JP2006322709A - 物質固定化基板 - Google Patents

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伊藤  嘉浩
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Abstract

【課題】基体上に固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって高感度で検出するための物質固定化基板の提供。
【解決手段】基体上に被固定化物質が固定化された物質固定化基板。前記基体表面の水との接触角は65°〜95°の範囲であり、前記基体は、表面の少なくとも一部にポリマー層を有し、前記ポリマーは、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質の基体表面への非特異吸着を防止する効果を有し、前記物質の少なくとも一部は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記ポリマーと結合しており、前記基板は、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって検出するために使用されるものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリペプチド、核酸、脂質等の被固定化物質を、化学発光法によって高感度に検出するための物質固定化基板に関する。
近年、抗体または抗原をプレート上に固定化した、免疫測定のためのイムノプレートや、核酸をチップ上に固定化したDNAチップ等が広く用いられている。基体上にタンパク質や核酸を固定化する方法の1つとして、物理吸着が挙げられる。例えばポリスチレンのような疎水性の基体と、基体上に固定化すべきタンパク質や核酸の水溶液とを接触させて放置することにより、物理吸着によってタンパク質や核酸を基体上に固定化することができる。
しかしながら、物理吸着を用いる方法では、基体と固定化物質との結合が弱く、物質を固定化した基体の安定性が不十分であるという問題がある。また、目的のタンパク質や核酸で被覆されなかった領域への非特異吸着を防止するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、スキムミルク等のタンパク質(タンパク質を固定化する場合)や、サケ精子DNA等のDNA(DNAを固定化する場合)、免疫学的に反応しない抗体または抗原(抗体または抗原を固定化する場合)でブロッキングすることが行われている(特許文献1参照)。しかし、このようなブロッキングによる非特異吸着の防止効果は必ずしも満足できるものではなく、非特異吸着による検出感度の低下の問題があった。
また、基体上の官能基と、固定化すべきタンパク質や核酸の官能基とを共有結合させることにより、基体上にタンパク質や核酸を固定化することも行われている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、用いる官能基が物質の活性部位の中またはその近傍にある場合には、固定化により物質の活性が失われてしまう。また、適当な官能基が存在しない場合には、この方法により固定化することができない。更に、物理吸着の場合と同様、ブロッキングにより非特異吸着を防止することも行われるが、その防止効果は必ずしも満足できるものではない。
一方、光反応性基を利用して物質を基板に固定化することも提案されている(非特許文献1参照)。しかしながら、この方法でも、依然として非特異吸着の問題がある。
ところで、基体上に固定化された物質を検出するための方法としては、化学発光法、蛍光法、発色法等がある。中でも、化学発光法は、高感度検出が可能であり、かつ検出装置が安価であるため、広く用いられている方法である。そこで、非特異吸着を防止しつつ、基体上に所望の物質を固定化し、化学発光法によって高感度で検出するための手段が求められていた。
特開平11−337551号公報 特開2001−337089号公報 Y. Ito and M. Nogawa, "Preparation of a protein micro−array using a photo−reactive polymer for a cell adhesion assay," Biomaterials, 24、3021−3026 (2003)
本発明の目的は、基体上に固定化された物質を化学発光法によって高感度で検出するための物質固定化基板を提供することである。
上記目的を達成するための手段は、以下の通りである。
[1] 基体上に被固定化物質が固定化された物質固定化基板であって、
前記基体表面の水との接触角は65°〜95°の範囲であり、
前記基体は、表面の少なくとも一部にポリマー層を有し、
前記ポリマーは、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質の基体表面への非特異吸着を防止する効果を有し、
前記物質の少なくとも一部は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記ポリマーと結合しており、
