JP3914513B2 - 重合体混合物およびその製造方法 - Google Patents

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    • C11D3/3765(Co)polymerised carboxylic acids, -anhydrides, -esters in solid and liquid compositions in liquid compositions

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアルキレングリコール構造を有する重合体、および、該重合体に接合してなる(メタ)アクリル酸系単量体から形成された枝ポリマーからなるグラフト重合体を含有する重合体混合物に関する。本発明の重合体混合物は、洗剤、スケール防止剤、分散剤などに配合されうる。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸系単量体から形成されるポリマーを洗剤に配合することによって、洗浄力が向上することが知られている。また、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物を洗剤に配合することによって、再汚染防止率が向上することが知られている。
【0003】
しかし、(メタ)アクリル酸系単量体から形成されるポリマー(以下、「(メタ)アクリル酸系ポリマー」とも記載)と、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物(以下、「PAG化合物」とも記載)とは、均一に混じり合わない。このため、(メタ)アクリル酸系ポリマーおよびPAG化合物を有する洗剤を製造する際には、別々のタンクに保存しておき、製造時にそれぞれを取り出す必要がある。しかし、かような手法は、設備コストの増加を招く。
【0004】
そこで、(メタ)アクリル酸系ポリマーおよびPAG化合物の双方を含む組成物の均一化およびその保存安定性を向上させる手段が所望されている。例えば、PAG化合物および(メタ)アクリル酸系ポリマーの双方を含む組成物を、原料製造工場から1つのタンクで洗剤製造工場へ搬送できれば、搬送コストが低くなる。また、洗剤製造工場においても、2種以上のタンクを備える必要がない。さらに、洗剤原料の供給システムも、簡素化されうる。
【0005】
かような要望に対する解決手段としては、(メタ)アクリル酸系ポリマーおよびPAG化合物のグラフト重合体が考えられる。例えば、ポリエーテル化合物への、(メタ)アクリル酸および共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体のグラフト重合方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1の方法によれば、実質的に溶媒を含まない重合反応系において、グラフト効率が高い均一なグラフト重合体が製造されうる。しかし、高分子量化および増粘してしまうことから、PAG化合物に対する(メタ)アクリル酸単量体の組成比を高くできない。また、生成物の色調が悪い。このため、洗剤ビルダーとしては好ましくない。
【0007】
また、ポリアルキレンオキシドなどの幹に、アクリル酸などの単量体をグラフト重合させて、生分解性の水溶性グラフト重合体を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
特許文献2の方法により、実際にPAG化合物に(メタ)アクリル酸系単量体を水溶液中でグラフト重合させると、グラフト化していないPAG化合物、(メタ)アクリル酸系ポリマー、およびグラフト重合体の混合水溶液が生成するが、これらの混合水溶液は、放置しておくと、PAG化合物と(メタ)アクリル酸系ポリマーとが分離して、水溶液が不均一になってしまう。つまり、従来の製造方法によって製造されたグラフト重合体を含む重合体混合物は、均一性に関する保存安定性が悪かった。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−53645号公報
【特許文献2】
特開平3−177406号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリアルキレングリコール構造を有する重合体、および、該重合体に接合してなる(メタ)アクリル酸系単量体から形成された枝ポリマーからなるグラフト重合体を含有する重合体混合物を製造する手段であって、製造されたグラフト重合体を含む重合体混合物の保存安定性を向上させる手段を提供することである。
【0011】
また本発明の目的は、保存安定性に優れるグラフト重合体を含む重合体混合物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、重合開始剤として1種以上の過硫酸塩および1種以上の重亜硫酸塩を用いて、(メタ)アクリル酸系単量体を、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物存在下で重合させる、重合体混合物の製造方法であって、初期仕込み水の量が0であり、かつ、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、1〜100,000質量部であり、過硫酸塩及び重亜硫酸塩の配合量が(メタ)アクリル酸系単量体1molに対して、2〜20gである、重合体混合物の製造方法である。また本発明は、該製造方法によって得られる重合体混合物である。
