JP2000103811A - 不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダーならびに洗剤組成物 - Google Patents

不飽和カルボン酸重合体とその製造法および生分解性ビルダーならびに洗剤組成物

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JP2000103811A
JP2000103811A JP27750298A JP27750298A JP2000103811A JP 2000103811 A JP2000103811 A JP 2000103811A JP 27750298 A JP27750298 A JP 27750298A JP 27750298 A JP27750298 A JP 27750298A JP 2000103811 A JP2000103811 A JP 2000103811A
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unsaturated carboxylic
acid polymer
polymer
acrylamide
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JP27750298A
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Shigeru Matsuo
松尾  茂
Yoshikatsu Kiyono
美勝 清野
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムイオンの捕捉能力に優れ、かつ
生分解性にも優れたビルダーとして有用性の高い不飽和
カルボン酸重合体と、その製造方法、該重合体からなる
ビルダー、該ビルダーと界面活性剤からなる洗剤組成
物、および分散剤を提供する。 【解決手段】下記一般式〔1〕、 【化1】 〔式中のXは水素、アルカリ金属、アンモニウム基を示
し、Yは水素、COOXを示し、R1 は水素またはメチ
ル基を示す〕で表される不飽和カルボン酸とアクリルア
ミドを重合開始剤の存在下に共重合した後、ベンゾキノ
ンを反応させて製造した数平均分子量500〜1,00
0,000の不飽和カルボン酸重合体と、その製造方
法、該重合体からなるビルダ−、該ビルダーと界面活性
剤からなる洗剤組成物、該重合体からなる分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な不飽和カル
ボン酸重合体とその製造方法、該重合体からなる生分解
性ビルダー、洗剤組成物および分散剤に関する。さらに
詳しくは、生分解性に優れかつ洗剤用ビルダーとして優
れた性能を有する新規な不飽和カルボン酸重合体と、そ
の効果的な製造方法、ならびにこの重合体からなる生分
解性ビルダー、洗剤組成物、分散剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤を主たる構成成分とす
る洗剤においては、界面活性剤の補助成分としてビルダ
ーを配合することにより、洗浄能力を高めることが行わ
れている。このビルダーとしては、水に添加した際にア
ルカリ性を示す無機化合物や、不飽和脂肪族カルボン酸
の重合体などが知られている。前者の例としては、ナト
リウムまたはカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸
塩、ポリリン酸塩、ケイ酸塩およびゼオライトなどが挙
げられ、後者の例としては、ポリアクリル酸、ポリマレ
イン酸、ポリイタコン酸などが挙げられる。
【0003】これらのビルダーの中では、洗浄効果、経
済性及び作業性などの面から、リン酸塩、ポリリン酸塩
及びゼオライトが多量に使用されている。しかしなが
ら、リン酸塩やポリリン酸塩は、湖沼や河川の富栄養化
の原因となり、また、ゼオライトは堆積するなど、環境
保護の面で種々の問題を有している。したがって、少な
くとも従来と同様にビルダーとしての性能、特にキレー
ト能力(カルシウムイオン捕捉能)に優れたものである
と同時に、環境保護の面から重要性の高い生分解性に優
れていて、自然界に長期間残存することのない、いわゆ
る環境にやさしい、しかも経済的に有利なビルダーの開
発が望まれている。
【0004】このような要請に応えて、特開平5−23
9127号公報においては、キレート能力と生分解性を
有するビルダーとして使用するのに適した重合体とし
て、その重合体自体にはキレート能力は殆どないが、生
分解性を有する低分子量成分を含有する水溶性オリゴマ
ー主鎖同士を、ポリエチレングリコール、クエン酸、酒
石酸等の架橋剤により、生分解可能なエステル基又はア
ミド基を介して結合して分子量を増大させた架橋重合体
を提案している。ところが、この架橋重合体は、低分子
量化することで生分解性を高めているが、直鎖状のポリ
アクリル酸自体は生分解され難く、生分解の困難な高分
