JP2005181154A - 血液型抗体の測定及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル血球の必要量が従来の血液型プレートよりも少なく、定量測定も可能であり、遠心などの機械的な操作を必要としない、血液型抗体の測定及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法を提供すること。
【解決手段】 血液型抗体の検出及び/又は同定用器具は、基体上に、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤を介して、血液型の検査に必要な複数種類のパネル血球をそれぞれ異なる領域に固定化して成る。
【選択図】 なし
【解決手段】 血液型抗体の検出及び/又は同定用器具は、基体上に、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤を介して、血液型の検査に必要な複数種類のパネル血球をそれぞれ異なる領域に固定化して成る。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ABO式、Rh式及び/又はMN式のような、血液型の判定や、被検試料中の血液型抗体の検出に有用な、血液型抗体の検出及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法に関する。
従来、血液型の検査は、例えば次のようにして行なわれている。すなわち、パネル血球(数十μL)を96穴ウエルプレートに分注し、沈殿ウェル表面に結合させる。ここに血液血清または血漿検体を加えて37℃反応させると、検体中の抗体がパネル血球の抗原に補足される。非結合性物質を洗い流した後、抗ヒト免疫グロブリン被覆の指示血球を加えて遠心する。抗体が存在すると、沈殿ウェル表面に結合した血球の表面に抗体―抗ヒト免疫グロブリン複合体が形成され、指示血球がウエル表面に付着して均等に分散する。一方、抗体が存在しないと抗原抗体反応が起こらないため、指示血球がウエル中心部にボタン状の血球沈査を形成する。
上記したような従来の血液型検査方法では、血液型プレートを作製するために大量のパネル血球が必要である。また、パネル血球の凝集の度合いを目視で観察しており、検査に熟練を要し、定性的な検出しかできなかった。さらに、遠心などの操作が必要であった。
「日本臨床検査技師会ライブラリーXII 輸血検査の実際」
本発明の目的は、パネル血球の必要量が従来の血液型プレートよりも少なく、定量測定も可能であり、遠心などの機械的な操作を必要としない、血液型抗体の測定及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法を提供することである。
本願発明者らは、先に、基体上に種々の固定化すべき物質を共有結合により固定化することができ、かつ、非特異吸着の防止効果に優れた、物質固定化剤を発明し、特許出願した(特願2003-93834及び特願2003-346560)。これらの物質固定化剤を利用して、基板上にパネル血球を固定化することにより、従来よりも少量のパネル血球で、遠心分離等の機械的な操作を要することなく、高感度に血液型の判定や血液型抗体の測定を行うことができ、定性検査のみならず定量検査も可能であることに想到し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、基体上に、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤を介して、血液型の検査に必要な複数種類のパネル血球をそれぞれ異なる領域に固定化して成る、血液型抗体の検出及び/又は同定用器具を提供する。また、本発明は、上記本発明の器具の基体上に固定化されたパネル血球と、血液型抗体を含む被検試料とを抗原抗体反応させ、洗浄後、基板上に不動化された血液型抗体を測定することを含む、被検試料中の血液型抗体の測定及び/又は同定方法を提供する。
本発明により、パネル血球の必要量が従来の血液型器具よりも少なく、定量測定も可能であり、遠心などの機械的な操作を必要としない、新規な血液型抗体の測定及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法が提供された。後述の実施例に具体的に示されるように、本発明の血液型抗体の測定及び/又は同定用器具によれば、パネル血球の必要量は、1μL未満であって従来法の1/100程度である。また、基体に結合された血液型抗体の測定に、高感度な免疫測定法を利用できるので、パネル血球の量が少なくても十分高感度な測定が可能であり、定性測定のみならず定量測定も可能である。さらに、遠心分離等の機械的な操作も不要である。よって、本発明は、血液型検査等に大いに貢献するものと考えられる。
上記の通り、本発明の血液型抗体の検出及び/又は同定用器具は、基体上に、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤を介して、血液型の検査に必要な複数種類のパネル血球をそれぞれ異なる領域に固定化して成るものである。
