JP2004075784A - 水溶性重合体 - Google Patents

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小並 諭吉
Takeshi Nakagawa
中川 剛
Mika Katsuragawa
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Abstract

【課題】本発明は、凝集性能に優れ、かつ重合後の脱水乾燥工程によって得られる固体状重合体であっても不溶解物の生成が少ない水溶性重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の水溶性重合体は、アミド基含有単量体15〜65質量%と、カチオン性単量体0〜80質量%と、水酸基含有単量体5〜60質量%とを重合して得られる水溶性重合体であり、該水溶性重合体0.1質量%を含む4質量%塩化ナトリウム水溶液の25℃における粘度が3mPa・s以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系の単量体を重合して得られる水溶性重合体は、歩留まり向上剤などの製紙用薬剤、汚泥処理用の凝集剤・脱水剤として広く使用されている。このような水溶性重合体の構成成分は、アクリルアミドで代表されるアミド基含有単量体、アクリル酸、ジメチルアミノエチルアクリレートの4級化物で代表されるイオン性単量体が一般的である。そして、これらの単量体を重合する方法としては、水溶液重合および乳化重合が広く用いられている。
【0003】
アクリル系の単量体を重合して得られる水溶性重合体の性質は、分子量及び、共重合によって導入される官能基の種類、量の影響を大きく受ける。
水溶性重合体の性質として凝集性能に着目した場合、経済的な要求から少量添加で高性能を発揮する高分子量の重合体が選定されるケースが多い。しかしながら極端に分子量を高めた場合、重合体に架橋が生じることにより不溶解物量が増加する結果となる。
また、水溶性重合体の性質として吸着能力に着目した場合、共重合によって導入される官能基量を高めることにより吸着能力の向上は期待されるが、イオン性単量体の重合性により分子量が上げられず、十分な凝集性能が発揮されない結果となる。これより、アミド基含有単量体とイオン性単量体の共重合比率を調節することで、水溶性重合体の分子量と官能基量のバランスをとり、凝集性能及び吸着性能に優れた水溶性重合体を得る方法が一般的には行われている。
【0004】
また、更なる凝集性能の向上を目的として、水酸基含有単量体を共重合する方法についても提案されている。特開平4−50209号公報では、アニオン性水溶性重合体についての提案がされており、その水溶性重合体はアミド基含有単量体、アニオン性単量体、水酸基含有単量体からなることを特徴としている。
また、特開平4−96913号公報では、アミド基含有単量体、カチオン性単量体、及びエーテル型単量体/水酸基含有単量体からなるカチオン性水溶性重合体についての提案がされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−50209号公報に記載されているアニオン性水溶性重合体では、得られた重合体を脱水乾燥して固体状重合体として用いる場合、脱水乾燥工程においてアクリル酸のカルボキシル基と水酸基とのエステル化反応が生じ、不溶解物を生成するために好ましくない。
また、特開平4−96913号公報では、実施例においてアミド基含有単量体、カチオン性単量体、エーテル型単量体からなる水溶性重合体についての記載が大半であり、アミド基含有単量体、カチオン性単量体、水酸基含有単量体からなる水溶性重合体の実施例は1点のみであり、各単量体の共重合比率が凝集性能に与える影響について十分に検討されていない。さらに、得られた水溶性重合体の不溶解物の量や、脱水乾燥によって得られる固体状重合体の性能についての記載はなく、それらの点については十分に検討されていない。
このように、水溶性重合体の高分子量化による凝集性能向上と、水に対する不溶解物の生成抑制は相反する性能であり、それらの性能を兼ね備えた水溶性重合体が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、アミド基含有単量体15〜65質量%と、カチオン性単量体0〜80質量%と、水酸基含有単量体5〜60質量%とを重合して得られる、4質量%塩化ナトリウム水溶液中に0.1質量%添加したときの25℃における粘度が3mPa・s以上である水溶性重合体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の水溶性重合体は、アミド基含有単量体と、カチオン性単量体と、水酸基含有単量体とを所定の比率で、水溶液中にて共重合することにより得られる。
