JPH08145996A - ボロン酸基をもつ化合物を共有結合させた不溶性担体、および、側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用いた、糖化蛋白の定量方法 - Google Patents

ボロン酸基をもつ化合物を共有結合させた不溶性担体、および、側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用いた、糖化蛋白の定量方法

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JPH08145996A
JPH08145996A JP32407294A JP32407294A JPH08145996A JP H08145996 A JPH08145996 A JP H08145996A JP 32407294 A JP32407294 A JP 32407294A JP 32407294 A JP32407294 A JP 32407294A JP H08145996 A JPH08145996 A JP H08145996A
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Masashi Funayama
政志 船山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】(1)ボロン酸基を有する化合物を共有結合さ
せた担体を用いた、糖化蛋白の分画定量方法、および、
その方法を用いた糖化蛋白の定量キットを提供する。 (2)側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用い
た、糖化蛋白の分画定量方法、および、その方法を用い
た糖化蛋白の定量キットを提供する。 【構成】ボロン酸基を有する化合物を共有結合させた担
体、側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物、および測
定試薬よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖尿病の診断法とし
て、過去1〜2ヶ月の長期的な血糖のコントロール状態
を示すと言われる、フルクトサミン(糖化蛋白)の診断
薬及び測定キットに関する。
【従来の技術とその問題点】
【0002】従来、糖尿病の診断法として、血糖の測定
及び糖負荷試験が用いられてきた。近年、過去1〜2ヶ
月の長期的な血糖のコントロール状態を示すと言われ
る、グリコヘモグロビン(HbA1c)も極めて簡便に
その測定が可能になり、臨床的有用性が認められ、日常
検査として定着している。更に最近では、糖化蛋白であ
るケトアミン(フルクトサミン)がHbA1cよりも短
期間の過去2週間程度の血糖のコントロールの指標とし
て注目されている。糖化蛋白の一種であるフルクトサミ
ンは、1982年にJohnsonらによりケトアミン
の還元力を利用した簡便な測定方法が開発され、臨床的
有用性が次第に明らかとなり、日常検査に導入されてき
た。しかしながら、この方法は、フルクトサミンのもつ
還元力を測定している為、従来から、血清中に存在する
多くの還元性物質、ビリルビン、ヘモグロビン、乳ビの
影響を受ける等の問題点が指摘されている。
【0003】最近、塩化ニトロブルーテトラゾリウム濃
度を高くすると共に、還元性物質の一つである尿酸に対
する対策としてウリカーゼを、乳ビの対策として界面活
性剤を添加した新しい診断薬も開発されている。しかし
ながら、当該診断薬も従来品と同様に、ビリルビン、ヘ
モグロビン、アスコルビン酸、グルコース、グルタチオ
ン等の還元性物質により影響を受けることが指摘されて
いる。また、当該診断薬を用いた場合、血しょう中のフ
ルクトサミンの測定値は、血清中のフルクトサミンの測
定値よりも15%程度低値になることも指摘されてい
る。フルクトサミンの測定の用いられている前記測定原
理は、糖化アルブミンに特異的な反応ではない為、多く
の欠陥があり、現在、より正確な測定方法の開発が待望
されている。また、糖尿病患者血中の糖化蛋白の97%
以上が糖化アルブミンであると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
還元性物質、乳ビ、血液凝固因子による影響の少ない、
フルクトサミン(糖化蛋白)の正確な測定値の得られる
診断薬及び測定キットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本発明の発明者は種々研究を重ね、糖化蛋白がボロン酸
基をもつ化合物と良好に結合することに着目し、ボロン
酸基をもつ化合物を共有結合させた不溶性担体または、
側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用いて糖化蛋
白を捕捉した後、従来法により定量する方法が糖化蛋白
の定量に極めて有効であることを見い出し、本発明を完
成した。
【0006】本発明は1)従来法によりボロン酸基を有
する化合物を不溶性担体に共有結合する方法。2)光化
学反応法によりボロン酸基を有する化合物を不溶性担体
に共有結合する方法。3)1)および2)の担体を用い
て糖化アルブミンを捕捉した後、従来法により定量する
