JP4550256B2 - 吸水性樹脂の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は吸収性能に優れた吸水性樹脂の新規な製造法に関する。更に詳しくは、吸水性能が高く、かつその吸水ゲルが経時安定性に優れた吸水性樹脂の製造法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
紙オムツ等の吸収性物品に用いられる吸水性樹脂や、農園芸用保水ゲル、保冷剤用ゲル、人工雪用ゲル、土木工事用止水剤や滑剤など、吸水ゲルの状態で利用される吸水性樹脂に対しては、吸水ゲルの耐久性(経時安定性)が要求される。
しかしながら、従来の吸水性樹脂は、多量の水や尿などを吸収する能力は優れているものの、吸水状態での安定性に極めて乏しいものである。例えば、吸水したゲル状物を長時間放置しておくと、加水分解して流動化し、ゲル状物の形態を保持できなくなることが多い。したがって、上記のようにゲルの安定性が要求される用途には、実用上大きな障害になっている。
吸水ゲルの経時安定性を改良する方法として、アクリル酸系単量体にヒンダードアミン基含有アクリル酸エステルをを共重合する方法(特開平4−103607号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法は、その効果が小さく、実用上の問題を解決するには未だ不充分である。この方法は、耐熱性や耐光性にはある程度の効果を示すものの、加水分解防止という点では未だ不充分である。すなわち、加水分解を防止するには吸水性樹脂の基本的な構成要素である架橋構造を安定化させる必要があるが、この方法では架橋構造に関しては従来の吸水性樹脂と比べて何ら改善が加えられていないからである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、吸水性能に優れ、吸水ゲルの経時安定性(架橋構造の耐加水分解性)に優れた吸水性樹脂を得るべく、架橋構造の改良に着目して鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、水溶性及び/又は加水分解により水溶性となる1種以上のラジカル重合性単量体(a)と重量平均分子量1000未満の架橋剤(b)を、水存在下でラジカル重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、共重合性二重結合を分子内に2個以上有する重量平均分子量1000〜30万の水溶性若しくは水分散性若しくは水膨潤性若しくは吸水性の親水性樹脂(c)を共存させて重合を行い、(c)が、水溶性のラジカル重合性単量体及び/若しくは加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体を重合して得た樹脂に二重結合及び官能性基を有する化合物を反応して二重結合を導入する方法により得られるものであることを特徴とする吸水性樹脂(A1)の製造法;並びにその製造法で得られる吸水性樹脂;並びに衛生材料である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、吸水性樹脂の製造に使用されるラジカル重合性単量体(a)としては、水溶性のラジカル重合性単量体(a1)、及び加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体(a2)が挙げられる。
水溶性のラジカル重合性単量体(a1)としては、少なくとも1個のカルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、燐酸(塩)基、水酸基、アミド基、アミノ基、4級アンモニウム塩基等の親水性基を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。
【0006】
カルボン酸(塩)基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー;並びに、これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩などが挙げられる。
スルホン酸(塩)基を有する単量体としては、例えば、脂肪属または芳香属ビニルスルホン酸(塩)類[例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸類(スルホプロプル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸等)、及びこれらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)などが挙げられる。
燐酸(塩)基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル燐酸モノエステル[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェートなど]、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類[例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩)等]などが挙げられる。
【0007】
