JP2001192419A - 不飽和カルボン酸重合体の製造法 - Google Patents

不飽和カルボン酸重合体の製造法

Info

Publication number
JP2001192419A
JP2001192419A JP2000003247A JP2000003247A JP2001192419A JP 2001192419 A JP2001192419 A JP 2001192419A JP 2000003247 A JP2000003247 A JP 2000003247A JP 2000003247 A JP2000003247 A JP 2000003247A JP 2001192419 A JP2001192419 A JP 2001192419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated carboxylic
carboxylic acid
acid polymer
acid
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000003247A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Matsuo
松尾  茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP2000003247A priority Critical patent/JP2001192419A/ja
Publication of JP2001192419A publication Critical patent/JP2001192419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/04Acids; Metal salts or ammonium salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/02Acids; Metal salts or ammonium salts thereof, e.g. maleic acid or itaconic acid

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価にしかも簡略な重合操作により、生分
解性とカルシウムイオン捕捉能に優れた不飽和カルボン
酸重合体を製造する方法を提供する。 【解決手段】不飽和カルボン酸またはその塩の1種また
は2種以上と、炭素数2〜8のジオールを重合開始剤の
存在下に共重合させる不飽和カルボン酸重合体の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和カルボン酸
重合体の製造法に関する。さらに詳しくは、生分解性と
カルシウムイオン捕捉能を有し、洗剤用ビルダーや、製
紙用コーティング剤、スケール付着防止剤、衛生用品、
農業用資材などの分野において有用性の高い不飽和カル
ボン酸重合体を効率よく安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤を主たる構成成分とす
る繊維用の合成洗剤においては、洗浄能力を高めるため
に、界面活性剤の補助成分としてビルダーを配合するこ
とが行われている。この洗剤用ビルダーには、炭酸ナト
リウムや炭酸カリウム、過ほう酸ナトリウムなどが用い
られていた。その後、洗浄水として硬水を使用した場合
においても不溶性の沈殿を生成することのないトリポリ
リン酸ナトリウムが盛んに使用されるようになった。し
かしながら、このトリポリリン酸ナトリウムは、湖沼や
河川の富栄養化の原因になるなど生態系への影響が大き
いことから、現在では、ゼオライトAが用いられてい
る。ところが、このゼオライトAは、ビルダーとしての
性能が不充分であることから、高分子量ポリカルボン酸
がこのゼオライトAの性能を補うために用いられてい
る。
【0003】しかしながら、この高分子量ポリカルボン
酸は、ビルダーとしての性能には優れているのである
が、生分解性がないために、その配合割合が大幅に制限
されている。そこで、この高分子量ポリカルボン酸に生
分解性を発現させるための提案が種々なされている。例
えば、アクリル酸とアクロレインとの共重合体やポリオ
キシカルボキシメチレンを用いる方法、アクリル酸オリ
ゴマーをエステルで結合させて高分子量化する方法、ポ
リアスパラギン酸を用いる方法などが提案されている。
しかしながら、これらいずれの方法においても、ビルダ
ーとしての性能が不充分であったり、製造工程が煩雑で
あるなど、経済的に有利な方法とはいえないという問題
があった。そこで、生分解性とビルダーとしての性能に
共に優れた洗剤用ビルダーの開発が要望されている。
【0004】さらに、この洗剤用ビルダーの他、製紙用
コーティング剤の調製時に用いる無機顔料分散剤や、水
処理設備でのスケール付着防止剤、紙おむつなどの衛生
用品、農業用資材の分野においても、自然界の生態系へ
の影響の少ない生分解性を有する材料の開発が要望され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生分解性と
カルシウムイオン捕捉能に優れた不飽和カルボン酸重合
体を効率よく安価に製造する方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意研究を重ねた結果、不飽和カルボン酸
類とジオール類を重合開始剤の存在下に共重合させるこ
とにより、前記目的を達成し得ることを見出し、その知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 (1)下記式〔1〕、
