JP2020019881A - N−ビニルラクタム含有共重合体、移染防止剤及びその製造方法 - Google Patents

N−ビニルラクタム含有共重合体、移染防止剤及びその製造方法 Download PDF

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泰弘 大野
大祐 道尭
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大祐 道尭
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Abstract

【課題】 移染防止用途に用いられる従来の重合体よりも移染防止能に優れる重合体、移染防止剤を提供する。【解決手段】 N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と不飽和アルコール(B)由来の構造単位(b)とを有するN−ビニルラクタム含有共重合体(α)を含むことを特徴とする移染防止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、N−ビニルラクタム含有共重合体、移染防止剤及びその製造方法に関する。より詳しくは、移染防止剤等の洗剤用途に有用な共重合体、移染防止剤及びその製造方法に関する。
従来、衣類等に用いられる洗剤には、洗剤の洗浄効果を向上させることを目的として、ゼオライト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸系共重合体等の洗剤ビルダー(洗剤助剤)を配合することが行われている。このような洗剤ビルダーとして用いられる重合体について、例えば特許文献1には、(a) 少なくとも1 種の、所定の構造で表されるモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー60〜99質量%、(b) 少なくとも1個の窒素原子を含有する少なくとも1種の4級化されていない両性モノマー1〜40質量%、(c)他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマー0〜39質量% 、及び(d)他のアニオン性モノエチレン性不飽和モノマー0〜1 0質量%を重合により組み込んで含有し、かつ平均分子量Mwが2000〜500000 Dである水溶性コポリマーが開示されている。
また、衣類等の洗濯の際には、衣類等に含まれる染料が染み出し、他の部分に染着することがある。これを防止する技術として、ポリマー等、種々の添加剤も開発されている。このような添加剤に関して、特許文献2には、所定の構造で表されるラクタム環含有単量体由来の構造(R1)、所定の構造で表されるポリオキシアルキレン系単量体由来の構造(P1)、を有するラクタム環含有共重合体であって、共重合体の全単量体由来の構造の質量100質量%に対するラクタム環含有単量体由来の構造(R1)の組成が、30〜90質量%であり、共重合体の全単量体由来の構造の質量100質量%に対するポリオキシアルキレン系単量体由来の構造(P1)の組成が10〜70質量%であり、共重合体の全単量体由来の構造の質量100質量%に対するラクタム環含有単量体由来の構造(R1)とポリオキシアルキレン系単量体由来の構造(P1)の合計の組成が50〜100質量%である、ラクタム環含有共重合体が開示されている。
ところで、特許文献3には、ビニルラクタム単量体と、アミノアルケン又はヒドロキシアルケンとを特定の割合で、特定の条件で重合させて機能性共重合体を製造する方法が開示されている。
特表2007−511652号公報 特開2010―229268号公報 米国特許第5194546号明細書
上記のように、従来から色移り(移染)防止に用いられる重合体が開発されているが、移染防止用途に用いられる従来の重合体は、移染防止能において充分ではなく、改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、移染防止用途に用いられる従来の重合体よりも移染防止能に優れる重合体、移染防止剤を提供することを目的とする。
本発明者は、移染防止剤として用いられる重合体について種々検討したところ、N−ビニルラクタム系単量体と不飽和アルコールとの共重合体が従来の重合体よりも移染防止能に優れることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と不飽和アルコール(B)由来の構造単位(b)とを有するN−ビニルラクタム含有共重合体(α)を含む移染防止剤である。
上記不飽和アルコール(B)は、下記式(1);
Figure 2020019881
(式中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記共重合体(α)は、上記構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100モル%に対して、50〜99モル%であることが好ましい。
本発明は更に、上記移染防止剤と該移染防止剤以外の洗剤添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
本発明は更に、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)由来の構造単位(b’)とを有するN−ビニルラクタム含有共重合体(β)でもある。
上記不飽和アルコール(B’)は、下記式(2);
Figure 2020019881
(式中、R1’、R2’、R3’は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R4’は、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。但し、R1’、R2’、R3’及びR4’の炭素数の合計は、2以上である。)で表されることが好ましい。
上記共重合体(β)は、上記構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100モル%に対して、50〜99モル%であることが好ましい。
本発明は更に、N−ビニルラクタム含有共重合体(β)を製造する方法であって、上記製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)とを含む単量体成分を重合させる工程を含むN−ビニルラクタム含有共重合体(β)の製造方法でもある。
本発明のN−ビニルラクタム含有共重合体、移染防止剤は、上述の構成よりなり、移染防止能に優れるため、移染防止剤等の洗剤用途等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、本明細書中において単に「共重合体」という場合には、共重合体(α)及び(β)に共通する事項を意味するものとする。
以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