水酸基を有する単量体としては、例えば、モノエチレン性不飽和アルコール[例えば、(メタ)アリルアルコール等];ポリオール(例えば、アルキレングリコール、グリセリン、ポリオキシアルキレングリコール等)のモノエチレン性不飽和エステルまたはエーテル[例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ−オキシエチレン−オキシプロピレン(ランダムまたはブロック)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル(末端の水酸基はエーテル化またはエステル化されていてもよい)等]などが挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N−メチルアクリルアミドなど)、N,N’−ジアルキルアクリルアミド[例えば、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジ−n−またはi−プロピルアクリルアミドなど]、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなど];N,N’−ジヒドロキシ(メタ)アクリルアミド[例えば、N,N’−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルラクタム類[例えば、N−ビニルピロリドン等]などが挙げられる。
【0008】
アミノ基を有する単量体としては、例えば、モノエチレン性不飽和モノ−またはジ−カルボン酸のアミノ基含有エステル、ジアルキルアミノアルキルエステル、ジヒドロキシアルキルアミノアルキルエステル、モルホリノアルキルエステル等[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、 ジメチルアミノエチルフマレートなど]、複素環式ビニル化合物[例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンN−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、N−ビニルイミダゾール等]などが挙げられる。
第4級アンモニウム基を有する単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系単量体の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等が挙げられる。
【0009】
加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体(a2)としては、少なくとも1個の加水分解性基(エステル基、ニトリル基、アミド基等)を有するモノマーが挙げられる。エステル基を有するモノマーとしては、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキル(C1〜C3)エステル[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等]、モノエチレン性不飽和アルコールのエステル[例えば、酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等]等が挙げられる。ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは水溶性のラジカル重合性単量体(a1)である。更に好ましくは、カルボン酸(塩)基を有する単量体であり、特に好ましくはアクリル酸および/またはアクリル酸塩である。これらラジカル重合性単量体(a)は単独で使用してもよく、また、必要により2種以上を併用してもよい。
【0010】
(a1)として酸型の単量体を選択し、単量体段階で中和せずに重合する場合、重合後にアルカリ物質(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルウム、炭酸ナトリウムなど)で中和される。その中和度は、通常、重合体中の酸基の50〜90モル%、好ましくは60〜80モル%である。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高く、そのため吸水性樹脂を作業性よく製造することが困難となる。更に得られる吸水性樹脂の保水量も低下する。一方、中和度が90%を越える場合、得られた重合体のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される。
また、単量体水溶液の段階で一部中和(例えば、10〜30モル%中和)を行い、重合生成物である含水ゲル重合体の状態で更に追加の中和を行うこともできる。好ましくは、得られる重合体が高分子量で水可溶性成分量が少なく、且つ保水量の大きな吸水性樹脂が得られると言う点で、酸型のラジカル重合性単量体(例えば、アクリル酸)を重合して含水ゲル重合体にし、その後中和する方法である。
(a2)を用いた場合は、加水分解は重合前に加水分解してもよいし重合後に加水分解してもよい。加水分解の条件は特に限定はなくラジカル重合と同じ条件でよい。加水分解度は(a2)の種類によって異なり(a2)が水溶性となれば特に限定はないが、好ましくは30〜100%であり、特に好ましくは50〜100%である。
【0011】
本発明において、重量平均分子量1000未満の架橋剤(b)としては、2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)、ラジカル重合性単量体(a)の官能基と反応性し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b2)、ラジカル重合性単量体(a)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物(b3)が挙げられる。(b)の重量平均分子量は好ましくは500未満である。
2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールのポリ−(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アリルエーテル;ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等のアリロキシアルカン類等が挙げられる。