【0008】
【化3】
【0009】〔式〔1〕中、R1 は、水素原子またはメ
チル基を示し、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
アンモニウム基を示し、Yは水素原子またはCOOX基
を示す。〕で表される不飽和カルボン酸または不飽和カ
ルボン酸塩の1種または2種以上と、下記一般式
〔2〕、
【0010】
【化4】
【0011】〔式〔2〕中、R2 は、炭素数2〜8のア
ルキレン基を示す。〕で表されるジオールを、重合開始
剤の存在下に共重合することを特徴とする不飽和カルボ
ン酸重合体の製造法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、前記一般式〔1〕で表
される不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸塩の1
種または2種以上と、前記一般式〔2〕で表されるジオ
ール類を、重合開始剤の存在下に共重合する不飽和カル
ボン酸重合体の製造法である。
【0013】ここで、前記一般式〔1〕で表される不飽
和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。また、
この一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸の塩とし
ては、アクリル酸やメタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸のナトリウム塩やカリウム塩、アンモニウム塩が好適
なものとして挙げられる。そして、この一般式〔1〕で
表される不飽和カルボン酸を1種単独で用いる場合に
は、アクリル酸またはメタクリル酸あるいはこれらの塩
が好ましく、2種以上の混合物を用いる場合には、アク
リル酸またはメタクリル酸あるいはこれらの塩と、マレ
イン酸またはフマル酸あるいはこれらの塩とを組合せて
共重合に用いるのが好ましい。
【0014】また、前記一般式〔2〕で表されるジオー
ル類としては、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオールなどが挙げられ
る。
【0015】そして、ここで共重合に用いる前記一般式
〔2〕で表されるジオール成分の使用割合は、原料化合
物の全量に対して5〜50モル%、好ましくは10〜4
0モル%とする。また必要に応じて、上記2成分に、さ
らに、アクロレイン、アクリルアミド、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステル、マレイン酸ハーフエステ
ルの群から選択される化合物を添加して共重合すること
ができる。
【0016】そして、この反応を行う際の重合系の液性
は、pH4〜7の範囲が望ましく、その調整には塩基を
用いるのが好ましい。このような塩基としては、水酸化
ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどを
用いることができるが、好ましいのは水酸化ナトリウム
である。
【0017】また、ここでの共重合反応に用いる重合開
始剤としては、例えば過酸化水素と還元剤の組合せから
なるラジカル開始剤が好適に用いられる。この還元剤と
しては、二価の鉄イオンや銅イオン、亜鉛イオン、コバ
ルトイオンなどの金属イオン、アスコルビン酸、還元糖
などを用いることができる。このラジカル開始剤の使用
割合は、アクリル酸やジオールなどの原料全体に対し
て、0.1〜200重量%、好ましくは0.5〜100
重量%である。
【0018】さらに、この不飽和カルボン酸重合体の製
造にあたっては、通常、無溶媒または水溶媒を用いる。
溶媒として、非水溶媒を用いてもよい。この非水溶媒と
しては、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ジオキサンなどが用いられ
る。この反応では、無溶媒において重合するのが好まし
いが、非水溶媒を用いる場合には、アセトンが好まし
い。
【0019】そして、この場合の反応条件は、常圧〜1
MPa、好ましくは常圧〜0.5MPaにおいて、30
〜120℃、好ましくは40〜110℃の範囲から選定
することができる。また、重合時間は、原料化合物の種
類や重合温度により左右されるが、通常、1〜24時
間、好ましくは3〜12時間である。
【0020】このようにして、前記一般式〔1〕で表さ
れる不飽和カルボン酸またはその塩の1種または2種以
上と前記一般式〔2〕で表されるジオール類を、前記重
合開始剤の存在下に共重合反応を行う場合には、その反
応の場において、ジオール類が酸化されてアルデヒドに
転化し、これがケトン基の形において不飽和カルボン酸
の重合により形成される重合体主鎖に導入されるように
なる。
【0021】そして、ここで得られる不飽和カルボン酸
重合体は、その重合体主鎖に上記のケトン基が導入され
ていることから、重合体主鎖におけるケトン基による結
合部位が生分解の起点となり、重合体鎖全体の分解が進
行するようになるものと考えられる。このようにケトン
基の導入されていない従来の洗剤ビルダー用不飽和カル
ボン酸重合体には、生分解性は全く見られない。
【0022】また、この不飽和カルボン酸重合体の数平
均分子量については、500〜1,000,000の範
囲、好ましくは1,000〜100,000の範囲、さ
らに好ましくは1,000〜50,000の範囲であ
る。それは、この数平均分子量が500未満であると、
これを例えばビルダーとして用いる際にカルシウムイオ
ン捕捉能が充分に得られないことがあり、この数平均分
