JPH08120009A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JPH08120009A
JPH08120009A JP28253794A JP28253794A JPH08120009A JP H08120009 A JPH08120009 A JP H08120009A JP 28253794 A JP28253794 A JP 28253794A JP 28253794 A JP28253794 A JP 28253794A JP H08120009 A JPH08120009 A JP H08120009A
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water
aqueous solution
acrylic acid
polymerization
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JP28253794A
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English (en)
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Nobuyuki Oshima
信幸 大島
Ryoko Maeda
良子 前田
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/04Polymerisation in solution
    • C08F2/10Aqueous solvent

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アクリル酸のアルカリ金属塩中和物および水
混和性乃至水溶性架橋剤を含有してなる単量体水溶液に
重合反応開始剤を添加して水溶液重合を行いアクリル酸
アルカリ金属塩系重合体架橋物の吸水性樹脂を製造する
にあたり、該水溶液重合をポリマー系分散剤の存在下に
行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。 【効果】 吸水能を損なうことなく、ゲル安定性に優れ
た吸水性樹脂の製造方法を提供することができる。さら
には、特定の水溶液重合法を採用することでゲル安定性
に優れるとともに、吸水速度を飛躍的に向上させた吸水
性樹脂の製造方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性樹脂の製造方法
に関する。詳しくは、ゲル安定性に優れた吸水性樹脂の
製造方法に関する。さらに詳しくは、ゲル安定性に優れ
るとともに、吸水速度を改良した吸水性樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性樹脂は、生理用品、おむつ、使い
捨て雑巾等の衛生用品や保水剤、農園芸用品として使用
されている他、汚泥の凝固、建材の結露防止、油類の脱
水等の用途にも用いられている。かかる吸水性樹脂は、
使用される用途によりその要求性能は若干異なるもの
の、吸水性樹脂の用途の大部分を占める生理用品、紙お
むつ等では、一般に吸水性樹脂としてゲル強度に優れ、
かつゲルの安定性に優れたものが望まれている。さらに
は、紙おむつ等は薄型化されたものが主流となりつつあ
り、吸水速度のより速い吸水性樹脂も望まれている。
【0003】従来より、吸水性樹脂としては、例えば、
カルボキシメチルセルロース系架橋物、ポリオキシエチ
レン系架橋物、澱粉ーアクリロニトリルグラフトグラフ
ト系共重合の加水分解物、澱粉ーアクリル酸グラフト系
共重合体、アクリル酸塩系重合体架橋物等の各種のもの
が知られている。これらのなかでも特にアクリル酸塩系
重合体架橋物の吸水性樹脂が賞用されている。かかるア
クリル酸塩系重合体架橋物の吸水性樹脂は、アクリル酸
塩と架橋剤の水溶液重合法、逆層懸濁重合法等の各種重
合方法により製造されている。
【0004】アクリル酸塩系重合体架橋物の吸水性樹脂
において、ゲル安定性を向上させるには、一般的に架橋
剤を多くすればよいが、吸水能が低下してしまう。ま
た、ゲル安定性を向上させるために含酸素還元性無機塩
を添加した吸水性組成物(特開昭63−118375号
公報)や、熱、光に対する安定性を向上させるために水
溶解性リン酸系化合物を加えた吸水性組成物(特開昭6
4−33158号公報)等が知られているが、いずれの
組成物も十分なゲル安定性を有しているとはいえない。
【0005】また、吸水性樹脂の吸水速度を速くする方
法として、吸水性樹脂を微粒子化する方法が提案されて
いる(特開平2−284902号公報)。しかしなが
ら、吸水性樹脂の粒径が細かすぎると使用にあたり、作
業性等の点で問題があり好ましくない。また、吸水性樹
脂の吸水速度を速くする方法として、吸水性樹脂に水溶
性高分子又は水溶性界面活性剤をコーティングする方法
(特開昭57−168921号公報)、逆層懸濁重合法
を行う際に重合反応中に疎水性有機溶媒と水とを共沸さ
せることにより脱水し、多孔性の吸水性樹脂を製造する
方法(特開平3−287604号公報)、単量体の濃度
が55〜80重量%の範囲にある加温水溶液に、重合開
始剤を添加して外部加熱を行うことなく重合反応を行な
わせると共に水分を気化させポリアクリル酸塩架橋物乾
燥固体を得る方法がある(特開昭58−71907号公
報)等が提案されている。しかし、いずれの方法により
得られる吸水性樹脂も、吸水速度を十分満足していると
は言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸水能を損
なうことなく、ゲル安定性に優れた吸水性樹脂の製造方
法を提供することを目的とする。さらにはゲル安定性に
