JP2021054984A - 洗剤用共重合体 - Google Patents

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尊子 張替
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竜佑 金尾
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Abstract

【課題】 従来の重合体よりも洗浄力に優れる洗剤用共重合体を提供する。【解決手段】 洗剤用途に用いられる共重合体であって、該洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が、106000以上であり、該疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが13以下であることを特徴とする洗剤用共重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、洗剤用共重合体に関する。より詳しくは、液体洗剤や粉末洗剤等の洗剤用途に有用な共重合体に関する。
従来、衣料類に用いられる洗剤には、洗剤の洗浄効果を向上させることを目的として、ゼオライト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどの洗剤ビルダー(洗剤助剤)を配合することが行われている。
上記の各種洗剤ビルダーに加えて、近年では、重合体が洗剤ビルダーとして洗剤組成物に配合されている。このような重合体に関して、例えば、特許文献1、2には、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体と(ポリ)アルキレングリコール系単量体との共重合体が開示されている。また、このようなポリカルボン酸系共重合体以外にも、洗剤用途に用いられる重合体として、例えば特許文献3には、所定の構成単位(A) 及び所定の構成単位(B)を有するポリマーを含有する再汚染防止剤が開示されている。特許文献4には、1〜3級アミノ基から選ばれる少なくとも1 種のアミノ基を有する不飽和結合含有モノマー由来の構成単位(A) 、及び炭素数4〜22の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基又はアルケニル基、あるいはアリールアルキル基又はアリール基から選ばれる少なくとも1 種の疎水性基を有し、且つ、1〜3級アミノ基を有しない不飽和結合含有モノマー由来の構成単位(B) を有し、ポリマー中の構成単位(A)の含有量が50〜99重量% 、構成単位(B)の含有量が1〜50重量%であり、重量平均分子量2,000〜30,000のポリマーからなる繊維用汚れ放出剤が開示されている。
特開2007−231260号公報 特開2002−003551号公報 特開2009−249743号公報 特開2007−247126号公報
近年、衣類等に用いられる素材として、耐久性に優れ、乾燥が速く、皺になりにくい等の点から、ポリエステル等の化繊が増加している。ポリエステルには上記のようなメリットがある一方で、疎水性繊維であるため皮脂汚れとの吸着力が強く、綿等に比べて汚れが落ちにくいというデメリットがある。また、近年、共働き世帯が増えていることに伴い、洗濯物をまとめて洗うことが多くなっており、洗濯物が汚れたまま長時間放置されることも、汚れが落ちにくいことの一因である。このような状況の中で、従来の洗剤用途に用いられる種々の重合体は、洗浄力において充分とはいえず、改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の重合体よりも洗浄力に優れる洗剤用共重合体を提供することを目的とする。
本発明者は、洗剤用途に用いられる重合体について種々検討したところ、特定の親水性基を有する単量体と特定の疎水性単量体との共重合体において、重量平均分子量を特定の範囲とすることにより、従来の重合体よりも優れた洗浄力を発揮することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、洗剤用途に用いられる共重合体であって、該洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が、106000以上であり、該疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが13以下であることを特徴とする洗剤用共重合体である。
上記構造単位(a)は、下記式(1);
Figure 2021054984
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、若しくは、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基、又は、該親水性基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。Zは、水素原子、メチル基、又は、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する炭素数2〜30の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有していてもよいアルキレン基を表す。nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0〜200の数である。x、wは、同一又は異なって、0〜4の数を表す。 y、vは、同一又は異なって、0又は1を表す。)で表されることが好ましい。
上記洗剤用共重合体は、構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して10〜99質量%であることが好ましい。
上記洗剤用共重合体は、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して1〜90質量%であることが好ましい。
上記洗剤用共重合体は、重量平均分子量が、106000〜400000であることが好ましい。
本発明はまた、本発明の洗剤用共重合体を含むことを特徴とする洗剤用添加剤でもある。
本発明はまた、本発明の洗剤用共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物でもある。
本発明はまた、洗剤用途に用いられる共重合体であって、該洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が、106000以上であり、該疎水性単量体(B)は、エチレン性不飽和基と炭素数1〜30のアルキル基を有する単量体であることを特徴とする洗剤用共重合体でもある。
本発明の洗剤用共重合体は、上述の構成よりなり、従来の重合体よりも洗浄力に優れるため、ポリエステル等の繊維製品に対する洗剤等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
本発明の洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)(以下、親水性基含有単量体(A)ともいう。)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、重量平均分子量が、106000以上である。