【0008】
本発明に用いられるアミド基含有単量体は、アミド基を含有する単量体であれば特に限定されない。その中でも、下記一般式(I)で示される化合物を用いれば、凝集性能に優れることから好ましい。
【0009】
【化3】
Figure 2004075784
(なお、式中のRは水素原子又はメチル基であり、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【0010】
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、例えば (メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いられる。更に、これらの中でも、得られる水溶性重合体の水に対する溶解性、及び高分子量化の点からアクリルアミドの使用が特に好ましい。
【0011】
本発明において、アミド基含有単量体の含有量はは15〜65質量%の範囲である。好ましくは下限値が25質量%以上であり、上限値は55質量%以下である。
アミド基含有単量体の含有量が15質量%より少ない場合には、得られる水溶性重合体の分子量が十分に高くならない傾向にある。即ち4質量%塩化ナトリウム水溶液中に0.1質量%添加したときの25℃における粘度が3mPa・s以上にし難い傾向にある。一方、アミド基含有単量体の共重合比が65質量%を越える場合、水溶性重合体の分子量が極端に高くなり、水溶性重合体に架橋を生じて不溶解な物質が生成する傾向にある。
【0012】
本発明に用いられるカチオン性単量体は、カチオン性の単量体であれば特に限定されない。カチオン性単量体は任意成分であるが、これを用いると凝集性能が向上する傾向にあることから、必要に応じて適宜用いればよい。
本発明において、カチオン性単量体の中でも、下記一般式(II)で示される化合物が特に好ましく、アミノ基含有単量体の酸による中和物及び/又は4級アンモニウム塩がより好ましい。
【0013】
【化4】
Figure 2004075784
(なお、式中のRは水素原子又はメチル基であり、R及びRは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基であり、Xは陰イオンである。)
【0014】
一般式(II)で示される化合物の具体例としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド4級化物、ジメチル硫酸4級化物、ベンジルクロライド4級化物、ベンジルによる4級化物のBF塩、p−トルエンスルホン酸メチルエステルによる4級化物、オクチルブロマイド4級化物等のジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート誘導体;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩酸塩、硫酸塩等のジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート誘導体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
更にこれらの中でも、水溶性重合体の水に対する溶解性、及びパルプ等に対する凝集性の観点から、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチルクロライド4級化物の使用が好ましい。
【0015】
本発明において、カチオン性単量体の含有量は0〜80質量%の範囲である。好ましくは下限値が5質量%以上であり、上限値は65質量%以下である。カチオン性単量体の含有量が80質量%を越える場合には、得られる水溶性重合体の分子量が十分には高くならない傾向にある。つまり、4質量%塩化ナトリウム水溶液中に0.1質量%添加したときの25℃における粘度を3mPa・s以上にし難い傾向にある。
【0016】
水酸基含有単量体としては、水酸基を含有する単量体であれば特に限定されない。水酸基含有単量体の具体例としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いられる。これらの中でも、水溶性重合体の水に対する溶解性、及びパルプ等に対する凝集性の点から、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの使用が好ましい。
【0017】
