JP5106785B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、繊維製品に汚れ放出効果を付与することができる汚れ放出剤及びそれを含有する洗浄剤組成物に関する。
一般の生活場面で様々な汚れが発生するが、衿や袖口の皮脂に由来する汚れや、靴下に付着した泥汚れなどは非常に頑固な汚れであり、通常の洗濯では満足できるレベルまで洗浄することは困難である。
繊維表面に処理をほどこすことで、付いた汚れを落としやすくする技術も多く検討されている。例えば、衣料に接触させた後、乾燥することにより防汚性を付与する化合物として、アミンオキシド化合物が挙げられている(例えば特許文献1)。また、トリエタノールアミン架橋体(例えば特許文献2)や、キチン又はキトサンの硫酸化あるいはスルホン化物(例えば特許文献3)からなる汚れ放出剤も知られている。
また繊維表面を親水化することにより汚れを付きにくくする技術が検討されている。例えば、親水化する化合物としては、テレフタレート化合物(例えば特許文献4〜6)が知られている。
しかしながら、まだ十分に満足できるもの、特にポリエステル等の疎水性繊維製品に良好な汚れ放出効果を付与することができるものは知られていなかった。
特開2004−115969号公報 特開2004−196668号公報 特開2001−131591号公報 米国特許第3416952号明細書 米国特許第3557039号明細書 米国特許第4795584号明細書
本発明の課題は、繊維製品、特にポリエステル等の疎水性繊維製品に良好な汚れ放出効果を付与することができる汚れ放出剤及び洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明は、下記の構成単位(A)及び(B)を有する高分子化合物からなる汚れ放出剤、並びにこの汚れ放出剤を含有する洗浄剤組成物を提供する。
(A)一般式(1−a)、一般式(1−b)、一般式(1−c)又は一般式(1−d)で表される少なくとも1種の構成単位
Figure 0005106785
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示し、Z-は陰イオンを示す。R3は水素原子、水酸基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
(B)一般式(2)で表される構成単位
Figure 0005106785
本発明の汚れ放出剤及び洗浄剤組成物により、繊維製品、特にポリエステル繊維等の疎水性の高い繊維に対して、良好な汚れ放出効果および再汚染防止効果を発揮することができる。
[汚れ放出剤]
本発明の汚れ放出剤は、上記一般式(1−a)、一般式(1−b)、一般式(1−c)又は一般式(1−d)で表される少なくとも1種からなる構成単位(A)及び一般式(2)で表される構成単位(B)を有する高分子化合物からなる。
一般式(1−a)〜一般式(1−d)において、R1、R2及びR3で示される水酸基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert-ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等の水酸基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基又はシクロヘキシル基が好ましい。また、炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が好ましい。これらのうち、R1としては、メチル基、エチル基が、R2としては、水素原子、メチル基、エチル基が、R3としては、水素原子、メチル基、エチル基が特に好ましい。
-で示される陰イオンとしては、Cl-、Br-、I-等のハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、メタスルホン酸イオン等が挙げられ、ハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオンが好ましく、ハロゲンイオンがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、構成単位(A)及び構成単位と(B)以外の構成単位(以下構成単位(C)という)を有していてもよい。
本発明の高分子化合物を形成する全構成単位中の構成単位(A)の割合は、10〜90モル%が好ましく、25〜80モル%がより好ましい。構成単位(B)の割合は5〜60モル%が好ましく、12.5〜50モル%がより好ましい。構成単位(C)の割合は0〜80モル%が好ましく、0〜50モル%がより好ましい。
本発明の高分子化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量で、500〜200,000が好ましく、800〜100,000が更に好ましい。
本発明の高分子化合物は、以下に示す方法により製造することができる。
