JP2013538877A - 両性重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い再汚染防止能を有し、界面活性剤との相溶性にも優れた両性重合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)とを必須とする両性重合体であって、該両性重合体を形成する全単量体由来の構造単位の総量100質量%に対して構造単位(a)を1〜99質量%、構造単位(b)を1〜99質量%含む両性重合体。
[化1]
Figure 2013538877

式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、両性重合体及びその製造方法に関する。より詳しくは、洗剤添加剤等の原料として有用な両性重合体及びその製造方法に関する。
従来、洗剤添加剤、水処理剤、繊維処理剤等の分野で用いられ、優れた性能を発揮する種々の重合体の研究が行われている。このうち、洗剤添加剤は、界面活性剤とともに用いることにより、洗浄力を向上させたり、洗濯時に衣料から取り除かれた汚れ成分が衣料へ再付着するいわゆる再汚染を防止する等、洗剤性能を向上させることができるものである。
このような洗剤添加剤に好適に用いられる重合体として、例えば、特許文献1には、下記一般式で表されるアミノ基含有単量体単位を必須とする分子量分布が12以下である水溶性重合体が開示されている。そして、この水溶性重合体は、キレート性能、クレー分散能、再汚染防止能等に優れ、洗浄用ビルダー等の洗剤添加剤として好適に使用できると記載されている。
Figure 2013538877
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は有機基を表す。)
特表2008−523162号公報
上述したように、洗剤添加剤等に好適に用いることができる様々な重合体が研究されており、上述した重合体以外にも、例えば、分子内にアニオン性基とカチオン性基とを有する両性重合体について研究が進められている。
一方、近年は、消費者の環境問題への意識の高まりにより、洗剤添加剤に一層高い性能が要求されるようになりつつある。例えば、節水や、排水量の低減を目的として、ドラム型洗濯機を使用する家庭が増加している。このような節水条件下で洗濯を行う際には、多量の水を用いる場合に比べて衣料の再汚染が大きな問題となるため、洗剤添加剤には、これまで以上に高い再汚染防止能が要求される。また、ドラム型洗濯機では、使用する水量が少ないことから、溶け残りしにくい液体洗剤が使用されることが多く、とりわけ界面活性剤の含有量が50%以上の濃縮液体洗剤の需要が増大している。このため、洗剤添加剤は、濃縮液体洗剤への配合に適したものであることが必要であり、従来よりも界面活性剤との相溶性に優れた洗剤添加剤が求められている。
従来の技術には、このような新たなニーズに対応する、より高い性能を発揮する洗剤添加剤に好適に用いることができる重合体について更に検討する工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高い再汚染防止能を有し、界面活性剤との相溶性にも優れた両性重合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、洗剤添加剤等に好適に用いることができる重合体について検討し、アニオン性基とカチオン性基とが、ポリアルキレングリコール鎖のようなノニオンスペーサーを介して分子内で互いに離れた位置に存在する両性重合体を洗剤添加剤として用いると、洗浄力の向上に寄与する泥粒子の分散性が優れたものとなることを見出した。そして、カチオン性基を含有する特定の単量体に由来する構造単位と、カルボキシル基を含有する単量体に由来する構造単位とを必須とする重合体を用いると、高い再汚染防止能及び界面活性剤との相溶性を発揮できることを見出した。更に、重合体中の各上記構造単位の含有量を特定の範囲に調整することにより、上述した性能が一層優れたものとなり、このような重合体を新たなニーズに対応する洗剤添加剤として好適に用いることができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)とを必須とする両性重合体であって、上記両性重合体は、上記両性重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)を1〜99質量%含み、構造単位(b)を1〜99質量%含むことを特徴とする両性重合体である。
Figure 2013538877
式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
本発明はまた、下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)と、カルボキシル基含有単量体(B)とを重合させる工程を含む両性重合体の製造方法であって、上記製造方法は、使用する全単量体の総量100質量%に対して単量体(A)を1〜99質量%、単量体(B)を1〜99質量%使用することを特徴とする両性重合体の製造方法でもある。
Figure 2013538877
式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
〔本発明の両性重合体〕
本明細書において、両性重合体とは、1分子内にカチオン性基とアニオン性基との両方を有する重合体をいう。
<カチオン性基含有単量体(A)>
本発明の両性重合体は、下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)を必須とする重合体である。
Figure 2013538877
式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
なお、本発明における両性重合体は、構造単位(a)として一般式(1)で表される単量体(A)に由来するもの、及び、一般式(1’)で表される単量体(A)に由来するもののうち少なくとも一方の構造単位を有するものであればよい。すなわち、両者のうちいずれか一方を有していてもよく、両方を有していてもよい。
また、本発明においては、上記一般式(1’)におけるアミノ基のように、酸の存在下でカチオンとなる基についても「カチオン性基」と称する。
上記一般式(1)又は(1’)において、Rが直接結合である場合とは、上記一般式(1)又は(1’)のHC=C(R)−R−O−がHC=C(R)−O−で表されることを意味する。すなわちHC=C(R)−R−は、RがCH基、RがCH基の場合はメタリル基、RがCH基、RがCHCH基の場合はイソプレニル基、RがCH基、Rが直接結合の場合はイソプロペニル基、Rが水素原子、RがCH基の場合はアリル基、Rが水素原子、RがCHCH基の場合はブテニル基、Rが水素原子、Rが直接結合の場合はビニル基である。
上記カチオン性基含有単量体(A)における重合可能な炭素−炭素二重結合を有する基、すなわちHC=C(R)−R−としては、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、ビニル基が好ましい。重合性を高める観点からは、イソプレニル基、メタリル基、アリル基がより好ましく、イソプレニル基、メタリル基が特に好ましい。
上記一般式(1)におけるR、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。上記一般式(1’)におけるR及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。炭素数1〜20の有機基は全体として炭素数が1〜20であれば限定されないが、アルキル基、アリール基、アルケニル基であることが好ましい。当該アルキル基、アリール基、アルケニル基は、無置換の基であっても、水素原子の1または2以上が他の有機基によって置換された基であっても良い。この場合の他の有機基としては、アルキル基(R、R又はRで表される有機基がアルキル基である場合には、置換後の有機基は全体として無置換のアルキル基に該当する。)、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、水酸基、アシル基、エーテル基、アミド基、エステル基、ケトン基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン酸基、スルホン酸基の塩等が挙げられる。
、R、R、R及びRの炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2が更に好ましい。炭素数が上記範囲にあれば、高い収率でカチオン性基含有単量体(A)を製造することができるため、単量体の重合性及び得られる重合体の純度が向上する。また、得られる重合体の再汚染防止能も向上する。
具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基、又は、これらの水素原子の一部がアルコキシ基、カルボキシエステル基、アミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン酸基、スルホン酸基の塩等で置換された基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。中でも、得られる重合体の再汚染防止能を向上させる観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
上記一般式(1)におけるR及びR、又は、上記一般式(1’)におけるR及びRは、夫々結合して環状構造を形成していてもよい。この場合、環状構造が安定する点で、窒素原子、R及びR(又は、R及びR)で形成される環状構造は3〜7員環であること、すなわちRとRとの合計(又は、RとRとの合計)の炭素数が2〜6であることが好ましい。
上記一般式(1)又は(1’)において、Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基であるが、カチオン性基含有単量体(A)の重合性を良好にする観点から、Yは炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましい。上記アルキレン基としては、1種又は2種以上を用いることができるが、2種以上を用いる場合は、−Y−O−で表されるオキシアルキレン基は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。
上記一般式(1)又は(1’)において、nはオキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であり、1〜300の数を表す。得られる重合体分子中でアニオン性基とカチオン性基とを互いに離れた位置に存在させることにより重合体の再汚染防止能を顕著に向上させるとの観点から、nは5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましい。また、カチオン性基含有単量体(A)の重合性を良好にする観点から、nは200以下が好ましく、150以下がより好ましく、100以下が更に好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)が四級化した窒素原子を有する場合、四級化した窒素原子近傍には、カウンターアニオンXが存在することになる。カウンターアニオンXの種類は特に限定されないが、ハロゲン原子のイオン、アルキル硫酸イオン、有機酸のイオンが好ましい。ハロゲン原子のイオンとしては、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のイオンが挙げられる。中でも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のイオンが好ましく、塩素原子のイオンがより好ましい。
アルキル硫酸イオンとしては、具体的には、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等が挙げられる。中でも、メチル硫酸イオンが好ましい。
上記有機酸のイオンとしては、酢酸イオン(CHCOO)、プロピオン酸イオン(CHCHCOO)が好ましい。
本発明の両性重合体は、上記カチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)を有する。構造単位(a)は、カチオン性基含有単量体(A)の炭素−炭素二重結合が単結合になった構造であり、下記一般式(2)又は(2’)で表すことができる。
Figure 2013538877
式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
なお、本発明の両性重合体が「カチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」を含むとは、最終的に得られた重合体が上記一般式(2)及び/又は(2’)で表される構造単位を含むことを意味する。すなわち、本発明における「カチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)」には、上記カチオン性基含有単量体(A)を合成した後、それを他の単量体成分と共重合させることによって重合体中に導入されるものだけでなく、例えば、まず両性重合体の主鎖部分を共重合によって形成し、その後特定の構造を有する側鎖を導入して得られるもののように、形成工程が重合反応の前後にわたるものも含まれる。
本発明の両性重合体における上記構造単位(a)の含有量は、両性重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、後述する構造単位(b)及び(e)の総量)100質量%に対し、1質量%以上、99質量%以下である。構造単位(a)の含有量が上記範囲内であれば、重合体の再汚染防止能や界面活性剤との相溶性の顕著な向上効果が得られる。構造単位(a)の含有量として、好ましくは2質量%以上、90質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上、70質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上、40質量%以下である。