方法。4)側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用
いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する方
法。により構成される。
【0007】そのうちの、光化学反応法によりボロン酸
基を有する化合物を不溶性担体に共有結合する方法で
は、最初に担体表面にアジド基を有するポリマーや、低
分子化合物を塗布する。使用するポリマーとしては、ア
ジド基を導入したスチレン、アジド基を含有するメタク
リレート類等のビニルモノマー単独重合体、アジド基含
有モノマーとスチレン、アクリルアミド等のアジド基を
含有しないビニルモノマーとの共重合体が考えられる
が、安定性を考慮すると、スチレン、メチルメタクリレ
ート、ジメチルアクリルアミドとの共重合体が特に好ま
しい。これらの共重合体におけるアジド基の割合は、モ
ル比で10〜20%存在することが好ましい。前記ポリ
マーの分子量は、数平均分子量で100,000以上で
あることが好ましい。また、アジド基を有する低分子化
合物としては、ビスアジド化合物や、イオン性基等が考
えられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。これらのアジド基を有する低分子化合物では、ボロ
ン酸基を有する化合物を安定に固定化させる為に、アジ
ド基を2個以上含有することが望まれる。ボロン酸基を
有する化合物を固定化する材料としては、プラスチック
(ポリビニルアルコール、セルロース、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸、メタクリル酸、ポリメチルメタ
クリレート、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリスルフォン等)、ガラス、セラミッ
ク、繊維、紙、合成紙、中空糸、金属等が考えられる
が、これらに限定される訳ではなく、また、それらの形
状、表面の状態等には、何等制限はない。
【0008】アジド基を有する化合物は、ポリマーで
も、低分子化合物であっても、揮発性有機溶媒に溶解
し、被固定化表面に塗布、乾燥することにより実施する
ことが可能である。塗布により、形成される皮膜の厚さ
は、ポリマーの場合は、0.1〜3.0umであること
が好ましい。低分子の場合は、分子層が複数になる様に
塗布することが好ましい。ボロン酸基を有する化合物を
被固定化担体に存在させる方法には、ボロン酸基を有す
る化合物の溶液に被固定化担体を浸漬し、ボロン酸基を
有する化合物を被固定化担体に吸着させる方法が考えら
れる。
【0009】次に、ボロン酸基を有する化合物の存在す
る被固定化担体に紫外線を照射することにより、短時間
で固定化が完了する。使用される光源としては、水銀灯
等が考えられる。ボロン酸基を有する化合物の水溶液ま
たは、コロイド溶液または、懸濁液に被固定化担体を浸
漬し、ボロン酸基を有する化合物を被固定化担体に吸着
させた後に紫外線を照射する場合には、必ずしも溶液を
乾燥させる必要はない。紫外線照射に特に限定される条
件はないが、被固定化ボロン酸基を有する化合物を防御
する為には、320nmよりも長波長の光を照射するこ
とが好ましい。紫外線を照射した後、固定化されなかっ
たボロン酸基を有する化合物は洗浄により除去する。洗
浄に使用される溶媒にも特に制限はない。
【0010】以上の操作からなる、光化学反応法により
ボロン酸基を有する化合物を不溶性担体に共有結合する
方法によれば、ボロン酸基を有する化合物と塗布したポ
リマー間との共有結合、更に、塗布したポリマー間のポ
リマー内との架橋が生成する為、被固定化担体が安定し
て存在し続ける。被固定化担体がプラスチックの、場合
には、被固定化担体の表面と塗布したボロン酸基を有す
る化合物との間に共有結合が生成する為、被固定化担体
が更に安定して存在し続ける。アジド基を有する化合物
が低分子化合物である場合にも、化学療法剤と塗布した
低分子化合物との共有結合、更に、塗布した低分子化合
物の架橋が生成する為、被固定化担体が安定して存在し
続ける。
【0011】本発明で使用される、側鎖にボロン酸基を
有する高分子化合物としては、1)ポリ(m−アクリル
アミドフェニルボロン酸−CO−N−ビニルピロリド
ン)とポリビニルアルコールの複合体、2)アクリル酸
と3−アミノフェニルボロン酸ヘミサルファイトとの縮
合により合成される3−アクリルアミドフェニルボロン
酸、3)メタクリルアミドフェニルボロン酸とアクリル
アミドとN,N’−メチレンビス(アクリルアミド)の
共重合体、4)ボロン酸基を有するポリマーとポリビニ
ルアルコールからなる相互侵入高分子網目ゲル等が考え
られるが、必ずしもこれらに限定される訳ではない。
【0012】担体へのボロン酸基を有する化合物の共有
結合は、アミの基、カルボキシル基等の官能基に、グル
タルアルデヒド、水溶性カルボジイミド、BIS(su
lfosuccinimidyl)suberate
(BS)、1−ethyl−3(3−diethyla
minopropyl)carbodiimide h
ydrochloride(ECD)等の試薬を反応さ
せた後、当該試薬に更に、ボロン酸基を有する化合物を
共有結合させることにより、達成できる。