本発明の洗剤用共重合体が優れた洗浄力を発揮する作用機序は以下のように推定される。本発明の洗剤用共重合体を含む洗剤を用いてポリエステル等の衣類等を洗濯することで、構造単位(b)における疎水基がポリエステル等の疎水性繊維に対して吸着し、洗濯後においても洗剤用共重合体が繊維に吸着した状態を維持することができる。このような衣類には、吸着した洗剤用共重合体の上から汚れが付着することになるため、汚れが繊維の奥に浸透することが充分に抑制され、界面活性剤の作用により、洗剤用共重合体とともに汚れが容易に除去されると考えられる。また、上記洗剤用共重合体が親水性基を有することにより、洗濯水の衣類等への浸透速度を向上させることができ、これによっても汚れが落ちやすくなると考えられる。更に、本発明の洗剤用共重合体のもう一つの機能は、界面活性剤と相互作用し、布に付着した汚れに働きかけ、汚れを浮かびあがらせることができるというものである。ポリマーが付着した汚れ粒子は分散安定性が良好なため、再度布に付着することを防止することができる。
これらの作用により、本発明の洗剤用共重合体は洗浄力に優れる。また本発明の洗剤用共重合体を用いて洗濯を繰り返すことにより、衣類等に洗剤用共重合体が定着することで優れた防汚性を発揮し、また汚れを落としやすくすることができるソイルリリース性を充分に発揮する。
本発明の洗剤用共重合体は、構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して10〜99質量%であることが好ましい。これにより、上記洗剤用共重合体の親水性と疎水性のバランスがより好適な範囲となり、洗浄力により優れることとなる。より好ましくは15〜95質量%であり、更に好ましくは20〜90質量%であり、特に好ましくは25〜80質量%であり、最も好ましくは、30〜80質量%である。
本発明の洗剤用共重合体は、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して1〜90質量%であることが好ましい。これにより、上記洗剤用共重合体の親水性と疎水性のバランスがより好適な範囲となり、洗浄力により優れることとなる。より好ましくは5〜85質量%であり、更に好ましくは10〜80質量%であり、特に好ましくは10〜75質量%であり、最も好ましくは15〜70質量%である。
本発明の洗剤用共重合体は、共重合体は、上記構造単位(a)及び(b)以外のその他の構造単位(e)を有していてもよい。
上記共重合体における構造単位(e)の割合は、全構造単位100質量%に対して0〜30質量%であることが好ましい。
より好ましくは0〜20質量%であり、更に好ましくは0〜10質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
本発明の洗剤用共重合体は、重量平均分子量が106000以上である。これにより本発明の洗剤用共重合体は、繊維に対する吸着力に優れる。このことは、本発明の洗剤用共重合体が上述した防汚性やソイルリリース性に優れたものである要因の1つでもある。重量平均分子量は、106000〜300000であることが好ましい。より好ましくは106000〜250000であり、更に好ましくは106000〜200000あり、特に好ましくは106000〜170000である。
上記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<親水性基含有単量体(A)>
上記親水性基含有単量体(A)は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有するものである。
上記親水性基における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等の1価金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等の2価金属塩;アンモニウム塩;有機アミン塩等が挙げられる。
上記親水性基として好ましくは水酸基、オキシアルキレン基である。
上記親水性基含有単量体(A)は、親水性基を同一又は異なって複数有していてもよく、例えば、2以上の水酸基を有する形態や、水酸基とオキシアルキレン基とを有する形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記親水性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)は、下記式(2);
Figure 2021054984
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、若しくは、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基、又は、該親水性基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。Zは、水素原子、メチル基、又は、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する炭素数2〜30の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有していてもよいアルキレン基を表す。nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0〜200の数である。x、wは、同一又は異なって、0〜4の数を表す。 y、vは、同一又は異なって、0又は1を表す。)で表されることが好ましい。すなわち、本発明の共重合体は、上記式(1)で表される構造単位(a)を有することが好ましい。
上記式(1)、(2)におけるR、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、若しくは、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基、又は、該親水性基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。
上記アルキル基として好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基であり、1又は2であり、より好ましくはメチル基、エチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基であることが好ましい。より好ましくはR、Rが水素原子であって、Rが水素原子又はメチル基である。更に好ましくは、R、Rが水素原子であって、Rがメチル基である。
上記式(1)、(2)におけるZは、水素原子、メチル基、又は、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する炭素数2〜30の炭化水素基を表す。
上記炭化水素基としては、特に制限されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。上記炭化水素基は、分岐を有していてもよく、分岐を有する場合の炭化水素基の炭素数は、主鎖及び分岐鎖の合計の炭素数を意味する。