【0012】
ラジカル重合性単量体(a)の官能基と反応性し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b2)としては、カルボン酸(塩)基、ヒドロキシル基、アミノ基等と反応し得る官能基を有するラジカル重合性化合物等が挙げられ、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有するラジカル重合性モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー等が例示される。
【0013】
ラジカル重合性単量体(a)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物(b3)としては、カルボン酸(塩)基、ヒドロキシル基、アミノ基等と反応し得る官能基を2個以上有する多官能性化合物が挙げられ、グリオキザール;フタル酸、アジピン酸等のポリカルボン酸;(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール;エチレンジアミン等の(ポリ)アルキレンポリアミン;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が例示される。
これらのうち、好ましくは2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)であり、更に好ましくは、アリロキシアルカン類である。
これら架橋剤(b)は単独で使用してもよく、また、必要により2種以上併用してもよい。
【0014】
架橋剤(b)の使用量は、ラジカル重合性単量体(a)の質量に基づいて、通常0.001〜5質量%、好ましくは、0.01〜2質量%である。(b)の量が0.001%未満では得られた樹脂は吸水時のゲル強度が小さくゾル状になり生産性が悪く、且つ水可溶性成分量が多くなる。一方、5質量%を越えると逆にゲル強度が過大となりすぎ、保水量が低下する。
本発明において、(b)の使用量は、従来の吸水性樹脂を製造する場合の使用量に比べて少ない量でよい。この理由は、親水性樹脂(c)が高分子架橋剤としての働きをするからである。
【0015】
本発明において、共重合性二重結合を分子内に2個以上有する重量平均分子量1000〜30万の水溶性若しくは水分散性若しくは水膨潤性若しくは吸水性の親水性樹脂(c)を共存させて重合を行うことを必須条件としている。共重合性二重結合の数は好ましくは分子中に2〜5000個であり、さらに好ましくは5〜1000個である。親水性とは水溶性若しくは水分散性若しくは水膨潤性若しくは吸水性を意味し、水溶性樹脂、水溶性でなくても界面活性剤等の分散剤等により水中に分散する樹脂、水溶性樹脂が架橋した水膨潤性樹脂及び吸水性を有する樹脂を指す。好ましくは水溶性樹脂である。樹脂の種類としては、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、ポリアミン樹脂等特に限定はないが、好ましくはビニル系樹脂である。特に好ましくはラジカル重合法により得られるビニル系樹脂である。
【0016】
本発明において(c)を得る方法としては、例えば(i)水溶性のラジカル重合性単量体及び/もしくは加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体を通常の方法で重合して得た樹脂に特定の化合物を反応して二重結合を導入する方法、(ii)水溶性のラジカル重合性単量体及び/もしくは加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体をアリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレートなどの反応性の異なる二重結合を有する単量体と通常の方法で共重合して得る方法がある。(i)、(ii)の方法の内、反応性に優れ、共重合性二重結合の量を自由にコントロールできるという点で(i)の方法が好ましい。
(i)、(ii)の水溶性のラジカル重合性単量体としては、少なくとも1個のカルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、燐酸(塩)基、水酸基等の親水性基を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。水溶性のラジカル重合性単量体および加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体の具体的な例については、前述の単量体類と同じである。好ましい単量体は、少なくとも1個のカルボン酸(塩)基を有するラジカル重合性単量体、およびこのカルボン酸基含有単量体とスルホン酸(塩)基、燐酸(塩)基、水酸基等の親水性基を有するラジカル重合性単量体との混合系である。特に好ましくは、吸水性樹脂を構成する単量体と同じ種類の単量体であり、例えば、吸水性樹脂がカルボン酸(塩)基を主構成単位とする場合には、(c)もカルボン酸(塩)基を50質量%以上の主構成単位とする樹脂が好ましい。
【0017】
(i)の方法で使用できる特定の化合物としては、親水性樹脂中の親水性官能基であるカルボン酸(塩)基、カルボン酸無水基、水酸基、スルホン酸(塩)基、エポキシ基、リン酸(塩)基、アミノ基、ハロゲン等と反応する官能性基を有し、且つ二重結合を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えばビニルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸等のスルホン酸(塩)基及び二重結合を有する化合物;(メタ)アクリル酸等のカルボン酸(塩)基及び二重結合を有する化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート等の水酸基及び二重結合を有する化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基及び二重結合を有する化合物、無水マレイン酸、無水フマル酸等の酸無水物基及び二重結合を有する化合物、アリルアミン等のアミノ基及び二重結合を有する化合物、(メタ)アクリル酸クロライド等、(メタ)アクリル酸スルホエチル等が挙げられる。
