JP6995983B2 - 共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献3には、特定の構造を有する化合物(A)を含む水溶性単量体用中間体含有組成物であって、該組成物は、特定の構造を有する化合物(B)を特定量含む水溶性単量体用中間体含有組成物が開示されている。
本発明はまた、上記共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
本発明の共重合体は、N-ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と上記式(1)、(1’)又は(1’’)のいずれかで表される単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1~99質量%である。本発明の共重合体は、このような構造を有することにより染料に似た構造となるため、染料との相互作用が高まり、吸着性が向上し、移染防止能に優れるものと考えられる。
本発明の共重合体は、構造単位(b)として式(1)で表される単量体(B)に由来するもの、式(1’)で表される単量体(B)に由来するもの、及び、式(1’’)で表される単量体(B)に由来するもののうち少なくとも1つの構造単位を有するものであればよい。すなわち、これらのうち1つ又は2つ有していてもよく、これら3つすべて有していてもよい。上記共重合体は、式(1)~(1’’)の中でも、式(1)又は(1’)で表される単量体(B)由来の構造単位(b)を有することが好ましい。より好ましくは式(1’)で表される単量体(B)由来の構造単位(b)を有することである。
上記共重合体において単量体(B)が式(1)で表される単量体であって、構造単位(e)の割合が全構造単位100質量%に対して10質量%未満である形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
重量平均分子量としてより好ましくは2,000~800,000であり、更に好ましくは3,000~600,000であり、一層好ましくは4,000~400,000であり、より一層好ましくは5,000~200,000であり、更に一層好ましくは5,000~100,000であり、特に好ましくは5,000~50,000である。
上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記N-ビニルラクタム系単量体(A)は、環状N-ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(2);
上記R7~R10におけるアルキル基の炭素数としては、1~6が好ましく、より好ましくは1~4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。上記R7~R10における置換基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。R7~R9としては水素原子であることが好ましい。R10としては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
pとしては、0~2の整数であることが好ましく、より好ましくは0~1の整数であり、最も好ましくは0である。
qとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記単量体(B)は、上記式(1)、(1’)又は(1’’)のいずれかで表される単量体である。
式(1)~(1’’)において、R1が直接結合である場合とは、上記式(1)~(1’’)のH2C=C(R0)-R1-O-がH2C=C(R0)-O-で表されることを意味する。
H2C=C(R0)-R1-は、R0がCH3基、R1がCH2基の場合はメタリル基、R0がCH3基、R1がCH2CH2基の場合はイソプレニル基、R0がCH3基、R1が直接結合の場合はイソプロペニル基、R0が水素原子、R1がCH2基の場合はアリル基、R0が水素原子、R1がCH2CH2基の場合はブテニル基、R0が水素原子、R1が直接結合の場合はビニル基である。
R2、R3、R4、R5及びR6として具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基等のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2,3-若しくは2,4-キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基、又は、これらの水素原子の一部がアルコキシ基、カルボキシエステル基、アミノ基、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン酸基、スルホン酸基の塩等で置換された基、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、フェニル基、ベンジル基である。
上記環状構造としては窒素原子を含む複素環であれば特に制限されず、式(1)~(1’’)に記載の窒素原子以外に更に窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子等のヘテロ原子を有していてもよい。また、上記環状構造は、置換基を有していてもよく、すなわち、環状構造が有する水素原子の1又は2以上が他の有機基によって置換された構造であってもよい。他の有機基としては上述のとおりである。
上記環状構造として好ましくはピラゾール、イミダゾール、ピロール等であり、より好ましくは、ピラゾール、イミダゾール等の2つの窒素原子を有する複素環である。
上記式(1)~(1’’)において、nはオキシアルキレン基(-Y1-O-)の平均付加モル数であり、0~100の数を表す。nとしては0~80が好ましい。これにより重合体の移染防止能がより向上する。nとしては0~50がより好ましく、0~10が更に好ましく、一層好ましくは0~9であり、特に好ましくは0~5であり、最も好ましくはnが0である。
アルキル硫酸イオンとしては、具体的には、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等が挙げられる。中でも、メチル硫酸イオンが好ましい。
上記有機酸のイオンとしては、酢酸イオン(CH3COO-)、プロピオン酸イオン(CH3CH2COO-)が好ましい。
上記アミン化合物の炭素数としては、1~24が好ましく、1~20がより好ましく、1~16が更に好ましく、1~10が特に好ましい。
上記アミン化合物としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン塩が挙げられ、下記式(3)又は(4);
上記R2~R6及びX-は、上記式(1)又は(1’)におけるR2~R6及びX-と同様である。
第3級アミン塩としては炭素数1~24のトリアルキルアミン塩、炭素数1~24のトリアルカノールアミン塩等が挙げられる。
炭素数1~24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1~24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
炭素数1~24のアルキルアリールアミンとしては、メチルベンジルアミン、エチルベンジルアミン等が好ましい。
炭素数1~24の環状アミンとしては、モルホリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール等が好ましい。
