JP5748583B2 - 重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
上記方法によれば、得られる重合体混合物は、再汚染防止能に優れ、保存安定性に優れることから、製造される洗剤の品質が安定する。さらに、保存安定性の向上によって、洗剤製造の自由度が向上し、製造コストも削減されることが開示されている。
しかし、特許文献3の記載の方法によって製造された重合体混合物は、アニオン性基を有する重合体を主体とするものであるが、例えば洗剤用途においては洗剤配合や洗剤の使用目的によってはアニオン性基重合体(アニオン性基を多く含む重合体)の使用が制限される場合があった。
そこで、本発明は、ノニオンおよび/またはカチオン性基を主として有し、従来より一層改善された再汚染防止能を有する重合体(組成物)およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の製造方法は、アミノ基含有(メタ)アクリレートを必須とする単量体(単量体成分)をポリアルキレングリコール構造を有する化合物の存在下で重合させる工程(重合工程)を含む重合体組成物の製造方法であって、重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し0〜120質量部であり、アミノ基含有(メタ)アクリレートの添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物の使用量100質量部に対し120〜100,000質量部である、重合体組成物の製造方法である。
本発明の製造方法に使用される「アミノ基含有(メタ)アクリレート」とは、アミノ基を有するアクリレート、アミノ基を有するメタクリレート、及びこれらの塩を意味する。アミノ基含有(メタ)アクリレートは1種または2種以上で使用される。アミノ基を有するアクリレート、アミノ基を有するメタクリレートの塩としては、塩酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、メチル硫酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートに含まれるアミノ基としては、1〜4級のアミノ基である。
本発明の重合体組成物は、重合反応系において、PAG化合物存在下で、アミノ基含有(メタ)アクリレートを必須として重合させることによって、合成される。本発明の重合体組成物は、分離安定性が極めて良好なため、PAG化合物とジエチルアミノエチルアクリレートの重合体の分離を抑制する重合体を含んでいるものと考えられる。すなわち、本発明の製造方法において主として重合前半に形成される重合体の一部は、PAG化合物をその構造中に取り込んでいる可能性がある。
−(O−R)n− 一般式(1)
(式中、Rはアルキレン基を表し、nは繰り返し数を表す)
アルキレン基としては、特に限定されないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、シクロへキシレン基などが挙げられる。好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基である。nは、通常は5〜300程度、好ましくは5〜100、より好ましくは7〜90、特に好ましくは10〜80である。ただし、nは、この範囲に限定されない。
上記一般式(2)において、R1、R3はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を表し、R2は炭素数2〜20のアルキレン基を表し、nは5〜300の数を表す。
上記一般式(2)において、R1、R3が炭素数1〜20のアルキル基である場合の具体例としてはメチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等が例示され、炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が例示される。
上記一般式(2)において、R2としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が例示され、エチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基が好ましい。
本発明の製造方法に使用される単量体としては、所望に応じて、上記アミノ基含有(メタ)アクリレートの他に、これらと重合可能なその他の単量体を使用しても構わない。その他の単量体としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸2−メチレングルタル酸、これらの塩等のカルボキシル基含有単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸などのホスホン酸基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルコールとのエステル化により得られるアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン、スチレンスルホン酸等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;アリルアルコールやイソプレノール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加した構造の単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基と重合性基を有するビニル芳香族系アミノ基含有単量体およびこれらの4級化物や塩;ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類およびこれらの4級化物や塩;(i)(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、(ii)ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等のジアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、イミノジ酢酸、グリシン等のアミノカルボン酸、モルホリン、ピロール等の環状アミン類等のアミンを反応させることにより得られる単量体およびこれらの4級化物や塩等が挙げられる。これらの他の単量体についても、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
なお、上記使用量を計算する場合には単量体が酸基を有する場合には酸型換算で計算し、アミノ基を有する場合には対応するアミン換算で計算する。例えば、単量体がアクリル酸ナトリウムの場合、対応する酸であるアクリル酸として使用量を計算する(酸型換算)。
本発明の製造方法は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物と重合開始剤の存在下でアミノ基含有(メタ)アクリレートを必須として含む単量体成分を重合する工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法で使用できる重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が例示される。これらの重合開始剤のうちでも、アミノ基含有(メタ)アクリレートの重合の進行が良好であり、残存単量体を低減することができることから、アゾ系化合物を使用することが好ましい。
連鎖移動剤を使用すると、製造される重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量の重合体を効率よく製造することができるという利点がある。
重金属イオンは、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いて添加されうる。その際に用いられる重金属化合物は、重合反応系中に含有されることを所望する重金属イオンに応じて決定される。溶媒として水が用いられる場合には、水溶性の重金属塩が好ましい。水溶性の重金属塩としては、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガンなどが挙げられる。重金属イオンの添加方法としては、初期添加または逐次添加、好ましくは初期添加が用いられる。ただし、重金属イオンの添加方法がこれらに限定されるわけではない。なお、初期添加とは、重金属イオンの全量を重合反応系中に予め添加する方法をいい、逐次添加とは、重金属イオンを重合反応の進行と共に、徐々に添加していく方法をいう。