前記基板は、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって検出するために使用されるものであることを特徴とする基板。
[2] 前記基体表面は白色であることを特徴とする[1]に記載の基板。
[3] 前記基体は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンまたはアクリル樹脂からなることを特徴とする[1]または[2]に記載の基板。
[4] 前記ポリマーは、分子全体として電気的に中性な水溶性ポリマーであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の基板。
[5] 前記ポリマーは、両極性またはノニオン性ポリマーであることを特徴とする[4]に記載の基板。
[6] 前記ポリマーは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのビニル重合体であることを特徴とする[5]に記載の基板。
[7] 前記ポリマーは、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記基体と結合していることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の基板。
[8] 前記ポリマーは、光反応性基を有し、該基と基体表面とが結合していることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の基板。
[9] 前記物質は、ポリペプチド、核酸、脂質、細胞およびその構成要素からなる群から選ばれる少なくとも一種である[1]〜[8]のいずれかに記載の基板。
本発明の物質固定化基板によれば、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって高感度で検出することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

本発明は、基体上に被固定化物質が固定化された物質固定化基板であって、
前記基体表面の水との接触角は65°〜95°の範囲であり、
前記基体は、表面の少なくとも一部にポリマー層を有し、
前記ポリマーは、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質の基体表面への非特異吸着を防止する効果を有し、
前記物質の少なくとも一部は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記ポリマーと結合しており、
前記基板は、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって検出するために使用されるものであることを特徴とする基板
に関する。
ポリマー層
本発明の物質固定化基板は、基体上に被固定化物質が固定化された基板であり、前記基体表面の少なくとも一部に、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質の基体表面への非特異吸着を防止する効果を有するポリマー層を有する。被固定化物質と特異的に反応する物質とは、例えば、被固定化物質が抗原である場合には抗体を、被固定化物質が抗体である場合には抗原であることができる。ここで、「非特異吸着」とは、基板表面の被固定化物質が固定化されていない領域へ、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質が吸着することをいう。本発明の物質固定化基板では、被固定化物質の少なくとも一部が、このポリマー層上に固定化されているため、非特異吸着による影響を防ぎ、検出感度を高めることができる。前記ポリマー層の厚さは、例えば0.01〜10μm、好ましくは0.05〜1μmとすることができる。
非特異吸着防止効果を有するポリマーとしては、分子全体として電気的に中性な水溶性ポリマーを挙げることができる。「分子全体として電気的に中性」とは、中性付近のpH(例えばpH6〜8)の水溶液中で電離してイオンになる基を有さないか、または有していても陽イオンになるものと陰イオンになるものを有していて、ポリマー1分子における電荷の合計が実質的に0になることを意味する。なお、本発明において、電荷について「実質的に」とは、電荷の合計が0になるか、または0にはならないとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に小さいことを意味する。
前記ポリマーは、水溶性であることが好ましい。ここで、「水溶性」とは、例えば、前記ポリマーの水に対する溶解度(水100gに溶解するグラム数)が、5以上であることをいう。水に不溶なポリマーを使用すると、水やアルコール以外の非水系の溶媒を使用しなければならないが、非水系溶媒は、被固定化物質を変性させる場合がある。そこで、本発明では、被固定化物質の変性防止のために、水溶性ポリマーを使用することが好ましい。更に、水溶性ポリマーは、非特異吸着抑制効果にも優れるという利点がある。