即ち、溶媒中で、ラジカル重合開始剤の存在下、一般式(3−a)又は(3−b)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも1種(以下モノマー(A)という)と、二酸化イオウ又は亜硫酸(以下モノマー(B)という)、更に必要により他のモノマー(以下モノマー(C)という)とを共重合させることにより得ることができる。また、一般式(3−a)で表される化合物と、モノマー(B)、必要によりモノマー(C)を共重合させた後に、酸又は4級化剤を反応させることによっても得ることができる。
Figure 0005106785
(式中、R1、R2、R3及びZ-は前記の意味を示す。)
一般式(3−a)で表される化合物としては、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン等が好ましく、一般式(3−b)で表される化合物としては、ジアリルアミン又はジアリルメチルアミンを、酸又は4級化剤と反応させて得られる酸付加塩又は第4級アンモニウム塩が挙げられる。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられ、無機酸、特に塩酸が好ましい。4級化剤としては、アルキル(炭素数1〜4)クロライド、アルキル(炭素数1〜4)ブロミド、アルキル(炭素数1〜4)ヨージド、アルキル(炭素数1〜2)サルフェート等が挙げられ、メチルクロライド、メチルサルフェート等が好ましい。
本発明に用いられるモノマー(C)としては、一般式(4)で表される不飽和基を有するスルホン酸又はその塩、炭素数3〜22の不飽和カルボン酸又はその塩、アリルアルコール等が挙げられる。
Figure 0005106785
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5はCONH基及び/又はCOO基を含んでもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基、X1は水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を示す。)
一般式(4)で表される不飽和基を有するスルホン酸としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸等が挙げられる。炭素数3〜22の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数8〜22の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
上記酸の塩を構成する塩基としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2等)、有機アミン化合物(アンモニア、トリエタノールアミン等)が挙げられる。
上記以外の不飽和基を有するモノマーも本発明の性能を妨げない範囲で共重合してもよい。
本発明の高分子化合物は、上記モノマー(A)、モノマー(B)、更に必要によりモノマー(C)が、ランダム結合したものであっても、ブロック結合したものであってもよい。
モノマー(A)、(B)、(C)は、モノマー全量に対し、モノマー(A)10〜90モル%、更に25〜80モル%、モノマー(B)5〜60モル%、更に12.5〜50モル%、モノマー(C)0〜80モル%、更に0〜50モル%の割合で反応させることが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造に用いられるラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、モノマー全量に対し、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.5〜7モル%の割合で添加する。
重合反応は、極性溶媒中で常法に従って行われる。重合に用いられる極性溶媒としては、水、アルコール等が挙げられる。反応温度は0〜100℃が好ましく、25〜75℃が更に好ましい。
本発明の汚れ放出剤は、繊維、特にポリエステル繊維等の疎水性の高い繊維に対して良好な汚れ放出効果を付与することができ、かつ再汚染防止効果も付与することができる。本発明の汚れ放出剤は、洗浄剤に配合されるのみではなく、必要に応じて柔軟剤等の繊維処理剤や、漂白剤及び漂白洗浄剤、更にのり剤等にも配合することができる。これらの剤中に配合する場合、剤中の本発明の汚れ放出剤の配合割合は、0.5〜50重量%が好ましく、1〜30重量%が更に好ましい。
[疎水性繊維]
本発明の汚れ放出剤は疎水性繊維用として特に有用である。本発明において、疎水性繊維とは、標準状態の水分率(20℃、65%RH)が5重量%以下の繊維をさしている。なお標準状態の水分率は、JIS L 1013記載の方法により算出される。
疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファーイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)などが例示できる。