物質固定化剤は、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子である。両性イオン型水溶性高分子の好ましい例としては次のものを挙げることができる。
すなわち、下記一般式[I]で表される構造を有する単位(以下、「単位[I]と言うことがある)と、下記一般式[II]で示される構造を有する単位(以下、「単位[II]と言うことがある)を含むものである。
(ただし、一般式[I]及び[II]中、X及びYは、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、R1は光反応性基を有する原子団を表し、一般式[I]及び[II]で表される単位は、それぞれ2個以上であり、かつ、一般式[I]で表される単位の数は、一般式[II]で表される単位の数よりも大きい)。
単位[I]は、ホスホリルコリン基を含む単位であり、Xは重合した状態の重合性原子団を表す。Xとしては、ビニル系モノマー残基が好ましい。単位[I]としては、下記一般式[V]に示されるものが好ましい。
(ただし、式中、X’は、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、R2は単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を表す)。
このような単位の好ましい具体例として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10-メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン又は4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する(すなわち、これらの単位を重合させた)単位を挙げることができる。これらの中でも2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する単位が特に好ましい。
一方、単位[II]中の光反応性基の好ましい例としてアジド基(-N3)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。また、一般式[II]のYとしては、ビニル系モノマー残基が好ましい。単位[II]の好ましい例として、下記一般式[VI]で示されるものを挙げることができる。
(ただし、Y’は、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、R3は単結合、炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい。)
単位[I]の数は単位[II]の数よりも大きく、その比率は、特に限定されないが、100:0.1〜100:50程度が好ましく、特に100:1〜100:20程度が好ましい。このように、ポリマーは、ホスホリルコリン基を有する単位[I]から主として成ることにより、非特異吸着が効果的に防止される。また、水溶性ポリマーの分子量は、特に限定されないが、通常、500〜1,000,000程度であり、好ましくは、5,000〜500,000程度である。
上記水溶性ポリマーは、単位[I]と単位[II]のみから成るものが好ましいが、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で他の重合性モノマー由来の単位を含んでいてもよい。このような他の単位の割合は、本発明の効果に悪影響を与えない範囲であれば特に限定されないが、通常、ポリマー中の全単位中の30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
本発明の物質固定化剤の好ましい例として、下記一般式[III]で表すものを挙げることができる。
(ただし、式中、X’、Y’、R1、R2は上記定義と同じ意味を表し、n及びmは、互いに独立して2以上の整数であり、かつ、nはmよりも大きく、X’を含む単位とY’を含む単位はランダムな順序で結合している。)
上記一般式[III]で示される化合物の中でも、特に下記式[IV]で示されるポリマーが好ましい。
(ただし、n'は50ないし200の整数、m'は5ないし40の整数を表し、ホスホリルコリン含有単位と、アジドフェニル基含有単位はランダムな順序で結合している)。
本発明に用いることができる上記物質固定化剤は、上記した単位[I]及び単位[II]を単に重合させることにより製造することができる。あるいは、側鎖(ホスホリルコリン基含有基及び光反応性基含有基)を含まない主鎖のポリマーを先に合成し、後から側鎖を結合してもよい。また、ホスホリルコリン基含有基を有する単位[I]と、光反応性基を有さない単位[II]とを先ず重合し、後から光反応性基含有基を結合させてもよい。下記の実施例ではこの方法を採用している。なお、モノマーの重合や、側鎖の結合は、当業者の技術常識に従って容易に実施することができるし、下記の実施例にもその一例が具体的に記載されている。