分子全体として電気的に中性である水溶性ポリマーは、両極性またはノニオン性ポリマーであることができる。ここで、両極性とは、中性付近のpH(例えばpH6〜8)の水溶液中で電離して陽イオンになる基と陰イオンになる基を有していて、ポリマー1分子における電荷の合計が実質的に0になることを意味する。また、「ノニオン性」とは、中性付近のpH(例えばpH6〜8)の水溶液中で電離してイオンになる基を実質的に有さないことを意味する。ここで「電離してイオンになる基を実質的に有さない」とは、このような基を全く含まないか、または含んでいるとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に微量(例えば、このような基の数が炭素数の1%以下)であることを意味する。中でも、ノニオン性ポリマーは、優れた非特異吸着防止効果を有し、また、安価に製造または入手可能であるという利点を有する。
前記ポリマーの数平均分子量は、特に限定されず、通常、350〜500万程度であるが、ポリマーの分子量が過度に大きいと、ポリマー同士の架橋が多くなり、被固定化物質と、被固定化物質との反応に供される物質(光架橋剤等)との反応が起きにくくなる場合があるので、500〜数10万程度が好ましい。
本発明において使用可能なノニオン性ポリマーの具体例としては、以下のポリマーを挙げることができる。但し、本発明は、下記具体例に限定されるものではない:ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルサクシンイミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-iso-プロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-プロピルシアノアクリレート、iso-プロピルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、iso-ブチルシアノアクリレート、tert-ブチルシアノアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、iso-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテルなどのモノマー単位の単独または組み合わせを構成成分とするノニオン性のビニル系高分子;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、プルラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、カラギーナン、澱粉類(カルボキシメチルデンプン、アルデヒドデンプン)、デキストリン、サイクロデキストリン等の天然高分子、メチルセルロース、ビスコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロース誘導体等の天然高分子。また、これらのポリマーをベースにした光架橋型水溶性ポリマーの市販品、例えばポリビニルアルコールをベースにした東洋合成工業社製「AWP」などを使用することも可能である。これらのうち、特に好ましいものは、ポリエチレングリコール系ポリマーであり、更にはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのビニル重合体である。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル」とは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
更に、前記ポリマーとしては、ホスホリルコリン含有両極性ポリマー、具体的には、下記一般式[I]で表される構造を有する単位を含むホスホリルコリン含有両極性ポリマーを用いることもできる。
Figure 2006322709
(ただし、一般式[I]中、Xは、重合した状態の重合性原子団を表わす。)
なお、上記一般式[I]で表される構造を有する単位を以下、便宜的に「単位[I]」と言うことがある。
前記一般式[I]に含まれるホスホリルコリンは、生体膜の構成成分である。生体膜は種々の物質と接触するにもかかわらず、非特異吸着がほとんど起きない。これは、ホスホリルコリンの非特異吸着防止効果によるものと考えられる。本発明では、前記ポリマーとしてホスホリルコリン含有ポリマーを用いることにより、非特異吸着を有効に防止することができる。
単位[I]は、ホスホリルコリン基を含む単位であり、重合した状態の重合性原子団を表す。Xとしては、ビニル系モノマー残基が好ましい。単位[I]としては、下記一般式[I']で示されるものが好ましい。
Figure 2006322709
(ただし、X'は、ビニル部分が付加重合した状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基またはスチリルアミド基を表し、R1は単結合または炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個または2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を表す。)
