JP2015187224A - 新規架橋重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い水の吸液能力に加え、高いエタノールの吸液能力を有する架橋重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】
末端に4級アンモニウム塩を含むポリアルキレングリコール鎖を含む構造単位と、架橋剤に由来する構造単位とを含み、該架橋剤は、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、N,N‘−メチレンビス(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される1種または2種以上を含む、架橋重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規架橋重合体に関する。より詳しくは、農薬・液肥用保持剤、芳香・消臭用ゲル、固形燃料、防カビ剤等の用途に好適に使用可能な新規架橋重合体に関する。
農業の効率化の観点から、農薬・液肥使用量の低減、農薬・液肥散布回数低減の要求がある。これに対しては、農薬活性成分の徐放化が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系樹脂の架橋物、および農薬活性成分を含有することを特徴とする徐放性農薬組成物が開示されている。
また、芳香消臭剤に応用されるゲル状組成物として、カラギーナンや吸水性樹脂を用いたものがある。例えば、特許文献2には、アクリルアミド−アクリル酸塩共重合体の吸水性樹脂、および界面活性剤を含有することを特徴とする含水ゲルが開示されている。
特開2012−6881号公報 特開2007−291145号公報
上記のように、農薬の除放性や、芳香消臭成分の吸水性・含水ゲルの安定性を改良する為に、種々の架橋重合体が検討されている。吸収倍率の高い架橋重合体は、農薬水溶液や芳香消臭成分の保持力を有することから、農薬用保持剤、芳香・消臭用ゲルとして有用に使用される。
しかし、農薬成分や芳香・消臭成分等には難水溶性・低水溶性の化合物も多い為、有機溶剤(例えば比較的毒性の低いエタノール等のアルコール類)を使用できれば、農薬や芳香・消臭成分の選択の幅が広がり有用である。
よって、本発明は、高い水の吸液能力に加え、高いエタノールの吸液能力を有する架橋重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成する為に種々検討を行ない、本発明に想到した。
すなわち、本発明の架橋重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位と、架橋剤に由来する構造単位とを含み、該架橋剤は、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される1種または2種以上を含む、架橋重合体である。
Figure 2015187224
一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わす。Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。X、Yは、水酸基、下記一般式(3−1)で表される基、下記一般式(3−2)で表される基、から選択される基を表す(ただし、X、Yのいずれか一方が水酸基であり、他の一方が下記一般式(3−1)若しくは下記一般式(3−2)で表される基である)。
Figure 2015187224
上記一般式(3−1)、(3−2)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜20のアルキレン基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基、を表し、Xは、カウンターアニオンを表す。
本発明の架橋重合体は、高い吸水能力と高いエタノールの吸液能力を有する。よって、本発明の架橋重合体を含む農薬・液肥組成物および芳香消臭剤組成物は、農薬・液肥や芳香消臭成分の選択の幅が広がり、あるいは農薬や芳香消臭成分濃度の調整の幅が広がることになる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[本発明の架橋重合体]
本発明の架橋重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を有する。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基を表すが、残存単量体量が減少する傾向にあることから、Rは、メチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わすが、本発明の架橋体のエタノール吸液能力がより向上する傾向にあることから、エチレン基であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表すが、吸水能力とエタノールの吸液能力がより向上する傾向にあることから、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましい。また、上記一般式(1)に含まれる全R100モル%に対して、50〜100モル%がエチレン基(−CHCH−)であることが好ましく、80〜100モル%がエチレン基であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表すが、吸水能力とエタノールの吸液能力がより向上する傾向にあることから、nは1〜150の数であることが好ましく、2〜60の数であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、X、Yは、水酸基、上記一般式(3−1)で表される基、上記一般式(3−2)で表される基、から選択される基を表す(ただし、X、Yのいずれか一方が水酸基であり、他の一方が上記一般式(3−1)若しくは上記一般式(3−2)で表される基である)。すなわち、Xが水酸基の場合には、Yは上記一般式(3−1)、(3−2)から選択される基を表し、Yが水酸基の場合には、Xは上記一般式(3−1)、(3−2)から選択される基を表す。