本発明の製造方法は、上記の通り水の使用量が制御されることとなる。単量体の溶解性を向上させるために、有機溶剤を使用してもよい。使用可能な有機溶剤としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。
重合中に滴下する各成分の滴下時間は、通常は40分〜420分であり、好ましくは60分〜360分である。各成分によって、滴下時間が異なっていてもよい。
本発明の重合体組成物は、上記の製造方法により製造されることが好ましい。
化合物A、Bは、重複していても良い。すなわち、例えば化合物Aは、アミノ基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位の他に、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位を有していても良い。
化合物A、Bは、任意であるがその他の単量体に由来する構造単位等を有していても構わない。
なお、アミノ基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位とは、アミノ基含有(メタ)アクリレートが重合して生成する構造であり、例えばジエチルアミノエチルアクリレートに由来する構造単位であれば、−CH2CH(−C(=O)OCH2CH2N(CH3)2)−、で表すことができる。アミノ基含有(メタ)アクリレート自体の構造単位、すなわち、例えばジエチルアミノエチルアクリレートの場合において、CH2=CH(−C(=O)OCH2CH2N(CH3)2)で表される構造単位自体はアミノ基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位に含まないものとする。
なお、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位とは、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物そのもの、またはポリアルキレングリコール構造を有する化合物に単量体等が付加した化合物の単量体等に由来する構造を除いた部分の構造単位を表す。
すなわち、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物に由来する構造単位には、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物自体の構造単位を含み、重合体や副生成物に含まれる構造部分も含まれる。
上記構造単位の質量%を計算する場合には、酸基を含有する単量体に由来する構造単位の場合は酸型換算で、アミノ基を含有する単量体に由来する構造単位の場合はアミン換算で、計算するものとする。
本発明の重合体組成物が水を含有する場合、本発明の重合体組成物の好ましい水分量は、20〜80質量%である。好ましくは30〜70質量%であり、さらに好ましくは35〜60質量%である。本発明の重合体組成物が水を含有する場合、本発明の重合体組成物好ましい固形分濃度は20〜80質量%であり、好ましくは30〜70質量%であり、さらに好ましくは40〜65質量%である。
本発明の重合体組成物は、良好な保存安定性を有する。
本発明の重合体組成物は、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(または洗剤組成物)等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
本発明の重合体組成物は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
本発明の重合体組成物は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の重合体組成物を含む。
上記繊維処理剤における本発明の重合体組成物の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100重量%であり、より好ましくは5〜100重量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
<無機顔料分散剤>
本発明の重合体組成物は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明の重合体組成物は、洗剤組成物にも添加しうる。
本発明の重合体組成物は、上述した重合体を含むが、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、当該重合体の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選択される1種または2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
<重合体の分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)、および、数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値である。
測定装置:日立社製 「L−7000シリーズ」
検出器:RI
カラム:昭和電工社製「TOSOH guard column α」、「TSK gel α―3000」、「TSK gel α―2500」をこの順で接続したもの
温度:40℃
流速:0.4mL/分
検量線:ポリエチレンオキシド標準サンプル(ジーエルサイエンス社製)を用いて作成
溶離液:100mMホウ酸ナトリウム水溶液(pH9.2)/アセトニトリル:80/20(wt%).
<重合体組成物中の単量体の測定>
該単量体の測定は、下記条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:日立社製 「L−7000シリーズ」
検出器:UV(検出波長254nm)
カラム:昭和電工社製「TOSOH guard column α」、「TSK gel α―3000」、「TSK gel α―2500」をこの順で接続したもの
温度:40℃
流速:0.4mL/分
溶離液:100mMホウ酸ナトリウム水溶液(pH9.2)/アセトニトリル:80/20(wt%).
<再汚染防止能の評価>
カーボンブラックを用いたポリエステル布への再汚染防止能試験は、下記の手順に従って行った。
(i)Test fabric社より入手したポリエステル布を5cm×5cmに切断し、白布を作成した。この白布を予め日本電色工業社製の測色色差計SE2000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。(洗浄前の試験布の白色度という。)
(ii)塩化カルシウム2水和物4.41g、塩化マグネシウム6水和物2.41gに水を加え20Lにした。
(iii)エマール270J(70%)を5%に希釈したものを64g、エマルゲン108(100%)を0.4g、ホウ酸ナトリウム十水和物0.76g、クエン酸1.0gの混合物に、純水を加えて90gにし、10%NaOHでpH8.5に調整し、さらに水を加えて全体を100gにした。
(iv)カーボンブラック0.125gを必要数薬包紙に秤りとった。
(v)1wt%サンプル水溶液20gほど用意した。
(vi)ターゴットメーターを40℃にセットし、ポットに、上記(ii)を500mLと、上記(iii)を2.5g、上記(iv)を0.125g、上記(v)を3.5g入れ、100rpmで1分間攪拌する。その後、白布5枚入れ、100rpmで30分攪拌した。
(vii)手で白布の水を切り、上記(ii)を500mLポットに入れ、100rpmで2分間攪拌する。これを2回行った。
(viii)白布に当て布をして、アイロンでシワを伸ばしながら乾燥させた後、上記(i)の測色色差計にて、再度白布の白色度を反射率にて測定した。(洗浄後の試験布の白色度という。)
(ix)以上の測定結果から、下式により移染防止能を求める。
(x)再汚染染防止能(%)=〔(洗浄後の試験布の白色度)/(試験前の試験布の白色度)〕×100.
