JP7277115B2 - (メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法 - Google Patents
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Description
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法は、上記の条件で測定する粘度が150~2800mPa・sの範囲である(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を50℃で30日間保存した後の粘度の変化率が保存開始時の粘度に対して±10%以内となるように調整し、該重合体水溶液を40℃以上で保存する方法である。
本発明者は、上記特定の粘度範囲である(メタ)アクリル酸系重合体水溶液について、50℃で30日間保存した後の粘度の変化率が±10%以内になるように調整すれば、良好な取り扱い性を維持することができる40℃以上の温度で保存した場合にも、重合体水溶液の粘度の変化を充分に抑制することができることを見出した。
これにより保存後の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を各種用途に好適に用いることができる。
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃
保存する重合体水溶液を上記粘度範囲に調整後、24時間以内に50℃に調温し、50℃になった時点を保存開始時とする。保存する重合体水溶液の粘度を調整する際に、後述する中和工程が含まれる場合は中和工程から50℃に調温するまでを24時間以内に行う。
(メタ)アクリル酸系重合体中のカルボキシル基等の酸基がアニオンとなると、ポリマー鎖の広がり方が変化することで、粘度の変化が生じやすくなるが、中和度を35%以下とすることにより、ポリマー鎖の広がり方の変化をより充分に抑制することができるため、粘度の変化が生じることをより充分に抑制することができる。中和度の上限として、より好ましくは30%以下であり、更に好ましくは20%以下であり、特に好ましくは10%以下である。中和度の下限としては、未中和(0%)であってもよく、好ましくは0%を超えるものであり、より好ましくは1%以上、更に好ましくは3%以上、特に好ましくは5%以上である。
(メタ)アクリル酸系重合体の中和度は、重合体中の酸基含有単量体由来の構造単位のモル数と、中和に用いる塩基性化合物のモル数とから算出することができる。また、(メタ)アクリル酸系重合体の原料として、(メタ)アクリル酸塩等の中和された酸基(塩)を有する単量体を用いる場合、当該単量体由来の構造単位は、酸基が中和された構造単位として計算する。
(メタ)アクリル酸(塩)以外の酸基含有単量体としては、例えば、後述する(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩;スルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;ホスホン酸基を有する単量体等が挙げられる。
重量平均分子量の調整は、後述する(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法において連鎖移動剤の使用量、開始剤の使用量、重合温度等を調整することにより行うことができ、該製造方法において重量平均分子量を25万以上、50万以下に調整して得られた重合体を本発明の保存方法により保存する形態もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。重量平均分子量としてより好ましくは30万以上、45万以下であり、更に好ましくは31万以上、43万以下であり、特に好ましくは33万以上、40万以下である。
(メタ)アクリル酸(塩)における「塩」とは、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩である。金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム、鉄等の塩等が挙げられる。また、有機アミン塩としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン等の有機アミンの塩が挙げられる。
(メタ)アクリル酸系重合体における該構造単位の割合が上記好ましい範囲である場合、カルボキシル基量が多くなることに基づき、粘度への影響がより大きくなるため、この場合に重合体の中和度を上記好ましい範囲とすることの技術的意義がより効果的に発揮される。
その他の単量体としては、具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、2-メチレングルタル酸、及びそれらの塩等の(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有単量体及びその塩;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α-ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1~18のアルキル基のエステルである、アルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;3-(メタ)アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、α-メチル-p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、1-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、1,1-ジメチル-2-プロペン-1-スルホン酸、3-ブテン-1-スルホン酸、1-ブテン-3-スルホン酸等のスルホン酸基を有する単量体及びそれらの塩;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸等のホスホン酸基を有する単量体;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類;ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、モノアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドが1~300モル付加した構造を有する単量体等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;等が挙げられる。これらその他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
重量平均分子量としてより好ましくは30万以上、45万以下であり、更に好ましくは31万以上、43万以下であり、特に好ましくは33万以上、40万以下である。
数平均分子量としてより好ましくは2万以上、11万以下であり、更に好ましくは3万以上、10万以下であり、特に好ましくは4万以上、9万以下である。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(2,2’-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、より好ましくは過硫酸塩である。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。重合開始剤として過硫酸塩を使用して(メタ)アクリル酸系重合体を製造した場合、得られた重合体水溶液を保存した際に増粘しやすい傾向があるが、本発明の保存方法を適用することにより、重合体水溶液の粘度の変化を充分に抑制することができる。したがって、過硫酸塩を使用して製造した(メタ)アクリル酸系重合体水溶液に対して本発明の保存方法を適用する場合、本発明の技術的意義がより効果的に発揮される。
上記連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、5g以下であることが好ましく、0g以上、1g以下であることがより好ましい。
溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40~900質量%が好ましく、100~600質量%がより好ましく、150~500質量%が更に好ましい。
本発明はまた、(メタ)アクリル酸系重合体水溶液であって、上記(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、下記の条件で測定した粘度が150~2800mPa・sであり、50℃で30日間保存した時の粘度の変化率が保存開始時の粘度に対して±10%以内である(メタ)アクリル酸系重合体水溶液でもある。
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃
本発明の保存方法は、(メタ)アクリル酸系重合体水溶液が複素環式化合物等の重合安定化剤やポリマー安定化剤を含まないものであっても、重合体水溶液の粘度の変化を充分に抑制することができる。
本発明の(メタ)アクリル酸系重合体は、凝固剤、凝集剤、印刷インク、接着剤、土壌調整(改質)剤、難燃剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、シャンプー・ヘアースプレー・石鹸・化粧品用添加剤、アニオン交換樹脂、繊維・写真用フィルムの染料媒染剤や助剤、製紙における顔料展着剤、紙力増強剤、乳化剤、防腐剤、織物・紙の柔軟剤、潤滑油の添加剤、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤用添加剤、スケール防止剤(スケール抑制剤)、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤等として用いることができる。
これらの中でも上記(メタ)アクリル酸系重合体を繊維処理剤として用いることが好ましい。すなわち本発明は、上記(メタ)アクリル酸系重合体を含む繊維処理剤でもある。
繊維処理対象の繊維における(メタ)アクリル酸系重合体の保持量は特に制限されないが、繊維100質量%に対して、0.1~30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5~25質量%であり、更に好ましくは1~22質量%であり、特に好ましくは2~20質量%である。
好ましくは繊維に(メタ)アクリル酸系重合体を練り込む方法である。
ここで繊維への繊維処理剤の練り込みとは、溶融状態の繊維原料に繊維処理剤を添加して練り込むことや、繊維原料を溶解させた液に繊維処理剤を混合して紡糸することで繊維に繊維処理剤を練り組むことを意味する。
装置:東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF-310-HQ、
GF-710-HQ、GF-1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min.
試料液注入量:10μL(試料濃度は0.5質量%)
検量線:創和科学株式会社製 ポリアクリル酸標準(Mp=94、900、2925、7500、28000、115000、143800、589700)を使用し、Mpと溶出時間を基礎に3次式で作成。
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム水溶液
重合体水溶液1gを3gの脱イオン水で希釈して130℃で120分間乾燥させ、その蒸発残分を測定して、下記式より求めた。
固形分(%)=〔乾燥後の蒸発残分(g)/乾燥前の重合体水溶液の質量(g)〕×100
重合体水溶液を加温保存前の粘度、50℃で30日間保存後の粘度、50℃で100日間保存後の粘度を測定して、下記式より求めた。
変化率(%)=(加温保存後の粘度-加温保存前の粘度)/加温保存前の粘度×100
入り目:100mLの容器に50℃で100日間保存後の重合体水溶液50gを入れ、15℃、もしくは50℃に調温した。調温後の容器を180°2秒間傾けることで容器から取り出すことができた重合体水溶液の量から取り扱い性を評価した。容器内の重合体水溶液を65%以上(すなわち、32.5g以上)取り出すことができた重合体水溶液を取り扱い性良好とした。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:1358.8gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80重量%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と称する):523.5g(すなわち5.82モル)を75分間、15重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する):7.8gを140分間、脱イオン水:109.9gを140分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに65分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで(メタ)アクリル酸系重合体(A)の水溶液を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は45万、数平均分子量(Mn)は7.3万であった。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:778.7gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80%AA:488.2g(すなわち5.42モル)を75分間、15%NaPS:1.2gを15分間と更に続いて13.5gを115分間と2段階の供給速度で、脱イオン水:114.9gを75分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%NaPS以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに65分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで(メタ)アクリル酸系重合体(B)の水溶液を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は37万、数平均分子量(Mn)は6.7万であった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例1で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(A)の水溶液:417.7gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:52.0g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」と称する):30.3g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(A)に含まれるカルボキシル基を30モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(A-1)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、2750mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(A-1)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は2600mPa・s、粘度の変化率は-5.5%であり、100日間保存後の粘度は2520mPa・s、粘度の変化率は-8.4%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は13.6g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は33.2gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例1で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(A)の水溶液:428.1gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:51.2g、48%NaOH:20.7g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(A)に含まれるカルボキシル基を20モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(A-2)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、2450mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(A-2)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は2300mPa・s、粘度の変化率は-6.1%であり、100日間保存後の粘度は2250mPa・s、粘度の変化率は-8.2%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は16.2g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は34.9gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例2で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