好ましくはエポキシ基含有化合物であり、特に好ましくはグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルである。親水性樹脂中の親水性官能基を該化合物の二重結合以外の官能基とを反応させることにより二重結合を親水性樹脂に導入できる。反応条件は官能基の種類により異なるが、通常30〜200℃であり、好ましくは50〜160℃である。
【0018】
(c)における共重合性二重結合の量は、全重合性単量体に対して0.001〜10モル%が好ましい。特に好ましくは、0.005〜5モル%である。共重合性二重結合の量が0.001モル%未満の場合、高分子架橋剤としての作用が乏しく、本発明の効果が得られない。一方、共重合性二重結合の量が10モル%を越える場合、高分子架橋剤としての架橋度が強くなりすぎ、得られる吸水性樹脂における(b)の量を極端に少なくしても吸収性能が低下する。
(c)の重量平均分子量は、通常1000〜30万であり、好ましくは2000〜10万、特に好ましくは3000〜5万である。(c)の分子量が1000未満の場合、通常の低分子量架橋剤の分子量となることから、高分子架橋剤としての効果が乏しくなる。一方、分子量が30万を越える場合、(c)の粘度が大きくなりすぎで、(a)の重合を阻害することがある。重量平均分子量は通常のゲルパーメーションクロマトグラフィー法(GPC法)による。
【0019】
(c)の(ii)の製造方法については特に限定はないが、後述する吸水性樹脂(A1)の重合方法と同じでよく、重要なポイントは分子量の制御である。分子量は、主に重合濃度、重合開始剤量、重合開始温度、連鎖移動剤(例えば、イソプロパノール、チオール系連鎖移動剤、次亜燐酸ナトリウム等)の添加などによって制御可能である。分子量を約5万に制御するための製造方法の1例を後述の製造例1に、分子量を約5000に制御するための製造方法の1例を製造例2に示している。
共重合性二重結合を分子内に2個以上有する上記親水性樹脂(c)の使用量は、ラジカル重合性単量体(a)の質量に対して、5〜50質量%、好ましくは0.002〜0.5%である。
使用量が5%未満では、(c)を使用した効果、すなわち吸水性樹脂(A1)の吸水ゲルの経時安定性を向上させる効果が不十分となる。一方、50%を越えると、ラジカル重合性単量体(a)の重合率が十分上がらない、あるいは重合速度が遅くなることがあり、重合時間を長くする、あるいは熟成時間を長くする必要が生じ、生産性が悪くなることから好ましくない。
【0020】
本発明において重合の方法は、従来から公知の水の存在下で行われるいずれの方法でよく、例えば、ラジカル重合開始剤を用いた水溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法等が挙げられる。また、光開始剤を使用して重合する方法、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を取ることもできる。これらの内、有機溶媒等を使用する必要がなく、生産コスト面で有利なことから水溶液重合法が好ましい。重合濃度、すなわち、重合液中の(a)の濃度は、重合液の合計質量に基づいて、通常15〜45質量%、好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。(a)の濃度が15質量%未満では、重合後の水の蒸発、すなわち乾燥に時間を要するために生産性が悪くなる。一方、45質量%を越えると、得られる重合体の分子量が低いものとなること、及び自己架橋等の副反応が起こることにより、得られる吸水性樹脂の保水量の低下及び水可溶性成分量の増加が生じて好ましくない。特に好ましくは、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不用である点から、水溶液断熱重合法である。
【0021】
ラジカル重合開始剤を用いて重合する際に用いられる重合開始剤としては、従来から公知の開始剤が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒[アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなるもの]等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用してもよい。好ましい重合開始剤の組み合わせは、レドックス触媒とアゾ化合物、レドックス触媒と有機過酸化物、レドックス触媒と10時間半減期温度の異なるアゾ触媒と有機過酸化物の組み合わせなどである。
【0022】
ラジカル重合開始剤の使用量は、通常、ラジカル重合性単量体(a)の質量に基づいて、通常0.0005〜5%、好ましくは0.001〜2%である。
その他の重合条件については特に限定されず、例えば、重合開始温度は使用する重合開始剤の種類によって種々変えることができるが、通常、−5℃〜90℃、好ましくは2℃〜70℃である。
重合は水の存在下で実施されるが、必要であれば水と有機溶媒の共存下で行ってもよい。この溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びおよびこれらの2種以上の混合物をあげることができ、水に対する溶媒の量は質量基準で通常40%以下、好ましくは30%以下である。