上記アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、1−メトキシ−4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ブチルメチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジブチルフェニル基、ビフェニル基、ビフェニルメチル基、ビフェニルエチル基、ナフチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
上記炭化水素基の炭素数として好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜15であり、更に好ましくは2〜10であり、特に好ましくは2〜5である。
上記Zとして好ましくは、水素原子、メチル基である。
上記Aは、同一又は異なって、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有していてもよいアルキレン基を表す。これは、ポリアルキレングリコール中にn個存在するAOのオキシアルキレン基が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
上記Aで表されるアルキレン基は、炭素数2〜18であることが好ましく、より好ましくは、炭素数2〜4である。
AOで表されるオキシアルキレン基としては例えば、アルキレンオキシドの付加反応により形成される基及びこれに上記親水性基を付加した構造の基であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド及び炭素数2〜18のアルキレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
なお、式(1)におけるAOで表されるオキシアルキレン基は、アルキレンオキシドの付加反応により形成される基に限られない。
また、上記ポリアルキレングリコールが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物である場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、ポリアルキレングリコール中のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基を必須成分として有することが好ましく、50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、90モル%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。
上記式(1)、(2)中、nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0〜200の数である。これにより本発明の共重合体が洗浄力に優れることとなる。好ましくは0〜150であり、より好ましくは0〜100であり、更に好ましくは0〜80であり、特に好ましくは0〜75であり、最も好ましくは10〜70である。
上記Zがメチル基である場合、nは10以上であることが好ましい。
nが1である場合、上記Aは、水酸基を有するアルキレン基であることが好ましい。
上記式(1)、(2)中、x、wは、同一又は異なって、0〜4の数を表し、y、vは、0又は1を表す。
xとして好ましくは0〜3であり、より好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0又は1である。
wとして好ましくは0〜3であり、より好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0又は1であり、最も好ましくは0である。
(x,y,v,w)の組み合わせとしては、(0,1,0,0)、(0,1,1,2)、(1,0,0,0)、(2,0,0,0)等が挙げられる。好ましくは(0,1,0,0)、(1,0,0,0)、(2,0,0,0)であり、より好ましくは(0,1,0,0)(2,0,0,0)であり、最も好ましくは、(0,1,0,0)である。
上記親水性基含有単量体(A)として具体的には例えば、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等や、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールのいずれかにアルキレンオキシドを10〜100モル付加した化合物等の(ポリ)アルキレングリコール系単量体;グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−アリルオキシアクリル酸及びこれらの塩等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの塩、それらの無水物等の不飽和ジカルボン酸類等が挙げられる。これらの中でも(ポリ)アルキレングリコール系単量体や水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
<疎水性単量体(B)>
上記疎水性単量体(B)は、単独重合を行って得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが13以下である。なお、溶解性パラメータが13以下であっても、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有するものについては、親水性基含有単量体(A)に分類する。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147〜154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2 (cal/cm1/2
疎水性単量体を単独で重合した際に得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが13以下であれば、本発明の共重合体における疎水性が充分なものとなり、疎水性の繊維への吸着性に優れる。上記溶解性パラメータとして好ましくは12以下であり、より好ましくは11以下である。上記溶解性パラメータとしては通常5以上である。
上記疎水性単量体としては、単独重合体での溶解性パラメータが13以下であれば特に制限されないが、エチレン性不飽和基と炭素数1〜30のアルキル基を有する単量体であることが好ましい。
疎水性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルコールとのエステル類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体;酢酸ビニル等の不飽和アルコールと炭素数3〜8のカルボン酸とのエステル;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン等の環状ビニル系単量体が挙げられる。