≪N−ビニルラクタム含有共重合体(α)≫
本発明の移染防止剤は、N−ビニルラクタム含有共重合体(α)を含む。
上記N−ビニルラクタム含有共重合体(α)(以下、共重合体(α)ともいう。)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と不飽和アルコール(B)由来の構造単位(b)とを有する。不飽和アルコール(B)は、オキシアルキレン基を付加させた不飽和アルコールよりも疎水性が高いため、上記共重合体(α)はこのような構造を有することにより親水性、疎水性のバランスが好適な範囲となる。これにより、上記共重合体(α)は染料との親和性が高まり、吸着性が向上し、移染防止能に優れるものとなる。
上記共重合体(α)は、構造単位(a)の含有割合が、全構造単位(共重合体)100質量%に対して50〜99質量%であることが好ましい。これにより、共重合体の移染防止能がより向上することとなる。上記範囲の下限値として、より好ましくは60質量%であり、更に好ましくは70質量%であり、一層好ましくは80質量%であり、より一層好ましくは90質量%であり、最も好ましくは94質量%である。上記範囲の上限値として、より好ましくは98質量%であり、更に好ましくは97質量%である。
上記共重合体(α)は、構造単位(a)の含有割合が、全構造単位(共重合体)100モル%に対して50〜99モル%であることが好ましい。これにより、共重合体の移染防止能がより向上することとなる。上記範囲の下限値として、より好ましくは60モル%であり、更に好ましくは70モル%であり、一層好ましくは80モル%であり、最も好ましくは92モル%である。上記範囲の上限値として、より好ましくは98モル%であり、更に好ましくは96モル%である。
上記共重合体(α)は、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位(共重合体)100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましい。これにより、共重合体の移染防止能がより向上することとなる。上記範囲の下限値として、より好ましくは2質量%であり、更に好ましくは3質量%である。上記範囲の上限値として、より好ましくは40質量%であり、更に好ましくは30質量%であり、一層好ましくは20質量%であり、特に好ましくは10質量%であり、最も好ましくは6質量%である。
上記共重合体(α)は、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位(共重合体)100モル%に対して、1〜50モル%であることが好ましい。これにより、共重合体の移染防止能がより向上することとなる。上記範囲の下限値として、より好ましくは3モル%であり、更に好ましくは4モル%である。上記範囲の上限値として、より好ましくは40モル%であり、更に好ましくは30モル%であり、一層好ましくは20モル%であり、特に好ましくは15モル%であり、最も好ましくは8モル%である。
共重合体における各構造単位の含有割合は、共重合体を製造する際に用いられる各種単量体の使用量が判明している場合には、LC(液体クロマトグラフィー)によって、重合反応における単量体の消費率を分析し、消費された単量体が全て重合反応によって共重合体に転化するものとして、算出することができる。
共重合体を製造する際に用いられる各種単量体の使用量が判明していない場合には、各種構造解析により各構造単位の含有割合を算出することができる。
カルボン酸系単量体を含む共重合体中の構造単位の含有比率を求める場合には、構造単位がカルボキシル基の塩を有する場合には、その重量は対応する酸型の構造単位として質量を計算するものとする。
上記共重合体(α)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)及び不飽和アルコール(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよく、構造単位(e)の割合としては、共重合体100質量%に対して0〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜5質量%であり、更に好ましくは0〜3質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
上記共重合体(α)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)及び不飽和アルコール(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよく、構造単位(e)の割合としては、共重合体100モル%に対して0〜10モル%であることが好ましい。より好ましくは0〜5モル%であり、更に好ましくは0〜3モル%であり、最も好ましくは0モル%である。
上記共重合体(α)は、重量平均分子量が1,000〜1,000,000であることが好ましい。
これにより本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
重量平均分子量としてより好ましくは2,000〜800,000であり、更に好ましくは3,000〜600,000であり、一層好ましくは4,000〜400,000であり、より一層好ましくは5,000〜200,000であり、更に一層好ましくは5,000〜100,000であり、特に好ましくは5,000〜50,000である。
上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<N−ビニルラクタム系単量体(A)>
上記N−ビニルラクタム系単量体(A)は、環状N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(3);
Figure 2020019881
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。mは、0〜4の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。R〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
mとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
nとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記式(3)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。N−ビニルラクタムとしては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
<不飽和アルコール(B)>
上記不飽和アルコール(B)は、エチレン性不飽和炭化水素基と水酸基とを有するものであれば、特に制限されないが、下記式(1);
