JP2011116812A - アミノ基含有共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
1質量%以上90質量%以下のヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート由来の構造単位、
9質量%以上98質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位、1質量%以上50質量%以下のアミノ基基含有単量体(C)由来の構造単位、を必須構造単位として有するアミノ基含有共重合体である。
【選択図】なし
Description
また、例えば洗剤分野において、洗剤のコンパクト化の要求が近年強くなってきている。これに伴ない、キレート剤にも複数の機能が要求されてきている。例えば、洗濯水中に鉄由来の化合物が繊維に吸着することにより、繊維の黄ばみが発生するという問題があるが、キレート剤にはカルシウムイオン等に加え、鉄イオン等の重金属イオンをも除去する機能(鉄イオン沈着防止能)が要求される。
鉄イオンのキレート力を有し、鉄イオンが繊維に吸着することを防止する性能(鉄イオン沈着防止能)を改良した高分子キレート剤として、例えば、下記一般式(1)で表される重合体が知られている(特許文献1)。
(上記一般式(1)において、Xはアミド基、アミノ基、チオエーテル基から選ばれる少なくとも1つの官能基であり、Mは互いに独立にHあるいはK、Na等のアルカリ金属あるいはMg、Ca等のアルカリ土類金属を表す。)
しかし、上記高分子キレート剤は製法上の問題から、カルボキシル基やアミノ基の含有量の設計には制限があり、その鉄イオン沈着防止能は、必ずしも満足できるものではなく、より一層の鉄イオン沈着防止能を有する高分子キレート剤が要求されているのが現状である。
また、近年ではドラム式洗濯機の普及等により、液体洗剤の使用機会が増加していることから、高分子キレート剤は、液体洗剤にも配合可能なように、十分な界面活性剤との相溶性を有することが要求されている。
本発明の目的は、従来の重合体と比較して十分な鉄イオン沈着防止能を有する重合体を提供することにある。本発明の別の目的は、従来の重合体と比較して十分な鉄イオン沈着防止能を有する重合体を製造することができる方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、1質量%以上90質量%以下のヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート由来の構造単位(a)、
9質量%以上98質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)、
1質量%以上50質量%以下のアミノ基基含有単量体(C)由来の構造単位(c)、
を必須構造単位として有するアミノ基含有共重合体である。
<ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート>
本発明のアミノ基含有共重合体は、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(A)ともいう)由来の構造単位(a)を特定の割合で有することを必須としている。
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとは、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートをいう。本発明のアミノ基含有共重合体がアルカリ条件下においても安定して優れた鉄イオン沈着防止能を発現することから、本発明のアミノ基含有共重合体は、ヒドロキシプロピルメタアクリレートに由来する構造単位(a)を有することが好ましい。
一般式(a1)〜(a3)において、R0は、水素原子またはメチル基を表す。
本発明のアミノ基含有共重合体は、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)を特定の割合で有することを必須としている。
本発明のアミノ基含有共重合体は、アミノ基含有単量体(C)由来の構造単位(c)を特定の割合で有することを必須としている。
本発明において、アミノ基含有単量体(C)とは、1)不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と2)アミノ基を必須として含有する単量体である(但し単量体(B)に属する単量体は、単量体(C)から除くものとする)。
本発明において、アミノ基含有共重合体を構成する構造単位(c)は、好ましくは、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環式芳香族炭化水素基を有するビニル芳香族系単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アミノエチルメタクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン等のアリルアミン類、下記一般式(C1)〜(C2)で表される不飽和単量体(C)等、およびこれらの4級化物や塩が挙げられる。特に好ましくは、下記一般式(C1)〜(C2)で表される不飽和単量体(C)、若しくはこれらの単量体を4級化した単量体(C)、に由来する構造単位である。本発明において、構造単位(c)は、1種が単独で存在してもあるいは2種以上の混合物の形態で存在していてもよい。
上記一般式(C1)〜(C2)において、R0は、水素原子またはメチル基を表し、R1は、単結合、CH2、CH2CH2であり、R2及びR3は、水素原子または炭素数1〜20の有機基を表わす。この際、R2及びR3は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、R2及びR3は、結合して環状構造を形成しても良い。
上記R1が単結合の場合とは、H2C=C(R0)−R1−Oのとき、H2C=C(R0)−Oであることを表す。
上記R2及びR3が表わす有機基としては、炭素数が1〜20であれば特に制限されないが、置換されたまたは無置換のアルキル基、アリール基、アルケニル基、あるいは下記一般式(1)〜(9)で表される基であることが特に好ましい。