【0013】
ポリアルキレングリコール構造を有する化合物(PAG化合物)の存在下で(メタ)アクリル酸系単量体を重合させる際に、重合反応系中に存在する水の量を制御することによって、重合体混合物を含む溶液の保存安定性が向上する。また、重合反応系中に存在する水の量を制御することによって、重合体混合物の再汚染防止能が向上する。保存安定性が高い重合体混合物は、製品の品質安定に寄与する。また、重合体混合物を用いる製品の製造自由度が向上し、製造コストが削減されうる。さらに、再汚染防止能に優れる重合体混合物は、洗剤、スケール防止剤、分散剤、洗浄剤用ビルダーなどに配合されて、これらの製品の品質向上に寄与しうる。ここで、洗浄剤用ビルダーの概念には、衣類用洗剤、各種硬質表面洗浄剤、自動食器洗い機用洗剤、皿洗い用洗剤、トイレ・風呂用洗剤などが含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、重合開始剤として1種以上の過硫酸塩および1種以上の重亜硫酸塩を用いて、(メタ)アクリル酸系単量体を、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物存在下で重合させる、重合体混合物の製造方法であって、初期仕込み水の量が0であり、かつ、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、1〜100,000質量部であり、過硫酸塩及び重亜硫酸塩の配合量が(メタ)アクリル酸系単量体1molに対して、2〜20gである、重合体混合物の製造方法である。
【0015】
従来、PAG化合物の存在下で(メタ)アクリル酸を重合させる場合には、実質的に水が存在しない条件下、または多量の水が存在する条件下において、重合が進行していた。これに対し、本発明の製造方法においては、重合体混合物の製造時に添加される水の量を制御することによって、製造される重合体混合物を含む溶液の保存安定性や再汚染防止能が向上する。なお、本願において、「保存安定性」とは、製造されたグラフト重合体を含む重合体混合物を含む溶液が、保存時に安定して存在し、分離や変質が生じにくい程度を意味する。「再汚染防止能」とは、液体中の汚れ成分が再付着することを妨げる性能を意味する。例えば、本発明の重合体混合物が洗剤に配合される場合には、再汚染防止能は、洗剤の品質に大きな影響を与える重要な要素である。
【0016】
工業的な生産過程においては、重合体混合物はタンクなどの貯蔵設備に保存され、必要量が順次取り出される。重合体混合物を含む溶液の保存安定性が低いと、タンクから取り出される成分の品質が不安定であり、製造される製品の品質も不安定になる。したがって、品質の安定性に対する要求が高い製品においては、重合体混合物を含む溶液の保存安定性の低下は、歩留まりの低下を引き起こす。逆に、保存安定性が高いと、製造される製品の品質が安定する。本発明の製造方法は、重合体混合物を含む溶液の保存安定性を向上させるため、製造される製品の品質は、容易に一定に保持されうる。
【0017】
また、重合体混合物を含む溶液の保存安定性が低いと、重合体同士が分離しないように、何らかの措置を講じる必要がある。例えば、重合体混合物が製造されてから製品へ配合されるまでの時間を短縮する、重合体混合物の保存中に撹拌するなどの措置が必要である。しかし、これらの措置は、製造コストを増加させる。本発明の重合体混合物を含む溶液は保存安定性に優れるため、特別な措置を講じなくとも、重合体混合物を含む溶液の分離が抑制されうる。ただし、本発明の方法によって製造され重合体混合物を用いるにあたって、必要に応じて保存安定性を保つための措置を講じてもよい。本発明の重合体において、重合体混合物の保存安定性がよいのは、所定量の水の存在下で形成されるグラフト重合体によると推測される。ただし、本発明の技術的範囲がメカニズムによって限定されるわけではない。
【0018】
さらに、製造時の水の存在量が本発明で規定する範囲内であると、重合体混合物の再汚染防止能が高まると推測される。重合体混合物の再汚染防止能向上のメカニズムは、重合体混合物中に含まれるグラフト重合体の割合の向上に起因していると推測される。ただし、本発明の技術的範囲が、かようなメカニズムによって再汚染防止能が向上しているグラフト重合体に限定されるものではない。
【0019】
次に、本発明の製造方法の特徴である、「初期仕込み水」および「(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水」について説明する。
【0020】
本発明の製造方法においては、初期仕込み水の量が規定される。本願において、「初期仕込み水」とは、重合反応系中に重合開始前に添加される水を意味する。例えば、PAG化合物を含む液体中に、(メタ)アクリル酸系単量体および重合開始剤を滴下して重合を進行させる場合には、PAG化合物を含む液体中に含まれる水が、「初期仕込み水」である。なお、「重合反応系」とは、重合反応が進行する系を意味する。PAG化合物を含む液体に、単量体成分が滴下されて重合が進行する場合には、PAG化合物を含む液体が「重合反応系」である。ある程度の初期仕込み水が配合される場合には、重合反応系は、重合反応液である。
【0021】