優れるとともに、吸水速度を改良した吸水性樹脂の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、ポリマー系分散剤の存
在下に、アクリル酸アルカリ金属塩系重合体を水溶液重
合により製造することにより、上記目的に合致した吸水
性樹脂が得られることを見出した。本発明はかかる新た
な知見に基づき完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、アクリル酸のアルカ
リ金属塩中和物および水混和性乃至水溶性架橋剤を含有
してなる単量体水溶液(以下、アクリル酸のアルカリ金
属塩中和物および水混和性乃至水溶性架橋剤を含有して
なる単量体水溶液を、単に単量体水溶液という)に重合
反応開始剤を添加して水溶液重合を行いアクリル酸アル
カリ金属塩系重合体の吸水性樹脂を製造するにあたり、
該水溶液重合をポリマー系分散剤の存在下に行うことを
特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関する。
【0009】本発明のアクリル酸のアルカリ金属塩中和
物とは、アクリル酸を、中和剤として水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ
や炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属化合
物を用いて中和したものをいう。本発明では特にアクリ
ル酸のカリウム塩中和物が好ましく、特に、所望の高濃
度水溶液を調製する場合には中和剤として水酸化カリウ
ムを使用するのが好ましい。なお、アクリル酸のアルカ
リ金属塩中和物の中和剤として、例えばアンモニア、ア
ミン等を用いる場合は、吸水性樹脂の収率が低くなり、
また吸水性樹脂の吸水能も低い。さらには吸水速度の点
からも好ましくない。
【0010】また上記アクリル酸のアルカリ金属塩中和
物は、アクリル酸の中和率が100モル%のものが望ま
しいが、必ずしも100モル%中和されている必要はな
く、通常、中和率が70モル%程度であればよい。従っ
て調製される単量体水溶液中には遊離のアクリル酸が3
0モル%程度の量まで含まれていてもよい。単量体水溶
液中に遊離のアクリル酸が多量に存在する場合には、重
合率の低下を招く不利がある。
【0011】水混和性乃至水溶性架橋剤としては、たと
えば、ジビニル系化合物、ポリエポキシ系化合物および
ポリアジリジニル系化合物等があげられ、本発明ではこ
れらのうちいずれか少なくとも1種を使用できる。
【0012】ジビニル系化合物としては、たとえば、
N,Nーメチレンビスアクリルアミド、N,Nーメチレ
ンビスメタクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルア
ミド類(以下、(メタ)とは同様の意味。);エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
ポリオール類とアクリル酸またはメタクリル酸との反応
により得られるジ(メタ)アクリル酸エステル類;ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリ
アルキレンポリアミン類とアクリル酸との反応により得
られるジアクリルアミド類;ジビニルベンゼン等の通常
の架橋剤を例示できる。これらのうちで特にN,Nーメ
チレンビスアクリルアミド、N,Nーメチレンビスメタ
クリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類が好
適である。ポリエポキシ化合物としては、ジグリシジル
エーテル類、トリグリシジルエーテル類等が挙げられ
る。ジグリシジルエーテル類としては、例えば(ポリ)
エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリン−
1,3−ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル等を例示できる。これらのうち
好ましいものとしては、(ポリ)エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジ
グリシジルエーテルである。ここで、(ポリ)エチレン
グリコールジグリシジルエーテル等においてアルキレン
オキシドの重合度は2〜50程度である。トリグリシジ
ルエーテル類としては、例えばトリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエ
ーテルが挙げられ、更に高官能基数のものとしてポリグ
リセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテル等をあげることができる。このうち好ましい
ものとしては、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグ
リセリンポリグリシジルエーテルがある。さらに、ポリ
エポキシ化合物としてポリアミド−ポリアミン縮合物の
エピクロルヒドリン変性物等も例示できる。ポリアジリ
ジニル化合物としては、2個以上のアジリジニル基を有
する化合物が挙げられる。例えば、テトラメチロールメ
タン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメ
チロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネ
ート、4,4´−ビス(エチレンイミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルメタン等を例示できる。
【0013】上記架橋剤の使用量は得られる吸水性樹脂
の吸水能、ゲル強度、ゲル安定性等を考慮して適宜決定
されるが、通常はアクリル酸のアルカリ金属塩中和物お
よび該架橋剤からなる単量体の合計中0.001〜1.