上記一般式(3−1)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表し、上記一般式(3−2)において、Rは、炭素数1〜20の有機基を表す。上記有機基としては、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロアリール基が例示される。ここで「置換のアルキル基」とは、アルキル基を構成する水素原子の1又は2以上が、置換基で置換されている基をいう。「置換のアリール基」、「置換のヘテロアリール基」、も同様である。上記置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基等が例示される。
上記有機基は、全体で炭素数が1〜20であれば良いが、炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
上記有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−カルボキシルエチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、オクチル基等の置換または無置換のアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基等の置換または無置換のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の置換または無置換のヘテロアリール基;等が例示される。
上記一般式(3−2)において、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜20のアルキレン基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基、を表す。上記の基を構成する水素原子の1または2以上が、置換基で置換されていてもよい。上記置換基としては、上記有機基における置換基と同様のものが例示される。Rは、全体で炭素数が1〜20であれば良いが、炭素数は1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ヒドロキシエチレン基、プロピレン基、フェニルプロピレン基等、炭素数1〜20のアルキレン基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基としては、−CHO−、−CHOCH−、−CHNHCH−、−CHN(−CH)CH−等が例示される。
上記一般式(3−1)、(3−2)において、Xは、カウンターアニオンであり、その種類に特に限定はないが、塩化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン原子のイオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等のアルキル硫酸イオン;酢酸イオン等の有機酸のイオン;等が例示される。
本発明の架橋重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位と後述するその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、5〜60モル%有することが好ましく、5〜50モル%有することがより好ましく、5〜40モル%有することがさらに好ましい。上記範囲で有することにより、水の吸液能力、エタノールの吸液能力が顕著に良好になる傾向にある。
本発明の架橋重合体は、架橋剤に由来する構造単位を有する。上記架橋剤は、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドからなる群(以下、「架橋剤群(1)」ともいう)より選択される1種または2種以上を含む。すなわち、本発明の架橋重合体は、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートに由来する構造単位、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアヌル酸トリアリルに由来する構造単位、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位、からなる群より選択される1種または2種以上の構造単位を含む。
上記の架橋剤を使用することにより、効率的な架橋が可能となる。また、上記の架橋剤に由来する構造単位を有することにより、本発明の架橋重合体の純水の吸液能力、エタノールの吸液能力がさらに良好になる傾向にある。
上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートに含まれる(オキシ)アルキレン基の好ましい形態は、上記一般式(1)における好ましい形態と同様であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、2〜100であることが好ましく、2〜60であることがより好ましい。
本発明の架橋重合体は、上記の架橋剤群(1)以外の架橋剤に由来する構造単位(以下、「その他の架橋剤」ともいう)を含んでいても良い。上記その他の架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、HOCHCH(WY)で表される化合物(ただし、Wはオキシアルキレン基を表し、nはWの平均付加モル数であって、1〜300の数を表し、Yは、ビニルエーテル基、(メタ)アリルエーテル基、イソプレニルエーテル基を表す。)、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の1分子中にエチレン系不飽和基を2個以上有する化合物(これらの化合物と、架橋剤群(1)の架橋剤をあわせて、「架橋性単量体」とも言う。);グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物等が例示される。これらその他の架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
なお、架橋剤に由来する構造単位とは、架橋剤が重合体に組み込まれた構造単位を意味し、架橋の形態によっても異なるが、例えばポリエチレングリコールジアクリレートであれば、下記一般式(4−1)等で表すことができ、シアヌル酸トリアリルであれば、下記一般式(4−2)等で表すことができ、トリメチロールプロパントリアクリレートであれば、下記一般式(4−3)等で表すことができ、N,N’−メチレンビスアクリルアミドであれば、下記一般式(4−4)等で表すことができる。
Figure 2015187224
Figure 2015187224
