JPH10195137A - アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤 - Google Patents
アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤Info
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- JPH10195137A JPH10195137A JP517197A JP517197A JPH10195137A JP H10195137 A JPH10195137 A JP H10195137A JP 517197 A JP517197 A JP 517197A JP 517197 A JP517197 A JP 517197A JP H10195137 A JPH10195137 A JP H10195137A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する経
済的に有利なアクリル系重合体、並びにそのものを用い
たビルダー及び分散剤を提供する。 【解決手段】(1) 1H−NMRで測定した末端水酸基に
隣接するプロトンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチ
ンのプロトンの積算値に対して、0.5〜10%の範囲
にあることを特徴とするアクリル系重合体を提供する。
好ましくは、分子鎖に複数のエステル結合を有するアク
リル系重合体であり、その 1H−NMRで測定したエス
テル結合部の−COO−CH2 −のプロトンの積算値が
分子鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算値に対し
て、1〜20%の範囲にあるものである。さらに好まし
くは、数平均分子量が300〜100,000のもので
ある。 (2) 上記のアクリル系重合体を主成分とする生分解性ビ
ルダー、又は上記のアクリル系重合体をアルカリで中和
したものからなる分散剤を提供する。
済的に有利なアクリル系重合体、並びにそのものを用い
たビルダー及び分散剤を提供する。 【解決手段】(1) 1H−NMRで測定した末端水酸基に
隣接するプロトンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチ
ンのプロトンの積算値に対して、0.5〜10%の範囲
にあることを特徴とするアクリル系重合体を提供する。
好ましくは、分子鎖に複数のエステル結合を有するアク
リル系重合体であり、その 1H−NMRで測定したエス
テル結合部の−COO−CH2 −のプロトンの積算値が
分子鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算値に対し
て、1〜20%の範囲にあるものである。さらに好まし
くは、数平均分子量が300〜100,000のもので
ある。 (2) 上記のアクリル系重合体を主成分とする生分解性ビ
ルダー、又は上記のアクリル系重合体をアルカリで中和
したものからなる分散剤を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアクリル系重
合体又はオリゴマー、該アクリル系重合体又はオリゴマ
ーを主成分とする生分解性ビルダー及び分散剤に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、末端水酸基を特定量有
する新規なアクリル系重合体、それを主成分とする生分
解性ビルダー、及び該アクリル系重合体をアルカリで中
和してなる分散剤に関するものである。
合体又はオリゴマー、該アクリル系重合体又はオリゴマ
ーを主成分とする生分解性ビルダー及び分散剤に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、末端水酸基を特定量有
する新規なアクリル系重合体、それを主成分とする生分
解性ビルダー、及び該アクリル系重合体をアルカリで中
和してなる分散剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、界面活性剤を主成分とする洗剤に
おいては、該界面活性剤の補助成分としてビルダーを配
合することにより、洗浄性能を高めることが行われてい
る。このビルダーとしては、水に添加した際にアルカリ
性を示す無機化合物や不飽和脂肪族カルボン酸の重合体
などが知られている。前者の例としては、ナトリウムや
カリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ポリリン酸
塩、ケイ酸塩あるいはゼオライトなどが挙げられ、後者
の例としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ
イタコン酸などが挙げられる。
おいては、該界面活性剤の補助成分としてビルダーを配
合することにより、洗浄性能を高めることが行われてい
る。このビルダーとしては、水に添加した際にアルカリ
性を示す無機化合物や不飽和脂肪族カルボン酸の重合体
などが知られている。前者の例としては、ナトリウムや
カリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ポリリン酸
塩、ケイ酸塩あるいはゼオライトなどが挙げられ、後者
の例としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ
イタコン酸などが挙げられる。
【0003】これらのビルダーの中では、効果、経済性
及び作業性などの面から、リン酸塩、ポリリン酸塩及び
ゼオライトが多量に使用されている。しかしながら、リ
ン酸塩やポリリン酸塩は、湖沼や河川の富栄養化の原因
となり、また、ゼオライトは堆積するなどの地球環境保
護の点で種々の問題を有している。したがって、少なく
とも従来同様にビルダーとしての性能(特に、キレート
能力)に優れたものであることは勿論、上記地球環境保
護上重要な生分解性を有して長期間残存することのな
い、いわゆる環境にやさしい、しかも経済的に有利なビ
ルダーの開発が望まれている。
及び作業性などの面から、リン酸塩、ポリリン酸塩及び
ゼオライトが多量に使用されている。しかしながら、リ
ン酸塩やポリリン酸塩は、湖沼や河川の富栄養化の原因
となり、また、ゼオライトは堆積するなどの地球環境保
護の点で種々の問題を有している。したがって、少なく
とも従来同様にビルダーとしての性能(特に、キレート
能力)に優れたものであることは勿論、上記地球環境保
護上重要な生分解性を有して長期間残存することのな
い、いわゆる環境にやさしい、しかも経済的に有利なビ
ルダーの開発が望まれている。
【0004】そこで、キレート能力と生分解性を有する
