JP7076894B2 - カルボキシル基含有共重合体の製造方法 - Google Patents

カルボキシル基含有共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、カルボキシル基含有共重合体の製造方法に関する。より詳しくは、セメント分散剤、顔料分散剤、水処理剤、洗剤、結合剤、表面コート剤、コーティング剤、塗料等に有用なカルボキシル基含有共重合体の製造方法に関する。
カルボキシル基含有重合体は、種々の工業分野において用いられている有用な重合体であり、例えば、セメント分散剤、顔料分散剤、水処理剤(スケール成分の付着防止剤)、洗剤、結合剤、表面コート剤、コーティング剤、塗料等の用途に、広く使用されている。これらの市場において、より高い性能を有する重合体が要求されている。
そのような要求に応える方法として、例えば、特許文献1には、水酸基を有する重合体を含む結合剤であって、該重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、所定の構造単位とを含み、該重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比は、1:0.01~1:3であり、該重合体に含まれるカルボキシル基の0~35モル%が中和されている、結合剤が開示されている。
特許文献2には、アクリル酸系重合体組成物の製造方法であって、前記重合体の全構成単量体単位100質量部に対し、次亜リン酸化合物を0.5~4.5部使用し、かつ前記次亜リン酸化合物全量の1~50質量%を単量体供給前に反応器へ投入し、重合温度が68~82℃であることを特徴とするアクリル酸系重合体組成物の製造方法が開示されている。
特開2015-174981号公報 特許第5915750号公報
上記のように、種々のカルボキシル基含有重合体や製造方法が開示され、上記特許文献1及び2では、カルボキシル基含有重合体や製造方法において連鎖移動剤として次亜リン酸化合物が用いられている。このように、連鎖移動剤として次亜リン酸化合物を用いた従来の製造方法には、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造するうえで、工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造することができるカルボキシル基含有共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、カルボキシル基含有共重合体の製造方法について種々検討したところ、不飽和カルボン酸系単量体と特定の構造のポリアルキレングリコール系単量体とを含む単量体成分を連鎖移動剤としてリン原子含有化合物を用いてカルボキシル基含有共重合体を製造する方法において、重合反応開始から単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、少なくとも50%の時間が反応温度70~90℃の条件下で重合を行うことにより、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造することができることを見いだした。具体的には、本発明者らは、上記の単量体成分を連鎖移動剤としてリン原子含有化合物を用いて重合反応を行い、カルボキシル基含有共重合体を製造する際に、90℃よりも高い温度で重合反応を行うと、生成した重合体が有するカルボキシル基と水酸基とにおいてエステル化反応が進行し、重量平均分子量が大きくなりすぎることを見出した。また、70℃よりも低い温度で重合反応を行うと、単量体の消費率が低いことを見出した。これに対して、上記のような条件で重合工程を行うことにより、生成した重合体においてエステル化が進行することを抑制し、単量体の消費率を向上させることができ、これにより、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、カルボキシル基含有共重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)と下記式(1);
Figure 0007076894000001
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基を表す。(AO)は、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2~80の数である。xは、0~2の数を表す。yは、0又は1を表す。)で表される構造単位(b)を形成するポリアルキレングリコール系単量体(B)とを含む単量体成分を、リン原子含有化合物を含む連鎖移動剤を用いて重合させる工程を含み、上記重合工程は、重合反応において、重合開始剤が用いられてもよく、重合反応開始から単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、少なくとも50%の時間が反応温度70~90℃の条件下で行われるカルボキシル基含有共重合体の製造方法である。
上記重合工程は、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了時における反応器内の温度が70~90℃であることが好ましい。
上記重合工程は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して25モル%を添加した時点における、単量体(A)の消費率が50%以上であることが好ましい。
上記製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して50モル%を添加した時点で得られる共重合体の重量平均分子量に対して、重合反応終了後に得られる共重合体の重量平均分子量の比が、0.5~2.5であることが好ましい。
以下に本発明を詳述する。
本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造方法は、上述の構成よりなり、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造することができ、得られる重合体は、各種用途に好適に用いることができる。中でも特に、表面コート剤、コーティング剤、塗料等の用途に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
<カルボキシル基含有共重合体の製造方法>
本発明のカルボキシル基含有共重合体の製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)と上記式(1)で表される構造単位(b)を形成するポリアルキレングリコール系単量体(B)とを含む単量体成分を重合させる工程を含むものであり、上記重合工程は、重合反応開始から単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、少なくとも50%の時間が反応温度70~90℃の条件下で行われることを特徴とする。
これにより、共重合体の重量平均分子量が大きくなりすぎることを抑制することができ、高粘度化を抑制することもできる。
なお、本発明において、重合工程とは、重合反応開始から、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの工程をいう。