このような単位の好ましい具体例として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリンまたは4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する(すなわち、これらの単位を重合させた)単位を挙げることができる。これらの中でも2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する単位が特に好ましい。
単位[I]を含有するポリマーは、単位[I]のみからなるものであってもよいし、単位[I]と、本発明の効果に悪影響を与えない他の重合性モノマーとの共重合体であってもよい。他の重合性モノマーとしては、ビニル系モノマーが好ましく、特に(メタ)アクリル酸またはその塩若しくはエステル(好ましくは低級アルキル(例えば炭素数1〜6)エステル)が好ましい。共重合体の場合、単位[I]と他の重合性モノマーとの比率は、特に限定されないが、モル比で1:0.3以下、特に1:0.1以下が好ましい。
前記ポリマーは、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して基体表面と固定化することができる。本発明において、「光反応性基」とは、光を照射することによりラジカルを生じる基を意味する。
前記光架橋剤は、光照射により光反応性基がラジカルを生じることにより、アミノ基やカルボキシル基、有機化合物を構成する炭素原子等と共有結合を形成することができる。これにより、前記ポリマーと光架橋剤を含む塗布液を基体上に塗布した後に光を照射することによって、基体とポリマーを光架橋剤を介して結合させることができ、基体上に非特異吸着防止効果を有するポリマー層を形成することができる。なお、本発明では、前記光架橋剤を使用せずに、または、前記光架橋剤とともに、前記ポリマーに光反応性基を導入し、該ポリマーが有する光反応性基と基体表面とを結合させることにより、基体とポリマーを結合させることも可能である。
前記ポリマーに光反応性基を導入する場合、その導入量は、ポリマー1分子当たり1個以上であればよく、2個以上であることが好ましい。但し、過度に多すぎると、非特異吸着が増大するおそれがあるので、その導入量は、ポリマーを構成する炭素数(側鎖の炭素を含まない)の10%以下が好ましく、5%以下であることが更に好ましい。光反応性基の好ましい例としては、アジド基(-N3)を挙げることができるが、これに限定されるものではない。ポリマーに導入可能な光反応性基の具体例としては、フェニルアジド基、アセチル基、ベンゾイル基を挙げることができ、特に好ましくはフェニルアジド基である。アジド基等の光反応性基は、ポリマーに直接結合してもよいが、任意のスペーサー構造を介してポリマーに導入してもよく、通常、後者の方が製造が容易であり好ましい。後者の場合、スペーサー構造は、何ら限定されるものではなく、例えば炭素数1〜10のアルキレン基(但し1個または2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(但し、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシル基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。
ポリマーへの光反応性基の導入は、常法に基づき容易に行うことができる。例えば、官能性基を有するポリマーと、該官能性基と反応する官能性基を有するジアジド化合物を反応させて、ポリマーにアジド基を結合させることができる。好ましいポリマーであるポリエチレングリコールを用いる場合、両末端にアミノ基やカルボキシル基を有するポリエチレングリコールが市販されているので、このような市販の官能基含有ポリエチレングリコールにアジド基含有ポリマーを反応させてアジド基を導入することができる。また、ビニル系ポリマーのようにモノマーの重合により形成されるポリマーの場合には、ビニル系ポリマーの主な構成単位となるビニル系モノマーと、光反応性ビニル系モノマーを共重合させることにより、光反応性基含有ポリマーを製造することができる。この方法により得られる光反応性基含有ビニル系ポリマーの具体例としては、ポリ((メタ)アクリルアミド−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体、ポリ(グリシジル(メタ)アクリレート−光反応性(メタ)アクリルアミド共重合体、(ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート−光反応性アクリル酸アミド)共重合体等を挙げることができ、特に、(ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート−光反応性アクリル酸アミド)共重合体が好ましい。
前記光架橋剤が有する光反応性基としては、アジド基(−N3)、アセチル基、ベンゾイル基、ジアジリン基を挙げることができる。特に、アジド基は、光を照射することにより窒素分子が離脱すると共に窒素ラジカルが生じ、この窒素ラジカルは、アミノ基やカルボキシル基等の官能基のみならず、有機化合物を構成する炭素原子とも結合することが可能であるので、ほとんどの有機物と共有結合を形成し得るため好ましい。
前記光架橋剤は、水溶性であることが好ましい。光架橋剤についての「水溶性」とは、0.5mM以上、好ましくは2mM以上の濃度の水溶液を与えることができることを意味する。
