WO2009099126A1 - 光反応性共重合体、表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤、物質固定化剤、表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法および物質固定化方法 - Google Patents

光反応性共重合体、表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤、物質固定化剤、表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法および物質固定化方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、下記一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位とを有する共重合体に関する。 一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基およびイミダゾリニウムベタイン性基からなる群から選ばれる少なくとも一種のベタイン性基を含む基である。

Description

光反応性共重合体、表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤、物質固定化剤、表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法および物質固定化方法 関連出願の相互参照
 本出願は、2008年2月7日出願の日本特願2008-027128号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
 本発明は、光反応性共重合体、上記共重合体からなる表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤および物質固定化方法、ならびに上記共重合体を用いる表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法および物質固定化方法に関する。
背景技術
 近年、生化学分析、臨床診断をはじめとする様々な分野において、所望の物質を基板上に固定化する技術や物質表面に所望の物性を付与(例えば表面親水化等)する技術の開発が進められている。例えば、免疫測定のためのイムノプレートや、核酸をチップ上に固定化したDNAチップの開発や、イムノプレートやDNAチップにおいて、非特異的吸着を防止するために、ウシ血清アルブミン(BSA)等のタンパク質でブロッキングすることが行われている。
 また、表面の親水化、タンパク質吸着抑制等の効果を有するホスホリルコリン基含有共重合体が提案され、そのような共重合体が市販されている(特開平3-39309号公報および特開平7-83923号公報参照、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される)。更に、本願発明者により、アミノ酸由来の両性電解質基を有する両性イオンユニットと非イオン性ユニットを有する共重合体により物質表面を改質することも提案されている(特開2007-302745号公報参照、その全記載は、ここに特に開示として援用される)。
 上記特開平3-39309号公報および特開平7-83923号公報に記載のホスホリルコリン基含有共重合体は、生体膜に由来するリン脂質に類似した構造を有するため、生体適合性に優れることが知られている。しかし、ホスホリルコリン含有共重合体は合成に危険性の高い試薬を使用する場合があり、また市販のホスホリルコリン基含有共重合体は高価であるため、汎用性に乏しいという問題があった。
 これに対し、特開2007-302745号公報に記載の共重合体は、生体適合性に優れ、かつ容易に合成可能であり高い汎用性を有するものである。しかし、特開2007-302745号公報に記載の共重合体は、処理対象となる表面との結合力が必ずしも十分ではない点、処理対象となる表面の物性に応じて非イオン性ユニットの構造を選択する必要がある点などの課題があり、安定性および簡便性に改善が求められていた。
発明の開示
 そこで本発明の目的は、物質表面を簡便かつ長期にわたり安定に改質することができる新規材料を提供することにある。
 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、一般式(I)で表されるベタイン性ユニットと光反応性ユニットを有する光反応性共重合体が、物質表面の改質効果に優れ、しかも物質表面と強固に結合し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
 本発明の一態様は、下記一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位とを有する共重合体に関する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
[一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基およびイミダゾリニウムベタイン性基からなる群から選ばれる少なくとも一種のベタイン性基を含む基である。]
 Xは下記一般式(II)で表されることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
[一般式(II)中、X1はアミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基またはイミダゾリニウムベタイン性基である。]
 X1はカルボベタイン性基またはスルホベタイン性基であることができる。
 X1はアミノ酸残基またはスルホアンモニウム基であることができる。
 上記光反応性基を含有する構成単位は、下記一般式(III)で表されることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
[一般式(III)中、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Y1はアジド基、アリールアジド基、アルキルアジド基、ジアジリン基、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基またはニトロベンジル基である。]
 一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位との含有比は、モル基準で、1:9~9:1の範囲であることができる。