なお、上記構造単位(a)の、全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合(質量%)や、上記単量体(A)の、全単量体の総量に対する質量割合を算出する際には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
また、本発明の両性重合体が有する構造単位(a)は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
上記両性重合体が、構造単位(a)として一般式(1)で表される単量体(A)に由来するものと、一般式(1’)で表される単量体(A)に由来するものとの両方を有する場合には、構造単位(a)の含有量は両者の合計量として計算するものとする。
本発明の両性重合体における上記構造単位(a)は、再汚染防止能の向上効果が特に高いことから、上記一般式(2)で表される構造単位を必須とすることが好ましい。上記一般式(2)で表される構造単位の含有量としては、両性重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対し、1質量%以上、99質量%以下であることが好ましい。
<カチオン性基含有単量体(A)の製造方法>
上記カチオン性基含有単量体(A)は、適用可能な公知の製造方法により製造することもできるが、上記カチオン性基含有単量体(A)が上記一般式(1)で表される構造を有する場合には、下記(1)〜(4)の方法で製造することが好ましい。当該方法によれば、高い収率でカチオン性基含有単量体(A)を製造することができる。また、上記カチオン性基含有単量体(A)が上記一般式(1’)で表される構造を有する場合には、下記工程(A)及び(C)により製造することが好ましい。
製造方法(1)は、(i)下記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとアルカリ化合物とを反応させる工程(工程A)と、(ii)工程Aで得られた反応物と三級アミン塩を反応させる工程(工程B)とを含む方法である。
製造方法(2)は、(i)下記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとアルカリ化合物とを反応させる工程(工程A)と、(ii)工程Aで得られた反応物と二級アミンとを反応させる工程(工程C)と、(iii)工程Cで得られた反応物と四級化剤とを反応させる工程(工程D)とを含む方法である。
製造方法(3)は、(i)下記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とエピハロヒドリンとを触媒存在下で反応させる工程(工程E)と、(ii)工程Eで得られた反応物と三級アミンとを反応させる工程(工程F)とを含む方法である。
製造方法(4)は、(i)下記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体とグリシジルトリアルキルアンモニウム塩とを反応させる工程(工程G)を含む方法である。
Figure 2013538877
式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nはオキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であり、1〜300の数を表す。
なお、R、R及びYの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR、R及びYの好ましい形態と同様である。
上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体としては、アルキレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール又はそれらのアルキレンオキシド付加構造を有するアルコールに、アルキレンオキシドを公知の方法により付加させて製造したものを使用することができる。これにより、得られるカチオン性基含有単量体(A)の純度を高くすることができる。
上記製造方法(1)〜(3)において用いられるエピハロヒドリンとしては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
Figure 2013538877
式中、X’はハロゲン原子を表す。エピハロヒドリンとして、具体的には、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。中でも、工業的に安価なことから、エピクロルヒドリンが好ましい。
上記製造方法(1)において用いられる三級アミン塩としては、下記一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 2013538877
式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RとRとは結合して環状構造を形成してもよい。Xはカウンターアニオンを表す。
上記一般式(5)におけるR、R、R及びXの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR、R、R及びXの好ましい形態と同じである。
上記三級アミン塩として、具体的には、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリス(2−ヒドロキシプロピル)アミン等の三級アミンの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。中でも、高い収率で本発明のカチオン性基含有単量体(A)を製造することができることから、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ジメチルエチルアミン塩酸塩が好ましい。
上記製造方法(2)において用いられる二級アミンとしては、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
Figure 2013538877
式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RとRとは結合して環状構造を形成してもよい。
上記一般式(6)におけるR及びRの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR及びRの好ましい形態と同じである。
上記二級アミンとして、具体的には、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン等のジアルキルアミン類;ジエタノールアミン、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン等のジアルカノールアミン類;モルホリン、ピロール等の環状アミン類が挙げられる。中でも、高い収率でカチオン性基含有単量体(A)を製造することができることから、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミンが好ましい。
上記製造方法(2)において用いられる四級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化アルキル;塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸;パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル等のスルホン酸アルキルが挙げられる。中でも、工業的に入手が容易なことから、塩化メチル、塩化ベンジル、ジメチル硫酸が好ましい。
上記一般式(1’)で表される構造を有するカチオン性基含有単量体(A)を上記工程(A)及び(C)により製造する場合、工程(C)においては、上述した二級アミンに代えてアンモニア又は一級アミンを用いてもよい。
上記一級アミンとして、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、2−ヒドロキシプロピルアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。中でも、高い収率でカチオン性基含有単量体(A)を製造することができることから、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミンが好ましい。
上記製造方法(3)において用いられる三級アミンとしては、下記一般式(7)で表されるものが好ましい。
Figure 2013538877
式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RとRとは、結合して環状構造を形成してもよい。
上記一般式(7)中、R、R及びRの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR、R及びRの好ましい形態と同じである。
上記三級アミンとして、具体的には、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン等のトリアルキルアミン類;トリエタノールアミン、トリス(2−ヒドロキシプロピル)アミン等のトリアルカノールアミン類が挙げられる。中でも、高い収率でカチオン性基含有単量体(A)を製造することができることから、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
上記製造方法(4)において用いられるグリシジルトリアルキルアンモニウム塩としては、下記一般式(8)で表されるものが好ましい。
Figure 2013538877
式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。RとRとは、結合して環状構造を形成してもよい。X’’はハロゲン原子のイオンを表す。
上記一般式(8)中、R、R及びRの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR、R及びRの好ましい形態と同じである。
上記グリシジルトリアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリエチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムブロミド、グリシジルトリエチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。中でも、工業的に入手が容易なことから、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
上記製造方法(1)〜(4)における各工程は、下記反応式で表される。
Figure 2013538877
上記工程Aの反応はアルカリ化合物と、必要に応じて相間移動触媒及び/又は溶媒との存在下で行われる。
上記アルカリ化合物としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。
アルカリ化合物の使用量は、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)とアルカリ化合物とのモル比で、(水酸基)/(アルカリ化合物)=15/1〜1/15とすることが好ましい。より好ましくは5/1〜1/5であり、更に好ましくは3/1〜1/3である。
アルカリ化合物は、そのまま反応系に投入してもよいし、水溶液の状態で使用してもよい。水溶液として用いる場合には、水(反応の進行に伴い副生する水も含む)を除去しながら反応を行ってもよい。
上記相間移動触媒の種類は特に限定されないが、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリエチルアンモニウムクロリド、トリエチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド等のホスホニウム塩;15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテル類等が挙げられる。
上記工程A又は工程Eの反応に用いるエピハロヒドリンの使用量は、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)とエピハロヒドリンとのモル比で、(水酸基)/(エピハロヒドリン)=1/1〜1/30とすることが好ましい。より好ましくは1/1〜1/10であり、更に好ましくは1/1〜1/5である。上記範囲外では、架橋成分が生じる場合があり、重合時にゲル化してしまうおそれがある。
上記工程Aはいわゆるスラリー反応であり、一般的な攪拌装置を有する反応装置で実施することができる。例えば、攪拌槽式反応装置を用いて、回分、半回分、連続槽型反応器のいずれの装置でも実施することができる。工程Aの反応後、脱塩や過剰なエピハロヒドリンの除去等の工程を行ってから、工程Bや工程Cを実施することが好ましい。脱塩工程は沈降分離、遠心分離、ろ過等により実施することができ、特に限定されるものではない。脱塩工程の実施条件は、塩が充分に取り除かれるように適宜実施すればよく、充分な分離速度が得られる点で、15℃〜100℃の温度で実施することが好ましい。過剰なエピハロヒドリンは蒸留、蒸発操作等によって容易に取り除くことができる。
上記工程Bにおける三級アミン塩の使用量は、工程Aで得られた反応物のグリシジル基のモル数に対して、モル比で、(グリシジル基)/(三級アミン塩)=2/1〜1/2であることが好ましい。より好ましくは1.5/1〜1/1.5であり、更に好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
三級アミン塩は水溶液の状態で使用してもよい。この場合、三級アミン塩を5質量%以上含有する水溶液であることが好ましい。より好ましくは三級アミン塩を10質量%以上含有する水溶液であり、更に好ましくは三級アミン塩を15質量%以上含有する水溶液である。三級アミン塩の含有量が5質量%未満の場合には、反応で得られるカチオン性基含有単量体(A)の選択率が低下する場合がある。