また、重合反応開始時は、重合開始剤を添加して反応を開始させる場合には重合開始剤の添加時、UVを照射して反応を開始させる場合にはUV照射時、熱を加えて反応を開始させる場合には重合溶液の温度が70℃になった時点、光開始剤存在下に光を照射して反応を開始させる場合には光照射時を意味するものとする。
上記重合工程における反応温度は、重合溶液の温度を意味する。
上記重合工程は、重合反応開始から、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、少なくとも50%の時間が反応温度70~90℃の条件下で行われればよく、連続的に50%の時間であっても、断続的に合計して50%の時間であってもよい。反応温度70~90℃の条件下で行う重合工程の時間の割合として好ましくは少なくとも60%であり、より好ましくは70%、更に好ましくは80%、特に好ましくは90%、最も好ましくは100%である。
上記反応温度としてより好ましくは73~87℃である。
上記重合工程は、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了時における反応器内の温度が70~90℃であることが好ましい。これにより、生成した重合体においてエステル化反応が進行することをより効果的に抑制することができる。
上記重合工程はまた、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、反応開始時から少なくとも25%の時間が反応温度70℃以上の条件で行われることが好ましい。これにより、重合反応初期における単量体の消費率を向上させることができ、より効率的に重合体を製造することができる。反応開始時から少なくとも25%の時間における反応温度としてより好ましくは73℃以上、更に好ましくは75℃以上である。また95℃以下であることが好ましい。
上記重合工程における単量体成分は、不飽和カルボン酸系単量体(A)と、ポリアルキレングリコール系単量体(B)とを含むものである。
上記不飽和カルボン酸系単量体(A)は、カルボキシル基とエチレン性不飽和炭化水素基(不飽和基)を有するものであれば、特に制限されないが、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基とカルボアニオンを形成しうる基とを1つずつ有する単量体であればよく、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、3-メチルクロトン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、α-ヒドロキシアクリル酸等;これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;下記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1~22のアルコール又は炭素数2~4のグリコールとのハーフエステル;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1~22のアミンとのハーフアミド等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボアニオンを形成しうる基を2つとを有する単量体であればよく、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、それらの無水物が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸系単量体(A)としては、(メタ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)又は無水マレイン酸が好ましい。より好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)である。
ポリアルキレングリコール系単量体(B)は、下記式(1);
Figure 0007076894000002
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基を表す。(AO)は、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2~80の数である。xは、0~2の数を表す。yは、0又は1を表す。)で表される構造単位(b)を形成するものであれば、特に制限されないが、下記式(2);
Figure 0007076894000003
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基を表す。(AO)は、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2~80の数である。xは、0~2の数を表す。yは、0又は1を表す。)で表される単量体であることが好ましい。
上記式(1)又は(2)におけるR、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基である。好ましくはR、Rが水素原子であって、Rが水素原子、又は、メチル基である。より好ましくはRが、メチル基である。
上記式(1)又は(2)中、AOは、「同一又は異なって、」オキシアルキレン基を表すが、これは、ポリアルキレングリコール中にn個存在するAOのオキシアルキレン基が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
上記式(1)又は(2)中、AOで表されるオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2~8のアルキレンオキシドが挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2~4のアルキレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
また、上記ポリアルキレングリコールが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物である場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。尚、親水性と疎水性とのバランス確保のため、ポリアルキレングリコール中のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基を必須成分として有することが好ましく、50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、90モル%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。
上記式(1)又は(2)中、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2~80である。ポリアルキレングリコール系単量体(B)のオキシアルキレン基の平均付加モル数が2以上の場合に、上記エステル化反応が進行しやすい。このため、本発明の製造方法は、このようなポリアルキレングリコール系単量体(B)を用いて共重合体を製造するうえで、特に技術的意義を発揮する。上記nとして好ましくは4~70であり、より好ましくは6~60であり、更に好ましくは8~55である。