一般式(1)〜(9)において、X1〜X9は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。この際、X1〜X9は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、上記X1〜X9は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又は有機アミン基である場合、上記一般式(1)〜(9)は、塩を表すこととなる。なお、上記一般式(6)におけるアミノ基は、4級化していてもよい。上記一般式(6)におけるR6及びR7は、水素原子、炭素数1〜18の置換されたまたは無置換のアルキル基、アリール基、アルケニル基である。上記式(10)におけるR4若しくはR5と同じであってもよい。上記アルカリ金属原子としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が好適に挙げられ、アルカリ土類金属原子としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が好適に挙げられる。有機アミン基としては、例えば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等が好適に挙げられる。
上記一般式(C1)〜(C2)における有機基が置換されたまたは無置換のアルキル基、アリール基、アルケニル基である場合の好ましい例示は、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基、またはこれらの水素原子の一部が、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、アミノ基、アミド基、水酸基等で置換された基が挙げられる。
上記一般式(C1)〜(C2)における有機基としては、より好ましくは炭素数1〜12であり、特に好ましくは炭素数1〜8である。
上記一般式(C1)〜(C2)において、R2及びR3は、好ましい形態としては、両方が炭素数1〜20の有機基である場合であるが、R4及びR5が同時に水素原子となる形態であってもよいし、R4及びR5の何れか一方が水素原子であり、他方が有機基である場合も好ましい。
一般式(C3)、(C4)において、R0は一般式(C1)、(C2)とそれぞれ同様であり、一般式(C3)、(C4)において、下記一般式(C5)の構造は好ましくは全体として窒素原子を含む4員〜8員の複素環を表す。該複素環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等、およびこれらの環構造に結合する水素原子の一部が炭素数1〜4のアルキル基で置換された複素環が例示される。
一般式(C3)、(C4)で表される不飽和単量体は、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、4員〜8員の複素環を有するアミンを反応させることによって製造される単量体であることが好ましい。該4員〜8員の複素環を有するアミンとしては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、およびこれらの有する複素環に結合する水素原子の一部が炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアミンが例示される。
上記一般式(C6)〜(C7)において、R0、R1は、上記一般式(C1)〜(C2)におけるR0、R1と同じであり、上記一般式(C6)〜(C7)において、R2、R3、R4は、上記一般式(C1)〜(C2)におけるR2、R3と同じである。この際、R2、R3、R4は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、R2、R3、R4のいずれか2の基は、結合して環状構造を形成しても良い。
上記一般式(C6)〜(C7)において、A−は、カウンターアニオンを表す。A−は、一価のカウンターアニオンであることが好ましく、例えば、Cl−、Br−、I−等のハロゲン原子のイオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等の、アルキル硫酸イオンが好ましい。
上記一般式(C1)、(C2)で表されるアミノ基含有単量体が4級化した単量体(上記一般式(C6)、(C7)で表されるアミノ基含有単量体)は、上記一般式(C1)、(C2)で表されるアミノ基含有単量体を適切な4級化剤で4級化しても、(メタ)アリルグリシジルエーテル、イソプレニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルのエポキシ環に、直接、トリメチルアミン塩酸塩のような3級アミン塩を反応することにより製造しても良い。
なお、上述したように、本発明のアミノ基含有共重合体の製造において、一般式(C1)、(C2)で表されるアミノ基含有単量体は、いずれか1方を単独または2種以上で使用しても、あるいはそれぞれ1種または2種以上を使用してもよい。上記一般式(C1)、(C2)で表されるアミノ基含有単量体の製造に使用するアミンとして、好ましくは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等のジアルキルアミン;ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;イミノジ酢酸、グリシン等のアミノカルボン酸;モルホリン、ピロール等の環状アミン類等が例示される。
上記一般式(c1)〜(c2)において、R0は、水素原子またはメチル基を表し、R1は、単結合、CH2、CH2CH2であり、R2及びR3は、水素原子または炭素数1〜20の有機基を表わす。この際、R2及びR3は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。また、R2及びR3は、結合して環状構造を形成しても良い。
本発明のアミノ基含有共重合体は、その他の単量体(D)由来の構造単位(d)を有していても構わない。
本発明のアミノ基含有共重合体が他の単量体(D)を含む際の他の単量体(D)としては、上記単量体(A)〜(C)と共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、所望の効果によって適宜選択される。