炭素数1~24のトリアルキルアミン塩としては、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩等が好ましい。
炭素数1~24のトリアルカノールアミン塩としては、トリメタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が好ましい。
上記式(5)におけるR0、R1、Y1及びnは、上記式(1)~(1’’)におけるR0、R1、Y1及びnと同様である。
上記製造方法(1)~(3)において用いられるエピハロヒドリンとして、具体的には、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。中でも、工業的に安価なことから、エピクロルヒドリンが好ましい。
上記製造方法(4)において用いられるグリシジルトリアルキルアンモニウム塩としては、下記式(6);
上記式(6)におけるR2、R3及びR4は、上記式(1)におけるR2、R3及びR4と同様である。
上記グリシジルトリアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリエチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムブロミド、グリシジルトリエチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。中でも、工業的に入手が容易なことから、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
上記製造方法(1)~(4)における各工程は、下記反応式で表される。
本発明の共重合体は、ビニルラクタム系単量体(A)及び単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。
その他の単量体(E)としては、例えば、(i)アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)2-(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸等の(ポリ)アルキレングリコール含有不飽和スルホン酸、3-(メタ)アリルオキシ-3-ヒドロキシプロパンスルホン酸、2-(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、α-メチル-p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルファミン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、4-(アリルオキシ)ベンゼンスルホン酸、1-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、1,1-ジメチル-2-プロペン-1-スルホン酸、3-ブテン-1-スルホン酸、1-ブテン-3-スルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-フェニルプロパンスルホン酸、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-(メタ)アリルオキシ-1,2-ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-モノメチル(メタ)アクリルアミド、N-モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;
なお、上記(i)~(iii)、(v)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)、(ix)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1~20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1~4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記アルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0~50モルが好ましく、0~20モルがより好ましく、上記(ix)の化合物1モルあたり1~50モルが好ましく、1~20モルがより好ましい。
本発明の共重合体の製造方法は、特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は上述のとおりであり、各単量体の好ましい割合は、各構造単位の好ましい割合と同様である。
N-ビニルラクタム系単量体(A)と上記式(1)、(1’)又は(1’’)のいずれかで表される単量体(B)とを含む単量体成分を重合させる工程を含み、上記単量体成分中の単量体(B)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1~99質量%である共重合体の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、30g以下であることが好ましく、0g以上、15g以下であることがより好ましい。
溶媒として水を用いることにより、重合反応後に溶媒を置換する工程を行わずに、洗剤用途等に用いることができる。
すなわち、重合工程は水溶液中で行われることが好ましい。
上記溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40~1000質量%が好ましい。
本発明の共重合体は、移染防止剤等の洗剤、洗剤用添加剤、スケール防止剤、各種無機物や有機物の分散剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋剤、保湿剤等の用途に用いられることが好ましく、より好ましくは移染防止剤等の洗剤用途である。本発明の共重合体を移染防止剤等の洗剤用添加剤として使用する方法もまた本発明の1つである。
本発明はまた、本発明の共重合体を含む移染防止剤でもある。
本発明の共重合体が移染防止能を発揮することができる染料の種類は特に制限されず、衣類等の染色に通常用いられる染料であればよいが、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、分散染料、反応染料、蛍光増白染料等が挙げられる。
染料として好ましくは、直接染料、酸性染料等の水溶性の染料である。水溶性の染料は、洗濯時に色落ちしやすいため、本発明の技術的意義をより効果的に発揮することとなる。
本発明の共重合体は、洗剤組成物(洗浄剤組成物)に用いることができる。すなわち、本発明は上記共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
上記洗剤組成物は、好ましくは衣料用であり、洗濯洗剤等に用いられることが好ましい。
また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
装置:東ソー社製高速GPC装置(HLC-8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF-310-HQ、GF-710-HQ、GF-1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:GLサイエンス社製 Polyethylene Glycol,Polyethylene Oxide