Figure 2020019881
(式中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記R、R、Rにおける炭素数1〜3のアルキル基の炭素数として好ましくは1〜2であり、より好ましくは1である。
上記アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基(アミル基)、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
上記アルキル基として好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
、Rとして好ましくは水素原子である。
として好ましくは水素原子又はメチル基であり、重合性の観点からより好ましくはメチル基である。
における炭素数1〜10のアルキレン基の炭素数として好ましくは1〜5である。これにより、共重合体の疎水性がより好適な範囲となる。より好ましくは1〜3であり、最も好ましくは2である。
におけるアルキレン基として好ましくはメチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基であり、より好ましくはメチレン基、エチレン基である。
が直接結合である場合とは、上記式(1)における(R)(R)C=C(R)−R−O−が(R)(R)C=C(R)−O−で表されることを意味する。
、Rは、上述のとおり水素原子であることが好ましく、HC=C(R)−R−において、RがCH基、RがCH基の場合はメタリル基、RがCH基、RがCHCH基の場合はイソプレニル基、RがCH基、Rが直接結合の場合はイソプロペニル基、Rが水素原子、RがCH基の場合はアリル基、Rが水素原子、RがCHCH基の場合はブテニル基、Rが水素原子、Rが直接結合の場合はビニル基である。
C=C(R)−R−としては、イソプレニル基、メタリル基、アリル基、ビニル基が好ましく、重合体の安定性の観点から、イソプレニル基、メタリル基、アリル基がより好ましく、イソプレニル基が特に好ましい。
不飽和アルコール(B)として具体的には、ビニルアルコール、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール等が挙げられる。
これらの中でも好ましくはアリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールであり、より好ましくはアリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールであり、更に好ましくは3−メチル−3−ブテン−1−オールである。
<その他の単量体(E)>
本発明の共重合体(α)は、ビニルラクタム系単量体(A)及び不飽和アルコール(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。
その他の単量体(E)としては、例えば、(i)アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸等の(ポリ)アルキレングリコール含有不飽和スルホン酸、3−(メタ)アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、α−メチル−p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルファミン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、4−(アリルオキシ)ベンゼンスルホン酸、1−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−スルホン酸、3−ブテン−1−スルホン酸、1−ブテン−3−スルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコールの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール及びこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(vi)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(vii)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(viii)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、ビニルナフタレン、フェニルマレイミド、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;(ix)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;(x)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)、(v)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)、(ix)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1〜20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1〜4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記アルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0〜50モルが好ましく、0〜20モルがより好ましく、上記(ix)の化合物1モルあたり1〜50モルが好ましく、1〜20モルがより好ましい。
本発明の共重合体(α)は上述のとおり、その他の単量体(E)として(iv)の不飽和アルコールの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物由来の構造単位を有していてもよいが、その含有量としては全構造単位(共重合体)100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、特に一層好ましくは0.5質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
本発明の共重合体(α)は上述のとおり、その他の単量体(E)として(iv)の不飽和アルコールの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物由来の構造単位を有していてもよいが、その含有量としては全構造単位(共重合体)100モル%に対して、10モル%以下であることが好ましい。より好ましくは5モル%以下であり、更に好ましくは3モル%以下であり、特に好ましくは1モル%以下であり、特に一層好ましくは0.5モル%以下であり、最も好ましくは0モル%である。