具体的には、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタアリルオキシスルホン酸、イソプレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸系単量体及びこれらの塩;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンにエチレンオキサイドを6〜200モル付加させた化合物(3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン等)、(メタ)アリルアルコール等のアリルエーテル系単量体;イソプレノール、等のイソプレン系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシネオペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体;(メタ)アクリル酸アルコキシポリアルキレングリコールエステル、マレイン酸アルコキシポリアルキレングリコールエステル、アルキレングリコールのビニルエーテル、アルコキシアルキレングリコールのビニルエーテル、アルキレングリコールの(メタ)アリルエーテル、アルコキシアルキレングリコールの(メタ)アリルエーテル、アルキレングリコールの(メタ)イソプレニルエーテルアルコキシアルキレングリコールの(メタ)イソプレニルエーテル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体であって、アルコレングリコール単位を3〜300モル有する単量体(但し、末端にアルコキシ基を有する場合はアルコキシ基は炭素数1〜20である)、スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体、イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
また、上記他の単量体(D)は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明のアミノ基含有共重合体が、任意成分であるその他の単量体(D)由来の構造単位(d)を含む場合には、全単量体由来の構造単位100質量%(すなわち構造単位(a)、(b)、(c)及び(d)の合計100質量%)に対して、0質量%以上50質量%未満の割合で含むことが好ましい。
本発明のアミノ基含有共重合体は、上記構造単位(a)、(b)、(c)、ならびに必要であれば構造単位(d)が、上記したような特定の割合で導入されていればよく、各構造単位は、ブロック状あるいはランダム状のいずれで存在していてもよい。また、本発明のアミノ基含有共重合体の重量平均分子量は、適宜設定できるものであり、特に限定されない。具体的には、アミノ基含有共重合体の重量平均分子量は、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜100,000、最も好ましくは4,000〜50,000である。重量平均分子量が上記範囲内であれば、鉄イオン沈着防止能が向上する傾向にある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、具体的な測定方法は実施例に記載される方法に従って算出される。
本発明のアミノ基含有共重合体は、鉄イオン沈着防止能に加えて界面活性剤との相溶性に優れる為、高濃縮タイプの液体洗剤へも配合が可能となる。
本発明のアミノ基含有共重合体組成物は、本発明のアミノ基含有共重合体を必須として含有し、アミノ基含有共重合体のみを含んでいても良いが、通常はその他に、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分から選ばれる1以上を含有する。本発明のアミノ基含有共重合体組成物は、本発明のアミノ基含有共重合体組成物100質量%に対し、本発明のアミノ基含有共重合体を1〜100質量%含有することが好ましい。好ましいアミノ基含有共重合体組成物の形態の一つは、アミノ基含有共重合体を40〜60質量%含有し、水を40〜60質量%含有する形態である。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(D)の合計)使用量100質量%に対して、1質量%以上90質量%以下のヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(A))、全単量体の使用量100質量%に対して、9質量%以上98質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B)(単量体(B))、全単量体由来の構造100質量%に対して、1質量%以上50質量%以下のアミノ基含有単量体(C)(単量体(C))を必須として共重合することを特徴としている。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法においては、上記単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)は、それぞれ1種を用いても、2種以上を用いても構わない。本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法においては、上記単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)以外に、必要に応じ、上記その他の単量体(D)を更に共重合させてもよい。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法における単量体(D)の使用割合は、全単量体(単量体(A)、(B)、(C)、(D)の合計)100質量%に対して、0質量%以上、30質量%以下とすることが好ましい。上記任意成分である単量体(D)を使用する場合も、1種を使用しても2種を使用しても良い。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法は、得られるアミノ基含有共重合体がより好ましい鉄イオン沈着防止能や界面活性剤との相溶性を発現すると言う観点から、上記アミノ基含有共重合体を製造する際に用いる各単量体の組成比は、全単量体100質量%に対して、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(A))が5質量%以上90質量%以下、カルボキシル基含有単量体(B)(単量体(B))が8質量%以上93質量%以下、およびアミノ基含有単量体(C)(単量体(C))が2質量%以上45質量%以下、上記その他の単量体(D)を、0〜10質量%とすることが好ましい。より好ましくは、単量体(A)が10質量%以上90質量%以下、単量体(B)が7質量%以上87質量%以下、および単量体(C)が3質量%以上40質量%以下、単量体(D)が、0〜10質量%であり、特に好ましくは、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(単量体(A))が20質量%以上90質量%以下、カルボキシル基含有単量体(B)が6質量%以上76質量%以下、およびアミノ基含有単量体(C)(単量体(C))が4質量%以上35質量%以下、上記その他の単量体(D)が、0〜10質量%である。なお、上記単量体(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量は100質量%としている。なお、上記単量体(A)、(B)、(D)及び(D)の合計量は100質量%としている。