0重量%程度とするのがよい。好ましくは、0.001
〜0.3重量%、より好ましくは0.005〜0.5重
量%とするのが良い。0.001重量%に満たない場合
はゲル強度、ゲル安定性が低下する傾向にあり、1.0
重量%を越える場合は吸水能が十分でない。
【0014】なお、前記単量体であるアクリル酸のアク
リル酸アルカリ金属塩中和物及び架橋剤にくわえて、必
要により、アクリルアミド、アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸塩、低級アクリル酸エステル、メ
タクリル酸、ビニルピロリドン等を使用することもでき
るが、得られる吸水性樹脂の吸水能、保水能、ゲル強
度、ゲル安定性等を考慮すれば、その使用量は全単量体
の通常20重量%以下とするのが良い。
【0015】本発明に用いられるポリマー系分散剤は、
前記アクリル酸のアルカリ金属塩中和物および架橋剤を
含有する水溶液中に均一に溶解乃至分散される水混和性
乃至水溶性を有するものであれば特に制限はされない。
かかるポリマー系分散剤としては、たとえば各種不飽和
単量体(アニオン性不飽和単量体、カチオン性不飽和単
量体、ノニオン性不飽和単量体)を共重合させて得られ
るアニオン性共重合体、カチオン性共重合体、両性共重
合体のいずれも有効に使用できる。
【0016】一般に、アニオン性共重合体とは、アニオ
ン性不飽和単量体20〜80重量%、好ましくは30〜
70重量%及びノニオン性不飽和単量体20〜80重量
%、好ましくは30〜70重量%からなる重合体をい
う。カチオン性共重合体とは、カチオン性不飽和単量体
1〜90重量%、好ましくは10〜60重量%及びノニ
オン性不飽和単量体10〜99重量%、好ましくは40
〜90重量%からなる共重合体をいう。両性共重合体と
は、アニオン性不飽和単量体1〜60重量%、好ましく
は10〜40重量%、カチオン性不飽和単量体1〜60
重量%、好ましくは10〜40重量%及びノニオン性不
飽和単量体20〜90重量%、好ましくは20〜80重
量%からなる共重合体をいう。
【0017】アニオン性不飽和単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の
各種エチレン性不飽和カルボン酸またはこれらのアンモ
ニウム塩もしくはアルカリ金属塩があげられる。これら
のなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
尚、アニオン性不飽和単量体成分をアンモニウム塩やア
ルカリ金属塩となすには後述する重合方法により共重合
体を得た後、アンモニア、低級アミン類、アルカリ金属
水酸化物等のアルカリ物質を使用して中和してもさしつ
かえない。かかるアニオン性不飽和単量体は得られるポ
リマー系分散剤である共重合体にアニオン性を付与する
ために使用されるものである。
【0018】カチオン性不飽和単量体としては、N,N
−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,
N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト;N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリルアミドおよび、これらの鉱酸塩及
びこれらの第4級化物;アリルアミン、ジアリルアミ
ン、ジアリルモノメチルアミン、ジメチルジアリルアン
モニウムクロリド等があげられる。上記鉱酸塩となすた
めに使用する鉱酸としては塩酸、硫酸などが好適であ
る。また上記4級化剤としては、特に制限はされず各種
公知のものを使用できるが、好ましくはエピハロヒドリ
ン、ハロゲン化メチル、ベンジルハライド、メチル硫酸
等を例示しうる。なお、4級化反応は単量体に対して行
なうことの他、当然に得られた共重合体に対しても行な
うことができる。これらのなかでも、特にN,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれ
らの鉱酸塩及びこれらの第4級化物が好ましい。
【0019】ノニオン性不飽和単量体としては、一般
式:CH2 =CH(R1 )COOR2(R1 は水素原子
またはメチル基を示し、R2 は炭素数1〜22のアルキ
ル基または炭素数3〜22のアルケニル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、ベンジル基、グリシジル基、炭素
数1〜24のヒドロキシアルキル基、フルフリルアルコ
ール残基、天然ロジンから誘導されるロジンアルコール
残基または一般式:−(AO)n −R3 (Aは炭素数2
〜3アルキレン基、R3 は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルキルフェ
ニル基または炭素数1〜20のアラルキルフェニル基を