前記光架橋剤は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を含む。架橋剤1分子中に含まれる光反応性基の個数は、例えば2〜4個、好ましくは2〜3個である。前記光架橋剤としては、アジド基を2個有するジアジド化合物が好ましく、特に水溶性ジアジド化合物が好ましい。本発明に用いられる光架橋剤の好ましい例として、下記一般式[II]で表されるジアジド化合物を挙げることができる。
Figure 2006322709
一般式[II]中、Rは単結合または任意の基を示す。−R−は、2個のフェニルアジド基を連結するための構造であるから、ジアジド化合物が必要な水溶性を有することになるものであれば特に限定されない。好ましい−R−の例として、単結合(すなわち、2個のフェニルアジド基が直接連結される)、炭素数1〜6のアルキレン基(1個または2個の炭素間不飽和結合を含んでいてもよく、1個または2個の炭素原子が酸素と二重結合してカルボニル基を構成していてもよい)(特に好ましくはメチレン基)、−O−、−SO2−、−S−S−、−S−、−R2 ・・・・・・3−(ただし、・・・は単結合または二重結合を示し、Yは炭素数3〜8のシクロアルキレン基、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基(1個または2個の炭素間不飽和結合を含んでいてもよく、該アルキレン基の基端の炭素原子とYとの結合が二重結合であってもよく)、1個または2個の炭素原子が酸素と二重結合してカルボニル基を構成していてもよい)を示し、シクロアルキレン基は、1個または2個以上の任意の置換基で置換されていてもよく(置換されている場合、好ましくはシクロアルキレン基を構成する炭素原子のうち、1個若しくは2個が酸素と二重結合してカルボニル基を構成し、および/若しくは1個若しくは2個の炭素数1〜6のアルキル基で置換されている)を挙げることができ、また、一般式[II]中のそれぞれのベンゼン環は、1個または2個以上の任意の置換基(好ましくはハロゲン、炭素数1〜4のアルコキシル基、スルホン酸若しくはその塩等の親水性基)で置換されていてもよい。好ましい−R−の具体例として次のものを例示することができる。−、−CH2−、−O−、−SO2−、−S−S−、−S−、−CH=CH−、−CH=CH−CO−、−CH=CH−CO−CH=CH−、−CH=CH−、
Figure 2006322709
好ましいジアジド化合物の具体例として、下記のものを例示することができる。
Figure 2006322709
Figure 2006322709
Figure 2006322709
Figure 2006322709
Figure 2006322709
前記ポリマーおよび光架橋剤は、それ自体公知であり、公知の製造方法により製造可能であり、また、市販されているものもある。
基体
本発明において、物質を固定化する基体は、表面の水との接触角が65°〜95°の範囲である。基体表面の接触角が65°未満、または95°を超えると、化学発光検出における感度が低下する。前記接触角は、好ましくは75〜95°、より好ましくは85〜90°である。基体表面の接触角は、公知の方法、例えば、エキシマレーザやグロー放電などのプラズマ処理によってコントロールすることができる。
基体表面の接触角は、常法により、水滴が基体と形成する高さおよび底辺の長さを測定して算出することができる。未処理の部分が基体表面に残存している場合は、その部分を使用して測定すればよく、また、基体表面がすべてポリマー等で覆われている場合等は、そのポリマー等を溶剤等で除去して測定することができる。
本発明において物質を固定化する基体は、その表面が、白色であることが好ましい。具体的には、基体表面の反射率が、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。このように、高い反射率を有する基体を用いる場合には、スポット側から検出を行うことになるが、更なる感度アップが可能になるという利点がある。なお、基体表面の反射率の上限値は、例えば100%とすることができる。
本発明では、基体表面のポリマー層の光透過率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。高反射率の基体上に、光透過率の高いポリマー層を設けることにより、より高感度での検出が可能になる。前記光透過率の上限値は、例えば100%とすることができる。なお、ポリマー層の光透過率は、例えば、透明なガラス基体上にポリマー層を形成して測定することができる。
基体としては、少なくともその表面の水との接触角が65°〜95°であれば特に限定されない。また、前述のように光反応性基によってポリマー層と基体とを結合する場合には、少なくともその表面が、光反応性基と結合し得る物質からなるものであれば特に限定されない。本発明では、マイクロプレート等で広く用いられているポリスチレンをはじめ、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の有機物から成るものを例示することができる。また、本発明では、ガラス板にシランカップリング剤をコーティングしたもの等も用いることができる。本発明では、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンまたはアクリル樹脂からなる基体を使用することが好ましい。特に、本発明では、表面の水との接触角が75〜95°のポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂からなる白色基板を用いることが好ましい。形態は、マイクロアレイ用基板のような板状のものや、板に設けられた穴や溝、例えば、マイクロプレートのウェル等も用いることができる。また、基体の厚さは、例えば0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmとすることができる。
