JP5933584B2 - ポリオキシアルキレンオキシドで末端保護されたポリアルキレンオキシドポリカルボキシレートグラフトポリマーを有する洗浄組成物 - Google Patents

ポリオキシアルキレンオキシドで末端保護されたポリアルキレンオキシドポリカルボキシレートグラフトポリマーを有する洗浄組成物 Download PDF

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Description

本発明は、特に布地及びホームケア洗浄組成物を含み、並びに特に洗濯用洗浄組成物を含む洗浄組成物に関する。より具体的には、本発明は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、特にポリオキシアルキレンオキシドで末端保護されたポリアルキレンオキシドポリカルボキシレートグラフトポリマーを含む洗浄組成物に関する。
ポリアルキレングリコール系ポリマーは、様々な工業分野で使用される有用なポリマーであり、例えば水性環境における分散剤、洗剤組成物、及びその他の類似物で使用される場合、高性能を有する。ポリアルキレングリコール系ポリマーが水性環境において使用される場合、使用される水の品質及び組み合わせて使用される他の材料との相互作用などの幾つかの有力要因が考慮されるべきである。特に、水の硬度は国又は地域間で異なり、低い水の硬度での水性環境において様々な効果を及ぼす幾つかのポリアルキレングリコール系ポリマーは、高い水の硬度での水性環境においては十分な効果を及ぼさない場合がある。例えば、界面活性剤を含有する洗剤組成物で使用される場合、一部のポリアルキレングリコール系ポリマーは、界面活性剤との相互作用の程度に応じて十分な洗浄性能を有さない場合がある。
昨今の環境問題に対する消費者の増大する関心に伴い、現在では洗浄処置における節水傾向がある(例えば、洗浄処置に浴槽で使用された水の使用)。洗浄処置に浴槽で使用された水を使用することは、洗浄処置における水中の汚れ成分の繊維への付着、並びに水を数回にわたり加熱することによって生じる水中の凝縮された硬化成分などの不都合な点を有する。
したがって、より高い硬度を有する水を使用する洗浄処置における汚れ成分が繊維に再付着するのを防止する性能(抗汚れ再付着能力と呼ばれる)の必要なレベルは、以前よりもはるかに高い。
本明細書で記載される実施形態による洗浄組成物は、より低い界面活性剤レベル又は低温においても改善された洗浄利点をもたらすある種のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む。特定の実施形態は、ポリアルキレングリコール系化合物を含有し、かつC3〜4オキシアルキレン基の特定の平均加算数を有する、モノマー材料を、カルボキシル基含有モノマーと重合することによって生成されるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを目的とする。特定の比でこれらモノマーに由来するポリマーは、高い硬度を有する水においても、抗汚れ再付着能力を改善し、かつ界面活性剤との適合性を増大させる。本明細書に記載される実施形態による洗浄組成物は、洗剤添加剤としての使用に好適である。
例示的実施形態による洗浄組成物は、1つ以上のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む。この1つ以上のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、重合混合物において、ポリアルキレングリコール系化合物と、少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーを含むモノマー材料を重合することによって取得される。この重合混合物は、重合混合物中のポリアルキレングリコール系化合物とモノマー材料との総質量に基づいて、60質量%〜95質量%のポリアルキレングリコール系化合物と、5質量%〜40質量%の少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーと、を含む。
好ましい実施形態において、ポリアルキレングリコール系化合物は、式(II):
Figure 0005933584
(式中、各Rは、独立して、−H、C6〜20アリー基、線状又は分岐状C1〜20アルキル基、及び線状又は分岐状のアルケニル基からなる群から選択される)を有する。Rは、−H、C6〜20アリール基、線状又は分岐状C1〜20アルキル基、及び線状又は分岐状アルケニル基からなる群から選択される。添え字rは、1〜6の整数であり、かつ単一基Rに結合する基−Y−X−Z−ORの数を表す。各Yは、−O−R−である。Rは、C2〜6アルキレン基である。各Xは、−C(=O)−であり、pは、0又は1である。特に、各Zは、オキシアルキレン基であり、qは、9〜150であり、qがオキシアルキレン基のモルの平均加算数を表している。単位Zは、式(IV):
Figure 0005933584
(式中、各Zは、独立して、C3〜4オキシアルキレン基から選択され、各Zは、独立して、C2〜20オキシアルキレン基から選択され、nは3〜30であり、mは、0、1、2、又は3であり、及びl+n+m=qである)を有する構造を表している。特に好ましい実施形態では、各々の基Zは、オキシプロピレン基であり、基Zの少なくとも80モル%は、オキシエチレン基である。
好ましい実施形態において、カルボキシル基含有モノマーは、アクリル酸、マレイン酸、これらのいずれかの塩、これらのいずれかの誘導体、及びこれらのいずれかの混合物からなる群から選択される。
例示的な実施形態では、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む洗浄組成物は、1つ以上の界面活性剤、必要に応じて1つ以上の共界面活性剤を含有する界面活性剤系を更に含んでもよい。
更なる例示的実施形態では、この洗浄組成物は、不織布基材を備える洗浄用具に組み込まれてもよい。
本発明のこれらの及び他の、特徴、態様及び利点は、以下の説明文、添付の「特許請求の範囲」を参照することで更に深い理解がなされるであろう。
本発明の特徴及び利益は、特定の実施形態を時折参照して本明細書に記載されるだろう。しかし、本発明が異なる形態で実施されてもよく、本明細書において記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底され、完全な物であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。
例示的実施形態によると、洗浄組成物は、ポリアルキレングリコール系ポリマーの総質量を一緒に画定する複数の構造単位から形成される1つ以上のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む。1つ以上のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、重合混合物中で、以下に記載されるポリアルキレングリコール系化合物と、以下に記載される少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーを含むモノマー材料と、重合することによって取得される。この重合混合物は、重合混合物中のポリアルキレングリコール系化合物とモノマー材料との総質量に基づいて、60量%〜95質量%のポリアルキレングリコール系化合物と、5量%〜40質量%の少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーとを含む。以下にまた記載される追加的モノマーが、重合混合物に添加されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー」とは、ポリアルキレングリコール鎖を有するグラフトポリマーを包含することを意図し、並びに用語「ポリアルキレングリコール系モノマー」とは、ポリアルキレングリコール鎖を有するモノマーを包含することを意図する。
ポリアルキレングリコール系化合物
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、その最も一般的な形で、式(I):
Figure 0005933584
によって表される少なくとも1つの構造単位を分子末端で又はその付近で有するポリアルキレングリコール系化合物を、モノマー材料と重合することによって生成され、このモノマー材料は、(95:5)〜(60:40)のポリアルキレングリコール系化合物とカルボキシル基含有モノマーとの間の質量比で、カルボキシル基含有モノマーを含有する。式(I)中、各ZはC3〜4オキシアルキレン基を表し、これは互いに同一であっても異なってもよい。添え字nは、オキシアルキレン基(−Z−)のモルの平均加算数を表し、これは3〜30である。好ましい実施形態では、各Zはオキシプロピレン単位であり、故に、好ましい実施形態におけるポリアルキレングリコール系化合物は、3〜30のオキシプロピレン単位のブロックを含む。
式中、nが常に3以上であることが重要である。nが3以上である構造によって、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、洗浄組成物において汚れ成分との好ましい相互作用を生じる可能性が高く、かつ改善された抗汚れ再付着能力を有する可能性が高い。これに反して、nが30を超える場合は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの収率は低くなるであろうし、したがって、抗汚れ再付着能力も低くなるであろう。より好ましくは、nは、3〜15であり、更により好ましくは、3〜10であり、なお更により好ましくは3〜5である。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを得るために必須の材料である、ポリアルキレングリコール系化合物は、式(I)によって表される1つ以上の構造単位を有する。このポリアルキレングリコール系化合物は、各分子において式(I)によって表される1つ又は2つの構造単位を有することが好ましく、各分子において式(I)によって表される、正確に1つの構造単位を有することがより好ましい。
このポリアルキレングリコール系化合物は、以下に記載されるように、分子末端で又はその付近でC3〜4オキシアルキレン構造単位を有することが好ましく、以下に記載されるように、分子末端で式(I)を有する構造単位を有することが特に好ましい。分子の末端で又はその付近での式(I)の構造単位によって、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、汚れ粒子上に十分に吸着しかつ改善された抗汚れ再付着能力を有する、洗浄組成物をもたらす可能性が高い。
このポリアルキレングリコール系化合物は、これが式(I)によって表される構造単位を有する限りにおいて、特に限定されないが、好ましい実施形態では、このポリアルキレングリコール系化合物は、式(II):
Figure 0005933584
(式(II)中、R及びRは、それぞれ−H、C6〜20アリール、線状又は分岐状C1〜20アルキル基、又は線状又は分岐状C1〜20アルケニル基を表す。添え字rは、1〜6であり、分子構造における基Rの数を表す)によって表される一般構造を有する。各々の基Rは、互いに同一であっても又は異なってもよい。基X及びYは以下に詳細に説明され、pは0又は1である。基Zは、オキシアルキレン基を表すことで、qはこのオキシアルキレン基のモルの平均加算数である。添え字qは、9〜150であり、添え字rは1〜6の整数である。以下に非常に詳細に記載されるように、Zは、平均で、3〜30個のC3〜4オキシアルキレン基を有する構造を含むによって表される一般構造を有する。故に、このようなZは、上記のように、式(I)を有する1つ以上の構造単位を含む。
式(II)中、各Rは、−H、C6〜8アリール基、C1〜18アルキル基、又はC1〜18アルケニル基であることが好ましく、−H、C6〜12アリール、C1〜12アルキル基、又はC1〜12アルケニル基であることがより好ましく、−H又はCアリール基、C1〜12アルキル基、若しくはC1〜12アルケニル基であることが更により好ましい。最も好ましくは、Rは−Hである。各々の基Rがこれらの好ましい例から選択される場合、少なくとも1つのポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む洗浄組成物の抗汚れ再付着能力が改善され得る。これに加えて、ポリアルキレングリコール系化合物それ自体が、重合に好適な粘度を有することで、重合を容易にする。