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の汚れ放出剤を含有する。本発明の洗浄剤組成物中の本発明の汚れ放出剤の含有量は0.01〜50重量%が好ましく、0.05〜30重量%がより好ましく、1.0〜20重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、更に界面活性剤を含有すると汚れ放出効果が増幅され好ましい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の通常の衣料用洗剤に配合される界面活性剤であればいずれでもよい。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜16のアルキル硫酸エステル塩、平均付加モル数が1〜4、アルキル基の炭素数8〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、平均付加モル数が4〜20、アルキル基の炭素数が8〜14のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル等が挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数12〜22のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン型又はカルボベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの中でも陰イオン界面活性剤、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩が洗浄力向上の点で好ましい。陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中の界面活性剤の含有量は、良好な洗浄力を得る観点から、0.1〜40重量%が好ましく、5〜35重量%がより好ましく、10〜30重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、ポリカルボン酸系化合物を含有することが好ましい。ポリカルボン酸系化合物としては、ポリアクリル酸やアクリル酸とマレイン酸等の共重合体又はこれらの塩であり、一般にはカルシウム捕捉剤や分散剤として洗浄剤に使用されるものである。また、ポリサッカライドにカルボン酸が付加したものや、ポリグリオキシル酸及びそれらの塩等も挙げられる。ポリカルボン酸系化合物は、汚れ放出剤と併用することによって、洗浄液中での分散性を促進し、繊維に対して汚れ放出剤が効率良く吸着するのを補助する作用を示す。
本発明の洗浄剤組成物中のポリカルボン酸系化合物の含有量は、良好な洗浄力を得る観点から、0.01〜50重量%が好ましく、0.05〜20重量%がより好ましく、1.0〜10重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、他に結晶性アルミノ珪酸塩、キレート剤等のポリカルボン酸系化合物以外の2価金属イオン捕捉剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ剤成分、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ等の酵素成分、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム等の漂白剤、珪酸マグネシウム等の過酸化物の安定化剤、ポレエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の再汚染防止剤、蛍光染料、色素、ケーキング防止剤、可溶化剤、香料等を必要に応じて配合することができる。
本発明の汚れ放出剤又は洗浄剤組成物で繊維を処理することにより、繊維に本発明に係わる汚れ放出剤を吸着させ、繊維の汚れを放出させることができ、また再汚染を防止することもできる。また、本発明の洗浄剤組成物で洗浄を行うことにより、繊維から汚れを脱離させ、良好な洗浄力を得ることができ、また再汚染を防止することもできる。特にポリエステル繊維等の疎水性の高い繊維に対して処理すると、高い汚れ放出効果および再汚染防止効果を発揮することができる。
本発明の洗浄剤組成物の処理方法は特に限定されず、洗濯機での洗濯中に本発明の洗浄剤組成物を添加したり、あるいは手洗い時に本発明の洗浄剤組成物中に衣料を浸漬して、洗浄を行った後、水で十分に濯ぎ、脱水乾燥させるという通常の洗浄サイクルを繰り返すことにより衣料に汚れ放出機能および再汚染防止機能を付与することができ、高い洗浄効果が発現される。
本発明の洗浄剤組成物の使用量は、繊維1kgに対して0.1〜100gが好ましく、0.5〜50gが更に好ましい。
例中の%は、特記しない限り重量%である。
尚、以下の例で得られた重合体の重量平均分子量は以下の方法に従って測定した。
<共重合体の重量平均分子量の測定法>
重合体の重量平均分子量(Mw)は、東ソーHLC8120GPCを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。カラムは東ソーの水系・極性溶媒系カラムα-M(排除限界分子量1000万)を2本接続したものを用いた。サンプルは溶離液で5(mg/ml)の濃度に調製し、20μlを用いた。溶離液には50(mmol/L)リチウムブロマイド、1%酢酸の水/エタノール=30/70混合溶媒を用いた。カラム温度は30℃で流速0.6(ml/min)で実施した。分子量は全てポリエチレングリコール換算で算出した。