示す)で表されるポリアルキレングリコール基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α
−メチルスチレン等のスチレン類や、これらスチレン類
の芳香環に炭素数1〜4のアルキル基を有するスチレン
系化合物のスチレン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル類;炭素数6〜22のα−
オレフィン、炭素数1〜22のアルキルビニルエーテ
ル、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリロニトリルがあげられる。これらのなかで
も、(メタ)アクリル酸エステル(特にR2 が炭素数1
〜9のアルキル基)、スチレン系単量体(特にスチレ
ン)が好ましい。
【0020】かかるポリマー系分散剤を具体的に示せ
ば、アニオン性共重合体としては、スチレン−(メタ)
アクリル酸系共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)
アクリル酸エステル系共重合体等があげられる。また、
カチオン性共重合体の具体例としては、スチレン−N,
N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系
共重合体、スチレン−N,N−ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド系共重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート系共重合体、(メタ)アクリル酸エス
テル−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リルアミド系共重合体等があげられる。また、両性共重
合体の具体例としては、スチレン−(メタ)アクリル酸
−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−N,
N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド
系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)ア
クリル酸−N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル
−(メタ)アクリル酸−N,N−ジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリルアミド系共重合体等があげられ
る。
【0021】前記ポリマー系分散剤は、前記例示の各種
不飽和単量体を溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の各種
公知の方法により製造できる。なお、重合開始剤として
は特に限定はされず、過硫酸塩類、過酸化物、アゾ化合
物、レドックス系開始剤などの各種のものを使用でき
る。また、溶液重合による場合には溶媒としてイソプロ
ピルアルコール、メチルイソブチルケトン等を使用でき
る。また、乳化重合方法では、各種の界面活性剤を使用
でき、たとえば、アニオン性界面活性剤としては、ジア
ルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−
オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル
塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩
等、ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル等を例示することができ、これらの1種または2種
以上を適宜選択して使用することができる。その使用量
はポリマー系分散剤を構成する不飽和単量体全仕込量に
対して通常は0.1〜10重量%程度とされる。
【0022】前記本発明のポリマー系分散剤である各種
共重合体の分子量は、通常、重量平均分子量1000〜
200000であるのが好ましい。なお、前記分子量範
囲に調節するには公知の連鎖移動剤であるイソプロピル
アルコール、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピ
ルベンゼン、クメン、チオグリコール酸エステル、アル
キルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテン等を適宜に使用すればよい。その使用量は
ポリマー系分散剤を構成する不飽和単量体全仕込量に対
して通常は0.5〜30重量%程度とされる。
【0023】本発明の吸水性樹脂の製造にあたっては、
前記アクリル酸のアルカリ金属塩中和物および水混和性
乃至水溶性架橋剤を含有してなる単量体水溶液に、前記