初期仕込み水の量は、PAG化合物100質量部に対して、90質量部未満である。初期仕込み水の量の下限値については、特に制限されない。場合によっては、初期仕込み水を添加しなくても良い。初期仕込み水の量を少なくすることによって、合成される重合体混合物の再汚染防止能を向上させうる。また、初期仕込み水の量を少なくすることによって、保存安定性を向上させうる。初期仕込み水の量は、PAG化合物100質量部に対して、好ましくは0〜80質量部であり、より好ましくは0〜50質量部である。初期仕込み水の配合量がこの程度であると、製造される重合体混合物中に含まれる重合体の重量平均分子量を低下させうる。洗剤、スケール防止剤、分散剤、洗浄剤用ビルダーとして用いられる重合体は、分子量が小さくなるほど性能が向上する傾向がある。したがって、初期仕込み水の配合量がこの程度であると、性能を高める上で効果的である。ただし、初期仕込み水が多すぎると、保存安定性が低下する虞があるため、注意すべきである。
【0022】
本発明の製造方法においては、初期仕込み水の量に加えて、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が規定される。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量とは、(メタ)アクリル酸系単量体の添加が終了した時点において、重合反応系中に存在する水の量を意味する。例えば、PAG化合物を含む液体中に、(メタ)アクリル酸系単量体および重合開始剤を滴下して重合を進行させる場合には、(メタ)アクリル酸系単量体の滴下が終了した時点において、重合反応液中に含まれる水が、「(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水」である。
【0023】
(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水(以下、「添加終了時の水」とも記載)の量は、PAG化合物100質量部に対して、1〜100,000質量部である。添加終了時の水の量がこの範囲であると、製造される重合体混合物の再汚染防止能が向上しうる。また、添加終了時の水の量がこの範囲であると、保存安定性が向上する。添加終了時の水の量は、PAG化合物100質量部に対して、好ましくは5〜50,000質量部であり、より好ましくは10〜10,000質量部である。
【0024】
続いて、本発明の方法において使用される化合物、および製造条件について説明する。
【0025】
本発明の重合体混合物は、重合反応系において、PAG化合物存在下で、(メタ)アクリル酸系単量体を重合させることによって、合成される。本願において重合体混合物中に含有されるグラフト重合体は、PAG化合物が幹ポリマーであり、(メタ)アクリル酸系単量体から形成されるポリマーが枝ポリマーである。
【0026】
PAG化合物は、ポリアルキレングリコール構造を有するのであれば、特に限定されない。ポリアルキレングリコール構造とは、下記一般式(1):
【0027】
【化1】
Figure 0003914513
【0028】
(式中、Rはアルキレン基を表し、nは繰り返し数を表す)
で表される構造を意味する。アルキレン基としては、特に限定されないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、シクロへキシレン基などが挙げられる。nは、通常は5〜200程度、好ましくは5〜100、より好ましくは7〜90、特に好ましくは10〜80である。ただし、nは、この範囲に限定されない。
【0029】
PAG化合物の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、およびポリアルキレングリコールのエーテル化合物などが挙げられる。これらのPAG化合物は、実質的にポリアルキレングリコールからなる。ポリアルキレングリコール構造でない成分が、PAG化合物中に多く含まれていてもよい。例えば、活性水素を有する化合物の活性水素に、ポリアルキレングリコールを付加したものが挙げられる。つまり、ポリエチレンイミンの活性水素がポリアルキレングリコール構造で置換された化合物を、PAG化合物として用いてもよい。他にも、ポリアルキレングリコールのエステル化合物、イソプレノールやアリルアルコールなどの不飽和二重結合を有する化合物のポリアルキレングリコール付加体などがPAG化合物として用いられうる。
【0030】
PAG化合物は、得られている知見に基づいて合成されてもよいし、市販されている化合物を用いてもよい。例えば、ポリエチレンイミンの活性水素がポリアルキレングリコール構造で置換された化合物を合成するには、所定のポリエチレンイミンに対して、アルキレンオキサイドを所定量重合させればよい。また、場合によっては、2種以上のPAG化合物が用いられてもよい。
【0031】
PAG化合物の分子量は、特に限定されない。PAG化合物の構造や重合体混合物に求める特性に応じて、PAG化合物を選択すればよい。洗剤やスケール防止剤としての用途を考慮すると、重量平均分子量が、好ましくは500〜20,000、より好ましくは700〜15,000、さらに好ましくは800〜12,000、特に好ましくは1,000〜10,000のPAG化合物が用いられる。
【0032】
枝ポリマーを形成するために用いられる「(メタ)アクリル酸系単量体」とは、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの塩を意味する。アクリル酸またはメタクリル酸の塩としては、アクリル酸またはメタクリル酸を水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ成分で中和した塩;アクリル酸またはメタクリル酸をアンモニア、またはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により中和した塩が挙げられる。