(B)の水溶液:349.1gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:150.9gを添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(B-3)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、820mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(B-3)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は810mPa・s、粘度の変化率は-1.2%であり、100日間保存後の粘度は810mPa・s、粘度の変化率は-1.2%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は29.2g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は41.2gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例2で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(B)の水溶液:336.0gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:158.6g、48%NaOH:5.4g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(B)に含まれるカルボキシル基を5モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(B-4)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、870mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(B-4)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は830mPa・s、粘度の変化率は-4.6%であり、100日間保存後の粘度は800mPa・s、粘度の変化率は-8.0%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は31.6g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は42.1gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例2で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(B)の水溶液:329.5gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:159.8g、48%NaOH:10.7g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(B)に含まれるカルボキシル基を10モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(B-5)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、910mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(B-5)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は860mPa・s、粘度の変化率は-5.5%であり、100日間保存後の粘度は840mPa・s、粘度の変化率は-7.7%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は31.4g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は41.0gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例2で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(B)の水溶液:316.9gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:167.7g、48%NaOH:15.4g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(B)に含まれるカルボキシル基を15モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(B-6)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、960mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(B-6)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は900mPa・s、粘度の変化率は-6.3%であり、100日間保存後の粘度は890mPa・s、粘度の変化率は-7.3%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は29.8g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は41.3gと50℃では取り扱い性が良好だった。
攪拌機を備えた容量1LのSUS製反応容器に製造例1で得られた(メタ)アクリル酸系重合体(A)の水溶液:404.7gを仕込み、撹拌下、脱イオン水:56.1g、48%NaOH:39.2g(すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体(A)に含まれるカルボキシル基を40モル%中和する量)を添加し、30分間撹拌することで固形分20%の(メタ)アクリル酸系重合体(A-7)水溶液を得た。重合体水溶液の粘度を測定したところ、2850mPa・sであった。(メタ)アクリル酸系重合体(A-7)水溶液をステンレス製の容器に入れ、50℃の恒温槽内にて保管した。30日間保存後の粘度は2400mPa・s、粘度の変化率は-15.8%であり、100日間保存後の粘度は2100mPa・s、粘度の変化率は-26.3%であった。また、取り扱い性評価を実施したところ、15℃で取り出すことができた重合体水溶液は14.1g、50℃で取り出すことができた重合体水溶液は32.6gと50℃では取り扱い性が良好だった。
Claims (3)
- (メタ)アクリル酸系重合体水溶液を保存する方法であって、
該(メタ)アクリル酸系重合体は、中和度が35%以下であり、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して80~100質量%であり、
該保存方法は、(メタ)アクリル酸系重合体の中和度を35%以下に調整し、重量平均分子量を25万以上、50万以下に調整し、下記の条件で測定した粘度が150~2800mPa・sの範囲である(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を、50℃で30日間保存した後の上記粘度の変化率が保存開始時の粘度に対して±10%以内となるように調整し、該(メタ)アクリル酸系重合体水溶液を、40℃以上で保存することを特徴とする(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃ - 前記保存方法は、ステンレス製の保存容器を用いることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の保存方法。
- (メタ)アクリル酸系重合体水溶液であって、
該(メタ)アクリル酸系重合体水溶液は、(メタ)アクリル酸系重合体の中和度が0%を超え、かつ、35%以下であり、重量平均分子量が25万以上、50万以下であり、(メタ)アクリル酸(塩)由来の構造単位の割合が、全構造単位100質量%に対して80~100質量%であり、下記の条件で測定した粘度が150~2800mPa・sであり、50℃で30日間保存した時の上記粘度の変化率が保存開始時の粘度に対して±10%以内であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系重合体水溶液(カルボキシル基の20モル%以上がカリウムイオンで中和されている重合体を含むものを除く。)。
<粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計
重合体水溶液の固形分:20質量%
粘度測定時の水溶液の温度:25℃
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