上記工程Cにおける二級アミンの使用量は、工程Aで得られた反応物のグリシジル基のモル数に対して、モル比で、(グリシジル基)/(二級アミン)=2/1〜1/2であることが好ましい。より好ましくは1.5/1〜1/1.5であり、更に好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
上記工程Dの反応における四級化剤の使用量は、工程Cで得られた反応物のアミノ基のモル数に対して、モル比で、(アミノ基)/(四級化剤)=2/1〜1/2であることが好ましい。より好ましくは1.5/1〜1/1.5であり、更に好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
上記工程Eの反応においては、触媒として酸又は塩基を使用することができるが、酸を使用することが好ましい。酸としては、ルイス酸でもブレンステッド酸でもよいが、ルイス酸が好適である。ルイス酸としては、一般的にルイス酸と呼ばれるものを使用することができ、例えば、三フッ化ホウ素、四塩化錫、二塩化錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化マグネシウム、五塩化アンチモン等が挙げられる。
上記工程Fにおける三級アミンの使用量は、工程Eで得られた反応物のハロゲン基のモル数に対して、モル比で、(ハロゲン基)/(三級アミン)=2/1〜1/2であることが好ましい。より好ましくは1.5/1〜1/1.5であり、更に好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
工程Fは、工程Eの反応終了後に洗浄等の工程を行ってから実施してもよい。
上記工程Gの反応は、必要に応じて触媒の存在下行われる。反応に用いる触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩;四級アンモニウム塩(上記工程Aで用いられる相間移動触媒として例示したものと同様)等が挙げられる。
上記工程Gの反応におけるグリシジルトリアルキルアンモニウム塩の使用量は、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)に対して、モル比で、(水酸基)/(グリシジルトリアルキルアンモニウム塩)=5/1〜1/5であることが好ましい。より好ましくは3/1〜1/3であり、更に好ましくは1.5/1〜1/1.5である。
上記工程A〜Gの反応は、溶媒非存在下に実施することが、反応が効率よく進行し、容積効率向上の観点から好ましいが、溶媒の存在下で実施してもよい。使用できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例えば、上記工程A、E及びGにおいては、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素系炭化水素類を挙げることができる。
上記工程B、C、D及びFにおいては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を挙げることができる。
上述した溶媒は、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
各工程における溶媒の使用量に特に制限はないが、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体、又は、前工程で得られた反応物に対して、質量比で0.005〜5倍であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜3倍である。
上記工程Aにおける相間移動触媒、工程Eにおける触媒、又は、工程Gにおける触媒を使用する場合、当該触媒の使用量は、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体の水酸基(水酸基価換算)に対して、モル比で、(水酸基)/(触媒)=1/0.0001〜1/0.3であることが好ましい。より好ましくは1/0.001〜1/0.2であり、更に好ましくは1/0.005〜1/0.1である。触媒の使用量が上述した範囲より少ないと、充分な触媒効果が得られない。また、上述した範囲より多く使用しても、それ以上の効果はなく、経済的に不利である。
上記工程A〜Gにおける反応は、攪拌に問題が生じない温度で実施することが好ましい。具体的には、工程A〜Gにおける反応温度は0〜200℃であることが好ましい。より好ましくは15〜150℃であり、更に好ましくは30〜100℃である。
工程A〜Gの反応時間は、0.1〜50時間が好ましい。より好ましくは0.5〜30時間であり、更に好ましくは1〜15時間である。
工程A〜Gの反応は、空気雰囲気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、減圧下、大気圧下、加圧下のいずれでも実施できる。
工程B、C、D及びFにおいて、前工程で触媒を使用した場合は、そのまま残存触媒下で反応を行ってもよい。
工程B、C、D、E、F及びGの反応はバッチ式で行っても、連続式で行ってもよく、例えば、槽型、管型反応器のいずれの装置でも実施することができる。
上記カチオン性基含有単量体(A)は上記の方法により製造することができるが、必要に応じて精製工程を設けてもよい。抽出や洗浄による精製工程を行うことにより、重合時にゲル化を引き起こす原因となる架橋成分の量を低減することができる。
上記カチオン性基含有単量体(A)の製造方法としては、上記製造方法(1)〜(4)の中でも、原料が安価であり、かつ、製造が簡便であることから、製造方法(1)〜(3)が好適である。
更に、製造方法(1)によれば、重合時にゲル化を引き起こす原因となる架橋成分の生成を抑えることができる。また製造方法(2)においては、カチオン性基含有単量体(A)中のカウンターアニオンの選択が容易である。更に、製造方法(3)によれば、反応過程で出る廃棄物を低減することができる。中でも、製造方法(1)がより好ましい。
上記カチオン性基含有単量体(A)中のカウンターアニオンは上記製法で得た後にイオン交換法により所望のアニオン種に変換することができるが、各製法で使用する原料を適宜選択することにより所望のアニオン種を導入することが、簡便であるため好ましい。すなわち、製造方法(1)では、工程(B)で使用する三級アミン塩のアニオンを、上記カウンターアニオンとして導入できる。製造方法(2)では、工程(D)の四級化剤により、上記カウンターアニオンを導入できる。また、製造方法(3)では工程(E)のエピハロヒドリンのハロゲン原子が、製造方法(4)では工程(G)のグリシジルトリアルキルアンモニウム塩のカウンターアニオンが、夫々カチオン性基含有単量体(A)中のカウンターアニオンとして導入できる。
<カルボキシル基含有単量体(B)>
本発明の両性重合体は、カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)を必須とする重合体である。
上記カルボキシル基含有単量体(B)は、1)不飽和二重結合と、2)カルボキシル基及び/又はその塩を必須として含有する単量体である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の、不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、2−メチレングルタル酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩等の不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に1つの不飽和基と2つのカルボキシル基とを有する単量体であればよいが、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アンモニウム塩(有機アミン塩)等、又は、それらの無水物が好適である。
上記カルボキシル基含有単量体(B)としては、上記のものの中でも、アクリル酸、アクリル酸塩、マレイン酸及びマレイン酸塩が、得られる両性重合体の再汚染防止能の向上効果が高いことから好ましく、アクリル酸、アクリル酸塩を必須とすることがより好ましい。
上記不飽和モノカルボン酸の塩及び上記不飽和ジカルボン酸の塩としては、金属塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩が好適である。
金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属の一価の金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム、鉄等の塩等が挙げられる。
また、上記有機アミン塩としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン等の有機アミンの塩が挙げられる。
これらのうち、得られる共重合体の再汚染防止能の向上効果が高いことから、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
上記カルボキシル基含有単量体(B)は、上述したもの以外に、不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等であってもよい。
上記カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)は、単量体(B)の不飽和二重結合が単結合になった形態である。本発明の両性重合体が「カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)」を含むとは、最終的に得られた重合体が、単量体(B)の不飽和二重結合を単結合に置き換えた構造単位を含むことを意味する。
本発明の両性重合体は、構造単位(b)を1種のみ有していてもよいが、2種以上の構造単位(b)を有してもよい。
上記両性重合体は、構造単位(b)を全単量体に由来する構造単位の総量(構造単位(a)、(b)及び後述する構造単位(e)の総量)100質量%に対して、1質量%以上、99質量%以下の割合で有することを必須としている。構造単位(b)の含有量が上記範囲内であれば、重合体の再汚染防止能や界面活性剤との相溶性の顕著な向上効果が得られる。全単量体由来の構造単位の総量100質量%に対する構造単位(b)の割合は、好ましくは10質量%以上、95質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上、90質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以上、85質量%以下である。
本発明の両性重合体を洗剤ビルダーとして使用する場合、構造単位(b)を上述した特定の割合で含有することにより、重合体の水溶性が良好になり、構造単位(a)と相互作用した汚れ粒子を分散する効果を発揮することが可能となる。
なお、本発明において、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)の全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合は、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムに由来する構造単位−CH−CH(COONa)−の質量割合は、対応する酸であるアクリル酸に由来する構造単位−CH−CH(COOH)−の質量割合(質量%)として計算する。同様に、カルボキシル基含有単量体(B)の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムの質量割合は、対応する酸であるアクリル酸の質量割合(質量%)として計算する。
<その他の単量体>
本発明の両性重合体は、その他の単量体(E)(上記カチオン性基含有単量体(A)及びカルボキシル基含有単量体(B)以外の単量体)に由来する構造単位(e)を有していてもよい。上記両性重合体は、構造単位(e)を1種のみ有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
上記その他の単量体(E)は、上記単量体(A)及び(B)と共重合可能なものであれば特に限定されず、所望の効果によって適宜選択可能である。具体的には、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体の四級化物、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アミノエチルメタクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類の四級化物、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類の四級化物、(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のエポキシ環に三級アミン塩を反応させることにより得られる単量体の四級化物、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類の四級化物、(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のエポキシ環に二級アミンを反応させた単量体を公知の四級化剤で四級化した単量体等のアミノ基含有単量体、上記単量体(A)以外の四級化されたアミノ基(カチオン性基)含有単量体等が挙げられる。
なお、上記二級アミンとしては、好ましくは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン;ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;モルホリン、ピロール等の環状アミン類が挙げられる。公知の四級化剤としては、ハロゲン化アルキルや、ジアルキル硫酸等が挙げられ、上記三級アミン塩としては、具体的にはトリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等が挙げられる。塩としては、塩酸塩や有機酸塩等が挙げられる。