≪N−ビニルラクタム含有共重合体(β)≫
本発明のN−ビニルラクタム含有共重合体(β)(以下、共重合体(β)ともいう。)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)由来の構造単位(b’)とを有する。不飽和アルコール(B’)は、オキシアルキレン基を付加させた不飽和アルコールよりも疎水性が高いため、本発明の共重合体(β)はこのような構造を有することにより親水性、疎水性のバランスが好適な範囲となる。これにより、上記共重合体(β)は染料との親和性が高まり、吸着性が向上し、移染防止能に優れるものとなる。
不飽和アルコール(B’)は、不飽和アルコール(B’)が有する炭素原子数の合計が4以上であれば特に制限されないが、炭素原子数の合計として好ましくは8以下であり、より好ましくは4〜6である。
不飽和アルコール(B’)としては、下記式(2);
Figure 2020019881
(式中、R1’、R2’、R3’は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R4’は、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。但し、R1’、R2’、R3’及びR4’の炭素数の合計は、2以上である。)で表される化合物であることが好ましい。
上記R1’、R2’、R3’ 及びR4’の具体例及び好ましい例は、式(1)におけるR、R、R及びRと同様である。
上記(2)において(R1’)(R2’)C=C(R3’)−R4’−O−で表される基として好ましくはイソプレニル基、メタリル基であり、より好ましくはイソプレニル基である。
不飽和アルコール(B’)として具体的には、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール等が挙げられる。
これらの中でも好ましくはメタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールであり、更に好ましくは3−メチル−3−ブテン−1−オールである。
上記共重合体(β)におけるN−ビニルラクタム系単量体(A)は、共重合体(α)におけるN−ビニルラクタム系単量体(A)と同様である。
上記共重合体(β)における構造単位(a)及び(b’)の含有割合の好ましい範囲は、共重合体(α)における構造単位(a)及び(b)の含有割合の好ましい範囲と同様である。
上記共重合体(β)は、N−ビニルラクタム系単量体(A)及び不飽和アルコール(B’)以外のその他の単量体(E’)由来の構造単位(e’)を有していてもよく、その他の単量体(E’)の具体例、構造単位(e’)の好ましい割合は、共重合体(α)におけるその他の単量体(E)の具体例、構造単位(e)の好ましい割合と同様である。
上記共重合体(β)の重量平均分子量の好ましい範囲は、上記共重合体(α)の重量平均分子量の好ましい範囲と同様である。
≪N−ビニルラクタム含有共重合体の製造方法≫
上記共重合体(α)及び(β)の製造方法は、特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例、並びに、各単量体の好ましい割合は、上述のとおりである。
N−ビニルラクタム系単量体(A)と不飽和アルコール(B)とを含む単量体成分を重合させる工程を含むN−ビニルラクタム含有共重合体(α)の製造方法もまた、本発明の1つである。
更に、N−ビニルラクタム系単量体(A)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)とを含む単量体成分を重合させる工程を含むN−ビニルラクタム含有共重合体(β)の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記重合工程における、単量体成分の重合を開始する方法としては、特に制限されないが、例えば、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等が挙げられる。
上記重合工程において、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(N−ビニルラクタム系単量体(A)、不飽和アルコール(B)又は不飽和アルコール(B’)及びその他の単量体(E)又はその他の単量体(E’)の合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、15g以下であることが好ましく、0.1g以上、12g以下であることがより好ましく、0.1g以上、10g以下であることが更に好ましい。
上記重合工程においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤として、具体的には、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン化物;イソプロピルアルコール、グリセリン等の、第2級アルコール;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)(これらの水和物を含む);亜リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩);亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸(塩);亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸(塩);亜ジチオン酸ナトリウム等の亜ジチオン酸(塩);ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸(塩)などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、30g以下であることが好ましく、0g以上、15g以下であることがより好ましい。
上記重合工程において、溶剤を使用する場合、溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等から選ばれる1種または2種以上が例示される。溶剤としては、水が好ましい。
溶媒として水を用いることにより、重合反応後に溶媒を置換する工程を行わずに、洗剤用途等に用いることができる。
すなわち、重合工程は水溶液中で行われることが好ましい。
上記溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40〜1000質量%が好ましい。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が共重合体の分子量が大きくなるので好ましく、60℃〜100℃の範囲内であれば、重合率がより向上するので更に好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、及び、溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
