JPH08226920A - グリコヘモグロビンおよびフルクトサミンの定量方法 - Google Patents

グリコヘモグロビンおよびフルクトサミンの定量方法

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JPH08226920A
JPH08226920A JP7037395A JP7037395A JPH08226920A JP H08226920 A JPH08226920 A JP H08226920A JP 7037395 A JP7037395 A JP 7037395A JP 7037395 A JP7037395 A JP 7037395A JP H08226920 A JPH08226920 A JP H08226920A
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acid
sulfate
glucosaminoglucan
fructosamine
glycohemoglobin
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Masashi Funayama
政志 船山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】(1)グリコサミノグリカンを共有結合させた
不溶性担体を用いて、グリコヘモグロビンまたは、フル
クトサミン(糖化蛋白)を捕捉した後、従来法により定
量する方法を提供する。 (2)側鎖にグリコサミノグリカンを有する高分子化合
物を用いて、グリコヘモグロビンまたは、フルクトサミ
ン(糖化蛋白)を捕捉した後、従来法により定量する方
法を提供する。 【構成】グリコサミノグリカンを共有結合させた不溶性
担体または、側鎖にグリコサミノグリカンを有する高分
子化合物と、測定試薬より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖尿病の診断法とし
て、過去1〜2ヶ月の長期的な血糖のコントロール状態
を示すと言われる、グリコヘモグロビンおよび過去2週
間程度の血糖のコントロール状態を示すと言われるフル
クトサミン(糖化蛋白)の診断薬及び測定キットに関す
る。
【従来の技術とその問題点】
【0002】従来、糖尿病の診断法として、血糖の測定
及び糖負荷試験が用いられてきた。近年、過去1〜2ヶ
月の長期的な血糖のコントロール状態を示すと言われ
る、グリコヘモグロビン(HbA1c)も極めて簡便に
その測定が可能になり、臨床的有用性が認められ、日常
検査として定着している。更に最近では、糖化蛋白であ
るケトアミン(フルクトサミン)がHbA1cよりも短
期間の過去2週間程度の血糖のコントロールの指標とし
て注目されている。糖化蛋白の一種であるフルクトサミ
ンは、1982年に Johnsonらによりケトアミ
ンの還元力を利用した簡便な測定方法が開発され、臨床
的有用性が次第に明らかとなり、日常検査に導入されて
きた。しかしながら、この方法は、フルクトサミンのも
つ還元力を測定している為、従来から、血清中に存在す
る多くの還元性物質、ビリルビン、ヘモグロビン、乳ビ
の影響を受ける等の問題点が指摘されている。
【0003】最近、塩化ニトロブルーテトラゾリウム濃
度を高くすると共に、還元性物質の一つである尿酸に対
する対策としてウリカーゼを、乳ビの対策として界面活
性剤を添加した新しい診断薬も開発されている。しかし
ながら、当該診断薬も従来品と同様に、ビリルビン、ヘ
モグロビン、アスコルビン酸、グルコース、グルタチオ
ン等の還元性物質により影響を受けることが指摘されて
いる。また、当該診断薬を用いた場合、血しょう中のフ
ルクトサミンの測定値は、血清中のフルクトサミンの測
定値よりも15%程度低値になることも指摘されてい
る。フルクトサミンの測定の用いられている前記測定原
理は、糖化アルブミンに特異的な反応ではない為、多く
の欠陥があり、現在、より正確な測定方法の開発が待望
されている。また、糖尿病患者血中の糖化蛋白の97%
以上が糖化アルブミンであると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、グリコヘモグロビンの正確な測定値の得られる診断
薬及び測定キットを提供することにある。本発明の第二
の目的は、上記還元性物質、乳ビ、血液凝固因子による
影響の少ない、フルクトサミン(糖化蛋白)の正確な測
定値の得られる診断薬及び測定キットを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本発明の発明者は種々研究を重ね、グリコヘモグロビン