一般式(4−1)において、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、2〜100であることが好ましく、2〜60であることがより好ましく、一般式(4−1)〜(4−4)において、アステリスクマークは、一般式(1)で表される構造単位や後述するその他の単量体に由来する単位等の他の構造単位の炭素原子、言い換えれば、架橋重合体に由来する構造単位が結合している炭素原子(架橋重合体に由来する構造単位には含まれない)を表す。
本発明の架橋重合体は、架橋剤群(1)に属する架橋剤に由来する構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位と後述するその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0.01〜10モル%有することが好ましく、0.05〜8モル%有することがより好ましく、0.05〜5モル%有することがさらに好ましい。上記範囲で有することにより、水の吸液能力、エタノールの吸液能力が顕著に良好になる傾向にある。
本発明の架橋重合体における、任意成分であるその他の架橋剤に由来する構造単位の割合は、上記一般式(1)で表される構造単位と後述するその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、例えば0〜6モル%であり、好ましくは0〜3モル%である。
本発明の架橋重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位と、架橋剤に由来する構造単位の他に、その他の単量体に由来する構造単位を有していても良い。
上記その他の単量体としては、特に制限はないが(ただし、上記の架橋性単量体と、後述する一般式(2)で表される単量体は、その他の単量体には含まれない)、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、およびそれらの塩等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸およびそれらの塩等のスルホン酸基含有単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アリルアルコール、イソプレノール等のアルケニルアルコール;上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはアルケニルアルコールにアルキレンオキシドが付加した構造のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、N−ビニルピリジン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等のアミノ基含有単量体およびその4級塩;グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能単量体;N−ビニルピロリドン、エチルビニルエーテル、スチレン、酢酸ビニル、アセトニトリル等が例示される。上記他の単量体は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上を併用しても良い。上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が例示される。
本発明において、その他の単量体に由来する構造単位とは、その他の単量体が重合して形成される構造単位であり、具体的には、その他の単量体の炭素炭素二重結合が単結合になった構造である。例えば、その他の単量体がアクリル酸ブチル(CH=CHCOOC)である場合、その他の単量体に由来する構造単位は、−CH−CH(COOC)−、で表すことができる。
本発明の架橋重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位とその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、任意成分であるその他の単量体に由来する構造単位を、40〜95モル%含むことが好ましく、50〜95モル%含むことがより好ましく、60〜95モル%含むことがさらに好ましい。
本発明の架橋重合体は、水の吸液能力、エタノールの吸液能力がさらに良好になる傾向にあることから、その他の単量体に由来する構造単位として、水溶性単量体に由来する構造単位を含むことが好ましい。上記水溶性単量体に由来する構造単位は、水溶性ノニオン性単量体に由来する構造単位を含むことがより好ましい。なお、「水溶性単量体」における「水溶性」とは、後述のとおりである。「ノニオン性単量体」とは、カルボン酸基やスルホン酸基等の酸基や、4級アンモニウム塩基等のカチオン基を有さない単量体である。
本発明の架橋重合体は、水溶性単量体に由来する構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位とその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、40〜95モル%含むことが好ましく、50〜95モル%含むことがより好ましく、60〜95モル%含むことがさらに好ましい。
本発明の架橋重合体は、水溶性ノニオン性単量体に由来する構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位とその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、40〜95モル%含むことが好ましく、50〜95モル%含むことがより好ましく、60〜95モル%含むことがさらに好ましい。
本発明の架橋重合体は、その他の単量体に由来する構造単位として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはポリアルキレングリコール鎖含有単量体に由来する構造単位を有することが好ましい。
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜10のものが好ましく、5〜8のものがより好ましい。上記ポリアルキレングリコール鎖含有単量体としては、アルキレンオキシドの平均付加モル数が、1〜300であることが好ましく、1〜150であることが好ましく、2〜60であることがより好ましい。
本発明の架橋重合体は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位とその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、40〜95モル%含むことが好ましく、50〜95モル%含むことが好ましい。