上記その他の単量体(E)としては、上述したもの以外に、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸基含有単量体;上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体(好ましい形態は上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体と同じ)、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等にアルキレンオキサイドを付加した単量体、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシネオペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)とは、その他の単量体(E)が有する不飽和二重結合が単結合に置き換わった構造単位である。本発明の両性重合体が「その他の単量体(E)に由来する構造単位(e)」を含むとは、最終的に得られた重合体が、単量体(E)の不飽和二重結合を単結合に置き換えた構造単位を含むことを意味する。
本発明の両性重合体が、任意成分であるその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を含む場合には、全単量体由来の構造単位100質量%(すなわち構造単位(a)、(b)及び(e)の総量100質量%)に対して、0質量%以上、60質量%以下の割合で含むことが好ましい。より好ましくは、0質量%以上、50質量%以下である。本発明の両性重合体は、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)として、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体((メタ)アリルアルコール、イソプレノール等にアルキレンオキサイドを付加した単量体を含む)に由来する構造単位(e1)を含むことが好ましい。
構造単位(e1)を含む場合、全単量体由来の構造単位100質量%に対して、構造単位(a)が2質量%以上、89.9質量%以下、構造単位(b)が10質量%以上、97.9質量%以下、構造単位(e1)が0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、構造単位(a)が3質量%以上、79.8質量%以下、構造単位(b)が20質量%以上、96.8質量%以下、構造単位(e1)が0.2質量%以上、9質量%以下であることがより好ましく、構造単位(a)が4質量%以上、69.5質量%以下、構造単位(b)が30質量%以上、95.5質量%以下、構造単位(e1)が0.5質量%以上、8質量%以下であることが特に好ましい。なお、構造単位(e1)を含む場合においても本発明の両性重合体は、構造単位(e1)以外の構造単位(e)を含んでいてもよく、その場合の構造単位(e)全体の含有量は、全単量体由来の構造単位100質量%に対して、0.1質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
上記範囲は、(i)再汚染防止能が向上する傾向にある、(ii)水溶液で保存したときの安定性が向上する傾向にある、(iii)粉末洗剤を製造する際の成形性が向上する、の3つの理由により好ましい。
なお、アミノ基含有単量体由来の構造単位の、全単量体に由来する構造単位の総量に対する質量割合や、アミノ基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合を算出する際には、対応する未中和アミンの質量割合として計算するものとする。例えば、その他の単量体(E)がビニルアミン塩酸塩の場合には、対応する未中和アミンであるビニルアミンの質量割合(質量%)を計算する。
四級化されたアミノ基を含有する単量体又はそれに由来する構造単位の質量割合(質量%)を計算する場合には、カウンターアニオンの質量は考慮しないで(含めないで)計算するものとする。
上記構造単位(e)が酸基含有単量体由来の構造単位である場合には、全単量体由来の構造単位の総量に対する質量割合(質量%)は、対応する酸換算で計算するものとする。また、酸基含有単量体の、全単量体の総量に対する質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算で計算するものとする。
<両性重合体のその他の物性>
本発明の両性重合体は、上記構造単位(a)、(b)、及び、必要に応じて構造単位(e)が、上記したような特定の割合で導入されていればよく、各構造単位は、ブロック状、ランダム状のいずれで存在していてもよい。
また、上記両性重合体の重量平均分子量は、適宜設定できるものであり、特に限定されない。具体的には、両性重合体の重量平均分子量は、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜100,000、最も好ましくは4,000〜60,000である。重量平均分子量が上記範囲内であれば、再汚染防止能が向上する傾向にある。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する実施例において記載される装置及び測定条件により測定することが可能である。
本発明の両性重合体は、再汚染防止能が高いものであるが、再汚染防止率が76.3%以上であることが好ましい。より好ましくは76.5%以上であり、更に好ましくは77.0%以上である。
なお、再汚染防止率は、後述する実施例と同様にして測定することができる。
〔両性重合体組成物〕
本発明の両性重合体は、他の成分とともに両性重合体組成物を構成してもよい。上記他の成分としては、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含有することができる。上記両性重合体組成物は、本発明の両性重合体を、両性重合体組成物の総量100質量%に対して、1〜100質量%含有することが好ましい。上記両性重合体組成物の好ましい形態の一つは、本発明の両性重合体を40〜60質量%含有し、水を40〜60質量%含有する形態である。
〔本発明の両性重合体の製造方法〕
本発明の両性重合体の製造方法としては、特に断りの無い限りは、公知の重合方法又はそれを修飾した方法が採用できる。本発明の両性重合体は、例えば、上記一般式(1)で表されるカチオン性基含有単量体(A)(単量体(A))及びカルボキシル基含有単量体(B)(単量体(B))を必須とし、必要に応じてその他の単量体(E)(単量体(E))を含む単量体成分を共重合することにより製造することができる。
具体的な重合方法としては、例えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法等を採用することができる。上記例示の重合方法の中でも、安全性が高く、また、生産コスト(重合コスト)を低減することができる点で、水溶液重合法又は乳化重合法を採用することが好ましい。このような製造方法においては、重合開始剤を用いて単量体成分を共重合することができる。
本発明の両性重合体の製造方法において、重合に使用する各単量体の組成比は、全単量体(単量体(A)、(B)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(A)が1質量%以上、99質量%以下、単量体(B)が1質量%以上、99質量%以下である。好ましくは、単量体(A)が5質量%以上、90質量%以下、単量体(B)が10質量%以上、95質量%以下であり、より好ましくは、単量体(A)が10質量%以上、80質量%以下、単量体(B)が20質量%以上、90質量%以下であり、特に好ましくは、単量体(A)が15質量%以上、70質量%以下、単量体(B)が30質量%以上、85質量%以下である。また、全単量体(単量体(A)、(B)、(E))の総量100質量%に対して、単量体(E)を0質量%以上、60質量%以下の割合で含んでいてもよい。
本発明の両性重合体の製造方法において、その他の単量体(E)として、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体(E1)((メタ)アリルアルコール、イソプレノール等にアルキレンオキサイドを付加した単量体を含む)を使用することが好ましく、重合に使用する各単量体の組成比は、全単量体の総量100質量%に対して、単量体(A)が2質量%以上、89.9質量%以下、単量体(B)が10質量%以上、97.9質量%以下、単量体(E1)が0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、単量体(A)が3質量%以上、79.8質量%以下、単量体(B)が20質量%以上、96.8質量%以下、単量体(E1)が0.2質量%以上、9質量%以下であることがより好ましく、単量体(A)が4質量%以上、69.5質量%以下、単量体(B)が30質量%以上、95.5質量%以下、単量体(E1)が0.5質量%以上、8質量%以下であることが特に好ましい。
なお、上記場合においても、単量体(E1)以外の単量体(E)を含んでいてもよく、その場合の単量体(E)全体の含有量は、全単量体の総量100質量%に対して、0.1質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
<重合開始剤>
上記製造方法において、上記重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。具体的には、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましく、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上を混合して使用されてもよい。
<連鎖移動剤>
本発明の両性重合体の製造方法においては、必要に応じ、重合に悪影響を及ぼさない範囲内で、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物及びその塩等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもよく、2種以上を混合して使用されてもよい。
連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量の両性重合体を効率よく製造することができるという利点がある。
本発明の両性重合体の製造方法において、亜硫酸及び/又は亜硫酸塩(以下、「亜硫酸(塩)」とも記載する)を連鎖移動剤として使用することは好ましい形態である。その場合、亜硫酸(塩)に加えて重合開始剤を使用する。更に、後述する反応促進剤として、重金属イオンを併用してもよい。
上記亜硫酸(塩)は、亜硫酸若しくは亜硫酸水素又はこれらの塩を意味する。中でも、亜硫酸及び/又は亜硫酸水素が塩である形態が好適である。亜硫酸及び/又は亜硫酸水素が塩である場合、上記した例に加えて、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好適である。
上記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等が好ましい。
また、有機アンモニウム(有機アミン)としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、トリエチルアミン等が好適である。更に、上記亜硫酸塩は、アンモニウム塩であってもよい。
よって、本発明で好ましく使用される亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムが特に好適である。上記亜硫酸(塩)は、単独で使用されてもよく、2種以上を混合して使用されてもよい。
<反応促進剤>
本発明の両性重合体の製造方法においては、開始剤等の使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えてもよい。反応促進剤としては、例えば、重金属イオンが挙げられる。本発明において、重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。上記金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが両方含まれていてもよい。
上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いることが、取り扱い性に優れるため好適である。その際に用いる重金属化合物は、開始剤に含有することを所望する重金属イオンを含むものであれば良く、用いる開始剤に応じて決定することができる。上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらはいずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れたものとなる。なお、上記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明の両性重合体の製造において、重合反応を妨げるものでなく、かつ、重金属化合物を溶解するものであればよい。
上記重金属イオンの添加方法は特に限定されないが、単量体の添加終了までに添加することが好ましく、全量を初期仕込することが特に好ましい。また、使用量としては反応液全量に対して100ppm以下であることが好ましく、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、特に好ましくは30ppm以下である。100ppmを超えると添加による効果が見られず、また得られた重合体の着色が大きく洗剤組成物として用いる場合等には使用できないおそれがあるため好ましくない。
