JP2000144174A - 液体洗剤組成物 - Google Patents

液体洗剤組成物

Info

Publication number
JP2000144174A
JP2000144174A JP31459798A JP31459798A JP2000144174A JP 2000144174 A JP2000144174 A JP 2000144174A JP 31459798 A JP31459798 A JP 31459798A JP 31459798 A JP31459798 A JP 31459798A JP 2000144174 A JP2000144174 A JP 2000144174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid detergent
detergent composition
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
acid copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31459798A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Matsuo
松尾  茂
Yoshikatsu Kiyono
美勝 清野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP31459798A priority Critical patent/JP2000144174A/ja
Priority to EP99909256A priority patent/EP1083190A4/en
Priority to PCT/JP1999/001389 priority patent/WO1999048938A1/ja
Priority to US09/622,917 priority patent/US6310030B1/en
Publication of JP2000144174A publication Critical patent/JP2000144174A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウム捕捉能力に優れ、高い洗浄能力
を有する液体洗剤組成物を提供する。 【解決手段】下記一般式〔1〕および〔2〕、 【化1】 【化2】 〔式中のX、Zは水素、アルカリ金属、アンモニウム基
を示し、Yは水素、COOXを示し、R1 は水素または
メチル基を示す〕で表される繰返し単位を有し、数平均
分子量が500〜500,000である不飽和カルボン
酸共重合体と、界面活性剤を含有する液体洗剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体洗剤組成物に
関する。さらに詳しくは、キレート能力(カルシウムイ
オン捕捉能)に優れるとともに、界面活性剤との相溶性
に優れた不飽和カルボン酸共重合体を含有する、洗浄能
力の高い液体洗剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維製品用の合成洗剤には、その
使途によって固体洗剤と液体洗剤が用いられている。そ
して、これら洗剤には、いずれの場合にも、その洗浄能
力をさらに向上させるために、補助成分としてビルダー
が配合されている。このうち、固体洗剤においては、こ
れに配合するビルダーとして、水に添加した際にアルカ
リ性を示す無機化合物、例えば、ナトリウムやカリウム
の炭酸塩または炭酸水素塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、
ケイ酸塩、ゼオライトが用いられてきた。これらビルダ
ーの中でも、洗浄効果、経済性および作業性などの面か
ら、リン酸塩、ポリリン酸塩およびゼオライトが多量に
使用されてきた。しかしながら、リン酸塩やポリリン酸
塩は、湖沼や河川の富栄養化の原因となり、また、ゼオ
ライトは堆積するなどの問題があった。
【0003】このような環境問題の解決のため、これら
無機化合物に代わるものとして、ポリアクリル酸、ポリ
マレイン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸系重合体をヒ
ルダーとして用いる提案(特開昭50−80377号公
報、特開平5−239127号公報など)がなされてい
る。一方、液体洗剤は、合成繊維を素材とする衣料製品
用として好適であることや、省エネルギー化傾向の進展
に伴なって、その使途が拡大している。この液体洗剤用
のビルダーとしては、比較的溶解性がよく、しかも加水
分解に対する安定性のよいピロ燐酸カリウムが使用され
てきた。しかしながら、このピロ燐酸カリウムにおいて
も、湖沼や河川の富栄養化の問題がある。
【0004】また、上記固体洗剤における場合と同様な
公知の不飽和脂肪族カルボン酸系重合体からなるビルダ
ーは、界面活性剤への溶解性がないことから、これを液
体洗剤用のビルダーとして使用することはできない。そ
こで、この液体洗剤の洗浄能力の向上のため、水溶性の
良好な界面活性剤の配合割合を増大して液体洗剤を製造
するなどの方策がとられているのであるが、さらなる洗
浄能力の向上のためには、界面活性剤との相溶性に優れ
かつキレート能力の高い液体洗剤用ビルダーの開発が望
まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、界面活性剤
との相溶性に優れ、かつキレート能力に優れた新規な不
飽和カルボン酸共重合体からなるビルダー成分と、界面
活性剤成分を含む液体洗剤組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分子鎖中に特
定の化学構造を有する不飽和カルボン酸共重合体が、界
面活性剤との相溶性に優れ、かつキレート能力に優れて
いることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 (1)下記一般式〔1〕、
【0008】
【化4】
【0009】〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示し、Yは水素原子また
はCOOX基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示
す〕で表される繰返し単位(1)と、下記一般式
〔2〕、
【0010】
【化5】