本発明の共重合体の製造方法は、上記単量体(A)、(B)、(C)、(D)(単量体組成物ということがある。)を重合開始剤の存在下で重合することが好ましい。
上記開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩が好ましく、過硫酸塩が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。例えば、過酸化水素と過硫酸塩の組み合わせは好ましい形態である。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法は、必要に応じ、重合に悪影響を及ぼさない範囲内で、重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン際、3−メルカプトプロピオン際、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物およびその塩などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤を使用すると、製造されるアミノ基基含有共重合体が必要以上に高分子量化することを抑制し、低分子量のアミノ基含有共重合体を効率よく製造することができるという利点がある。これらのうち、本発明に係る共重合反応においては、亜硫酸や亜硫酸塩を用いることが好適である。これにより、得られるアミノ基含有共重合体の主鎖末端に定量的にスルホン酸基を導入することができるととなり、耐ゲル性を向上することが可能となる。また、連鎖移動剤として、亜硫酸や亜硫酸塩を用いることにより、アミンの酸化を押さえ、得られるアミノ基含有共重合体(組成物)の色調を改善することができるので好ましい。
上記亜硫酸(塩)としては、亜硫酸若しくは亜硫酸水素またはこれらの塩をいい、亜硫酸/亜硫酸水素が塩である形態が好適である。亜硫酸/亜硫酸水素が塩である場合、上記した例に加えて、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好適である。上記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等の塩が好ましい。また、有機アンモニウム(有機アミン)としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノ
ールアミンや、トリエチルアミン等が好適である。更に、アンモニウムであってもよい。ゆえに、本発明で好ましく使用される亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムが特に好適である。上記亜硫酸(塩)は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明のアミノ基含有共重合体の製造方法は、開始剤などの使用量を低減する等の目的で反応促進剤を加えても良い。反応促進剤としては、重金属イオンが例示される。本発明で重金属イオンとは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。上記金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましい。これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、鉄がより好ましい。上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いる方法を用いると、取り扱い性に優れるため好適である。その際に用いる重金属化合物は、開始剤に含有することを所望する重金属イオンを含むものであればよく、用いる開始剤に応じて決定することができる。上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH4)2(SO4)2・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属化合物を用いる場合においては、いずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れることになる。なお、上記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明のアミノ基含有共重合体の製造において、重合反応を妨げるものでなく、かつ、重金属化合物を溶解するものであればよい。
開始剤の使用量は、単量体(A)、(B)、(C)ならびに必要であれば他の単量体(D)の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、単量体(A)、(B)、(C)ならびに必要であれば他の単量体(D)からなる全単量体成分1モルに対して、15g以下、より好ましくは1〜12gであることが好ましい。
過酸化水素の滴下開始時間を遅らす時間は、単量体の滴下開始後60分以内であることが好ましく、30分以内であることがより好ましい。
過酸化水素の滴下を単量体の滴下と同時に開始すること、単量体の滴下前に予め過酸化水素を仕込むことも可能であるが、予め過酸化水素を仕込む場合は、必要所定量の10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。
単量体の滴下開始時間までに必要所定量の10%を超える過酸化水素を添加すると、例えば過硫酸塩を併用する場合には過硫酸塩に対する過酸化水素の濃度の比率が大きくなり、重合が停止するおそれがある。一方、単量体の滴下開始時間から60分より遅く開始すると、過酸化水素による連鎖移動反応等が起こらなくなる為、重合初期の分子量が高くなる。
本発明の方法において、連鎖移動剤の添加量は、単量体(A)、(B)、(C)ならびに必要であれば他の単量体(D)が良好に重合する量であれば制限されないが、好ましくは単量体(A)、(B)、(C)、ならびに必要であれば他の単量体(D)からなる全単量体成分1モルに対して、1〜20g、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御ができないおそれがあり、逆に、20gを超えると、不純物が多量に生成し、重合体純分が低下するおそれがあり、特に亜硫酸塩を使用する場合には、余剰の亜硫酸塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがある。しかも、経済的にも不利となるおそれがある。