【0033】
場合によっては、(メタ)アクリル酸系単量体と共重合可能な、他の単量体が用いられてもよい。他の単量体としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が用いられうる。「エチレン性不飽和単量体」とは、エチレン(CH2=CH2)の水素原子が置換されてなる化合物をいう。エチレン性不飽和単量体の塩が用いられてもよい。
【0034】
エチレン性不飽和単量体としては、モノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸、モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸、スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和化合物などが挙げられる。
【0035】
モノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸とは、エチレンの水素原子を置換する置換基が1つのカルボキシル基(−COOH)を有する脂肪族炭化水素を意味する。モノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸には、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸が含まれる。
【0036】
モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸とは、エチレンの水素原子を置換する置換基が2つのカルボキシル基を有する脂肪族炭化水素を意味する。モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸が含まれる。ただし、モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸は無水化されていてもよく、無水化されている部位においては環状構造を形成していてもよい。
【0037】
スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和化合物とは、エチレンの水素原子を置換する置換基が1以上のスルホン酸基を有する化合物を意味する。スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和化合物には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸が含まれる。
【0038】
エチレン性不飽和単量体の塩としては、上記例示した化合物を水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ成分で中和した塩;上記例示した化合物をアンモニア、またはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により中和した塩が挙げられる。
【0039】
(メタ)アクリル酸系単量体および必要に応じて他の単量体から形成される、枝ポリマーとしての(メタ)アクリル酸系ポリマーの形態は、特に限定されない。(メタ)アクリル酸系ポリマーの形態や分子量は、重合体混合物に求める特性に応じて選択されればよい。保存安定性や再汚染防止能を考慮すると、(メタ)アクリル酸系ポリマーは、(メタ)アクリル酸系単量体からなる繰り返し単位を、平均で、好ましくは5〜95質量%含み、より好ましくは10〜90質量%含む。
【0040】
PAG化合物存在下で、(メタ)アクリル酸系単量体を重合させることによって、重合体混合物が得られる。重合体混合物の製造方法は、初期仕込み水の量および添加終了時の水の量が規定される以外は、特に限定されない。重合体混合物は、得られている知見に基づいて、製造されうる。後述するような改良を、必要に応じて適用してもよい。以下、重合体混合物の製造方法の一実施形態について、工程順に説明する。
【0041】
まず、所定量のPAG化合物を準備する。PAG化合物の使用量は、重合体混合物に求める特性に応じて決定される。
【0042】
PAG化合物を含む重合反応系中に、所定量の初期仕込み水を配合する。場合によっては、初期仕込み水を配合しなくてもよい。重合反応系の溶媒は通常は水であるが、単量体の溶媒への溶解性を向上させるために、単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。つまり、本発明の製造方法によって得られる重合体混合物は、通常は水溶液中に存在するが、場合によっては水と有機溶媒との混合溶液中に存在してもよい。加えられる有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。
【0043】
重合反応系中には、重金属イオンが配合されてもよい。重合反応系中に重金属イオンを配合することによって、開始剤として用いられる過硫酸塩や重亜硫酸塩の配合量が低減されうる。過硫酸塩および重亜硫酸塩は、不純物の原因となり、また、開始剤として配合される重亜硫酸塩が分解して発生する亜硫酸ガスは、重合反応時の作業員の安全性や周辺環境へ悪影響を及ぼす。したがって、重金属イオンを重合反応系中に配合することによって、不純物の含有量が少ない、高品質の重合体混合物が製造されうる。また、亜硫酸ガスの発生も少なく、作業環境も改善されうる。