【0011】〔式〔2〕中、Zは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示す〕で表される繰返し
単位(2)を含有し、数平均分子量が500〜500,
000の不飽和カルボン酸共重合体と、界面活性剤を含
有する液体洗剤組成物。 (2)不飽和カルボン酸共重合体として、該共重合体中
の繰返し単位(2)の含有割合が、0.5〜20モル%
であるものを用いる、前記(1)記載の液体洗剤組成
物。 (3)不飽和カルボン酸共重合体として、下記一般式
〔3〕、
【0012】
【化6】
【0013】〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示し、Yは水素原子また
はCOOX基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示
す〕で表される不飽和カルボン酸またはその塩と、ハイ
ドロキノンまたはベンゾキノン類を重合開始剤の存在下
に共重合させて得られた数平均分子量500〜500,
000の不飽和カルボン酸共重合体と界面活性剤を含有
する液体洗剤組成物。 (4)界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸アルキル塩、硫
酸アルキルポリオキシエチレン塩、硫酸アルキルポリオ
キシエチレンエーテル塩および高級アルコール硫酸エス
テル塩の群から選択される1種または2種以上の界面活
性剤を用いる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の
液体洗剤組成物。 (5)不飽和カルボン酸共重合体と界面活性剤との配合
割合が、重量比において、1:4〜1:30である、前
記(1)〜(4)のいずれかに記載の液体洗剤組成物。 (6)さらに、酵素、蛍光増白剤および制泡剤を含有さ
せてなる前記(1)〜(5)のいずれかに記載の液体洗
剤組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の液体洗剤組成物のビルダ
ー成分として用いる不飽和カルボン酸共重合体は、前記
の一般式〔1〕で表される繰返し単位(1)と、一般式
〔2〕で表される繰返し単位(2)を含有し、数平均分
子量が500〜500,000の不飽和カルボン酸共重
合体である。
【0015】そして、この不飽和カルボン酸共重合体に
おける一般式〔2〕で表される繰返し単位(2)の含有
割合は、0.5〜20モル%の範囲であるものが好まし
く、またこの繰返し単位(2)はランダムに繰返し単位
(1)に結合した共重合体が好適に用いられる。それ
は、この繰返し単位(2)含有割合が0.5モル%未満
であると、得られる不飽和カルボン酸共重合体の界面活
性剤との相溶性が充分でなく、またこの構造単位の含有
割合が20モル%を超えると、キレート能力すなわちカ
ルシウムイオンの捕捉能力が低下するようになることか
ら、上記範囲内とするのが望ましいのである。
【0016】この不飽和カルボン酸共重合体は、前記一
般式〔1〕で表される繰返し単位(1)と、一般式
〔2〕で表される繰返し単位(2)を含有するものが好
適に用いられるが、これら繰返し単位の他に、これら以
外の不飽和化合物に基づく繰返し単位を、本発明の目的
を阻害しない範囲、たとえば1〜30モル%の範囲内で
含有させた共重合体を用いてもよい。このような不飽和
化合物としては、例えば、イタコン酸、クロトン酸、α
−ヒドロキシアクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸およびこれらのア
ルカリ金属塩やアンモニウム塩、炭素数1〜12のアル
コールのエステル類、酢酸ビニル、アクロレインなどが
挙げられる。
【0017】また、この不飽和カルボン酸共重合体の数
平均分子量については、500〜500,000の範
囲、好ましくは1,000〜100,000の範囲、さ
らに好ましくは1,000〜50,000の範囲であ
る。この数平均分子量が500未満であると、これをビ
ルダー成分として用いる際にキレート能力が十分に得ら
れず、一方、これが500,000を超えるものでは、
界面活性剤との相溶性が充分に得られなくなるからであ
る。
【0018】つぎに、これら不飽和カルボン酸共重合体
を製造する方法については、前記一般式〔3〕で表され
る不飽和カルボン酸またはその塩と、ハイドロキノンま
たはベンゾキノン類を、重合開始剤の存在下に共重合さ
せることにより、効率よく製造することができる。この
一般式〔3〕で表される不飽和カルボン酸としては、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸などが好適に用いられ、これらは1種単独で用い
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。この不
飽和カルボン酸として2種以上を混合して用いる場合、
例えば、マレイン酸10〜60モル%に対して、アクリ
ル酸を40〜90モル%の割合で混合した用いることが
できる。また、これら不飽和カルボン酸はその無水物で
あってもよい。さらにその塩としては、ナトリウム塩や
カリウム塩などのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩
が好適に用いられる。
【0019】また、ベンゾキノン類としては、p−ベン
ゾキノン、o−ベンゾキノンのいずれを用いてもよい。
さらに、ここで用いるハイドロキノンやベンゾキノン類
としては、置換基を有するものであってもよい。そし
て、上記不飽和カルボン酸またはその塩と、ハイドロキ
ノンまたはベンゾキノン類の反応を行う際に用いる重合
開始剤としては、例えば過酸化水素、過カルボン酸、過
マレイン酸などが用いられる。これらの使用割合は、原
料の不飽和カルボン酸またはその塩とハイドロキノンま
たはベンゾキノン類の合計量に対して、0.1〜30重
量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0020】また、この重合開始剤として、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、テ
トラメチルチウラムジスルフィドなどを用いてもよい。
これらの使用割合については、原料の不飽和カルボン酸
またはその塩とハイドロキノンまたはベンゾキノン類の
合計量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.