 上記共重合体は、質量平均分子量が1,000~1,000,000の範囲であることができる。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体からなる表面改質剤に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体からなる親水化処理剤に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体からなる吸着抑制剤に関する。
 上記吸着抑制剤は、細胞および/またはタンパク質の吸着を抑制することができる。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体からなる物質固定化剤に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む表面改質方法に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む親水化方法に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む吸着抑制方法に関する。
 上記吸着抑制方法によれば、細胞および/またはタンパク質の吸着を抑制することができる。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体および被固定化物質を含む混合物を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む物質固定化方法に関する。
 本発明の更なる態様は、上記共重合体を物質表面に配置して上記表面の少なくとも一部に被覆層を形成すること、および、
上記被覆層上に被固定化物質を配置し、次いで光照射すること、を含む物質固定化方法。
 本発明によれば、物質表面への細胞やタンパク質等の非特異的吸着を、簡便な操作によって長期にわたり効果的に抑制することができる。更に、物質表面を長期にわたり親水化することも可能である。
発明を実施するための最良の形態
[光反応性共重合体]
 本発明の共重合体は、下記一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位とを有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基およびイミダゾリニウムベタイン性基からなる群から選ばれる少なくとも一種のベタイン性基を含む基である。本発明の共重合体は、光反応性基によって処理対象となる物質表面に結合することができ、一般式(I)で表されるベタイン性ユニットが界面活性剤的性質を発揮することにより物質表面を改質することができる。
 本発明において、「光反応性基」とは、光を照射することによりラジカルを生じ得る基を意味する。本発明の共重合体は、光照射により光反応性基がラジカルを生じることによって、有機化合物を構成する炭素原子等と共有結合を形成することができる。これにより、本発明の共重合体に光を照射することによって、該共重合体と物質表面とを共有結合によって強固に結合し、上記ベタイン性ユニットによる物質改質効果を長期にわたり安定に維持することができる。更には物質表面上で、上記共重合体と被固定化物質とが接触した状態で光照射することにより該共重合体と被固定化物質とを共有結合によって強固に結合することができる。これにより上記共重合体を介して被固定化物質を物質表面に固定化することもできる。
 以下に、本発明の共重合体について更に詳細に説明する。
 一般式(I)中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、置換または無置換の直鎖または分岐のアルキル基であって、例えば炭素数1~5のアルキル基を挙げることができる。なお本発明において、ある基について炭素数とは、該基が置換基を有する場合は置換基を含まない部分の炭素数を言うものとする。また、本発明において、ある基が置換基を有する場合、置換基の種類、その数および置換位置は特に限定されるものではないが、置換基の具体例としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは臭素原子)、アリール基(好ましくは炭素数6~30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基)、アルキル基(好ましくは炭素数1~20の置換または無置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基)を挙げることができる。
 R1およびR2は、水素原子であることが好ましく、R3は水素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましく、合成の容易性の点からは水素原子またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
 一般式(I)中、Xは、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基およびイミダゾリニウムベタイン性基からなる群から選ばれる少なくとも一種のベタイン性基を含む基である。なお、本発明において「ベタイン性」とは、電離状態で正電荷を持つ部分と負電荷を持つ部分を同一基内の隣り合わない位置に有し、正電荷を有する原子には解離し得る水素原子が結合しておらず、全体としては中性である(電荷を持たない)ことをいうものとする。また、「アミドベタイン性基」とは、アミノ基に含まれる窒素原子が電離状態で正電荷を有するベタイン性基をいい、「スルホベタイン性基」とは、スルホ基に含まれる酸素原子が電離状態で負電荷を有するベタイン性基をいい、「アミドスルホベタイン性基」とは、電離状態で、アミノ基に含まれる窒素原子が正電荷を有し、かつスルホ基に含まれる酸素原子が負電荷を有するベタイン性基をいい、「カルボベタイン性基」とは、カルボキシル基に含まれる酸素原子が電離状態で負電荷を有するベタイン性基をいい、「イミダゾリニウムベタイン性基」とは、イミダゾール基に含まれる窒素原子が電離状態で正電荷を有するベタイン性基をいうものとする。