式(II)中、Rは−H又はC1〜3アルキル基であることがより好ましい。Rのようなこうした構造で、式(II)で表される構造は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーが洗浄組成物において使用される場合、汚れ物質などに適切に吸着するであろう。基RはC1〜3アルキル基であることが特に好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に特に好ましい。これら構造によって、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの分子構造は、好適に制御され得、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、洗浄組成物内に封入される場合、汚れ物質などの上で好適に吸着するであろう。
一般的な用語で説明されているポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、その中で、カルボキシル基含有モノマーに由来のポリマー鎖が、ポリアルキレングリコール系化合物のポリオキシアルキレン鎖中の炭素原子に結合されているグラフトポリマーである。ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、分子構造内に芳香族環を含まないことが好ましい。これは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーが芳香族環を有するならば、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーが自然環境に放出され、引き続き分解される場合、有害な物質の一部になる可能性があるためである。故に、R及びRは、−H、アルキル基、又はアルキレン基であることが好ましい。比較的低い粘度及び良好なハンドリングを確実にするために、R及びRは、−H又は二級アルキル又はアルケニル基であることが好ましい。
好適なアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びエイコシル基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルケニル基の例としては、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、及びエイコシレン基が挙げられる。これらの中で、R及びRは、それぞれ、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ドデシレン基、トリデシレン基、及びテトラデシレン基から選択されることが好ましく、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、及びテトラデシル基から選択されることがより好ましい。ポリマーのゲル化を回避するために、R及びRは、アルケニル基以外の基であることがより好ましい。R又はRがアルケニル基である場合であっても、最も好ましくは、アルケニル基はC又はより高級なアルケニル基である。
好適なアリール基の例としては、フェネチル基、2,3−及び2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、トリチル基、及びピレニル基が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中で、フェネチル基、2,3−及び2,4−キシリル基、並びにナフチル基が好ましく、フェネチル基及び2,3−及び2,4−キシリル基がより好ましい。低分子量芳香族化合物の不純物を回避するために、R及びRの双方がアリール基でないことが最も好ましい。
式(II)中、以下の構造:
Figure 0005933584
において示されるように、Xは1,4−フェニレン又は−C(=O)−である。
式(II)中、添え字pは0又は1である。上記のように、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、芳香族環を含まないことが好ましい。結果的に、pが1の場合、Xはカルボニル基であることが好ましい。しかしながら、pはより好ましくは0である(すなわち、Xは存在しない)。
式(II)中、Yは、以下に示される構造:
Figure 0005933584
(式中、R、R、R、及びRは、独立して、C2〜6アルキレン基を表し、C2〜4アルキレン基が好ましく、C2〜3アルキレン基がより好ましく、Cアルキレン基が更により好ましいのうち1つから選択される)のうち1つから選択される。基Rは、−H又は式(III):
Figure 0005933584
(式中、RはC2〜6アルキレン基であり、C2〜4アルキレン基が好ましく、C2〜3アルキレン基がより好ましく、Cアルキレン基が更により好ましく、Rは、−H、C6〜20アリール基、C1〜20アルキル基、又はC1〜20アルケニル基であり、及びZ及びqは、上記の式(II)における場合のように定義される)を有する基を表す。アルキレングリコール系グラフトポリマーを含む洗浄組成物の抗汚れ再付着能力を改善するために、Yは、−O−R−であることが好ましい。
式(II)中、Zはオキシアルキレン基を表す。式(II)中の項Zは、平均で、3〜30個のC3〜4オキシアルキレン基を有する構造を含む。C3〜4オキシアルキレン基以外のオキシアルキレン基中の炭素原子の数は、2〜20個であり、好ましくは2〜15個であり、より好ましくは2〜10個であり、更により好ましくは2〜5個であり、なお更により好ましくは2〜3個であり、特に好ましくは2個である。オキシアルキレン基の例としては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエン一酸化物、オクチレンオキシド、スチレンオキシド、及び1,1−ジフェニルエチレンオキシドなどの化合物に由来の基が挙げられる。これらの中で、Zは、EO又はPOに由来の基(すなわち、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)が好ましく、より好ましくはオキシエチレン基である。基Zは全てが同一の構造であってもよく、又は2つ又はそれ以上の異なる構造であってもよい。
式(II)中、添え字qは、オキシアルキレン基(Z)のモルの平均加算数であり、9〜150であり、好ましくは9〜99であり、より好ましくは9〜80であり、更により好ましくは12〜70であり、なお更により好ましくは15〜60である。qが9未満であるならば、重合は進まない。この場合、このポリマーの水溶性は低く、これが今度は、洗浄組成物における低い抗汚れ再付着能力へと導く可能性がある。qが150を超えるならば、粘度が高い可能性があり、重合は進まない。重合が進んでも、得られるポリマーは、例えば、洗浄組成物のためのビルダーとして好適ではない場合がある。より大きなqによって、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの収率は、より高くなるであろう。これは、未反応のポリアルキレングリコール系化合物の量がより少量になるためであると考えられる。
好ましくは、式(II)中のオキシアルキレン基によって構成される構造(Z)は、主としてオキシエチレン基(−O−CH−CH−)からなる本明細書で使用するとき、用語「主としてオキシエチレン基からなる」とは、オキシエチレン基が、C3〜4オキシアルキレン基以外の全てのオキシアルキレン基の半分以上を構成することを意味する。このような構造は、製造工程において重合が円滑に進む上で有利な効果を生じると考えられ、洗浄組成物の水溶性及び抗汚れ再付着能力が改善される。
本明細書で使用するとき、用語「オキシエチレン比」とは、C3〜4オキシアルキレン単位ではない基Z中のオキシアルキレン単位の総数に基づいて、オキシエチレンである基Z中におけるオキシアルキレン基の数(モル%として表現される)を指す。したがって、式(II)中のZが主としてオキシエチレン基からなる場合、対応するオキシエチレン比は、50モル%〜100モル%である。50モル%未満のオキシエチレン比によって、基Zは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの一部として低い親水性を有することができる。オキシエチレン比は、少なくとも60モル%であることがより好ましく、更により好ましくは少なくとも70モル%であり、なお更により好ましくは少なくとも75モル%であり、特に好ましくは少なくとも80モル%である。
式(II)中、添え字rは、1〜6の整数である。rが2以上の場合、式(II)によって表されるポリアルキレングリコール系化合物は、その中で式(II)中の括弧で括られた基のそれぞれが、基R中の炭素原子に結合されている構造を有する。これは、ポリアルキレングリコール系化合物が、反復単位として、式(II)中の括弧で括られた基を有する反復構造を含むことを意味するものではない。式(II)中の括弧で括られた基のそれぞれは、互いに同一であっても又は異なっていてもよく、rは1〜4であることが好ましく、より好ましくは1〜2であり、更により好ましくは1に等しい。
上記に記載した通り、ポリアルキレングリコール系化合物は、分子末端又はその近辺に、特に好ましくは分子末端に、式(I)によって表される構造を含むことが好ましい。用語「分子末端又はその近辺に」は、例えば、この構造成分が式(IV):
Figure 0005933584
(式(IV)中、Rは、−H、C6〜20アリール基、C1〜20アルキル基、又はC1〜20アルケニル基を表し、Zは、C3〜4オキシアルキレン基を表し、Zは、C2〜20オキシアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基(−Z−)のモルの平均加算数であり、かつ3〜30であり、1+n+mの和は、式(II)中のqに等しく、qは、9〜150であり、及びmは好ましくは0である)によって表され得る場合、式(II)中の構造成分−Z−ORを考慮することによって最適に例示される。
式(IV)中、「分子末端」は、基Rによって定義され、これは、上記に記載通りの−H、C6〜20アリール、線状又は分岐状C1〜20アルキル基、若しくは線状又は分岐状C1〜20アルケニル基であり得、好ましくは−H又はC1〜6基であり得る。したがって、ポリアルキレングリコール系化合物が、分子末端で式(I)によって表される構造単位を有する場合を表現するためには、式(IV)中の添え字mは、0であり、かつRは、−Hである。ポリアルキレングリコール系化合物が、分子末端付近で式(I)によって表される構造単位を有する場合を表現するためには、式(IV)中において、(i)添え字mが1〜3であるか、又は(ii)添え字mが0であり、かつRが−Hではないのいずれかである。
洗浄組成物の特に好ましい実施形態において、式(II)のポリアルキレングリコール系化合物中の基Zは、式(IV)に従って表現され得る。
このポリアルキレングリコール系化合物は、市販されている製品であってもよく、又は調製されてもよい。このポリアルキレングリコール系化合物は、上述のアルキレンオキシドを、例えばアルコール、エステル、アミン、アミド、チオール、及びスルホン酸などのポリアルキレングリコール系化合物の炭化水素部分である構造を含有する化合物に添加することによって調製され得る。例示的調製技術としては、(1)塩基性触媒として、アルカリ金属の水酸化物、アルコキシド、又はアルキルアミンなどの強アルカリを使用するアニオン性重合、(2)触媒として、金属又は半金属のハライド、鉱酸、又は酢酸を使用するカチオン性重合、並びに(3)アルカリ土類金属、Lewis酸、アルミニウム、鉄、及び亜鉛などの金属のアルコキシドを組み合わせて使用する配位重合、が挙げられるが、これらに限定されない。ポリアルキレングリコール系化合物の例としては、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ブトキシポリエチレングリコール、及びフェノキシポリエチレングリコールが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマー
洗浄組成物のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーにおいて、典型的には、1つ以上のカルボキシル基含有モノマーは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーのポリオキキシアルキレン鎖中の炭素原子上にグラフト重合される鎖を形成するようグラフト重合される。ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを生成するよう使用されるこの1つ以上のカルボキシル基含有モノマーは、全てが同一の構造を有してもよく、又は異なる構造を有してもよい。カルボキシル基含有モノマーは、(1)不飽和二重結合、並びに(2)カルボキシル基及び/又はカルボキシレート塩を含むモノマーである。