5〜5重量%である。これら重合開始剤の使用割合が、
上記範囲未満であると、生成物中に未反応物が混入する
ことがあり、また上記の範囲を超えて使用しても、それ
に見合う効果は得られないからである。
【0021】さらに、ここで用いる重合開始剤として、
過酸化水素と還元剤を組み合わせたものであってもよ
い。このような還元剤としては、鉄イオンや銅イオン、
亜鉛イオン、ニッケルイオン、アスコルビン酸、サッカ
リンなどが好適に用いられる。これら還元剤の使用割合
は、過酸化水素に対して、0.001〜10重量%、好
ましくは0.01〜1重量%である。
【0022】そして、この不飽和カルボン酸またはその
塩とハイドロキノンまたはベンゾキノン類の反応を行う
際に、連鎖移動剤を用いてもよい。この連鎖移動剤とし
ては、例えば、メルカプトエチルアルコール、メルカプ
トプロピルアルコール、メルカプトブチルアルコール、
アミノエタンチオールなどが挙げられる。これら化合物
の中でも、メルカプトエチルアルコールが特に好適であ
る。そして、この連鎖移動剤の使用量は、原料の不飽和
カルボン酸またはその塩とハイドロキノンまたはベンゾ
キノン類との合計量に対して、通常1〜20重量%、好
ましくは3〜15重量%の範囲とする。この添加量が1
重量%未満では、その添加効果が不十分であり、また2
0重量%を超えると、得られる重合体のキレート能力が
不十分となることがあるからである。
【0023】この不飽和カルボン酸重合体の製造にあた
っては、通常、無溶媒または水溶媒を用いる。溶媒とし
て、非水溶媒を用いてもよい。この非水溶媒としては、
アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ベンゼン、ジ
オキサンなどが用いられる。この反応では、無溶媒また
は水溶媒において重合するのが好ましいが、非水溶媒を
用いる場合には、アセトンが好ましい。
【0024】そして、この場合の反応条件は、大気圧〜
10kg/cm2 ・G、好ましくは大気圧〜5kg/c
2 ・Gにおいて、30〜150℃、好ましくは50〜
120℃の範囲から適宜選定することができる。重合時
間については、原料化合物の種類や重合温度により左右
されるが、通常、10分間〜20時間、好ましくは1〜
4時間である。
【0025】このようにして得られた不飽和カルボン酸
共重合体は、界面活性剤との相溶性に優れるとともにキ
レート能力に優れることから、液体洗剤用ビルダー成分
として好適に用いることができる。つぎに、本発明の液
体洗剤に用いる界面活性成分としては、例えば陰イオン
性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面
活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。
【0026】上記陰イオン性界面活性剤としては、例え
ば脂肪酸石ケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−
アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂
肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルエ
ーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩な
どが好適に用いられる。
【0027】また、陽イオン性界面活性剤としては、脂
肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミ
ダゾリニウム塩などが好適である。さらに、非イオン性
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アル
カノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキ
シドなどが好ましい。
【0028】そして、両性界面活性剤としては、例えば
カルボキシベタイン型化合物、アミノカルボン酸塩、イ
ミダゾリニウムベタインなどが好適である。つぎに、本
発明の液体洗剤組成物を製造する際には、主たる構成成
分である前記不飽和カルボン酸共重合体からなるビルダ
ー成分と、上記界面活性剤成分との配合割合を、それら
の重量比において1:4〜1:30、好ましくは1:8
〜1:20とし、さらに、その洗浄能力の向上のため
に、一般に用いられる酵素や蛍光増白剤、制泡剤を配合
するとよい。
【0029】このようにして得られる本発明の液体洗剤
組成物は、これに含有される上記不飽和カルボン酸共重
合体からなるビルダー成分の含有率が組成物全量に対し
て、0.1〜20重量%、好ましくは2〜5重量%の組
成を有するものが好適である。このビルダー成分の含有
率が0.1重量%未満であると、洗浄性能の向上効果が
充分に発現しないことがあり、また、20重量%を越え
る割合で配合してもそれ以上に洗浄性能が向上するとい
うことにはならないので、前記範囲内の含有率としてあ
るものが好適に用いられる。また、上記の酵素や蛍光増
白剤、制泡剤の配合割合は、液体洗剤組成物全量に対し
て、それぞれ0.1〜5.0重量%としてあるものが好
適である。
【0030】
〔参考例1〕
(1)不飽和カルボン酸共重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量500ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、無水マレイン酸98gと、水酸化