 Xの具体例としては、下記一般式(II)で表される基を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 一般式(II)中、X1は、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基またはイミダゾリニウムベタイン性基である。一般式(II)中のX1で表されるベタイン性基としては、両性イオン性部を有するアミノ酸残基や、スルホアンモニウム基を挙げることができる。上記アミノ酸残基における両性イオン性部とは、アミノ酸由来のカルボキシル基とアミノ基またはイミダゾール基を含む部位である。上記アミノ酸としては、合成アミノ酸および天然アミノ酸のいずれを用いてもよいが、生体適合性の観点からは、天然アミノ酸が好ましい。また、共重合体中でベタイン性を発揮するためには、主鎖と結合するためのアミノ基とフリーで存在する塩基性基があることが好ましい。以上の点から、前記アミノ酸としては、少なくとも1個のアミノ基とカルボキシル基を有する塩基性アミノ酸を用いることが好ましい。その具体例としては、天然塩基性アミノ酸であるリジン、アルギニン、およびヒスチジンを挙げることができる。共重合体における主鎖との結合様式は、アミノ酸の側鎖に位置するアミノ基により結合する場合とアルファ位のアミノ基により結合する場合があるが、本発明ではいずれの結合様式をとることも可能である。
 ベタインの中でも、カルボベタインおよびスルホベタインは非特異的接着性抑制能があることが知られている(例えば、Zhang, Z.; Chao, T.; Chen, S.; Jiang, S. Langmuir 2006, 22, 10072-10077.、Chang, Y.; Chen, S.; Zhang, Z.; Jiang, S. Langmuir 2006, 22, 2222-2226.、Zhang, Z.; Chen, S.; Jiang, S. Biomacromolecules 2006, 7, 3311-3315.、Chang, Y.; Chen, S.; Yu, Q.; Zhang, Z., Bernards, M.; Jiang, S. Biomacromolecules 2007, 8, 122-127.参照、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される)。従って、X1としては、表面改質効果の点からはカルボベタイン性基およびスルホアンモニウム基が好ましい。X1の具体例としては、例えば下記(a)~(d)のようなベタイン性部を有するアミノ酸残基や、下記(e)に示すようなスルホアンモニウム基を挙げることができる。なお、下記には電離状態の構造を示したが、非電離状態であっても本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。また、下記(e)において、pおよびqは、それぞれ独立に正の整数であり、例えば1~5、好ましくは1~3の範囲の整数であり、より好ましくは1または2である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 本発明の共重合体は、光反応性基を含有する構成単位を含む。光反応性基としては、上記の通り光照射によってラジカルを生じ得るものであればよいが、物質表面との反応性および結合力の点では、置換または無置換のアジド基、ジアジリン基、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基およびニトロベンジル基が好ましい。
 上記光反応性基を有する構成単位は、合成の容易性等の点からはビニルモノマー由来の基であることが更に好ましい。上記ビニルモノマーとしては、メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、メチル核置換スチレン、クロロ核置換スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、ジエチルイタコネート、ジ-n-ブチルイタコネート等を挙げることができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とはメタクリル酸およびアクリル酸を含むものとする。中でも、本発明の共重合体に含まれる光反応性基を含有する構成単位としては、下記一般式(III)で表されるユニットが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 一般式(III)中、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R4およびR5の詳細は、先に一般式(I)中のR1およびR2について述べた通りであり、R6の詳細は、先に一般式(I)中のR3について述べた通りである。
 一般式(III)中、Y1はアジド基、アリールアジド基、アルキルアジド基、ジアジリン基、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基またはニトロベンジル基である。中でも、アジド基は、光を照射することにより窒素分子が離脱すると共に窒素ラジカルが生じ、この窒素ラジカルは、アミノ基やカルボキシル基等の官能基のみならず、有機化合物を構成する炭素原子とも結合することが可能であるので、ほとんどの有機物と共有結合を形成し得る。従って、Y1としては、アジド基、アリールアジド基またはアルキルアジド基が好ましい。アリールアジド基のアリール部およびアルキルアジド基のアルキル部の詳細は、先に置換基としてのアリール基およびアルキル基について述べた通りである。
 本発明の共重合体は、一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位との配列は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいずれであってもよい。合成の容易性の点ではランダム共重合体が好ましい。
 本発明の共重合体は、一般式(I)で表される構成単位を、1分子中に例えば1~9個、好ましくは3~7個含むことができ、光反応性基を含有する構成単位を、1分子中に例えば1~9個、好ましくは3~7個含むことができる。なお、本発明の共重合体を物質固定化剤として使用する場合は、1分子中に2個以上の光反応性基を含有することが好ましい。一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位との含有比は、モル基準で、前者:後者=1:9~9:1であることが好ましい。前者:後者が1:9以上であれば、十分な表面改質効果を得ることができ、前者:後者が9:1以下であれば、本発明の共重合体を物質表面に長時間安定に保持することができる。好ましくは、前者:後者=2:8~8:2であり、より好ましくは、前者:後者=3:7~7:3である。なお、本発明の共重合体において、各構成単位が複数存在する場合、複数存在するR1、R2、R3、R4、R5、R6、X、X1、Y、Y1は、それぞれ同じでも異なってもよい。
