JP2009222692A - 免疫化学反応のシグナル増強剤および免疫学的測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】免疫測定等において、低いノイズと高いシグナルを得ることができる免疫化学反応のシグナル増強剤を提供することである。
【解決手段】本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤は、N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A)と、(メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B)と、を共重合することにより得られる共重合体を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、臨床診断薬、臨床診断装置、研究用試薬などの免疫化学反応の測定において、被測定サンプル中に含まれるタンパク等の非特異吸着を防止して、ノイズを低減すると同時に、高いシグナルを供する、免疫化学反応のシグナル増強剤に関する。
近年、疾病の早期発見等の目的のため、検査の高感度化が求められており、診断薬の感度向上は大きな課題となっている。ウェルプレートや磁性粒子などの固相を用いた診断薬においても、実際には十分な感度が得られていないと言われている。その原因としては、第一に、生体分子が含まれる被測定サンプル中で特定の物質を検出する診断では、共存する生体分子や二次抗体、発光基質などが固相や器具・容器などへ非特異的に吸着し、その結果、ノイズが増加して高感度化の妨げとなっていること、第二に、固相に吸着された捕捉抗体(一次抗体)が配向性や立体障害などのために捕捉抗体の能力が十分に発揮できていないことが挙げられる。そのため、免疫診断測定においては、通常、アルブミン、カゼイン、ゼラチン等の生物由来物質を添加剤として用いることにより、非特異吸着を抑制してノイズを低減させていると同時に、一次抗体の反応性を高めてシグナルを増強させようとしている。
しかしながら、従来法による添加では、なお、非特異的な吸着が残る上にシグナル増強効果は不十分であり、さらに、生物由来物質の添加剤を用いる場合、安定性への不安、BSEに代表される疫病の問題などがあることなどから、化学合成品による高性能の免疫化学反応のシグナル増強剤の開発が望まれている。
化学合成品による免疫化学反応のシグナル増強剤としては、特開平10−153599号公報や特開平11−352127号公報にポリオキシエチレンを有するポリマー、ならびに、特許第3443891号に特定のメタクリル系共重合体が提案されているが、これらの非特異吸着防止効果やシグナル増強効果は不十分であった。
特開平10−153599公報 特開平11−352127公報 特許第3443891号明細書
本発明の目的は、免疫測定等において、低いノイズと高いシグナルを得ることができる免疫化学反応のシグナル増強剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、特定の組成の共重合体がきわめて高い非特異吸着防止効果と高いシグナル増強効果を有することを見出し、本願発明を完成するに至った。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤は、N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A)と、(メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B)と、を共重合することにより得られる共重合体を含有する。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、さらに、前記共重合体は、アニオン性モノマーからなるモノマー(C)を構成単位として含むことができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤は、N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A):30〜99質量%、(メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B):1〜70質量%、アニオン性モノマーからなるモノマー(C):0〜49質量%、からなる共重合体を含有する。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記共重合体を構成するモノマー組成は、モノマー(A):85〜92質量%、モノマー(B):8〜15質量%であることができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記共重合体の重量平均分子量は、2,000〜50,000であることができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記共重合体は、25℃において固形分濃度1%となるように水に添加したときに透明または半透明となることができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記モノマー(B)は、水への溶解度が20%未満であることができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記モノマー(A)は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびジアセトンアクリルアミドから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤において、前記モノマー(B)は、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルから選択される少なくとも1種を含むことができる。