ポリマー系分散剤を添加して水溶液重合を行う。ポリマ
ー系分散剤の使用量は、単量体水溶液中の全単量体量の
0.001〜2.0重量%程度、好ましくは0.005
〜1.5重量%である。ポリマー系分散剤の使用量が、
0.001重量%より少ない場合には、得られる吸水性
樹脂のゲル安定性が十分に改良されず、また吸水速度の
向上もみられない。2.0重量%を越える場合には、吸
水能が低下するほか、高濃度で重合する場合に得られる
乾燥固体の粉砕性が悪くなり好ましくない。
【0024】以下に、水溶液重合について説明する。単
量体水溶液を水溶液重合する方法は特に限定されず、公
知の手段を採用できる。本発明では、公知の手段のなか
でも、単量体水溶液の濃度を55〜80重量%の範囲に
調整した加温水溶液に、重合反応開始剤を添加し、外部
加熱を行うことなく水溶液重合を行わせると共に水分を
気化させる方法を採用することにより、得られる吸水性
樹脂の吸水速度を飛躍的に向上できる。まず、この方法
について説明する。
【0025】上記方法を採用する場合、単量体水溶液の
濃度は、好ましくは65〜75重量%であり、通常、水
中にアクリル酸、水酸化アルカリ等の中和剤、前記架橋
剤を上記濃度となる量で投入することにより容易に調製
される。この際充分な溶解を行わせるために若干加熱操
作を採用することもできる。単量体濃度が55重量%に
満たない場合は、吸水速度の飛躍的な向上はみられず、
また低含水率の乾燥固体は得られないため、得られる吸
水性樹脂は引き続き乾燥工程を経なければならず、煩雑
である。しかも製品コストを上昇させるため、製品品質
を低下させるおそれもあり、用途に応じた粉末形態とす
ることができない。また上記単量体濃度を80重量%を
超える濃度とすることは、該単量体の溶解度の点からも
困難であり、実用的でない。
【0026】次いで、上記所定濃度に調整された単量体
水溶液は予め加温された後、これに重合反応開始剤を添
加して水溶液重合を開始させる。単量体水溶液の加温条
件は、重合反応開始剤の添加により重合反応が開始され
ることを前提として特に制限はないが、通常50〜85
℃程度、好ましくは60〜75℃程度とすればよい。な
お、ポリマー系分散剤は重合反応開始剤とともに添加し
てもよく、予め単量体水溶液中に仕込んでおいてもよ
い。
【0027】重合反応開始剤としては、従来よりアクリ
ル酸の水溶液重合に使用されているものをいずれも使用
できる。例えばアルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫
酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム等の
還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム
等の開始剤との組み合わせよりなるレドックス系開始剤
や、アゾビスイソブチロニトリル、4−t−ブチルアゾ
−4´−シアノ吉草酸、4,4´アゾビス(4−シアノ
吉草酸)、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)2塩酸塩等のアゾ系開始剤等を適宜選択使用でき
る。これらのうちでは、特に過硫酸アンモニウムと亜硫
酸水素ナトリウムとの組み合わせよりなるレドックス系
開始剤及びアゾビスイソブチロニトリル叉は2,2´−
アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩等のアゾ系開
始剤等が好適である。上記重合反応開始剤は、通常水溶
液の形態で有利に用いられるが、例えば適当な溶媒で希
釈して用いることもできる。かかる重合反応開始剤の使
用量は、通常単量体水溶液中の全単量体量の0.1〜1
0重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度とする
のがよい。また上記重合反応開始剤の種類及び使用量に
よっては、これと共にイソプロピルアルコールやアルキ
ルメルカプタン等の通常の連鎖移動剤を併用して、生成
するポリアクリル酸塩の分子量を調節することができ
る。
【0028】上記単量体加温水溶液への重合反応開始剤
の添加により、外部加温を何等行わずとも本発明の水溶
液重合及び水分の気化が行われる。上記重合反応開始剤
の添加による重合反応及び水分の気化は、より有利に
は、単量体加温水溶液に重合反応開始剤またはその水溶
液の所定量を添加混合し、この混合液を移動するベルト
上に流下延展させることにより実施される。なお、重合
反応開始剤を水溶液の形態で用いる場合、単量体水溶液
濃度が前述した所定濃度を下回らないようにしなければ
ならない。また上記ベルト上への混合液の流下に当たっ
ては、該ベルトの混合液流下部分に更に重合反応開始剤
を配置しておくこともできる。
【0029】上記単量体加温水溶液への重合反応開始剤
の添加によれば、混合後極めて速やかに重合反応が開始