本発明の架橋重合体は、ポリアルキレングリコール鎖含有単量体(上記のとおり、その他の単量体に含まれる。よって、後述する一般式(2)で表される単量体は含まない)に由来する構造単位を、上記一般式(1)で表される構造単位とその他の単量体に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0〜10モル%含むことが好ましく、0〜8モル%含むことが好ましい。
本発明の架橋重合体は、水の吸液能力は、10倍以上であることが好ましく、12倍以上であることがより好ましい。上記範囲であることにより、水の吸水能力が適正なものとなり、水溶液の除放性が良好なものとなる。本発明の架橋重合体は、水の吸液能力の上限については、100倍以下であることが好ましく、50倍以下であることがより好ましい。上記範囲であることにより、例えば農薬組成物等に使用した場合に、耐久性が向上する傾向にある。本発明において、水の吸液能力は、後述する方法で、1質量%塩化カルシウム水溶液を用いて評価される。
本発明の架橋重合体は、エタノールの吸液能力は、10倍以上であることが好ましく、15倍以上であることがより好ましい。上記範囲であることにより、例えば農薬組成物にアルコール等の有機溶剤を使用した場合であっても、吸液能力が適正なものとなり、農薬溶液の除放性が良好なものとなる。本発明の架橋重合体は、エタノールの吸液能力の上限については、100倍以下であることが好ましく、50倍以下であることがより好ましい。上記範囲であることにより、例えば農薬組成物等に使用した場合に、耐久性が向上する傾向にある。本発明において、エタノールの吸液能力は、後述する方法で評価される。
[本発明の架橋重合体の製造方法]
本発明の架橋重合体は、下記一般式(2)で表される単量体と、必要に応じて任意成分である上記その他の単量体とを、重合する工程を含み、製造することが好ましい。上記重合する工程は、架橋剤の存在下で行うことがより好ましい。
Figure 2015187224
一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わす。Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。X、Yは、水酸基、下記一般式(3−1)で表される基、下記一般式(3−2)で表される基、から選択される基を表す(ただし、X、Yのいずれか一方が水酸基であり、他の一方が下記一般式(3−1)若しくは下記一般式(3−2)で表される基である)。
Figure 2015187224
上記一般式(3−1)〜(3−2)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜20のアルキレン基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基、を表し、Xは、カウンターアニオンを表す。
上記一般式(2)中のR〜R、n、X,Y、の好ましい形態は、上記一般式(1)中のR〜R、n、X,Y、の好ましい形態と同様であり、上記一般式(3−1)〜(3−2)中のR〜R、Xの好ましい形態は、上記の「一般式(1)で表される構造単位」に関する記載のとおりである。
なお、上記一般式(1)で表される構造単位は、上記一般式(2)で表される単量体を重合することにより形成することが可能であるが、上記一般式(1)で表される構造を有する限り、上記一般式(2)で表される単量体を重合する以外の方法で形成されても、上記一般式(1)で表される構造単位に含まれる。
上記一般式(2)で表される単量体は、例えば、国際公開第2012/081729号等に記載の方法で製造することができる。好ましくは、(メタ)アリルアルコールやイソプレノール等のアルケニルアルコールに、アルキレンオキシドを付加させた化合物(以下、「化合物(2−1)ともいう)の水酸基に、エピクロルヒドリン等のエピハドヒドリンを付加して、化合物(2−1)にグリシジル基を形成した化合物(以下、「化合物(2−2)ともいう)を製造し、該化合物(2−2)のグリシジル基に、アミノ基含有化合物を付加させることにより、製造することが好ましい。
上記重合する工程における上記一般式(2)で表される単量体の使用量は、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、5モル%以上、60モル%以下使用することが好ましく、5モル%以上、50モル%以下使用することがより好ましく、5モル%以上、40モル%以下使用することがさらに好ましい。
上記重合する工程における架橋剤群(1)に属する架橋剤の使用量は、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、0.01モル%以上、10モル%以下使用することが好ましく、0.05モル%以上、8モル%以下使用することがより好ましく、0.05モル%以上、5モル%以下使用することがさらに好ましい。
なお、上記重合する工程において、その他の架橋剤を、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、例えば0〜6モル%、好ましくは0〜3モル%使用しても良い。
上記重合する工程におけるその他の単量体の使用量は、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、40モル%以上、95モル%以下使用することが好ましく、50モル%以上、95モル%以下使用することがより好ましく、60モル%以上、95モル%以下使用することがさらに好ましい。
上記範囲で使用することにより、水の吸液能力、エタノールの吸液能力が顕著に良好になる傾向にある。
上記重合する工程における重合は、従来公知の種々の方法、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、或いは注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等を採用することができる。尚、重合反応を行なう際の攪拌方法は、特に限定されるものではないが、双腕型ニーダーを攪拌装置として用い、生成するゲル状の架橋重合体(後述する)を該双腕型ニーダーの剪断力によって細分化しながら攪拌することがより好ましい。
