JP5814650B2 - 重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
上記製造方法によると、エチレンオキサイドを主成分とするポリエーテルに、(メタ)アクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体を、カルボン酸密度が高く、かつポリエーテルにグラフトしていないモノエチレン性不飽和単量体の重合体が少ない水溶性グラフト重合体を、効率よく製造することができる旨が開示されている。
そこで、本発明は、ポリアルキレングリコール系化合物にカルボン酸系単量体をグラフト重合させた重合体(組成物)において、カルボン酸系単量体がグラフトされなかったポリアルキレングリコール系化合物の含有量が従来よりも少ない(グラフト体の収率が従来より向上した)重合体(組成物)を提供することを目的とする。
[ポリオキシアルキレン系化合物]
本発明の重合体は、ポリオキシアルキレン系化合物の存在下で、単量体を重合する工程を必須として製造される重合体である。なお、「本発明の重合体」には、未反応のポリオキシアルキレン化合物も含まれる。
本発明においてポリオキシアルキレン系化合物とは、主鎖末端構造が炭素数7以下のアリール基、炭素数7以下のアルキル基、炭素数7以下のアルケニル基、水酸基から選択される構造であり、かつ、オキシアルキレン基を構成単位として含む化合物である。オキシアルキレン基とは、例えば炭素数2〜7のオキシアルキレン基が例示され、具体的には、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が例示される。
上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド等が例示される。
上記アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等の炭素数1〜7の1級脂肪族アルコール;フェノール、メチルフェノール等の芳香族アルコール;炭素数3〜7の2級アルコール;tert−ブタノール等の3級アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ソルビトール等のポリオール類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子、炭素数7以下のアリール基、炭素数7以下のアルキル基、および炭素数8未満のアルケニル基である。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても、分岐であってもよい。アリール基、アルキル基、アルケニル基は炭素数が上記範囲内であるかぎり、他の有機基で置換されていても良い。
上記一般式(1)において、Xはカルボニル基であり、pはXの存在数を表し、0〜1である。なお、pは0である(すなわち、Xは存在しない)ことがより好ましい。
上記一般式(1)において、Yは、−O−R1−基、−S−R2−基、−(O=)S(=O)−R3−基、−N(−R5)−R4−基のいずれかを表す。ここで、R1〜R4はそれぞれ独立して、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3、最も好ましくは炭素数2のアルキレン基を表す。また、R5は、水素原子、炭素数7以下のアルキル基、または下記一般式(2)で表される基:
である。式(2)において、R6およびR7はそれぞれ独立して、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3、最も好ましくは炭素数2のアルキレン基を表す。また、sは0〜100であり、好ましくは0〜50であり、より好ましくは0〜30である。なお、sが2以上である場合、R7としては1種のみが単独で存在していてもよいし、2種以上が混在していてもよい。
上記一般式(1)において、qはZの繰り返し数を表す。qは、3〜300が好ましく、5〜200がより好ましく、10〜99がさらに好ましい。
本発明の重合体は、モノカルボン酸系単量体に由来する構造単位(a)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して75モル%以上、99モル%以下、ジカルボン酸系単量体に由来する構造単位(b)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して1モル%以上、25モル%以下有している。
本発明においてモノカルボン酸系単量体(単量体(A)ともいう)とは、1分子にカルボキシル基またはカルボキシル基の塩を一つ有する単量体である。上記塩とは、金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を表す。
モノカルボン酸系単量体としては、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、およびこれらの塩等が例示される。モノカルボン酸系単量体のなかでも、重合性が高く、残存単量体を低減することが可能であること、得られる重合体の無機粒子の分散性が向上することから、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの塩から選ばれる単量体がより好ましい。これらのモノカルボン酸系単量体は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