およびフルクトサミン(糖化蛋白)が、グルコサミノグ
ルカンと良好に結合することに着目し、グルコサミノグ
ルカンを共有結合させた不溶性担体または、側鎖にグル
コサミノグルカンを有する高分子化合物を用いて、グリ
コヘモグロビンまたは、フルクトサミン(糖化蛋白)を
捕捉した後、従来法により定量する方法がグリコヘモグ
ロビンおよびフルクトサミン(糖化蛋白)の定量に極め
て有効であることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】本発明は 1)グルコサミノグルカンを共有結合した不溶性担体を
用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する方
法。 2)光化学反応法によりグルコサミノグルカンを共有結
合した不溶性担体を用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来
法により定量する方法。 3)側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物
の合成方法。 4)側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物
を用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する
方法。 より構成される。
【0007】担体へのグルコサミノグルカンの共有結合
は、(1)シッフ塩基結合法、(2)臭化シアン活性化
結合法、(3)縮合試薬を用いる結合方法、(4)トリ
アジニル誘導体への結合方法、(5)酸アジド誘導体へ
の結合方法、(6)カルボキシクロリド誘導体への結合
方法、(7)光化学反応法、等により達成できる。
【0008】そのうちの、光化学反応法によりグルコサ
ミノグルカンを不溶性担体に共有結合する方法では、最
初に担体表面にアジド基を有するポリマーや、低分子化
合物を塗布する。使用するポリマーとしては、アジド基
を導入したスチレン、アジド基を含有するメタクリレー
ト類等のビニルモノマー単独重合体、アジド基含有モノ
マーとスチレン、アクリルアミド等のアジド基を含有し
ないビニルモノマーとの共重合体が考えられるが、安定
性を考慮すると、スチレン、メチルメタクリレート、ジ
メチルアクリルアミドとの共重合体が特に好ましい。こ
れらの共重合体におけるアジド基の割合は、モル比で1
0〜20%存在することが好ましい。前記ポリマーの分
子量は、数平均分子量で100,000以上であること
が好ましい。また、アジド基を有する低分子化合物とし
ては、ビスアジド化合物や、イオン性基等が考えられる
が、必ずしもこれらに限定されるものではない。これら
のアジド基を有する低分子化合物では、グルコサミノグ
ルカンを安定に固定化させる為に、アジド基を2個以上
含有することが望まれる。グルコサミノグルカンを固定
化する材料としては、プラスチック(ポリビニルアルコ
ール、セルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸、メタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリイ
ソプロピルアクリルアミド、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リスルフォン等)、ガラス、セラミック、繊維、紙、合
成紙、中空糸、金属等が考えられるが、これらに限定さ
れる訳ではなく、また、それらの形状、表面の状態等に
は何等制限はない。
【0009】塗布により、形成される皮膜の厚さは、ポ
リマーの場合は、0.1〜3.0umであることが好ま
しい。低分子の場合は、分子層が複数になる様に塗布す
ることが好ましい。グルコサミノグルカンを被固定化担
体に存在させる方法には、グルコサミノグルカンの溶液
に被固定化担体を浸漬し、グルコサミノグルカンを被固
定化担体に吸着させる方法が考えられる。
【0010】次に、グルコサミノグルカンの存在する被
固定化担体に紫外線を照射することにより、短時間で固
定化が完了する。使用される光源としては、水銀灯等が
考えられる。グルコサミノグルカンの水溶液または、コ
ロイド溶液または、懸濁液に被固定化担体を浸漬し、グ
ルコサミノグルカンを被固定化担体に吸着させた後に紫
外線を照射する場合には、必ずしも溶液を乾燥させる必
要はない。紫外線照射に特に限定される条件はないが、
被固定化グルコサミノグルカンを防御する為には、32