逆相懸濁重合法を採用する場合に好適な分散剤としては、具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチルセルロースやセルロースアセテート等のセルロースエステル、セルロースエーテル、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体等が挙げられる。これら分散剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、逆相懸濁重合法を採用する場合に供される疎水性有機溶媒は、特に限定されるものではない。
上記重合する工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が架橋重合体の分子量が大きくなるので好ましく、20℃〜100℃の範囲内が重合率が向上するのでさらに好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
上記重合する工程において、重合を行なう際には、重合開始剤を用いても良い。なお、重合開始剤を用いる代わりに、放射線や電子線、紫外線等を照射してもよく、また、重合開始剤とこれら放射線や電子線、紫外線等の照射とを併用してもよい。上記重合する工程は、重合開始剤の存在下で行なわれることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、水溶性アゾ系化合物が好ましく、過硫酸塩、水溶性アゾ系化合物が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。なお、上記「水溶性アゾ化合物」における「水溶性」とは、後述のとおりである。
重合開始剤の使用量としては、単量体(上記一般式(2)で表される単量体、架橋剤群(1)に属する架橋剤、およびその他の単量体)の使用量1モルに対して、0.002g以上、15g以下であることが好ましく、0.01g以上、5g以下であることがより好ましい。
本発明の架橋重合体は、架橋剤を使用して製造する。架橋剤は、上記重合する工程において使用してもよく、重合する工程の後で使用しても良い。好ましくは、重合する工程で使用することである。
架橋剤を用いることにより、架橋共重合体の架橋密度を制御することができるので、吸液能力を調節することができる。架橋剤の使用量(重合する工程以外の工程で使用する分も含む)は、特に限定されるものではなく、例えば、所望する吸液能力やゲル強度等によって適宜設定すればよい。具体的には、架橋剤群(1)に属する架橋剤の使用量は、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、0.01モル%以上、10モル%以下であることが好ましく、0.05モル%以上、8モル%以下であることがより好ましく、0.05モル%以上、5モル%以下であることがさらに好ましい。また、その他の架橋剤の使用量は、上記一般式(2)で表される単量体と、その他の単量体との合計100モル%に対して、0〜6モル%であることが好ましく、0〜3モル%であることがより好ましい。尚、架橋剤として多価アルコールを用いる場合には、重合反応後、架橋重合体を 150℃〜 250℃で加熱処理することが好ましい。また、架橋剤としてポリエポキシ化合物を用いる場合には、重合反応後、架橋共重合体を50℃〜 250℃で加熱処理することが好ましい。
また、重合する工程の後に、架橋剤を添加する工程を設けても良く、その後に上記の加熱処理をする工程を設けてもよい。
上記重合する工程においては、必要に応じて溶媒を用いてもよい。該溶媒としては、具体的には、例えば、水;シクロヘキサン、トルエン;メタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の水性溶媒等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記例示の溶媒のうち、水、および、水と水性溶媒との混合物が好ましい。なお、溶媒を用いる場合における単量体(上記一般式(2)で表される単量体、架橋剤群(1)に属する架橋剤、およびその他の単量体)の濃度は、特に限定されるものではないが、20質量%〜80質量%の範囲内がより好ましく、30質量%〜60質量%の範囲内がさらに好ましい。該単量体や重合開始剤、架橋剤等を含む溶液における単量体の濃度を上記の範囲内とすることにより、重合反応を容易に制御することができると共に、架橋重合体の収率を向上させることができ、該架橋重合体を経済的に得ることができる。
上記重合する工程においては、各成分の添加順序、添加方法(一括添加や逐次添加)に制限はないが、得られる架橋重合体の吸液能力が向上する観点から、溶剤、単量体、および架橋剤の混合溶液に、重合開始剤を添加することにより、重合することが好ましい。このとき溶媒に水を使用し、重合開始剤として水溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。ここで、水溶性の重合開始剤とは、20℃における、水に対する溶解度(水100gに対して溶解するg数)が3g/100g−HO以上の重合開始剤を言う。
上記重合する工程で架橋重合体が溶媒を含むゲル状で得られた場合等には、重合する工程の後で、乾燥工程を設けても良い。乾燥工程における乾燥温度は、特に限定されるものではないが、50℃〜 180℃の範囲内が好ましく、 100℃〜 170℃の範囲内がより好ましい。重合する工程後に、必要に応じて架橋重合体の洗浄工程や、解砕工程等を設け、その後に乾燥工程を行っても良い。
乾燥工程の後には、必要に応じて粉砕工程を設け、架橋重合体を細粒化したり、必要に応じて分級工程を設け、ふるい分け等を行っても良い。
本発明の架橋重合体に残存する未反応の単量体を減少させることにより溶出成分を低減させて、安全性等をより一層向上させるために、ゲル状の架橋重合体、または、その乾燥物を、還元剤を用いて処理する工程を設けても良い。上記の還元剤としては、具体的には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、L−アスコルビン酸、アンモニア、モノエタノールアミン、グルコース等が挙げられる。これら還元剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記例示の還元剤のうち、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、およびチオ硫酸ナトリウムがより好ましい。還元剤の使用量は、特に限定されるものではないが、具体的には、用いた単量体に対するモル比が0.0001〜0.02の範囲内がより好ましく、 0.001〜0.01の範囲内がさらに好ましい。