モノカルボン酸系単量体に由来する構造単位(a)が上記範囲内であることにより、重合体の無機粒子の分散性が優れたものとなる傾向にある。全単量体由来の構造100モル%に対する構造単位(a)の割合は、好ましくは78モル%以上、98モル%以下であり、より好ましくは80モル%以上、97モル%以下であり、さらに好ましくは85モル%以上、95モル%以下である。
本発明においてジカルボン酸系単量体(単量体(B)ともいう)とは、1分子にカルボキシル基および/またはカルボキシル基の塩を合計で二つ有する単量体である。上記塩とは、金属塩、アンモニウム塩、アミン塩を表す。
ジカルボン酸系単量体としては、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、2−メチレングルタル酸、及びこれらの塩(一方のカルボキシル基のみが塩型である場合を含む)が例示される。ジカルボン酸系単量体の中でも、グラフト重合を進行させやすいこと、得られる重合体の、カルボン酸系単量体がグラフトされなかった残存したポリアルキレングリコール系化合物との相溶性が特に向上することから、マレイン酸およびマレイン酸の塩から選ばれる単量体であることが好ましい。
ジカルボン酸系単量体に由来する構造単位(b)が上記範囲内であることにより、得られる重合体の、カルボン酸系単量体がグラフトされなかった残存したポリアルキレングリコール系化合物との相溶性が特に向上することにより、重合体を溶液の形態で保管した場合などに経時安定性がが優れたものとなる傾向にある。全単量体由来の構造100モル%に対する構造単位(b)の割合は、好ましくは2モル%以上、22モル%以下であり、より好ましくは3モル%以上、20モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以上、15モル%以下である。
本発明の重合体は、その他の単量体に由来する構造単位(e)を全単量体由来の構造100モル%に対して、0モル%以上20モル%以下の割合で有していても良い。本発明において、全単量体由来の構造とは上記の通りである。その他の単量体に由来する構造単位(e)が上記範囲内を超えた場合、重合体の無機粒子の分散性や重合体の経時安定性が低下する傾向にある為、好ましくない。全単量体由来の構造100モル%に対する構造単位(e)の割合は、好ましくは0モル%以上18モル%以下であり、さらに好ましくは0モル%以上15モル%以下であり、特に好ましくは0モル%以上10モル%以下である。
また、上記他の単量体(E)は、1種を単独で使用してもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明の重合体は、酸量がポリオキシアルキレン系化合物に由来する構造単位と全単量体に由来する構造単位の合計に対して1〜40質量%であることが好ましい。酸量が上記範囲内であれば、無機粒子の分散性が向上する傾向にある。上記酸量は、後述する実施例に記載した方法により測定した数値である。
本発明の重合体は、重合開始剤およびポリオキシアルキレン系化合物の存在下で、単量体を重合する工程を必須として製造される重合体である。上記重合開始剤は、10時間半減期温度が80℃以上、100℃以下である有機過酸化物である。重合開始剤が上記半減期温度を有することにより、重合体の収率が向上する傾向にある。
上記有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナート(10時間半減期温度98.7℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(10時間半減期温度98.3℃)等が例示される。重合体の収率の向上がより良好であることから、また、ジカルボン酸系単量体の反応率が向上する傾向にあることから、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナートが最も好ましい。
上記10時間半減期温度は、過酸化物濃度0.10mol/L、ベンゼン中における熱分解により算出された数値である。
本発明の重合体は、重合開始剤およびポリオキシアルキレン系化合物の存在下で、単量体を125℃以上、150℃以下で重合する工程を必須として製造される重合体である。
上記温度範囲で重合することにより、重合体の収率が向上する傾向にある。
上記重合温度の下限は好ましくは126℃以上、さらに好ましくは127℃以上であり、上記重合温度の上限は好ましくは145℃以下、さらに好ましくは140℃以下である。
上記重合する工程(重合工程)は、その一部の時間において上記温度範囲になるように設定すれば良いが、重合時間(単量体を添加しながら重合を進める場合には、単量体を添加している時間をいい、単量体を一括で添加して重合開始剤を添加しながら重合を進める場合には、重合開始剤を添加している時間をいい、単量体および重合開始剤を共に一括で添加して重合する場合には加熱している時間をいう)の50%以上の時間帯において上記温度範囲に保持することが好ましく、80%以上の時間帯において上記温度範囲に保持することがより好ましく、重合時間の100%の時間帯において上記温度範囲に保持することが更に好ましい。
なお、重合時間以外の時間帯(重合開始前や重合開始後)においても上記温度範囲に設定しても構わない。