上記重金属イオンの含有量は、また、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して0.1〜10ppmであることが好ましい。重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が充分に発現しないおそれがある。一方、重金属イオンの含有量が10ppmを超えると、得られる重合体の色調の悪化を来たすおそれがある。また、重金属イオンの含有量が多いと、生成物である重合体を洗剤ビルダーとして用いる場合に、着色汚れの原因となるおそれがある。
なお、上記重合反応完結時とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体が酸成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
本発明の両性重合体の製造方法において、重合の際には、上述した化合物等に加えて、重合開始剤の分解触媒や還元性化合物を反応系に添加してもよい。
重合開始剤の分解触媒としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、そのエステル及びその金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミン及びその誘導体等が挙げられる。これらの分解触媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、還元性化合物としては、例えば、フェロセン等の有機金属化合物;ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の、鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン等の金属イオンを発生できる無機化合物;三フッ化ホウ素エーテル付加物、過マンガン酸カリウム、過塩素酸等の無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸エステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸及びその置換体、パラトルエンスルフィン酸等の環状スルフィン酸の同族体等の硫黄含有化合物;オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオプロピオン酸、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホプロピルエステル、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホエチルエステル等のメルカプト化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の窒素含有化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレリアンアルデヒド等のアルデヒド類;アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元性化合物もまた、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、メルカプト化合物等の還元性化合物は、連鎖移動剤として添加してもよい。
上記連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の組み合わせは、特に制限されず、上記各例示の中から適宜選択できる。例えば、連鎖移動剤、開始剤及び反応促進剤の組み合わせとしては、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過酸化水素/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/過酸化水素、亜硫酸水素ナトリウム/酸素/Fe(イオン)等の形態が好ましい。より好ましくは、過硫酸ナトリウム/過酸化水素、過硫酸ナトリウム/過酸化水素/Fe(イオン)、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)であり、最も好ましくは亜硫酸水素ナトリウム/過硫酸ナトリウム/Fe(イオン)、過硫酸ナトリウム/過酸化水素/Fe(イオン)である。
<重合開始剤等の使用量>
重合開始剤の使用量は、単量体の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、全単量体成分(単量体(A)、(B)及び(E))の総量1モルに対して15g以下であることが好ましい。より好ましくは1〜12gである。
開始剤として、過酸化水素を使用する場合、過酸化水素の添加量は、全単量体成分の総量1モルに対して1.0〜10.0gであることが好ましく、2.0〜8.0gであることがより好ましい。過酸化水素の添加量が1.0g未満であると、得られる共重合体の重合平均分子量が高くなる傾向にある。一方、添加量が10.0gを超えると、添加量の増加に見合うだけの効果が得られなくなり、更に、残存する過酸化水素量が多くなる等の悪影響を及ぼす。
開始剤として、過硫酸塩を使用する場合、過硫酸塩の添加量は、全単量体成分の総量1モルに対して1.0〜5.0gであることが好ましく、2.0〜4.0gであることがより好ましい。過硫酸塩の添加量が上記範囲より少ないと、得られる共重合体の分子量が高くなる傾向がある。一方、添加量が上記範囲より多いと、添加量の増加に見合うだけの効果が得られなくなり、更に、得られる共重合体の純度が低下するなど悪影響を及ぼすことになる。
開始剤として過酸化水素と過硫酸塩とを併用する場合、過酸化水素及び過硫酸塩の添加比率は、過酸化水素に対する過硫酸塩の重量比が0.1〜5.0であることが好ましく、0.2〜2.0であることがより好ましい。過硫酸塩の重量比が0.1未満であると、得られる共重合体の重量平均分子量が高くなる傾向がある。一方、過硫酸塩の重量比が5.0を超えると、過硫酸塩の添加による分子量低下の効果が、添加量の増加に見合うほどには得られなくなり、重合反応系において過硫酸塩が無駄に消費されることになる。
過酸化水素の添加方法としては、実質的に連続的に滴下することにより添加する量が、必要所定量の85重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、100重量%、すなわち全量を滴下により添加することが最も好ましい。過酸化水素を連続的に滴下する際、その滴下速度は変えてもよい。
過酸化水素の滴下は、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、単量体(初期仕込みする単量体を除く)の滴下開始後、遅らせて開始することが好ましい。具体的には、好ましくはカチオン性基含有単量体(A)の滴下開始後1分以上経過後、より好ましくは3分以上経過後、更に好ましくは5分以上経過後、最も好ましくは10分以上経過後に過酸化水素の滴下を開始することである。過酸化水素の滴下開始を遅らせることにより、初期の重合開始をスムーズにし、分子量分布を狭くすることが可能となる。
過酸化水素の滴下開始を遅らせる時間は、単量体の滴下開始後60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましい。
過酸化水素の滴下を単量体の滴下と同時に開始することや、単量体の滴下前に予め過酸化水素を仕込むことも可能であるが、予め過酸化水素を仕込む場合は、必要所定量の10%以下であることが好ましい。より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。
単量体の滴下開始までに必要所定量の10%を超える過酸化水素を添加すると、例えば過硫酸塩を併用する場合には過硫酸塩に対する過酸化水素の濃度の比率が大きくなり、重合が停止するおそれがある。一方、単量体の滴下開始から60分より遅く開始すると、過酸化水素による連鎖移動反応等が起こらなくなるため、重合初期の分子量が高くなる。
また、過酸化水素の滴下は、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、単量体の滴下終了と同時に終了することが好ましい。また、単量体滴下終了時間よりも10分以上早く終了することがより好ましく、30分以上早く終了することが特に好ましい。なお、単量体の滴下終了時間より遅く終了しても、重合系において特に悪影響を及ぼすものではない。ただ、添加した過酸化水素が重合終了時までに完全には分解しないため、未反応の過酸化水素については添加による効果が得られず無駄となる。また、過酸化水素が多量に残存すると、得られた重合体の熱的安定性に悪影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
過硫酸塩の添加方法としては、特に限定はされないが、その分解性等を考慮すると、実質的に連続的に滴下することにより添加する量が必要所定量の50重量%以上であることが好ましい。より好ましくは80重量%以上であり、100重量%すなわち全量を滴下することが最も好ましい。過硫酸塩を連続的に滴下する際、その滴下速度は変えてもよい。
滴下時間も特に限定されないが、後述する好適な反応条件(温度、圧力、pH等)の下で反応を行う場合において、過硫酸塩は比較的分解の早い開始剤であるため、単量体の滴下終了時間まで滴下を続けることが好ましい。また、単量体滴下終了後から30分以内に滴下を終了することがより好ましく、単量体滴下後5分〜20分以内に滴下を終了することが特に好ましい。これにより、製造した重合体における単量体の残量を著しく減じることが出来る。
なお、単量体の滴下終了前に、これら開始剤の滴下を終了しても、重合に特に悪影響を及ぼすものではなく、得られた共重合体中の単量体の残存量に応じて開始剤の滴下終了時間を設定すればよい。
上記過硫酸塩のように比較的分解の早い開始剤について、滴下終了時間についてのみ好ましい範囲を述べたが、滴下開始時間は何ら限定されるものではなく、適宜設定すればよい。例えば、単量体の滴下開始前に開始剤の滴下を開始してもよいし、2種以上の開始剤を併用する場合においては、一つの開始剤の滴下を開始し、一定の時間が経過後又は滴下が終了してから別の開始剤の滴下を開始してもよい。いずれの場合にも、開始剤の分解速度、単量体の反応性に応じて適宜開始剤の滴下開始時間を設定すればよい。
重合開始剤を滴下により添加する場合の開始剤溶液の濃度は、特には限定されないが、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。開始剤の濃度が5重量%未満であると、結果的に重合中の単量体濃度が非常に低くなるので、単量体の重合性が非常に悪くなり得られる共重合体中における単量体の残存量が非常に多くなる。また輸送等の効率や生産性も低くなり経済的な面からも好ましくない。逆に60重量%を超えると、安全性や滴下の簡便性の面で問題となる。
連鎖移動剤の添加量は、単量体(A)、(B)及び(E)が良好に重合する量であれば制限されないが、好ましくは単量体(A)、(B)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、1〜20g、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがある。一方、20gを超えると、不純物が多量に生成し、重合体純分が低下するおそれがある。特に、亜硫酸塩を使用する場合には、余剰の亜硫酸塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがある。更に、経済的にも不利となるおそれがある。
上記開始剤と連鎖移動剤との組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩とをそれぞれ1種以上用いることが最も好ましい。この場合、過硫酸塩と亜硫酸塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。亜硫酸塩量の下限は、過硫酸塩1質量部に対して1質量部であることがより好ましく、最も好ましくは2質量部である。また、亜硫酸塩量の上限は、過硫酸塩1質量部に対して4質量部であることがより好ましく、最も好ましくは3質量部である。過硫酸塩1質量部に対して亜硫酸塩が0.5質量部未満であると、低分子量化する際に、必要となる開始剤総量が増加するおそれがあり、5質量部を超えると、副反応が増加し、それによる不純物が増加するおそれがある。
上記連鎖移動剤、開始剤、及び反応促進剤の総使用量は、単量体(A)、(B)及び(E)からなる全単量体成分の総量1モルに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明の両性重合体を効率よく生産することができ、また、両性重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。より好ましくは、4〜18gであり、更に好ましくは、6〜15gである。
<重合溶媒>
本発明の両性重合体の製造方法において、単量体(A)、(B)及び(E)の共重合は、単量体(A)、(B)及び(E)を溶解可能な溶媒を使用して行うことが好ましく、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることが好ましい。用途によっては有機溶剤の混入が厳しく制限されることがあるが、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることによって、重合に使用される有機溶剤の量を抑制できるため、重合終了後の有機溶剤の留去が容易であるという利点がある。
水と混合して使用されうる溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用されても2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上述した観点からは、水の量は、使用する溶媒の総量100質量%に対して80質量%以上であることが好ましく、最も好ましくは100質量%、すなわち、溶媒として水のみを用いることである。有機溶媒を添加する場合は、単量体成分及び得られる共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