上記式(1)又は(2)中、xは、0~2の数を表し、yは、0又は1を表すが、yが0であることが好ましい。yが0の場合には、xは1又は2であることが好ましい。この場合、Rはメチル基であることが好ましい。xはより好ましくは2である。
上記ポリアルキレングリコール系単量体(B)としては、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の、アルキレングリコールの付加モル数2~80のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール、メタリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール(イソプレノール)、3-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-1-オール、2-メチル-2-ブテン-1-オール等の炭素数2~8の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを2~80モル付加させた化合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;アリルアルコール、メタリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オールにアルキレンオキサイドを付加させたものが好適である。より好ましくは3-メチル-3-ブテン-1-オールにアルキレンオキサイドを付加させたものである。
上記重合工程における単量体成分は、不飽和カルボン酸系単量体(A)、ポリアルキレングリコール系単量体(B)以外のその他の単量体(E)を含んでいてもよい。
その他の単量体(E)は、単量体(A)又は(B)と共重合することができる限り特に制限されないが、3-(メタ)アリルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、α-メチル-p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルファミン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、4-(アリルオキシ)ベンゼンスルホン酸、1-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、1,1-ジメチル-2-プロペン-1-スルホン酸、3-ブテン-1-スルホン酸、1-ブテン-3-スルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-フェニルプロパンスルホン酸、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;3-(メタ)アリルオキシ-1,2-ジヒドロキシプロパン、1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール等の水酸基含有エーテル類;N-ビニルピロリドン等のN-ビニルラクタム系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸iso-ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N-モノメチル(メタ)アクリルアミド、N-モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、ビニルナフタレン、フェニルマレイミド、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等のアルケン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体等が挙げられる。
上記単量体成分は、単量体成分100質量%に対する不飽和カルボン酸系単量体(A)の割合が、10~90質量%であることが好ましい。これにより、架橋剤を用いて得られた共重合体を架橋する際に、より効率よく架橋構造を形成することができる。
不飽和カルボン酸系単量体(A)の割合としてより好ましくは15~80質量%であり、更に好ましくは20~70質量%である。
不飽和カルボン酸系単量体(A)のカルボキシル基が塩型である場合、その質量は、対応する酸型の不飽和カルボン酸系単量体(A)として質量を計算するものとする。例えば(メタ)アクリル酸ナトリウムは、(メタ)アクリル酸として質量割合を計算する。後述するその他の単量体も同様に単量体が塩型である場合には、酸型の単量体として質量を計算する。
上記単量体成分は、単量体成分100質量%に対するポリアルキレングリコール系単量体(B)の割合が、10~90質量%であることが好ましい。より好ましくは20~85質量%であり、更に好ましくは30~80質量%である。
上記単量体成分は、単量体成分100質量%に対するその他の単量体(E)の割合が、0~30質量%であることが好ましい。
より好ましくは0~20質量%であり、更に好ましくは0~10質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
上記重合工程における、単量体成分の重合を開始する方法としては、特に制限されないが、例えば、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等が挙げられる。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(2,2’-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、より好ましくは過硫酸塩である。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(不飽和カルボン酸系単量体(A)、ポリアルキレングリコール系単量体(B)及びその他の単量体(E)の合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、10g以下であることが好ましく、0.2g以上、8g以下であることがより好ましく、0.5g以上、7g以下であることが更に好ましい。
上記重合工程においては、リン原子含有化合物を含む連鎖移動剤を用いることを特徴とする。
リン原子含有化合物としては、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)(これらの水和物を含む)、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩)等を用いることが好ましく、これらの連鎖移動剤の存在下で、単量体成分を重合することにより、共重合体の主鎖末端に、リン原子含有基を導入することができる。連鎖移動剤として次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)を用いる場合、重合工程を水溶媒中で行うことができる。
これらの中でも、次亜リン酸(塩)を用いることがより好ましい。