[本発明の架橋重合体の用途]
本発明の架橋重合体は、良好な水の吸液能力、エタノールの吸液能力を有しているので、農薬用保持剤、液肥用保持剤、芳香・消臭用ゲル、固形燃料、防カビ剤等の用途に好ましく使用することができる。
本発明の架橋重合体を含む農薬・液肥組成物、芳香・消臭組成物は、例えば、乾燥後の架橋重合体に、予め溶媒に溶解又は分散させた農薬や消臭・芳香成分等の有効成分を吸収させる方法等により製造できる。本発明の架橋重合体は、エタノールの吸液能力が高いので、上記溶媒にエタノールを使用できることから、農薬・液肥、芳香・消臭成分の選択の幅が広がる。
本発明の架橋重合体を含む固形燃料、防カビ組成物は、例えば、乾燥後の架橋重合体に、燃料成分や防カビ成分(例えば、エタノール等)を吸収させる方法等により製造できる。
例えば、本発明の架橋重合体を農薬・液肥用保持剤として使用した場合、農薬、液肥を徐放させることができることから、農業の効率が向上する。
本発明の架橋重合体を含む農薬組成物や肥料組成物は、例えば、土等の土壌に対して0.01質量%〜20質量%の範囲内で混合して使用することが望ましい。上記範囲であれば、効率よく効果を発揮することが可能である。
また、本発明の架橋重合体を含む農薬組成物や肥料組成物を使用する際には、土壌と混合して使用しても良く、土壌表面に散布することにより製造しても良い。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<水の吸液能力の評価方法>
約0.4gの架橋重合体を50mlスクリュー管に入れた後、1質量%塩化カルシウム水溶液を30g入れた。3日後に架橋重合体を取り出し、6cm×6cmに折ったキッチンタオル(王子ネピア製)の上に乗せて20秒間水切りを行った。水切り後、架橋重合体の重量を測定した。(W1(g))次式に従って算出した吸液倍率を吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=W1(g)/架橋重合体の重量(g).
<エタノールの吸液能力の評価方法>
水の吸液能力において、水をエタノールに変更する以外は、水の吸液能力と同様にして吸液能力を評価した。
<実施例1>
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(株式会社日本触媒製)(以下、HEAとも称する)15部、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),α−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]−ω−[(3−メチル−3−ブテン−1−イル)オキシ]−,クロライド(1:1)(エチレンオキシド(以下「EO」)平均付加モル数10モル)(以下、IPEC10とも称する)6.3部、架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業製NKエステルA−400、EO付加モル数9モル)(以下、A−400とも称する)0.02部、純水59.1部を250mlポリプロピレン(以下「PP」とも称する)製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤として2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(以下、V−50とも称する)の10質量%水溶液を0.58部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化製PNV−1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/IPEC10架橋重合体(架橋重合体1)を得た。
<実施例2>
実施例1において、IPEC10及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体2を得た。
<実施例3>
実施例1において、IPEC10及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体3を得た。
<実施例4>
実施例1において、IPEC10を、EO付加モル数を平均5モルに変更したカチオン化物(以下、IPEC5とも称する)に変更し、IPEC5及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体4を得た。
<実施例5>
実施例1において、IPEC10を、EO付加モル数を平均25モルに変更したカチオン化物(以下、IPEC25とも称する)に変更し、IPEC25及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体5を得た。
<実施例6>
実施例1において、架橋剤をシアヌル酸トリアリル(以下、CTAとも称する)に変更し、IPEC10及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体6を得た。
<実施例7>
実施例1において、架橋剤をN,N’−メチレンビスアクリルアミド(以下、MBAとも称する)に変更し、IPEC10及びHEAの仕込み質量を表1のとおり変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の架橋重合体7を得た。
Figure 2015187224
<比較例1>
HEA15部、イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物(以下、IPN10とも称する)29.2部、架橋剤としてA−400を0.06部、純水104.9部を250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤としてV−50の10質量%水溶液を0.75部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV-1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/IPN10架橋重合体(比較重合体1)を得た。
<比較例2>