子量の直鎖状ポリアクリル酸を少なからず含有すること
から、生分解性が十分に高いものではない。また、この
架橋重合体の製造工程においても、オリゴマーを重合す
る工程と架橋する工程との2段階で行う必要があり、特
定の架橋剤を用いる必要もあることから、製造工程が煩
雑であるという難点を有している。
【0005】また、特開昭50−80377号公報にお
いては、アクリル酸に対してアクロレインを共重合させ
た共重合体をビルダーとして使用することが提案されて
いるが、キレート能力と生分解性がいずれも十分でな
く、経済性の面においても満足すべきものでないことか
ら、実用化されるに至っていない。そこで、キレート能
力に優れるとともに高い生分解性を有するビルダー用に
適した重合体と、その効率的な製造方法の開発が要望さ
れている。
【0006】また、無機顔料分散剤の分野では、ポリア
クリル酸ソーダなどが分散スラリー液の粘度低下や粘度
安定性の向上のために用いられているが、ポリアクリル
酸に生分解性がないことから、上記ビルダーと同様、生
分解性を有していて長期間残存することがなく、しかも
経済的に有利な分散剤の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キレート能
力に優れ、かつ生分解性を有するビルダーとして用いる
のに適した不飽和カルボン酸重合体と、その効率のよい
製造方法、該重合体からなるビルダー、該ビルダー成分
と界面活性剤成分を含む洗剤組成物および分散剤を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分子鎖中に特
定の化学構造を有する不飽和カルボン酸重合体が、キレ
ート能力に優れ、かつ生分解性を有し、しかも簡単なプ
ロセスで効率よく製造することができるので経済的にも
有利であることを見出し、さらにこの重合体がビルダー
として有用性が高く、洗剤用組成物や分散剤として有用
性が高いことを見出し、かかる知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、下記のとおり
である。 (1)下記一般式〔1〕、
【0010】
【化3】
【0011】〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム基を示し、Yは水素原子また
はCOOX基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示
す〕で表される不飽和カルボン酸またはその塩とアクリ
ルアミドを重合開始剤の存在下に共重合した後、ベンゾ
キノン類を反応させて製造した数平均分子量が500〜
1,000,000の不飽和カルボン酸重合体。 (2)アクリルアミドとベンゾキノン類の合計の共重合
割合が、共重合体の全量に対して、0.5〜20重量%
である、前記(1)記載の不飽和カルボン酸重合体。 (3)上記一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸ま
たはその塩とアクリルアミドを重合開始剤の存在下に共
重合した後、ベンゾキノン類を反応させる前記(1)ま
たは(2)記載の不飽和カルボン酸重合体の製造方法。 (4)重合開始剤として、過酸化水素と、鉄イオン、銅
イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、アスコルビン酸
およびサッカリンの群から選択される少なくとも1種の
還元剤とを組み合わせてなる重合開始剤を用いる前記
(3)記載の不飽和カルボン酸重合体の製造方法。 (5)さらに連鎖移動剤として、一般式〔2〕、
【0012】
【化4】
【0013】〔式〔2〕中、Zは水酸基またはアミノ基
を示し、pは1〜6の整数を示す〕で表される化合物
を、原料単量体の全量に対して0.1〜20モル%用い
て共重合を行う前記(3)または(4)記載の不飽和カ
ルボン酸重合体の製造方法。 (6)前記(1)または(2)記載の不飽和カルボン酸
重合体を構成成分として含有する生分解性ビルダー。 (7)前記(1)または(2)記載の不飽和カルボン酸
重合体と界面活性剤を構成成分として含有する洗剤組成
物。 (8)前記(1)または(2)記載の不飽和カルボン酸
重合体をアルカリで中和した重合体からなる分散剤。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、前記一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸また
はその塩とアクリルアミドおよびベンゾキノン類を、重
合開始剤の存在下に共重合して製造した数平均分子量が
500〜1,000,000の重合体である。
【0015】そして、この重合体においては、アクリル
アミドおよびベンゾキノン類の残基に由来する構造単位
の含有割合が0.5〜20重量%の範囲であるものが特
に好ましい。それは、これらアクリルアミドおよびベン
ゾキノン類の残基を含有する構造単位の含有割合が0.