上記アルコールが有していてもよい置換基は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基以外の置換基であればよいが、例えば、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記アルコールの炭素数として好ましくは2〜22であり、より好ましくは2〜16であり、更に好ましくは4〜8である。
上記炭素数1〜30のアルコールとして好ましくは、炭素数1〜30のアルキルアルコールや炭素数6〜30のアリールアルコール等が挙げられる。
上記炭素数1〜30のアルキルアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール及びイコシルアルコール等である。
上記炭素数6〜30のアリールアルコールとして好ましくはフェノール、ベンジルアルコール、メチルフェニルアルコール(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、クレオソール、エチルフェニルアルコール、プロピルフェニルアルコール、ブチルフェニルアルコール、ブチルメチルフェニルアルコール、ジメチルフェニルアルコール、ジエチルフェニルアルコール、ジブチルフェニルアルコール、ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシメチルビフェニル、3−ヒドロキシメチルビフェニル、4−ヒドロキシエチルビフェニル、3−ヒドロキシエチルビフェニル、ナフトール、1−ヒドロキシメチル−ナフタレン、1−ヒドロキシエチル−ナフタレン、2−ヒドロキシメチル−ナフタレン、2−ヒドロキシエチル−ナフタレン等が挙げられる。
上記疎水性単量体(B)として好ましくは下記式(3);
Figure 2021054984
(式中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表される化合物である。
すなわち、本発明の洗剤用共重合体は、下記式(4);
Figure 2021054984
(式中、R〜Rは、式(3)と同じである。)で表される構造単位を有することが好ましい。
なお、本発明の洗剤用共重合体が上記式(4)で表される構造単位を有する場合、当該構造単位は上記式(3)で表される化合物を用いて重合することで得られるものであってもよく、その他の方法で得られるものであってもよい。
上記R、R、Rにおけるアルキル基として好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、又は、メチル基であることが好ましい。より好ましくはR、Rが水素原子であって、Rが水素原子又はメチル基である。
上記Rにおける炭化水素基の炭素数は、1〜22であることが好ましい。より好ましくは2〜16であり、更に好ましくは2〜12であり、特に好ましくは4〜12であり、最も好ましくは4〜8である。
上記Rにおける炭化水素基としては、特に制限されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の環状炭化水素基が挙げられる。上記炭化水素基は、分岐を有していてもよく、分岐を有する場合の炭化水素基の炭素数は、主鎖及び分岐鎖の合計の炭素数を意味する。
上記Rにおけるアルキル基の炭素数として好ましくは2〜22であり、更に好ましくは2〜16であり、特に好ましくは2〜12であり、最も好ましくは4〜8である。
上記Rにおけるアリール基の炭素数として好ましくは6〜12であり、更に好ましくは6〜10であり、特に好ましくは6〜8である。
上記Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記Rにおけるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記Rにおけるアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記Rにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、1−メトキシ−4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ブチルメチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジブチルフェニル基、2−(2−メチルフェニル)エチル基、2−(3−メチルフェニル)エチル基、2−(4−メチルフェニル)エチル基、2−(4−プロピルフェニル)エチル基、ビフェニル基、ビフェニルメチル基、ビフェニルエチル基、ナフチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
上記Rにおけるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記Rにおける炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アリール基であり、より好ましくはアルキル基である。
上記疎水性単量体(B)として好ましくはアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートであり、より好ましくはアルキル(メタ)アクリレートである。
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくはエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
上記アリール(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルフェニル(メタ)アクリレート、プロピルフェニル(メタ)アクリレート、ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ペンチルフェニル(メタ)アクリレート、ヘキシルフェニル(メタ)アクリレート、ブチルメチルフェニル(メタ)アクリレート、ジメチルフェニル(メタ)アクリレート、ジエチルフェニル(メタ)アクリレート、ジブチルフェニル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、4−メチルベンジル(メタ)アクリレート、1−メトキシ−4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−(2−メチルフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3−メチルフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−メチルフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−プロピルフェニル)エチル(メタ)アクリレート、ビフェニルメチル(メタ)アクリレート、ビフェニルエチル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレート、ナフチルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも好ましくはフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、 である。
