JP3407758B2 - 電解質水溶液吸収性両イオン性重合体 - Google Patents

電解質水溶液吸収性両イオン性重合体

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JP3407758B2 JP22353293A JP22353293A JP3407758B2 JP 3407758 B2 JP3407758 B2 JP 3407758B2 JP 22353293 A JP22353293 A JP 22353293A JP 22353293 A JP22353293 A JP 22353293A JP 3407758 B2 JP3407758 B2 JP 3407758B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両イオン性側鎖基を有す
る架橋された電解質水溶液吸収の両イオン性重合体に
関する。この両イオン性重合体は電解質水溶液を吸収す
るのに有用である。
【0002】
【従来の技術】自重の数百倍もの水分を吸収する吸水性
樹脂は紙おむつや生理用品等の吸収剤、農園芸用の保水
材、土壌改良剤、止水剤等に使用されている。この様な
吸水性樹脂としては例えば、デンプン−アクリロニトリ
ルグラフト共重合体の加水分解物、デンプン−アクリル
酸グラフト共重合体、カルボキシセルロース架橋物、酢
酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体加水分解物、ポリ
アクリル酸塩架橋物等が知られている。
【0003】しかし、これらの吸水性樹脂は純水やイオ
ン交換水に対しては非常に優れた吸収性を示すが、海水
や塩水、血液、汗、尿等の電解質を含んだ水溶液に対し
てはその吸収能力が低下するという欠点を有している。
特に高濃度の電解質水溶液あるいは多価金属塩水溶液に
対しては極端に吸水性能が低下するため用途が制限され
てしまう。
【0004】電解質水溶液に対する吸収能力を高めるた
めには例えば、特開昭61−36309にはスルホアル
キル(メタ)アクリレートを含む架橋重合体が、また、
特開昭62−266140にはポリエーテルを側鎖に有
する(メタ)アクリレートとスルホン酸基を有する単量
体との架橋共重合体等が耐塩性吸水剤として提案されて
いる。しかし、これらの吸水樹脂でも高濃度の電解質水
溶液、あるいは多価金属塩水溶液に対しては吸収能力が
低下してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記の様な
問題点を克服するために、電解質水溶液に対して高度に
吸収性である重合体について鋭意検討した結果、本発明
に到達したものである。電解質水溶液、特に高濃度の電
解質水溶液、及び多価金属塩水溶液に対して優れた吸収
性を持つ吸水樹脂を開発することは、これまで吸水樹脂
を使用することができなかった分野への応用が可能とな
り、また、吸収能力の増大は電解質水溶液を吸収するの
に必要な樹脂量を大幅に少なくすることができるため、
省資源化と共に使用者にとって経費の節約となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は仕込み単量体組
成が両イオン性ビニル系単量体(A)好ましくはスルホ
ベタイン型官能基を有するビニル系単量体10モル%〜
99.995モル%、非両イオン性ビニル系単量体
(B)好ましくは親水性官能基を有する水溶性の単量体
0モル%〜89.995モル%、架橋性単量体(C)
0.005モル%〜1モル%である混合単量体が重合さ
れてなることを特徴とする両イオン性重合体によって達
成でき、電解質水溶液に対して優れた吸収性を有する重
合体を提供することができる。ここで、電解質とは水そ
の他の溶媒に溶解してその溶液がイオン電導を行うよう
な物質を言い、電解質水溶液とはそのような物質が1種
類以上溶解した水溶液を言う。
【0007】以下、本発明を詳述する。まず、両イオン
性ビニル系単量体(A)は、同一単量体単位中にアニオ
ン性基とカチオン性基の両者を併せ有するものであっ
て、単量体1種類以上が採用される。アニオン性基とは
水性媒体中において電離し陰イオンとなる性質を有する
もので例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基があり、カチオン性基とは水性媒体中において電離し
陽イオンとなる性質を有するもので例えば、アミノ基、
2級及び3級アミン基、4級アンモニウム基が例示でき
る。
【0008】かかる単量体(A)としては、以下に示す
〜化10(但し、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は炭素数から6の直鎖状もしくは分枝状のアルキ
レン基または置換もしくは無置換のフェニレン基、R3
及びR4 はそれぞれ独立に炭素数1から6の直鎖状もし