され、短時間(通常30秒〜10分程度)で反応は完結
する。しかもこの反応は発熱反応であり、反応系はこの
重合熱により速やかに100〜130℃程度に上昇しこ
れによって系内の水分は外部より他に何等加熱等を行わ
ずとも急速に気化蒸発し、低含水率のアクリル酸アルカ
リ金属塩系重合体架橋物の吸水性樹脂(乾燥固体)が取
得される。得られる重合体の含水率は、反応条件等によ
り若干異なるが通常15%以下、好ましくは10%以下
であり、これは引き続き何らの乾燥工程を要することな
く、単に常法に従い粉砕等を行うのみで所望の粉末製品
とする事ができる。かかる、水溶液重合法によればきわ
めて迅速且つ容易に通常含水率が15%以下の乾燥固体
状態のアクリル酸アルカリ金属塩系重合体架橋物を収得
でき、得られる重合体乾燥固体は、これを引き続き通常
の粉砕機等を用いて容易に粉末化することができる。か
くして得られる粉末は、ゲル安定性に優れる他、吸水速
度が従来になく速く、優れた吸水能を有する。
【0030】上記以外の水溶液重合としては、単量体水
溶液の濃度を25〜65重量%、好ましくは30〜60
重量%に調整して、紫外線照射下で重合を行う方法があ
げられる。単量体濃度が25重量%に満たない場合は得
られる吸水性樹脂の重合度が低下する傾向があり、他方
65重量%を越える場合は反応時の反応系温度が高くな
りやすく、保水性良好なものが得にくい傾向にあるとい
う不利がある。
【0031】水溶液重合を紫外線照射下で行う場合に
は、重合反応開始剤として、各種公知の光開始剤を使用
できる。たとえば、2,2´−アゾビス(N,N´−ジ
メチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2´−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン) 2塩酸塩、2,2´−
アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)
2塩酸塩等のアミジノ基を有する水溶性アゾ化合物や、
一般に紫外線重合に利用される光開始剤または光増感
剤、たとえば、ジアセチル、ベンゾイン、ベンジル、ア
ントラキノン、アセトフェノン、ジフェニルジスルフィ
ド、ベンゾフェノン及びこれらの各種誘導体の少なくと
も一種を使用できる。これらのなかでも、水溶液重合す
るに際しての重合速度、ラジカル発生温度、単量体水溶
液への溶解性等を考慮すれば、前記水溶性アゾ化合物が
好ましい。尚、水溶液重合に際しては前記光開始剤に加
えて過硫酸カリウムなどの水溶性熱重合開始剤を併用す
ることもできる。かかる重合反応開始剤は、単量体水溶
液に撹拌混合して溶解させる。なお、重合反応開始剤と
して用いる光開始剤の使用量は、通常単量体水溶液中の
全単量体量の0.1〜10重量%程度、好ましくは0.
5〜5重量%程度とするのがよい。
【0032】紫外線の光量としては、特に制限されない
が、通常、20〜3500mJoule/cm2 程度と
するのが良い。この範囲より少ない場合は重合が不十分
であり、またこの範囲より多い場合は過剰のエネルギー
照射のため架橋構造が切断され低分子量物が生成し、べ
とつき感を生ずることがあるので好ましくない。好まし
い光量は20〜2000mJoule/cm2 である。
また、紫外線照射に使用する光源としては、従来公知の
光源、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を
いずれも使用でき、前記液厚み等の反応条件を考慮して
適宜決定される。照射波長も、特に限定されないが、通
常200〜450nmの波長光が使用できる。紫外線照
射により直ちに反応が開始する。照射時間は、上記光量
になるように適宜決定されるが、例えばエンドレスベル
トを用いた場合は、上記条件下照射箇所を通常約数秒〜
数分程度の短時間経過すれば、反応が完結する。
【0033】なお、本発明では上記例示の水溶液重合の
他、単量体水溶液の濃度を適宜に調整し、重合反応開始
剤およびポリマー系分散剤を加えて、水溶液中で重合す
る方法を採用できることはもとよりである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、吸水能を損なうことな
く、ゲル安定性に優れた吸水性樹脂の製造方法を提供す
ることができる。さらには、特定の水溶液重合法を採用
することでゲル安定性に優れるとともに、吸水速度を飛
躍的に向上させた吸水性樹脂の製造方法を提供すること
ができる。こうして得られる吸水性樹脂は、例えば生理
用品、紙おむつ(特に薄型化された紙おむつ)、使い捨
てぞうきん等の衛生用品や農林園芸関係の保水剤、諸工
業用脱水剤、汚泥凝固剤、増粘剤、建材の結露防止剤等
の各種用途に利用できる。
【0035】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例をあげ