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
130℃に加熱したオーブンで共重合体(共重合体1.0gに水3.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
以下の方法により、移染防止能の測定を行った。移染防止能の評価においては、まず、液体洗剤配合物と2.0%重合体水溶液を調製した。25%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(製品名:エマール20C、花王社製)11.0gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(製品名:エマルゲン108、花王社製)2.8gと16%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(製品名:ネオペレックスG-15、花王社製)17.2gとプロピレングリコール3gとオレイン酸ナトリウム1.2gとエタノール1gに純水を加えて50.0gとした後、撹拌し、液体洗剤配合物を調製した。上記2.0%重合体水溶液は、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度2.0質量%に調製したものを用いた。次に、500mlビーカーに、調製した液体洗剤組成物0.6gと2.0%重合体水溶液0.3gに50ppmCaイオン硬度水500gを加えたのち、クロラゾールブラック0.005gを加えて撹拌した。前記の溶液に5cm×5cmの綿布(Testfabrics社製、Style460-6)1gを加え、25℃で15分間撹拌を行った。その後、得られた綿布を50ppm(Ca/Mg=3/1)硬度水500gにより15分間すすぎを行い、このすすぎ工程を再度繰り返すことで染色布を得た。この工程で得られた染色布と評価前の白色綿布のWB値を色差計(日本電色工業製、分光式色差計SE-6000)で測定することにより重合体の移染防止能を評価した。評価結果について、0%は、重合体を添加せずに洗浄した試験布と同じ色の強さを表し、100%は試験布が評価前の色の強さを維持していることを表す。すなわち、高い値ほど移染防止能が高いことを示している。
(単量体1の合成)
アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)のトリメチルアミン誘導体モノマー(AGE-TMA)の合成法を以下に述べる。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製4つ口フラスコに、純水104.9g、トリメチルアミン塩酸塩191.1gを仕込み、攪拌しながら50℃まで昇温した。次に、AGE228.3gを120分かけて添加し、その後、2時間反応させ、80%AGE-TMAを得た。
流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水141.1gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、N-ビニルピロリドン(以下、「NVP」とも称する。)を80.0g、80%AGE-TMAを11.1g、10%2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「10%V-50」とも称する。)を30.8g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては120分間、80%AGE-TMAについては90分間、10%V-50については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に120分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度36%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体1)の重量平均分子量は12,300であった。また、移染防止能は53%であった。
(単量体2の合成)
AGEのジエタノールアミン誘導体モノマー(AGE-DEA)の合成法を以下に述べる。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製4つ口フラスコに、純水110.7g、ジエタノールアミン214.5gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、AGE228.3gを60分かけて添加し、その後、5時間反応させ、80%AGE-DEAを得た。
流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水141.0gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを80.0g、80%AGE-DEAを11.1g、10%V-50を30.7g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては120分間、80%AGE-DEAについては90分間、10%V-50については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に120分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度35%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体2)の重量平均分子量は22,100であった。また、移染防止能は49%であった。
(単量体3の合成)
AGEのN-メチルベンジルアミン誘導体モノマー(AGE-MeBnA)の合成法を以下に述べる。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコに、純水26.8g、N-メチルベンジルアミン42.4gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温した。次に、AGE38.0gを120分かけて添加し、その後、5時間反応させた。得られた単量体を純水、塩酸で洗浄した後、酢酸エチルを用いて抽出した。水分を硫酸ナトリウムを用いて十分に除去し、硫酸ナトリウムをろ過で取り除くことによって90%AGE-MeBnAを得た。
流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水134.8gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを80.0g、90%AGE-MeBnAを4.7g、10%V-50を29.5g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては120分間、90%AGE-MeBnAについては90分間、10%V-50については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に120分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度35%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体3)の重量平均分子量は26,200であった。また、移染防止能は46%であった。
(単量体4の合成)