0nmよりも長波長の光を照射することが好ましい。紫
外線を照射した後、固定化されなかったグルコサミノグ
ルカンは洗浄により除去する。洗浄に使用される溶媒に
も特に制限はない。
【0011】以上の操作からなる、光化学反応法により
グルコサミノグルカンを不溶性担体に共有結合する方法
によれば、グルコサミノグルカンと塗布したポリマー間
との共有結合、更に、塗布したポリマー間とポリマー内
との架橋が生成する為、被固定化担体が安定して存在し
続ける。被固定化担体がプラスチックの場合には、被固
定化担体の表面と塗布したグルコサミノグルカンとの間
に共有結合が生成する為、被固定化担体が更に安定して
存在し続ける。アジド基を有する化合物が低分子化合物
である場合にも、グルコサミノグルカンと塗布した低分
子化合物間との共有結合、更に、塗布した低分子化合物
間の架橋が生成する為、被固定化担体が安定して存在し
続ける。
【0012】本発明で用いられる側鎖にグルコサミノグ
ルカンを有する高分子化合物としては、1)ポリ(アク
リルアミドグルコサミノグルカン−CO−N−ビニルピ
ロリドン)とポリビニルアルコールの複合体、2)アク
リル酸とグルコサミノグルカンとの縮合により合成され
るアクリルアミドグルコサミノグルカン、3)メタクリ
ルアミドグルコサミノグルカンとアクリルアミドとN,
N’−メチレンビス(アクリルアミド)の共重合体、
4)グルコサミノグルカンを有するポリマーとポリビニ
ルアルコールからなる、相互侵入高分子網目ゲル等が考
えられるが、必ずしもこれらに限定される訳ではない。
【0013】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
本発明は実施例により、何ら限定されるものではない。
【0014】《実施例1.》 マイクロプートへのヒアルロン酸の共有結合 (1)BIS(sulfosuccinimidyl)
suberate(BS)(Pierce Chemi
cal Company社製)をpH4.5の緩衝液に
溶解し、1%の濃度に調製した。 (2)アミノ基固定化マイクロプート(住ベメディカル
製)の各穴に(1)のBIS(sulfosuccin
imidyl)suberate(BS)溶液を100
ulづつ分注した。 (3)ヒアルロン酸をpH4.5の緩衝液に溶解し、1
%の濃度に調製した。 (4)(3)のヒアルロン酸溶液を(2)のマイクロプ
ートの各穴に各100ulづつ分注し、4℃で終夜、反
応させた。 (5)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各200ulづつ分注し、室温で4
時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0015】《実施例2.》 マイクロプートへのポリガラクツロン酸の共有結合 (1)1−ethyl−3(3−diethylami
nopropyl)carbodiimide hyd
rochloride(ECD)120mgをpH4.
5の精製水(試薬グレード)30mlに溶解した。 (2)アミノ基固定化マイクロプート(住ベメディカル
製)の各穴に(1)の1−ethyl−3(3−die
thylaminopropyl)carbodiim
ide hydrochloride(ECD)溶液を
100ulづつ分注した。 (3)ポリガラクツロン酸をpH4.5の緩衝液に溶解
し、1%の濃度に調製した。 (4)(3)のポリガラクツロン酸酸溶液を(2)のマ
イクロプートの各穴に各100ulづつ分注し、4℃で
終夜、反応させた。 (5)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各200ulづつ分注し、室温で4
時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0016】《実施例3.》 PETフィルムへの光化学反応によるコンドロイチン硫
酸の共有結合 i)アジドスチレンの合成 エタノール−濃塩酸混液20mlに、3−ニトロスチレ
ン5gを懸濁させ、更に、エタノールに溶解したSnC
2HO溶液を激しく攪拌しながら添加し、室温で
一夜、反応させた。NaOHにより中和し、固体成分を
濾別し、濾液より生成物をエーテル抽出した。エーテル
層をMgSOで乾燥した後、濃硫酸を加え、中間体を
得た。同中間体を10%硫酸溶液10mlに溶解、氷冷
し1NのNaNO水溶液を添加した。2時間後に,N
aN水溶液を添加し、室温に戻した後、3時間攪拌し
た。酢酸エチルにより抽出し、抽出液を0.1N Na
HCO水溶液と精製水で洗浄し、MgSOを添加