物質固定化剤としては、また、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子も好ましく用いることができる。
ここで、「ノニオン性」とは、中性付近のpH(pH6〜8)の水溶液中で電離してイオンになる基を実質的に有さないことを意味する。ここで「実質的に」とは、このような基を全く含まないか、又は含んでいるとしても本発明の効果に悪影響を与えない程度に微量(例えば、このような基の数が炭素数の1%以下)であることを意味する。
ノニオン性水溶性高分子の分子量は、特に限定されないが、通常、500〜500万程度であり、好ましくは、500〜数10万程度である。
このようなノニオン性水溶性高分子の好ましい例として、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルサクシンイミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-iso-プロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピロリジン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-プロピルシアノアクリレート、iso-プロピルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、iso-ブチルシアノアクリレート、tert-ブチルシアノアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、iso-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテルなどのモノマー単位を単独か混合物を構成成分とするノニオン性のビニル系高分子;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、プルラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、カラギーナン、澱粉類(カルボキシメチルデンプン、アルデヒドデンプン)、デキストリン、サイクロデキストリン等の天然高分子、メチルセルロース、ビスコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロース誘導体等の天然高分子を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、特に好ましいものはポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリルアミド(本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」又は「アクリル」を意味する)及びポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)であり、これらの中で特に好ましくは、ポリエチレングリコールである。
本発明の物質固定化剤では、上記したノニオン性水溶性高分子が、1分子当り少なくとも2個の光反応性基を有する。ノニオン性水溶性高分子1分子当りの光反応性基の数は、2個以上であれば、特に限定されるものではないが、あまりに多すぎると、非特異吸着が増大する恐れがあるので、高分子を構成する炭素数(側鎖の炭素を含まない)の10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%以下である。光反応性基の好ましい例としてアジド基(-N3)を挙げることができるがこれに限定されるものではない。光反応性基の具体例としてフェニルアジド基、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられるが、特に好ましくはフェニルアジド基である。アジド基等の光反応性基は、ノニオン性水溶性高分子に直接結合していてもよいが、任意のスペーサー構造を介してノニオン性水溶性高分子に結合されていてもよく、通常、後者の方が製造が容易であり好ましい。後者の場合、スペーサー構造は、何ら限定されるものではなく、例えば炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。