≪N−ビニルラクタム含有共重合体の用途≫
上記N−ビニルラクタム含有共重合体は、移染防止剤等の洗剤、洗剤用添加剤、スケール防止剤、各種無機物や有機物の分散剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋剤、保湿剤等の用途に用いられることが好ましく、より好ましくは移染防止剤等の洗剤用途である。
<移染防止剤>
本発明はまた、上記共重合体を含む移染防止剤でもある。
上記共重合体が移染防止能を発揮することができる染料の種類は特に制限されず、衣類等の染色に通常用いられる染料であればよいが、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、建染染料、分散染料、反応染料、蛍光増白染料等が挙げられる。
染料として好ましくは、直接染料、酸性染料等の水溶性の染料である。水溶性の染料は、洗濯時に色落ちしやすいため、本発明の技術的意義をより効果的に発揮することとなる。
<洗剤組成物>
上記移染防止剤及び共重合体は、洗剤組成物(洗浄剤組成物)に用いることができる。すなわち、本発明は上記移染防止剤と該移染防止剤以外の洗剤添加剤とを含む洗剤組成物でもある。更に、本発明は上記共重合体と該共重合体以外の洗剤添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
上記洗剤組成物は、好ましくは衣料用であり、洗濯洗剤等に用いられることが好ましい。
上記洗剤組成物における上記移染防止剤及び/又は共重合体の含有量は、洗剤組成物100質量%に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜15質量%であり、更に好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明の移染防止剤及び/又は共重合体以外の洗剤添加剤としては、界面活性剤や通常洗剤に用いられる添加剤であれば特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは20〜45質量%であり、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<重量平均分子量の測定条件(GPC)>
装置:東ソー製高速GPC装置(HLC−8320GPC)
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:GLサイエンス社製 Polyethylene Glycol,Polyethylene Oxide
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<固形分の測定>
130℃に加熱したオーブンで共重合体(共重合体1.0gに水3.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の質量変化から、固形分(質量%)と、揮発成分(質量%)を算出した。
後に示す表1において、「単量体組成(仕込み組成)」、「単量体組成(仕上がり組成)」は、次のような意味である。
「単量体組成(仕込み組成)」:共重合体を製造するために反応容器に仕込んだ単量体の量から計算される組成。
「単量体組成(仕上がり組成)」:LC(液体クロマトグラフィー)によって、共重合体を製造するために反応容器に仕込んだ単量体の、重合反応における消費率を分析し、消費された単量体が全て重合反応によって共重合体に転化するものとして計算される組成。なお、上記LC(液体クロマトグラフィー)の分析条件、分析法は下記の通りである。
<LC分析条件>
装置:Waters Alliance(2695)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)、多波長可視紫外(PDA)検出器(Waters 2996)
カラム:大阪ソーダ社製、CAPCELL PAK C1、4.6×250mm、3本
カラム温度:40℃
流速:1ml/min
溶離液:0.01Mリン酸水素二ナトリウム水溶液/アセトニトリル=49/51(質量比)
<LC分析法>
各単量体の検量線を作成し、重合後のポリマー溶液の各単量体の残存量から消費量を決定した。
<移染防止能評価>
以下の方法により、移染防止能の測定を行った。移染防止能の評価においては、まず、液体洗剤配合物と2.0質量%重合体水溶液を調製した。25質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(製品名:エマール20C、花王製)11.0gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(製品名:エマルゲン108、花王製)2.8gと16質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(製品名:ネオペレックスG−15、花王製)17.2gとプロピレングリコール3gとオレイン酸ナトリウム1.2gとエタノール1gに純水を加えて50.0gとした後、撹拌し、液体洗剤配合物を調製した。上記2.0質量%重合体水溶液は、重合体を適量の水で希釈して固形分濃度2.0質量%に調製したものを用いた。次に、500mlビーカーに、調製した液体洗剤組成物0.6gと2.0質量%重合体水溶液0.3gに50ppmCaイオン硬度水500gを加えたのち、クロラゾールブラック0.005gを加えて撹拌した。前記の溶液に5cm×5cmの綿布(Testfabrics社製、Style460−6)1gを加え、25℃で15分間撹拌を行った。その後、得られた綿布を50ppm(Ca/Mg=3/1)硬度水500gにより15分間すすぎを行い、このすすぎ工程を再度繰り返すことで染色布を得た。この工程で得られた染色布と評価前の白色綿布のWB値を色差計(日本電色工業製、分光式色差計SE−6000)で測定することにより重合体の移染防止能を評価した。評価結果について、0質量%は、重合体を添加せずに洗浄した試験布と同じ色の強さを表し、100質量%は試験布が評価前の色の強さを維持していることを表す。すなわち、高い値ほど移染防止能が高いことを示している。
<実施例1>
(共重合体1の合成)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水191.6gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、N−ビニルピロリドン(以下、「NVP」とも称する。)を150.0g、イソプレノールを6.1g、10質量%2,2’-アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「10%V−50」とも称する。)を56.8g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては180分間、イソプレノールについては180分間、10%V−50については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に60分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度40質量%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体1)の重量平均分子量は13,900であった。また、移染防止能は52%であった。