し、乾燥した。溶媒を留去し、クロロホルム/ヘキサン
(1/4)混合溶媒に溶解し、シリカゲルカラムで精製
した。溶媒を留去し、3−アジドスチレンを得た。 ii) アジドスチレン−スチレン共重合体の合成 アジドスチレン1モルとスチレン4モルとをベンゼンで
5倍に希釈し、0.01当量のN,N’−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)を添加、脱気、封管し、6
0℃で4時間重合した。放冷後、メタノール中に注ぎ、
沈殿したアジドスチレン−スチレン共重合体を回収し
た。得られた共重合体の数平均分子量は、10万であっ
た。 iii)コンドロイチン硫酸を共有結合したPETフィ
ルムの調製 前記方法により合成したアジドスチレン−スチレン共重
合体をアセトンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶
液100mlを1mのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムの両面に塗布、乾燥し、アジドスチ
レン−スチレン共重合体の皮膜を形成した。リン酸緩衝
液に1%の割合で溶解したコンドロイチン硫酸溶液に、
前記処理をしたPETフィルムを1時間浸漬し、コンド
ロイチン硫酸を吸着させ、高圧水銀灯を用いて、紫外線
を1分間照射した。次に、当該PETフィルムを精製水
で水洗、乾燥した。
【0017】《実施例4.》 コンドロイチン硫酸を共有結合したPETフィルムを用
いた糖化アルブミンの定量 (1)実施例3.で調製したコンドロイチン硫酸を共有
結合したPETフィルムを1cm四方に切断した。 (2)(1)のPETフィルム各1枚を小試験管に分取
した。 (3)(2)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (4)(3)の小試験管に被検血清各200ulを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (5)(4)の小試験管中のPETフィルムをリン酸緩
衝液2mlで3回洗浄した。 (6)新規に小試験管中を準備し、Biuret試液各
4mlを分注し、濾紙で充分に水切りした、(5)の小
試験管中のPETフィルムを移し,37℃で30分間反
応させた。 (7)(6)の小試験管の溶液の562nmの吸光度を
測定した。 (8)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行な
い、検量線を描いた。 (9)(8)の検量線から、被検検体中のフルクトサミ
ン量を求めた。
【0018】《実施例5.》 コンドロイチン硫酸を共有結合したPETフィルムを用
いたグリコヘモグロビンの定量 (1)実施例3.で調製したコンドロイチン硫酸を共有
結合したPETフィルムを1cm四方に切断した。 (2)(1)のPETフィルム各1枚を小試験管に分取
した。 (3)(2)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (4)(3)の小試験管に被検赤血球溶液の遠心上清各
200ulを分取し、37℃で30分間反応させた。 (5)(4)の小試験管中の赤血球溶液の遠心上清を吸
引した後、PETフィルムをリン酸緩衝液各2mlで3
回洗浄した。 (6)新規に小試験管中を準備し、ラクトパーオキシダ
ーゼ標識抗ヘモグロビン抗体溶液各2mlを分注し、濾
紙で充分に水切りした、(5)の小試験管中のPETフ
ィルムを移し、37℃で30分間反応させた。 (7)(6)の小試験管中の溶液を吸引した後、PET
フィルムをリン酸緩衝液各2mlで3回洗浄した。 (8)(7)の小試験管に酵素基質液各1mlを分注
し、37℃で30分間反応させた。 (9)(8)の小試験管に反応停止し液各1mlを分注
し、反応を停止した。 (10)(9)の小試験管の溶液の492nmの吸光度
を測定した。 (11)標準グリコヘモグロビンを用いて、同様の操作
を行ない、検量線を描いた。 (12)(11)の検量線から、被検検体中のグリコヘ
モグロビン量を求めた。
【0019】《実施例6.》 ヒアルロン酸固定化不織布の調製 ラジカル重合により、2−(4−アジドベンゾイルオキ
シ)エチルメタクリレート:スチレン:0−ニロベンジ
ルアクリレートの三元共重合体(仕込モル比3:6:
1)(以下 PASN)を合成した。デュポン社製不織
布(Sontara 8005)に、前記 PASNを
塗布、薄膜を形成した後、紫外線を照射した。次に当該
不織布に0.1%ヒアルロン酸と水溶性カルボジイミド
を含有するリン酸緩衝液に浸漬し、37℃で16時間反