本発明に係る免疫学的測定方法は、上記の免疫化学反応のシグナル増強剤を、抗体が結合した担体に接触させる工程を含む。
上記免疫化学反応のシグナル増強剤によれば、N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A)と、(メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B)と、を共重合することにより得られる共重合体を含有することにより、免疫測定において高い非特異吸着防止効果と高いシグナル増強効果を有する。
以下、本発明の一実施形態に係る免疫化学反応のシグナル増強剤について、具体的に説明する。
1.免疫化学反応のシグナル増強剤
本発明に係る免疫化学反応のシグナル増強剤(以下、「シグナル増強剤」と称する。)は、N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A)と、(メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B)と、を共重合することにより得られる共重合体を含有する。本実施形態に係るシグナル増強剤は、その一部に上記共重合体を含んでいてもよく、あるいは、上記共重合体のみから構成されていてもよい。以下、上記共重合体を構成するモノマーについて説明する。
1.1 モノマー(A)
モノマー(A)は、少なくとも1種のN置換(メタ)アクリルアミドから構成される。N置換(メタ)アクリルアミドは、水溶性および高い非特異吸着防止効果と高いシグナル増強効果の発現に寄与するモノマーである。N置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を併用することができる。好ましくは、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドであり、これらを用いたときに特に高い非特異吸着防止効果と高いシグナル増強効果を発現することができる。
1.2 モノマー(B)
モノマー(B)は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルから構成される。(メタ)アクリル酸エステル(B)は、共重合体の親水性/疎水性バランスを適度に疎水性に進めることにより、固相であるポリスチレンやポリプロピレンなどの疎水性表面への吸着性を高め、シグナル増強剤としての良好な付着性を発揮し、これによりノイズ低減効果と高いシグナル増強効果の発現に寄与するモノマーである。(メタ)アクリル酸エステル(B)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上併用することができる。好ましくは、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸メトキシエチルから選ばれる少なくとも1種である。
モノマー(B)は、水への溶解度が20%未満であるモノマーであることが好ましい。水への溶解度が20%未満であるモノマー(B)を用いると、疎水性の固相への接着性および被覆性がより向上し、ノイズ低減効果と高いシグナル増強効果を発現することができる。
本発明において、「水への溶解度が20%未満であるモノマー」とは、25℃の水におけるモノマー濃度が20%になるようにモノマーを添加して攪拌した後に、モノマーが水相から分離することを目視で確認できるモノマーのことをいう。
1.3 モノマー(C)
上記共重合体を構成するモノマーとして、モノマー(A)およびモノマー(B)と共重合でき、かつ(A)および(B)からは発現しない性能を付与し得るモノマー(C)を用いることができる。このようなモノマー(C)の例としては、例えば、アニオン性モノマーが挙げられる。アニオン性モノマーを用いることにより、上記共重合体にさらに非特異検体におけるノイズの抑制などの性能を付与することができる。アニオン性モノマー(C)として、例えば、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
1.4 物性
本実施形態に係るシグナル増強剤に含まれる共重合体の重量平均分子量は、抗体等よりもやや小さいことが好ましい。具体的には、2,000〜50,000であることが好ましく、5,000〜20,000であることがより好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、水への溶解度が高くなるため液相へ拡散され、疎水性を有する固相へ吸着されにくくなる。一方、重量平均分子量が50,000を超えると、シグナル増強効果に乏しい場合がある。
本実施形態に係るシグナル増強剤に含まれる共重合体は水溶性である。本発明において、「水溶性である」とは、25℃で固形分濃度1%となるように水に共重合体を添加・混合したときに、目視で透明または半透明となることをいう。
本実施形態に係るシグナル増強剤の5質量%水溶液のpHは、好ましくは6〜8である。
1.5 非特異吸着抑制のメカニズム
タンパクの非特異吸着のメカニズムは、水和したタンパク分子が疎水性を有する固相表面に近づいたときに、タンパクを取り囲む水分子とタンパク分子との相互作用の形態が崩れることにより、疎水性を有する固相とタンパクの疎水性部分が疎水性相互作用によって引き寄せられ、その結果タンパクが固相表面に吸着するものと考えられている。
一般に、非特異吸着抑制剤として、ポリエチレングリコールのような親水性材料が好ましいとか、ポリマー鎖がもつ中間水が多いものが好ましいと言われている。しかしながら、単に親水的なだけでは非特異吸着抑制剤が液相中へ溶解してしまうため、疎水性を有する固相の被覆が不十分となる。本発明に係るシグナル増強剤は、特定の組成を有することにより、疎水性を有する固相への被覆性に優れ、かつ、水和しているタンパクに対しては吸着しにくいという両方の性質を兼ね備えていることを特徴とするものである。