くは分枝状のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基
または置換もしくは無置換のフェニル基、R5 は炭素数
2から10の直鎖状もしくは分枝状のアルキレン基もし
くはヒドロキシアルキレン基または置換もしくは無置換
のフェニレン基、R6 は炭素数1から6の直鎖状もしく
は分枝状のアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン
基または置換もしくは無置換のフェニレン基、Xは置換
もしくは無置換のフェニレン基、Yは−O−または無
し、Zは−O−または−NH−を示す。尚、化及び化
10のピリジン環の置換基の位置は何処でも良い)で表
されるものが好適に採用される。
【0009】
【化6】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】本発明における両イオン性ビニル系単量体
(A)は、一般にスルホベタイン型単量体として知られ
ており、その単独重合体の溶液物性に関して数多くの報
告がある。例えば、POLYMER,1978,Vo
l.19,1157.、POLYMER,1984,V
ol.25,254.等の文献がある。多くの場合、ス
ルホベタイン型単量体は対応する3級アミン型単量体と
スルトン類との反応によって合成される。例えば、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートと1,3−プロパンス
ルトンをジメチルホルムアミド中、30℃で7日間反応
させることによってジメチル−(2−メタクリロイルオ
キシエチル)−1−(3−スルホプロピル)アンモニウ
ム内部塩が合成できる。また、3級アミン型単量体にア
ルデヒドまたはケトン類と酸性亜硫酸ナトリウムとの縮
合物を反応せしめる、あるいは3級アミン型単量体とハ
ロアルカンスルホン酸との反応、さらに水酸基を有する
4級アンモニウム型単量体の硫酸エステル化反応によっ
ても本発明の両イオン性ビニル系単量体(A)を合成す
ることができる。その他、1−ビニル−3−(3−スル
ホプロピル)イミダゾリウム内部塩、1−ビニル−2−
メチル−3−(3−スルホプロピル)イミダゾリウム内
部塩、1−ビニル−2−メチル−3−(4−スルホブチ
ル)イミダゾリウム内部塩、1−ビニル−3−(2−ス
ルホベンジル)イミダゾリウム内部塩、2−ビニル−1
−(3−スルホプロピル)ピリジニウム内部塩、2−メ
チル−5−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジ
ニウム内部塩、4−ビニル−1−(3−スルホプロピ
ル)ピリジニウム内部塩、ジエチル−(2−メタクリロ
イルオキシエチル)−1−(3−スルホプロピル)アン
モニウム内部塩、3−{3−[2−(メタクリロイルオ
キシ)エトキシカルボニル]ピリジニオ}プロパンスル
ホネート内部塩、ジメチル−(2−アクリロイルオキシ
エチル)−1−(3−スルホプロピル)アンモニウム内
部塩等の両イオン性ビニル系単量体が本発明における両
イオン性ビニル系単量体(A)として好適に使用するこ
とができる。
【0014】本発明は重合体に対する高分子反応によっ
て両イオン性官能基を該重合体中に導入した重合体も包
含する。すなわち、3級アミン基を有する重合体とスル
トン類との高分子反応によって両イオン性官能基を導入
する方法、あるいは重合体と両イオン性官能基を有する
化合物との反応によって導入する方法、重合体に両イオ
ン性単量体(A)をグラフト重合する方法等の採用によ
っても電解質水溶液に対して高度に吸収性である重合体
を得ることができる。
【0015】両イオン性ビニル系単量体(A)を重合時
の仕込み組成が10モル%〜99.995モル%の範囲
内で含有することによって、本発明の課題である電解質
水溶液に対して高度に吸収性である重合体が得られる。
両イオン性ビニル系単量体(A)が10モル%未満では
十分な電解質水溶液吸収性が得られないため、両イオン
性ビニル系単量体(A)は10モル%以上、好ましくは
30モル%以上であることが望ましい。両イオン性単量
体(A)が99.995モル%を超えると重合体の架橋
構造が減少して、水性媒体を吸収した後の重合体が溶液
状あるいは半溶液状となり、不安定であるため望ましく
ない。
【0016】本発明において、非両イオン性ビニル系単
量体(B)は重合体の吸収性能を妨げない範囲内ではい
かなる種類の単量体であっても良く、また使用する必要
のない場合は使用しなくても良い。すなわち、使用目的
に合わせて重合体の強度等の物性を改良する等の理由で
ラジカル重合性のビニル系単量体の中から適宜選択し使
用することができる。
【0017】非両イオン性ビニル系単量体(B)は重合
体の吸収能力を高めるために親水性官能基を有する水溶
性の単量体の中から選ばれることが好ましい。親水性の