また、上記重合工程においてリン原子含有化合物以外の他の連鎖移動剤を併用することもできる。他の連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン化物;イソプロピルアルコール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸(塩);亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸(塩);亜ジチオン酸ナトリウム等の亜ジチオン酸(塩);ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸(塩)などが挙げられる。上記他の連鎖移動剤は、単独で使用されても、2種以上を併用されてもよい。
連鎖移動剤としてチオール系連鎖移動剤を用いてカルボキシル基含有重合体を製造すると、得られた重合体にチオール化合物が残存することになる。このようなカルボキシル基含有重合体(組成物)をイソシアネート系架橋剤を用いて架橋する場合、チオール基の方が重合体が有する水酸基よりもイソシアネートとの反応性が高いため、架橋量が少なくなることになる。これに対して、チオール系連鎖移動剤を用いずに、リン原子含有化合物を用いてカルボキシル基含有重合体を製造すると、重合体にチオール化合物が残存することがないため、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いた場合にも効率よく架橋構造を形成することができる。すなわち、リン原子含有化合物を用いてカルボキシル基含有重合体を製造することは、好適に使用できる架橋剤の種類が広がるため好ましい。また、連鎖移動剤としてチオール系連鎖移動剤を用いた場合には、重合体に残存するチオール化合物は、臭気の原因にもなり得る。これに対して、リン原子含有化合物は臭気の問題がないため、得られた共重合体の適用できる用途が広がる観点からも好ましい。
本発明の共重合体の製造における連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0.01g以上、10g以下であることが好ましく、0.1g以上、8g以下であることがより好ましい。更に好ましくは6g以下であり、一層好ましくは5g以下であり、特に好ましくは4g以下である。
上記重合工程において、溶媒を使用する場合、溶媒としては水性溶媒が好ましい。水性溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(2-プロパノール)、n-ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、好ましくは水である。
単量体の溶媒への溶解性向上のため、必要に応じて、重合に悪影響を及ぼさない範囲で、任意の適切な有機溶媒を適宜加えてもよい。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40~300質量%が好ましい。
上記重合工程において、単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤の反応器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、それぞれ単独で反応容器へ導入してもよく、他の成分や、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
具体的な添加方法としては、反応器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分とを反応器内に連続して又は段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;等が挙げられる。このような方法の中でも、得られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができることから、重合開始剤と単量体成分とを反応器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。このような重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
また上記単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤の滴下速度は、特に制限されず、一定であっても、滴下の途中で速度を変更してもよい。
上記重合工程は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して25モル%を添加した時点における、単量体(A)の消費率が50%以上であることが好ましい。これにより、カルボキシル基含有共重合体をより効率的に製造することができる。より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
上記製造方法において、全ての使用原料の添加が終了した後に、単量体の重合率を上げること等を目的として熟成工程を設けても良い。上記熟成工程の温度は、70~90℃であることが好ましい。これにより、生成した重合体においてエステル化反応が進行することをより効果的に抑制することができる。より好ましくは、重合工程と同じ温度を保持することが好ましい。
熟成時間は、好ましくは1~120分間、より好ましくは5~60分間である。
上記製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して50モル%を添加した時点で得られる共重合体の重量平均分子量に対して、重合反応終了後に得られる共重合体の重量平均分子量の比が、0.5~2.5であることが好ましい。これにより、得られる重合体の分子量分布をより狭く(シャープに)することができる。上記比としてより好ましくは0.6~2.0であり、更に好ましくは0.7~1.5である。
なお、重合反応終了後に得られる共重合体は、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了後、又は、熟成工程を行う場合には熟成工程終了後に得られる共重合体を意味する。
<カルボキシル基含有共重合体>
本発明の製造方法により得られるカルボキシル基含有共重合体は、重量平均分子量が1万以上であることが好ましい。これにより、上記共重合体は耐水性に優れる。より好ましくは1.5万以上であり、重量平均分子量が1.5万以上であれば耐水性により優れることになる。また、共重合体を架橋する際の共重合体の運動性の観点から、上記重量平均分子量は、15万以下であることが好ましい。更に好ましくは1.8万~12万であり、一層好ましくは2万~11万であり、特に好ましくは2.5万~10万である。
上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<カルボキシル基含有共重合体の用途>
本発明の製造方法は、所望の重量平均分子量の重合体を効率よく製造することができるため、得られる共重合体は、各種用途に好適に用いることができる。カルボキシル基含有共重合体の一般的な用途としては、例えば、セメント分散剤、顔料分散剤、水処理剤、洗剤、結合剤、表面コート剤、コーティング剤、塗料等が挙げられる。中でも、表面コート剤、コーティング剤、塗料等の用途に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF-310-HQ、
GF-710-HQ、GF-1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min.
