水保持値の測定を行った結果を表1にまとめた。
Figure 0006053685
表1の実施例と比較例との対比結果から、本発明の重合体組成物(1)は、従来の重合体組成物に比較して、繊維用架橋剤として使用された場合に、架橋繊維の白色度(色相)、浸透速度及び水保持値のいずれもを顕著に向上させることが明らかとなった。
参考例10
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8g、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下、45%SHPとも略す)を15.6g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)を仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)46.7g(対単量体投入量(ここで、単量体投入量とは、単量体の全ての投入量をいう。以下同様とする。)に換算すると0.7g/mol)、45%SHP 85.7g(対単量体投入量に換算すると3.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液(重合体組成物でもある)について、重量平均分子量、重合体水溶液中の次亜リン酸(塩)の含有量の測定、重合体中の次亜リン酸(塩)基の導入量の分析を行い、結果を表2に記載した。
参考例11
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8g、45%次亜燐酸ナトリウム水溶液(45%SHP)を15.6g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)を仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)46.7g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol)、45%SHP 85.7g(対単量体投入量に換算すると3.0g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について参考例10と同様の測定・分析を行い、結果を表2に記載した。
参考例12
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水552.5g、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液(45%SHP)を6.7g(対単量体投入量に換算すると0.3g/mol。)を仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)66.7g(対単量体投入量に換算すると1.0g/mol)、45%SHP 20g(対単量体投入量に換算すると0.7g/mol。)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について参考例10と同様の測定・分析を行い、結果を表2に記載した。
参考例13
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水552.5g、45%次亜リン酸ナトリウム水溶液(45%SHP)を6.7g(対単量体投入量に換算すると0.3g/mol。)を仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)66.7g(対単量体投入量に換算すると1.0g/mol)、45%SHP 40g(対単量体投入量に換算すると1.4g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について参考例10と同様の測定・分析を行い、結果を表2に記載した。
比較例4
参考例10において重合体水溶液を使用せず、純水のみを同量添加し、参考例10と同様にして物性値の測定を行い、結果を表2に記載した。
比較例5
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)533.3g(対単量体投入量に換算すると8g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。
得られた重合体水溶液について参考例10と同様の測定・分析を行い、結果を表2に記載した。
比較例6
還流冷却器、攪拌機、原料投入ラインを備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水437.8gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、100℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、沸騰温度(100〜103℃)にて重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(80%AA)900g(10.0mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(15%NaPS)333.3g(対単量体投入量に換算すると5g/mol)、45%SHP 8g(対単量体投入量に換算すると0.36g/mol)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAを180分間、45%SHPを200分間、15%NaPSを185分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、更に30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を50℃まで冷却した。
得られた重合体水溶液について参考例10と同様の測定・分析を行い、結果を表2に記載した。
上述した参考例10〜13及び比較例4〜6で得た重合体水溶液(重合体組成物)の各々について、上記の方法により架橋繊維の水保持値の測定を行った結果を表2にまとめた。
Figure 0006053685
表2の実施例と比較例との対比結果から、本発明の重合体組成物(2)は、従来の重合体組成物に比較して、繊維用架橋剤として使用された場合に、処理繊維の吸水特性を顕著に向上させることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物を含む繊維用架橋剤であって、
    該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とを含み、
    該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、重量平均分子量が500〜1000000であり、かつ中和されているカルボキシル基と未中和のカルボキシル基との合計量100モル%に対し、未中和のカルボキシル基の割合が80〜100モル%であって、
    該(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有量は、該重合体組成物に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量100質量部に対し、0.5〜15質量部であることを特徴とする繊維用架橋剤。
  2. ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物により処理されてなる架橋繊維であって、
    該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物は、ポリ(メタ)アクリル酸系重合体と、(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物とを含み、
    該ポリ(メタ)アクリル酸系重合体は、主鎖末端にスルホン酸(塩)基を有し、重量平均分子量が500〜1000000であり、かつ中和されているカルボキシル基と未中和のカルボキシル基との合計量100モル%に対し、未中和のカルボキシル基の割合が80〜100モル%であって、
    該(メタ)アクリル酸(塩)への亜硫酸水素(塩)付加物の含有量は、該重合体組成物に含まれるポリ(メタ)アクリル酸系重合体の総量100質量部に対し、0.5〜15質量部であることを特徴とする架橋繊維。
  3. 前記架橋繊維の水保持値(高圧)は、150以上であることを特徴とする請求項2に記載の架橋繊維。
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