上記開始剤と連鎖移動剤との組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩とをそれぞれ1種以上用いることが最も好ましい。この場合、過硫酸塩と亜硫酸塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。より好ましくは、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩の下限は、1質量部であり、最も好ましくは2質量部である。また、亜硫酸塩の上限は、過硫酸塩1質量部に対して、より好ましくは4質量部であり、最も好ましくは3質量部である。ここで、亜硫酸塩が0.5質量部未満であると、低分子量化する際に開始剤総量が増加するおそれがあり、逆に5質量部を超えると、副反応が増加し、それによる不純物が増加するおそれがある。
上記連鎖移動剤、開始剤、及び反応促進剤の総使用量は、単量体(A)、(B)、(C)、ならびに必要であれば他の単量体(D)からなる全単量体成分1モルに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明のアミノ基含有共重合体を効率よく生産することができ、また、アミノ基含有共重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。より好ましくは、4〜18gであり、更に好ましくは、6〜15gである。
上記重合開始剤及び連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入しても
よく、単量体成分を構成する各単量体(A)、(B)、(C)やその他の単量体(D)、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
本発明において、単量体(A)、(B)、(C)、さらに必要であれば他の単量体(D)の共重合は、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いる、および/または連鎖移動剤の存在下で行なうことが好ましく、使用する溶媒の50質量%以上に水を用い、かつ連鎖移動剤の存在下で行なうことがより好ましい。この際、使用する溶媒の50質量%以上に水を用いることによって、重合に使用される有機溶剤の量を抑制できるため、重合終了後の有機溶剤の留去が容易であるという利点がある。
上記態様で使用される溶媒としては、使用する溶媒全量に対して50質量%の割合で水を含むものであれば特に制限されない。重合に使用される単量体の溶媒への溶解性向上という観点から、必要に応じて、有機溶媒を添加してもよい。この場合においても、全混合溶媒中の水の含量は50質量%以上である。この際使用できる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で試用されてもよい。本発明では、水の量は、使用する溶媒全量に対して、好ましくは80質量%以上であることが好ましく、最も好ましくは水単独(即ち、100質量%)である。上記有機溶媒を添加する場合は、単量体成分及び得られる共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
水等の溶媒の使用量としては、単量体成分100質量%に対して40〜200質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、180質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる共重合体の分子量が高くなるおそれがあり、200質量%を超えると、得られる共重合体の濃度が低くなり、溶媒除去が必要となるおそれがある。なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
上記共重合方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に連続してあるいは段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法;単量体(A)、(B)、(C)、場合により(D)のうちの一(例えば、単量体(B))の一部を反応容器に仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分(単量体(B)の残り及び単量体(A)、(C)ならびに必要であれば単量体(D)のすべて)を反応容器内に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、重合体の鉄イオン沈着防止能を向上することができうることから、重合開始剤と単量体成分を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。
上記共重合方法としては、例えば、溶液重合やバルク重合、懸濁重合、乳化重合等の通常用いられる方法で行うことができ、特に限定されるものではないが、溶液重合が好ましい。この際使用できる溶媒は、上述したように、全溶媒に対して50質量%が水である混合溶媒または水であることが好ましい。水のみを使用する場合には、脱溶剤工程を省略できる点で好適である。
上記共重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記共重合方法において、共重合温度等の共重合条件としては、用いられる共重合方法、溶媒、重合開始剤により適宜定められるが、共重合温度としては、通常、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。特に、亜硫酸(塩)を用いる場合には、共重合温度は、通常、60℃〜95℃、好ましくは70℃〜95℃、さらに好ましくは、80℃〜95℃である。この際、60℃未満では、
亜硫酸(塩)由来の不純物が多量に生成するおそれがある。逆に、95℃を越えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記共重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
重合時間は特に制限されないが、好ましくは30〜420分であり、より好ましくは45〜390分であり、さらに好ましくは60〜360分であり、最も好ましくは90〜300分である。なお、本発明において、「重合時間」とは、特に断らない限り、単量体を添加している時間を表す。
上記共重合方法における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れであってもよいが、得られる共重合体の分子量の点で、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点で、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上記共重合における重合中のpHは、酸性が好ましい。特に、上記開始剤として、過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、酸性条件下で行うことが好ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、共重合体を良好に製造することができる。また、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるので、製造効率を大幅に上昇することができ、最終固形分濃度が40%以上の高濃度重合とすることができ、含まれる残存モノマーの総濃度が30000ppm以下のものを得ることができる。更に、アミノ基含有単量体の重合性を向上することができる。