被固定化物質
本発明の物質固定化基板において、基体上に固定化される物質は、特に限定されないが、ポリペプチド(糖タンパク質およびリポタンパク質を包含する)、核酸、脂質並びに細胞(動物細胞、植物細胞、微生物細胞等)およびその構成要素(核、ミトコンドリア等の細胞内小器官、細胞膜や単位膜等の膜等を包含する)を例示することができる。本発明において光反応性基として用いられ得るアジド基は、光を照射することにより窒素分子が離脱すると共に窒素ラジカルが生じ、この窒素ラジカルは、アミノ基やカルボキシル基等の官能基のみならず、有機化合物を構成する炭素原子とも結合することが可能であるので、ほとんどの有機物を固定化することが可能である。
製造方法
本発明の物質固定化基板の製造方法としては、以下の方法を用いることができる。
(1)光反応性基を有するポリマーを含む塗布液を基体上に塗布してポリマー層を形成し、次いで、該ポリマー層を有する基体上に被固定化物質と前記光架橋剤を含む溶液を塗布し、光照射することにより、基体とポリマー層、ポリマー層と被固定化物質をそれぞれ結合させる方法;
(2)前記光架橋剤とポリマー(光反応性基を有さなくてもよい)を含む塗布液を基体上に塗布してポリマー層を形成し、次いで、該ポリマー層を有する基体上に被固定化物質を含む溶液を塗布し、光照射することにより、基体とポリマー層、ポリマー層と被固定化物質をそれぞれ結合させる方法;
(3)上記(2)において、被固定化物質を含む溶液に、前記光架橋剤を添加する方法;
(4)上記(1)、(3)において、被固定化物質を含む溶液を塗布する前に光照射を行い、ポリマーまたは光架橋剤が有する光反応性基をラジカル化し、基体とポリマー層を結合させる方法;
(5)前記光架橋剤、ポリマーおよび被固定化物質の混合物を基体上へ塗布し、光照射を行い、基体とポリマー層、ポリマー層と被固定化物質をそれぞれ結合させる方法。
本発明では、例えば、上記方法により、被固定化物質の少なくとも一部が、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記ポリマーと結合した、本発明の物質固定化基板を得ることができる。中でも、方法(1)〜(4)は、基板の最表層に露出する被固定化物質量を多くすることができるため、検出感度向上の点で好ましい。なお、方法(2)では、ポリマー層に被固定化物質が浸透することにより、ポリマー層に含まれる光架橋剤の作用によって、被固定化物質とポリマーを結合させることができる。
前記方法(1)〜(4)において、塗布液は、ポリマーまたはポリマーと光架橋剤とを溶媒に溶解することによって調製することができる。溶媒としては、水、水と任意の割合で混じり合う低級アルコール(好ましくはエタノール)およびこれらの混合物を用いることができる。中でも、溶媒として水を用いることが好ましい。更には、ガラス基板を使用する場合にはシランカップリング剤を、または、金基板を使用する場合にはチオール化合物などを含んでいても良い。
前記塗布液中のポリマーおよび光架橋剤の濃度は、特に限定されないが、例えば0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜1質量%、光架橋剤の濃度は、例えば、前記ポリマーに対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%とすることができる。
方法(1)〜(4)では、前記塗布液を基体上に塗布する。塗布方法は特に限定されず、例えば、マイクロピペット等によってスポットする方法、ピン方式によるスポッティングや圧電方式によるスポッティング等の方法を用いることができる。
方法(1)〜(4)では、前記塗布液を基体上へ塗布し、好ましくは乾燥して、基体表面の少なくとも一部にポリマー層を形成した後に、該ポリマー層上に、被固定化物質(方法(1)、(3)では更に光架橋剤)を含む溶液を塗布し、光照射する。この光照射により、光架橋剤および/またはポリマーに含まれる光反応性基のラジカル化が起こり、基体とポリマー層、ポリマー層と被固定化物質とを、それぞれ結合させることができ、結果的に、被固定化物質を基体上に固定化することができる。また、方法(4)では、塗布液を塗布し、好ましくは乾燥した後に光照射を行い、次いで、被固定化物質と光架橋剤との混合物を塗布する。被固定化物質と混合される光架橋剤の詳細については、前述の通りである。
被固定化物質を含む溶液に使用する溶媒としては、水、水と任意の割合で混じり合う低級アルコール(好ましくはエタノール)およびこれらの混合物を用いることができる。中でも、溶媒として水を用いることが好ましい。