ナトリウム88gおよび水100gを入れて反応させ、
マレイン酸塩とした。つぎに、このフラスコに、アクリ
ル酸86.4gとp−ベンゾキノン5.4gを入れ、1
10℃に加熱した。
【0031】つぎに、このフラスコ内の溶液を攪拌しな
がら、60重量%濃度の過酸化水素水56.6gを20
分間かけて滴下した。そして、滴下終了後、110℃に
おいて、3時間にわたり攪拌下に反応させた。ついで、
反応終了後に、得られた反応生成物を凍結乾燥すること
によって、固体の不飽和カルボン酸共重合体349.8
g(収率98%)を得た。
【0032】ここで得られた不飽和カルボン酸共重合体
について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)法により、ポリアクリル酸を標準物質として
測定した数平均分子量は、6,500であった。また、
ここで得られた共重合体について行った13C−NMRお
よび 1H−NMRの測定結果より、下記、
【0033】
【化7】
【0034】で表される繰返し単位からなる不飽和カル
ボン酸共重合体であることが確認された。 (2)カルシウムイオン捕捉能力の評価 上記(1)で得られた不飽和カルボン酸共重合体20m
gを、内容積200ミリリットルのビーカーに入れ、つ
いで、これに塩化カルシウム0.1規定、塩化カリウム
0.1規定、アンモニア0.4規定を含有するカルシウ
ムイオン濃度40ppmの水溶液100gを入れて、こ
れらを溶解させた。つぎに、カルシウムイオン電極を用
いて、この水溶液中の二価のカルシウムイオン濃度を測
定し、この重合体1gによって捕捉される炭酸カルシウ
ム(単位;mg)に換算し、この値をカルシウムイオン
捕捉能力とした。この測定の結果、上記(1)で得られ
た不飽和カルボン酸共重合体のカルシウムイオン捕捉能
力は、252mg/gであった。
【0035】〔参考例2〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量1000ミリリットルの
セパラブルフラスコに、無水マレイン酸98gと、水酸
化ナトリウム80gおよび水150gを入れて反応さ
せ、マレイン酸塩とした。つぎに、このフラスコに、ア
クリル酸72.0gとハイドロキノン5.5gおよび塩
化第二鉄4水塩20mgを入れ、80℃に加熱した。
【0036】つぎに、このフラスコ内の溶液を攪拌しな
がら、これに60重量%濃度の過酸化水素水56.6g
を、15分間かけて滴下した。そして、滴下終了後、8
0℃において、3時間にわたり攪拌下に反応させた。つ
いで、反応終了後、得られた反応生成物を凍結乾燥する
ことにより、固体の不飽和カルボン酸重合体245g
(収率96%)を得た。
【0037】ここで得られた不飽和カルボン酸共重合体
のGPC法により測定した数平均分子量は、11,20
0であった。また、ここで得られた共重合体について行
った13C−NMRおよび 1H−NMRの測定結果より、
下記、
【0038】
【化8】
【0039】で表される繰返し単位からなる不飽和カル
ボン酸共重合体であることが確認された。 (2)カルシウムイオン捕捉能力の評価 上記(1)で得られた不飽和カルボン酸共重合体のカル
シウムイオン捕捉能力を、参考例1の(2)と同様にし
て測定した結果、240mg/gであった。
【0040】〔実施例1〕 (1)液体洗剤組成物の調製 参考例1の(1)において得られた不飽和カルボン酸共
重合体を水溶液とした後、水酸化ナトリウムを加えてそ
の液性をpH9に調整し、これをビルダーとして用い
た。ついで、このビルダー2重量部に対して、界面活性
剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル50重
量部、溶解助剤としてエタノール2重量部、アルカリ調
整剤としてエタノールアミン5重量部および水41重量
部を配合して、液体洗剤組成物を調製した。 (2)液体洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた液体洗剤組成物の洗浄力
の評価試験を行った。ここで用いた人工汚垢としては、
下記組成のものを調製した。
【0041】 有機汚垢成分 69.7重量部 焼成粘度 29.8重量部 カーボンブラック 0.5重量部 また、この有機汚垢成分としては、下記に示す各物質を
所定の割合で含有するものを用いた。
【0042】 オレイン酸 28.3重量部 トリオレイン 15.6重量部 コレステロールオレイン 12.2重量部 流動パラフィン 2.5重量部 スクワレン 2.5重量部 コレステロール 1.6重量部ゼラチン 7.0重量部 計 69.7重量部 ついで、この人工汚垢を用い、水溶媒系湿式法にて清浄
布から汚染布を作成し、これを5cm×5cmに裁断し
て、反射率が38〜43%のものを作製し、洗浄前の表
面反射率を測定後、下記条件において洗浄試験を行っ
た。
【0043】 試験機 Terg-O-Tometer 回転数 120rpm 水の硬度 90ppm(CaCO3 換算) 洗液量 900ミリリットル 洗浄温度 30℃ 洗剤濃度 0.067% 浴比 30倍 洗浄時間 10分間 すすぎ時間 3分を2回 乾燥 濾紙にはさんでアイロン乾燥 つぎに、洗浄後の布(洗浄布)の表面反射率を測定し、
次式から洗浄力を求めた。
【0044】洗浄力(%)=〔(汚垢布のK/S−洗浄
布のK/S)/(汚垢布のK/S−清浄布のK/S)〕
×100 〔この式において、K/S=(1−R)2 /2R (Kub
elka-Munk の式)であり、Rは、布の表面反射率を示
す。〕 このようにして、液体洗剤組成物の洗浄力の評価を行っ
た結果、上記(1)で調製した液体洗剤組成物の洗浄力