本発明の洗剤用共重合体は、親水性基含有単量体(A)及び疎水性単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。
単量体(E)は、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基を有さず、かつ、単独重合体の溶解性パラメータが13より大きいものであれば特に制限されないが、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体の製造は、特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例、並びに、各単量体の好ましい割合は、上述のとおりである。
上記共重合体の製造方法は、親水性基含有単量体(A)及び疎水性単量体(B)を含む単量体成分を重合する工程(以下、「重合工程」ともいう)を含むことが好ましい。
このような共重合体の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記重合工程における、単量体成分の重合を開始する方法としては、特に制限されないが、例えば、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光重合開始剤存在下に光を照射する方法等が挙げられる。
上記重合工程では、重合開始剤を用いることが好ましい。
上記重合開始剤としては、反応溶媒やモノマー種によって、適時選択されるが、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾジイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、残存単量体が減少する傾向にあることから、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(親水性基含有単量体(A)、疎水性単量体(B)及びその他の単量体(E)の合計の使用量)100gに対して、0.1g以上、10g以下であることが好ましく、0.2g以上、8g以下であることがより好ましく、0.25g以上、7g以下であることが更に好ましく、0.3g以上、5g以下が最も好ましい。
上記重合工程では、必要に応じ重合体の分子量調整剤として連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤として具体的には、チオグリコール酸(メルカプト酢酸)、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸(チオ乳酸)、4−メルカプトブタン酸、チオリンゴ酸及びこれらの塩等のメルカプトカルボン酸やメルカプトエタノール、チオグリセロール、2−メルカプトエタンスルホン酸等;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、次亜リン酸塩及びこれらの水和物等;亜硫酸水素(塩)や亜硫酸水素(塩)を発生し得る化合物(重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜ジチオン酸(塩)、亜硫酸(塩)等);等が挙げられる。中でもメルカプトカルボン酸等のメルカプト基を有する化合物が好ましく、より好ましくはカルボキシル基を有するメルカプト基含有化合物(メルカプトカルボン酸)である。
本発明の共重合体の製造における連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量100モル%に対して、0.5モル%以上、30モル%以下が好ましく、より好ましくは0.7モル%以上、25モル%以下であり、更に好ましくは0.8モル%以上、20モル%以下であり、最も好ましくは1モル%以上、10モル%以下である。
上記重合工程において、重合温度としては、40℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは55℃以上である。また、より好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは110℃以下である。
上記重合工程において単量体成分の反応容器への投入方法は特に限定されず、全量を反応容器に初期に一括投入する方法;全量を反応容器に分割又は連続投入する方法;一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割又は連続投入する方法等が挙げられる。なお、ラジカル重合開始剤を使用する場合、反応容器に初めから仕込んでもよく、反応容器へ滴下してもよく、また目的に応じてこれらを組み合わせてもよい。
上記のようにして得られた共重合体は、そのままでも液体洗剤用添加剤等の洗剤添加剤として用いることができるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミンが好適である。また、反応終了後、必要ならば濃度調整を行うこともできる。
重合時に使用される溶媒は、使用するモノマーや開始剤、製造するポリマーを溶解できるものから適時選択され、水;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、フェノキシエタノール等の炭素数1〜8のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル類;スルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンなどのスルホキシド(ジメチルスルホキシド等)等;環状エーテル(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等);ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル及びメタクリルニトリル等);カーボネート(エチレンカーボネート及びプロピオンカーボネート等);ケトン(アセトン、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン及びジアセトンアルコール等)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも好ましくは水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノキシエタノールである。
<共重合体の用途>
本発明の共重合体は、洗剤用途に用いられる。洗剤とは家庭用の衣料用、食器用合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
すなわち本発明は、上記洗剤用共重合体を含む洗剤用添加剤でもある。
本発明は更に、上記洗剤用共重合体を洗剤用添加剤として使用する方法でもある。
本発明はまた、本発明の洗剤用共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
本発明の洗剤用共重合体は、界面活性剤との相溶性に優れるため、液体洗剤用途に好適に用いることができる。上記洗剤組成物は、液体洗剤組成物であることが好ましい。
本発明は更に、洗剤組成物を製造する方法であって、上記製造方法は、上記洗剤用共重合体を該共重合体以外の洗剤用添加剤に添加する工程を含む洗剤組成物の製造方法でもある。