カルボキシル基含有モノマーの具体的例としては、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシルアクリル酸、α−ヒドロキシルメタクリル酸、これらのモノマー誘導体、及びこれらのモノマー塩など)、並びに不飽和ジカルボン酸(イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、及び2−メチレングルタル酸、並びにこれらの塩など)が挙げられるが、これらに限定されない。任意の不飽和ジカルボン酸系モノマーが使用され得るが、但し、これは分子構造内に単一の不飽和基と2つのカルボキシル基を含有する。ジカルボン酸系カルボキシル基含有モノマーの好適な例としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸;上記の酸の一価の金属塩、二価の金属塩、アンモニウム塩、及び有機アンモニウム塩(有機アミン塩);並びにこの酸及び塩の無水物、が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの例の中で、カルボキシル基含有モノマーには、これらが、得られるポリマーの抗汚れ再付着能力を改善すると考えられるために、アクリル酸、アクリレート、マレイン酸、又はマレエートが好ましい。より好ましくは、カルボキシル基含有モノマーは、アクリル酸及び/又はアクリレート塩から本質的になる。
不飽和モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸の塩の好適な例としては、金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩が挙げられる。金属塩の例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、及びカリウム塩などの一価のアルカリ金属塩;マグネシウム塩及びカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;並びにアルミニウム塩及び鉄塩などの他の金属の塩が挙げられる。有機アミン塩の例としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、及びトリエチルアミン塩などのアルキルアミン塩;並びにエチレンジアミン塩及びトリエチレンジアミン塩を含むポリアミンなどの有機アミン塩が挙げられる。アンモニウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩がこれらの中では好ましい(これらが、得られるポリマーの抗汚れ付着能力を著しく改善すると考えられるためである)。ナトリウム塩がより好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの更なる例としては、不飽和ジカルボン酸系モノマーとC1〜22アルコールの半エステル、不飽和ジカルボン酸系モノマーとC1〜22アミンの半アミド、不飽和ジカルボン酸系モノマーとC2〜4グリコールの半エステル、及びマレアミン酸とC2〜4グリコールの半アミドが挙げられる。
追加的モノマー(複数可)
上記に記載のポリアルキレングリコール系化合物(複数可)及びカルボキシル基含有モノマー(複数可)に加えて、1つ以上の追加的モノマー(複数可)が、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを生成するために使用されてもよい。追加的モノマー(複数可)は、特に限定されず、所望の効果をもたらすよう適切に選択される。
この追加的モノマー(複数可)の特定の例としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、及びアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、並びにこれらの塩などのスルホン酸基含有モノマー;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びジメチルアミノプロピルアクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ジアリルアルキルアミン、及びジアリルアミン、並びにこれらの四級化された化合物などのアミノ基含有モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、及びN−ビニルオキサゾリドンなどのN−ビニルモノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN−イソプロピルアクリルアミドなどのアミド含有モノマー;(メタ)アリルアルコール及びイソプレノールなどのヒドロキシル基含有モノマー;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシネオペンチル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;スチレン、インデン、及びビニルアニリンなどのビニルアリールモノマー;並びにイソブチレン、及び酢酸ビニルなどの他のモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。
四級化された化合物は、アミノ基含有モノマーと一般的四級化剤との間の反応によっ得ることができる。この四級化剤の例としては、アルキルハライド及びジアルキルサルフェートが挙げられる。例示された塩としては、塩化物及び有機酸塩が挙げられる。
任意の追加的モノマー(複数可)がポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを生成するために使用される場合、追加的モノマーは全てが同一構造を有してもよく、又は2つまたはそれ以上の異なる構造を有してもよい。
カルボキシル基含有モノマー及び追加的モノマー(複数可)は、例えば、ランダムに又はブロックでなどの任意の様式で、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーにおいて配置され得る。あるいは、カルボキシル基含有モノマー及び追加的モノマー(複数可)は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーに添加される異なる重合鎖を別個に形成してもよい。以降、カルボキシル基含有モノマーと追加的モノマー(複数可)は、「モノマー材料」として一緒に称される。
モノマー材料におけるカルボキシル基含有モノマーの比は、全てのモノマー(カルボキシル基含有モノマー及び追加的モノマー(複数可))の100モル%に基づいて、80モル%〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは90モル%〜100モル%であり、更により好ましくは95モル%〜100モル%であり、なお更により好ましくは100モル%である。上記範囲内の比で、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの抗汚れ再付着能力が改善される可能性が高い。モノマー材料における追加的モノマー(複数可)の比は、0モル%を超えるモル%(すなわち、少なくとも1つの追加的モノマーは添加されるが、全体のパーセンテージが無視されてもよい)〜20モル%であることが好ましく、モノマー材料において、より好ましくは、0モル%を超える〜10モル%、更により好ましくは0モル%を超える〜5モル%のモノマーが追加的モノマーである。なお更により好ましくは、モノマー材料におけるモノマーの0モル%のモノマーが追加的モノマーである(すなわち、モノマーのいずれも追加的モノマーではない)。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系化合物とモノマー材料とから調製され得、このモノマー材料は、カルボキシル基含有モノマーと任意の追加的モノマー(複数可)とを含む。典型的には、カルボキシル基含有モノマーは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの5重量%〜40重量%を構成し、ここで100%とは、カルボキシル基含有モノマーとポリアルキレングリコール系化合物との総量を表す。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系化合物とモノマー材料を重合することで調製され得、ここでモノマー材料は、カルボキシル基含有モノマーから本質的になる。このような調製においては、カルボキシル基含有モノマーに対するポリアルキレングリコール系化合物の質量比は、(95:5)〜(60:40)であり得る。カルボキシル基含有モノマーは、より好ましくは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを一緒に構成するカルボキシル基含有モノマーとポリアルキレングリコール系化合物との総量の6質量%〜30質量%を占め、更により好ましくは10質量%〜25質量%を占め、なお更により好ましくは、15質量%〜22質量%を占める。上記の範囲内の比で、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの抗汚れ再付着能力が改善され得る。
モノマー材料は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを一緒に構成するモノマー材料とポリアルキレングリコール系化合物との総量(全ての材料とも呼ばれる)の5質量%〜40質量%を占めることが好ましく、より好ましくは6質量%〜30質量%を占め、更により好ましくは10質量%〜25質量%を占め、なお更により好ましくは、15質量%〜22質量を占める。
全ての材料に対するカルボキシル基含有モノマーを含む酸基含有モノマーの質量比(質量%)は、酸基含有モノマーをそれぞれ対応する酸とみなすことによって決定される。例えば、アクリル酸ナトリウムの場合、対応する酸、すなわちアクリル酸の質量比が計算される。全ての材料に由来の全ての構造単位に対する酸基含有モノマーに由来の構造単位の質量比(質量%)は、同様に計算される。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、定義される程度で親水性及び疎水性をもたらす混合されたポリアルキレンオキシド系の形態でのポリアルキレンオキシド主鎖を好都合に含む。例えば、ポリアルキレングリコール系ポリマーの好ましい実施形態は、1つの末端でポリ−又はオリゴ−プロピレンオキシド部分で末端保護されたポリエチレンオキシド(PEO)を含有する主鎖を含み、PEO含有の主鎖上にグラフトされたアクリル酸側鎖を更に含むポリマーである。このようなポリアルキレングリコール系グラフトポリマーについては、理論に束縛されるものではないが、ポリプロピレンオキシド(PPO)キャップユニットは、PEG/ポリカルボキシレートグラフトポリマーに、ある種の疎水性末端保護基を提供すると考えられ、このキャップユニットの疎水性度は、単純なアルキル又はアリール基のそれよりも小さい。更に、PPOキャップユニットは、汚れ、布地、及び界面活性剤相互作用に有用な、ある程度の立体的嵩高性及び水素結合アクセプタ特性をもたらすことができると信じられている。相互作用の1つのモードにおいて、PEO−PPO主鎖が水溶液中に延びて、最終的に界面活性剤モノマー又はミセルと相互作用するのと同時に、ポリカルボキシレート部分は、溶液中で又は粘土の層構造物間の橋架け単位としてのいずれかでカルシウムに結合することができる。相互作用の別のモードにおいては、PEG/ポリカルボキシレート主鎖が電荷安定化処理をもたらすよう作用すると同時に、PPO末端保護基は、汚れ、布地、又は界面活性剤ミセル表面上にポリマーを係留させる。この電荷安定化処理は、負の電荷(バルク溶液に提示される)を布地に提供し得ることで、負の電荷が汚れ反撥モチーフとして作用することができる。電荷安定化処理は、粘土又は他の粒子状物質の懸濁性を増大させ得る。
以下に記載されるポリアルキレングリコール系組成物を含有する組成物における酸基含有の不飽和モノマーは、以下の条件下で液体クロマトグラフィーによって定量化され得る:
測定器:L−7000シリーズ(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
検出器:UV検出器、L−7400(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
カラム:SHODEX RSpak DE−413(昭和電工(Showa Denko)K.K.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:0.1%のリン酸水溶液
流速:1.0mL/分