【0013】
【実施例】本発明は実施例により、更ら詳細に説明す
る。本発明は実施例により、何ら限定されるものではな
い。尚、実施例1から実施例4までは、光化学反応法に
よりボロン酸基を有する化合物を不溶性担体に共有結合
する方法およびその担体を用いた測定法に関連し、実施
例5から実施例8までと実施例13は、側鎖にボロン酸
基を有する高分子化合物の合成方法およびその担体を用
いた測定法に関連し、実施例9から実施例12までは、
従来法によりボロン酸基を有する化合物を不溶性担体に
共有結合する方法、およびその担体を用いた測定法に関
連する。 《実施例1.》 i)アジドスチレンの合成 エタノール−濃塩酸混液20mlに、3−ニトロスチレ
ン5gを懸濁させ、更に、エタノールに溶解したSnC
2HO溶液を激しく攪拌しながら添加し、室温で
一夜、反応させた。NaOHにより中和し、固体成分を
濾別し、濾液より生成物をエーテル抽出した。エーテル
層をMgSOで乾燥した後、濃硫酸を加え、中間体を
得た。同中間体を10%硫酸溶液10mlに溶解、氷冷
し1NのNaNO水溶液を添加した。2時間後に、N
aN水溶液を添加し、室温に戻した後、3時間攪拌し
た。酢酸エチルにより抽出し、抽出液を0.1N Na
HCO水溶液と精製水で洗浄し、MgSOを添加
し、乾燥した。溶媒を留去し、クロロホルム/ヘキサン
(1/4)混合溶媒に溶解し、シリカゲルカラムで精製
した。溶媒を留去し、3−アジドスチレンを得た。 ii)アジドスチレン−スチレン共重合体の合成 アジドスチレン1モルとスチレン4モルとをベンゼンで
5倍に希釈し、0.01当量のN,N’−アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)を添加、脱気、封管し、6
0℃で4時間重合した。放冷後、メタノール中に注ぎ、
沈殿したアジドスチレン−スチレン共重合体を回収し
た。得られた共重合体の数平均分子量は、10万であっ
た。 iii)3−アミノフェニルボロン酸を共有結合したP
ETフィルムの調整 前記方法により合成したアジドスチレン−スチレン共重
合体をアセトンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶
液100mlを1mのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムの両面に塗布、乾燥し、アジドスチ
レン−スチレン共重合体の皮膜を形成した。リン酸緩衝
液に1%の割合で溶解した3−アミノフェニルボロン酸
塩溶液に、前記処理をしたPETフィルムを1時間浸漬
し、3−アミノフェニルボロン酸を吸着させ、高圧水銀
灯を用いて、紫外線を1分間照射した。次に、当該PE
Tフィルムを精製水で水洗、乾燥した。
【0014】《実施例2.》 3−アミノフェニルボロン酸を共有結合したPETフィ
ルムを用いた。糖化アルブミンの定量 (1)実施例1.で調製した3−アミノフェニルボロン
酸を共有結合したPETフィルムを1cm四方に切断
した。 (2)(1)のPETフィルム各1枚を小試験管に分取
した。 (3)(2)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (4)(3)の小試験管に被検血清各200μlを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (5)(4)の小試験管中のPETフィルムをリン酸緩
衝液2mlで3回洗浄した。 (6)新規に小試験管中を準備し、Biuret試液各
4mlを分注し、濾紙で充分に水切りした、(5)の小
試験管中のPETフィルムを移し、37℃で30分間反
応させた。 (7)(6)の小試験管の溶液の545nmの吸光度を
測定した。 (8)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行な
い、検量線を描いた。 (9)(8)の検量線から、被検検体中の糖化アルブミ
ン量を求めた。
【0015】《実施例3.》 i)アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレートの合
成 N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100mlに
p−アジド安息香酸10gを溶解、氷冷し、トリエチル
アミン85mlを添加し、更に、クロロ蟻酸イソブチル
8.3mlを添加した。次に、DMF300mlにヒド
ロキシルエチルメタクリレート5.2mlを溶解し、前
記溶液に添加し、60℃で5時間攪拌した。溶媒を留去
し、酢酸エチルを添加、抽出し、10%クエン酸水溶
液、精製水、4%NaHCO水溶液で順次洗浄し、無
水NaSOを添加、乾燥した。溶媒を留去した後、ク
ロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムで精製した。溶
媒を留去し、アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレ
ートを得た。 ii)アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレート−
メチルメタクリレート共重合体の合成 前記方法により合成したアジドベンゾイルオキシエチル