ノニオン性水溶性高分子への光反応性基の導入は、常法に基づき容易に行うことができる。例えば、官能基を有するノニオン性水溶性高分子と、該官能基と反応する官能基を有するアジド化合物を反応させて、ノニオン性水溶性高分子にアジド基を結合させることができる。好ましいノニオン性水溶性高分子であるポリエチレングリコールを用いる場合、両末端にアミノ基やカルボキシル基を有するポリエチレングリコールが市販されているので、このような市販の官能基含有ポリエチレングリコールの官能基に、アジド基含有化合物を反応させてポリエチレングリコールにアジド基を結合させることができる。下記実施例にも、複数のこのような方法が具体的に記載されている。あるいは、ノニオン性水溶性高分子が水溶性ビニル系高分子のように、モノマーの重合により形成されるものである場合には、水溶性ビニル系高分子の主な構成単位となるビニル系モノマーと、光反応性ビニル系モノマーとを共重合させることにより光反応性基を有するノニオン性水溶性高分子を製造することもできる。この方法により得られる光反応性水溶性ビニル系高分子の好ましい例として、ポリ((メタ)アクリルアミド−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体及びポリ(グリシジル(メタ)アクリレート−光反応性(メタ)アクリル酸アミド)共重合体等のようなポリ(メタ)アクリルアミド系共重合体及びポリグリシジルメタクリレート系共重合体並びにそれらの誘導体を挙げることができ、これらを製造する方法は、下記実施例に具体的に記載されている。
本発明に用いられる物質固定化剤は、水溶性であり、水に対する溶解度(水100gに溶解するグラム数)は、好ましくは5以上である。
基体としては、少なくともその表面が、用いる水溶性高分子が有する光反応性基と結合し得る物質から成るものであれば特に限定されず、マイクロプレート等で広く用いられているポリスチレンをはじめ、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートやポリプロピレン等の有機物から成るものを例示することができる。ガラス板にシランカップリング剤をコーティングしたもの等も用いることができる。また、基体の形態は何ら限定されるものではなく、マイクロアレイ用基板のようなプレート状のものが好ましく用いられる。プレートには、穴や溝が設けられていてもよく、穴や溝にパネル血球を固定化しても良い。
上記物質固定化剤を用いて、基体上にパネル血球を固定化することは、次のようにして行うことができる。先ず、基体にパネル血球と、上記物質固定化剤とを含む水浮遊液を前記基体に塗布する。この場合、水浮遊液中の物質固定化剤の濃度(重量基準)は、特に限定されないが、通常、0.005%〜10%程度であり、好ましくは0.04〜1%程度である。また、パネル血球(原液)の配合(容量)比は、通常、上記濃度の物質固定化剤を基準にして、0.1〜5.0、好ましくは0.2〜2.5程度である。基体に塗布される、血球と物質固定化剤とを含む水浮遊液の量は、特に限定されないが、各種類のパネル血球が固定化される領域ごとに0.01μL〜1μL程度、好ましくは0.05μL〜0.7μL程度である。
次に、塗布した液を好ましくは乾燥した後、光を照射する。光は、用いる光反応性基がラジカルを生じさせることができる光であり、光反応性基としてアジド基を用いる場合には、紫外線が好ましい。照射する光線の線量は、特に限定されないが、通常、1cm2当たり1mW〜100mW程度である。
光を照射することにより、ポリマー中の光反応性基がラジカルを生じ、ポリマーが基体及び固定化すべきパネル血球の双方と共有結合する。その結果、パネル血球がポリマーを介して基体に固定化される。
光が照射されなかった部分では、光反応性基が基体及び血球に結合しないので、洗浄すればポリマーも血球も除去される。
固定化すべきパネル血球は、従来の血液型検査方法と同様である。すなわち、MN式の血液型を検査する場合には、M型血球及びN型血球である。ABO式血液型を検査する場合には、A型血球及びB型血球さらに好ましくはO型血球である。Rh式血液型を検査する場合には、Rh+(D+)血球及びRh-(D-)血球である。
ここで、固定化血球の種類に対応して、グルタルアルデヒド処理の要否を規定する。MN型血球は、ペプチド抗原であるため、グルタルアルデヒドによる架橋処理により構造が安定する。それに対してRh式血液型を示すD抗原は、立体構造が抗体との反応に重要であり、グルタルアルデヒド処理による構造変化で抗原性が低下してしまうため、グルタルアルデヒド処理しない方が良い。ABO式血液型を示すAB抗原は、糖鎖であり、グルタルアルデヒドとの架橋点であるアミノ基を持っていないため、グルタルアルデヒド処理する必要がない。
被検試料としては、通常、血清若しくは血漿又はそれらの希釈物であるが、血液型抗体を測定したい試料であれば特に限定されない。なお、本明細書において、「測定」には、検出及び定量の両者が包含される。
測定にあたっては、各パネル血球が固定化された各領域のそれぞれに、被検試料を添加し、反応させる。反応条件は特に限定されないが、反応温度は通常、室温ないし37℃程度であり、反応時間は、通常、1時間〜3時間程度である。
反応後、基体を洗浄する。そうすると、被検試料中の血液型抗体は、それが抗原抗体反応するパネル血球が固定化されている領域には、パネル血球との抗原抗体反応により結合されるが、それが抗原抗体反応しないパネル血球が固定化されている領域には結合しない。したがって、被検試料中の抗体がどの領域と結合したのかを調べることにより、被検試料中の血液型を判定することができ、すなわち、血液型抗体の同定を行うことができる。また、各領域に結合した血液型抗体を測定することにより、被検試料中の血液型抗体の測定を行うこともできる。