 本発明の共重合体の質量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、物質表面への固定化の点から好ましくは1,000~1,000,000である。前記質量平均分子量(Mw)は、より好ましくは3,000~100,000、更に好ましくは5,000~100.000である。また、質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされる多分散度(Mw/Mn)は、特に限定されるものではないが、例えば1~3程度である。
 本発明の共重合体は、公知の方法により容易に合成可能である。重合方法は特に限定されず、ランダム重合、ブロック重合等のいずれの方法であってもよいが、合成の容易性の点からはランダム重合により合成することが好ましい。以下に、合成方法の一例を示すが本発明は以下の例に限定されるものではない。
 まず、ビニルモノマーの側鎖に前述のベタイン性基含有基を導入し、下記一般式(IV)で表される化合物を得る。上記反応は、適当な溶媒中で公知の方法で行うことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
[一般式(IV)中、R1、R2、R3およびXは一般式(I)における定義と同義である。]
 次に、一般式(IV)で表される化合物と光反応性基を有する重合性モノマーを、ラジカル重合開始剤の存在下で共重合させる。上記重合性モノマーは、重合性モノマーに公知の方法で光反応性基を導入することにより容易に合成することができ、市販品として入手可能なものもある。上記反応において、一般式(IV)で表される化合物と重合性モノマーとの仕込み比を調整することにより、前述の両構成単位を所望の割合で含む共重合体を得ることができる。
 前記重合反応において使用されるラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシジイソブチレート、過硫酸塩または過硫酸-亜硫酸水素塩等の公知のラジカル開始剤を用いることができる。重合開始剤の使用量は、一般式(IV)で表される化合物と重合性モノマーの合計100質量部に対して、例えば100,000~10,000,000質量部、好ましくは100,000~500,000質量部とすることができる。
 前記重合反応の反応条件は特に限定されるものではないが、例えば、反応温度は50~150℃、反応時間は1~168時間程度とすることができる、また、反応溶媒としては、エタノール、メタノール、アセトン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド等の公知のラジカル重合溶媒を使用すればよい。
 なお、以上の反応により目的の共重合体が得られたことは、NMR等の公知の方法で確認することができる。
 本発明の共重合体は、表面親水化および吸着抑制等の各種表面改質ならびに物質固定化のために使用することができる。本発明の共重合体の使用方法の詳細については後述する。
[表面改質剤、親水化処理剤、吸着抑制剤]
 本発明の表面改質剤は、本発明の共重合体からなるものである。本発明の表面改質剤は、物質表面上で共重合体のベタイン性部の特性が発揮されることにより、表面を改質することができる。また、前記共重合体の光反応性基によって物質表面と共有結合によって結合することが可能であり、これにより表面改質効果を長時間安定に維持することができる。
 処理対象となる物質表面としては、光反応性基と結合し得る物質からなるものであれば特に限定されず、マイクロプレート等で広く用いられているポリスチレンをはじめ、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートやポリプロピレン等の樹脂製のものを例示することができる。処理対象となる表面をシランカップリング剤でコーティングしたガラス基体、処理対象となる表面をアルキルチオール等の有機物で処理した金基体も、表面を処理される物質として好ましい。また、処理対象となる物質の形態は何ら限定されるものではなく、マイクロアレイ用基板のような板状のものや、ビーズ状、繊維状のもの等を用いることができる。さらに、板に設けられた穴や溝、例えば、マイクロプレートのウェル等も用いることができる。
 本発明の表面改質剤は、そのまま物質表面に適用することもできるが、操作性等の点からは、適当な揮発性溶媒に溶解して使用することが好ましい。前記溶媒は、本発明の共重合体を溶解し得るものから適宜選択することができるが、高分子材料に塗布する場合は材料を膨潤させないような溶媒としてメタノール、エタノール、アセトンおよびこれらの混合溶媒または水との混合溶媒を用いることが好ましい。溶液中の前記共重合体の濃度は、所望の表面改質効果が得られるように適宜設定することができる。前記濃度は、例えば0.01~5質量%、好ましくは0.1~3質量%とすることができる。
 本発明の表面改質剤の第一の好ましい態様は親水化処理剤である。本発明の親水化処理剤は、表面上で共重合体のベタイン性部による親水性付与効果が発揮されることにより、疎水性表面を親水化することができる。また、前記共重合体の光反応性基によって疎水性表面と強固に結合し安定に保持されるため親水化効果を長時間安定に維持することができる。
 本発明の表面改質剤の第二の好ましい態様は吸着抑制剤である。吸着抑制対象となる物質としては、ポリペプチド(糖タンパク質およびリポタンパク質を含むタンパク質を包含する)ならびに細胞(動物細胞、植物細胞、微生物細胞等)を例示することができる。
 本発明の吸着抑制剤は、ベタイン性部の吸着抑制効果により、抗体または抗原をプレート上に固定化した、免疫測定のためのイムノプレートや、核酸をチップ上に固定化したDNAチップ等において、固相表面に目的物質を結合させた後、目的物質で被覆されなかった領域へのタンパク質や細胞等の非特異的吸着を防止するために用いることができる。
 本発明の表面改質剤、親水化処理剤および吸着抑制剤の使用方法は、本発明の表面改質方法、親水化方法および吸着抑制方法について後述する通りである。
[物質固定化剤]
 更に本発明は、物質固定化剤に関する。本発明の物質固定化剤は、本発明の共重合体からなるものである。本発明の物質固定化剤は、前記共重合体が有する光反応性基によって基板等の物質表面および被固定化物質とそれぞれ共有結合によって強固に結合することができるため、架橋剤的な役割を果たし物質表面上に所望の物質を固定化することができる。更に、本発明の物質固定化剤によれば、前記共重合体に含まれるベタイン性基の非特異的吸着抑制作用によって、分析上望ましくない物質の非特異的吸着を抑制することができるため、被固定化物質を高感度で検出可能なマイクロアレイを作製することができる。