メタクリレート1molとメチルメタクリレート4mo
lとをDMFで2倍に希釈し、0.01等量のAIBN
を添加、脱気、封管し、60℃で3時間重合した。冷
却後、大量のエチルエーテルに注ぎ、沈殿したアジドベ
ンゾイルオキシエチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート重合体を得た。得られた共重合体の数平均分子量
は15万であった。 iii)3−アミノフェニルボロン酸共有結合フラスコ
の調製 前記方法により合成したアジドベンゾイルオキシエチル
メタクリレート−メチルメタクリレート共重合体をアセ
トンに溶解し、1%溶液を調製した。この溶液各30μ
lをポリアクリルアミド製フラスコの内面に塗布、乾燥
し、アジドベンゾイルオキシエチルメタクリレート−メ
チルメタクリレート共重合体の皮膜を形成した。前記処
理をしたポリアクリルアミド製フラスコの内面に、リン
酸緩衝液に0.01%の割合で溶解した3−アミノフェ
ニルボロン酸塩溶液200μlを添加し、3−アミノフ
ェニルボロン酸溶液を吸着させ、電子線加速器(加速電
圧2MeV、電子線電流1mA)を用いて、電子線を3
0秒間照射した。次に、当該ポリアクリルアミド製フラ
スコを精製水で水洗、乾燥した。
【0O16】《実施例4.》 3−アミノフェニルボロン酸固定化不織布の調製 ラジカル重合により、2−(4−アジドベンゾイルオキ
シ)エチルメタクリレート:スチレン:0−ニロベンジ
ルアクリレートの三元共重合体(仕込モル比3:6:1
(以下 PASN)を合成した。デュポン社製不織布
(Sontara8005)に、前記 PASNを塗
布、薄膜を形成した後、紫外線を照射した。次に当該不
織布に0.01%の3−アミノフェニルボロン酸塩と水
溶性カルボジイミドを含有するリン酸緩衝液に浸漬し、
37℃で16時間反応させた。次に当該不織布を1Mの
NaCl水溶液およびリン酸緩衝液で、洗浄乾燥した。
【0017】《実施例5.》 ボロン酸基を有する相互侵入高分子網目ゲルの合成 ポリビニルアルコール(PVA:分子量2,000)を
グルタルアルデヒドを触媒として硫酸を用いて架橋した
後、メタクリルアミドフェニルボロン酸(MAPB)1
0mol−%、ジメチルアクリルアミド(DMAA)9
0mol−%、ポリエチレングリコールジアクリレート
(PEGDAA:n=14)90mol−%を含むジメ
チルスルフォキシド(DMSO)溶液をしみ込ませ、6
0℃で12時間加熱して重合した。得られたゲルから未
反応モノマーを除去した後、DMSO/HO=3/
l、DMSO/HO=1/l、DMSO/HO=l
/3、の各溶液中に各々一日づつ浸漬した後、蒸留水中
に保存した。ゲル中のボロン酸基の含量はプラズマ発光
分析により求めた。
【0018】《実施例6.》 ボロン酸基を有する相互侵入高分子網目ゲルを用いた糖
化アルブミンの定量 (1)実施例5で調製した相互侵入高分子網目ゲルを1
cm四方に切断した。 (2)(1)の相互侵入高分子網目ゲル各1枚を小試験
管に分取した。 (3)(2)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (4)(3)の小試験管に被検血清各200μlを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (5)(4)の小試験管中の相互侵入高分子網目ゲルを
リン酸緩衝液2mlで3回洗浄した。 (6)新規に小試験管中を準備し、BCG試薬各5ml
を分注し、濾紙で充分に水切りした、(5)の小試験管
中の相互侵入高分子網目ゲルを移し、37℃で30分間
反応させた。 (7)(6)の小試験管の溶液の630nmの吸光度を
測定した。 (8)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行な
い、検量線を描いた。 (9)(8)の検量線から、被検検体中の糖化アルブミ
ン量を求めた。
【0019】《実施例7.》 i)メタクリルアミド−3−フェニルボロン酸(MAP
B)の合成 3−アミノフェニルボロン酸1/2硫酸塩(Shigm
a社製)0.1mol、メタクリル酸(和光純薬製)
0.1mol、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩(Peptide I
nstitute,Inc.)を300mlの精製水に
溶解し、氷水浴で冷却した。次に、NaOHでpHを
4.7に調整し、1時間攪拌した後、ジエチルエーテル
を用いて抽出を行ない、減圧乾燥した。熱水から結晶化
させ、メタクリルアミド−3−フェニルボロン酸の白色
針状晶を得た(収率約50%)。 ii)ハイドロゲルビーズの調製 7.1x10−3molのメタクリルアミドフェニルボ
ロン酸、1.6x10−1molのアクリルアミド、
9.4x10−3molのN,N’−メチレンビス(ア
クリルアミド)を144mlの精製水に溶解し、更に、
0.6g/mlのアンモニウムパーオキソジスルフェー
ト0.8mlを添加した。この溶液を4.8mlのソル
ビタンセスキオリエートを含む960mlのトルエン:
クロロホルム(37:11)溶液に滴下し、窒素雰囲気
下、72℃で1時間攪拌した。重合したビーズはトルエ
ン、エタノール、精製水で洗浄し、凍結乾燥した。