水等の溶媒の使用量としては、全単量体成分の総量100質量%に対して40〜200質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、180質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる共重合体の分子量が高くなるおそれがあり、200質量%を超えると、得られる共重合体の濃度が低くなり、溶媒除去が必要となるおそれがある。なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
上記製造方法において、単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、それぞれ単独で反応容器へ導入してもよく、他の成分や、溶媒等とあらかじめ混合しておいてもよい。
具体的な添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分とを反応容器内に連続してあるいは段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;等が挙げられる。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、汚れの分散性や再汚染防止能を向上することができることから、重合開始剤と単量体成分とを反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。このような重合は、回分式でも連続式でも行うことができる。
<重合条件>
上記製造方法において、重合温度等の重合条件は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、重合温度としては、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。
特に、亜硫酸(塩)を用いる場合には、重合温度は60℃〜95℃が好ましい。より好ましくは70℃〜95℃、更に好ましくは80℃〜95℃である。60℃未満では、亜硫酸(塩)由来の不純物が多量に生成するおそれがある。一方、95℃を超えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
重合時間は特に制限されないが、好ましくは30〜420分であり、より好ましくは45〜390分であり、更に好ましくは60〜360分であり、最も好ましくは90〜300分である。なお、本発明において「重合時間」とは、特に断らない限り、単量体を添加している時間、すなわち、単量体の添加を開始してから終了するまでの時間を表す。
上記重合方法における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよいが、得られる共重合体の分子量を適切に制御する観点では、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備を必要としない点では、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。
反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上記重合方法における重合中のpHは、特に制限されない。上記連鎖移動剤として、重亜硫酸塩を使用する場合は、酸性条件下で行うことが好ましい。
〔本発明の両性重合体及び両性重合体組成物の用途〕
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)は、凝固剤、凝集剤、印刷インク、接着剤、土壌調整(改質)剤、難燃剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、シャンプー・ヘアースプレー・石鹸・化粧品用添加剤、アニオン交換樹脂、繊維・写真用フィルムの染料媒染剤や助剤、製紙における顔料展着剤、紙力増強剤、乳化剤、防腐剤、織物・紙の柔軟剤、潤滑油の添加剤、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤用添加剤、スケール防止剤(スケール抑制剤)、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用等、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
<水処理剤>
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いてもよい。
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
<繊維処理剤>
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)はまた、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)とを含む。
上記繊維処理剤における本発明の両性重合体の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは5〜100重量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
以下に、繊維処理剤の配合例を示す。この繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物および界面活性剤としては繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明の両性重合体と、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤純分換算で、本発明の重合体1重量部に対して、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを0.1〜100重量部の割合で配合された組成物を繊維処理剤として用いることが好ましい。
上記繊維処理剤を使用できる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維、人絹等の半合成繊維およびこれらの織物および混紡品が挙げられる。
上記繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明の重合体と、アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明の重合体と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
<無機顔料分散剤>
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)はまた、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いてもよい。
上記無機顔料分散剤中における、本発明の両性重合体の含有量は、無機顔料分散剤全体に対して、好ましくは5〜100重量%である。また性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
上記無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、クレイの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮し得る。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
上記無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、該無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100重量部に対して、0.05〜2.0重量部が好ましい。該無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、充分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
<洗剤ビルダー>
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)はまた、洗剤ビルダーとして用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
<洗剤組成物>
本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)はまた、洗剤組成物にも添加しうる。
洗剤組成物における当該両性重合体の含有量は特に制限されない。ただし、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、両性重合体の含有量は、洗剤組成物の全量100質量%に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量100質量%に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量100質量%に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、充分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
添加剤としては、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記洗剤組成物は、本発明の両性重合体(又は両性重合体組成物)に加えて、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、特に制限されないが、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩等のアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー、カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体等が挙げられる。上記ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。より好ましくは0.2〜40質量%であり、更に好ましくは0.3〜35質量%であり、特に好ましくは0.4〜30質量%であり、最も好ましくは0.5〜20質量%以下である。添加剤/他の洗剤ビルダーの配合割合が0.1質量%未満であると、充分な洗剤性能を発揮できなくなる虞があり、50質量%を超えると経済性が低下する虞がある。
なお、上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、液体洗剤組成物の全量に対して0.1〜75質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜70質量%であり、さらに好ましくは0.5〜65質量%であり、さらにより好ましくは0.7〜60質量%であり、特に好ましくは1〜55質量%であり、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、当該洗剤組成物は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは150mg/L以下であり、さらに好ましくは120mg/L以下であり、特に好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。
<カオリン濁度の測定方法>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗浄剤組成物に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗浄剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が好適である。上記キレートビルダーとしては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸等が好適である。本発明における重合体以外のその他の水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを用いてもよい。
上記洗浄剤組成物は、分散能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤とすることができる。
本発明の両性重合体は、上述の構成よりなり、高い再汚染防止能を有し、界面活性剤との相溶性にも優れることから、高濃縮タイプの液体洗剤へも配合が可能であり、洗剤添加剤等の原料として好適に用いることができるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、単量体や反応中間体の定量及び各種物性値の測定は、以下の方法により行った。
<カチオン性基含有単量体および反応中間体の定量>
カチオン性基含有単量体の中間生成物は、以下の条件の液体クロマトグラフィーにより定量した。また、カチオン性基含有単量生成物の中間体を液体クロマトグラフィーで定量することにより、その転化率からカチオン性基含有単量体の収率を算出した。
測定装置:株式会社日立ハイテクノロジーズ製
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C18 MGII 4.6mmΦ×250mm 5μm
温度:40.0℃
溶離液:0.1wt%ギ酸/アセトニトリル=6/4(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長210nm)。
<イソプレノールのエチレンオキシド付加物の定量方法>
イソプレノールのエチレンオキシド付加物の定量は、以下の条件の高速クロマトグラフィーにより行った。
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液
(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)。