 本発明の物質固定化剤は、そのまま物質固定化剤として使用してもよく、溶媒等の他成分w0併用してもよい。溶媒としては、例えば前述の溶媒を使用することができる。本発明の物質固定化剤を、溶媒等を含む塗布液として使用する場合の塗布液中の前記共重合体の濃度は、先に本発明の表面改質剤について述べた通りである。
 本発明の物質固定化剤を用いて固定化される物質(被固定化物質)は、特に限定されないが、ポリペプチド(糖タンパク質およびリポタンパク質を包含する)、核酸、脂質並びに細胞(動物細胞、植物細胞、微生物細胞等)およびその構成要素(核、ミトコンドリア等の細胞内小器官、細胞膜や単位膜等の膜等を包含する)を例示することができる。
 本発明の物質固定化剤を用いて被固定化物質を固定するために使用される基体としては、本発明の表面改質剤の処理対象となる物質表面について例示したものを挙げることができる。
 本発明の物質固定化剤の使用方法は、本発明の物質固定化方法について後述する通りである。
[表面改質方法、親水化方法、吸着抑制方法]
 本発明は更に、本発明の共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む表面改質方法、親水化方法、および吸着抑制方法に関する。
 以下に、上記方法の詳細を説明する。
 上記方法では、本発明の共重合体をそのまま物質表面に適用することもできるが、操作性等の点からは、適当な揮発性溶媒に溶解した塗布液を物質表面を塗布することが好ましい。塗布液の詳細は、先に説明した通りである。
 上記のように本発明の共重合体を物質表面へ配置した後、好ましくは塗布液の乾燥後、光照射を行う。光反応性基のラジカル化は、一段階の光照射によって行うこともでき、二段階以上の光照射によって行うこともできる。照射する光の波長および照射時間は、本発明の共重合体に含まれる光反応性基に応じて適宜設定することができる。例えば波長300~400nmの光を照射することができ、照射時間は、例えば1~15分間程度とすることができる。また、照射する光の線量は、特に限定されないが、通常、1cm2当たり1mW~100mW程度である。
 また、本発明では、フォトマスクを介して選択的に露光を行うことも可能である。フォトマスクを使用する場合、光が照射されなかった部分では、光反応性基が物質表面に結合しないので、洗浄すれば未反応の共重合体を除去することができる。従って、フォトマスク等を介して選択露光を行うことにより、物質表面の所望の位置を選択的に改質することができる。このように、本発明によれば、例えばマイクロアレイにおいて、非特異的吸着を抑制したい部分のみを選択的に処理することができる。
[物質固定化方法]
 本発明は、更に、
 本発明の共重合体および被固定化物質を含む混合物を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む物質固定化方法(以下、「固定化方法I」という);ならびに、
 本発明の共重合体を物質表面に配置して上記表面の少なくとも一部に被覆層を形成すること、および、上記被覆層上に被固定化物質を配置し、次いで光照射すること、を含む物質固定化方法(以下、「固定化方法II」という)
 に関する。以下に、本発明の物質固定化方法について更に詳細に説明する。
固定化方法I
 固定化方法Iは、本発明の共重合体および被固定化物質を含む混合物を基体等の物質表面に配置し、次いで光照射する。これにより、先に説明したように、本発明の共重合体に含まれる光反応性基のラジカル化が起こり、基体等の表面上へ所望の物質を固定化することができる。
 共重合体と被固定化物質との混合比(質量比)は、特に限定されないが、通常、1:1~1:100、好ましくは1:2~1:20とすることができる。
 前記混合物を物質表面上へ配置する方法は特に限定されず、例えば、マイクロピペット等によってスポットする方法、ピン方式によるスポッティングや圧電方式によるスポッティング等の公知の塗布方法を用いることができる。
 固定化方法Iでは、上記方法等を用いて物質表面上に前記混合物を塗布した後、好ましくは該混合物の乾燥後、光照射を行う。光反応性基のラジカル化は、一段階の光照射によって行うこともでき、二段階以上の光照射によって行うこともできる。照射する光の波長および照射時間等の光照射条件については、前述の通りである。
 また、本発明では、フォトマスクを介して選択的に露光を行うことも可能である。フォトマスクを使用する場合、光が照射されなかった部分では、光反応性基が処理表面および被固定化物質に結合しないので、洗浄すれば未反応の共重合体が除去される。従って、フォトマスク等を介して選択露光を行うことにより、任意のパターンで物質を固定化することができる。従って、選択露光により、マイクロアレイ等の任意の種々の形状に物質を固定化することができるので、非常に有利である。
固定化方法II
 固定化方法IIでは、まず、本発明の共重合体を基体等の表面に配置して上記表面の少なくとも一部に被覆層を形成(以下、第一工程という)した後、上記被覆層上に被固定化物質を配置し、次いで光照射する(以下、第二工程という)。この方法は、被固定化物質のスポットが、第一工程で形成された被覆層上に形成されるため、最表層に露出する被固定化物質の割合が高くなり、検出感度が向上するという利点がある。
 第一工程では、本発明の共重合体をそのまま基体等の表面上に塗布してもよく、先に説明したように塗布液の状態で使用することもできる。基体上への共重合体の配置方法としては、先に記載した塗布方法等を用いることができる。本発明の共重合体を基体等の表面上に配置した後、好ましくは乾燥させることにより被覆層を形成する。
 第二工程では、こうして形成された被覆層上に、被固定化物質を配置し、光照射する。ここで、被固定化物質を本発明の共重合体と混合した状態で被覆層上に塗布することもできる。
 次いで、被固定化物質を被覆層上に配置した後、光反応性基のラジカル化のための光照射を行う。この光照射の詳細は、前述の通りである。なお、本発明では、第一工程においても光反応性基のラジカル化のための光照射を行い、第二工程前に共重合体と基体等の表面とを結合させることも可能である。
 また、本発明では、溶液の塗布方法としてマイクロスポッティングを用いてもよい。マイクロスポッティングは、液を基体上の非常に狭い領域に塗布する手法である。この方法は、DNAチップ等の作製に常用されており、そのための装置も市販されているので、市販の装置を用いて容易に行うことができる。固定化方法IIでは、本発明の共重合体を基体表面全体にコーティングして被覆層を形成し、次いで、その上に、被固定化物質を含む塗布液をマイクロスポッティングして光照射してもよい。さらに、本発明の共重合体をマイクロスポッティングして被覆層を形成し、その上に被固定化物質を含む塗布液をマイクロスポッティングして光照射してもよい。また、固定化方法Iでも、塗布方法として、マイクロスポッティングを用いることができる。