本発明の重合体の重量平均分子量は、各用途における所望の性能などを考慮して適宜設定されうるため、特に限定されないが、本発明のグラフト重合体の重量平均分子量は、具体的には、好ましくは100〜50000であり、より好ましくは500〜30000であり、さらに好ましくは1000〜20000である。この重量平均分子量の値が大きすぎると、粘度が高くなり、取扱いが煩雑になる虞がある。一方、この重量平均分子量の値が小さすぎると、無機微粒の分散性が低下する傾向にある。なお、本発明の重合体の重量平均分子量の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
本発明の重合体組成物は、本発明の重合体を必須に含む。この他、未反応の酸基含有不飽和単量体、未反応の重合開始剤、重合開始剤分解物等の重合反応の原料残渣や副生成物等が含まれうる。
本発明の重合体組成物は、必要に応じて溶剤を含む。溶剤としては、水を必須として含むものが好ましく、水であることがより好ましい。本発明の重合体組成物が水等の溶剤を含む場合の溶剤の含有量は、取扱い性の観点から、重合体組成物100質量%に対して、10質量%〜99質量%であることが好ましい。
本発明の重合体組成物は、重合体組成物(固形分換算)100質量%に対して、ポリオキシアルキレン系化合物の含有量が1〜30質量%であることを特徴としている。ポリオキシアルキレン系化合物の含有量が上記範囲であることにより、保存安定性(特に水溶液として保存した場合の分離安定性)が良好なものとなる。
重合体組成物(固形分換算)100質量%に対する、ポリオキシアルキレン系化合物の含有量は3〜28質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
なお、ポリオキシアルキレン系化合物と、モノカルボン酸系単量体および/またはジカルボン酸系単量体、との共重合体は、「ポリオキシアルキレン系化合物」には該当しないものとし、ここで言う「ポリオキシアルキレン系化合物」とは、通常は、モノカルボン酸系単量体および/またはジカルボン酸系単量体と未反応のまま残存したポリオキシアルキレン系化合物である。
本発明の重合体組成物は、重合体組成物(固形分換算)100質量%に対して、ジカルボン酸系単量体の含有量が0〜10000ppmであることを特徴としている。ジカルボン酸系単量体の含有量が上記範囲であることにより、保存安定性が良好なものとなる。
重合体組成物(固形分換算)100質量%に対する、ジカルボン酸系単量体の含有量は0〜5000ppmであることが好ましく、0〜3000ppmであることがより好ましい。
本発明において、重合体(組成物)の製造方法については特に言及する場合を除き、特に制限はなく、従来公知の知見を適宜参照することにより、製造可能である。好ましくは、実質的に塊状重合(バルク重合)の形態で、具体的には、溶媒の含有量が反応系の全量に対して10質量%以下で重合が行われる。この場合、塊状重合(バルク重合)に関する従来公知の知見が適宜参照され、さらに必要に応じて改良されうる。
本発明の重合体(組成物)の製造方法は、単量体成分および重合開始剤の一部または全部を反応系に添加しながら重合を行なう(すなわち重合開始以後に反応系に添加する)と良い。具体的には、モノカルボン酸系単量体の全量を反応系に添加しながら重合を行うことが好ましい。一方、ジカルボン酸系単量体は全量を反応系に仕込んだ状態で、重合を開始することが好ましい。重合開始剤は、全量を反応系に添加しながら重合を行うことが好ましい。
好ましい態様として、ポリオキシアルキレン系化合物とジカルボン酸系単量体の全量を反応系に仕込み、反応系を昇温させてジカルボン酸系単量体をポリオキシアルキレン系化合物に溶解させた後、残りの単量体成分(モノカルボン酸系単量体と必要に応じてその他の単量体)および重合開始剤を別々に添加して、重合反応を進行させる形態が例示される。かような形態によれば、得られる重合体の分子量が容易に調整されうるため、好ましい。なお、重合は、回分式で行われてもよいし、連続式で行われてもよい。
単量体の使用量は、ポリオキシアルキレン系化合物と単量体の合計の質量100質量%に対して、10質量%以上、40質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは15質量%以上、35質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以上、30質量%以下である。
モノカルボン酸系単量体に使用量は、全単量体の使用量100モル%に対して、75モル%以上、99モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは、78モル%以上、98モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以上、97モル%以下であり、特に好ましくは85モル%以上、95モル%以下である。
ジカルボン酸系単量体に使用量は、全単量体の使用量100モル%に対して、1モル%以上、25モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは、2モル%以上、22モル%以下であり、さらに好ましくは3モル%以上、20モル%以下であり、特に好ましくは5モル%以上、15モル%以下である。