は、60%であった。この液体洗剤組成物の組成と洗浄
力評価の結果を第1表に示す。
【0045】〔実施例2〕 (1)液体洗剤組成物の調製 参考例1の(1)で得られた不飽和カルボン酸共重合体
の配合割合を5重量%とし、水の配合割合を38重量%
とした他は、実施例1の(1)と同様にして液体洗剤組
成物を調製した。 (2)液体洗剤組成物の洗浄力評価 上記(1)で調製した液体洗剤組成物について、実施例
1の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を行っ
た。この液体洗剤組成物の組成と洗浄力評価結果を第1
表に示す。
【0046】〔実施例3〕 (1)液体洗剤組成物の調製 参考例2の(1)で得られた不飽和カルボン酸共重合体
をビルダー成分として用いた他は、実施例1の(1)と
同様にして液体洗剤組成物を調製した。 (2)液体洗剤組成物の洗浄力評価 上記(1)で調製した液体洗剤組成物について、実施例
1の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を行っ
た。この液体洗剤組成物の組成と洗浄力評価結果を第1
表に示す。
【0047】〔実施例4〕 (1)液体洗剤組成物の調製 参考例2の(1)で得られた不飽和カルボン酸共重合体
の配合割合を5重量%とし、水の配合割合を38重量%
とした他は、実施例1の(1)と同様にして液体洗剤組
成物を調製した。 (2)液体洗剤組成物の洗浄力評価 上記(1)で調製した液体洗剤組成物について、実施例
1の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を行っ
た。この液体洗剤組成物の組成と洗浄力評価結果を第1
表に示す。
【0048】〔比較例1〕 (1)液体洗剤組成物の調製 ビルダー成分を配合することなく、水の配合割合を43
重量%とした他は、実施例1の(1)と同様にして液体
洗剤組成物を調製した。
【0049】(2)液体洗剤組成物の洗浄力評価 上記(1)で得られた液体洗剤組成物について、実施例
1の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を行っ
た。この液体洗剤組成物の組成と洗浄力評価結果を第1
表に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の液体洗剤組成物は、カルシウム
イオン捕捉能力に優れたビルダー成分を含有することか
ら、繊維製品などに対して高い洗浄能力を有している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕、 【化1】 〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示し、Yは水素原子またはCOOX基
    を示し、Rは水素原子またはメチル基を示す〕で表され
    る繰返し単位(1)と、下記一般式〔2〕、 【化2】 〔式〔2〕中、Zは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示す〕で表される繰返し単位(2)を
    含有し、数平均分子量が500〜500,000の不飽
    和カルボン酸共重合体と、界面活性剤を含有する液体洗
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸共重合体として、該共
    重合体中の繰返し単位(2)の含有割合が、0.5〜2
    0モル%であるものを用いる請求項1記載の液体洗剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 不飽和カルボン酸共重合体として、下記
    一般式〔3〕、 【化3】 〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示し、Yは水素原子またはCOOX基
    を示し、Rは水素原子またはメチル基を示す〕で表され
    る不飽和カルボン酸またはその塩と、ハイドロキノンま
    たはベンゾキノン類を重合開始剤の存在下に共重合させ
    て得られた数平均分子量500〜500,000の不飽
    和カルボン酸共重合体と界面活性剤を含有する液体洗剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 界面活性剤として、アルキルベンゼンス
    ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸アルキ
    ル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、硫酸アルキ
    ルポリオキシエチレンエーテル塩および高級アルコール
    硫酸エステル塩の群から選択される1種または2種以上
    の界面活性剤を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の
    液体洗剤組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和カルボン酸共重合体と界面活性剤
    との配合割合が、重量比において、1:4〜1:30で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の液体洗剤組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、酵素、蛍光増白剤および制泡剤