 本発明では、固定化方法IまたはIIによって所望の物質を固定化した後、基体を洗浄して未反応の共重合体や被固定化物質を除去することが好ましい。こうして、非特異的吸着を抑制しつつ、所望の物質が固定化された基板を得ることができる。固定化方法I、IIにおいて使用される被固定化物質および基体については、先に説明した通りである。
 なお、本発明では、光反応性基により生じるラジカルを利用して結合反応を行うので、共重合体は、固定化すべき物質の特定の部位と結合するのではなく、ランダムな部位と結合する。従って、活性部位が結合に供されて活性を喪失する分子も出てくる可能性はあるが、活性部位に影響を与えない部位で結合する分子も多数存在するので、全体として、その影響は少ないと考えられる。本発明によれば、従来、適当な置換基が活性部位またはその近傍にあるために、共有結合で固定化することが困難であった物質であっても、全体として活性を喪失させることなく、共有結合により基体に固定化することができる。
 以下に、本発明を実施例により更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[実施例1]
光反応性ヒスチジン含有ポリマー(Az-His polymer)の合成
1.N-メタクリロイル-L-ヒスチジン(MHis)の合成
 L-ヒスチジン(Wako製)10g(64 mmol)を2N NaOH40mLで溶解し、氷浴にて十分に冷却した。20mLのジオキサンで希釈した塩化メタクリロイル(Wako製)7.3mL(76mmol,1.2eq.)を窒素雰囲気下、滴下漏斗を用いてゆっくりと滴下し、滴下終了後、室温にてさらに1時間反応させた。ロータリーエバポレーターにより反応液中のジオキサンを除去し、6N HClを用いて溶液のpHを2となるように調整してエーテル抽出を行い未反応物、および副生成物を除去した。その後、水相を2N NaOHを用いてpH5とした後濃縮し、エタノールを加えて目的物を抽出した(この操作で未反応のL-ヒスチジンと生成したNaClを除去した)。抽出したエタノール溶液を一旦濃縮し、激しく撹拌している過剰量のアセトン中に滴下することにより目的物を沈殿させ、吸引ろ過した。得られた固形物を再びエタノールに溶解し、再びアセトン中に沈殿させた後、沈殿物を濾取し一晩減圧乾燥させ、N-メタクリロイル-L-ヒスチジン(MHis)の塩酸塩を得た(収率65%)。
2.4-アジドフェニルメタクリルアミドの合成
 以下の方法により、4-アジドフェニルメタクリルアミドを合成した。
 アジドアニリン塩酸塩(500mg、2.9mmol)をMilliQ水(100mL)に溶解した後、pHが10になるまで炭酸ナトリウム(466mg、4.4mol)を添加しアジドアニリン溶液を得た。塩化メタクリロイル(460mg、4.4mmol)含有ジオキサン(10mL)を上記アジドアニリン溶液へ滴下した。その後、得られた溶液を暗所で2時間放置し反応させた。反応後、形成された沈殿をろ過し、MilliQ水で洗浄した後に乾燥させ目的物を得た(425mg)。収率は70.8%であった。同定結果を以下に示す。
1H NMR (300 MHz, in CDCl3), d (TMS, ppm): 7.56, 7.55 (dd, 2H, Bn-H), 7.50 (Br s, 1H, NH), 7.01, 6.98 (dd, 2H, Bn-H), 5.79, 5.48 (m, 2H, = CH2), 2.06 (s, 3H CH3).
3.光反応性ヒスチジン含有ポリマーの合成
 1.で合成したMHisと、2.で合成した4-アジドフェニルメタクリルアミドを、モル基準で前者:後者=95:5の割合で反応容器に秤量し、モノマー濃度が0.5MとなるようにEtOH 20mLに溶解した。重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を、モノマーに対して1mol%となるように加え、N2バブリングを20分間行い反応系中の溶存酸素を除いた後、密栓して60℃で24時間重合を行った。分画分子量3500の透析膜を用いて、エタノール中で遮光一晩、次いで、MilliQ中で遮光6日間透析し、重合後のポリマーの精製を行った。ポリマーの懸濁液を凍結乾燥することにより、目的物を得た。
 合成スキームを以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
4.GPC測定
 3.で合成したポリマーについて、以下の方法でGPC測定を行い質量平均分子量(Mw)を求めたところ、約3,000であった。
 エッペンドルフチューブ内に秤量したコポリマーは、一旦MeOHに懸濁し、0.1N HClaqを懸濁液が完全に透明になるまで加えて溶解し、遠心エバポレーターにてMeOHを除去してから凍結乾燥し、それをキャリアー(DMF(10mM LiBr))に溶解してから、ポアサイズ0.45μmのシリンジフィルターを通してインジェクトした。
(検出器;refractive index、カラム;TOSOH TSKgel a-M+TSKguardcolumn、キャリアー;DMF(10mM LiBr),0.6mL/min,r.t.,標準ポリマー;ポリスチレン)
5.ポリマー組成比の測定
 4-アジドフェニルメタクリルアミドを溶媒(0.01N NCl/EtOH=1/9)に溶解し4-アジドフェニルメタクリルアミド溶液(0.0005質量%)を得た。3.で合成した光反応性ヒスチジン含有ポリマーを上記と同様の溶媒に溶解し光反応性ヒスチジン含有ポリマー溶液(0.01質量%溶液)を得た。各溶液について、UV吸収スペクトルを測定した。得られたUV吸収スペクトルを図1に示す。
 図1に示すスペクトルから、4-アジドフェニルメタクリルアミドの波長276nmにおけるモル吸光係数を求めたところ21055、光反応性ヒスチジン含有ポリマーの波長270nmにおける吸光度は0.5717であった。
 上記光反応性ヒスチジン含有ポリマー溶液中のアジド基量は、0.5717/21055≒0.000027(mol/L)と算出できる。また、上記光反応性ヒスチジン含有ポリマー溶液に含まれるフェニルアジド含有ユニット量は、0.001(g/L)/平均ユニット分子量理論値(211.8mol/g)として算出できる。
 以上の算出値から、光反応性ヒスチジンポリマーに含まれる光反応性基含有構成単位量は、0.000027/[0.001×211.8]≒5.75mol%と算出できる。以上の結果から、ポリマー組成比は、ヒスチジン含有ユニット:フェニルアジド含有ユニット≒94:6と算出できる。