各領域に結合した血液型抗体の測定は、免疫測定により行なうことが簡便かつ高感度で好ましい。すなわち、検査対象である全ての種類の血液型抗体と抗原抗体反応する第2抗体を反応させ、洗浄後、基体に結合された第2抗体を測定する。すなわち、ヒトの場合、第2抗体としては、抗ヒトIg Whole抗体を用いることができる。第2抗体としては、標識したものを好ましく用いることができ、標識としては、酵素標識、蛍光標識、放射標識及びビオチン標識等を用いることができる。これらのうち、簡便に測定できる酵素標識及び蛍光標識が好ましく、特にペルオキシダーゼのような酵素標識が好ましい。ペルオキシダーゼを標識に用いると、ルミノールとの反応により化学発光が生じ、かつ、この化学発光が、ヨードフェノール化合物により増強され、極めて高感度の測定が可能になる。ヨードフェノール化合物により増強されるペルオキシダーゼ−ルミノール系の化学発光は、エンハンスドケミルミネッセンス法(enhanced chemiluminescence(ECL))と呼ばれ、近年、免疫測定おいて広く用いられるようになっている。本発明においても、このECL法を好ましく用いることができる。ECL法のための試薬及び装置は、市販されているので、市販の試薬及び装置を用いて容易に実施することができる。なお、基体に結合された血液型抗体と標識第2抗体との抗原抗体反応の反応条件も特に限定されないが、上述した、パネル血球と被検試料との反応と同様な条件で行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
MN式血液型プレートの作製及び試験
1. 物質固定化剤の製造
下記の合成スキームにより光反応性メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを合成した。
1. 物質固定化剤の製造
下記の合成スキームにより光反応性メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを合成した。
2mLのPMAc水溶液(5wt%=50mg/mL)(PMAcは2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(90%)とメタクリル酸(10%)のランダム共重合体で上記反応式中の化合物1)に12.44mgの4−アジドアニリンと、17.47mgの水溶性カルボジイミド(WSC)を混合し,最終的に純水で100mLにメスアップした。pH7で24時間撹拌(冷蔵庫中4℃)し、反応終了後,透析カセット(PIERCE社製)で、外液からアジドアニリンのUV吸収がなくなるまで透析した。最後に凍結乾燥し光反応性MPCポリマーを得た。
2. MN式血液型プレートの作製
M抗原陽性(M+N-)パネル血球及びN抗原陽性(M-N+)パネル血球をPBSで2回洗浄後、2%グルタルアルデヒド溶液(溶媒PBS)で処理した(室温、15分)。得られた各パネル血球浮遊液(血球濃度5×106個/μl)5μLと、1%MPCポリマー溶液(溶媒PBS)5μLとを混合した。35mmディッシュ(材質:ポリスチレン)に各血球浮遊液0.5μlをそれぞれスポットし、乾燥後、UV照射(照射量15mW/cm2)により固定化した。これにより、MN式血液型プレートが得られた。
M抗原陽性(M+N-)パネル血球及びN抗原陽性(M-N+)パネル血球をPBSで2回洗浄後、2%グルタルアルデヒド溶液(溶媒PBS)で処理した(室温、15分)。得られた各パネル血球浮遊液(血球濃度5×106個/μl)5μLと、1%MPCポリマー溶液(溶媒PBS)5μLとを混合した。35mmディッシュ(材質:ポリスチレン)に各血球浮遊液0.5μlをそれぞれスポットし、乾燥後、UV照射(照射量15mW/cm2)により固定化した。これにより、MN式血液型プレートが得られた。
3. 血液型プレートの性能試験
PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、一次抗体として抗M抗体含有血清および抗GPA抗体含有血清(各10倍希釈)と反応させた(22℃、2時間)。PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識二次抗体(1000倍希釈)(アマシャムバイオサイエンス社製)と反応させた(22℃、1時間)。次に、PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、ECL試薬(アマシャムバイオサイエンス社製)を添加し、ゲル撮影装置により観察した。なお、抗M抗体は、M抗原陽性(M+N-)血球と反応し、抗GPA抗体は、M抗原陽性(M+N-)血球及びN抗原陽性(M-N+)血球の両者と反応するものである。
PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、一次抗体として抗M抗体含有血清および抗GPA抗体含有血清(各10倍希釈)と反応させた(22℃、2時間)。PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識二次抗体(1000倍希釈)(アマシャムバイオサイエンス社製)と反応させた(22℃、1時間)。次に、PBS(0.1%Tween20(商品名)含有)で3回洗浄後、ECL試薬(アマシャムバイオサイエンス社製)を添加し、ゲル撮影装置により観察した。なお、抗M抗体は、M抗原陽性(M+N-)血球と反応し、抗GPA抗体は、M抗原陽性(M+N-)血球及びN抗原陽性(M-N+)血球の両者と反応するものである。
結果を図1に示す。図1の縦軸は、測定された発光強度(相対値)である。図1に示されるように、抗M抗体は、M抗原陽性(M+N-)パネル血球とのみ反応し、抗GPA抗体は、M抗原陽性(M+N-)パネル血球及びN抗原陽性(M-N+)パネル血球の両者と反応している。したがって、本実施例で作成した血液型プレートにより、MN式の血液型判定を行うことができる。
ABO式及びRh式血液型プレートの作製及び試験
1. プレートの作製
A型パネル血球、B型パネル血球、O型パネル血球、Rh+(D+)型パネル血球及びRh-(D-)型パネル血球をPBSで洗浄した。2%グルタルアルデヒド溶液(溶媒PBS)で処理した(室温、15分)。得られた各パネル血球浮遊液(血球濃度5×106個/μl)5μLと、0.5% MPCポリマー溶液(溶媒PBS)5μLとを混合した(MPCは実施例1で調製したもの)。35mmディッシュ(材質:ポリスチレン)に各血球浮遊液0.5μlをそれぞれスポットし、乾燥後、UV照射(10秒、照射量15mW/cm2)により固定化した。これにより、ABO式及びRh式血液型プレートが得られた。
1. プレートの作製
A型パネル血球、B型パネル血球、O型パネル血球、Rh+(D+)型パネル血球及びRh-(D-)型パネル血球をPBSで洗浄した。2%グルタルアルデヒド溶液(溶媒PBS)で処理した(室温、15分)。得られた各パネル血球浮遊液(血球濃度5×106個/μl)5μLと、0.5% MPCポリマー溶液(溶媒PBS)5μLとを混合した(MPCは実施例1で調製したもの)。35mmディッシュ(材質:ポリスチレン)に各血球浮遊液0.5μlをそれぞれスポットし、乾燥後、UV照射(10秒、照射量15mW/cm2)により固定化した。これにより、ABO式及びRh式血液型プレートが得られた。
2. 血液型プレートの性能試験
一次抗体として、抗A抗体含有血清、抗B抗体含有血清及び抗D抗体含有血清をそれぞれ用いたことを除き、実施例1の3と同様にして血液型プレートの性能を試験した。
一次抗体として、抗A抗体含有血清、抗B抗体含有血清及び抗D抗体含有血清をそれぞれ用いたことを除き、実施例1の3と同様にして血液型プレートの性能を試験した。
結果を図2に示す。図2に示すように、抗A抗体との反応では、A型血球固定化スポットのみが発光を示し、抗B抗体ではB型血球固定化スポットのみで発光を示した。抗D抗体との反応では、D−型血球以外のすべてのスポットで発光が観察された。A,B,O型血球は、Rh型ではD+であるため、抗D抗体との反応で発光を示し、D-型血球はABO型ではO型であるため、抗A抗体や抗B抗体との反応では発光しなかった。以上の結果は、通常の血液型検査の結果と一致した。これにより、本実施例で作成した血液型プレートが、ABO式及びRh式の血液型検査に用いることができることが明らかになった。
実施例2において、抗D抗体との反応は、判定に支障はないものの、発光強度が低く、バックグラウンドが高い結果となった。D抗原は、複雑な立体構造をしており、D抗体は立体構造を認識するとされている。そのため、グルタルアルデヒド固定による構造変化が発光強度低下の原因と考えられた。そこで次にグルタルアルデヒド固定無しで実施例2と同様の検討を行った。結果を図3に示す。グルタルアルデヒド固定無しでは、全体的に発光強度が増大し、D+とD-の差が明確となった。この結果より、D抗原は、グルタルアルデヒド固定しない方が構造的に安定であることがわかった。
1. ノニオン性物質固定化剤の製造(その1)
(1) N-(4-アジドベンゾイロキシ)スクシンイミドの合成
(1) N-(4-アジドベンゾイロキシ)スクシンイミドの合成
4-アジド安息香酸(東京化成(株)より市販)600mgとN-ヒドロキシスクシンイミド(和光純薬(株)より市販)420mgを1,4-ジオキサン 40mlに溶解し、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(和光純薬(株)より市販)760mgを加えて室温で攪拌しながら反応を開始した。24時間後、副生成物をろ紙でろ去し、ろ液は減圧下で溶媒を留去した。得られた生成物は、1,4-ジオキサンとジエチルエーテルを用いて2回再結晶して精製した。その結果、675mgのN-(4-アジドベンゾイロキシ)スクシンイミドを得た(収率70.6%)。
(2) ポリエチレングリコールへのアジド基の導入