    を含有させてなる請求項1〜5のいずれかに記載の液体
    洗剤組成物。
JP31459798A 1998-03-20 1998-11-05 液体洗剤組成物 Pending JP2000144174A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31459798A JP2000144174A (ja) 1998-11-05 1998-11-05 液体洗剤組成物
EP99909256A EP1083190A4 (en) 1998-03-20 1999-03-19 UNSATURATED CARBONIC ACID POLYMER, DEGRADABLE SCAFFOLDING AND DETERGENT COMPOSITION
PCT/JP1999/001389 WO1999048938A1 (fr) 1998-03-20 1999-03-19 Polymere d'acide carboxylique non sature, adjuvant biodegradable et composition detergente
US09/622,917 US6310030B1 (en) 1998-03-20 1999-03-19 Unsaturated carboxylic acid polymer, biodegradable builder, and detergent composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31459798A JP2000144174A (ja) 1998-11-05 1998-11-05 液体洗剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000144174A true JP2000144174A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18055222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31459798A Pending JP2000144174A (ja) 1998-03-20 1998-11-05 液体洗剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000144174A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08508022A (ja) ペルオキシ酸
WO2016045519A1 (en) Cleaning compositions comprising amphiphilic graft copolymers and sulfonate group-containing copolymers
JP2008523162A (ja) アミノ基含有水溶性共重合体
JPH05311194A (ja) 洗剤用ビルダー及びそれを含有する洗剤組成物
JP5117887B2 (ja) カチオン性共重合体およびその用途
EP0155421B1 (en) Fabric softeners
JPS6286098A (ja) 洗剤用ビルダー
JP5117257B2 (ja) 再汚染防止剤
US3753913A (en) Polycarboxylic thioether detergent builders
JPH09324018A (ja) アクリル系重合体、その製造方法、生分解性ビルダー、洗剤組成物及び分散剤
JP5106785B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP2000144174A (ja) 液体洗剤組成物
EP4150039A1 (en) Use of carboxymethylated polymer of lysines as dispersing agent and compositions comprising the same
JP4009041B2 (ja) 重金属イオンキレート能を有する新規水溶性重合体とその製造方法および用途
JP2000159834A (ja) 不飽和カルボン酸重合体および生分解性ビルダーならびに洗剤組成物
WO2023008367A1 (ja) エステル結合含有ポリカルボン酸(塩)及びその製造方法
JP2001055419A (ja) 不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダー
JP3720325B2 (ja) 汚れ放出剤
JP2001081133A (ja) 不飽和カルボン酸重合体及びビルダー並びに洗剤組成物
US6310030B1 (en) Unsaturated carboxylic acid polymer, biodegradable builder, and detergent composition
JP2004043593A (ja) 不飽和カルボン酸重合体とその製造法及びその用途
JP2000109524A (ja) 不飽和カルボン酸重合体および生分解性ビルダー
JP2000159839A (ja) 不飽和カルボン酸重合体及び生分解性ビルダー並びに洗剤組成物
JP2001192419A (ja) 不飽和カルボン酸重合体の製造法
JP2000103811A (ja) 不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダーならびに洗剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041208