【0044】
重金属とは、比重が4g/cm3以上の金属を意味する。具体的な重金属としては、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられる。2種以上の重金属が用いられてもよい。重合反応系は、これらのイオンを含む。好ましくは、重合反応系は、鉄イオンを含む。重金属イオンのイオン価については特に限定しない。例えば、重金属として鉄が用いられる場合には、重合反応系中に溶解している鉄イオンは、Fe2+であっても、Fe3+であってよい。これらが組み合わされていても良い。
【0045】
重金属イオンは、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いて添加されうる。その際に用いられる重金属化合物は、重合反応系中に含有されることを所望する重金属イオンに応じて決定される。溶媒として水が用いられる場合には、水溶性の重金属塩が好ましい。水溶性の重金属塩としては、モール塩(Fe(NH42(SO42・6H2O)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガンなどが挙げられる。重金属イオンの添加方法としては、初期添加または逐次添加、好ましくは初期添加が用いられる。ただし、重金属イオンの添加方法がこれらに限定されるわけではない。なお、初期添加とは、重金属イオンの全量を重合反応系中に予め添加する方法をいい、逐次添加とは、重金属イオンを重合反応の進行と共に、徐々に添加していく方法をいう。
【0046】
重金属イオンの含有量は、特に限定されないが、重合反応完結時における重合反応系の全質量に対して好ましくは0.1〜20ppm、より好ましくは0.2〜10ppm、さらに好ましくは0.3〜7ppm、特に好ましくは0.4〜6ppm、最も好ましくは0.5〜5ppmである。本発明の効果を得るために加えられる重金属イオンはこの程度の量でよいため、重金属イオン由来の不純物は殆ど発生しない。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。なお、重合反応完結時とは、重合反応系中において重合反応が実質的に完了した時点を意味する。
【0047】
重金属イオンの含有量が0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が十分に発現しない虞がある。一方、重金属イオンの含有量が20ppmを超えると、色調が悪化する虞がある。また、洗剤ビルダーやスケール防止剤として重合体混合物が用いられた場合には、汚れの増加やスケールの増加を招く虞がある。
【0048】
別途、(メタ)アクリル酸系単量体を準備する。(メタ)アクリル酸系単量体の使用量は、重合体混合物に求める特性に応じて決定される。一般的には、1gのPAG化合物に対して、好ましくは100〜0.01g、より好ましくは95〜0.05g、さらに好ましくは90〜0.1gの(メタ)アクリル酸系単量体が用いられる。ただし、PAG化合物および(メタ)アクリル酸系単量体の使用量は、PAG化合物や(メタ)アクリル酸系単量体の特性に応じて適宜調整されるべきであり、上述の範囲に限定されない。他の単量体が用いられる場合には、重合体混合物の特性が劣化しない範囲で、他の単量体が用いられる。
【0049】
重合反応は、PAG化合物を含む重合反応系に、(メタ)アクリル酸系単量体および他の成分を供給することによって、行われうる。好ましい実施形態の一つは、重合反応系中に、(メタ)アクリル酸系単量体からなる単量体成分、開始剤、および他の成分を滴下する方法である。(メタ)アクリル酸系単量体を含む水溶液、開始剤を含む水溶液、および他の成分を含む水溶液を滴下することによって、重合反応が進行する。各溶液の濃度については、特に制限はないが、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が、所定の範囲内になるように、濃度を制御すべきである。
【0050】
開始剤としては、過硫酸塩および重亜硫酸塩が好ましい。(メタ)アクリル酸系単量体の濃度が高い場合には、生成するグラフト重合体の分子量が大きくなり、重合反応液がゲル化する虞がある。過硫酸塩および重亜硫酸塩を開始剤として用いれば、(メタ)アクリル酸系単量体の濃度が高い重合条件下で、低分子量の重合体混合物が製造されうる。
【0051】
過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウムが挙げられる。重亜硫酸塩としては、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウムが挙げられる。必要であれば、亜硫酸塩やピロ亜硫酸塩などを用いてもよい。
【0052】
過硫酸塩および重亜硫酸塩の添加比率は、好ましくは、質量比で過硫酸塩1に対して、重亜硫酸塩が0.5〜10の範囲内である。過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が0.5未満であると、得られる重合体混合物中に含まれる重合体の重量平均分子量が高くなる傾向にある。一方、過硫酸塩1に対して重亜硫酸塩が10を超えると、重亜硫酸塩による効果が添加比率に伴うほど得られない虞がある。ただし、過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量が、この範囲に限定されるわけではない。具体的な過硫酸塩および重亜硫酸塩の配合量は、使用用途や使用環境に応じて決定されるべきである。例えば、重合体混合物が洗剤ビルダーとして用いられる場合には、重量平均分子量が高すぎると、性能が低下する虞がある。したがって、重量平均分子量が必要以上に増大しないように留意して、配合量を決定すればよい。