その他の単量体に使用量は、全単量体の使用量100モル%に対して、0〜20モル%とすることが好ましい。より好ましくは0モル%以上、18モル%以下であり、さらに好ましくは0モル%以上、15モル%以下であり、特に好ましくは0モル%以上、10モル%以下である。
一方で、重合反応を有機溶剤のリフラックス下で実施することにより、反応器内の壁面や上部にゲル状付着物が付着するのを抑制することが可能となる。そのような観点からは、少量の有機溶剤を使用することが好ましい。
重合開始剤の分解触媒としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、そのエステルおよびその金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミンおよびその誘導体等が挙げられる。これらの分解触媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
熟成工程は、例えば、単量体の滴下終了後に、重合温度を保持したまま、あるいは重合温度を変化させて、熟成を行うことにより実施することができる。熟成工程を含むことにより、残存単量体の低減が可能となる。一方で、重合体(組成物)の色調が悪化する傾向にある。また経済性の面も考慮すると、熟成時間は短い方がよい。例えば熟成工程は、30分〜6時間が好ましく、1〜3時間がより好ましい。
本発明の重合体(または重合体組成物)は、水処理剤、スケール防止剤(スケール抑制剤)、繊維処理剤、分散剤、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、洗剤組成物等として用いられうる。
本発明の重合体(または重合体組成物)は、水処理剤に用いることができる。該水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いても良い。
本発明の重合体(または重合体組成物)は、繊維処理剤に用いることができる。該繊維処理剤は、染色剤、過酸化物および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明の重合体(または重合体組成物)を含む。
本発明の重合体(または重合体組成物)は、無機顔料分散剤に用いることができる。該無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても良い。
本発明の重合体(組成物)は、洗剤組成物にも添加しうる。
本発明の重合体(組成物)は、上述した重合体を含むが、優れたビルダー性能を発揮しうるという観点からは、当該重合体の含有量は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
GPCの測定条件:
装置:日立社製 L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1M酢酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=75/25(wt/wt)。
残存単量体は、液体クロマトグラフィーを用いて定量した。
液体クロマトグラフィーの測定条件:
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0ml/min
検出器:UV(検出波長215nm)。
重合体組成物(固形分換算)中のグラフト重合体の含有量(質量%)=グラフト体収率とした。すなわち、重合体組成物の固形分の質量に対する、重合体組成物に含まれるグラフト重合体の質量の割合であり、以下の式で算出する。
100(%)−(重合体組成物中の未反応ポリオキシアルキレン化合物含有量(%)+重合体組成物中の固形物中の単量体含有量(%))
<重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量974のフェノキシポリエチレングリコール(フェノールにエチレンオキサイド平均20モル付加させて得られたもの。以下、PH200と称す。)149.3質量部、マレイン酸10.7質量部、イソプロピルアルコール1.1質量部を仕込んだ。仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下128℃まで昇温した。次に温度を128℃に保ちながら、パーブチルI(tert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート75%含有、日本油脂株式会社製。以下、PBIと称す。)6.8質量部を250分にわたって連続的に滴下した。PBIの滴下を開始してから20分後にアクリル酸53.3質量部を240分にわたって滴下した。アクリル酸の滴下が終了してからさらに55分間攪拌を続けて重合体を得た。
得られた重合体にイオン交換水128.3質量部を添加したのち、35%H2O2(ADEKA製)0.9質量部を添加して、50〜70℃で30分熟成することにより、本発明の重合体を含む重合体組成物(1)を得た。得られた重合体組成物中の重合体のグラフト率は79%、数平均分子量は12000であった。
また、重合体組成物(1)の単量体の含有量は、重合体組成物(固形分換算)100質量%に対してマレイン酸が96ppmであり、アクリル酸が50ppmであった。
実施例1においてPH200を170.9質量部、マレイン酸を5.6質量部、PBIを4.6質量部、アクリル酸を67.6質量部、イオン交換水を132.9質量部、35%H2O2を1.0質量部としたほかは実施例1と同様にして重合体組成物(2)を得た。