本発明において、水酸基含有単量体の含有量は5〜60質量%の範囲である。下限値は好ましくは10質量%以上である。また上限値は好ましくは40質量%以下である。水酸基含有単量体の含有量が5質量%より少ない場合、水酸基含有単量体を共重合させたことによる凝集性能が顕著に発現しない傾向にあり、水酸基含有単量体を共重合させていない場合との性能差は顕著とならない傾向にある。一方、含有量が60質量%を越える場合、水酸基の導入により水素結合の増加により不溶解物が生成する傾向にある。
【0018】
本発明の水溶性重合体は、上記単量体を共重合して得られる、4質量%塩化ナトリウム水溶液中に0.1質量%添加したときの25℃における粘度(以下、塩粘度と称す)が3mPa・s以上であることを特徴とする。
即ち、塩粘度が3mPa・s未満である場合、水溶性重合体の分子量が低いために、凝集性能は十分には発現しない傾向にある。
【0019】
このような水溶性重合体は水溶液重合により製造される。例えば、攪拌装置を有する密閉可能な容器内に所定比率の単量体を投入し、窒素の導入により系内の酸素濃度を低下させた状態で開始剤を投入する。その後、熱または活性エネルギー線の照射、及び/又は薬剤の添加により重合を開始させ、重合を完結させる。
重合開始剤としては、一般的なアゾ系開始剤、活性エネルギー線分解型開始剤、レドックス系開始剤等を使用することができる。
重合開始温度については開始剤の種類によって異なるため、特に限定されるものではない。また、重合濃度については特に限定するものではないが、後の脱水乾燥工程を考慮すれば、できるだけ高濃度で実施することが有効である。
【0020】
本発明の水溶性重合体では、凝集性能および不溶解物量に影響を与えない範囲で、上述した単量体以外の単量体を共重合させることが可能である。同様に、連鎖移動剤、重合禁止剤、キレート剤等を添加することも可能である。
【0021】
水溶液重合によって得られる水溶性重合体は、水溶液中に分散したまま用いてもよいし、水分から分離して固体状態として用いてもよい。
水溶性重合体は、水溶液中に分散したまま用いる場合には含水状態であるため、長期間の保存安定性が十分ではなく、また、多量の水も水溶性重合体と一緒に運搬することになるから、保存安定性及び運搬の作業性や低コストの観点からは、水分を含まない固体状とすることが好ましい。
水溶液重合によって得られる水溶性重合体を水分から分離し、脱水乾燥して水を含まない固体状とする工程は特に限定するものではなく、アセトン等の溶媒で脱水後に加熱乾燥する方法、含水状態の重合体を直接乾燥する方法等、公知の方法で行えばよい。その中でも、低コストの観点からは、含水状態の水溶性重合体を直接乾燥する方法が好ましい。
【0022】
以上説明したように、本発明の水溶性重合体は、水に対する不溶解物の生成が少ないため、製紙用薬剤用途として使用した場合、不溶解物の混入による製品(紙)の品質の低下や、製紙工程上のトラブルを防ぐことができる。
また、本発明の水溶性重合体は、優れた凝集性能を有するため、汚泥凝集剤・脱水剤として好適に用いられる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明についての実施例及び比較例を示し、具体的な説明を行うが、これは本発明の内容を限定するものではない。
【0024】
(実施例1)
1リットルの3つ口フラスコに、アクリルアミド50%水溶液(ダイヤニトリックス(株)製)120.0gと、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(商品名:アクリエステルDMC、三菱レイヨン(株)製)25.0gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(商品名:アクリエステルHISS、三菱レイヨン(株)製)20.0gとを投入し、重合濃度が10質量%となるように純水835.0gで希釈して、窒素ガスで十分にバブリングを行った。窒素雰囲気中100rpmで攪拌しながら50℃まで昇温した後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(商品名:V−50、和光純薬工業(株)製)0.05gを投入して、50℃で10時間(増粘を確認した後、攪拌を停止する)保持した。その後、残存モノマーおよび残存開始剤の処理のため80℃まで昇温して2時間保持し、水溶性重合体を得た(乾燥前)。
次いで、水溶性重合体を所定量シャーレに入れ、送風乾燥機にて60℃、12時間で乾燥した(乾燥後)。
【0025】
(実施例2〜8)
表1記載の組成比とする以外は、実施例1と同様の方法にて水溶性重合体(乾燥前、乾燥後)を得た。
【0026】