官能基としては、カルボキシル基、アミド基、水酸基、
スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、4級アンモニウム
基、ポリエチレングリコール基等がある。また、加水分
解等により容易に親水性官能基を導入しうる単量体も同
様に使用することができる。この様な親水性官能基を有
する、及び導入可能な単量体としては例えば、アクリル
酸及びそのアルカリ塩、メタクリル酸及びそのアルカリ
塩、イタコン酸、アクリロニトリル、アクリル酸アルキ
ルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−置換アルキルアクリル
アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸及
びそのアルカリ塩、メタアリルスルホン酸及びそのアル
カリ塩、スチレンスルホン酸及びその塩、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのアルカ
リ塩、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸及び
そのアルカリ塩、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイル
オキシエチル)アシッドホスフェート、3−メタクリル
アミドプロピルジメチルアミン及びその塩、2−メタク
リロイルオキシエチルジメチルアミン及びその塩、2−
メタクリロイルオキシエチルジエチルアミン及びその
塩、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニ
ウムロライド、N−ビニル−2−ピロリドン、ポリエチ
レングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルアクリレート等があり、これらの単量体を1種または
2種以上組み合わせて使用することができる。
【0018】非両イオン性ビニル系単量体(B)の重合
時の仕込み組成は電解質水溶液に対する吸収性を発現さ
せるために0モル%〜89.995モル%、好ましくは
0モル%〜69.995モル%の範囲内であることが望
ましい。
【0019】吸水樹脂が水性媒体を吸収し、媒体に溶解
する事無く膨潤状態を維持するためには、共有結合、静
電結合、あるいは水素結合等よって重合体に架橋構造を
導入することが必要である。本発明において重合体に架
橋構造を導入するために、架橋性単量体(C)としてジ
ビニル化合物の様な多官能ラジカル重合性単量体を用い
ることができる。多官能ラジカル重合性単量体としては
例えば、N,N−ジアリルメタクリルアミド、ジアリル
アミン、N,N−ビスアクリルアミド酢酸、N,N’−
ビスアクリルアミド酢酸メチルエステル、N,N’−メ
チレンビスアクリルアミド、N,N−ベンジリデンビス
アクリルアミド、ジアリルスクシネート、エチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレー
ト、グリセリンジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、ジアリルアクリルアミド、ジビ
ニルベンゼン等が挙げられる。
【0020】また、重合体に架橋構造を導入する他の方
法として、重合後後架橋可能な官能基を有する単量体の
架橋化処理がある。本発明において架橋化処理可能な単
量体を架橋性単量体(C)として採用するときは、単量
体(C)と化学的に結合し架橋構造を形成するような化
合物を用いる場合があり、この化合物を架橋助剤と称す
る。尚、熱等によって自己架橋する様な単量体を用いる
場合は架橋助剤は必ずしも必要としない。かかる架橋化
処理可能な単量体としては例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミ
ド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、イミノールメタクリレート等が挙げられ
る。架橋助剤としては例えば、架橋性単量体(C)がカ
ルボキシル基を有する場合には、水酸基、エポキシ基、
アミノ基、メチロール基等のカルボキシル基と反応して
化学結合を形成しうる官能基を2個以上有する多官能性
化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン、グリシジルアルコール、ジグリシ
ジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、エタノールア
ミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルアルコール、トリメチロ