【0053】
また、使用される(メタ)アクリル酸系単量体1モルに対する過硫酸塩および重亜硫酸塩の通常の配合量は、2〜20gである。重金属イオンが重合反応系中に含まれると、添加する過硫酸塩および重亜硫酸塩の量を減少させうる。
【0054】
他の成分としては、中和度を制御する目的で、水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分が、重合反応系に供給されうる。
【0055】
各成分の滴下時間は、通常は60分〜420分であり、好ましくは90分〜360分である。(メタ)アクリル酸系単量体は、一部または全量を反応系中に予め仕込まれてもよい。各成分によって、滴下時間が異なっていてもよい。
【0056】
各成分の滴下速度は特に限定されるものではない。例えば、滴下の開始から終了を通じて、滴下速度は一定であってもよく、必要に応じて、滴下速度を変化させてもよい。重合体混合物の製造効率を高めるためには、滴下終了後の重合反応系における固形成分の濃度、すなわち単量体の重合によって生じる固形分の濃度が40質量%以上になるように、各成分を滴下させることが好ましい。
【0057】
重合温度は、好ましくは25〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは、80〜120℃である。重合温度が低すぎると、得られる重合体混合物中に含まれる重合体の重量平均分子量が上昇するおそれ、および、不純物の生成量が増加するおそれがある。また、重合時間が長くなるため、重合体混合物の生産性が低下する。重合温度が高すぎると、不純物の生成量が増加する虞がある。
【0058】
重合時の圧力は、特に限定されるものではなく、常圧下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であってもよい。
【0059】
酸性条件下において重合した後、重合反応系は、アルカリ成分を適宜添加することによって中和されてもよい。アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類等が挙げられる。アルカリ成分は、1種類のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
得られる重合体混合物中に含まれる重合体の重量平均分子量は、用いるPAG化合物に応じて異なるため、一義的には規定されない。通常は、重合体混合物中に含まれる重合体の重量平均分子量は、2,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは2,000〜30,000、さらに好ましくは2,000〜20,000、特に好ましくは4,000〜15,000である。
【0061】
上述の方法によって、重合体混合物が製造されうる。ただし、重合体混合物の製造方法は、上述の記載に限定されない。重合反応系中の、初期仕込み水の量および添加終了後の水の量が、本願で規定する範囲内であれば、他の工程を適宜変更してもよい。特許文献1などの公知技術を参照して、より効率的な重合を試みてもよい。
【0062】
本発明の第2は、前記製造方法によって得られる重合体混合物である。本発明の第1によって製造される重合体混合物は、保存安定性および再汚染付着能に優れる。
【0063】
重合体混合物は、洗剤、スケール防止剤、分散剤として使用されうる。溶液には、塩基が添加されてもよい。塩基としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等の1価金属塩、カルシウム塩等の2価金属塩、アルミニウム塩等の3価金属塩、アンモミウム塩、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩が挙げられる。
【0064】
なお、重合体混合物についての説明は、本発明の第1で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
【実施例】
以下の方法に従って、重合体混合物1〜6を製造し、再汚染防止能および保存安定性を評価した。再汚染防止能および保存安定性の評価方法は以下の通りである。
【0066】
(再汚染防止能)
▲1▼ 洗濯科学協会より入手したJIS−L0803綿布を切断し、5cm×5cmの白布を作成した。
【0067】
▲2▼ 2.29gの塩化カルシウム2水和物に純水を加えて13kgとし、硬水を調製した。硬水とすすぎ用の水道水を25℃の恒温槽で保持しておいた。
【0068】
▲3▼ ターゴットメーターを25℃にセットし、硬水500mlとクレー1gとをポットにいれ、100rpmで1分間撹拌した。その後、固形分濃度を0.6質量%に調整した重合体水溶液2.5gをポットに入れ、100rpmで1分間撹拌した。
【0069】
▲4▼ 6%アルキルポリオキシエチレン硫酸塩水溶液2.5g、1%硼酸ナトリウム水溶液2.5g、1%クエン酸ナトリウム水溶液2.5g、および白布15枚をポットにいれ、100rpmで1分間撹拌した。
【0070】
▲5▼ 手で白布の水を切り、準備しておいた25℃の水道水1リットルが入ったポットにおいて、100rpmで1分間撹拌した。