前記溶液中の被固定化物質および光架橋剤の濃度は特に限定されないが、被固定化物質の濃度は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜1質量%、光架橋剤の濃度は、例えば被固定化物質に対して0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%とすることができる。
前記混合物の塗布方法は、特に限定されず、前述の塗布方法等を用いることができる。塗布後、好ましくは塗布した溶液を乾燥した後、光を照射する。光は、用いる光反応性基がラジカルを生じさせることができる光であればよく、光反応性基としてアジド基を用いる場合には、紫外線(例えば波長300〜400nm)が好ましい。照射時間は、例えば1〜15分間とすることができる。照射する光線の線量は、特に限定されないが、通常、1cm2当たり1mW〜100mW程度である。この光照射によって光架橋剤に含まれる光反応性基がラジカルを生じ、ポリマー層と被固定化物質とを光架橋剤を介して結合させることができる。また、方法(4)において、光架橋剤と被固定化物質とを含む溶液を塗布する前の光照射も、同様に行うことができる。これにより、基体上にポリマー層を介して所望の物質を固定化することができる。
他方、方法(5)では、ポリマー、光架橋剤、被固定化物質との混合物を基体上に塗布して光照射を行い、基体とポリマー層、ポリマー層と被固定化物質をそれぞれ結合させる。前記混合物は、前述の溶媒等に溶解して溶液の状態で使用することができる。溶液中のポリマー、光架橋剤、被固定化物質の濃度は、特に限定されない。ポリマーの濃度は、例えば0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜1質量%、光架橋剤の濃度は、例えばポリマーに対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%とすることができ、被固定化物質は、例えばポリマーに対して1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:20(質量比)で添加することができる。また、方法(5)における光照射も、前述と同様に行うことができる。
本発明では、フォトマスクを介して選択的に露光を行うことも可能である。フォトマスクを使用する場合、光が照射されなかった部分では、光反応性基が基体および被固定化物質に結合しないので、洗浄すれば光架橋剤も被固定化物質も除去される。従って、フォトマスク等を介して選択露光を行うことにより、任意のパターンで物質を固定化することができる。従って、選択露光により、マイクロアレイ等の任意の種々の形状に物質を固定化することができるので、非常に有利である。
また、本発明では、前述の塗布液および溶液を、基体上にマイクロスポッティングし、基板の全面に光照射を行ってもよい。マイクロスポッティングは、液を基体上の非常に狭い領域に塗布する手法である。この方法は、DNAチップ等の作製に常用されており、そのための装置も市販されているので、市販の装置を用いて容易に行うことができる。または、前述の方法(1)〜(4)において、まず、ポリマーまたはポリマーと光架橋剤を含む塗布液を基体表面全体にコーティングし、その上に被固定化物質(または被固定化物質と光架橋剤)を含む溶液をマイクロスポッティングし、次いで基体の全面に光照射してもよい。さらに、前述の塗布液をマイクロスポッティングし、その上に被固定化物質(または被固定化物質と光架橋剤)を含む溶液)マイクロスポッティングし、次いで基体の全面に光照射してもよい。前述のように、方法(1)〜(4)によれば、基体の最表層に露出する被固定化物質の割合が高まり、検出感度が向上するという利点がある。
本発明では、前述のように所望の物質を固定化した後、公知の方法によって基体を洗浄して未反応成分等を除去することが好ましい。こうして、非特異吸着を抑制しつつ、所望の物質が固定化された物質固定化基板を得ることができる。
本発明の物質固定化基板は、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を、化学発光法によって検出するために使用されるものである。化学発光法とは、2次抗体として用いられる酵素標識抗体と基質が反応し、生じたエネルギーが変換されて起こる発光を検出する方法であり、高感度で、安価な検出法である。化学発光法による検出方法としては、基体表面に抗原を固定化して、それと特異的に反応する抗体の量を測定する場合と、基体表面に抗原を固定化して、同じ抗原とこれらの抗原と特異的に反応する抗体の両方を加えて、後から加えた抗原量を測定する場合(競合法)があり、本発明の物質固定化基板は、いずれの方法にも用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。但し、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

[実施例1]
1. 水溶性ポリマーの調製