AGEのピラゾール誘導体モノマー(AGE-Py)の合成法を以下に述べる。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量200mLのガラス製4つ口フラスコに、純水16.9g、ピラゾール25.3gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温した。次に、AGE42.4gを10分かけて添加し、その後、2時間反応させた。得られた単量体に含まれる水をロータリーエバポレーターで留去することによって100%AGE-Pyを得た。
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水65.2gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを60.0g、25%AGE-Pyを20.7g、10%V-50を22.7g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては180分間、25%AGE-Pyについては180分間、10%V-50については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に60分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度42%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体4)の重量平均分子量は18,400であった。また、移染防止能は48%であった。
日本触媒社製の粉体製品ポリビニルピロリドン(PVP)K-30を用いて、移染防止能を評価した。移染防止能は37%であった。
(共重合体5の合成)
流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水99.0gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸(以下、80%AAとも称する。)を90.0g、80%AGE-TMAを10.1g、10%V-50を41.5g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AAについては120分間、80%AGE-TMAについては90分間、10%V-50については120分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に90分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度35%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体5)の重量平均分子量は31,400であった。共重合体5の重量平均分子量については、創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARDにて検量線を作成し算出した。移染防止能は28%であった。
Claims (16)
- N-ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と下記式(1)、(1’)又は(1’’);
該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする共重合体。 - N-ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と下記式(1);
該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする共重合体。 - 前記N-ビニルラクタム系単量体(A)がビニルピロリドンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合体。
- 該構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、50~99質量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の共重合体。
- 前記単量体(B)は、下記式(1’)又は(1’’);
- 前記N-ビニルラクタム系単量体(A)及び単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、10質量%未満であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の共重合体。
- 前記式(1)、(1’)又は(1’’)において、nが0~9の数であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の共重合体。
- N-ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と下記式(1)、(1’)又は(1’’);
該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1~99質量%である共重合体を含むことを特徴とする移染防止剤。 - N-ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と下記式(1)、(1’)又は(1’’);
該構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、1~99質量%である共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物。 - 共重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、N-ビニルラクタム系単量体(A)と下記式(1)、(1’)又は(1’’);
該単量体成分中の単量体(B)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする共重合体の製造方法。 - 共重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、N-ビニルラクタム系単量体(A)と下記式(1);
該単量体成分中の単量体(B)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする共重合体の製造方法。 - 前記N-ビニルラクタム系単量体(A)がビニルピロリドンであることを特徴とする請求項10又は11に記載の共重合体の製造方法。
- 前記単量体成分中のN-ビニルラクタム系単量体(A)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、50~99質量%であることを特徴とする請求項10~12のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
- 前記単量体(B)は、下記式(1’)又は(1’’);
- 前記単量体成分中のN-ビニルラクタム系単量体(A)及び単量体(B)以外のその他の単量体(E)の含有割合が、全単量体100質量%に対して、10質量%未満であることを特徴とする請求項10~14のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
- 前記式(1)、(1’)又は(1’’)において、nが0~9の数であることを特徴とする請求項10~15のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
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