【0071】
▲6▼ ▲3▼から▲5▼の操作を、3回繰り返した。
【0072】
▲7▼ 白布を、当て布を用いて、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、目視で汚染の程度を比較した。汚染が殆ど見られない場合を○、汚染が多い場合を×、その中間程度の場合を△とした。
【0073】
(保存安定性)
固形分濃度を40質量%に調整した、重合体混合物を含む水溶液5gを、恒温機内において、35℃で1時間静置した。濁りがない場合を○、やや濁っている場合を△、濁っている場合を×とした。濁りがないことは、重合体溶液が長期間に渡って均一に保たれうることを示す。
【0074】
<実施例1>
還流冷却器、攪拌機を備えた容量5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物(PAG化合物)として、154gのポリエチレングリコール4000(以下、「PEG4000」と略す;分子量3000)を仕込み、撹拌しながら、90℃まで昇温させた。初期仕込み水の量は、0gである。従って、初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、0質量部である。
【0075】
次に、約90℃に保持された重合反応系中に、撹拌しながら、(1)(メタ)アクリル酸系単量体として、450.0gの80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と略す)、(2)中和度を制御する目的で、20.8gの48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」と略す)、(3)過硫酸塩として、133.3gの15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」と略す)、および、(4)重亜硫酸塩として、114.3gの35%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」と略す)を、別々の滴下ノズルより、それぞれ滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、および48%NaOHについては180分間、15%NaPSについては185分間、35%SBSについては175分間とした。滴下は連続的に行われ、滴下を通じて、各成分の滴下速度は一定とした。
【0076】
アクリル酸水溶液の滴下終了時における水量は、以下の式によって算出した。
(初期仕込み水)+(AA水溶液中の水)+(NaOH水溶液中の水)+(NaPS水溶液中の水)+(SBS水溶液中の水)=0+450×0.2+20.8×0.52+133.3×0.85×180/185+114.3×0.65=0+90.0+10.8+110.2+74.3=285.3(g)
(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、185質量部である。
【0077】
滴下終了後、さらに、30分間、重合反応液を90℃で熟成して、重合を完結させた。重合完結後、重合体混合物を含む水溶液である重合反応液を放冷し、375gの48%NaOHを、撹拌しながら重合反応液に徐々に滴下し、重合反応液を中和した。中和後の重合反応液における固形分濃度は55質量%であった。得られた重合体混合物1を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体混合物1の重量平均分子量は6700であった。
【0078】
<比較例1>
セパラブルフラスコに、154gのPEG4000と共に、イオン交換水165.0gを仕込んだ以外は、実施例1と同様にして重合反応を進行させた。初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して107質量部である。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して292質量部である。
【0079】
中和後の重合反応液における固形分濃度は48質量%であった。得られた重合体2を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体2の重量平均分子量は4700であった。
【0080】
<実施例2>
セパラブルフラスコに、154gのPEG4000と共に、0.0263gのFe(NH42(SO42・6H2O(モール塩)を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして重合反応を進行させた。初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して0質量部である。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して185質量部である。
【0081】
中和後の重合反応液における固形分濃度は55質量%であった。得られた重合体3を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体3の重量平均分子量は5700であった。
【0082】
<実施例3>