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの重量平均分子量(M)は特に限定されず、洗剤ビルダーのための所望の性能などの所望の性能を考慮しながら、適切に決定されることができる。具体的には、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの重量平均分子量は、300〜50,000であることが好ましく、500〜30,000がより好ましく、1000〜20,000が更により好ましく、1000〜5000がなお更により好ましい。高すぎる重量平均分子量では、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、異常に高い粘度を有するので、取り扱いが困難となるであろう。低すぎる重量平均分子量では、抗汚れ再付着能力は提供され得ない。本明細書で使用されるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの重量平均分子量は、以下の実施例で記載される技術によって決定される。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの数平均分子量(M)は特に限定されず、洗剤ビルダーのための所望の性能などの所望の性能を考慮しながら、適切に決定されることができる。具体的には、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの数平均分子量は、300〜25,000であることが好ましく、350〜15,000がより好ましく、500〜10,000が更により好ましく、500〜3000がなお更により好ましい。高すぎる数平均分子量では、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、異常に高い粘度を有するので、取り扱いが困難となるであろう。低過ぎる数平均分子量では、抗汚れ再付着能力は提供され得ない。本明細書で使用されるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの数平均分子量は、以下の実施例で記載される条件下の装置を使用する技術によって決定される。
このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、高い抗汚れ再付着能力を有する。このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの抗汚れ再付着比は、55%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上、更により好ましくは65%以上である。抗汚れ再付着比は、以下の実施例に記載される手順によって測定され得る。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物において他の構成成分(複数可)と共に存在し得る。ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー以外の構成成分の例としては、ポリアルキレングリコール系化合物をカルボキシル基含有モノマー及び/又は他のモノマー(複数可)とグラフト重合することによって生成されるグラフトポリマー、未反応のポリアルキレングリコール系化合物、カルボキシル基含有モノマーに由来の副生成物、カルボキシル基含有モノマー、未反応の重合開始剤、重合開始剤の分解化合物、及びカルボキシル基含有モノマーのポリマーが挙げられる。
これ以降、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含有するこのような組成物は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物と呼ばれる。
このポリマー組成物におけるポリアルキレングリコール系化合物に由来の構造単位とカルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位との質量比は、(95:5)〜(60:40)が好ましく、(94:6)〜(70:30)がより好ましく、(92:8)〜(75:25)が更により好ましく、(90:10)〜(80:20)がなお更により好ましい。カルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位の量が少な過ぎるならば、抗汚れ再付着能力は低くなる可能性が高い。カルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位の量が多過ぎるならば、得られる組成物は、カルボキシル基含有モノマーに由来の大量の不純物を含有する傾向にある。この場合、組成物の経時的安定性及び洗剤性能が低くなる可能性が高い。結果的に、この比は、上記範囲内であることが好ましい。
「ポリアルキレングリコール系化合物に由来の構造単位」は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーにおけるポリアルキレングリコール系化合物に由来の構造単位と、未反応のポリアルキレングリコール系化合物(及びこれらが生成される場合、副生成物におけるポリアルキレングリコール系化合物に由来の構造単位)とを包含するものとする。即ち、ポリアルキレングリコール系化合物に由来の構造単位の総質量は、重合で使用されるポリアルキレングリコール系化合物の質量に等しい。「カルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位」も同様に、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーにおけるカルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位と、未反応のカルボキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーのポリマーにおける構造単位、並びにカルボキシル基含有モノマー及び他のモノマーのポリマーにおける構造単位を包含するものとする。カルボキシル基含有モノマーに由来の構造単位の総質量は、重合で使用されるカルボキシル基含有モノマーの質量に等しい。これら構造は、NMRなどの技術によって分析され得る。
特定の重合開始剤(複数可)が、未反応のポリアルキレングリコール系化合物を低減するようポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの生成に使用されてもよい。具体的には、反応したポリオキシアルキレングリコール系化合物の量は、反応したポリオキシアルキレングリコール系化合物と未反応のポリオキシアルキレングリコール系化合物の合計の100質量部(反応系に添加されたポリオキシアルキレングリコール系化合物の100質量部)に基づいて、45質量部〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは50質量部〜100質量部、更により好ましくは55質量部〜100質量部である。
反応したポリオキシアルキレングリコール系化合物の量は、以下の条件下の高速液体クロマトグラフィーによって定量化され得る未反応のポリオキシアルキレングリコール系の量から計算されることが可能である。
測定器:8020シリーズ(Tosoh Corp.の製品)
カラム:CAPCELL PAK C1 UG120(資生堂(Shiseido)Co.,Ltd.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/LのNaHPOの十二水和物溶液(pH 7(リン酸で制御された))/アセトニトリル=45:55(体積比)
流速:1.0mL/分
検出器:RI、UV(検出波長:215nm)
本明細書で使用される「ポリマー組成物」特に限定されず、生産効率の観点では、不純物を除去するための精製工程などの工程がなく生成されることが好ましい。ポリマー組成物は、低い残留ポリオキシアルキレングリコール系化合物含量と高いポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(グラフト化合物)含量とを有する。これらの特性のために、ポリマー組成物は、洗剤で使用される場合、抗与汚れ再付着能力を有効に改善する。このポリマー組成物は、取り扱い性を改善するための重合工程後に、少量の水(組成物に対して1質量%〜400質量%の水)で希釈されてもよく、このような希釈された組成物もまた、ポリマー組成物に含まれる。グラフト化合物の収率は、以下に記載のグラフト化合物収率計算法によって計算された数値から決定され得る。
このポリマー組成物は、以下の式によって表される化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の少なくとも1つを含有することができる:
Figure 0005933584
これら化合物は、重合開始剤に由来し得る。
化合物(A)、(B)、及び(C)は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの生成において好適に使用される重合開始剤の分解生成物であることができる。例えば、t−ブチルペルオキシベンゾエート(以降、PBZとも呼ばれる)が重合開始剤として使用される場合、得られるポリマー組成物は、化合物(A)を含有することができる。n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレート(以降、PHVとも呼ばれる)が重合開始剤として使用される場合、得られるポリマー組成物は、化合物(B)を含有することができる。t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカルボネート(以降、PBIとも呼ばれる)が重合開始剤として使用される場合、得られる組成物は、化合物(C)を含有することができる。
重合開始剤のいずれか1つは、単独で使用されてもよく、又は2つ又はそれ以上の重合開始剤が組合せの中で使用されてもよい。したがって、ポリマー組成物は、2つ又はそれ以上の化合物(A)、(B)、及び/又は(C)を含有してもよい。
ポリマー組成物における化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の量は、ポリマー組成物の重量で(固体含量に基づいて)0.01%〜2.0%を構成することが好ましい。上記範囲内の量での化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の存在は、重合開始剤(複数可)が適切な量で使用されること、並びに得られる組成物が高性能ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含有することを示唆する。
化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の量は、化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の2つ又はそれ以上が存在する場合、化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の総量を意味する。ポリマー組成物における化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の量は、以下の条件下での高速液体クロマトグラフィーにより決定され得る:
測定器:8020シリーズ(Tosoh Corp.の製品)
カラム:CAPCELL PAK C1 UG120(資生堂(Shiseido)Co.,Ltd.の製品)
温度:40.0℃
溶離液(化合物1及び3):10mmol/LのNaHPOの十二水和物溶液(pH 7(リン酸で制御された))/アセトニトリル=90:10(体積比)
溶離液(化合物2):10mmol/LのNaHPOの十二水和物(pH 7(リン酸で制御された))/アセトニトリル=30:70((体積比)
流速:1.0mL/分
検出器:RI、UV(検出波長:215nm)
ポリマー組成物における化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の量は、材料として使用されるカルボキシル基含有モノマーの100質量部に基づいて、0.3質量部〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1質量部〜10質量部、更により好ましくは1質量部〜5質量部である。上記範囲内での化合物(A)、(B)、及び/又は(C)の存在は、重合開始剤(複数可)が適切な量で使用されていること、並びにこの組成物が高い抗汚れ再付着能力を備えるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含有することを意味する。
調製プロセス
このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系化合物とカルボキシル基含有モノマーとの間の質量比が(95:5)〜(60:40)であるような条件下で、ポリアルキレングリコール系化合物とカルボキシル基含有モノマーを含むモノマー材料を重合することを含む製造プロセスによって調製される。この製造プロセスは、上記重合工程を含む限りにおいて、他の工程を含んでもよい。
ポリマー組成物は、当該技術分野における周知の技術知識に適切に基づくことにより、製造され得る。このポリマーは、バルク重合によって好ましく重合される。具体的には、この重合は、その中で溶媒が、全反応系の10質量%以下を構成するグラフト重合反応系で実行される。重合法における特定の手順は特に限定されない。具体的には、重合は、バルク重合に関する周知の技術知識に適切に基づくことによって、実施され得、必要に応じて修正された方法が実施されてもよい。実質的には、グラフト化合物をバルク重合で製造することが好ましく、これは、このように製造されるグラフト化合物の収率が、水溶液重合が使用される場合に比較して高く、かつ抗汚れ再付着能力が改善され得るからである。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー及びポリマー組成物の使用
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコールグラフト系ポリマー組成物)は、凝固剤、凝集剤、印刷インキ、接着剤、汚れ制御(修正)剤、消火剤、スキンケア剤、ヘアケア剤、シャンプー用添加剤、ヘアスプレー、石鹸、及び化粧品、アニオン交換樹脂、染料媒染剤、並びに繊維及び写真フィルムのための補助剤、紙製造のため色素スプレッダ、紙補強剤、乳化剤、防腐剤、織物及び紙用の柔軟化剤、潤滑剤用の添加剤、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤用添加剤、スケール制御剤(スケール抑制剤)、金属イオンシーリング剤、粘度改良剤、任意のタイプの結合剤、乳化剤などとして使用され得る。洗剤ビルダーとして使用される場合、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物)は、衣類、食卓用食器類、クリーニング、毛髪、身体、歯磨き、及び自動車用の洗剤などの多様な使用のために洗剤に添加され得る。
繊維処理剤
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物)は、繊維処理剤において使用され得る。このような繊維処理剤は、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物)と、染色剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つと、を含有する。繊維処理剤において、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、総量の好ましくは1重量%〜100重量%、より好ましくは5重量%〜100重量%を構成する。加えて、任意の好適な水溶性ポリマーが、このポリマーの性能及び効果に影響を及ぼさない範囲内で含まれてもよい。このような繊維処理剤の組成物の例が、以下に記載されている。繊維処理剤は、繊維処理において、スカーリング、染色、漂白及び石鹸処理の工程で使用され得る。染色剤、過酸化物、及び界面活性剤の例としては、繊維処理剤で通常使用されるものが挙げられる。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーと、染色剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つとの間の配合比は、ポリマーの重量部当たりの純度変換された繊維処理剤の量に基づいて決定される。改善された白色度、色均一性、及び織物の染料堅牢度をもたらすための繊維処理剤として使用される組成物の好適な例では、染料剤、過酸化物、及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つが、ポリアルキレングリコール系ポリマーの重量部当たり0.1重量部〜100重量部の割合で使用されることが好ましい。
繊維処理剤は、綿布及び麻布などのセルロース繊維、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維、羊毛及び絹糸などの動物繊維、レーヨンなどの半合成繊維、並びに織物及びこれらの混合製品が挙げられる任意の好適な繊維のために使用され得る。スカーリング工程で使用される繊維処理剤については、アルカリ剤及び界面活性剤が、このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーと共に使用されることが好ましい。漂白工程で使用される繊維処理剤については、過酸化物及びアルカリ性の漂白剤のための分解阻害物質としてのケイ酸ナトリウムなどのケイ酸含有剤が、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーと共に使用されることが好ましい。
洗剤ビルダー
このポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物)は、洗剤ビルダーとしても使用され得る。洗剤ビルダーは、衣類、食卓用食器類、掃除、毛髪、身体、歯磨き、及び自動車用の洗剤など多様な用途のために洗剤に添加され得る。
洗剤組成物
上記記載のポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(又はポリアルキレングリコール系グラフトポリマー組成物)は、洗剤組成物で使用され得る。このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの重要な利点は、ポリアルキレンオキシド主鎖が、複数の親水性及び疎水性レベルを所定の程度で提供する混合されたポリアルキレンオキシド系であることである。例えば、ポリマーの重要な例は、末端でポリ−又はオリゴ−プロピレンオキシド部分で末端保護されたポリエチレンオキシド(PEO)を伴う主鎖を含み、並びに主PEO鎖上にグラフトされたアクリル酸グラフト側鎖を更に含むポリマーである。
理論によって束縛されようとするものではないが、このようなポリマーについて、ポリプロピレンオキシド(PPO)キャップユニットは、疎水性のキャップユニット基をPEG/ポリカルボキシレートグラフトポリマーにもたらし、ここにおいて、キャップユニットの疎水性度は、単純なアルキル又はアリール基のものよりも小さい。更に、PPOキャップユニットは、汚れ、布地、及び界面活性剤相互作用に有用な、ある程度の立体的嵩高性及び水素結合アクセプタ特性をもたらすことができる。
相互作用の1つのモードにおいて、PEP−PPO主鎖が水溶液中に延びて、最終的に界面活性剤モノマー又はミセルと相互作用するのと同時に、ポリカルボキシレート部分は、溶液中で又は粘土の層構造物間の橋架け単位としてのいずれかでカルシウムに結合することができる。相互作用の更に別のモードにおいては、PEG/ポリカルボキシレート主鎖が、汚れ反撥モチーフとして作用する負の電荷(バルク溶液に提示される)を布地にもたらすよう、又は電荷安定化処理機構を介して粘土又は他の粒子状物質の懸濁性を増大させるよう作用すると同時に、PPOキャップユニット基は、汚れ、布地、又は界面活性剤ミセル表面上にポリマーを係留させる。
洗剤組成物において、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの量は特に限定されず、このポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、総量の100質量%に基づいて、0.1質量%〜15質量%のレベルで使用されることが好ましく、0.3質量%〜10質量%がより好ましく、0.5質量%〜5質量%が更により好ましい。この範囲内のレベルで、ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、優れた洗剤ビルダー性能をもたらす。
「洗剤組成物」の概念は、家庭用洗剤の合成洗剤、織物工業で使用される洗剤などの工業的用途のための洗剤及び硬質表面洗剤に加えて、1つの成分によって供給される性能が改善される漂白洗剤などの特定の用途にだけ使用される洗剤を包含することが理解されるべきである。
洗剤組成物が液体の形態の場合、この液体洗剤組成物の水分含量は、0.1質量%〜75質量%であることが好ましく、0.2質量%〜70質量%がより好ましく、0.5質量%〜65質量%が更により好ましく、0.7質量%〜60質量%がなお更により好ましく、1質量%〜55質量%が特に好ましく、1.5質量%〜50質量%がより特に好ましい。
この洗剤組成物が液体の形態である場合、洗剤組成物のカオリン濁度は、200mg/L以下であることが好ましく、150mg/L以下がより好ましく、120mg/L以下が更により好ましく、100mg/L以下がなお更により好ましく、50mg/L以下が特に好ましい。
カオリン濁度は、以下の方法により測定され得る。均一に攪拌した試料(液体洗剤)を、10mmの厚さを有する50mmの正方形セルに充填し、泡をそこから除去する。次いで、この試料で、濁度計(商品名:NDH2000、日本電色(Nihon Denshoku)Industries Co.,Ltdの製品)を使用して、25℃にて濁度(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
上記の実施形態によるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、例えば洗濯洗剤などの洗浄組成物のための汚れ脱離促進添加剤として極めて好適である。これらが低い洗浄温度でも汚れ分解力を示すことは、特に有利である。
上記の実施形態によるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、洗濯洗剤及び洗浄組成物に、洗浄組成物の重量に基づいて、一般的に0.05重量%〜10重量%、0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、0.3重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%、より好ましくは0.25重量%〜2.5重量%の量で添加され得る。
更に、洗濯洗剤及び洗浄組成物は、一般に、界面活性剤、並びに適切な場合、洗浄物質、ビルダー、及び更に常習的な成分(例えば、コビルダー、錯化剤、漂白剤、標準化剤、灰色化阻害剤、移染阻害剤、酵素及び香料)としての他のポリマーを含む。
本明細書に記載のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、C10〜C16アルキルベンゼンスルホネート(LAS)と、非イオン性、カチオン性、アニオン性若しくはこれらの混合物から選択される1つ以上の共界面活性剤を含む界面活性剤系と、を含む洗濯洗剤又は洗浄組成物中で利用されてもよい。あるいは、多重ポリマー系は、必要に応じて、双極性イオン性又はいわゆる半極性界面活性剤(C12〜C16アルキルジメチルアミンN−オキシドのような)によって補足された、任意のアニオン性界面活性剤、又はこれらの非イオン性界面活性剤及び/又は脂肪酸の混合物、を含む界面活性剤系を含む洗濯洗剤及び洗浄組成物中で利用され得る。他の実施形態では、使用される界面活性剤は、専らアニオン性又は専ら非イオン性であることができる。好適な界面活性剤濃度は、洗剤組成物の約0.5重量%〜約80重量%であり、より典型的には約5重量%〜約60重量%である。
アニオン性界面活性剤の好ましい部類は、C10〜C16アルキルベンゼンスルホネートのナトリウム、カリウム及びアルカノールアンモニウム塩であり、これらはアルキルベンゼンのスルホン化(SO又はSOを使用)とその後の中和により調製することができる。好適なアルキルベンゼン供給原料は、硫酸及びHFに基づくプロセスを含む任意の好適なアルキル化スキームを使用して、オレフィン、パラフィン、又はこれらの混合物から作製することができる。任意の好適な触媒がアルキル化に使用されてもよく、UOP、ハニーウェル社(Honeywell company)から市販されているDETAL(商標)固体酸触媒などの固体酸触媒が挙げられる。このような固体酸触媒には、DETAL(商標)DA−114触媒、並びにUOP、ペトレーザ(Petresa)、ハンツマン(Huntsman)などの特許出願に記載されている他の酸触媒が挙げられる。的確にアルキル化触媒を変えることにより、ベンゼンの脂肪族炭化水素鎖への共有結合の位置を広く変えることが可能であることが、理解及び評価されるべきである。したがって、本明細書で有用なアルキルベンゼンスルホネートは、2−フェニル異性体及び/又は内部異性体含有量において広く変えることができる。