5重量%未満であると、得られる重合体の生分解性が充
分でなく、またこれらの構造単位の含有割合が20重量
%を超えると、キレート能力すなわちカルシウムイオン
の捕捉能力が低下するようになることから、上記範囲内
とするのが望ましいのである。
【0016】また、この重合体の数平均分子量について
は、500〜1,000,000の範囲、好ましくは
1,000〜100,000の範囲、さらに好ましくは
1,000〜50,000の範囲であり、この数平均分
子量が500未満であると、これをビルダーとして用い
る際にキレート能力が十分に得られず、一方、これが
1,000,000を超えるものでは、生分解性の低下
を招くようになる。
【0017】本発明の不飽和カルボン酸重合体は、前記
一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸またはその塩
とアクリルアミドおよびベンゾキノン類を用いて、これ
らを共重合させることにより形成される構造単位を有す
る共重合体であるが、これら以外の不飽和化合物に基づ
く構造単位を、本発明の目的を阻害しない範囲におい
て、たとえば該構造単位の含有割合が1〜30重量%の
範囲内で含有させてもよい。このような不飽和化合物と
しては、例えば、イタコン酸、クロトン酸、α−ヒドロ
キシアクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、ビニルトルエンスルホン酸およびこれらのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩あるいは炭素数1〜12のアル
コールのエステル類、酢酸ビニル、アクロレインなどが
挙げられる。
【0018】また、上記ベンゾキノン類としては、p−
ベンゾキノン、o−ベンゾキノンのいずれでもよく、置
換基を有しているものであってもよい。つぎに、上記不
飽和カルボン酸重合体を製造する方法については、前記
一般式〔1〕で表される不飽和カルボン酸またはその塩
とアクリルアミドを重合開始剤の存在下に共重合した
後、これにベンゾキノン類を反応させる方法により製造
することができる。
【0019】そして、前記一般式〔1〕で表される不飽
和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸などが好適に用いら
れ、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。この不飽和カルボン酸として2種
以上を混合して用いる場合、例えば、マレイン酸10〜
60モル%に対して、アクリル酸を40〜90モル%の
割合で混合した用いることができる。また、これら不飽
和カルボン酸はその無水物であってもよい。さらにその
塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ
金属塩またはアンモニウム塩が好適に用いられる。
【0020】そして、上記不飽和カルボン酸またはその
塩とアクリルアミドの反応を行う際に用いる重合開始剤
としては、例えば過酸化水素と還元剤を組み合わせたも
のや、過カルボン酸、過マレイン酸などが用いられる。
この還元剤としては、鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオ
ン、ニッケルイオン、アスコルビン酸、サッカリンなど
が好適に用いられる。これらの使用割合は、原料の不飽
和カルボン酸またはその塩とアクリルアミドの全量に対
して、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重
量%である。
【0021】また、この重合開始剤として、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、テ
トラメチルチウラムジスルフィドなどを用いてもよい。
これらの使用割合は、原料の不飽和カルボン酸またはそ
の塩とアクリルアミドの全量に対して、0.1〜10重
量%、好ましくは0.5〜5重量%である。これら重合
開始剤の使用割合は、上記範囲未満であると十分に高い
分子量の重合体が得られないことがあり、また上記の範
囲を超えてもそれに見合う効果は得られないからであ
る。
【0022】また、不飽和カルボン酸またはその塩とア
クリルアミドの反応を行う際に、連鎖移動剤を用いても
よい。この連鎖移動剤としては、前記一般式〔2〕で表
される化合物が好適に用いられる。この一般式〔2〕で
表される化合物としては、例えば、メルカプトエチルア
ルコール、メルカプトプロピルアルコール、メルカプト
ブチルアルコール、アミノエタンチオールなどが挙げら
れる。これら化合物の中でも、メルカプトエチルアルコ
ールがとくに好適である。そして、この連鎖移動剤の使
用量は、原料の不飽和カルボン酸またはその塩とアクリ
ルアミドの全量に対して、通常1〜20重量%、好まし
くは3〜15重量%の範囲とする。この添加量が1重量
%未満では、その添加効果が不十分であり、また20重
量%を超えると、得られる重合体のキレート能力が不十
分となることがあるからである。
【0023】この不飽和カルボン酸重合体の製造にあた
っては、通常、無溶媒または水溶媒を用いる。溶媒とし
て、非水溶媒を用いてもよい。この非水溶媒としては、
アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ジオキサンなどが用いられる。この
反応では、無溶媒において重合するのが好ましいが、非
水溶媒を用いる場合には、アセトンが好ましい。
【0024】そして、この場合の反応条件は、大気圧〜
10kg/cm2 ・G、好ましくは大気圧〜5kg/c
2 ・Gにおいて、30〜150℃、好ましくは50〜