ールメラミン、ペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン、ポリエチレンイミン、尿素等がある。また、
ホルムアルデヒドによる架橋化、多価金属イオンによる
架橋もできる。
【0021】架橋性単量体(C)が水酸基を有する場合
には、カルボキシル基、無水酸基、アルデヒド基、イソ
シアネート基の様な水酸基と反応して化学結合を形成し
得る官能基を2個以上有する多官能性化合物、例えば、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、プロパン
−1,2,3−トリカルボン酸及びそれらの酸無水物、
グリオキザール、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等
が架橋助剤として挙げられる。また、水酸基が水酸基同
志、あるいはカルボキシル基と水素結合により架橋構造
を形成する様な場合は架橋助剤を使用する必要はない。
例えば、非両イオン性ビニル系単量体(B)として酢酸
ビニルあるいは(メタ)アクリル酸エステル等を用い、
加水分解により水酸基あるいはカルボキシル基を生成さ
せれば、水素結合による微結晶構造を架橋点として、特
に共有結合による架橋構造を導入しなくとも水分を吸収
し膨潤状態を維持することができ、この様な架橋構造の
導入方法も本発明において採用することができる。ま
た、カルボキシル基同志、カルボキシル基と水酸基、あ
るいは水酸基同志を脱水触媒を用いて、酸無水物を形成
することによる架橋化、エステル結合による架橋化、あ
るいはエーテル結合による架橋化を行うことによっても
架橋構造を導入することができる。
【0022】架橋性単量体(C)がニトリル基を有する
場合には、アミノ基の様なニトリル基と反応して化学結
合を形成しうる官能基を2個以上有する多官能性化合
物、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、両末端アミノ化ポリエチ
レングリコール等が架橋助剤として挙げられる。
【0023】架橋性単量体(C)の重合時の仕込み組成
は、水性媒体を吸収した重合体が媒体に溶解せず、媒体
を吸収した重合体が流動性を持たないために0.005
モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であること
が望ましい。また、架橋性単量体(C)の重合体中の組
成が高くなると吸収能力が低下してしまうため、架橋性
単量体(C)は1モル%以下、好ましくは0.1モル%
以下であることが望ましい。
【0024】本発明の両イオン性重合体は従来より行わ
れているラジカル重合法のいずれの方法を用いて調整し
てもよい。すなわち、水系沈殿重合、懸濁重合、逆相懸
濁重合、乳化重合、溶液重合のいずれの方法を用いても
よく、目的に応じて、得られる重合体の形態を考慮して
適宜選択すればよい。ラジカルの発生方法はラジカル重
合触媒を用いる方法、放射線、電子線、紫外線を照射す
る方法等が挙げられる。ラジカル重合触媒としては例え
ば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパ
ーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等のラジカル発
生剤、及びこれらのラジカル発生剤と亜硫酸水素ナトリ
ウム、L−アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせか
らなるレドックス系開始剤が挙げられる。重合媒体とし
ては例えば、水、電解質水溶液、メタノール、アセト
ン、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、重合方法
に応じて適宜選択すればよい。
【0025】
【作用】本発明の両イオン性重合体が電解質水溶液に対
して高度に吸収性である理由は十分に解明するに至って
いないが、概ね次の様であろうと考えられる。すなわ
ち、架橋していない線状の両イオン性単量体(A)の単
独重合体が純水には溶解せず一定濃度以上の電解質水溶
液に溶解することから、両イオン性側鎖基内で塩を形成
しているアニオン性基とカチオン性基が低分子イオンの
存在によってその結合が切れるために高分子鎖が伸びて
溶解すると考えられるため、架橋構造を有する重合体に
おいても低分子イオンの存在下で膨潤し、そのため電解
質水溶液を吸収するものと思われる。
【0026】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲がこれら実施例にのみ限定される
ものではない。
【0027】実施例1本実施例において両イオン性ビニ
ル系単量体(A)として、ジメチル−(2−メタクリロ
イルオキシエチル)−1−(3−スルホプロピル)アン
モニウム内部塩(DMPS)、ジメチル−(2−アクリ
ロイルオキシエチル)−1−(3−スルホプロピル)ア