上記酸性条件としては、重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であることが好ましい。より好ましくは、5以下であり、更に好ましくは、3以下である。上記共重合方法により得られる共重合体は、そのままでもスケール防止剤の主成分等として用いることができるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アンモニウム(有機アミン)等を用いることが好ましい。
共重合を行う際の中和率は、開始剤によって適宜変更できる。例えば、過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、カルボキシル基含有単量体等の酸基含有単量体の酸基の合計量に対して、単量体の中和率を0〜60モル%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。単量体の中和率は、単量体の全モル数を100モル%としたときに、塩を形成している単量体のモル%で表されることになる。単量体の中和率が60モル%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる共重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは、50モル%以下であり、更に好ましくは、40モル%以下、特に好ましくは、30モル%以下であり、より特に好ましくは、20モル%以下であり、最も好ましくは、10モル%以下である。
また、過硫酸塩と過酸化水素を併用する場合は、カルボキシル基含有単量体等の酸基含有単量体の酸基の合計量に対して、99mol%以下、好ましくは50〜95mol%以下である。中和度が50mol%未満であると過酸化水素の分解が十分に起こらず、重量平均分子量が高くなる傾向がある。また99mol%を越えると強アルカリ性の腐食性条件となるため、高温では製造設備が腐食する恐れがあり、さらに、アルカリによって過酸化水素が分解してしまうため、添加量が多くなってしまうという恐れもある。重合終了後(即ち単量体滴下終了後)の中和度は、残存する過酸化水素の分解を促進するために、カルボキシル基含有単量体およびアミノ基含有単量体の酸量の合計量に対して、好ましくは80mol%以上、より好ましくは90mol%以上、さらに好ましくは95mol%以上とする。
上記単量体の中和率を0〜60モル%として共重合を行う方法としては、例えば、単量体が不飽和カルボン酸系単量体である場合、全て酸型である不飽和カルボン酸系単量体を中和せずに共重合に付することにより行う方法や、不飽和カルボン酸系単量体をアルカリ性物質を用いてナトリウム塩やアンモニウム塩等の塩の形態に中和するときに中和率を0〜60モル%としたものを共重合に付することにより行う方法等が好適である。
[共重合体、重合体組成物の用途]
〔本発明のアミノ基含有共重合体、アミノ基含有共重合体組成物の用途〕
本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)は、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(または洗剤組成物)、スケール防止剤(スケール抑制剤)、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤、スキンケア剤、ヘアケア剤等として用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)を含む。
<無機顔料分散剤>
本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明の重合体、重合体組成物は、洗剤ビルダーとして用いられうる。洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用など、様々な用途の洗剤に添加されて使用されうる。
本発明のアミノ基含有共重合体(または重合体組成物)は、洗剤組成物にも添加しうる。
<カオリン濁度の測定方法>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記洗浄剤組成物に配合することができる酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。
上記酵素の添加量は、洗浄剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が好適である。上記キレートビルダーとしては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸等が好適である。本発明における共重合体以外のその他の水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを用いてもよい。
上記洗浄剤組成物は、分散能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤とすることができる。
また、単量体の定量、共重合体の重量平均分子量の測定及び評価は、下記方法に従って行なった。
アミノ基含有単量体等の定量は、以下の条件の高速クロマトグラフィーで行った。
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液
(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:RI、UV(検出波長215nm)。
カルボキシル基含有単量体等の含有量の測定は、下記条件で、液体クロマトグラフィーを用いて行なった。
装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:株式会社昭和電工製 Shodex RSpak DE−413
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
移動相:0.1%リン酸水溶液。
<重量平均分子量の測定条件>
装置:日立社製 L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比).