<界面活性剤との相溶性>
ポリオキシエチレンドデシルエーテル(ドデカノールにエチレンオキサイドを平均8モル付加したもの)25%水溶液 4gに重合体組成物0.2g(固形分)を混合し、1時間静置した。濁りがない場合を○、やや濁っている場合を△、濁っている場合を×とした。濁りがないことは、重合体組成物を添加した洗剤が長期間に渡って均一に保たれうることを示す。
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
温度計、還流冷却管、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコにメトキシポリエチレングリコール25(メタノールにエチレンオキサイドを平均25モル付加させて得られた化合物。以下、PGM25と称す。)110.0gを仕込み、攪拌下70℃に昇温した後、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(以下、DAAとも称す。)27.5g、および、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩酸塩34.6g、および、純水35.6gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル27.5gが120分間、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩34.6g、および、純水35.6gが130分間とした。なお滴下開始はすべて同時とした。滴下終了までの間、温度は70℃を維持した。さらに同温度を、滴下終了後30分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合完結後、反応溶液を放冷してから、純水83.1gを加えて希釈した。このようにして、固形分濃度46重量%の共重合体組成物(1)を得た。共重合体組成物(1)における残存DAA量は0.9質量%であった。重合処方を表1にまとめた。
温度計、還流冷却管、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコにメトキシポリエチレングリコール75(メタノールにエチレンオキサイドを平均75モル付加させて得られた化合物。以下、PGM75と称す。)120.0gを仕込み、攪拌下70℃に昇温した後、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル13.3g、および、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、V−50とも称す。)12.2g、および、純水49.4gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル13.3gが120分間、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩酸塩12.2g、および、純水49.4gが130分間とした。なお滴下開始はすべて同時とした。滴下終了までの間、温度は70℃を維持した。さらに同温度を、滴下終了後30分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。重合完結後、反応溶液を放冷してから、純水78.0gを加えて希釈した。このようにして、固形分濃度49重量%の共重合体組成物(2)を得た。共重合体組成物(2)における残存DAA量は1.2質量%であった。重合処方を表1にまとめた。
温度計、還流冷却管、攪拌機を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに純水180.0gを仕込み、攪拌下70℃に昇温した後、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル25.1g、および、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩酸塩19.0g、および、純水79.5gをそれぞれ別の滴下口より滴下した。それぞれの滴下時間は、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル25.1gが120分間、15重量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩酸塩19.0g、および、純水79.5gが130分間とした。なお滴下開始はすべて同時とした。滴下終了までの間、温度は70℃を維持した。さらに同温度を、滴下終了後30分間にわたって維持して熟成を行い、重合を完結した。このようにして、固形分濃度6.9重量%の比較重合体組成物(1)を得た。比較重合体組成物(1)における残存DAA量は1.8質量%であった。重合処方を表1にまとめた。
50mLのスクリュー管に、比較例1で得られた重合体水溶液14.5gとPGM25を10.0g仕込み、攪拌を行った。このようにして、固形分濃度45重量%の重合体混合物(比較重合体組成物(2))を得た。
50mLのスクリュー管に、比較例1で得られた重合体水溶液18.5gとPGM25を5.1g仕込み、攪拌を行った。このようにして、固形分濃度32重量%の重合体混合物(比較重合体組成物(3))を得た。
<実施例3>
上記実施例1、比較重合体1〜3で得られた重合体組成物の分析結果、重合体の再汚染防止能の評価をおこなった結果を表2に示した。
<実施例4>
上記実施例1、比較重合体1〜3で得られた重合体の界面活性剤との相溶性を評価した結果を表3に示した。
表2に示す結果から、本発明の重合体は、従来の重合体と比較して、優れた再汚染防止能を有していることが明確になった。また、表3に示す結果から、本発明の重合体は、良好な界面活性剤との相溶性を有することが確認された。
従って、本発明の重合体は洗剤ビルダーとして好適に使用される。
Claims (3)
- アミノ基含有(メタ)アクリレートを必須とする単量体を
アゾ系化合物及びポリアルキレングリコール構造を有する化合物(但し、二重結合を除く。)の存在下で重合させる工程を含む、重合体組成物の製造方法であって、
重合開始時の水の量が上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物(但し、二重結合を除く。)の使用量100質量部に対し0〜100質量部であり、
アミノ基含有(メタ)アクリレートの添加終了時における反応溶液に含まれる水の量が、上記ポリアルキレングリコール構造を有する化合物(但し、二重結合を除く。)の使用量100質量部に対し120〜100,000質量部である、重合体組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の方法によって得られる重合体組成物。
- 請求項2に記載の重合体組成物に含まれる重合体を含む洗剤組成物。
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