本発明に係るシグナル増強剤が免疫反応において上記の性質を有する理由は、一次抗体を固相に固定した後に上記シグナル増強剤で固相表面を被覆すると、固相表面と抗体との不要な相互作用が減少し、抗体の立体構造がより自然な状態(水中に分散している状態)に近くなるため、抗原結合がより多くできるからであると考えられる。
1.6 用途
本発明に係るシグナル増強剤は、基材表面に抗体や抗原等のタンパク質を固定し、生体分子の特異的反応を利用するシステム(例えば、ELISA法など)において、きわめて有用である。
例えば、ELISA法の1種であるサンドイッチ法での用途について説明する。まず、マイクロプレートのウェルやプラスチックチューブなどの基材表面にあらかじめ第1の抗体を結合させておく。次いで、上記シグナル増強剤を基材表面にコーティングさせる。これにより、この後に添加するタンパクの非特異吸着を防ぐことができるため、バックグラウンドを低下させシグナル強度を高めることができるようになる。その後、標的物質であるタンパクを添加すると、タンパクは抗体に特異的に結合する。夾雑物を洗い流した後、酵素標識した第2の抗体を添加すると、「第1の抗体/タンパク/第2の抗体」のサンドイッチ構造が構築される。ここで、遊離の酵素標識抗体を洗い流し、発色基質を添加すると、サンドイッチ構造の量に比例して発色反応が起こる。生成した発色物質の吸光度を吸光光度計で測定すると、上記シグナル増強剤でコーティングしていない場合に比べS/N比が飛躍的に向上する。
また、本発明に係るシグナル増強剤をポリスチレンやポリプロピレンなどの疎水性を有する容器もしくは器具にコーティングまたは添加することにより、容器もしくは器具壁面へのタンパクの付着を防止することができ、タンパクの活性を長期間に亘り維持することができる。具体的な用途として、例えば、臨床診断薬として使用される標識抗体・標識抗原・酵素・一次抗体・一次抗原の安定化剤、血漿製剤に含まれるタンパクの安定化剤、コンタクトレンズの洗浄に使用される酵素の安定化剤などが挙げられる。
2.シグナル増強剤の製造方法
本実施形態に係るシグナル増強剤である共重合体を製造するためのモノマー組成は、全モノマーを100質量%として、好ましくは、モノマー(A)30〜99質量%、モノマー(B)1〜70質量%、およびモノマー(C)0〜49質量%である。より好ましくは、モノマー(A)40〜95質量%、モノマー(B)5〜60質量%、およびモノマー(C)0〜20質量%である。特に好ましくは、モノマー(A)85〜92質量%、モノマー(B)8〜15質量%である。モノマー(B)が1質量%未満であると、得られた共重合体の水への溶解度が小さくなりすぎて、タンパクの非特異吸着を防ぐことができない。一方、モノマー(B)が70質量%を超えると、疎水性が増加しタンパクの非特異吸着を防ぐことができない。
本実施形態に係るシグナル増強剤である共重合体の形態は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、あるいはグラフトポリマーでもよい。
使用するモノマーは、工業用原料として入手することができるものを精製して、あるいは、未精製のまま、共重合に使用することができる。
モノマーの重合は、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など公知の重合法で行うことができる。製造が容易であることから、好ましくはラジカル重合であり、さらに好ましくは、水を溶媒とするラジカル重合である。
また、モノマーの重合は、公知の溶媒、開始剤、連鎖移動剤などと共に攪拌・加熱することにより実施される。重合時間は、通常30分〜24時間、重合温度は、0〜120℃程度である。
重合後の共重合体溶液は、透析膜、ダイアライザー、アシライザー等により精製することで、残留モノマーや開始剤残渣などの除去を行うことが好ましい。
3.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
3.1 シグナル増強剤の調製
3.1.1 実施例1
モノマー(A)としてN,N−ジメチルアクリルアミド70g、およびN,N−ジエチルアクリルアミド20g、モノマー(B)としてメタクリル酸メチル10g、連鎖移動剤としてシステアミン塩酸塩1gを水900gに混合して攪拌機付きセパラブルフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら、70℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド2gを添加した後、2時間重合を続け、さらに80℃に昇温して3時間エージングした後、室温まで冷却した。室温における共重合体水溶液は透明であった。得られた共重合体溶液をダイアライザーにより精製したのち、1%水溶液に濃度調整を行うことにより、実施例1に係るシグナル増強剤(N−1)を得た。
3.1.2 実施例2
モノマー(A)としてN,N−ジメチルアクリルアミド40g、およびジアセトンアクリルアミド20g、モノマー(B)としてアクリル酸2−メトキシエチル40g、連鎖移動剤としてシステアミン塩酸塩8gを水900gに混合して攪拌機付きセパラブルフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら、70℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド2gを添加した後、2時間重合を続け、さらに80℃に昇温して3時間エージングした後、室温まで冷却した。室温における共重合体水溶液は透明であった。得られた共重合体溶液をダイアライザーにより精製したのち、1%水溶液に濃度調整を行うことにより、実施例2に係るシグナル増強剤(N−2)を得た。
3.1.3 比較例1