本発明の洗剤用共重合体以外の洗剤添加剤としては、界面活性剤や通常洗剤に用いられる添加剤であれば特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見を適宜参照することができ、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を用いることができる。
界面活性剤以外の添加剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、粉末洗剤組成物の場合には、ゼオライトを配合することが好ましい。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10〜80質量%であり、好ましくは15〜75質量%であり、更に好ましくは18〜70質量%であり、特に好ましくは20〜68質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
上記界面活性剤の中でも好ましくはアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤であり、特に好ましくはノニオン界面活性剤である。ノニオン性系界面活性剤は油汚れに強いため、本発明の洗剤用共重合体とノニオン性系界面活性剤とを含む液体洗剤組成物は、油汚れに対する洗浄力により優れることとなる。本発明の洗剤用共重合体とノニオン性系界面活性剤とを含む液体洗剤組成物は本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ノニオン性界面活性剤の含有割合は、洗剤組成物100質量%に対して1〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは3〜60質量%であり、更に好ましくは5〜50質量%である。
上記ノニオン性界面活性剤の含有割合はまた、界面活性剤の全量100質量%に対して、10〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは15〜90質量%であり、更に好ましくは20〜90質量%である。
上記洗剤組成物は、親水性溶剤を含むことが好ましい。
親水性溶剤としては特に制限されず、液体洗剤に通常用いられるものを使用することができるが、例えば、水;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、フェノキシエタノール等の炭素数1〜8のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル類;スルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンなどのスルホキシド(ジメチルスルホキシド等)等;環状エーテル(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等);ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル及びメタクリルニトリル等);カーボネート(エチレンカーボネート及びプロピオンカーボネート等);ケトン(アセトン、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン及びジアセトンアルコール等)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも好ましくはエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノキシエタノールである。
上記洗剤組成物は、親水性溶剤を液体洗剤組成物100質量%に対して0.1〜30質量%の割合で含むことが好ましい。より好ましくは1〜27質量%であり、更に好ましくは2〜25質量%である。
上記洗剤組成物は、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。他の洗剤ビルダーとしては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩などのアルカリビルダー;トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト等のキレートビルダー;カルボキシメチルセルロース等の多糖類のカルボキシル誘導体;等が挙げられる。上記の他の洗剤ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、アンモニウム、アミン等のアルカリ剤が挙げられる。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1質量%〜80質量%であり、より好ましくは2質量%〜70質量%であり、更に好ましくは3質量%〜60質量%であり、一層好ましくは5質量%〜55質量%であり、特に好ましくは5質量%〜50質量%であり、最も好ましくは10質量%〜50質量%である。
上記洗剤組成物は酵素を含んでいてもよい。このような酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼなどが挙げられる。
上記酵素の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは5質量%以下である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<重量平均分子量測定1>
後述する実施例1、比較例1、2の重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 EcoSEC HLC−8320GPC
検出器:示差屈折率計(RI)検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel α−M、α−2500
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/min
注入量:20μL(試料濃度0.4wt%の溶離液調製溶液)
検量線:ジーエルサイエンス社製 ポリエチレングリコール
GPCソフト:東ソー社製 EcoSEC−WS
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸Na/アセトニトリル=50/50(v/v)
<重量平均分子量測定2>
後述する実施例2の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、共重合体をテトラヒドロフランで溶解・希釈し孔径0.45μmのフィルター(クラボウ社製クロマトディスク非水系タイプ)で濾過したものを、下記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置、及び条件で測定した。
装置:HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
分離カラム:TSKgel SuperH5000,TSKgel SuperH4000,TSKgel SuperH3000(東ソー(株)製)