[実施例2]
光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマー(Az-SDS polymer)の合成
1.光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマーの合成
 Sigma社製2-(N-3-Sulfoproryl-N,N-dimethyl ammonium) ethyl methacrylateをMilliQ水に溶解した後、酢酸を加えて水/酢酸=1/1(体積基準)とし、モノマー溶液1を調製した。4-アジドフェニルメタクリルアミドをMilliQ水に溶解した後、酢酸を加えた水/酢酸=1/1(体積基準)とし、モノマー溶液2を調製した。
 モノマー溶液1とモノマー溶液2を、モル基準で2-(N-3-Sulfoproryl-N,N-dimethyl ammonium) ethyl methacrylate:4-アジドフェニルメタクリルアミド=95:5の割合となるように混合した混合液に、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を、全モノマー量に対して1mol%となるように加え、N2バブリングを20分間行い反応系中の溶存酸素を除いた後、密栓して60℃で24時間重合を行った。分画分子量3500の透析膜を用いて、エタノール中で遮光一晩、次いで、MilliQ中で遮光6日間透析し、重合後のポリマーの精製を行った。ポリマーの懸濁液を凍結乾燥することにより、目的物を得た。合成スキームを以下に示す。得られたポリマーの1H NMR (300 MHz, in CDCl3)スペクトルを図2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
3.GPC測定
 2.で合成したポリマーについて、以下の方法でGPC測定を行った。測定結果を図3に示す。測定結果から質量平均分子量(Mw)を求めたところ、約10万であった。
 エッペンドルフチューブ内に秤量したコポリマーは、一旦MeOHに懸濁し、0.1N HClaqを懸濁液が完全に透明になるまで加えて溶解し、遠心エバポレーターにてMeOHを除去してから凍結乾燥し、それをキャリアー(DMF(10mM LiBr))に溶解してから、ポアサイズ0.45μmのシリンジフィルターを通してインジェクトした。
4.ポリマー組成比の測定
 実施例1で使用した方法に準じてUV吸収スペクトルからポリマーの組成比を算出したところ、スルホアンモニウム基含有ユニット:フェニルアジド含有ユニット=95:5であった。UV吸収スペクトルを図4に示す。
[実施例3]
光反応性ヒスチジン含有ポリマー処理表面のタンパク質吸着性試験
1.固定化処理
 市販の直径22mmのポリスチレン基板上に実施例1の3.で得た凍結乾燥品1質量%含有溶液(溶媒:0.01M HCl(MeOH))0.1gをキャストした後、室温下、暗所で一晩放置し乾燥させた。次いで、凸版印刷社製フォトマスクをキャスト面に配置した後、フォトマスクからの距離5cmに配置したUVランプ(浜松ホトニクス社製UVスポットライトソースL5662)により、10秒間紫外線照射(16mW/cm2)を行った。その後、蒸留水により37℃で1時間基板を洗浄した。これにより、実施例1で得たポリマーがパターン状に固定化されたポリスチレン基板が得られた。基板をポリエステル基板に代えた以外は同様の方法で、実施例1で得たポリマーがパターン状に固定化されたポリエステル基板を得た。
 以上の工程の概略を図5に示す。
2.タンパク質吸着抑制効果の確認
 セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ポリクローナルウサギアンチマウス抗体(HRP-IgG)(Dako Cytomation製)をサンプルタンパク質として使用した。上記1.で処理した基板をタンパク質溶液(0.5mol/ml、PBSで希釈)中に37℃で30分間浸漬した後、PBSおよび蒸留水で順次洗浄した。その後、HRP活性検出のため3,3,5,5-テトラメチルベンジジン(TMB)ペルオキシダーゼサブストレートキット(Vector Laboratories製)を使用して基板を染色した。染色処理後の基板を位相差顕微鏡により観察した。得られた顕微鏡写真を図6に示す。
 図6に示すように、ポリマーを固定化しなかった領域が紫色に発色した。この結果から、実施例1で得られたポリマーによって表面を被覆することにより、タンパク質の吸着を抑制できたことがわかる。
[実施例4]
光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマー処理表面のタンパク質吸着性試験
(A)染色法による試験
1.固定化処理
 市販の直径22mmのポリスチレン基板上に実施例2の1.で得た凍結乾燥品1質量%含有溶液(溶媒:H2O)0.1gをキャストした後、室温下、暗所で一晩放置し乾燥させた。次いで、凸版印刷社製フォトマスクをキャスト面に配置した後、フォトマスクからの距離5cmに配置したUVランプ(浜松ホトニクス社製UVスポットライトソースL5662)により、10秒間紫外線照射(16mW/cm2)を行った。その後、蒸留水により37℃で1時間基板を洗浄した。これにより、実施例2で得たポリマーがパターン状に固定化されたポリスチレン基板が得られた。基板をポリエステル基板に代えた以外は同様の方法で、実施例2で得たポリマーがパターン状に固定化されたポリエステル基板を得た。
2.タンパク質吸着抑制効果の確認
 上記1.で処理した各基板について、実施例3と同様の方法で染色法によりタンパク質吸着抑制効果の確認を行った。上記の方法により染色したポリエステル基板およびポリスチレン基板の表面を位相差顕微鏡により観察した。
(B)発光法による試験
 上記1.と同様の処理を行ったポリスチレン基板を、Sigma製蛍光性イソチオシアネート(FITC)標識ウシ血清アルブミン(10mg/mL)またはSigma製FITC標識免疫グロブリン(2mg/mL)を含有するPBS(ホスフェートバッファー溶液)中、37℃、10分間インキュベートした。インキュベート後の基板をPBSによって洗浄した後、蛍光顕微鏡によって観察した。
 ポリエステル基板について上記(A)で得られた位相差顕微鏡写真を図7に、ポリスチレン基板について上記(A)で得られた位相差顕微鏡写真および上記(B)で得られた蛍光顕微鏡写真を図8に示す。