検量線:創和科学株式会社製 ポリアクリル酸標準
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<アクリル酸(塩)の定量方法>
アクリル酸(塩)の製造方法は下記条件にて高速クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L-7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L-7400
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX RSpak DE-413L
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0mL/min.
<実施例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水280.4gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、80℃まで昇温した。次いで攪拌下、80℃の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液(以下「80%AA」と称する)282.6g(すなわち3.14mol)を120分間、60質量%イソプレノールのエチレンオキサイド50モル付加物水溶液(以下「60%IPN50」と称する)308.3g(すなわち0.08mol)を110分間、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する)53.7gを130分間、10質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下「10%SHP」と称する)12.9gを18分間と更に続いて41.3gを102分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、10%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(以下「48%NaOH」と称する)20.9g(すなわち0.25mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A1)を得た。なお、ポリマー水溶液(A1)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。重合開始から30分後の水溶液、及び、ポリマー水溶液(A1)について、アクリル酸の定量を行い、アクリル酸の消費率を求めた。また、重合開始から60分後、120分後の水溶液、及び、ポリマー水溶液(A1)について、重量平均分子量を測定した。結果を表1に示した。
<実施例2>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水274.7gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、87℃まで昇温した。次いで攪拌下、87℃の重合反応系中に80%AA:277.2g(すなわち3.08mol)を120分間、60%IPN50:302.4g(すなわち0.08mol)を110分間、15%NaPS:64.1gを130分間、15質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下「15%SHP」と称する)20.4gを18分間と更に続いて40.6gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:20.5g(すなわち0.25mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A2)を得た。なお、ポリマー水溶液(A2)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A2)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<実施例3>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水325.0gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、87℃まで昇温した。次いで攪拌下、87℃の重合反応系中に80%AA:238.1g(すなわち2.65mol)を120分間、80質量%イソプレノールのエチレンオキサイド10モル付加物水溶液(以下「80%IPN10」と称する)193.5g(すなわち0.29mol)を110分間、15%NaPS:58.8gを130分間、45質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下「45%SHP」と称する)7.7gを18分間と更に続いて15.8gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:11.0g(すなわち0.13mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A3)を得た。なお、ポリマー水溶液(A3)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A3)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<実施例4>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水361.1gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、87℃まで昇温した。次いで攪拌下、87℃の重合反応系中に80%AA:211.4g(すなわち2.35mol)を120分間、80%IPN10:317.1g(すなわち0.48mol)を110分間、15%NaPS:56.6gを130分間、15%SHP:12.7gを18分間と更に続いて25.4gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:15.7g(すなわち0.19mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A4)を得た。なお、ポリマー水溶液(A4)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A4)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<実施例5>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水384.5gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、87℃まで昇温した。次いで攪拌下、87℃の重合反応系中に80%AA:160.4g(すなわち1.78mol)を120分間、80%IPN10:374.3g(すなわち0.57mol)を110分間、15%NaPS:47.0gを130分間、45%SHP:7.3gを18分間と更に続いて14.6gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:11.9g(すなわち0.14mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A5)を得た。なお、ポリマー水溶液(A5)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A5)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<実施例6>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水376.0gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、87℃まで昇温した。次いで攪拌下、87℃の重合反応系中に80%AA:212.9g(すなわち2.37mol)を120分間、80%IPN10:319.4g(すなわち0.49mol)を110分間、15%NaPS:57.0gを130分間、45%SHP:7.6gを18分間と更に続いて15.2gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:11.8g(すなわち0.14mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A6)を得た。