<カルボキシル基含有単量体等の定量>
カルボキシル基含有単量体等の定量は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0ml/min。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:株式会社日立製作所 L−7000シリーズ
検出器:HITACHI RI Detector L−7490
カラム:東ソー製 TSK−guard column+TSK−GEL α−3000+ TSK−GEL α−2500
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min
検量線:ジーエルサイエンス株式会社製 POLYETHYLENE GLYCOL
溶離液:ホウ酸100mM(pH9.2)/アセトニトリル=4/1(wt/wt)。
<固形分の測定>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで、本発明の両性重合体を含む両性重合体組成物1.0gに水1.0gを加えたものを1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と揮発成分(%)とを算出した。
<カチオン性基含有単量体(A)の合成>
以下の単量体合成例においては、上記一般式(3)で表されるポリアルキレングリコール鎖含有単量体として下記化合物を使用した。
イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物(以下、「IPN10」とも称する。):水酸基価106.5(mgKOH/g)
イソプレノールのエチレンオキシド平均25モル付加物(以下、「IPN25」とも称する。):水酸基価47.3(mgKOH/g)
イソプレノールのエチレンオキシド平均50モル付加物(以下、「IPN50」とも称する。):水酸基価25.5(mgKOH/g)。
合成例1
1l4つ口フラスコを用いて、IPN10を400g、エピクロルヒドリン351.4g及び48質量%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)94.9gを仕込み、50℃に保ちながら6時間攪拌し、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水とを除去して中間体(IPEG10)を324.9g、IPN10を64.1gを含む反応液を451.2gを得た。次に、1l4つ口フラスコを用いて、IPEG10を324.9g含む反応液451.2gと30質量%トリメチルアミン塩酸塩水溶液268.7gを仕込み、50℃に保ちながら8時間反応させ、IPN10のカチオン化物(以下、IPEC10とも称する。)を336.4g、IPN10を63.8g含む反応液(以下、単量体組成物(1)と称す。)を719.9g得た。
合成例2
1l4つ口フラスコを用いてIPN25を500g、エピクロルヒドリン233.7g及びペレット状のNaOH25.3gを仕込み、50℃に保ちながら16時間攪拌し、反応させた。反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水とを除去して中間体(IPEG25)を389.1g、IPN25を43.5g含む反応液を499.4g得た。次に、1l4つ口フラスコを用いて、IPEG25を389.1g含む反応液499.4gと30質量%トリメチルアミン塩酸塩水溶液143.6gを仕込み、50℃に保ちながら12時間反応させ、IPN25のカチオン化物(以下、IPEC25とも称する。)を376.7g、IPN25を41.3g含む反応液(以下、単量体組成物(2)と称す。)を643.0g得た。
合成例3
200ml4つ口フラスコを用いて、IPN50を100g、エピクロルヒドリン25.0g及びペレット状のNaOH2.6gを仕込み、50℃に保ちながら16時間攪拌し、反応後、生成する塩を除去した後、残った有機層からエピクロルヒドリンと水とを除去して中間体(IPEG50)を71.7g、IPN50を10.0g含む反応液を102.3g得た。次に、200ml4つ口フラスコを用いて、IPEG50を71.7g含む反応液102.3gと30質量%トリメチルアミン塩酸塩水溶液12.6gを仕込み、50℃に保ちながら12時間反応させ、IPN50のカチオン化物(以下、IPEC50とも称する。)を67.2g、IPN50を9.8g含む反応液(以下、単量体組成物(3)と称す。)を114.9g得た。
合成例4
上記合成例1と同様にして合成したIPEG10を100.0gとジエタノールアミン17.4gを仕込み、80℃に保ちながら8時間攪拌し、単量体組成物(4)を117.4g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、IPN10のアミノ化物(すなわち一般式(1’)においてR及びRが−CHCHOH基であるもの、以下、IPEA10−DEAとも称する。)が80.8g、IPN10が10.2g含まれていた。
合成例5
上記合成例1と同様にして合成したIPEG10を100.0gとジブチルアミン23.2gを仕込み、100℃に保ちながら8時間攪拌し、単量体組成物(5)を123.2g得た。液体クロマトグラフィーによる分析の結果、IPN10のアミノ化物(すなわち一般式(1’)においてR及びRが−C基であるもの、以下、IPEA10−DBuAとも称する。)が83.6g、IPN10が10.2g含まれていた。
<両性重合体の製造>
実施例1
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g、および、モール塩0.0057gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す。)148.5g、単量体組成物(1)174.2g、IPN10を36.2g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと称す。)90.9g、35%亜硫酸水素ナトリウム(以下、35%SBSと称す。)16.7g、および、純水147.5gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については120分間、IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%水酸化ナトリウム(以下、48%NaOHと略す。)96.3gを加えて中和した。このようにして、共重合体(1)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(1)を得た。
実施例2
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g、および、モール塩0.0057gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA150.3g、単量体組成物(1)44.1g、IPN10を144.4g、15%NaPS93.5g、35%SBS17.2g、および、純水162.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については120分間、IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH97.4gを加えて中和した。このようにして、共重合体(2)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(2)を得た。
実施例3
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g、および、モール塩0.0056gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA270.0g、単量体組成物(1)39.6g、IPN10を21.7g、15%NaPS61.9g、35%SBS53.0g、および、純水82.3gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については150分間、IPN10については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については150分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH175.0gを加えて中和した。このようにして、共重合体(3)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(3)を得た。
実施例4
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g、および、モール塩0.0057gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA145.8g、単量体組成物(1)17.1g、IPN10を161.0g、15%NaPS65.0g、35%SBS55.7g、および、純水166.6gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については120分間、IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH94.5gを加えて中和した。このようにして、共重合体(4)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(4)を得た。
実施例5
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水100.0g、および、モール塩0.0056gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA256.5g、単量体組成物(1)15.0g、IPN10を39.0g、15%NaPS98.1g、35%SBS84.1g、および、純水43.5gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については150分間、IPN10については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については150分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH166.3gを加えて中和した。このようにして、共重合体(5)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(5)を得た。
実施例6
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水20.9g、および、モール塩0.0009gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA31.5g、単量体組成物(1)2.5g、IPN10を14.8g、15%NaPS12.7g、35%SBS10.9g、および、純水10.0gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については150分間、IPN10については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH20.4gを加えて中和した。このようにして、共重合体(6)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(6)を得た。
実施例7
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水19.5g、および、モール塩0.0009gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA31.5g、単量体組成物(1)18.5g、IPN10を1.7g、15%NaPS12.6g、35%SBS10.8g、および、純水10.0gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については150分間、IPN10については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH20.4gを加えて中和した。このようにして、共重合体(7)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(7)を得た。
実施例8
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水26.9g、および、モール塩0.0009gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA22.5g、単量体組成物(1)33.0g、IPN10を0.1g、15%NaPS13.7g、35%SBS2.5g、および、純水10.0gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については150分間、IPN10については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH14.6gを加えて中和した。このようにして、共重合体(8)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(8)を得た。
実施例9
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水74.9g、単量体組成物(1)33.9g、マレイン酸(以下、MAと称す。)10.1g、および35%過酸化水素水(以下、35%Hと称す。)0.3gを仕込み、攪拌しながら、60℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、60℃に保持された重合反応系中に、1.5%L−アスコルビン酸水溶液(以下、1.5%L−ASと称す。)7.9gを一括滴下した。