重合方法として懸濁重合法または逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行う。また、逆相懸濁重合法の場合、従来から公知のシクロヘキサン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、キシレン等の溶媒を使用して重合を行う。
【0023】
本発明において、必要により、得られた架橋重合体中和物を含水ゲルの状態でカルボン酸(塩)基と反応しうる基を少なくとも2個有する化合物(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレンジアミン等の(ポリ)アルキレンポリアミン類、イオン架橋を形成しうる多価金属化合物類等)と混練して更に架橋せしめることもできる。この比較的均一な架橋により、高いゲル強度と、水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂が製造できる。
【0024】
本発明において、得られる含水ゲル重合体は、加熱乾燥し、必要により粉砕、必要により粒度調整して粒子状の吸水性樹脂(A1)とされる。乾燥する方法は、80〜230℃の温度の熱風で乾燥する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等の使用による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法など、通常の方法でよい。
吸水性樹脂(A1)の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状、米粒状、造粒状などが挙げられる。紙オムツ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないと言う点で、不定形破砕状が好ましい。
粉砕方法についても特に限定はなく、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機、シェット気流式粉砕機など通常の装置が使用できる。得られ粉砕物は、必要により篩別して粒度調整される。
得られる吸水性樹脂(A1)の平均粒径は、通常100〜700μm、好ましくは200〜600μmであり、100〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上となるように粉砕したものを用いることができる。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、通常100μm以下の粒子の含有量が3%以下、好ましくは、150μm以下の粒子の含有量が3%以下である。
【0025】
この様にして得られる粒子状の吸水性樹脂(A1)は、下記▲1▼、▲2▼の要件を満たす。
▲1▼生理食塩水に対する保水量が好ましくは28g/g以上、特に好ましくは35g/g以上
▲2▼生理食塩水による3時間抽出後の水可溶性成分量が好ましくは15%以下。
尚、保水量、水可溶性成分量は後述する方法で測定される。
【0026】
本発明において、得られる吸水性樹脂(A1)を表面架橋することにより本発明の効果を更に向上させることができる。
吸水性樹脂(A1)を表面架橋する方法としては、従来公知の方法、例えば、架橋剤(d)、水、有機溶媒の混合溶液を(A1)と混合し、加熱反応させる方法が挙げられる。
架橋剤(d)としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)等];2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカーボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、又は、2種以上を併用してもよい。これらのうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物である。
【0027】
架橋剤(d)の使用量は、(A1)の質量に基づいて、通常、0.005〜5%、好ましくは、0.01〜2%、特に好ましくは0.05〜1%である。架橋剤(d)の使用量が0.005質量%未満の場合は、表面架橋度が不足し、荷重下における吸収量の向上効果が不充分となる。一方、(d)の使用量が5質量%を越える場合は、表面の架橋度が過度となりすぎて保水量が低下する。
表面架橋時の水の使用量は、吸水性樹脂(A1)の質量に基づいて、通常、1〜10%、好ましくは、2〜7%である。水の使用量が1%未満の場合、架橋剤(d)の(A1)の粒子内部への浸透が不充分となり、荷重下における吸収量、特に高い荷重下(例えば、60g/cm2)における吸収量の向上効果が乏しくなる。一方、水の使用量が10%を越える場合は、架橋剤(d)の(A1)内部への浸透が過度となり、荷重下における吸収量の向上は認められるものの、保水量が大きく低下すると言う問題を生じる。
【0028】
本発明において、水と併用して使用される有機溶媒の種類としては従来公知の親水性溶媒が使用可能であり、架橋剤(d)の(A1)内部への浸透度合い、架橋剤(d)の反応性等を考慮し、適宜選択することができる。好ましくは、メタノール、ジエチレングリコール等の水に溶解しうる親水性有機溶媒である。このような溶媒は単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、溶媒の種類により種々変化させることができるが、吸水性樹脂(A1)の質量に基づいて、通常、1〜10%である。また、水に対する溶媒の比率についても任意に変化させることができ、通常質量基準で20〜80%、好ましくは30〜70%である。
【0029】