補助界面活性剤は、所望される利益に基づいて選択することができる。1つの実施形態において、共界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましはC12〜C18アルキルエトキシレートとして選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である)として選択される。他の実施形態において、共界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%の範囲の濃度で用いられる。
1つの実施形態では、界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性補助界面活性剤、カチオン性補助界面活性剤、アニオン性補助界面活性剤及びこれらの任意の混合物から選択される補助界面活性剤を含んでもよい。
非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、Shell製ネNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC12〜C18アルキルエトキシレート;C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製PLURONIC(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE(式中xは1〜30);Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられるようなアルキル多糖類;特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際特許公開第WO 01/42408号で論じられるようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤又は共界面活性剤として本明細書で有用であるものは、式RC(O)O(RO)を有するものなどのアルコキシル化エステル界面活性剤である(式中、Rは、直鎖及び分枝鎖C〜C22アルキル又はアルキレン部分から選択され、Rは、C及びC部分から選択され、Rは、H、CH、C及びC部分から選択され、nは1〜20の値を有する)。このようなアルコキシル化エステル界面活性剤には、脂肪族メチルエステルエトキシレート(MEE)が挙げられ、これらは当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第6,071,873号、同第6,319,887号、同第6,384,009号、同第5,753,606号、国際公開第01/10391号、同第96/23049号を参照されたい)。
半極性非イオン性共界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分1個と、を含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。
カチオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、米国特許第6,136,769号で論じられるようなアルコキシラート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号で論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開特許第00/47708号で論じられるようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む26個までの炭素原子を有し得る第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
本明細書で有用なアニオン性共界面活性剤の非限定例としては、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2、3)アルキルサルフェート;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号、同第99/05242号及び同第99/05244号に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。本明細書では、アニオン性界面活性剤は、これらのナトリウム、カリウム又はアルカノールアミン塩の形態で使用され得る。
例示的実施形態では、洗浄組成物は、上記の実施形態によるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーと、C〜C18線状アルキルスルホネート界面活性剤及び共界面活性剤を含む界面活性剤系も含む。この組成物は、任意の形態、即ち液体の形態、粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体、エマルション、二区画容器を有する形式、噴霧又は泡洗剤、予め湿らせた拭取り布(即ち、Mackeyらの米国特許第6,121,165号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物)、消費者により水で活性化される乾燥拭取り布(即ち、Fowlerらの米国特許第5,980,931号で論じられるような、不織布材を組み合わせた洗浄組成物)、及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品の形態であってもよい。あるいは、組成物は、錠剤又は、多区画小袋などの小袋の形態であってもよい。
1つの実施形態では、洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物であることができる。別の実施形態では、洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であってもよく、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。洗浄組成物はまた、堅木、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の、様々な表面を洗浄するカーケア組成物で使用されてもよい。また、この洗浄組成物は、界面活性剤が遊離硬度に接触する、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体の石鹸及び他の洗浄組成物等の、パーソナルケア組成物とペットケア組成物、並びに石油掘削組成物等の、硬度耐性界面活性剤系を必要とする全ての組成物に使用されるように設計することが可能である。
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い用組成物、及び自動食器洗い用組成物のタブ/単位用量型のような食器洗浄組成物である。
非常に典型的には、本明細書の洗浄組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質表面洗浄剤、合成及び石鹸ベースの洗濯固形物、布地柔軟仕上げ剤、並びに布地処理用の液体、固体及び布地処理用の全ての種類の物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適切な洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、国際公開特許第99/05242号に見出すことができる。
通常の洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられ、上に既に定義された物質を除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)等、各種の活性成分若しくは特殊な材料、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えば、BASF Corp.製、又はRohm & Haas製)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤及び使用量の好適な例は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
使用方法
更なる実施形態は、対象とする表面を洗浄するための方法を包含することができる。本明細書で使用する時、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品及びその他料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚等のそのような表面が挙げられてよい。本明細書で使用する時、「硬質表面」としては、堅木、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラス等の典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。この方法は、修飾されたポリオール化合物を含む組成物が、適切な形態で、又は洗浄溶液で希釈されて、少なくとも対象とする表面の一部分と接触し、次いで必要に応じて、対象とする表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本明細書で使用するとき、「洗浄すること」は、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
当業者には理解されるように、上記の洗浄組成物は、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途における使用に理想的に適している。
組成物溶液のpHは、洗浄される対象とする表面に対して最も相補的になるように、pH約5〜約11の広い範囲にわたって選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、かかる組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃の範囲である。
洗濯洗浄組成物で使用される場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。布地に対する水の比は、好ましくは約1:1〜約20:1である。
この方法は、本明細書に記載されるポリマー又はポリマー組成物の実施形態で含浸された不織布基材を接触させる工程を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強さ特性を有する任意の従来通り形作られた不織布シート又はウェブを包含することができる。好適な市販の不織布基材の例としては、DuPontより商品名SONTARA(登録商標)として販売されるもの、及びJames River Corp.より商品名POLYWEB(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
当業者には理解されるように、この洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗い用組成物で使用するのに適している。液体食器組成物の使用方法は、汚れた食器を、有効量の、通常は約0.5mL〜約20mL(処理される食器25個あたり)の水で希釈された液体食器洗浄組成物と接触させることを含む。
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
以降、本発明は、実施例に基づいてより詳細に説明される。これら実施例は、例示に過ぎず、特許請求の範囲に関して限定することを意味していないことを理解されたい。全ての部は、特に言及しない限り重量を基準とし、並びに全てのパーセンテージは、特に言及されない限り質量を基準とする。
本発明のポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの重量平均分子量、ポリマー組成物の及び重合水溶液の固体含量、並びにポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの収率が、以下に示される方法によって決定される。
重量平均分子量(M)が、以下の測定条件下で、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)によって決定される:
測定器:L−7000シリーズ(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
検出器:HITACHI RI Detector、L−7490
カラム:SHODEX Asahipak GF−310−HQ、GF−710−HQ、GF−1G 7B(昭和電工(Showa Denko)K.K.の製品)
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/分