HEA15部、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)ポリ(オキシエチレン)(EO付加モル数10モル)(以下、IPEA10−DMAとも称する)29.2部、架橋剤としてA−400を0.06部、純水104.9部を250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤としてV−50の10質量%水溶液を0.75部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV-1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/IPEA10−DMA架橋重合体(比較重合体2)を得た。
<比較例3>
HEA20部、メタクロイルコリンクロリド(東京化成工業製、79.0−87.0質量%水溶液)18.5部、架橋剤としてA−400を0.03部、純水84.8部を250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤としてV−50の10質量%水溶液を1部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV-1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/メタクロイルコリンクロリド架橋重合体(比較重合体3)を得た。
<比較例4>
HEA20部、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(和光純薬工業製)(以下、DAAとも称する)10.6部、架橋剤としてA−400を0.02部、純水73.7部を250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤としてV−50の10質量%水溶液を1部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV-1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/DAA架橋重合体(比較重合体4)を得た。
<比較例5>
HEA20部、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(和光純薬工業製)(以下、DAMとも称する)11.6部、架橋剤としてA−400を0.02部、純水76.1部を250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら50℃まで昇温した。液温を50℃に安定させた後、開始剤としてV−50の10質量%水溶液を1部添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV-1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥を行うことにより、HEA/DAM架橋重合体(比較重合体5)を得た。

本発明の架橋重合体1〜5、比較重合体1〜5の水の吸液能力、エタノールの吸液能力を上記の方法により評価した。評価結果を表2にまとめた。
Figure 2015187224
表2より、本発明の架橋重合体は、従来の架橋重合体と比較して、優れた水の吸液能力、エタノールの吸液能力を有していることが明らかとなった。よって、本発明の架橋重合体は、除放性農薬組成物や除放性肥料組成物の原料として、好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位と、架橋剤に由来する構造単位とを含み、該架橋剤は、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、N,N‘−メチレンビス(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される1種または2種以上を含む、架橋重合体。
    Figure 2015187224
    一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わす。Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。X、Yは、水酸基、下記一般式(3−1)で表される基、下記一般式(3−2)で表される基、から選択される基を表す(ただし、X、Yのいずれか一方が水酸基であり、他の一方が下記一般式(3−1)若しくは下記一般式(3−2)で表される基である)。
    Figure 2015187224
    上記一般式(3−1)、(3−2)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルカンジイル基または炭素数1〜20のアルカンジイル基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基、を表し、Xは、カウンターアニオンを表す。
  2. 水溶性単量体に由来する構造単位を含む、請求項1に記載の架橋重合体。
  3. 水溶性ノニオン性単量体に由来する構造単位を含む、請求項1または2に記載の架橋重合体。
  4. 下記一般式(2)で表される単量体を、架橋剤と重合開始剤の存在下で重合する工程を含む、架橋重合体の製造方法。
    Figure 2015187224
    一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わす。Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表す。nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜300の数を表す。X、Yは、水酸基、下記一般式(3−1)で表される基、下記一般式(3−2)で表される基、から選択される基を表す(ただし、X、Yのいずれか一方が水酸基であり、他の一方が下記一般式(3−1)若しくは下記一般式(3−2)で表される基である)。
    Figure 2015187224
    上記一般式(3−1)、(3−2)において、R〜Rは、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の有機基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルカンジイル基または炭素数1〜20のアルカンジイル基を構成する炭素原子の1若しくは2以上が、窒素原子および/または酸素原子で置換された基、を表し、Xは、カウンターアニオンを表す。
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