架橋剤(d)と水と溶媒との混合溶液を従来公知の方法で(A1)に添加混合し、加熱反応を行う。反応温度は、通常、80〜200℃、好ましくは、100〜160℃である。反応時間は、反応温度により変化させることができるが、通常3〜60分、好ましくは5〜40分である。
この様に表面架橋して得られる粒子状の吸水性樹脂(A2)を更に同種の架橋剤あるいは(A2)で使用したのとは異種の架橋剤で追加の表面架橋を施すことも可能である。
【0030】
この様に表面架橋して得られる粒子状の吸水性樹脂(A2)は、必要により篩別して粒度調整される。得られた(A2)の質量平均粒径は、通常100〜800μm、好ましくは200〜600μmであり、100〜850μmの範囲の粒子が95質量%以上となるように粉砕したものを用いることができる。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量が通常3%以下、好ましくは、150μm以下の粒子の含有量が3%以下である。質量平均粒径は、吸水性樹脂の各粒度分布を、横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の質量の50%を占めるところの粒径を求める方法による。
表面架橋された粒子状の吸水性樹脂(A2)は、下記▲1▼〜▲5▼の要件を満たす。
▲1▼生理食塩水に対する保水量が好ましくは30g/g以上
▲2▼20g/cm2荷重下における生理食塩水に対する吸収量が好ましくは25g/g以上、▲3▼40g/cm2荷重下における生理食塩水に対する吸収量が好ましくは20g/g以上、▲4▼60g/cm2荷重下における生理食塩水に対する吸収量が好ましくは15g/g以上、▲5▼生理食塩水による3時間抽出後の水可溶性成分量が好ましくは12%以下。特に好ましくは、生理食塩水に対して下記▲1▼'〜▲5▼'の要件を満たす吸水性樹脂である。
▲1▼'生理食塩水に対する保水量が特に好ましくは33g/g以上
▲2▼'20g/cm2荷重下における吸収量が特に好ましくは30g/g以上、
▲3▼'40g/cm2荷重下における吸収量が特に好ましくは25g/g以上、
▲4▼'60g/cm2荷重下における吸収量が特に好ましくは20g/g以上、
▲5▼'生理食塩水による3時間抽出後の水可溶性成分量が特に好ましくは10%以下。
尚、保水量、加圧吸収量、水可溶性成分量は後述する方法で測定される。
【0031】
重合時に共重合性二重結合を分子内に2個以上有する親水性樹脂(c)を共存させて重合を行うことによって、(c)が高分子架橋剤として働き、さらに従来から吸水性樹脂の製造に使用されている低分子量の架橋剤の使用量を低減することができる結果、高い吸収性能を発揮するともに、吸水ゲルの経時安定性(特に、耐加水分解性)も飛躍的に向上するという従来にない効果が得られる。
【0032】
本発明において、必要により本発明の製法の任意の段階で、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、無機質粉末、有機質繊維状物などを添加することができ、その量は得られた吸水性樹脂(A1)あるいは(A2)の質量に基づいて、通常5%以下、好ましくは2%以下である。また、必要により本発明の方法における任意の段階で発泡構造を形成するような処理を行ってもよいし、造粒や成型を行うこともできる。
上記効果を奏することから、本発明の製造法で得られる吸水性樹脂は、使い捨て紙おむつ(子供用および大人用紙おむつ)に好適である。
更に、その他の衛生材料(例えば、生理用ナプキン、失禁者用パッド、母乳パッド、手術用アンダーパッド、産褥マット、創傷保護用ドレッシング材、ペットシートなど)や、各種の吸収シート類(例えば、鮮度保持シート、ドリップ吸収シート、結露防止シート、水稲育苗シート、コンクリート養生シート、ケーブル類の水走り防止シート、油水分離シート、消火用シートなど)などにも好適に使用することができる。特に、吸水ゲルの状態で利用される用途(例えば、農園芸用保水ゲル、電池の電解液ゲル化剤、ケミカルカイロ、パップ材、ゲルベッド、人工雪、保冷材用ゲル、ゲル状芳香剤等)等にも好適に使用できる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下特に定めない限り、%は質量%を示す。尚、保水量、加圧吸収量、水可溶性成分量、ゲル安定性は以下の方法で測定される。また、親水性樹脂(c)の分子量は光散乱法で測定した。
【0034】
<保水量>
250メッシュのナイロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に吸水性樹脂1gを入れ、生理食塩水(NaCl濃度0.90%のイオン交換水溶液)中に60分間浸漬した後、15分間吊るして水切りしてから、ティーバッグごと遠心脱水機に入れて、250Gで90秒間遠心脱水を行い、余剰水を取り除く。遠心脱水後の増加質量を測定し、保水量とした。
<加圧吸収量>
250メッシュのナイロン網を底面に貼ったプラスチック製円筒(内径25mm、高さ30mm)内に吸水性樹脂0.160gを入れて均一に均し、この吸水性樹脂の上に外径25mmでスムーズに円筒内を上下する100gの分銅を乗せる。この時の荷重は約20g/cm2に相当する。
生理食塩水60mlの入ったシャーレー(直径:12cm)の中に吸水性樹脂と分銅の入ったプラスチック円筒をナイロン網側を下面にして浸し、放置する。
吸水性樹脂が生理食塩水を吸収して増加した質量を60分後に測定し、その値を吸水剤1g当たりの値に換算して加圧吸収量とした。
【0035】
<水可溶性成分量>
300mlのビーカーに吸水性樹脂1.00gを正確に測りとり、生理食塩水を加えて250gとした後、3時間攪拌して水可溶成分を抽出する。濾紙を用いて濾過した濾液20mlをイオン交換水30mlで希釈し、測定溶液とする。この測定溶液を、まず、1/50NのKOH水溶液でpH10まで滴定を行い、その後1/20NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定する。この時の滴定に要した2種の滴定液の量をもとに、分子量と濃度を考慮してポリアクリル酸及びその塩の量を算出し、吸水性樹脂1g当たりの質量%を求めて、水可溶性成分量とした。