【0020】《実施例8.》 ボロン酸基を有するハイドロゲルビーズを用いた糖化ア
ルブミンの定量 (1)実施例7で調製したハイドロゲルビーズを小試験
管に分取した。 (2)(1)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (3)(2)の小試験管に被検血清各200μlを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (4)(3)の小試験管中のハイドロゲルビーズをリン
酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を切った。 (5)(4)の小試験管中に酵素標識抗アルブミン抗体
溶液各2mlを分注し、37℃で30分間反応させた。 (6)(5)の小試験管中のハイドロゲルビーズをリン
酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を切った。 (7)(2)の小試験管に酵素基質液各200μlを分
取し、室温で30分間反させた。 (8)(7)の小試験管に反応停止液各1mlを分注
し、反応を停止した。 (9)(8)の小試験管の溶液の492nmの吸光度を
測定した。 (10)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行
ない、検量線を描いた。 (11)(10)の検量線から、被検検体中の糖化アル
ブミン量を求めた。
【0021】《実施例9.》 マイクロプートへの3−アミノフェニルボロン酸の共有
結合 (1)グルタルアルデヒド溶液(電子顕微鏡グレード)
をpH7.4のリン酸緩衝液に溶解し、2%の濃度に調
製した。 (2)アミノ基固定化マイクロプート(住ベメディカル
製)の各穴に(1)のグルタルアルデヒド溶液を200
μlづつ分注し、室温で2時間反応させた。 (3)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (4)3−アミノフェニルボロン酸塩をpH7.4のリ
ン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (5)(4)の3−アミノフェニルボロン酸溶液を
(3)のマイクロプートの各穴に各200μlづつ分注
し、4℃で終夜、反応させた。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各200μlづつ分注し、室温で4
時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0022】《実施例10.》 マイクロプートへの3−アミノフェニルボロン酸の共有
結合 (1)BIS(sulfosuccinimidyl)
suberate(BS)(Pierce Chemi
al Company社製)をpH7.4のリン酸緩衝
液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (2)カルボキシル基固定化マイクロプート(住ベメデ
ィカル製)の各穴に(1)のBIS(sulfosuc
cinimidyl)suberate(BS)溶液を
300μlづつ分注し、室温で30分間反応させた。 (3)マイクロプートの各穴をpH7.4のリン酸緩衝
液で3回洗浄した。 (4)3−アミノフェニルボロン酸塩をpH7.4のリ
ン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (5)(4)の3−アミノフェニルボロン酸溶液を
(3)のマイクロプートの各穴に各100μlづつ分注
し、4℃で終夜、反応させた。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各300μlづつ分注し、室温で4
時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0023】《実施例11.》 マイクロプートへの3−アミノフェニルボロン酸の共有
結合 (1)水溶性カルボジイミドをpH7.4のリン酸緩衝
液に溶解し、4%の濃度に調製した。 (2)カルボキシル基固定化マイクロプート(住ベメデ
ィカル製)の各穴に(1)のカルボジイミド溶液を20
0μlづつ分注し、30℃で5時間反応させた。 (3)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (4)3−アミノフェニルボロン酸塩をpH7.4のリ
ン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (5)(4)の3−アミノフェニルボロン酸溶液を
(3)のマイクロプートの各穴に各200μlづつ分注
し、4℃で終夜、反応させた。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各200μlづつ分注し、室温で
4時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0024】《実施例12.》 マイクロプートへの3−アミノフェニルボロン酸の共有
結合 (1)1−ethyl−3(3−diethylami
nopropyl)carbodiimide hyd
rochloride(ECD)120mgをpH4.