応させた。次に当該不織布を精製水で洗浄し、湿潤状態
で保存した。
【0020】《実施例7.》 ヒアルロン酸固定化不織布を用いたフルクトサミンの定
量 (1)実施例6.で調製したヒアルロン酸固定化不織布
を(1cm x 1cm)切断し、各1枚を小試験管に
分取した。 (2)(1)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (3)(2)の小試験管に被検血清各200ulを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (4)(3)の小試験管中のヒアルロン酸固定化不織布
をリン酸緩衝液2mlで1回洗浄し充分に水を切った。 (5)(4)の小試験管に酵素標識抗アルブミン抗体溶
液各2mlを分注し、37℃で30分間反応させた。 (6)(5)の小試験管中のヒアルロン酸固定化不織布
をリン酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を切った。 (7)(2)の小試験管に酵素基質液各200ulを分
取し、室温で30分間反応させた。 (8)(7)の小試験管に反応停止液各1mlを分注
し、反応を停止した。 (9)(8)の小試験管の溶液の492nmの吸光度を
測定した。 (10)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行
ない、検量線を描いた。 (11)(10)の検量線から、被検検体中のフルクト
サミン量を求めた。
【0021】《実施例8.》 グルコサミノグルカンを有する相互侵入網目ゲルの合成 ポリビニルアルコール(PVA:分子量2,000)を
グルタルアルデヒドを触媒として、硫酸を用いて架橋し
た後、メタクリルアミドコンドロイチン硫酸10mol
−%、ジメチルアクリルアミド(DMAA)90mol
−%、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEG
DAA:n=14)90mol−%を含むジメチルスル
フォキシド(DMSO)溶液をしみ込ませ、60℃で1
2時間加熱して重合した。得られたゲルから、未反応モ
ノマーを除去した後、DMSO/HO=3/1、DM
SO/HO=1/1、DMSO/HO=1/3の各
溶液中に各々一日づつ浸漬した後、蒸留水中に保存し
た。ゲル中のコンドロイチン硫酸の含量は、プラズマ発
光分析により求めた。
【0022】《実施例9.》 コンドロイチン硫酸を有する相互侵入網目ゲルを用い
た、グリコヘモグロビンの定量 (1)実施例8で調製したコンドロイチン硫酸を有する
相互侵入網目ゲルを1cm四方に切断した。 (2)(1)の相互侵入網目ゲル各1枚を小試験管に分
取した。 (3)(2)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (4)(3)の小試験管に蒸留水で溶血させた赤血球溶
液の遠心上清各100ulを分取し、室温で30分間反
応させた。 (5)(4)の小試験管中の赤血球溶液の遠心上清を吸
引した後、相互侵入網目ゲルをリン酸緩衝液各2mlで
3回洗浄した。 (6)新規に小試験管を準備し、テトラメチルベンジジ
ン試薬各2mlを分取し、室温で30分間反応させた。 (7)(6)の小試験管に反応停止液各1mlを分取
し、反応を停止した。 (8)(7)の小試験管の溶液の450nmの吸光度を
測定した。 (9)標準グリコヘモグロビンを用いて、同様の操作を
行ない、検量線を描き、当該検量線から、各々の検体中
のグリコヘモグロビン濃度を求めた。
【0023】《実施例10.》 ヒアルロン酸ハイドロゲルビーズの調製 i)メタクリルアミドヒアルロン酸の合成 ヒアルロン酸(和光純薬製)0.1mol、メタクリル
酸(和光純薬製)0.1mol、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミど塩酸塩(P
eptide Institute,Inc製)を30
0mlの精製水に溶解し、氷水浴で冷却した。次に、N
aOHでpHを4.7に調整し、1時間攪拌した後ジエ
チルエーテルをもちいて抽出を行ない、減圧乾燥した。
熱水から結晶化させ、メタクリルアミドヒアルロン酸の
結晶を得た(収率約50%)。 ii)ハイドロゲルビーズの調製 7.1x10−3molのメタクリルアミドヒアルロン
酸、1.6x10−1molのアクリルアミド,9.4
x10−3molのN,N’−メチレンビス(アクリル
アミド)を144mlの精製水に溶解し、更に0.6g
/mlのアンンモニウムバーオキソジスルフェート0.