 図7および図8に示すように、染色法による試験結果では、ポリマーを固定化しなかった領域が紫色に発色した。更に図8に示す蛍光顕微鏡写真では、筋状に非発光領域が観察された。この非発光領域はポリマー固定領域に対応していることを、対応するフォトマスクのパターンにより確認した。
 以上の結果から、実施例2で得られたポリマーによって表面を被覆することにより、タンパク質の吸着を抑制できたことがわかる。
[実施例5]
光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマー処理表面の細胞吸着性試験
 実施例4と同様の方法でポリマーによって処理したポリエステル基板およびポリスチレン基板を、それぞれ24ウェルプレート内に設置した。各ウェルに、1.8 ( 105cells/cm2のSTO細胞を播種し、5%CO2、37℃でインキュベートした。ポリエステル基板については26時間、ポリスチレン基板については28時間培養した後の基板表面の位相差顕微鏡写真を図9に示す。
 図9に示すように、ポリマーを固定化しなかった領域では細胞が接着し伸展成長しているのに対し、ポリマーで処理した領域では細胞の接着をほぼ完全に抑制することができた。
[実施例6]
親水化試験
1.固定化処理
 フォトマスクを使用せず基板表面全面にUV照射を行った点以外は実施例3および4と同様にポリマーの固定化処理を行った。
2.接触角測定
 未処理ポリエステル基板、未処理ポリスチレン基板および上記1.で処理した基板の水中における気泡(空気)の液中接触角を測定した(測定装置:協和界面化学製DM300)。結果を図10に示す。
 図10に示すようにポリマーで処理することにより基板表面の接触角が小さくなった。この結果により、実施例1および2で得たポリマーが表面親水化効果を有することが示された。
 本発明の共重合体は、優れた表面改質効果を有し、疎水性表面の親水化、非特異的吸着抑制のために好適に使用することができる。
実施例1で測定したUV吸収スペクトルを示す。 実施例2で得られた光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマーの1H-NMRスペクトルを示す。 実施例2で得られた光反応性スルホアンモニウム基含有ポリマーのGPC測定結果を示す。 実施例2で測定したUV吸収スペクトルを示す。 実施例3における固定化処理の概略図を示す。 実施例3におけるタンパク質吸着性試験結果を示す。 実施例4におけるタンパク質吸着性試験結果を示す。 実施例4におけるタンパク質吸着性試験結果を示す。 実施例5における細胞吸着性試験結果を示す。 実施例6における親水化試験結果を示す。図10中の略称の詳細を以下に示す。ポリエステル_His:Az-His polymer処理したポリエステル基板、ポリスチレン_His:Az-His polymer処理したポリスチレン基板、ポリエステル_SDA:Az-SDA polymer処理したポリエステル基板、ポリスチレン_SDA:Az-SDA polymer処理したポリエステル基板。

Claims (15)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位とを有する共重合体。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    [一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Xは、アミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基およびイミダゾリニウムベタイン性基からなる群から選ばれる少なくとも一種のベタイン性基を含む基である。]
  2. Xは下記一般式(II)で表される請求項1に記載の共重合体。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    [一般式(II)中、X1はアミドベタイン性基、スルホベタイン性基、アミドスルホベタイン性基、カルボベタイン性基またはイミダゾリニウムベタイン性基である。]
  3. 光反応性基を含有する構成単位は、下記一般式(III)で表される請求項1または2に記載の共重合体。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    [一般式(III)中、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Y1はアジド基、アリールアジド基、アルキルアジド基、ジアジリン基、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基またはニトロベンジル基である。]
  4. 一般式(I)で表される構成単位と光反応性基を含有する構成単位との含有比は、モル基準で、1:9~9:1の範囲である請求項1~3のいずれか1項に記載の共重合体。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体からなる表面改質剤。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体からなる親水化処理剤。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体からなる吸着抑制剤。
  8. 細胞および/またはタンパク質の吸着を抑制する請求項7に記載の吸着抑制剤。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体からなる物質固定化剤。
  10. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む表面改質方法。
  11. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む親水化方法。
  12. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む吸着抑制方法。
  13. 細胞および/またはタンパク質の吸着を抑制する請求項12に記載の吸着抑制方法。
  14. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体および被固定化物質を含む混合物を物質表面に配置し、次いで光照射することを含む物質固定化方法。
  15. 請求項1~4のいずれか1項に記載の共重合体を物質表面に配置して上記表面の少なくとも一部に被覆層を形成すること、および、
    上記被覆層上に被固定化物質を配置し、次いで光照射すること、を含む物質固定化方法。
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