<ガスクロマトグラフィー(GC)分析>
合成例1で行ったガスクロマトグラフィー分析は、以下の装置、及び条件で行った。
GC−2010(島津製作所製)を用い、キャピラリーカラム DB−17HT L30m×ID0.25mm、DF0.15mmにより測定した。
ピーク面積の測定の際には、ピークの左右のベースラインを直線で繋ぎ、該ベースラインとピークとで囲まれた部分の面積をピーク面積として測定した。
実施例1
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、溶媒として2−プロパノール20.0部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数23モル、新中村化学製の商品名「M−230G」、以下、PGM23Eともいう)55.7部、ベンジルメタクリレート(以下、BnMAともいう。溶解性パラメータ:9.8)23.9部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(富士フィルム和光純薬社製の商品名「V−65」)0.461部を仕込んだ。攪拌下、反応容器内を500mL/分で30分間窒素置換した後、70℃に昇温し、5時間引き続いて70℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。途中、2時間30分、3時間、3時間30分、4時間経過時において2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(富士フィルム和光純薬社製の商品名「V−70」)0.572部ずつを添加した。重合反応完結後に室温まで冷却し、重量平均分子量(Mw)152200の重合体の溶液を得た。エバポレーターで溶媒を除き、水で10倍に希釈することで共重合体1の水溶液を得た。
合成例1
撹拌子を入れた反応容器にガス導入管、温度計、冷却管、及び、留出液受器に繋げたトの字管を付し、アクリル酸メチル230g、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(DOM)70gを仕込み、ガス導入管を通して酸素/窒素混合ガス(酸素濃度7vol%)を吹き込みながら反応溶液を攪拌し、オイルバス(バス温110℃)で加熱を開始した。留出液に水が出てこなくなってから、チタンテトライソプロポキシド4.5gを反応容器に添加し、エステル交換反応を開始させた。生成してくるメタノールをアクリル酸メチルで共沸留去しながら、ガスクロマトグラフィ(GC)分析によりiPGLMA(イソピリデングリセリルアクリレート)/DOMの面積比を追跡した。反応開始から7時間後のGC分析で、iPGLMA/DOMの面積比が9/1を超えたのを確認し、反応を終了し、室温まで冷却した。反応液に精製水150gと抽出溶媒として酢酸エチル300gを加え10分撹拌した。触媒の加水分解により生じた酸化チタンの沈殿を、吸引濾過で除いた濾液を分液漏斗に移し、有機層と水層を分離した。有機層を精製水で2回洗浄したのち、ロータリーエバポレーターに移し、残存アクリル酸メチル及び軽沸成分を留去し、iPGLMA96gを得た。
撹拌子を入れたナスフラスコにガス導入管を設け、精製水160mlとiPGLMA80gを加えて溶解させた後に、予め水に浸漬後に風乾した固体酸触媒アンバーリスト15Jwet(オルガノ社製)を35g加え、ガス導入管を通して酸素/窒素混合ガス(酸素濃度7vol%)を吹き込みながら反応溶液を攪拌し、室温下で脱保護反応を開始させた。GC分析によりGLMA/iPGLMAの面積比を追跡し、面積比が99/1を超えたのを確認し、4時間で反応を終了した。固体酸触媒を濾別して得られた濾液をn−ヘキサンで洗浄し、未反応iPGLMAを除いた。水層を減圧濃縮し、目的とするグリセロールモノアクリレート(GLMA)53gを得た。
実施例2
攪拌子を入れた反応容器にガス導入管、温度計、冷却管を付し、単量体としてGLMA2.5g、ブチルアクリレート(以下、BAともいう。溶解性パラメーター;9.8)2.5g、溶媒としてメチルエチルケトン5.0g、アゾ系ラジカル重合開始剤0.025g(富士フィルム和光純薬社製の商品名「V−601」)を仕込み、窒素ガスを流しながら攪拌と昇温を開始した。内温80℃で重合を開始し、3時間反応を行った。
得られた反応液をアセトンで希釈し、大量のn−ヘキサン中に撹拌しながら投入することで再沈した。沈殿物を真空乾燥機によって、減圧下、80℃で3時間減圧乾燥し、固体の共重合体2を得た。得られた共重合体2は、重量平均分子量が140000であり、分子量5000以下の成分の含有量は0.5%以下であった。共重合体2をメタノールに溶解して1%溶液としたが、目視で不溶物は観測されなかった。更に、0.45μmのフィルター(クラボウ社製クロマトディスク非水系タイプ)でろ過し、フィルターの重量増加より不溶分量を求めたが、フィルター上にろ別された塊上の重合体はなく、フィルターの重量変化は0.1%以下であった。
比較例1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水480部を仕込み、200rpmで攪拌下、反応容器内を窒素置換しながら80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数23、新中村化学製の商品名「M−230G」)401.3部、メタクリル酸(以下、MAAともいう。)78.7部、水120部及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸(以下、MPAともいう。)5.47部を混合したモノマー水溶液を4時間、過硫酸アンモニウム(以下、APSともいう)5.52部及び水110.6部を混合した水溶液を5時間かけて同時刻から滴下した。滴下終了後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、重量平均分子量17000の比較共重合体1の水溶液を得た。
比較例2
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、500mlセパラブルフラスコに、80質量%の3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル(以下、MB−50ともいう。)MB−50水溶液:260.2g、イオン交換水:66.6gを仕込み、窒素置換後、攪拌しながら58℃まで昇温した。所定の温度になった時点で、35質量%の過酸化水素水(H):0.57gを一括で投入した。その後、100質量%のアクリル酸(以下、AAともいう。):14.8g、1.6質量%のL−アスコルビン酸(以下、L−Asともいう。)水溶液:16.7g、3.5質量%のMPA水溶液:17.4gをそれぞれ滴下した。ただし、AAは180分かけて滴下し、L−As水溶液とMPA水溶液は210分かけて滴下した。L−As水溶液の滴下終了後、同温度で60分間熟成し、重合を完結させ、重合後、49質量%のNaOH水溶液:3.69gを加えることで、比較共重合体2の水溶液を得た。得られた水溶性共重合体の重量平均分子量は25700、固形分は59.7質量%であった。
洗浄力評価1
実施例1、比較例1、2で製造した共重合体1、比較共重合体1、2について、以下の方法により洗浄力評価を行った。結果を表1に示す。