5の精製水(試薬グレード)30mlに溶解した。 (2)カルボキシル基固定化マイクロプート(住ベメデ
ィカル製)の各穴に(1)のカルボジイミド溶液を30
0μlづつ分注し、室温で1時間反応させた。 (3)マイクロプートの各穴を精製水で5回洗浄した。 (4)3−アミノフェニルボロン酸塩をpH7.4のリ
ン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (5)(4)の3−アミノフェニルボロン酸溶液を
(3)のマイクロプートの各穴に各200μlづつ分注
し、4℃で終夜、反応させた。 (6)ウシ血清アルブミン(和光純薬製)をpH7.4
のリン酸緩衝液に溶解し、1%の濃度に調製した。 (7)(6)のウシ血清アルブミン溶液を(5)のマイ
クロプートの各穴に各200μlづつ分注し、室温で4
時間反応させた。 (8)マイクロプートの各穴を精製水で2回洗浄した。 (9)マイクロプートを風乾した。
【0025】《実施例13.》 ボロン酸基を有するハイドロゲルビーズを用いた糖化グ
ロブリンの定量 (1)実施例7で調製したハイドロゲルビーズを小試験
管に分取した。 (2)(1)の小試験管にリン酸緩衝液各1mlを分取
した。 (3)(2)の小試験管に被検血清各200μlを分取
し、37℃で30分間反応させた。 (4)(3)の小試験管中のハイドロゲルビーズをリン
酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を切った。 (5)(4)の小試験管中に酵素標識抗グロブリン抗体
溶液各2mlを分注し、37℃で30分間反応させた。 (6)(5)の小試験管中のハイドロゲルビーズをリン
酸緩衝液2mlで3回洗浄し充分に水を切った。 (7)(2)の小試験管に酵素基質液各200μlを分
取し、室温で30分間反応させた。 (8)(7)の小試験管に反応停止液各1mlを分往
し、反応を停止した。 (9)(8)の小試験管の溶液の492nmの吸光度を
測定した。 (10)標準糖化アルブミンを用いて、同様の操作を行
ない、検量線を描いた。 (11)(10)の検量線から、被検検体中の糖化グロ
ブリン量を求めた。
【0026】
【発明の効果】本発明は、 1)ボロン酸基を有する化合物を不溶性担体に共有結合
する方法。 2)光化学反応法によりボロン酸基を有する化合物を不
溶性担体に共有結合する方法。 3)1)および2)の担体を用いて糖化蛋白を捕捉した
後、従来法により定量する方法。 4)側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用いて糖
化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する方法。によ
り構成される。本発明に関わる共有結合方法により、ボ
ロン酸基を有する化合物の活性を失うことなく、ボロン
酸基を有する化合物を容易に、堅固に担体に共有結合す
ることが可能になる。また、本発明に関わる共有結合方
法により、ボロン酸基を有する化合物を共有結合した実
験器具から、ボロン酸基を有する化合物を剥離させるこ
となく、糖化蛋白を捕捉し、更に正確に定量することが
可能となる。また本発明に関わる、側鎖にボロン酸基を
有する高分子化合物についても同様である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボロン酸基をもつ化合物を不溶性担体に共
    有結合する方法。
  2. 【請求項2】ボロン酸基をもつ化合物を共有結合させた
    不溶性担体を用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法によ
    り定量する方法。
  3. 【請求項3】側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を
    用いて糖化蛋白を捕捉した後、従来法により定量する方
    法。
JP32407294A 1994-11-19 1994-11-19 ボロン酸基をもつ化合物を共有結合させた不溶性担体、および、側鎖にボロン酸基を有する高分子化合物を用いた、糖化蛋白の定量方法 Pending JPH08145996A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046759A1 (fr) * 2000-12-07 2002-06-13 Bio Merieux Dispositif de capture d'une molecule cible
CN105067815A (zh) * 2015-09-16 2015-11-18 浙江凯成生物科技有限公司 一种测定人血清中胃蛋白酶原i/ii含量的试剂盒

Cited By (3)

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FR2817968A1 (fr) * 2000-12-07 2002-06-14 Bio Merieux Dispositif de capture d'une molecule cible
CN105067815A (zh) * 2015-09-16 2015-11-18 浙江凯成生物科技有限公司 一种测定人血清中胃蛋白酶原i/ii含量的试剂盒

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