PEG4000の代わりに、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのポリエチレングリコール25モル物(以下、「PGM25」と略す)を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして重合反応を進行させた。初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して0質量部である。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して185質量部である。
【0083】
中和後の重合反応液における固形分濃度は55質量%であった。得られた重合体4を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体4の重量平均分子量は4500であった。
【0084】
【化2】
Figure 0003914513
【0085】
<実施例4>
PEG4000の代わりに、分子量600のポリエチレンイミンが有する各アミノ基にエチレンオキサイドを25モルづつ付加した化合物(以下、「PGI25」と略す)を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして重合反応を進行させた。初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して0質量部である。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して185質量部である。
【0086】
中和後の重合反応液における固形分濃度は55質量%であった。得られた重合体5を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体5の重量平均分子量は14600であった。
【0087】
<比較例2>
セパラブルフラスコに、154gのPEG4000と共に、イオン交換水385.0gおよび0.0344gのモール塩を仕込んだ以外は、実施例1と同様にして重合反応を進行させた。初期仕込み水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して250質量部である。(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量は、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して435質量部である。
【0088】
中和後の重合反応液における固形分濃度は40質量%であった。得られた重合体6を含む重合反応液中の酸の最終中和度は95mol%であった。また、重合体6の重量平均分子量は3000であった。
【0089】
重合体1〜6の合成条件および評価結果について、表1に示す。なお、重量平均分子量6000のポリアクリル酸ナトリウム(PSA)、PEG4000、およびPSAとPEG4000との混合物についての、再汚染防止能評価も、参考例1〜3として表1に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0003914513
【0091】
表1に示すように、初期仕込み水の量および単量体供給に伴って系中に供給される水の量を制御することによって、得られる重合体混合物の再汚染防止能が改善されうる。(メタ)アクリル酸系単量体のホモポリマー(参考例1)、PEG(参考例2)、および、これらのポリマーの単純な混合物(参考例3)と比較して、本発明の重合体混合物の再汚染防止能は、著しく優れている。また、比較例1と比較すれば、系中に配合される水の量を制御することによって、製造される重合体混合物の再汚染防止能が高められている。洗剤としての用途を考慮すると、再汚染防止能に優れることは、非常に大きい効果である。
【0092】
また、系中に配合される水の量を制御することによって、製造される重合体混合物を含む溶液の保存安定性が改善されうる。重合体混合物を含む溶液の保存安定性が高いと、重合体混合物を用いた製品の品質にバラツキが生じにくい上、製造コストを低下させうる。
【0093】
さらに、実施例1および実施例3を比較すれば、モール塩を加えることによって、得られる重合体混合物の分子量を低下させうることがわかる。重合体混合物を洗剤に適用する場合には、低分子量の重合体混合物は好適である。
【0094】
【発明の効果】
本発明の重合体混合物は、再汚染防止能に優れ、洗剤に配合される成分として、優れている。また、本発明の重合体混合物を含む溶液は保存安定性に優れる。このため、製造される洗剤の品質が安定する。さらに、保存安定性の向上によって、洗剤製造の自由度が向上し、製造コストも削減される。

Claims (2)

  1. 重合開始剤として1種以上の過硫酸塩および1種以上の重亜硫酸塩を用いて、(メタ)アクリル酸系単量体を、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物存在下で重合させる、重合体混合物の製造方法であって、
    初期仕込み水の量が0であり、かつ、(メタ)アクリル酸系単量体の添加終了時における水の量が、ポリアルキレングリコール構造を有する化合物100質量部に対して、1〜100,000質量部であり、過硫酸塩及び重亜硫酸塩の配合量が(メタ)アクリル酸系単量体1molに対して、2〜20gである、重合体混合物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られる重合体混合物。
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