<布の前処理方法1>
Testfabiric社製 Style703(ポリエステル繊維)を5×5cmに裁断したものを用意した。実施例、比較例で得られた共重合体を25ppmに調整した水溶液300gを準備し、マグネティックスターラーで撹拌しながら、上記布5gを添加し、10分間撹拌した。10分後、布の重量の3倍になるように脱水し、1日間風乾した。
<汚染布の作成>
オリーブオイル61.5g、オレイン酸37g、酸化鉄(III)1g、オイルレッド0.5gを混合し、油脂汚染液を作成した。この汚染液を50μL、上記前処理方法1で得られたポリマー処理布に滴下し、1時間放置した後、余計な油脂を濾紙で挟んでふき取り、汚染布を作成した。
<洗浄力評価1>
(1)−1:硬度母液の調製
塩化カルシウム2水和物8.39g、塩化マグネシウム6水和物2.9gをビーカーにはかりとり、イオン交換水を加え1000gとした。
(1)−2:硬水の調製
炭酸水素ナトリウム1.54g、0.1N塩化水素10g、硬度母液(1)−1;200gをビーカーに入れてイオン交換水で希釈して20000gとした。
(1)−3:界面活性剤水溶液の作成
ペレックスG−65(花王社製)13.85gとエマルゲン108(花王社製)3gをビーカーに測りとり、イオン交換水を加えて200gとし、界面活性剤溶液を調整した。
(2):洗浄力試験
(1)−3の界面活性剤水溶液16.67gと(1)−2の硬水を混合し、4000gの洗浄液を作成した。ターゴットメーターを25℃にセットし、洗浄液500gをポットにいれた。予め色差計(日本電色工業社製:SE−6000)で反射率を測定した汚染布5枚、浴比調整布とを合わせて16.67gポットに入れて、120rpmで10分間撹拌して洗浄した。ポットの水を捨て、すすぎ1回を行った後、布を脱水し1日間風乾させた。
風乾後、色差計にて再度、白布の反射率を測定し、下記式により洗浄率を求めた。得られた洗浄率に基づき、以下の判定基準で洗浄力を評価した。結果を表1に示す。
◎:洗浄率90%以上
〇:洗浄率50%以上、90%未満
×:洗浄率50%未満
Figure 2021054984
洗浄力評価2
実施例2で製造した共重合体2について、以下の方法により洗浄力評価を行った。結果を表1に示す。
<布の前処理方法2>
共重合体2を100ppmに調整した水溶液を調整し、ポリエステル繊維を浸漬させた。10分後布を取り出し、脱水して室温で乾燥後、50℃で乾燥させた。
<洗浄力評価2>
上記前処理方法2でえられたポリエステル繊維をカーボンブラックで汚染させて汚染布を作成した。ビーカーにイオン交換水100gを入れた後、汚染布2枚を入れてスターラーで撹拌した。10分後、繊維を取り出し、風乾した。乾燥後の布を目視で観察し、以下の基準で判定した。
未処理に比べて色が薄い:○
未処理と同等:×
Figure 2021054984

Claims (8)

  1. 洗剤用途に用いられる共重合体であって、
    該洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、
    重量平均分子量が、106000以上であり、
    該疎水性単量体(B)は、単独重合体の溶解性パラメータが13以下であることを特徴とする洗剤用共重合体。
  2. 前記構造単位(a)は、下記式(1);
    Figure 2021054984
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、若しくは、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基、又は、該親水性基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。Zは、水素原子、メチル基、又は、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する炭素数2〜30の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、水酸基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有していてもよいアルキレン基を表す。nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0〜200の数である。x、wは、同一又は異なって、0〜4の数を表す。 y、vは、同一又は異なって、0又は1を表す。)で表されることを特徴とする請求項1に記載の洗剤用共重合体。
  3. 前記洗剤用共重合体は、構造単位(a)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して10〜99質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗剤用共重合体。
  4. 前記洗剤用共重合体は、構造単位(b)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して1〜90質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤用共重合体。
  5. 前記洗剤用共重合体は、重量平均分子量が、106000〜400000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗剤用共重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の洗剤用共重合体を含むことを特徴とする洗剤用添加剤。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の洗剤用共重合体と該共重合体以外の洗剤用添加剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物。
  8. 洗剤用途に用いられる共重合体であって、
    該洗剤用共重合体は、水酸基、オキシアルキレン基並びにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びこれらの塩の基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基を有する単量体(A)由来の構造単位(a)と疎水性単量体(B)由来の構造単位(b)とを有し、
    重量平均分子量が、106000以上であり、
    該疎水性単量体(B)は、エチレン性不飽和基と炭素数1〜30のアルキル基を有する単量体であることを特徴とする洗剤用共重合体。
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JP2009249743A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Kao Corp 再汚染防止剤
JP2018149070A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 国立大学法人九州大学 体内留置物用材料

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