8mlを添加した。この溶液を4.8mlのソルビタン
セスキオリエートを含む960mlのトルエンクロロホ
ルム(37:11)溶液に滴下し、窒素雰囲気下72℃
で1時間攪拌した。重合したビーズはトルエン、エタノ
ール、精製水で洗浄し、凍結乾燥した。
【0024】《実施例10.》 ヒアルロン酸ハイドロゲルビーズを用いたフルクトサミ
ンの定量 (1)実施例11で調製したヒアルロン酸ハイドロゲル
ビーズ100ulを小試験管に分取した。 (2)(1)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (3)(2)の小試験管に被検血清各100ulを分取
し、室温で30分間反応させた。 (4)(5)の小試験管中の被検血清を吸引した後、ヒ
アルロン酸ハイドロゲルビーズをリン酸緩衝液各2ml
で3回洗浄し充分に水を切った。 (5)(4)の小試験管中に酵素標識抗アルブミン抗体
溶液各2mlを分注し、37℃で30分間反応させた。 (6)(5)の小試験管中のヒアルロン酸ハイドロゲル
ビーズををリン酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を
切った。 (7)(6)の小試験管に酵素基質液各2mlを分取
し、室温で30分間反応させた。 (8)(7)の小試験管に反応停正液各1mlを分注
し、反応を停止した。 (9)(8)の小試験管の溶液の492nmの吸光度を
測定した。 (10)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行
ない、検量線を描いた。 (11)(10)の検量線から、被検検体中のフルクト
サミン量を求めた。
【0025】
【発明の効果】本発明は、 1)グルコサミノグルカンを共有結合した不溶性担体を
用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する方
法。 2)光化学反応法によりグルコサミノグルカンを共有結
合した不溶性担体を用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来
法により定量する方法。 3)側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物
の合成方法。 4)側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物
を用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する
方法。 により構成される。本発明に関わる共有結合方法によ
り、グルコサミノグルカンの活性を失うことなく、グル
コサミノグルカンを容易に、堅固に担体に共有結合する
ことが可能になる。また、本発明に関わる共有結合方法
により、ボロン酸基を有する化合物を共有結合した実験
器具から、グルコサミノグルカンを剥離させることな
く、グリコヘモグロビンまたは、糖化蛋白を捕捉し、更
に正確に定量することが可能となる。また本発明に関わ
る、側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物
についても同様である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 グリコヘモグロビンおよびフ
ルクトサミンの定量方法

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコサミノグルカンを共有結合させた不
    溶性担体を用いてグリコヘモグロビンを捕捉した後、従
    来法により定量する方法。
  2. 【請求項2】グルコサミノグルカンを共有結合させた不
    溶性担体を用いてフルクトサミン(糖化蛋白)を捕捉し
    た後、従来法により定量する方法。
  3. 【請求項3】側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分
    子化合物を用いてグリコヘモグロビンを捕捉した後、従
    来法により定量する方法。
  4. 【請求項4】側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分
    子化合物を用いてフルクトサミン(糖化蛋白)を捕捉し
    た後、従来法により定量する方法。
  5. 【請求項5】請求項1および請求項2記載の物質の定量
    に用いる、グルコサミノグルカンを共有結合させた不溶
    性担体。
  6. 【請求項6】請求項1および請求項2記載の物質の定量
    に用いる、側鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子
    化合物。
  7. 【請求項7】請求項5記載のグルコサミノグルカンを共
    有結合させた不溶性担体を含むことを特徴とする、グリ
    コヘモグロビンおよびフルクトサミン(糖化蛋白)の定