100mgのポリ(エチレングリコール)ビス (3-アミノプロピル)末端(Aldrich社より市販、平均分子量1500、以下、便宜的に「PEG-NH2」と言うことがある)と68.6mgの(1)で製造したN-(4-アジドベンジロキシ)スクシンイミドをジメチルホルムアミド(和光純薬(株)より市販)10mlに溶解し、pH6で4℃で24時間攪拌した。反応終了後、エバポレータにより減圧下でDMFを留去し、純水を入れ、未反応物を沈殿させた。沈殿物を遠心分離により、沈降させ上清を回収し、凍結乾燥により光反応性PEG-NH2(NH2基は、アジド化合物との結合に消費されてもはや存在しないが便宜的にこのように記載する)を得た。
2.ノニオン性物質固定化剤の製造(その2)
100mgのポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(Aldrich社より市販、平均分子量600、以下、便宜的に「PEG-COOH」と言うことがある))と113.3mgの4-アジドアニリンと127mgの水溶性カルボジイミドを純水10mlに溶解し、pH6で4℃で24時間攪拌した。反応終了後、水酸化ナトリウムによりpH12にし、未反応物を沈殿させた。沈殿物を遠心分離により沈降させ、上清を回収し、分液ロートにてクロロホルムで脱塩した(pHが中性になるまで繰り返した)。そして凍結乾燥により光反応性PEG-COOHを得た(COOH基は、アジド化合物との結合に消費されてもはや存在しないが便宜的にこのように記載する)。
3. MN式血液型プレートの作製
実施例4の1及び2でそれぞれ調製したPEG-NH2及びPEG-COOHをそれぞれ物質固定化剤として用いることを除き、実施例1の2と同様にして血液型プレートを作製した。
実施例4の1及び2でそれぞれ調製したPEG-NH2及びPEG-COOHをそれぞれ物質固定化剤として用いることを除き、実施例1の2と同様にして血液型プレートを作製した。
4. 血液型プレートの性能試験
実施例1の3と同様にして血液型プレートの性能を試験した。
実施例1の3と同様にして血液型プレートの性能を試験した。
結果を図4に示す。図4に示されるように、抗M抗体は、M抗原陽性(M+N-)パネル血球とのみ反応し、抗GPA抗体は、M抗原陽性(M+N-)パネル血球及びN抗原陽性(M-N+)パネル血球の両者と反応している。発光強度は、実施例1のMPCポリマーでの検討より低い結果となった。これは、固定化マトリックスが低分子であるために細胞の固定化量が少ないことが考えられる。しかし、抗M抗体での反応でM抗原陽性(M+N-)パネル血球とN抗原陽性(M-N+)パネル血球との差は有意であった。従って、本実施例で作成した血液型プレートにより、MN式の血液型判定を行うことができる。なお、図4において、PEG-COOH及びPEG-NH2のそれぞれにおいて、4本のカラムは、左からM+パネル血球固定(抗M抗体との反応)、N+パネル血球固定(抗M抗体との反応)、M+パネル血球固定(抗GPA抗体との反応)、N+パネル血球固定(抗GPA抗体との反応)についての結果を示す。
ABO式及びRh式血液型プレートの作製及び試験
1. プレートの作製
実施例4の1及び2でそれぞれ調製したPEG-NH2及びPEG-COOHをそれぞれ物質固定化剤として用いることを除き、実施例2の1と同様にしてプレートを作製した。
1. プレートの作製
実施例4の1及び2でそれぞれ調製したPEG-NH2及びPEG-COOHをそれぞれ物質固定化剤として用いることを除き、実施例2の1と同様にしてプレートを作製した。
2. 血液型プレートの性能試験
実施例3と同様にグルタルアルデヒド処理無しで血液型プレートの性能を試験した。
実施例3と同様にグルタルアルデヒド処理無しで血液型プレートの性能を試験した。
結果を図5に示す。図5の(a)はPEG-COOHを用いた場合の結果、(b)はPEG-NH2を用いた場合の結果を示す。実施例2と同様の結果が得られ、ノニオン性ポリマーを用いた本実施例で作成した血液型プレートでも、ABO式及びRh式の血液型検査に用いることができることが明らかになった。
参考例1
ノニオン性物質固定化剤の製造(その3)
(1) N-アジドフェニルアクリル酸アミドの合成
ノニオン性物質固定化剤の製造(その3)
(1) N-アジドフェニルアクリル酸アミドの合成
4-アジドアニリン(Aldrich社より市販)341.2 mgとN-アクリロキシスクシンイミド(Aldrich社より市販)169.1mgをDMF10mlに溶解し、4℃で攪拌しながら反応を開始した。24時間後、再結晶により精製した。その結果、N-アジドフェニルアクリル酸アミドを得た。
(2) 光反応性ポリ(アクリルアミド−N-アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
639.7mgのアクリルアミド(和光純薬市販)と160mgのN-アジドフェニルアクリル酸アミドをエタノール30mlに溶解し、重合開始剤として2,2'-アゾビスイソブリロニトリル(和光純薬より市販)を82.1mg添加し、攪拌しながら60℃で反応を開始した。5時間後、アセトンへの再沈殿により重合物を精製し、減圧乾燥により光反応性ポリ(アクリルアミド−N-アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体を得た。
参考例2
ノニオン性物質固定化剤の製造(その4)