検量線:POLYETHYLENE GLYCOL STANDARD(GL Sciences,Inc.の製品)
溶離液:0.1Nの酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3:1(質量比)
カルボキシル基含有モノマー及び他の化合物は、以下の条件下で液体クロマトグラフィーによって定量化される:
測定器:L−7000シリーズ(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
検出器:UV検出器、L−7400(日立(Hitachi)Ltd.の製品)
カラム:SHODEX RSpak DE−413(昭和電工(Showa Denko)K.K.の製品)
温度:40.0℃
溶離液:0.1%のリン酸水溶液
流速:1.0mL/分
ポリマー組成物の固体含量は、ポリマー組成物(ポリマー組成物(1.0g)+水(3.0g))を、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したオーブン内で1時間乾燥させることによって決定される。固体含量(%)及び揮発性成分(%)を、乾燥工程前後の重量変化から計算する。
ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーの収率は、ポリマー組成物(固体含量に基づいての)のポリアルキレングリコール系グラフトポリマー含量(質量%)として定義される。したがって、この収率とは、ポリマー組成物内に封入されるポリアルキレングリコール系グラフトポリマーのポリマー組成物の固体含量の質量に対する質量の比である。ポリマー組成物のポリアルキレングリコール系グラフトポリマー含量が、以下の式によって計算され、式中、全ての値は、ポリマー組成物の固体含量に由来するものとして、ポリマー組成物の総質量に基づいて質量パーセンテージとして表される:
G=100−(U+A+C+A)、
ここでGは、決定された固体含量に基づく、ポリマー組成物のポリアルキレングリコール系グラフトポリマー含量であり;Uはポリマー組成物中の未反応のポリアルキレングリコール系化合物の質量%であり;Aは、固体含量に基づく、ポリマー組成物中の酸含有の不飽和モノマーの質量%であり;Cは、固体含量に基づく、ポリマー組成物の固体物質中の化合物(1)、(2)及び(3)の質量%であり、並びにAは、固体含量に基づく、ポリマー組成物中の酸基含有の不飽和モノマーのみから作製されたポリマーの質量%である。
酸基含有の不飽和モノマーのみから作製されたポリマーは、以下の条件下でキャピラリー電気泳動によって定量化される。
測定器:キャピラリー電気泳動システムCAPI−3300(大塚電子(Photal OTSUKA ELECTRONICS)の製品)
電圧:15kV
展開溶媒:50mmol/Lのホウ酸4ナトリウム水溶液
電気泳動ランタイム:30分
検出器:UV 210nm
(実施例1)
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化プロピレン5モル付加物の酸化エチレン20モル付加物(まず、メタノールに酸化プロピレンを5モルふかし、次いで、酸化エチレンを20モル付加したもの)(86.0g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を135℃に加熱する。該反応系に、100%のアクリル酸(以降、AAとも呼ばれる)(9.6g)と、重合開始剤としてのt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカルボネート(以降、PBIとも呼ばれる)(525μL;0.48g;AAに対して5.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBI及びAAの滴加時間は、双方ともに260分である。AAの添加は、PBIの添加の開始後10分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を135℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる(ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(1))。重合の完了後、純水(24.0g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。
このようにして、80%の水溶液(固体濃度(質量))(ポリマー組成物(1))が提供される。
(実施例2)
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化プロピレン5モル付加物の酸化エチレン20モル付加物(まず、メタノールに酸化プロピレンを5モルふかし、次いで、酸化エチレンを20モル付加したもの)(75.6g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を135℃に加熱する。この反応系に、AA(8.4g)と、重合開始剤としてのPBI(525μL;0.42g;AAに対して5.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBI及びAAの滴加時間は、双方ともに210分である。AAの添加は、PBIの添加の開始後20分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を135℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる(ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(2))。重合の完了後、純水(21.1g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。
このようにして、80%の水溶液(固体濃度(質量))(ポリマー組成物(2))が提供される。
(実施例3)
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化プロピレン5モル付加物の酸化エチレン20モル付加物(まず、メタノールに酸化プロピレンを5モルふかし、次いで、酸化エチレンを20モル付加したもの)(114.7g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を135℃に加熱する。この反応系に、AA(28.7g)と、重合開始剤としてのPBI(1575μL;0.42g;AAに対して5.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBI及びAAの滴加時間は、双方ともに210分である。AAの添加は、PBIの添加の開始後20分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を135℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる(ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(3))。重合の完了後、純水(36.2g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。
このようにして、80%の水溶液(固体濃度(質量))(ポリマー組成物(3))が提供される。
(実施例4)
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化プロピレン5モル付加物の酸化エチレン20モル付加物(まず、メタノールに酸化プロピレンを5モルふかし、次いで、酸化エチレンを20モル付加したもの)(75.6g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を135℃に加熱する。この反応系に、AA(8.4g)と、重合開始剤としてのt−ブチルペルオキシベンゾエート(以降、PBZとも呼ばれる)(525μL;0.42g;AAに対して5.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBZ及びAAの滴加時間は、双方ともに210分である。AAの添加は、PBZの添加の開始後20分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を135℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる(ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(4))。重合の完了後、純水(21.1g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。
このようにして、80%の水溶液(固体濃度(質量))(ポリマー組成物(4))が提供される。
(実施例5)
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化プロピレン5モル付加物の酸化エチレン20モル付加物(まず、メタノールに酸化プロピレンを5モルふかし、次いで、酸化エチレンを20モル付加したもの)(75.6g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を135℃に加熱する。この反応系に、AA(8.4g)と、重合開始剤としてのPBI(525μL;0.42g;AAに対して5.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBI及びAAの滴加時間は、双方ともに210分である。AAの添加は、PBIの添加の開始後20分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を135℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了させる(ポリアルキレングリコール系グラフトポリマー(5))。重合の完了後、純水(21.1g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。
このようにして、80%の水溶液(固体濃度(質量))(ポリマー組成物(5))が提供される。
比較実施例1
攪拌棒(パドル羽根)を装備した500mLのガラス製の分離できるフラスコ内に、メタノールの酸化エチレン25モル付加物(105.6g)を充填し、120℃に加熱しながら、フラスコ内に流れる窒素で攪拌する。フラスコを120℃に保持し、窒素流で1時間攪拌し、反応系を脱水する。次に、還流冷却器をフラスコに取り付けて、反応系を128℃に加熱する。この反応系に、AA(11.7g)と、重合開始剤としてのPBI(1125μL;1.17g;AAに対して10.0質量%)を、異なるノズルを通して別個に滴加する。PBI及びAAの滴加時間は、それぞれ150分及び240分である。AAの添加は、PBIの添加の開始後20分で開始する。各溶液は、一定の速度で、連続して滴加される。
AAの滴加の完了後、反応液体を128℃で更に60分間維持し(熟成し)、重合を完了し、ポリアルキレングリコール系比較ポリマー(1)を形成する。重合の完了後、純水(13.2g)を添加して、重合反応液体を希釈すると同時に、重合反応液体を攪拌下で冷却する。このようにして、90%の水溶液(固体濃度(質量))(比較ポリマー組成物(1))が提供される。
コポリマー特性化
コポリマー組成物(1)〜(5)を、液体クロマトグラフィーにより分析することで残留物モノマーの量を決定し、この結果で、残留物モノマーの総量は、各組成物において100ppm未満であることが明らかになった。
界面活性剤との適合性
実施例1〜5で調製されたポリマー組成物(1)〜(5)並びに比較実施例(1)で調製された比較ポリマー組成物(1)を、以下のように評価した。表1にその結果を示す。
それぞれが試験試料(ポリマー又はポリマー組成物)を含有する洗剤組成物が、以下の材料を用いて調製される:
SFT−70H(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、日本触媒(NIPPON SHOKUBAI)Co.,Ltd.の製品):40g
NEOPELEX F−65(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王(Kao)Corp.の製品):7.7g(活性成分:5g)
Kohtamin 86W(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、花王(Kao)Corp.の製品):17.9g(活性成分:5g)
ジエタノールアミン:5g
エタノール:5g
プロピレングリコール:5g
試験試料:1.5g(固体含量に基づいて)
イオン交換水:100gの洗剤組成物をもたらすための残部