<固形分の測定>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで本発明の共重合体(本発明の共重合体組成物1.0gに水1.0gを加えたもの)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
鉄イオン沈着防止能は以下の手順で測定した。
まず、測定サンプルの水溶液を調整した。即ち、固形分換算で0.03%のサンプル水溶液を150g調製した(A液)。
次に、鉄イオン水溶液を次のように調整した。即ち、塩化鉄(III) 6水和物を1.45gとり、純水を加えて1000gとした(B液)。
さらに、水酸化ナトリウム水溶液を次のように調整した。即ち、ペレット状の水酸化ナトリウムを1.5gとり、純水を加えて1000gとした(C液)。
A液、B液、C液100gずつをこの順に混合し5分間攪拌した後2時間静置した。
5C濾紙(55mm)、ブフナーロートを用いて吸引濾過した後1時間真空デシケータで乾燥させた。
色差計によってろ紙の白度を測定し、下記の式から鉄イオン沈着防止能を算出した。
鉄イオン沈着防止能
=(ポリマー添加時の白度−ポリマー無添加時の白度)/(ろ過前のろ紙の白度−ポリマー無添加時の白度)×100
<液体洗剤との相溶性(界面活性剤との相溶性)>
試験サンプル(重合体)を含む洗剤組成物を下記の配合で調製した。
SFT−70H(日本触媒(株)製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル);40g
ネオペレックスF−65(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム);7.7g(有効成分5g)
コータミン86W(花王(株)製、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド);17.9g(有効成分5g)
ジエタノールアミン;5g
エタノール;5g
プロピレングリコール;5g
試験サンプル(固形分換算);1.5g
イオン交換水;バランス(イオン交換水の量は、試験サンプルの量を実際の使用量として、上記全合計が100gとなるように適宜調整する。)
各成分が均一になる様に充分に攪拌し、25℃での濁度値を、濁度計(日本電色(株)製「NDH2000」)を用い、Turbidity(カオリン濁度mg/l)で測定した。
還流冷却器、攪拌機、および、窒素導入管を備えた容量2000mLのガラス製4つ口フラスコに、ジエタノールアミン 315.4gを仕込み、窒素導入、および、攪拌しながら、液温を50℃に調整した。次に、攪拌しながら、アリルグリシジルエーテル(以下、AGEと略す。)349.3gをゆっくりと2時間かけて滴下した。液温は50℃〜60℃を保持した。滴下終了後、さらに、2時間、液温60℃で熟成して、単量体(1)を得た。単量体(1)(アリルグリシジルエーテルのエポキシ基にジエタノールアミンが付加した単量体)の生成は、高速液体クロマトグラフィー、および、1H−NMRより確認した。
還流冷却器、攪拌機、および、窒素導入管を備えた容量2000mLのガラス製4つ口フラスコに、純水491.0g、および、ジn−ブチルアミン 258.0gを仕込み、窒素導入、および、攪拌しながら、液温を50℃に調整した。次に、攪拌しながら、AGE232.8gをゆっくりと2時間かけて滴下した。液温は50℃〜60℃を保持した。滴下終了後、さらに、2時間、液温60℃で熟成した。室温まで冷却した後、分液ロートに移し、静置すると2層に分離するので、下層の水層を廃棄した。さらに、上層に純水を加えて洗浄した。これをナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーターで水分を完全に除去することにより、単量体(2)を得た。単量体(2)(アリルグリシジルエーテルのエポキシ基にジn−ブチルアミンが付加した単量体)の生成は、高速液体クロマトグラフィー、および、1H−NMRより確認した。
還流冷却器、マグネチックスターラー、温度計、滴下ロートを備えた1000mLのガラス製4つ口フラスコに、トリメチルアミン塩酸塩239g、純水128gを仕込み、混合攪拌しながら、内温50℃に加温した。ここに、AGE 285gを内温50℃を維持しながら、3時間かけてゆっくりと滴下し、さらに1時間攪拌した。室温まで放冷した後、反応液をジエチルエーテル30mLで2回洗浄し、さらに残存するジエチルエーテルを留去することで、単量体(3)を得た。単量体(3)(アリルグリシジルエーテルのエポキシ基にトリメチルアミン塩酸塩が付加した単量体)の生成は、高速液体クロマトグラフィー、および、1H−NMRより確認した。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量200mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 44.9gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す。) 45.0g、80%単量体(1)水溶液 27.0g、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル(以下、HPAと略す) 18.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと略す。) 16.7g、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと略す。) 5.4g、および、純水10.0gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAについては180分間、80%単量体(1)水溶液については120分間、HPAについては150分間、15%NaPS、35%SBS、および、純水については190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと略す。) 29.2gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(1)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 298.5gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 324.0g、単量体(2) 86.4g、HPA 86.4g、15%NaPS 105.5g、および、35%SBS 33.9gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAについては180分間、単量体(2)については120分間、HPAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 210.0gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(2)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 407.8gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 270.0g、80%単量体(3)水溶液 162.0g、HPA 86.4g、15%NaPS 88.2g、および、35%SBS 75.6gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AAについては180分間、80%単量体(3)水溶液については120分間、HPAについては150分間、15%NaPS、35%SBS、および、純水については190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 175.0gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(3)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 376.7g、および、モール塩 0.0224gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 250.0g、48%NaOH 11.6g、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩の80%水溶液(以下、80%4DAMと略す) 107.