120℃の範囲から適宜選定することができる。重合時
間については、原料化合物の種類や重合温度により左右
されるが、通常、10分間〜20時間、好ましくは1〜
4時間である。
【0025】このようにして得られた不飽和カルボン酸
重合体からなる本発明の生分解性ビルダーは、キレート
能力に優れるとともに、生分解性を有し、洗浄剤ビルダ
ーとして好適に用いることができる。また、この不飽和
カルボン酸重合体を界面活性剤と併用することによっ
て、生分解性を有する洗剤組成物を得ることができる。
このような界面活性成分としては、例えば陰イオン性界
面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤などを用いることができる。
【0026】この洗剤組成物における上記ビルダーと界
面活性剤の配合割合は、洗剤組成物の全量に対して、両
者共10〜40重量%とすることが好ましく、残部の2
0〜80重量%は酵素、漂白剤、無機系ビルダー(例え
ばゼオライト、炭酸ナトリウム)などを適宜配合してな
るものが好適に用いられる。上記の陰イオン性界面活性
剤としては、例えば脂肪酸石ケン、アルキルエーテルカ
ルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジア
ルキルスルホコハク酸エステル塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエ
ーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステ
ル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリ
ン酸エステル塩などが好適に用いられる。
【0027】また、陽イオン性界面活性剤としては、脂
肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミ
ダゾリニウム塩などが好適である。さらに、非イオン性
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アル
カノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキ
シドなどが好ましい。
【0028】そして、両性界面活性剤としては、例えば
カルボキシベタイン型化合物、アミノカルボン酸塩、イ
ミダゾリニウムベタインなどが好適である。また、本発
明の不飽和カルボン酸重合体は、常法によりアルカリ、
例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液で中
和することによって、不飽和カルボン酸単量体を主鎖と
する数平均分子量が1,000〜100,000の親水
性重合体として得られる。この重合体もその化学構造か
ら、生分解性に優れているので、紙などのコーティング
剤に用いられる炭酸カルシウム、クレイなどの無機顔料
用の分散剤として有用性の高いものである。
【0029】このようなコーティング剤を調製するにあ
たっては、炭酸カルシウムやクレイなどの無機顔料10
0重量部に対して、この分散剤を0.05〜2.0重量
部の割合で添加し、これを水中に分散することにより得
ることができる。そして、この分散剤を用いることによ
って、コーティング剤を低粘度でしかも高流動性にする
ことができる。この場合、分散剤を単独で用いてもよい
し、これに他の配合剤、例えばポリビニルアルコールな
どを併用してもよい。
【0030】また、本発明の不飽和カルボン酸重合体
は、キレート能力に優れることから、冷却水系、ボイラ
ー水系等の装置におけるスケールの付着防止剤としても
有用性の高いものである。
【0031】
〔実施例1〕
(1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量100ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、無水マレイン酸22.4gと、水
酸化ナトリウム0.96gおよび水3gを入れ,110
℃に加熱した。つぎに、このフラスコに、無水マレイン
酸9.4gと60重量%濃度の過酸化水素水6.8gか
ら合成した過マレイン酸溶液と、アクリル酸8.6gと
アクリルアミド0.92gとの混合溶液、および50重
量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液17.3gを、それ
ぞれ50分間かけて、攪拌下に同時に滴下した。
【0032】これら各溶液の滴下終了後、30分間攪拌
下に反応させた後、さらに、p−ヘンゾキノン1.24
gとアセトン6gとの混合液を5分間で滴下し、さらに
110℃で1時間攪拌下に反応させた。ついで、反応終
了後に、得られた反応生成物を凍結乾燥することによっ
て、固体の重合体34.0g(収率93%)を得た。
【0033】ここで得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、
ポリアクリル酸を標準物質として測定した数平均分子量
は、8,000であった。また、この重合体の重量平均
分子量は、17,000であった。 (2)カルシウムイオン捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体20mgを、内容積200
ミリリットルのビーカーに入れ、ついで、これに塩化カ
ルシウム0.1規定、塩化カリウム0.1規定、アンモ
ニア0.4規定を含有するカルシウムイオン濃度40p
pmの水溶液100gを入れて、これらを溶解させた。
【0034】つぎに、カルシウムイオン電極を用いて、
この水溶液中の二価のカルシウムイオン濃度を測定し、