て、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。なお、各例において部およ
び%は特記しない限り重量基準である。
【0036】製造例1 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応装
置に、スチレン50部、メタクリル酸2ーエチルヘキシ
ル10部、メタクリル酸40部、ラウリルメルカプタン
5部、ポリオキシエチレン(n=13)ドデシルフェニ
ルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩5部、ポリオキ
シエチレン(n=9)オレイルエーテル2部、過硫酸カ
リウム3部および水400部を混合し、80℃で4時間
反応を行った。その後、冷却し、50℃で前記メタクリ
ル酸と等モルのアンモニアを加えて1時間撹拌し、アニ
オン性共重合体のポリマー系分散剤を20%含有する水
溶液を得た。重量平均分子量は10000であった。
【0037】製造例2 製造例1において、各不飽和単量体に代えてメタクリル
酸n−ブチル50部、メタクリル酸ラウリル10部およ
びメタクリル酸40部をモノマーとして用いた以外は、
製造例1と同様に反応を行い、アニオン性共重合体のポ
リマー系分散剤を20%含有する水溶液を得た。重量平
均分子量は15000であった。
【0038】製造例3 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応装
置に、イソプロピルアルコール230部、スチレン70
部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライ
ドの80%水溶液37.5部を仕込み、窒素ガス雰囲気
下で撹拌した。その後、アゾビスイソブチロニトリル3
部を加え80℃まで昇温し4時間保持し、さらにアゾビ
スイソブチロニトリル1部を追加し、3時間同温度に保
持した後、イオン交換水150部を加えてイソプロピル
アルコールの留去を行った。留去終了後、イオン交換水
を加え、カチオン性共重合体のポリマー系分散剤を30
%含有する水溶液を得た。重量平均分子量は6000で
あった。
【0039】製造例4 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応装
置に、イソプロピルアルコール130部、イオン交換水
100部、メタクリル酸エチル40部、アクリル酸nー
ブチル25部、メタクリルアミドプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド35部を仕込んだ。この混合液を
撹拌しながら窒素ガス雰囲気下で50℃まで昇温した。
次いで過硫酸アンモニウムの5%水溶液60部を加え、
80℃まで昇温し、3時間保持した後、過硫酸アンモニ
ウムの5%水溶液20部を追加した。さらに2時間同温
度に保持した後、イオン交換水50gを加え、イソプロ
ピルアルコールの留去を行った。留去終了後、イオン交
換水を加え、カチオン性共重合体のポリマー系分散剤を
30%含有する水溶液を得た。重量平均分子量は110
00であった。
【0040】製造例5 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却器を備えた反応装
置に、イオン交換水250部、アクリルアミドの50%
水溶液100部、アクリル酸の80%水溶液25部、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライドの8
0%水溶液37.5部、イソプロピルアルコール160
部を仕込んだ。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰囲
気下で60℃まで昇温した。次いで、過酸化アンモニウ
ムの5%水溶液20部を加え、80℃まで昇温し、3時
間保持し、さらに過酸化アンモニウムの5%水溶液10
部を加え、同温度で2時間保温した。イソプロピルアル
コールを留去した後、イオン交換水を加え、両性共重合
体のポリマー系分散剤を20%含有する水溶液を得た。
重量平均分子量は15000であった。
【0041】実施例1 98%アクリル酸73.6部を脱イオン水20.1部に
加え、更にこれに中和剤として純度96%の水酸化カリ
ウム43.8部と、ジビニル系化合物としてN,N−メ
チレンビスアクリルアミド0.01部とを順次添加し、
さらに、製造例1で得られたポリマー分散剤を1.25
部(固形分として、全単量体に対して0.25%)を混
合し、アクリル酸の中和度75モル%、全単量体濃度7
3%の単量体水溶液を調製した。上記で調製された単量
体水溶液を70℃に保温し、過硫酸アンモニウムの18
%水溶液2.9部(固形分、全単量体に対して0.5
%)及び亜硫酸水素ナトリウムの30.6%水溶液1.