<ゲル安定性>
吸水性樹脂1gと生理食塩水40gを100mlの褐色瓶に入れて均一に吸水膨潤させる。これを密栓して40℃に設定した恒温槽に入れて15時間静置する。室温まで放冷した後、ゲルの状態を指触判定して次の基準で評価する。
◎:試験前と同じ、粒感のあるしっかりしたゲル。
○:試験前より若干弱いが、粒感は残っている。
△:やわらかいゲルで、粒感はない。
×:流動性のあるペースト状。
【0036】
親水性樹脂の製造例1
攪拌機、冷却管、2本の滴下ロートを備えた反応槽にイオン交換水40gを入れ、水中に窒素ガスを導入することにより溶液中の酸素濃度を0.2ppmとし、液温を85℃に昇温した。次いで、80%濃度のアクリル酸溶液50gと触媒(過硫酸ナトリウム)の0.5%水溶液10gを別々の滴下ロートから攪拌下の反応槽内に3時間かけて滴下する。更に同じ温度で2時間熟成した後、グリシジルメタクリレート1.6gとハイドロキノン(重合禁止剤)0.002gを投入する。85℃で約24時間反応させることにより親水性樹脂(c1)を得た。反応後の溶液にはエポキシ基の残存はなかった。親水性樹脂(c1)のカルボキシル基当たりの二重結合量は2モル%であり、GPC法による重量平均分子量は約5万であった。二重結合量は核磁気共鳴スペクトルにより測定した。
【0037】
親水性樹脂の製造例2
攪拌機、冷却管、2本の滴下ロートを備えた反応槽にイオン交換水23.5gとイソプロピルアルコール54gを入れ、液中に窒素ガスを導入することにより溶液中の酸素濃度を0.2ppmとし、液温を85℃に昇温した。次いで、80%濃度のアクリル酸溶液12.5gと触媒(過硫酸ナトリウム)の1%水溶液10gを別々の滴下ロートから攪拌下の反応槽内に3時間かけて滴下する。更に同じ温度で2時間熟成した後、グリシジルメタクリレート0.4gとハイドロキノン0.0004gを投入する。85℃で約24時間反応させることにより親水性樹脂(c2)を得た。反応後の溶液にはエポキシ基の残存はなかった。親水性樹脂(c2)のカルボキシル基当たりの二重結合量は2モル%であり、重量平均分子量約5000であった。二重結合量は核磁気共鳴スペクトルにより
測定した。
【0038】
親水性樹脂の製造例3
製造例2において、グリシジルメタクリレートの添加量を1.0gとする以外は製造例2と同様にして親水性樹脂(c3)を得た。親水性樹脂(c3)のカルボキシル基当たりの二重結合量は5モル%であり、重量平均分子量約5000であった。二重結合量は核磁気共鳴スペクトルにより測定した。
親水性樹脂の製造例4
アクリル酸100gと水146gを混合し、外部冷却を行いながら、溶液温度が35℃を越えないようにして、50%NaOH水溶液80gを徐々に添加してアクリル酸の約72モル%が中和された40%濃度のモノマー溶液を作成した。攪拌機、冷却管、2本の滴下ロートを備えた反応槽にイオン交換水20gを入れ、水中に窒素ガスを導入することにより溶液中の酸素濃度を0.2ppmとし、液温を85℃に昇温した。次いで、40%濃度のモノマー溶液100gと0.5%濃度の触媒(過硫酸ナトリウム)溶液10gを2時間かけて別々の滴下ロートから反応槽内に滴下する。更に同じ温度で2時間熟成した後、グリシジルメタクリレート1.6gとハイドロキノン0.002gを投入する。85℃で約24時間反応させることにより親水性樹脂(c4)を得た。反応後の溶液にはエポキシ基の残存はなかった。親水性樹脂(c4)のカルボキシル基当たり二重結合量は2モル%であり、重量平均分子量約5万であった。二重結合量は核磁気共鳴スペクトルにより測定した。
【0039】
実施例1
アクリル酸200g、親水性樹脂(c1)60g、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.2g、イオン交換水539gを均一に混合して重合水溶液を作成し、この溶液を断熱重合可能な重合槽に入れた。溶液中に窒素ガスを導入することにより、溶液中の溶存酸素量を0.2ppmに、溶液温度を5℃とした。この重合溶液に、0.1%過酸化水素水10g、0.1%アスコルビン酸水溶液5g、1%のV−50(和光純薬工業社製アゾ系触媒)水溶液10gを添加した(アクリル酸の濃度:25%、親水性樹脂の濃度:3%)。約20分後に重合開始を示す温度上昇が確認され、約2.5時間後に最高温度に到達し含水ゲル状重合体を得た。さらに同温度で5時間熟成した後、含水ゲル状重合体をミートチョッパーを用いて小片に砕断しながら、50%のNaOH水溶液179部を添加し、重合体中のカルボキシル基の約72モル%をナトリウム塩とした。
この中和された含水ゲル重合体を通気熱風乾燥機(井上金属工業社製)を用い、供給風温150℃、風速1.5m/秒の条件下で25分間通気乾燥して、水分含量が約4%の乾燥物を得た。乾燥物を家庭用ミキサーで粉砕し、篩別して22メッシュの金網(開口径:710μm)を通過し、100メッシュの金網(開口径:125μm)を通過しない部分をとって吸水性樹脂(イ)を得た。吸水性樹脂(イ)の質量平均粒径は380ミクロンであり、150ミクロン以下の微粒子を0.8%含有していた。吸水性樹脂(イ)の性能評価結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