この重合体1gによって捕捉される炭酸カルシウム(単
位;mg)に換算し、この値をカルシウムイオン捕捉能
力とした。この測定の結果、上記(1)で得られた重合
体のカルシウムイオン捕捉能力は、195mg/gであ
った。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体につき、JIS規格K69
50に準じて生分解率の測定を行った。生分解率は、T
OC(全有機炭素量)から算出した。この測定の結果、
上記(1)で得られた重合体の生分解率は、88%であ
った。これら結果をまとめて第1表に示す。
【0035】〔実施例2〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 実施例1の(1)において用いたアクリルアミドの使用
量を1,84gとし、またp−ベンゾキノンの使用量を
2.48gとした他は、実施例1の(1)と同様にし
て、不飽和カルボン酸重合体を得た。重合体の収量は、
33.7g(収率87%)であった。
【0036】ここで得られた重合体の数平均分子量は、
6,500であった。また、この重合体の重量平均分子
量は、15,700であった。 (2)カルシウムイオン捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
力を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、1
85mg/gであった。 (3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、79%であった。こ
れら結果を第1表に示す。
【0037】〔比較例1〕 (1)不飽和カルボン酸重合体の製造 攪拌装置、熱電対を備えた容量100ミリリットルのセ
パラブルフラスコに、無水マレイン酸1.96gと、水
酸化ナトリウム0.8gおよび水2gを入れ,100℃
に加熱した。つぎに、このフラスコに、無水マレイン酸
13.7gと60重量%濃度の過酸化水素水6.35g
およびアクリル酸11.52gの混合溶液と、水酸化ナ
トリウム12gを水12gに溶解させた溶液を、それぞ
れ30分間かけて、攪拌下に同時に滴下した。
【0038】これら各溶液の滴下終了後に、得られた反
応生成物を凍結乾燥することによって、固体の重合体3
7.5g(収率94%)を得た。ここで得られた重合体
の数平均分子量は、8,360であった。また、この重
合体の重量平均分子量は、49,100であった。 (2)カルシウムイオン捕捉能力の評価 上記(1)で得られた重合体のカルシウムイオン捕捉能
力を、実施例1の(2)と同様にして測定した結果、2
51mg/gであった。
【0039】(3)生分解性の評価 上記(1)で得られた重合体の生分解率を実施例1の
(3)と同様にして測定した結果、5%であった。これ
ら結果を第1表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】〔実施例3〕 (1)洗剤組成物の調製 実施例1の(1)において得られた重合体を水溶液とし
た後、水酸化ナトリウムを加えてその液性をpH10に
調整し、これをビルダーとして用いた。ついで、このビ
ルダー20重量部に対して、界面活性剤として、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム〔第2表中、LA
Sと略記〕25重量部とアルキル硫酸ナトリウム〔第2
表中、ASと略記〕10重量部、この他の添加剤として
珪酸ナトリウム10重量部、ポリエチレングリコール
〔第2表中では、PEGと略記〕2重量部、炭酸ナトリ
ウム20重量部および水13重量部を配合して、洗剤組
成物を調製した。 (2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた洗剤組成物の洗浄力の評
価試験を行った。ここで用いた人工汚垢としては、下記
組成のものを調製した。
【0042】 有機汚垢成分 69.7重量部 焼成粘度 29.8重量部 カーボンブラック 0.5重量部 また、この有機汚垢成分としては、下記に示す各物質を
所定の割合で含有するものを用いた。
【0043】 オレイン酸 28.3重量部 トリオレイン 15.6重量部 コレステロールオレイン 12.2重量部 流動パラフィン 2.5重量部 スクワレン 2.5重量部 コレステロール 1.6重量部 ゼラチン 7.0重量部 計 69.7重量部 ついで、この人工汚垢を用い、水溶媒系湿式法にて清浄
布から汚染布を作成し、これを5cm×5cmに裁断し
て、反射率が38〜43%のものを作製し、洗浄前の表
面反射率を測定後、下記条件において洗浄試験を行っ
た。
【0044】 試験機 Terg-O-Tometer 回転数 120rpm 水の硬度 90ppm(CaCO3 換算) 洗液量 900ミリリットル 洗浄温度 30℃ 洗剤濃度 0.067% 浴比 30倍 洗浄時間 10分間 すすぎ時間 3分を2回 乾燥 濾紙にはさんでアイロン乾燥 つぎに、洗浄後の布(洗浄布)の表面反射率を測定し、
次式から洗浄力を求めた。
【0045】洗浄力(%)=〔(汚垢布のK/S−洗浄
布のK/S)/(汚垢布のK/S−清浄布のK/S)〕
×100 〔この式において、K/S=(1−R)2 /2R (Kub
elka-Munk の式)であり、Rは、布の表面反射率を示
す。〕
【0046】このようにして洗剤組成物の洗浄力の評価
を行った結果、上記(1)で得られた洗剤組成物の洗浄
力は、65%であった。これら洗剤組成物の組成と、洗
浄力評価の結果をまとめて第2表に示す。
【0047】〔実施例4〕 (1)洗剤組成物の調製 実施例2の(1)において得られた重合体を水溶液とし