7部(固形分、全単量体に対して0.5%)を混合し、
混合液をエンドレスの移動ベルト上に厚さ約10mmの
層状に流下延展させた。約30秒後、重合反応が開始さ
れ、該反応は約1時間で完結させた。その間の最高温度
は約120℃であった。かくして含水率11%のアクリ
ル酸カリウム塩系重合体架橋物の帯状乾燥固体を得た。
これを粉砕機により粉砕することにより粉末化し、吸水
性樹脂粉末を得た。
【0042】実施例2〜7 実施例1において調製された単量体水溶液の濃度、その
保温温度、中和剤の種類、中和度、開始剤の種類もしく
はその使用量、またはポリマー系分散剤もしくはその使
用量を表1に示すように変えた他は、実施例1と同様の
方法により吸水性樹脂粉末を得た。
【0043】実施例8 氷冷下、アクリル酸328部及び水543.2部に、水
酸化ナトリウム136.55部を加えて中和した後、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル0.040g、
製造例5で得られたポリマー分散剤を20部(固形分と
して、全単量体に対して1.0%)及び2,2´−アゾ
ビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩
酸塩0.403g(固形分、全単量体に対して0.1
%)を加えて溶解後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を
追い出し、液温を20℃にして、アクリル酸の中和度7
5モル%、全単量体濃度40%の単量体水溶液を調製し
た。この調製された単量体水溶液176.7部を内径1
50mm、深さ25mmのガラス性シャーレに液厚み
8.6mmとなるように加え、コンベアー型紫外線硬化
装置(アイグラフィックス(株)製、高圧水銀ランプ2
KW×2灯、80W/cm、発光波長250nm)にて
光量900mJoule/cm2 となるようにベルト速
度10m/分、照射時間10.8秒で紫外線照射し、厚
さ9mmのゴム状弾性のある含水状架橋重合体(含水率
約53%)を得た。そして、これを熱風乾燥機中140
℃で2時間乾燥し後、粉砕機で粉砕し、吸水性樹脂粉末
を得た。
【0044】比較例1〜8 実施例1〜8において、ポリマー系分散剤を添加しない
こと以外は実施例1〜8と同様の方法により吸水性樹脂
粉末を得た。
【0045】比較例9 実施例1において、製造例1で得られたポリマー分散剤
に代えて、ポリオキシオクチルフェニルエーテル(ノイ
ゲンEA−142、第一工業製薬(株)製)を使用した
以外は実施例1と同様の方法により吸水性樹脂粉末を得
た。
【0046】実施例または比較例で得られた吸水性樹脂
粉末の吸水能、吸水速度、ゲル安定性を以下の方法で評
価した。評価結果を表2に示す。
【0047】吸水能:粉末1g(絶乾重量換算)を供試
水に投入後、該粉末が吸収した供試水の重量(g)を求
めた。
【0048】吸水速度:100mlビーカーに50.0
gの生理食塩水を秤取した後、温度を25±0.5℃に
調整し、これをマグネティックスターラを使用して60
0rpmで撹拌した。試料(粉末)2.00gを精秤
し、渦中に投入と同時にストップウオッチによる計測を
開始し、渦が消えて液面が水平となった時点を終点と
し、終点までに要した時間を(秒)を吸水速度とした。
【0049】ゲル安定性:フラッフパルプシートに、
0.015g/cm2 の割合で吸水性樹脂粉末を散布
し、さらにフラッフパルプシートを重ねて給水マットを
作成した。このマットの中央部に人工尿(人工尿1リッ
トル中の組成:尿素20.0g、塩化ナトリウム8.0
g、塩化カルシウム2水和物0.3g、硫酸マグネシウ
ム0.8g)100mlを添加して、40℃で保存し
た。1時間後、3時間後、16時間後の吸水ゲルのベト
ツキ感を、手の感触により、以下の基準で評価した。 ◎:ゲルの強度に変化なし。○:ゲルの強度が少し弱く
なっている。△:ゲルの強度がかなり弱くなっている。
×:ゲルが形状を留めていない。
【0050】
【表1】
【0051】表1中、中和剤:Kは水酸化カリウム、N
aは水酸化ナトリウムをいい、重合反応開始剤:APS
/SBSは過硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素ナトリウ
ムの等量物、その使用量はAPS/SBSの合計量、V
−50は2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)
2塩酸塩(V−50、和光純薬工業(株))をいう。
【0052】
【表2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸のアルカリ金属塩中和物およ
    び水混和性乃至水溶性架橋剤を含有してなる単量体水溶
    液に重合反応開始剤を添加して水溶液重合を行いアクリ
    ル酸アルカリ金属塩系重合体架橋物の吸水性樹脂を製造
    するにあたり、該水溶液重合をポリマー系分散剤の存在
    下に行うことを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体水溶液の濃度が55〜80重量%
    の範囲にある加温水溶液に、重合反応開始剤を添加し、
    外部加熱を行うことなく水溶液重合を行わせると共に水
    分を気化させることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 単量体濃度が65〜80重量%である請
    求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 加温水溶液の液温が50〜85℃である
    請求項2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水混和性乃至水溶性架橋剤が、ジビニル
    系化合物、ポリエポキシ系化合物およびポリアジリジニ
    ル系化合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1
    〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリマー系分散剤が、アニオン性共重合
    体、カチオン性共重合体および両性共重合体から選ばれ
    たいずれか少なくとも1種である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の製造方法。
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