得られた重合体組成物中の重合体のグラフト率は73%、分子量は9300であった。
また、重合体組成物(2)の単量体の含有量は、重合体組成物(固形分換算)100質量%に対してマレイン酸が0ppmであり、アクリル酸が75ppmであった。
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量1414のフェノキシポリエチレングリコール(フェノールにエチレンオキサイド平均30モル付加させて得られたもの。以下、PH300と称す。)192.0質量部、マレイン酸12.8質量部、イソプロピルアルコール1.3質量部を仕込んだ。仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下128℃まで昇温した。次に温度を128℃に保ちながら、PBI6.8質量部を250分にわたって連続的に滴下した。PBIの滴下を開始してから20分後にアクリル酸51.2質量部を240分にわたって滴下した。アクリル酸の滴下が終了してからさらに55分間攪拌を続けて重合体を得た。
得られた重合体にイオン交換水137.8質量部を添加したのち、35%H2O2(ADEKA製)1.05質量部を添加して、50〜70℃で30分熟成することにより、本発明の重合体を含む重合体組成物(3)を得た。得られた重合体組成物中の重合体のグラフト率は79%、数平均分子量は14300であった。
また、重合体組成物(3)の単量体の含有量は、重合体組成物(固形分換算)100質量%に対してマレイン酸が109ppmであり、アクリル酸が0ppmであった。
実施例2において重合温度を120℃としたほかは実施例2と同様にして比較重合体組成物(1)を得た。
得られた比較重合体組成物中の重合体のグラフト率は68%、分子量は10400であった。
実施例1においてPH200を189.2質量部、マレイン酸を0質量部、開始剤としてパーブチルD(Di−tert-ブチルパーオキシド98%含有、日本油脂株式会社製。以下、PBDと称す。)を4.3質量部、アクリル酸を47.3質量部、イオン交換水を237.3質量部、35%H2O2を1.0質量部としたほかは実施例1と同様にして比較重合体組成物(2)を得た。
得られた比較重合体組成物中の重合体のグラフト率は47%、分子量は5800であった。
上記結果から、本発明の重合体組成物は、従来の重合体組成物と比較して、含まれる重合体のグラフト率が良好であることが明らかとなった。よって、重合体組成物の経時安定性が良好であることが期待できる。
Claims (3)
- 重合開始剤に由来する構造単位を有する、ポリオキシアルキレン系化合物とモノカルボン酸系単量体および/またはジカルボン酸系単量体との共重合体、および、ポリオキシアルキレン系化合物を含む重合体組成物であって、
該ポリオキシアルキレン系化合物は、主鎖末端構造が、炭素数7以下のアリール基、炭素数7以下のアルキル基、炭素数7以下のアルケニル基または水酸基から選択される構造を有するもののみであり、
該共重合体は、モノカルボン酸系単量体に由来する構造単位(a)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して75モル%以上、99モル%以下、
ジカルボン酸系単量体に由来する構造単位(b)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して1モル%以上、25モル%以下有し、
該重合開始剤は、10時間半減期温度が80℃以上、100℃以下である有機過酸化物であり、
該重合体組成物(固形分換算)100質量%に対するポリオキシアルキレン系化合物の含有量が1〜30質量%であり、
該重合体組成物(固形分換算)100質量%に対するジカルボン酸系単量体の含有量が0〜10000ppmである、重合体組成物。 - 重合体組成物を製造する方法であって、
該製造方法は、重合開始剤およびポリオキシアルキレン系化合物の存在下で、単量体を125℃以上、150℃以下で重合する重合工程を必須とし、
該ポリオキシアルキレン系化合物は、主鎖末端構造が、炭素数7以下のアリール基、炭素数7以下のアルキル基、炭素数7以下のアルケニル基または水酸基から選択される構造を有するもののみであり、
該重合工程で製造される重合体は、モノカルボン酸系単量体に由来する構造単位(a)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して75モル%以上、99モル%以下、
ジカルボン酸系単量体に由来する構造単位(b)を全単量体に由来する構造単位100モル%に対して1モル%以上、25モル%以下有し、
該重合開始剤は、10時間半減期温度が80℃以上、100℃以下である有機過酸化物であり、
該重合体組成物(固形分換算)100質量%に対するポリオキシアルキレン系化合物の含有量が1〜30質量%であり、
該重合体組成物(固形分換算)100質量%に対するジカルボン酸系単量体の含有量が0〜10000ppmである、重合体組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の重合体組成物を含む、水処理剤、繊維処理剤または洗剤組成物。
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