実施例1において、親水性樹脂(c1)に変えて、親水性樹脂(c2)を同量用いる以外は実施例1と同様にして吸水性樹脂(ロ)を得た。吸水性樹脂(ロ)の性能評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、親水性樹脂(c1)に変えて、親水性樹脂(c3)を同量用いる以外は実施例1と同様にして吸水性樹脂(ハ)を得た。吸水性樹脂(ハ)の性能評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、親水性樹脂(c1)60gに変えて、親水性樹脂(c1)を100g用いる以外は実施例1と同様にして吸水性樹脂(ニ)を得た。吸水性樹脂(ニ)の性能評価結果を表1に示す。
【0041】
実施例5
アクリル酸200gと水400gを混合し、外部冷却を行いながら、溶液温度が35℃を越えないようにして、50%NaOH水溶液160gを徐々に添加してアクリル酸の約72モル%を中和した。次いで、親水性樹脂(c4)130g、架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリルアミドの2%水溶液を10gを添加して均一に混合し、溶液温度を5℃とした。この溶液を断熱重合可能な重合装置に投入し、溶液中に窒素を導入することでこの重合液中の溶存酸素量を0.2ppmとした。この重合溶液に0.1%過酸化水素水溶液10g、0.1%アスコルビン酸水溶液5g、1%V−50水溶液10gを添加した。以下、実施例1において得られた含水ゲル状重合体の中和を行わない以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂(ホ)を得た。吸水性樹脂(ホ)の性能評価結果を表1に示す。
【0042】
比較例1
実施例1において、親水性樹脂(c1)を添加しない以外は実施例1と同様にして比較の吸水性樹脂(1)を得た。比較の吸水性樹脂(1)の性能評価結果を表1に示す。
比較例2
比較例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.2gに代えて、0.6g使用する以外は比較例1と同様にして比較の吸水性樹脂(2)を得た。比較の吸水性樹脂(2)の性能評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例5において、親水性樹脂(c4)を添加しない以外は実施例5と同様にして比較の吸水性樹脂(3)を得た。比較の吸水性樹脂(3)の性能評価結果を表1に示す。
比較例4
比較例3において、水400g、N,N’−メチレンビスアクリルアミドの2%水溶液10gに代えて、水380g、N,N’−メチレンビスアクリルアミドの2%水溶液30gを使用する以外は比較例3と同様にして比較の吸水性樹脂(4)を得た。比較の吸水性樹脂(4)の性能評価結果を表1に示す。
【0043】
実施例6〜10
実施例1〜5で得た吸水性樹脂(イ)〜(ホ)100gを攪拌しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.2g、水3g、メタノール7gからなる溶液を噴霧して混合した後、140℃で40分加熱反応を行い、吸水性樹脂(ヘ)〜(ヌ)を得た。得られた吸水性樹脂(ヘ)〜(ヌ)の性能評価結果を表2に示す。
【0044】
比較例5〜8
実施例6〜10において、吸水性樹脂(ヘ)〜(ヌ)に代えて比較の吸水性樹脂(1)〜(4)を使用する以外は実施例6〜10と同様にして、比較の吸水性樹脂(5)〜(8)を得た。得られた比較の吸水性樹脂(5)〜(8)の性能評価結果を表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、吸水性能が高く、その吸水ゲルが経時安定性に優れ、且つ低分子重合体である水可溶性成分量の少ない吸水性樹脂(A1)を得ることができる。更に、このような特性を有する吸水性樹脂を生産性よく製造することができる。また、吸水性樹脂(A1)の粒子を表面架橋して得られる粒子状の吸水性樹脂(A2)は、高い保水量を維持し、且つ加圧下においても高い吸収性能を示すことから、保水量と加圧吸収量とが良好なバランスを保っており、水可溶性成分の生成も少ない。
Claims (6)
- 水溶性及び/又は加水分解により水溶性となる1種以上のラジカル重合性単量体(a)と重量平均分子量1000未満の架橋剤(b)を、水存在下でラジカル重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、共重合性二重結合を分子内に2個以上有する重量平均分子量1000〜30万の水溶性若しくは水分散性若しくは水膨潤性若しくは吸水性の親水性樹脂(c)を共存させて重合を行い、(c)が、水溶性のラジカル重合性単量体及び/若しくは加水分解により水溶性となるラジカル重合性単量体を重合して得た樹脂に二重結合及び官能性基を有する化合物を反応して二重結合を導入する方法により得られるものであることを特徴とする吸水性樹脂(A1)の製造法。
- 前記二重結合及び官能性基を有する化合物が、スルホン酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、水酸基、エポキシ基、カルボン酸無水物基、アミノ基からなる群から選ばれる官能性基と二重結合を含有する化合物の1種以上である請求項1記載の製造法。
- (c)の量が(a)に対して5〜50質量%である請求項1又は2記載の製造法。
- 請求項1〜3のいずれか記載の製造法で得られる粒子状の吸水性樹脂(A1)を、架橋剤(d)でさらに表面架橋する吸水性樹脂(A2)の製造法。
- 請求項1〜4の何れか記載の製造法により得られ、架橋剤(b)の使用量がラジカル重合性単量体(a)の質量に基づいて0.001〜5質量%であり、親水性樹脂(c)の使用量が(a)の質量に基づいて5〜50質量%であり、(1)生理食塩水に対する保水量が28g/g以上、(2)生理食塩水による3時間抽出後の水可溶性成分量が15%以下である吸水性樹脂。
- 請求項5に記載の吸水性樹脂からなる衛生材料。
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