(実施例9)
1リットルの3つ口フラスコに、アクリルアミド50%水溶液(ダイヤニトリックス(株)製)120.0gと、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(商品名:DME−B、大阪有機化学工業(株)製)150.0gと、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)20.0gとを投入し、重合濃度が20質量%となるように純水710.0gで希釈して、窒素ガスで十分にバブリングを行った。窒素雰囲気中100rpmで攪拌しながら45℃まで昇温した後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(商品名:V−50、和光純薬工業(株)製)0.05gを投入して、10時間(増粘を確認した後、攪拌を停止する)保持した。その後、残存モノマーおよび残存開始剤の処理のため80℃まで昇温して2時間保持し、水溶性重合体を得た(乾燥前)。
次いで、水溶性重合体を所定量シャーレに入れ、送風乾燥機にて60℃、12時間で乾燥した(乾燥後)。
【0027】
(実施例10)
表1記載の組成比とする以外は、実施例9と同様の方法にて水溶性重合体(乾燥前、乾燥後)を得た。
【0028】
(比較例1〜6)
表2記載の組成比とする以外は、実施例1と同様の方法にて水溶性重合体(乾燥前、乾燥後)を得た。
【0029】
(比較例7)
表2記載の組成比とする以外は、実施例9と同様の方法にて水溶性重合体(乾燥前、乾燥後)を得た。
【0030】
(比較例8)
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(商品名:V−50、和光純薬工業(株)製)の投入量を1.0gに変更し、表2記載の組成比とする以外は、実施例1と同様の方法にて水溶性重合体(乾燥前、乾燥後)を得た。
【0031】
なお、各実施例及び比較例で得られた重合体について、下記の通り評価を行い、それらの各評価結果は、表1、表2にそれぞれ示した。
(重合体含有水溶液の調製方法)
得られた重合体(乾燥前又は乾燥後)を所定量サンプル瓶に入れた後、純水を加えてスターラーで4時間攪拌し、重合体を0.1質量%含有する水溶液200gを得た。
【0032】
(塩粘度の測定)
前記重合体含有水溶液の調製方法と同様にして、重合体を0.5質量%含有する水溶液200gを得た。この水溶液40gを取り分け、ここに塩化ナトリウム8.0gと純水を加え、重合体0.1質量%含む4質量%塩化ナトリウム水溶液200gを得た。
重合体0.1質量%を含む4質量%塩化ナトリウム水溶液を25℃に保ち、B型回転粘度計のBLアダプターを用い、30rpmの回転数で粘度を測定する。得られた指示値を粘度計の補正式に従い計算し、水溶性重合体(乾燥前又は乾燥後)の塩粘度[mPa・s]とした。その結果を表1、表2に示した。
【0033】
(重合体中に占める、水に対して不溶解である物質の含有量)
得られた水溶性重合体を0.1質量%含む水溶液100.0g中に塩化ナトリウム0.8gを加えて溶解した水溶液を100meshの篩(ナイロン製のシートを使用)に通し、篩上の残留物の重量を測定した。
水溶性重合体(乾燥前又は乾燥後)中に存在する水に対して不溶解である物質の含有量[質量%]は、以下の計算式に従って算出し、下記評価基準に従って評価した。その結果を表1、表2に示す。
【0034】
【数1】
Figure 2004075784
○:3質量%未満
△:3質量%以上10質量%未満
×:10質量%以上
【0035】
(凝集性能の測定)
得られた水溶性重合体(乾燥前又は乾燥後)の凝集性能を以下の方法に従って測定した。
沈澱管(0.5ml刻みに100mlまでの目盛りが記入されたもの)にパルプ(商品名:濾紙粉末ADVANTEC Dタイプ、東洋濾紙(株)製)1.0g、純水98.0g、水溶性重合体の含有量が0.01質量%である水溶液1.0gを入れ、2秒に1回の割合で20回転倒させた後に静置し、沈澱物の最大容量(見かけ)及びそれに達するまでの時間、沈澱物の5分後の容量(見かけ)を測定した。沈澱物の容量は、沈澱管に記入された目盛りから読み取った。なお、水溶性重合体(乾燥前又は乾燥後)の凝集性能についての評価基準は以下の通りである。その結果を表1、表2に示す。
最大容量
○:19ml以上
△:16ml以上19ml未満
×:16ml未満
最大容量に達するまでの時間
○:42sec未満
△:42sec以上49sec未満
×:49sec以上
5分後の容量
○:10ml以上
△:8.5ml以上10ml未満
×:8.5ml未満
【0036】
【表1】