光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N-アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
ノニオン性物質固定化剤の製造(その4)
光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N-アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体の合成
1.28gのグリシジルメタクリレート(Aldrich社より市販)と160mgのN-アジドフェニルアクリル酸アミドをメタノール30mlに溶解し、重合開始剤として2,2'-アゾビスイソブリロニトリルを16.42mg添加し、攪拌しながら60℃で反応を開始した。5時間後、ジエチルエーテルへの再沈殿により重合物を精製し、減圧乾燥により光反応性ポリ(グリシジルメタクリレート−N-アジドフェニルアクリル酸アミド)共重合体を得た。水酸化ナトリウム(pH12)による処理によりエポキシ基をグリセロール化させ、水溶性とした。
Claims (19)
- 基体上に、1分子中に少なくとも2個の光反応性基を有する両性イオン型水溶性高分子又はノニオン性水溶性高分子から成る物質固定化剤を介して、血液型の検査に必要な複数種類のパネル血球をそれぞれ異なる領域に固定化して成る、血液型抗体の検出及び/又は同定用器具。
- 血液型の判定用器具である請求項1記載の器具。
- 前記血液型が、ABO式、Rh式及び/又はMN式である請求項1又は2記載の器具。
- 前記光反応性基がアジド基である請求項4記載の器具。
- 一般式[I]で表される単位の数と一般式[II]で表される単位の数の比が100:0.1〜100:50である請求項4又は5記載の器具。
- 前記ポリマーの分子量が、500〜1,000,000である請求項4ないし6のいずれか1項に記載の器具。
- X及びYがビニル系モノマー由来である請求項4ないし7のいずれか1項に記載の器具。
- 前記物質固定化剤が、下記一般式[III]
(ただし、式中、X’及びY’は、互いに独立して、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基又はスチリルアミド基を表し、R2は単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を表し、R2は単結合、炭素数1〜10のアルキレン基(ただし1個又は2個のヒドロキシル基で置換されていてもよい)、フェニレン基(ただし、1〜3個の炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい)、n及びmは、互いに独立して2以上の整数であり、かつ、nはmよりも大きく、X’を含む単位とY’を含む単位はランダムな順序で結合している)
で表される請求項5ないし8のいずれか1項に記載の器具。 - X’を含む単位が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10-メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン又は4−スチリルオキシブチルホスホリルコリンに由来する請求項9記載の器具。
- 前記一般式[I]で示される単位が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する請求項10記載の器具。
- 前記ノニオン性水溶性高分子が、ポリアルキレングリコール、ポリビニル系高分子又は天然高分子である請求項1ないし3記載の器具。
- 前記ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールであり、ポリビニル系高分子がポリ(メタ)アクリルアミド系共重合体若しくはポリグリシジルメタクリレート系共重合体又はそれらの誘導体である請求項13記載の器具。
- 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の器具の基体上に固定化されたパネル血球と、血液型抗体を含む被検試料とを抗原抗体反応させ、洗浄後、基体上に結合された血液型抗体を測定することを含む、被検試料中の血液型抗体の測定及び/又は同定方法。
- 基体上に結合された血液型抗体の測定は、免疫測定により行なわれる請求項15記載の方法。
- 前記免疫測定は、対象となるいずれの血液型の血液型抗体とも抗原抗体反応する標識抗体を用いた方法により行なわれる請求項16記載の方法。
- 前記標識抗体は、ペルオキシダーゼであり、標識抗体の測定は、エンハンスドケミルミネッセンス法により行なわれる請求項17記載の方法。
- 血液型の判定方法である請求項15ないし18のいずれか1項に記載の方法。
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-
2003
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