その後、60分間、上記反応溶液を60℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、純水26.0g、および、48%NaOH13.0gを加えて中和した。このようにして、共重合体(9)を含む固形分濃度25%の共重合体組成物(9)を得た。
実施例10
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0057gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA158.4g、単量体組成物(2)55.7g、IPN25を189.2g、15%NaPS92.3g、35%SBS17.0g、および、純水48.3gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(2)については150分間、IPN25については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH102.7gを加えて中和した。このようにして、共重合体(10)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(10)を得た。
実施例11
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0057gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%AA288.0g、単量体組成物(2)50.6g、IPN25を28.0g、15%NaPS65.5g、35%SBS46.8g、および、純水0.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(2)については150分間、IPN25については150分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%NaOH186.7gを加えて中和した。このようにして、共重合体(11)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(11)を得た。
実施例12
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0061gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す。)162.0g、単量体組成物(4)89.9g、IPN10を116.6g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと称す。)99.9g、35%亜硫酸水素ナトリウム(以下、35%SBSと称す。)18.3g、および、純水126.1gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(4)については120分間、IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%水酸化ナトリウム(以下、48%NaOHと略す。)105.0gを加えて中和した。このようにして、共重合体(12)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(12)を得た。
実施例13
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0061gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す。)162.0g、単量体組成物(5)89.9g、IPN10を117.9g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと称す。)120.5g、35%亜硫酸水素ナトリウム(以下、35%SBSと称す。)18.3g、および、純水120.5gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(5)については120分間、IPN10については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間、および、純水については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%水酸化ナトリウム(以下、48%NaOHと略す。)105.0gを加えて中和した。このようにして、共重合体(13)を含む固形分濃度45%の共重合体組成物(13)を得た。
実施例14
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水150.0g、および、モール塩0.0058gを仕込み、攪拌しながら、70℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、70℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと称す。)315.0g、単量体組成物(1)19.7g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと称す。)70.5g、35%亜硫酸水素ナトリウム(以下、35%SBSと称す。)60.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。
各溶液の滴下開始は同時とし、各溶液の滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体組成物(1)については180分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。15%NaPSの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を70℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷してから、48%水酸化ナトリウム(以下、48%NaOHと略す。)204.2gを加えて中和した。このようにして、共重合体(14)を含む固形分濃度41%の共重合体組成物(14)を得た。
比較例1
還流冷却管、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水75.0g、および、モール塩0.0025gを仕込み、攪拌下70℃に昇温した後、80%AA65.0g、イソプレノールのエチレンオキサイド25モル付加物の80%水溶液(以下、80%IPN25と称す。)97.5g、15%NaPS26.3g、35%SBS22.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAが180分間、80%IPN25が150分間、15%NaPSが190分間、35%SBSが180分間とした。なお、滴下開始はすべて同時とした。15%NaPS滴下終了までの間、温度は70℃を維持した。さらに同温度を15%NaPS滴下終了後30分間にわたって維持して熟成を行い重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH42.1gを加えて中和した。このようにして、比較重合体(1)を含む固形分濃度45%の比較重合体組成物(1)を得た。
比較例2
還流冷却管、攪拌機を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水169.2g、イソプレノールのエチレンオキサイド50モル付加物の60%水溶液(以下、60%IPN50と称す。)350.0g、および、モール塩0.0056gを仕込み、攪拌下90℃に昇温した後、80%AA112.5g、15%NaPS35.8g、35%SBS30.7gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAが180分間、15%NaPSが210分間、35%SBSが180分間とした。なお、滴下開始はすべて同時とした。15%NaPS滴下終了までの間、温度は90℃を維持した。さらに同温度を15%NaPS滴下終了後30分間にわたって維持して熟成を行い重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷してから、48%NaOH95.8gを加えて中和した。このようにして、比較重合体(2)を含む固形分濃度45%の比較重合体組成物(2)を得た。
上記共重合体組成物(1)〜(14)を、HNMRにより評価したところ、単量体に由来するピークは検出されず、仕込み比通りの重合体が得られていたことを確認した。
実施例1〜14及び比較例1〜2で得た共重合体(1)〜(14)及び比較重合体(1)〜(2)について、以下のように性能の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
<再汚染防止能試験/JIS11種クレー>
(1)Test fabric社より入手した綿布を5cm×5cmに切断し、白布を作成した。この白布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム2水和物5.88gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.0g、炭酸水素ナトリウム9.5g、硫酸ナトリウム8.0gに純水を加えて100.0gとし、界面活性剤水溶液を調製した。pH10に調整した。
(4)ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水2Lと界面活性剤水溶液5g、固形分換算で0.8%の重合体水溶液5g、ゼオライト0.30g、JIS11種クレー1.0gをポットに入れ、100rpmで1分間攪拌した。その後、白布7枚を入れ100rpmで10分間攪拌した。
(5)手で白布の水を切り、25℃にした硬水2Lをポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。
(6)白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度白布の白度を反射率にて測定した。
(7)以上の測定結果から下式により再汚染防止率を求めた。
再汚染防止率(%)=(洗浄後の白色度)/(原白布の白色度)×100。
<界面活性剤との相溶性>
試験サンプル(重合体もしくは重合体組成物)を含む洗剤組成物を下記の配合で調製した。
SFT−70H(日本触媒(株)製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル);40g
ネオペレックスF−65(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム);7.7g(有効成分5g)
コータミン86W(花王(株)製、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド);17.9g(有効成分5g)
ジエタノールアミン;5g
エタノール;5g
プロピレングリコール;5g
試験サンプル(固形分換算);1.5g
イオン交換水;バランス(イオン交換水の量は、試験サンプルの量を実際の使用量として、上記全合計が100gとなるように適宜調整する。)
各成分が均一になる様に充分に攪拌し、25℃での濁度値を、濁度計(日本電色(株)製「NDH2000」)を用い、Turbidity(カオリン濁度mg/l)で測定した。
以下の基準で評価した。
○:カオリン濁度0mg/l以上、50mg/l未満、目視で分離、沈殿又は白濁していない。
△:カオリン濁度50mg/l以上、200mg/l未満、目視で僅かに白濁している。
×:カオリン濁度200mg/l以上、目視で白濁している。
Figure 2013538877
Figure 2013538877
表1に示す結果から、共重合体(1)〜(14)及び比較重合体(1)〜(2)はいずれも、界面活性剤との相溶性に優れることが分かった。また、共重合体(1)〜(14)はいずれも、比較重合体(1)〜(2)と比較して、より再汚染防止能に優れていることが分かった。これらのことから、特定の構造単位を有する両性共重合体を用いることに技術的意義が存在することが確認された。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)に由来する構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)に由来する構造単位(b)とを必須とする両性重合体であって、
    該両性重合体は、該両性重合体を形成する全単量体に由来する構造単位の総量100質量%に対して、構造単位(a)を1〜99質量%含み、構造単位(b)を1〜99質量%含むことを特徴とする両性重合体。
    Figure 2013538877
    式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
  2. 下記一般式(1)又は(1’)で表されるカチオン性基含有単量体(A)と、カルボキシル基含有単量体(B)とを重合させる工程を含む両性重合体の製造方法であって、
    該製造方法は、使用する全単量体の総量100質量%に対して単量体(A)を1〜99質量%、単量体(B)を1〜99質量%使用することを特徴とする両性重合体の製造方法。
    Figure 2013538877
    式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は直接結合を表す。R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Yは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基(−Y−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。Xは、カウンターアニオンを表す。
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