ンモニウム内部塩(DAPS)、1−ビニル−3−(3
−スルホプロピル)イミダゾリウム内部塩(VIP
S)、4−ビニル−1−(3−スルホプロピル)ピリジ
ニウム内部塩(VPPS)をPOLYMER,197
7,Vol.18,1058.に記載の方法と同様にし
て、各単量体の対応する3級アミン型単量体とプロパン
スルトンから合成した。また、3−{3−[2−(メタ
クリロイルオキシ)エトキシカルボニル]ピリジニオ}
プロパンスルホネート内部塩(MAPS)をMakro
mol.Chem.,1986,187,1691.に
記載の方法と同様にして合成した。非両イオン性ビニル
系単量体(B)としてはアクリル酸(AA)、アクリル
アミド(AAm)を、また、架橋性単量体(C)として
はN,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAA
m)を用いた。所定量の単量体混合物と開始剤としてア
ゾビスシアノ吉草酸(ACVA)を0.5mol/lの
NaCl水溶液に溶解し(総単量体濃度=1mol/
l)、窒素雰囲気下、65℃で24時間重合を行い重合
体を得た。また、両イオン性ビニル系単量体(A)を含
む本願発明の範囲外の重合体、及び両イオン性ビニル系
単量体(A)を含まない重合体も上記と同様の条件で重
合し重合体を得た。各重合体の単量体仕込み組成と重合
条件を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】得られた各重合体について、以下の方法に
よって純水及び各種電解質水溶液に対する吸収倍率を測
定した。乾燥した各重合体0.5gを純水及び各種電解
質水溶液500ml中に2時間浸漬した後、200メッ
シュ金網で濾過し、10分間水切りした後、金網上の媒
体を吸収した重合体の重量を測定し、重合体1g当たり
の吸収した媒体のグラム数を吸収倍率とした。電解質水
溶液としては、0.5MのNaCl水溶液、2MのNa
Cl水溶液、0.5MのCaCl2 水溶液、合成海水
(組成:CaSO4 =1.38g/l,MgSO4
2.10g/l,MgCl2 =3.32g/l,KCl
=0.71g/l,NaCl=26.69g/l)を用
いた。また、比較のために市販の吸水樹脂を2種類(市
販品A=アクアリックCA(日本触媒(株)製)、市販
品B=アクアリックCS(日本触媒(株)製))につい
ても同様の方法で吸収倍率を求めた。結果を表2に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】重合体1は架橋性単量体(C)の仕込み組
成が本願発明の範囲より少ないものであり、電解質水溶
液に対して溶解してしまい吸水樹脂として相応しくな
い。重合体6は架橋性単量体(C)の仕込み組成が本願
発明の範囲を超えたものであり、吸収倍率が低いためこ
れも相応しくない。重合体10は両イオン性ビニル系単
量体(A)の仕込み組成が本願発明の範囲より少ないも
のであり、純水に対しては吸収倍率が高いものの電解質
水溶液に対しては極端に吸収倍率が低下しておりこれも
相応しくない。重合体15と16はそれぞれ両イオン性
ビニル系単量体(A)を含有しないAAとAAmの架橋
重合体であり、どちらも電解質水溶液に対しては吸収倍
率が低いものであった。また、市販品Aと市販品Bも電
解質水溶液に対しては低い吸収倍率を示した。以上の各
重合体に対して、重合体2〜5、7〜9、11〜14は
本願発明の範囲内であり、いずれの重合体も優れた電解
質水溶液吸収性を示した。さらに、重合体7〜9は純水
に対しても優れた吸収性を有していた。この様に本願発
明の重合体は必ずしも純水に対して優れた吸収能力を有
している必要は無いが、非両イオン性ビニル系単量体
(B)の種類、及び仕込み組成によって純水に対しても
優れた吸収性を有する重合体を提供することができるの
である。
【0032】
【発明の効果】以上説明した本発明の両イオン性重合体
は優れた電解質水溶液吸収性を有するため、海水、血
液、汗、尿等だけではなく、高濃度の電解質水溶液や多
価金属塩水溶液に対しても高い吸収性を有する。従っ
て、本発明の両イオン性重合体は紙おむつや生理用品等
の吸収剤、農園芸用保水剤、土壌改良剤、止水剤等電解
質水溶液を吸収させるような用途に優れた使用効果を発
揮する。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕込み単量体組成が両イオン性ビニル系
    単量体(A)10モル%〜99.995モル%、非両イ
    オン性ビニル系単量体(B)0モル%〜89.995モ
    ル%、架橋性単量体(C)0.005モル%〜1モル%
    である混合単量体が重合されてなる電解質水溶液吸収用
    両イオン性重合体において、架橋性単量体(C)がラジ
    カル重合時に架橋可能である多官能ラジカル重合性単量