<実施例2>
(共重合体2の合成)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水132.9gを仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを100.0g、イソプレノールを8.6g、10%V−50を40.0g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては180分間、イソプレノールについては180分間、10%V−50については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に60分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度40質量%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体2)の重量平均分子量は20,200であった。また、移染防止能は55%であった。
<比較例1>
(共重合体3の合成)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、イソプレノールのエチレンオキサイド25モル付加物の80%水溶液(以下、「80%IPN25」とも称する)を42.2g、純水を195.1g仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを60.0g、10%V−50を22.7g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては180分間、10%V−50については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に60分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度31質量%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体3)の重量平均分子量は18,300であった。また、移染防止能は40%であった。
<比較例2>
(共重合体4の合成)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、イソプレノールのエチレンオキサイド50モル付加物の60%水溶液(以下、「60%IPN50」とも称する)を90.3g、純水を194.4g仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、80℃に保持された重合反応系中に、NVPを50.0g、10%V−50を18.9g、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、NVPについては180分間、10%V−50については180分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。滴下終了後、更に60分間、前記反応溶液を80℃に保持(熟成)して重合を終了した。このようにして、固形分濃度31質量%の重合体水溶液を得た。重合体(共重合体4)の重量平均分子量は31,900であった。また、移染防止能は36%であった。
<比較例3>
日本触媒社製の粉体製品ポリビニルピロリドン(PVP)K−30を用いて、移染防止能を評価した。移染防止能は37%であった。
実施例1、2及び比較例1、2、3における(共)重合体の移染防止能の結果を表1に示した。
Figure 2020019881

Claims (8)

  1. N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と不飽和アルコール(B)由来の構造単位(b)とを有するN−ビニルラクタム含有共重合体(α)を含むことを特徴とする移染防止剤。
  2. 前記不飽和アルコール(B)は、下記式(1);
    Figure 2020019881
    (式中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の移染防止剤。
  3. 前記共重合体(α)は、該構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100モル%に対して、50〜99モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の移染防止剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の移染防止剤と該移染防止剤以外の洗剤添加物とを含むことを特徴とする洗剤組成物。
  5. N−ビニルラクタム系単量体(A)由来の構造単位(a)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)由来の構造単位(b’)とを有することを特徴とするN−ビニルラクタム含有共重合体(β)。
  6. 前記不飽和アルコール(B’)は、下記式(2);
    Figure 2020019881
    (式中、R1’、R2’、R3’は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R4’は、直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。但し、R1’、R2’、R3’及びR4’の炭素数の合計は、2以上である)で表されることを特徴とする請求項5に記載のN−ビニルラクタム含有共重合体(β)。
  7. 前記共重合体(β)は、該構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100モル%に対して、50〜99モル%であることを特徴とする請求項5又は6に記載のN−ビニルラクタム含有共重合体(β)。
  8. 請求項5に記載のN−ビニルラクタム含有共重合体(β)を製造する方法であって、
    該製造方法は、N−ビニルラクタム系単量体(A)と炭素数4以上の不飽和アルコール(B’)とを含む単量体成分を重合させる工程を含むことを特徴とするN−ビニルラクタム含有共重合体(β)の製造方法。
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