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル(以下、HPMAと略す) 57.1g、15%NaPS 42.3g、および、35%SBS 54.4gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHについては180分間、4DAM、HPMAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 213.0gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(4)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 525.9g、および、モール塩 0.0254gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 150.0g、48%NaOH 6.9g、80%4DAM 150.0g、HPMA 160.0g、15%NaPS 37.0g、および、35%SBS 47.6gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHについては180分間、4DAM、HPMAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 127.8gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(5)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 378.1g、および、モール塩 0.0244gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 250.0g、48%NaOH 11.6g、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル(以下、DAMと略す) 120.0g、HPA 80.0g、15%NaPS 45.2g、および、35%SBS 58.2gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHについては180分間、DAM、HPAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 213.0gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(6)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 723.1g、および、モール塩 0.0382gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 250.0g、48%NaOH 11.6g、DAM 200.0g、HPA 266.7g、15%NaPS 64.4g、および、35%SBS 82.8gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHについては180分間、DAM、HPAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 213.0gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(7)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水 859.2g、および、モール塩 0.0378gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温させた。次に、90℃に保持された重合反応系中に、攪拌しながら、80%AA 100.0g、48%NaOH 4.6g、DAM 120.0g、HPA 480.0g、15%NaPS 64.0g、および、35%SBS 82.3gを、別々のノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHについては180分間、DAM、HPAについては150分間、15%NaPS、および、35%SBSについては190分間とした。滴下は連続的に行い、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。その後、重合反応液を放冷し、48%NaOH 85.2gを、攪拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。このようにして、重合体(8)の水溶液を得た。
還流冷却器、攪拌機を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに純水118gを仕込み、エチレンジアミン60gを添加した。その後、攪拌下、氷冷により15℃以下に保ちながら、乳鉢にて粉砕した無水マレイン酸 98gを徐々に添加した。添加終了後30分以上反応させた後、48%NaOH 84gを徐々に添加した。この水溶液を80℃で1時間攪拌することにより固形分濃度50%の比較重合体を得た。
実施例7では、実施例1〜6及び比較例1、2で得られた重合体について、上記方法に従って鉄イオン沈着防止能、液体洗剤への相溶性について評価を行なった。結果を表1にまとめた。
上記評価結果から、本発明の重合体は、従来の重合体と比較して良好な鉄イオン沈着防止能と液体洗剤との相溶性(界面活性剤との相溶性)を有することが明らかとなった。
Claims (3)
- 本発明は、1質量%以上90質量%以下のヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート由来の構造単位(a)、
9質量%以上98質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)、
1質量%以上50質量%以下のアミノ基基含有単量体(C)由来の構造単位(c)、
を必須構造単位として有するアミノ基含有共重合体。 - 本発明は、1質量%以上90質量%以下のヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
9質量%以上98質量%以下のカルボキシル基含有単量体(B))、
1質量%以上50質量%以下のアミノ基基含有単量体(C)、
を必須として重合することを特徴とするアミノ基含有共重合体の製造方法。 - 請求項1に記載のアミノ基含有共重合体からなる洗剤ビルダー。
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