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(ポリエチレングリコール部分子量350)4.5gを50mlの酢酸エチルに溶解し、AIBNを開始剤として14.03mg加え、60℃で6時間反応させた。反応液はエバポレーターにて溶媒を取り除いた後、水で溶解し、限外ろ過を行い未反応のモノマーを取り除いた。ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)にてポリマー生成を確認した。
2. 水溶性ポリマー水溶液の調製および固定化
4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸ナトリウム(市販品)を光架橋剤として用いた。光架橋剤の濃度が0.003125質量%、上記水溶性ポリマーの濃度が0.0625質量%となるように水に混合した。得られた水溶液を、表1および2に示した基体上に、10×10mm2の面積に40μL塗布し、乾燥した。次いで、0.125質量%BSAを0.5μLずつスポットした。乾燥後、UV照射(ブラックライト(波長300〜400nm)で7分間)によりBSAを固定化した。
3. 測定
PBS(0.1質量% Tween20(登録商標))で洗浄後、抗BSAウサギIgG(市販品)(表1は100ng/mL、表2は250ng/mL)と室温で20分間反応させた。PBS(0.1質量% Tween20(登録商標))で洗浄後、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識二次抗体(市販品)と室温で20分間反応させた。PBS(0.1質量% Tween20(登録商標))で洗浄後、化学発光試薬を添加し、発光強度を測定した。
4. 結果
測定した発光強度を下記表1および2に示す。また、表1の下段には、表面の水との接触角が65〜95°の範囲外の基体を使用した比較例を示した。基体表面の接触角は、前述の原理により、協和界面科学株式会社製の接触角計CA−X型を用いて測定した。
Figure 2006322709
Figure 2006322709
[実施例2]
光架橋型水溶性ポリマーとして、東洋合成工業社製「AWP」を使用した以外は、実施例1と同様に処理した。白色ポリスチレン基板を使用し、抗BSAウサギIgG濃度100ng/mLでの発光強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2006322709
本発明の物質固定化基板は、抗体若しくはその抗原結合性断片または抗原を固定化した免疫測定用プレート、DNAやRNAを基板上に固定化した核酸チップ、マイクロアレイ等として好適に用いることができるがこれらに限定されるものではなく、例えば、細胞全体やその構成要素を固定化した基板としても好適である。

Claims (9)

  1. 基体上に被固定化物質が固定化された物質固定化基板であって、
    前記基体表面の水との接触角は65°〜95°の範囲であり、
    前記基体は、表面の少なくとも一部にポリマー層を有し、
    前記ポリマーは、被固定化物質および/または被固定化物質と特異的に反応する物質の基体表面への非特異吸着を防止する効果を有し、
    前記物質の少なくとも一部は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記ポリマーと結合しており、
    前記基板は、固定化された物質および/または該物質と特異的に反応する物質を化学発光法によって検出するために使用されるものであることを特徴とする基板。
  2. 前記基体表面は白色であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 前記基体は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンまたはアクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の基板。
  4. 前記ポリマーは、分子全体として電気的に中性な水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板。
  5. 前記ポリマーは、両極性またはノニオン性ポリマーであることを特徴とする請求項4に記載の基板。
  6. 前記ポリマーは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのビニル重合体であることを特徴とする請求項5に記載の基板。
  7. 前記ポリマーは、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する光架橋剤を介して前記基体と結合していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板。
  8. 前記ポリマーは、光反応性基を有し、該基と基体表面とが結合していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板。
  9. 前記物質は、ポリペプチド、核酸、脂質、細胞およびその構成要素からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜8のいずれか1項に記載の基板。
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