Figure 2004075784
【表2】
Figure 2004075784
表中の略号は以下の通りである。
AAm:アクリルアミド50%水溶液(ダイヤニトリックス(株)製)
DMC:メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(商品名:アクリエステルDMC、三菱レイヨン(株)製)
DME:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド80%水溶液(商品名:DME−B、大阪有機化学工業(株)製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(商品名:アクリエステルHISS、三菱レイヨン(株)製)
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
【0037】
表1および表2の結果から、実施例1〜10で得られた水溶性重合体は、凝集性能に優れ、乾燥前および乾燥後における不溶解物の生成が少ないことが判明した。
また、実施例1〜10において、水溶性重合体(乾燥前又は乾燥後)を0.1質量%で純水に溶解して水溶液100.0gに塩化ナトリウム0.8gを加えて溶解したとき、100meshの篩を通過しない不溶解物量は、水溶液の質量に対して10質量%未満であり、さらに好ましいものは不溶解物量が3質量%未満であった。不溶解物の存在は、凝集性能に代表される性能の発現に関与しない成分が水溶性重合体中に存在することを意味し、これは薬剤の使用量を増加させる要因となり経済的に好ましくない。また、製紙用薬剤用途では、不溶解物の製品への混入は紙の品質低下、製紙工程上のトラブルの原因となる。
従って、実施例1〜10で得られた水溶性重合体は、製紙用薬剤用途として好適であることが判明した。なお、不溶解物は水溶性重合体の分子量を極端に高めた場合や、反応性を有する官能基の導入量を高めた場合に増加がみられる。脱水乾燥を行うことによって、不溶解物が増加する理由について明確ではないが、脱水乾燥することにより水溶性重合体の分子間の距離が近づき、分子同士の絡み合いや凝集構造が生じることが関与しているものと推測される。
また、本発明の水溶性重合体が特異的な凝集性能を発現する理由について明確ではないが、重合体中に導入された水酸基による水素結合の増加、吸着能力の増加が関与しているものと推測される。
【0038】
【発明の効果】
本発明の水溶性重合体によれば、凝集性能に優れ、かつ不溶解物の生成が少ないので、製紙用薬剤、汚泥凝集剤・脱水剤等の用途での使用に非常に有用である。

Claims (6)

  1. アミド基含有単量体15〜65質量%と、カチオン性単量体0〜80質量%と、水酸基含有単量体5〜60質量%とを重合して得られる、4質量%塩化ナトリウム水溶液中に0.1質量%添加したときの25℃における粘度が3mPa・s以上である水溶性重合体。
  2. 前記アミド基含有単量体が下記一般式(I)で表される化合物である請求項1記載の水溶性重合体。
    Figure 2004075784
    (なお、式中のRは水素原子又はメチル基であり、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  3. 前記アミド基含有単量体がアクリルアミドである請求項1又は2に記載の水溶性重合体。
  4. 前記カチオン性単量体が下記一般式(II)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性重合体。
    Figure 2004075784
    (なお、式中のRは水素原子又はメチル基であり、R及びRは炭素数1〜4のアルキル基であり、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基であり、Xは陰イオンである。)
  5. 前記カチオン性単量体が、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩酸塩、硫酸塩、メチルクロライド4級化物、ジメチル硫酸4級化物もしくはベンジルクロライド4級化物のうち少なくとも1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の水溶性重合体。
  6. 前記水酸基含有単量体が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである請求項1〜5のいずれかに記載の水溶性重合体。
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