合成例1
撹拌機、ジムロート還流器、温度計を備えた4つ口セパラブルフラスコ中に、10−ウンデセン酸(UDA)36.86g(0.2モル)、蒸留水154g、エチルアルコール154g、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)129.34g(0.8モル)を仕込んだ。その混合物に二酸化イオウ64.07g(1.0モル)を加えた。得られた混合物に、28.5%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液80.07g(0.1モル)を加えて45℃で48時間共重合を行った。得られた混合物は懸濁していた。
この共重合体の懸濁液の一部をエチルアルコールにより再沈し、得られた固体を50℃で真空乾燥することにより、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとウンデセン酸と二酸化イオウの共重合体(4:1:5(モル比))を得た。重量平均分子量は4800であった。
合成例
表1に示す各モノマー成分を、表1に示す仕込みモル比で用い、合成例1と同様に重合を行い共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
合成例
攪拌機、温度計、還流式冷却管を装備した500mlの四つ口丸底セパラブルフラスコ中に、アリルスルホン酸ナトリウム(SAS)28.82g(0.50モル)、濃度65.76重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)水溶液121.92g(1.25モル)、蒸留水80.05gを仕込み、さらに二酸化イオウガス(SO2)0.25モルを吹込み導入し、均一透明なモノマー溶液を調製した。攪拌冷却下、フラスコ中に、濃度30重量%の過硫酸アンモニウム(APS)水溶液1.52g(モノマーに対して0.2モル%)を添加した。最初の添加より2時間後にさらにAPS水溶液1.52g(0.2モル%)を添加した。温度を徐々に50℃まで上昇させながら、APSを分割添加して全モノマーに対して総量3.4モル%まで追加した。重合反応は96時間行った。
得られた反応溶液を一部採取し、GPCを測定した。重合収率は94%、重量平均分子量は5000であった。得られた反応溶液の一部をイソプロパノール(IPA)中に投入することにより白色沈殿を生成させ、さらにIPAで洗浄後、ろ別して50℃で48時間の真空加熱乾燥を行った。元素分析の結果から、DADMAC:SAS:SO2の共重合モル比は、5:2:1であった。
合成例
表1に示す各モノマー成分を、表1に示す仕込みモル比で用い、合成例と同様に重合を行い共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
合成例
撹拌機、冷却管および温度計を装備した1Lの四つ口セパラブルフラスコ中で、ジアリルメチルアミン塩酸塩(MDAA−HCl)(221.5g,1.50モル)と二酸化イオウ(SO2)(100.9g,1.58モル)とを水(136.1g)に溶解させた水溶液に、28.5%の過硫酸アンモニウム(合計8.0g,0.01モル)の水溶液を3回に分けて加えて、室温にて5時間、重合を実施した。なお、ここでジアリルメチルアミン塩酸塩と二酸化イオウとのモル比は、1:1.05に相当する。
反応終了後、水597.7gを加えて、30%のジアリルメチルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体の水溶液を得た。
この溶液を、GPCにて測定したところ、分子量は4600、重合収率は99%であった。
合成例
合成例1において、ウンデセン酸及び二酸化イオウを用いないこと以外は合成例1と同様に重合を行い重合体を得た。この重合体の重量平均分子量を表1に示す。
Figure 0005106785
注)表中の略号は以下の意味を示す。
DADMAC:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
MDAA−HCl:ジアリルメチルアミン塩酸塩
DAA−HCl:ジアリルアミン塩酸塩
UDA:10−ウンデセン酸
SAS:アリルスルホン酸ナトリウム
AA:アリルアルコール
APS:過硫酸アンモニウム
実施例1〜及び比較例1〜2
合成例1〜で得られた高分子化合物を汚れ放出剤として用い、下記方法で洗浄性を評価した。結果を表2に示す。
<洗浄性評価法>
(1)ポリエステル繊維布の作製
6×6cmポリエステル布(標準状態の水分率 0.4重量%)20枚(重量5g)を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて20℃、10分間、洗剤濃度0.0667%の洗剤溶液1L、80rpmでターゴトメーターにて撹拌洗浄した。流水下ですすいだ後、遠心脱水機にかけ十分水分を除去した後、25℃、50%RHの室内で1時間以上乾燥させた。本洗浄処理を3回繰り返すことによりポリエステル繊維布を作製した。
(2)汚れ放出剤処理及び皮脂汚れ汚染布の作製