子量が1,000,000を超えるものでは、生分解性
の低下を招くことがあるからである。さらに、この不飽
和カルボン酸重合体中に含有されるジオール類の残基か
らなる構造単位の割合は、5〜50モル%、好ましくは
10〜40モル%である。それは、この含有割合が5モ
ル%未満の不飽和カルボン酸重合体では、生分解性の低
下を招くことがあり、またこの含有割合が50モル%を
超える不飽和カルボン酸重合体では、アルカリ水溶液と
したときに分解を起こすことがあるからである。
【0023】このようにして得られる不飽和カルボン酸
重合体は、洗剤用ビルダー、製紙用のコーティング剤の
調製時に用いる無機顔料の分散剤、水処理装置における
スケール付着防止剤、紙おむつなどの衛生用品や、野菜
類の栽培システムなどの農業用資材として幅広い用途分
野で使用することができる。そして、本発明の方法によ
り製造される不飽和カルボン酸重合体は、生分解性を有
するので、これら使途での使用後は放置しておいても分
解して無機化され、自然界の生態系に悪影響を及ぼすお
それのないものである。
【0024】また、本発明の方法により製造される不飽
和カルボン酸重合体は、この他にカルシウムイオン捕捉
能にも優れていることから、上記の種々の用途の中でも
洗浄剤ビルダーに用いるのに特に適している。この場
合、この不飽和カルボン酸重合体は界面活性剤と併用す
るのであるが、ここで用いる界面活性成分としては、陰
イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。
【0025】この陰イオン性界面活性剤としては、例え
ば脂肪酸石ケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−
アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂
肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルエ
ーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩な
どが好適に用いられる。
【0026】また、陽イオン性界面活性剤としては、脂
肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミ
ダゾリニウム塩などが好適である。
【0027】さらに、非イオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、アルキルアミンオキシドなどが好ましい。
【0028】そして、両性界面活性剤としては、例えば
カルボキシベタイン型化合物、アミノカルボン酸塩、イ
ミダゾリニウムベタインなどが好適である。そして、こ
れら不飽和カルボン酸重合体と界面活性剤を主成分とす
る洗剤組成物におけるビルダー成分と界面活性剤成分の
配合割合は、粉末状の洗剤組成物を製造する際には、こ
の洗剤組成物の全量に対して、ビルダー成分が1〜20
重量%であり、界面活性剤成分が20〜60重量%であ
るとともに、残部の20〜78重量%が酵素、漂白剤、
無機系ビルダー(例えばゼオライト、炭酸ナトリウム)
などを配合してなるものが好適に用いられる。
【0029】また、液体洗剤組成物の製造に際しては、
この洗剤組成物の全量に対して、ビルダー成分を0.1
〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、界面活性剤
成分を20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%
とし、さらに水を10〜60重量%、好ましくは20〜
50重量%とするとともに、これら主たる構成成分に、
各種の添加剤を配合してなるものが好適に用いられる。
【0030】このような添加剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、カルボキシメチルセルロースなど
のポリマー、ポリビニルピロリドンなどの色移り防止
剤、クエン酸、ジグリコール酸、燐酸などの金属捕捉
剤、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカ
ノールアミンなどのアルカリ剤、プロテアーゼ、セルラ
ーゼ、リパーゼなどの酵素、塩化カルシウム、ギ酸、ホ
ウ酸などの酵素安定剤、シリコーンなどの消泡剤、エタ
ノールなどの低級アルコールやベンゼンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩などのアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、プロピレングリコールやポリエチレングリコ
ールなどのグリコール類、安息香酸、尿素などの可溶化
剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾー
ル、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの酸
化防止剤、蛍光染料、香料、抗菌防腐剤などがある。
【0031】また、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液で中和
することによって、生分解性に優れた分散剤が得られ
る。この分散剤は、紙などのコーティング剤に用いられ
る炭酸カルシウム、クレイなどの無機顔料用の分散剤と
して有用性の高いものである。このようなコーティング
剤を調製するにあたっては、炭酸カルシウムやクレイな
どの無機顔料100重量部に対して、この分散剤を0.