混合物を十分に攪拌することで、全ての成分が均一に分散された。混合物の濁度(カオリン濁度、mg/L)が、濁度計(「NDH2000」日本電色(Nippon Denshoku)Co.,Ltd.の製品)で25℃にて測定された濁度によって評価される。
表1に要約される評価は、以下の評価基準に基づく:
良い:0以上かつ50mg/L未満のカオリン濁度;相分離、沈殿、及び濁度が目視にて観察されなかった。
中等度:50mg/L以上かつ200mg/L未満のカオリン濁度;わずかな濁度が目視にて観察された。
不良:200mg/L以上のカオリン濁度;濁度が目視にて観察された。
Figure 0005933584
抗汚れ再付着能力試験
抗汚れ再付着能力が、JIS Z8901試験用粉体Iクラス11(典型的分析、1μm未満〜約8μmの粒子サイズで、34.0〜40.0重量%のSiO、26.0〜32.0重量%のAl、3.0〜7.0重量%のMgO、17.0〜23.0重量%のFe、0.0〜3.0重量%のCaO、0.0〜4.0重量%のTiO)を用いて以下の手順により試験される:
(1)新しい白色綿布(Testfabrics,Inc,415 Delaware Avenue,PO Box # 26,West Pittiston,PA 18643,USAから入手可能な、ISO Doc 509シリーズ6、パート1に従って漂白されシルケット加工された綿綾織物)を、5cm×5cmの白色布に切断する。比色分析色差計(SE2000、日本電色(Nippon Denshoku)Industries Co.,Ltd.の製品)で反射率を測定することによって、白色度をこの白色布に関して決定する。
(2)脱イオン水(20L)を塩化カルシウム二水和物(5.88g)に添加することで、硬水を調製する。
(3)脱イオン水(100mL)を、ナトリウム線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(8.0g)、重炭酸ナトリウム(9.5g)、及び硫酸ナトリウム(8.0g)に添加することで、界面活性剤水溶液を調製する。pHを10に調節する。
(4)terg−o−tometer(S.R.Lab Instruments,G−16,M.K.Industrial Premises Co−Op.Soc.,Sonawala「X」Road No.2,Goregaon(East),Mumbai−400 063 Maharashtra,Indiaから入手可能)を25℃にセットする。硬水(2L)、界面活性剤水溶液(5mL)、0.8%(固体含量に基づいて)の試験ポリマー水溶液(5g)、ゼオライト(0.30g)、及びJIS試験用粉体Iクラス11(1.0g)(日本粉体工業技術協会,京都,日本から入手可能な日本工業規格粉体)を混合し、それぞれのterg−o−tometerのポットに添加し、100rpmで1分間攪拌する。続いて、7枚の白色布をそれぞれのポットに配置し、混合物と布を100rpmで10分間攪拌する。
(5)濯ぎ工程最初の上述の洗浄水を廃棄し、白色布を手で絞り、この布をそれぞれのterg−o−tometerポットに戻し、次いで25℃の新しい硬水(2L)をそれぞれのterg−o−tometerのポットに注ぎ、100rpmで2分間攪拌する。
(6)布を白色布の上に置いて白色布にアイロンをかけ(約200℃)、しわを伸ばしながらそれらを乾燥させる。この布を、比色分析色差計で白色度として反射率を再度測定する。
(7)抗汚れ再付着比を、測定結果に基づいて以下の式から決定する。抗汚れ再付着比(%)=(洗浄後の白色布の白色度)/(最初の白色布の白色度)×100選択されたコポリマーに関するデータが表2に提供されている。
Figure 0005933584
表1及び2は、ポリアルキレングリコール系ポリマーの界面活性剤との高い適合性及び高い抗汚れ再付着能力を示し、したがって、このポリアルキレングリコール系ポリマーが、洗剤添加物などのための原材料として好適に使用され得ることを示唆する。
組成物の配合
(実施例6)
顆粒状の洗濯洗剤
例示された両性ポリマーを含む粒状の洗濯洗剤の例が表3に提供される。
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
(実施例7)
液体洗濯洗剤
両性ポリマーを含む液体洗濯洗剤配合物の例が、表4、5、及び6に提供されている。
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
ジエチレントリアミンペンタキス(pentakis)メチレンホスホン酸、ナトリウム塩
エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
アクゾール(Acusol)OP 301
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリ酢酸ビニルに対するポリエチレンオキシドの重量比は約40:60であり、エチレンオキシド単位50個当たりグラフト点は1個以下である。
Alco 725(スチレン/アクリレート)
(実施例8)
液体食器手洗い用洗剤
例示的液体食器手洗い用洗剤配合物が、表7で提供されている。
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
非イオン性とは、9個のエトキシル基を含有するC11アルキルエトキシル化界面活性剤であってもよい。
1,3−BACは、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
(実施例9)
自動食器洗い器用洗剤
例示的自動皿洗い機用洗剤配合物を表8に示す。
Figure 0005933584
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
Rohm & Haasから入手可能なACUSOL(登録商標)445N、又はAlcoからのALCOSPERSE(登録商標)など。
Olin CorporationからのSLF−18 POLY TERGENTなど。
(実施例10)
ポリビニルアルコールのフィルムにより封入されている小袋の形態の液体洗濯洗剤組成物。
小袋内の例示的液体洗濯洗剤組成物が表9に提供される。
Figure 0005933584
PAP=フタロイル−アミノ−ペルオキシカプロン酸、70%活性湿潤ケーキとして
実施例1〜5のいずれかによるポリアルキレングリコール系グラフトポリマー、又は実施例1〜5による2つ又はそれ以上の両性ポリマーを含有する混合物である。
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖及び多種のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
特に記載がない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
割合(%)及び比率は全て、特記のない限り重量で計算される。百分率及び比率は全て、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
本発明の「発明を実施するための形態」の中で引用された全ての文献は、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
別段に定義されていない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書において説明に使用される用語は、単に特定の実施形態を記載するためであり、限定されるものではない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、同様に複数形を含むものとする。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「独立して、から選択される」とは、文章の前後関係が別途明らかに指示しない限り、参照された群が同一、異なる、又はそれらの混合であり得ることを意味するものとする。したがって、この定義の下で、表現「X、X、及びXは、独立して、A、B、及びCからなる群から選択される」とは、X、X、及びXは全て同一である場合、X、X、及びXが全て異なる場合、並びにX及びXが同一であるがXが異なる場合のシナリオを包含する。
特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (5)

  1. ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーを含む洗浄組成物であって、前記ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーが、
    式(II):
    Figure 0005933584
    (式中、
    各Rは、−Hであり
    は、−H、−メチル基、及び−エチル基からなる群から選択され、
    rは、1であり、かつ単一基Rに連結された基−Y−X−Z−ORの数を表し、
    各Yは、−O−Rであり、
    (式中、R 、C2〜 アルキレン基から選択される)、
    各Xは、−C(=O)−又は1,4−フェニレンであり、
    pは0であり、
    各Zは、オキシアルキレン基であり、かつ少なくとも80モル%のオキシエチレン比を有し、
    qは、9〜150であり、かつオキシアルキレン基のモルの平均加算数を表し、
    は、式(IV):
    Figure 0005933584
    (式中、
    各Zは、オキシプロピレン基であり
    各Zは、オキシエチレン基であり、
    nは、3〜30であり、かつオキシプロピレン基(−Z−)のモルの平均加算数を表し、
    mは、0であり、及び
    l+n+m=qである)を有する構造を表す)
    を有するポリアルキレングリコール系化合物と、
    少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーを含むモノマー材料と、
    の重合混合物中で重合することによって得られ、
    各カルボキシル基含有モノマーが、アクリル酸、マレイン酸、これらのいずれかの塩、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
    前記重合混合物が、前記重合混合物における前記ポリアルキレングリコール系化合物及び前記モノマー材料の総質量に基づいて、60質量%〜95質量%の前記ポリアルキレングリコール系化合物と、10質量%〜25質量%の少なくとも1つのカルボキシル基含有モノマーとを含み、
    前記ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーが、1000〜5000の重量平均分子量を有し、
    前記洗浄組成物が、前記洗浄組成物の総重量に基づいて、0.05重量%〜10重量%の前記ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーと、0.5重量%〜80重量%の界面活性剤系とを含む、洗浄組成物。
  2. 前記モノマー材料が、0モル%を超えて5モル%までの、カルボキシル基含有モノマーとして分類されない少なくとも1つの追加的モノマーを更に含み、前記少なくとも1つの追加的モノマーが、スルホン酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アリルアミンモノマー、四級化されたアリルアミンモノマー、N−ビニルモノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、ビニルアリールモノマー、イソブチレンモノマー、酢酸ビニルモノマー、これらのいずれかの塩、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
  3. 前記洗浄組成物が、液体洗濯洗剤組成物、固体洗濯洗剤組成物、硬質表面洗浄組成物、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い組成物、水溶性小袋の中に含有されたタブ又は単位用量型自動食器洗い用組成物、及び水溶性小袋の中に含有された洗濯洗剤組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
  4. 前記界面活性剤系が、少なくとも1つのC10〜C16アルキルベンゼンスルホン酸塩界面活性剤又は少なくとも1つのC 〜C 18 線状アルキルスルホン酸塩界面活性剤を含む、請求項に記載の洗浄組成物。
  5. 前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の共界面活性剤を更に含む、請求項に記載の洗浄組成物。
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