    量キット。
  8. 【請求項8】請求項6記載の側鎖にグルコサミノグルカ
    ンを有する高分子化合物を含むことを特徴とする、グリ
    コヘモグロビンおよびフルクトサミン(糖化蛋白)の定
    量キット。
  9. 【請求項9】当該グルコサミノグルカンがデルマタン硫
    酸、デルマタン、プロツベリン酸、プロツベリン、ヒア
    ルロン酸、ヒアルロン、アルギン酸、アルギン、コロミ
    ン酸、コロミン、ヘパリン、脱N硫酸−ヘパリン、ヘパ
    ラン硫酸、ヘパラン、デキストラン硫酸、デキストラ
    ン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コ
    ンドロイチン、キチン硫酸、キチン、N−アセチルノイ
    ラミン酸、D−グルクロン酸、ガラクトサミン、グルコ
    サミン、ポリアミノ酸、ポリリン酸、ポリガラクツロン
    酸の中から選択することを特徴とする、請求項1記載の
    グリコヘモグロビンの定量方法。
  10. 【請求項10】当該グルコサミノグルカンがデルマタン
    硫酸、デルマタン、プロツベリン酸、プロツベリン、ヒ
    アルロン酸、ヒアルロン、アルギン酸、アルギン、コロ
    ミン酸、コロミン、ヘパリン、脱N硫酸−ヘパリン、ヘ
    パラン硫酸、ヘパラン、デキストラン硫酸、デキストラ
    ン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コ
    ンドロイチン、キチン硫酸、キチン、N−アセチルノイ
    ラミン酸、D−グルクロン酸、ガラクトサミン、グルコ
    サミン、ポリアミノ酸、ポリリン酸、ポリガラクツロン
    酸の中から選択することを特徴とする、請求項2記載の
    フルクトサミン(糖化蛋白)の定量方法。
  11. 【請求項11】当該グルコサミノグルカンがデルマタン
    硫酸、デルマタン、プロツベリン酸、プロツベリン、ヒ
    アルロン酸、ヒアルロン、アルギン酸、アルギン、コロ
    ミン酸、コロミン、ヘパリン、脱N硫酸−ヘパリン、ヘ
    パラン硫酸、ヘパラン、デキストラン硫酸、デキストラ
    ン、コンドロイザン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コ
    ンドロイチン、キチン硫酸、キチン、N−アセチルノイ
    ラミン酸、D−グルクロン酸、ガラクトサミン、グルコ
    サミン、ポリアミノ酸、ポリリン酸、ポリガラクツロン
    酸の中から選択することを特徴とする請求項5記載の不
    溶性担体。
  12. 【請求項12】当該グルコサミノグルカンがデルマタン
    硫酸、デルマタン、プロツベリン酸、プロツベリン、ヒ
    アルロン酸、ヒアルロン、アルギン酸、アルギン、コロ
    ミン酸、コロミン、ヘパリン、脱N硫酸−ヘパリン、ヘ
    パラン硫酸、ヘパラン、デキストラン硫酸、デキストラ
    ン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸C、コ
    ンドロイチン、キチン硫酸、キチン、N−アセチルノイ
    ラミン酸、D−グルクロン酸、ガラクトサミン、グルコ
    サミン、ポリアミノ酸、ポリリン酸、ポリガラクツロン
    酸の中から選択することを特徴とする請求項6記載の側
    鎖にグルコサミノグルカンを有する高分子化合物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009236768A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Sekisui Chem Co Ltd ヘモグロビン類の測定方法
JP2009243956A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Sekisui Chem Co Ltd ヘモグロビン類の測定方法
JP2013011632A (ja) * 2012-10-19 2013-01-17 Sekisui Chem Co Ltd ヘモグロビンA1cの測定方法
EP3239709A1 (en) 2016-04-25 2017-11-01 ARKRAY, Inc. Method of analyzing glycated protein, analysis reagent, analysis kit, and test piece for analysis
US11422128B2 (en) 2016-04-13 2022-08-23 Lsi Medience Corporation Immunoassay employing sulfated polysaccharide

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