05〜2.0重量部の割合で添加し、これを水中に分散
することにより得ることができる。そして、この分散剤
を用いることによって、低粘度でしかも高流動性を有す
るコーティング剤を得ることができる。この場合、分散
剤を単独で用いてもよいし、これに他の配合剤、例えば
ポリビニルアルコールなどを併用してもよい。
【0032】さらに、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、カルシウムイオン捕捉能に優れることから、冷却水
系、ボイラー水系等の装置におけるスケールの付着防止
剤としても有用性の高いものである。
【0033】
〔実施例1〕
(1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、還流冷却器、熱電対を備えた容量300ミリ
リットルのセパラブルフラスコに、マレイン酸29.4
gとエチレングリコール18.6g、アクリル酸21.
6g、塩化第一鉄・4水和物30mgおよび水酸化ナト
リウム14.4gを含む水溶液20gを入れ、100℃
に加熱して攪拌した。ついで、これに濃度60重量%の
過酸化水素水25.5gを5時間かけて滴下した。
【0034】反応終了後、得られた反応生成物を凍結乾
燥することによって、固体の共重合体79.8g(収率
95%)を得た。ここで得られた共重合体について、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法に
より、ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均
分子量は、3,100であり、また、重量平均分子量
は、17,000であった。
【0035】つぎに、この共重合体についての13C−N
MRによる測定結果において、180ppmにケトン基
に由来する吸収が認められた。また、2,4−ジニトロ
フェニルヒドラジンによる呈色反応〔Allen:J.Am.Chem.
Soc.,52,2955(1930)参照〕からもケトン基を有すること
が確認された。
【0036】これら結果および原料仕込み比から、この
共重合体の化学構造は、下記のとおりであると認められ
た。
【0037】
【化5】 (2)カルシウムイオン捕捉能の評価 カルシウムイオン濃度40ppmの0.1規定濃度のア
ンモニア緩衝液に、所定量の上記(1)で得られた共重
合体を加え、カルシウムイオン電極を用いて、この水溶
液中のカルシウムイオン濃度を測定し、この共重合体1
gによって捕捉される炭酸カルシウム(単位;mg)に
換算し、この値をカルシウムイオン捕捉能とした。この
測定の結果、上記(1)で得られた重合体のカルシウム
イオン捕捉能は、210mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体につき、MITI法により
生分解率を測定した。分解率は、分解前後のゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー法におけるピーク面積よ
り算出した。この測定の結果、上記(1)で得られた重
合体の生分解率は、62%であった。これら結果をまと
めて第1表に示す。
【0038】〔実施例2〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 エチレングリコールに代えて、1,3−プロパンジオー
ルを22.8g用いた他は、実施例1と同様にした。こ
こで得られた共重合体の収量は、68.2gであった。
【0039】そして、この共重合体の数平均分子量は、
2,700であり、また、重量平均分子量は、8,30
0であった。また、この共重合体についての13C−NM
Rおよび2,4−ジニトロフェニルヒドラジンによる呈
色反応の結果ならびに原料仕込み比から、この共重合体
の化学構造は、下記のとおりであると認められた。
【0040】
【化6】 (2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた共重合体につき、実施例1の
(2)と同様にしてカルシウムイオン捕捉能の測定をし
た結果、200mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体につき、実施例1の(2)
と同様にして生分解率を測定した結果、51%であっ
た。これら結果をまとめて第1表に示す。
【0041】〔実施例3〕重合開始剤として、塩化第一
鉄に代えて、酸化硫酸バナジウム水和物30mgを用い
た他は、実施例1と同様にした。得られた共重合体の収
量は、80.6gであった。
【0042】そして、この共重合体の数平均分子量は、
3,430であり、また、重量平均分子量は、10,2
00であった。また、この共重合体についての13C−N
MRおよび2,4−ジニトロフェニルヒドラジンによる
呈色反応の結果は、実施例1と同様であり、実施例1と
同一の化学構造を有すると認められた。 (2)カルシウムイオン捕捉能の評価 上記(1)で得られた共重合体につき、実施例1の
(2)と同様にしてカルシウムイオン捕捉能の測定をし
た結果、200mg/gであった。
【0043】(3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体につき、実施例1の(2)
と同様にして生分解率を測定した結果、48%であっ
た。これら結果をまとめて第1表に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価にかつ大量
入手の容易な原料を用いて、簡略な重合操作により、生
分解性とカルシウムイオン捕捉能に優れた不飽和カルボ
ン酸重合体を得ることができる。また、この不飽和カル
ボン酸重合体は、これら特性にることから、冷却水系、
ボイラー水系等の装置におけるスケールの付着防止剤と
しても有用性の高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔1〕、 【化1】 〔式〔1〕中、R1 は、水素原子またはメチル基を示
    し、Xは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウ
    ム基を示し、Yは水素原子またはCOOX基を示す。〕
    で表される不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸塩
    の1種または2種以上と、下記一般式〔2〕、 【化2】 〔式〔2〕中、R2 は、炭素数2〜8のアルキレン基を
    示す。〕で表されるジオールを、重合開始剤の存在下に
    共重合することを特徴とする不飽和カルボン酸重合体の
    製造法。
JP2000003247A 2000-01-12 2000-01-12 不飽和カルボン酸重合体の製造法 Pending JP2001192419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003247A JP2001192419A (ja) 2000-01-12 2000-01-12 不飽和カルボン酸重合体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003247A JP2001192419A (ja) 2000-01-12 2000-01-12 不飽和カルボン酸重合体の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001192419A true JP2001192419A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18532226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000003247A Pending JP2001192419A (ja) 2000-01-12 2000-01-12 不飽和カルボン酸重合体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001192419A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099274A1 (en) * 2003-05-08 2004-11-18 Nippon Shokubai Co. Ltd. Polymer mixture and method for production thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004099274A1 (en) * 2003-05-08 2004-11-18 Nippon Shokubai Co. Ltd. Polymer mixture and method for production thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2675707B2 (ja) 三元重合体
CN102559409A (zh) 用于高表面活性剂配制物的聚合物
JP2008303347A (ja) ポリアルキレングリコール系化合物とその製造方法ならびにその用途
US3896040A (en) Detergent composition
JPS5915359B2 (ja) 洗剤用ビルダ−及び該洗剤用ビルダ−を用いる洗剤組成物
JPH05311194A (ja) 洗剤用ビルダー及びそれを含有する洗剤組成物
WO2013084717A1 (ja) アクリル酸(塩)-マレイン酸(塩)系共重合体組成物、その製造方法及び洗剤組成物
JP5117887B2 (ja) カチオン性共重合体およびその用途
JPH08507802A (ja) アスパラギン酸を主体とする共重縮合体、その製造方法およびその使用
US6344434B1 (en) Acrylic polymer, process for the production of the same, biodegradable builder, detergent composition and dispersant
JP2001192419A (ja) 不飽和カルボン酸重合体の製造法
WO2000059958A1 (fr) Copolymere reticule d'acide carboxylique insature et son procede de production, copolymere d'acide carboxylique insature, adjuvant biodegradable, et composition detergente
JP2001055419A (ja) 不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダー
JPH10195137A (ja) アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤
US6310030B1 (en) Unsaturated carboxylic acid polymer, biodegradable builder, and detergent composition
JP2001081186A (ja) ケトン基を有する重合体、その製造方法、ビルダ−および洗剤組成物
JP2000159834A (ja) 不飽和カルボン酸重合体および生分解性ビルダーならびに洗剤組成物
JP4009041B2 (ja) 重金属イオンキレート能を有する新規水溶性重合体とその製造方法および用途
JPH03188116A (ja) 生物分解可能な洗剤添加物としての共重合体
JP2001081133A (ja) 不飽和カルボン酸重合体及びビルダー並びに洗剤組成物
JPH11124413A (ja) アクリル酸系重合体、その製造方法及び生分解性ビルダー
JP2003192722A (ja) アミノ基含有重合体とその製造方法、ならびに用途
JP2000159839A (ja) 不飽和カルボン酸重合体及び生分解性ビルダー並びに洗剤組成物
JP2000144174A (ja) 液体洗剤組成物
JP2004043593A (ja) 不飽和カルボン酸重合体とその製造法及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041221