衣料用洗剤(花王(株)アタック)を洗剤濃度0.0667%になるように3°DH硬水に溶解させ、そこに各汚れ放出剤を汚れ放出剤濃度0.00333%になるように溶解させ、洗剤水溶液を調製した。上記処理をした6×6cmポリエステル繊維布20枚を洗剤水溶液1Lに入れ、20℃、10分間、80rpmでターゴトメーターにより撹拌洗浄後、遠心脱水機にかけ脱水した後、25℃、50%RHで1時間以上乾燥させた。汚れ放出剤処理後のポリエステル繊維布に対し、モデル皮脂汚れを1枚あたり40mg均一に塗布して皮脂汚れ汚染布を作製した。モデル皮脂汚れは、オレイン酸45%、スクワレン15%、トリオレイン40%の混合物に色素(オイルオレンジSS)を加えて調製した。
(3)洗浄条件、洗浄方法及び評価方法
上記皮脂汚れ汚染布20枚を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて20℃、10分間、洗剤濃度0.0667%、80rpm、3°DH硬水1Lでターゴトメーターにて撹拌洗浄した。流水下で濯いだ後、25℃、50%RHで1時間以上乾燥させた。
次いで汚れ放出剤処理前の原布、皮脂汚れ汚染布、最終洗浄後の汚染布の460nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所(株))にて測定し、次式から皮脂汚れ洗浄率(%)を算出し、20枚の汚染布についての平均値で示した。
洗浄率(%)=[(最終洗浄後の反射率−皮脂汚れ汚染布の反射率)/(原布の反射率−皮脂汚れ汚染布の反射率)]×100
Figure 0005106785
実施例及び比較例3
合成例1で得られた高分子化合物を汚れ放出剤として用い、下記方法で再汚染防止性を評価した。また、比較例として、汚れ放出剤を用いないものについても同様に再汚染防止性を評価した。結果を表3に示す。
<再汚染防止性能評価法>
(1)試験布の作製
全自動洗濯機(JW-Z20A Haier)の設定を給水量15L(水位‘中’)、標準コース(洗い15分、ためすすぎ2回)に合わせ、20℃に温度調整した水道水を使用し、市販の衣料用粉末洗剤(花王(株)ニュービーズ)を洗剤濃度0.0833重量%になるように溶解させた。そこに、40×40cm角の各種試験布(アクリルジャージ(標準状態の水分率1.5重量%)、T/Cニット(標準状態の水分率 2.5重量%))を各3枚(40g)ずつ入れ標準コースで処理した。途中のためすすぎ2回目の最初に市販柔軟仕上げ剤(花王(株)製ハミング1/3)を濃度0.5ml/Lの割合で投入した。上記処理を5回繰り返した後、自然乾燥させ、6×6cm角に裁断することによりサンプル布を得た。
(2)再汚染防止性試験方法及び評価方法
衣料用洗剤(花王(株)ニュービーズ)を洗剤濃度0.0833重量%となるように4°DH硬水に溶解させ、そこに各汚れ放出剤を汚れ放出剤濃度0.00833重量%になるように溶解させ、その中にカーボンブラックをカーボンブラック濃度0.25g/Lとなるように入れ超音波発振機(島田里香工業(株)製;MODEL ET-50S-7)を用いて5分間超音波処理をすることで、再汚染試験溶液を調整した。比較例は、汚れ放出剤を添加せずに処理した。上記処理をしたサンプル布5枚(重量2g)を再汚染試験溶液1Lに入れ、20℃、10分間、85rpmでターゴトメーターにより撹拌洗浄した。流水下で濯いだ後、遠心脱水機にかけ十分水分を除去し、アイロンプレスで乾燥させた。
次いで処理前の原布、試験後のサンプル布の550nmにおける反射率を測色色差計(日本電色(株)製;ND−300A)にて測定し、次式から再汚染防止率(%)を算出し、5枚のサンプル布についての平均値で示した。
再汚染防止率(%)=100−[(原布の反射率−再汚染布の反射率)/(原布の反射率)]×100
Figure 0005106785

Claims (4)

  1. 下記の構成単位(A)及び(B)を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量が500〜5,000である高分子化合物からなる、JIS L 1013記載の方法により算出される標準状態の水分率(20℃、65%RH)が5重量%以下の繊維用の汚れ放出剤。
    (A)一般式(1−a)、一般式(1−b)、一般式(1−c)又は一般式(1−d)で表される少なくとも1種の構成単位
    Figure 0005106785

    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示し、Z-は陰イオンを示す。R3は水素原子、水酸基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
    (B)一般式(2)で表される構成単位
    Figure 0005106785
  2. 高分子化合物を形成する全構成単位中の構成単位(A)の割合が10〜90モル%、構成単位(B)の割合が5〜60モル%である請求項1記載の汚れ放出剤。
  3. 請求項1又は2に記載の汚れ放出剤を含有する繊維製品用洗浄剤組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の汚れ放出剤を含有する繊維製品用洗浄剤組成物と水とを含有する処理液を繊維製品と接触させる、繊維製品の洗浄方法。
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