モノマー(A)としてN,N−ジメチルアクリルアミド100g、連鎖移動剤としてシステアミン塩酸塩1gを水900gに混合して攪拌機付きセパラブルフラスコに入れた。これに窒素を吹き込みながら、70℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド2gを添加した後、2時間重合を続け、さらに80℃に昇温して3時間エージングした後、室温まで冷却した。室温における共重合体水溶液は透明であった。得られた共重合体溶液をダイアライザーにより精製したのち、1%水溶液に濃度調整を行うことにより、比較例1に係るシグナル増強剤(X−1)を得た。
3.1.4 比較例2
ウシ血清アルブミン粉末(シグマアルドリッチ社製)1gに水を加えて1%水溶液に濃度調整を行うことにより、比較例2に係るシグナル増強剤(X−2)を得た。
3.1.5 比較例3
PBSバッファー(リン酸緩衝液)をそのまま比較例3に係るシグナル増強剤(X−3)とした。
3.2 Sandwich ELISA測定
ヤギ抗マウスIgG抗体(ミリポア社製「AP127」)のPBSバッファー(0.1Mリン酸緩衝液)溶液10μg/mLをポリスチレン製96穴ウェルプレート(ナルジェヌンク社製「Maxisorp」)へ1ウェルあたり100μLずつ注ぎ、4℃で一昼夜振とうさせた。その後ウェル中の液を抜き取り、PBSバッファー350μLで3回洗浄したのちに、上記で調製したシグナル増強剤N−1、N−2、X−1、X−2およびX−3を350μLずつ注ぎ、25℃で1時間振とうさせることによりブロッキングを行った。その後ウェル中の液を抜き取り、さらにPBSバッファー350μLで3回洗浄したのちに、抗原としてマウスIgG(和光純薬製)のPBSバッファー溶液1,000ng/mL、100ng/mL、10ng/mL、0ng/mLのそれぞれを1ウェルあたり100μLずつ注ぎ、常温で1時間振とうさせた。その後ウェル中の液を抜き取り、PBSバッファー350μLで3回洗浄したのちに、西洋わさびパーオキシダーゼ酵素標識ヤギ抗マウスIgG抗体(ミリポア社製「AP124P」)のPBSバッファー溶液1μg/mLを1ウェルあたり100μLずつ注ぎ、常温で30分振とうさせた。その後ウェル中の液を抜き取り、PBSバッファーで3回洗浄したのちに、TMB発色試薬(ピアス社製「1−Step Ultra TMB−ELISA」)100μLおよび2N硫酸100μLで発色させて450nmの吸光度を測定した。
表1および図1に、Sandwich ELISA測定結果を示す。
Figure 2009222692
表1に示すとおり、シグナル増強剤としてN−1およびN−2を用いた場合、X−1〜X−3を用いた場合に比べて、抗原濃度0ng/mLにおける吸光度、すなわちノイズが低かった。また、図1に示すとおり、シグナル増強剤としてN−1およびN−2を用いた場合、X−1〜X−3を用いた場合に比べて、10ng/mL以上の抗原濃度におけるS/N比が大きく、シグナル増強効果が認められた。
各シグナル増強剤を用いた場合のSandwich ELISA測定結果である。

Claims (10)

  1. N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A)と、
    (メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B)と、
    を共重合することにより得られる共重合体を含有する、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  2. 請求項1において、
    さらに、前記共重合体は、アニオン性モノマーからなるモノマー(C)を含む、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  3. N置換(メタ)アクリルアミドからなるモノマー(A):30〜99質量%、
    (メタ)アクリル酸エステルからなるモノマー(B):1〜70質量%、
    アニオン性モノマーからなるモノマー(C):0〜49質量%、
    からなる共重合体を含有する、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  4. 請求項3において、
    前記共重合体を構成するモノマー組成は、モノマー(A):85〜92質量%、モノマー(B):8〜15質量%である、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記共重合体の重量平均分子量は、2,000〜50,000である、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記共重合体は、25℃において固形分濃度1%となるように水に添加したときに透明または半透明となる、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記モノマー(B)は、水への溶解度が20%未満である、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記モノマー(A)は、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびジアセトンアクリルアミドから選択される少なくとも1種である、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記モノマー(B)は、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルから選択される少なくとも1種を含む、免疫化学反応のシグナル増強剤。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の免疫化学反応のシグナル増強剤を、抗体が結合した担体に接触させる工程を含む、免疫学的測定方法。
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