なお、ポリマー水溶液(A6)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A6)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<実施例7>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水233.5gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、92℃まで昇温した。次いで攪拌下、80%AA:235.6g(すなわち2.62mol)を120分間、60%IPN50:257.0g(すなわち0.07mol)を110分間、15%NaPS:54.5gを130分間、15%SHP:17.4gを18分間と更に続いて34.6gを92分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。この間、重合液の温度は80%AA滴下開始から20分間は92℃に維持し、80%AA滴下開始20分後から25分後にかけて重合液温度を87℃まで冷却し、80%AA滴下開始25分後から滴下終了までは重合液温度を87℃に維持した。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を87℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:17.5g(すなわち0.21mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(A7)を得た。なお、ポリマー水溶液(A7)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(A7)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<比較例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水288.2gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、95℃まで昇温した。次いで攪拌下、95℃の重合反応系中に80%AA:286.7g(すなわち3.19mol)を120分間、60%IPN50:312.7g(すなわち0.08mol)を110分間、15%NaPS:54.5gを130分間、15%SHP:8.7gを18分間と更に続いて28.0gを102分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を95℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:21.2g(すなわち0.25mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(B1)を得た。なお、ポリマー水溶液(B1)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(B1)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
<比較例2>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、イオン交換水288.2gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、65℃まで昇温した。次いで攪拌下、65℃の重合反応系中に80%AA:286.7g(すなわち3.19mol)を120分間、60%IPN50:312.7g(すなわち0.08mol)を110分間、15%NaPS:54.5gを130分間、15%SHP:8.7gを18分間と更に続いて28.0gを102分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、15%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに40分間に渡って反応溶液を65℃に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、40℃まで冷却後、48%NaOH:21.2g(すなわち0.25mol)を撹拌下投入してポリマー水溶液(B2)を得た。なお、ポリマー水溶液(B2)重合時、重合開始から30分後(すなわち、AAを全滴下量に対して25%滴下時点)、60分後(すなわち、AAを全滴下量に対して50%滴下時点)、120分後(すなわち、AAを滴下完了時点)にサンプリングを実施した。サンプリングした水溶液とポリマー水溶液(B2)について、実施例1と同様の測定を行い、結果を表1に示した。
Figure 0007076894000004

Claims (6)

  1. カルボキシル基含有共重合体を製造する方法であって、
    該製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)と下記式(1);
    Figure 0007076894000005
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基を表す。(AO)は、同一又は異なって、オキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2~80の数である。xは、0~2の数を表す。yは、0又は1を表す。)で表される構造単位(b)を形成するポリアルキレングリコール系単量体(B)とを含む単量体成分(但し、スルホ基を含む単量体、下記式(3)及び(3’)
    Figure 0007076894000006
    (式中、R は、水素原子又はCH 基を表す。R は、CH 基、CH CH 基又は直接結合を表す。R 、R 及びR は、同一若しくは異なって、炭素数1~20の有機基を表す。R 及びR 10 は、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1~20の有機基を表す。Y は、同一若しくは異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。mは、オキシアルキレン基(-Y -O-)の平均付加モル数であって、1~300の数を表す。X は、カウンターアニオンを表す。)で表されるカチオン性基含有単量体からなる群より選択される少なくとも1種を含むものを除く。)を、リン原子含有化合物を含む連鎖移動剤を用いて重合させる工程を含み、
    該重合工程は、重合反応において、重合開始剤が用いられてもよく、重合反応開始から単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、少なくとも50%の時間が反応温度73~87℃の条件下で行われることを特徴とするカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  2. 前記重合工程は、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了時における反応器内の温度が73~87℃であることを特徴とする請求項1に記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  3. 前記重合工程は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して25モル%を添加した時点における、単量体(A)の消費率が50%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  4. 前記製造方法は、不飽和カルボン酸系単量体(A)の全添加量100モル%に対して50モル%を添加した時点で得られる共重合体の重量平均分子量に対して、重合反応終了後に得られる共重合体の重量平均分子量の比が、0.5~2.5であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  5. 前記重合工程は、単量体成分、連鎖移動剤及び重合開始剤のうち、最も遅く添加が終了するものの添加終了までの時間100%に対して、反応開始時から少なくとも25%の時間が反応温度75℃以上で行われることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。
  6. 前記式(1)におけるオキシアルキレン基の90モル%以上がオキシエチレン基であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のカルボキシル基含有共重合体の製造方法。

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