    体(ただし多官能ラジカル重合性単量体がN,N−ジア
    リルメタクリルアミド、N,N−ビスアクリルアミド酢
    酸、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸メチルエステ
    ル、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−
    ベンジリデンビスアクリルアミド、ジアリルスクシネー
    ト、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
    リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
    クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
    ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペン
    チルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
    ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
    リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エ
    チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
    ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
    クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
    ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4
    −ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジ
    オールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
    メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
    レート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロ
    ピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ネ
    オペンチルグリコールジメタクリレート、ジアリルアク
    リルアミド、ジビニルベンゼンから選ばれたものであ
    る)であることを特徴とする電解質水溶液吸収用両イオ
    ン性重合体
  2. 【請求項2】 両イオン性ビニル系単量体(A)が化1
    乃至化5(但し、R1 は水素原子またはメチル基、R2
    は炭素数1から6の直鎖状もしくは分枝状のアルキレン
    基または置換もしくは無置換のフェニレン基、R3 及び
    4 はそれぞれ独立に炭素数1から6の直鎖状もしくは
    分枝状のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基また
    は置換もしくは無置換のフェニル基、R5 は炭素数2か
    ら10の直鎖状もしくは分枝状のアルキレン基もしくは
    ヒドロキシアルキレン基または置換もしくは無置換のフ
    ェニレン基、R6 は炭素数1から6の直鎖状もしくは分
    枝状のアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基ま
    たは置換もしくは無置換のフェニレン基、Xは置換もし
    くは無置換のフェニレン基、Yは−O−または無し、Z
    は−O−または−NH−を示す。尚、化4及び化5のピ
    リジン環の置換基の位置は何処でもよい)から選ばれた
    ものであることを特徴とする請求項1記載の電解質水溶
    液吸収用両イオン性重合体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  3. 【請求項3】 非両イオン性ビニル系単量体(B)がカ
    ルボキシル基、アミド基、水酸基、スルホン酸基、リン
    酸基、アミノ基、4級アンモニウム基、ポリエチレング
    リコール基から選ばれる親水性官能基を有する単量体で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の電解質水
    溶液吸収用両イオン性重合体。
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