た後、水酸化ナトリウムを加えてその液性をpH10に
調整し、これらをビルダーとして用いた。つぎに、これ
らビルダーそれぞれにつき、第2表に示す組成割合にお
いて、界面活性剤などを配合して、洗剤組成物を調製し
た。 (2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた各洗剤組成物について、
実施例3の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験
を行った。評価結果を第2表に示す。
【0048】〔比較例2〜3〕 (1)洗剤組成物の調製 ビルダーとして、従来から用いられているA型ゼオラン
トを用い、これに第2表に示す組成割合で界面活性剤な
どを配合し、2種の洗剤組成物を調製した。
【0049】(2)洗剤組成物の洗浄力評価 つぎに、上記(1)で得られた洗剤組成物について、実
施例3の(2)と同様にして、その洗浄力の評価試験を
行った。評価結果を第2表に示す。
【0050】
【表2】
【0051】〔実施例5〜6〕 (1)分散液の調製 実施例1の(1)および実施例2の(1)において得ら
れた重合体を、それぞれその濃度が10ppmとなるよ
うに水に溶解し、さらにこれに活性白土をその濃度が1
重量%となるように、水に溶解させた分散液を調製し
た。 (2)分散性能の評価 この分散液100ミリリットルを10分間攪拌した後、
100ミリリットルのメスシリンダーに入れて、14時
間静置した。つぎに、この分散液の上澄み5ミリリット
ルを採取して、波長400nmの光源を用いて、吸光度
を測定し、その値を上記重合体の分散性能の指標として
評価した。
【0052】なお、この重合体のみを分散剤として用い
た場合の吸光度は、0.100であり、ブランクテスト
においては、吸光度は、0.000であった。これら分
散性能の評価結果を第4表に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明の不飽和カルボン酸重合体は、カ
ルシウムイオン捕捉能力に優れ、かつ生分解性にも優れ
た洗剤用ビルダーとして有用性が高い。またこの不飽和
カルボン酸重合体を界面活性成分に配合することによっ
て、洗浄力が高くかつ生分解性を有する洗剤組成物を得
ることができる。さらに、この不飽和カルボン酸重合体
を生分解性を有する分散剤として使用することもでき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 220/06 220:56) (C08F 222/02 220:56) Fターム(参考) 4H003 AB19 AB27 BA12 DA01 EA15 EA16 EB36 ED02 FA03 FA07 4J015 CA03 4J100 AJ02P AJ09P AK08P AK31P AK32P AM15Q BC43H CA04 CA31 DA01 DA72 FA03 FA04 HA61 HC25

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕、 【化1】 〔式〔1〕中、Xは水素原子、アルカリ金属原子または
    アンモニウム基を示し、Yは水素原子またはCOOX基
    を示し、Rは水素原子またはメチル基を示す〕で表され
    る不飽和カルボン酸またはその塩とアクリルアミドを重
    合開始剤の存在下に共重合した後、ベンゾキノン類を反
    応させて製造した数平均分子量が500〜1,000,
    000の不飽和カルボン酸重合体。
  2. 【請求項2】 アクリルアミドとベンゾキノン類の合計
    の共重合割合が、共重合体の全量に対して0.5〜20
    重量%である請求項1記載の不飽和カルボン酸重合体。
  3. 【請求項3】 上記一般式〔1〕で表される不飽和カル
    ボン酸またはその塩とアクリルアミドを、重合開始剤の
    存在下に共重合した後、ベンゾキノン類を反応させる請
    求項1または2記載の不飽和カルボン酸重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 重合開始剤として、過酸化水素と、鉄イ
    オン、銅イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、アスコ
    ルビン酸およびサッカリンの群から選択される少なくと
    も1種の還元剤とを組み合わせてなる重合開始剤を用い
    る請求項3記載の不飽和カルボン酸重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに連鎖移動剤として、一般式
    〔2〕、 【化2】 〔式〔2〕中、Zは水酸基またはアミノ基を示し、pは
    1〜6の整数を示す〕で表される化合物を、原料単量体
    の全量に対して0.1〜20モル%用いて共重合を行う
    請求項3または4記載の不飽和カルボン酸重合体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の不飽和カルボン
    酸重合体を構成成分として含有する生分解性ビルダー。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の不飽和カルボン
    酸重合体と界面活性剤を構成成分として含有する洗剤組
    成物。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の不飽和カルボン
    酸重合体をアルカリで中和した重合体からなる分散剤。
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