ビルダー用重合体として、そのもの自体ではキレート能
力は殆どないが、生分解可能な程度の低分子量を有する
成分をある程度以上含有する水溶性オリゴマーの主鎖同
士をポリエチレングリコール、クエン酸、酒石酸等の架
橋剤により、生分解可能なエステル基又はアミド基を介
して結合し、分子量を増大させ、その架橋重合体として
はキレート能力も持たせようとした親水性架橋重合体が
特開平5−239127号公報に開示されている。
ビルダー用重合体として、そのもの自体ではキレート能
力は殆どないが、生分解可能な程度の低分子量を有する
成分をある程度以上含有する水溶性オリゴマーの主鎖同
士をポリエチレングリコール、クエン酸、酒石酸等の架
橋剤により、生分解可能なエステル基又はアミド基を介
して結合し、分子量を増大させ、その架橋重合体として
はキレート能力も持たせようとした親水性架橋重合体が
特開平5−239127号公報に開示されている。
【0005】しかしながら、低分子量とはいえ直鎖状の
ポリアクリル酸自体が生分解されにくく、また、生分解
しない高分子量のポリアクリル酸を少なからず含有する
ことから、この親水性架橋重合体の生分解性は十分なも
のではない。さらに、オリゴマーを重合する工程と架橋
する工程の2段階となり、また前記特定の架橋剤も必要
であることから、より簡単な工程で製造できるキレート
能力と生分解性を有するビルダー用重合体が期待されて
いる。
ポリアクリル酸自体が生分解されにくく、また、生分解
しない高分子量のポリアクリル酸を少なからず含有する
ことから、この親水性架橋重合体の生分解性は十分なも
のではない。さらに、オリゴマーを重合する工程と架橋
する工程の2段階となり、また前記特定の架橋剤も必要
であることから、より簡単な工程で製造できるキレート
能力と生分解性を有するビルダー用重合体が期待されて
いる。
【0006】また、無機顔料分散剤の分野では、ポリア
クリル酸ソーダ等が分散スラリー液の粘度低下、粘度安
定性の向上のために用いられているが、上述と同様にポ
リアクリル酸に生分解性がないことから、上記ビルダー
同様、生分解性を有して長期間残存することがなく、し
かも経済的に有利な分散剤の開発が望まれている。
クリル酸ソーダ等が分散スラリー液の粘度低下、粘度安
定性の向上のために用いられているが、上述と同様にポ
リアクリル酸に生分解性がないことから、上記ビルダー
同様、生分解性を有して長期間残存することがなく、し
かも経済的に有利な分散剤の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する
経済的に有利なアクリル系重合体、並びに環境汚染又は
破壊を抑えた該重合体からなるビルダー、及び無機顔料
等の分散剤を提供することを目的とするものである。
状況下で、キレート能力に優れ、かつ生分解性を有する
経済的に有利なアクリル系重合体、並びに環境汚染又は
破壊を抑えた該重合体からなるビルダー、及び無機顔料
等の分散剤を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、末端水酸基を特
定量有するアクリル系重合体(以下、そのオリゴマーを
含めてアクリル系重合体とよぶ。)が、キレート能力に
優れ、かつ生分解性を有し、ビルダーとして有用である
ことや該重合体のアルカリ塩は無機顔料等の分散剤とし
て有用であることを見出した。本発明はかかる知見に基
づいて完成したものである。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、末端水酸基を特
定量有するアクリル系重合体(以下、そのオリゴマーを
含めてアクリル系重合体とよぶ。)が、キレート能力に
優れ、かつ生分解性を有し、ビルダーとして有用である
ことや該重合体のアルカリ塩は無機顔料等の分散剤とし
て有用であることを見出した。本発明はかかる知見に基
づいて完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1) 1H−NMRで測定した末端水酸基に隣接するプ
ロトンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロト
ンの積算値に対して、0.5〜10%の範囲にあること
を特徴とするアクリル系重合体。 (2)分子鎖に複数のエステル結合を有する上記(1)
に記載のアクリル系重合体。 (3) 1H−NMRで測定したエステル結合部の−CO
O−CH2 −のプロトンの積算値が分子鎖のメチレン及
びメチンのプロトンの積算値に対して、1〜20%の範
囲にある上記(1)又は(2)に記載のアクリル系重合
体。 (4)数平均分子量が300〜100,000である上
記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル系重合
体。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル
系重合体を主成分とする生分解性ビルダー。 (6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル
系重合体をアルカリで中和したものからなる分散剤。
ロトンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロト
ンの積算値に対して、0.5〜10%の範囲にあること
を特徴とするアクリル系重合体。 (2)分子鎖に複数のエステル結合を有する上記(1)
に記載のアクリル系重合体。 (3) 1H−NMRで測定したエステル結合部の−CO
O−CH2 −のプロトンの積算値が分子鎖のメチレン及
びメチンのプロトンの積算値に対して、1〜20%の範
囲にある上記(1)又は(2)に記載のアクリル系重合
体。 (4)数平均分子量が300〜100,000である上
記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル系重合
体。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル
系重合体を主成分とする生分解性ビルダー。 (6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル
系重合体をアルカリで中和したものからなる分散剤。
【0010】
【発明の実施の形態】 本発明のアク
リル系重合体はアクリル系モノマーを重合してなるもの
で、 1H−NMRで測定した末端水酸基に隣接するプロ
トンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロトン
の積算値に対して0.5〜10%の範囲にあることを特
徴とする。
リル系重合体はアクリル系モノマーを重合してなるもの
で、 1H−NMRで測定した末端水酸基に隣接するプロ
トンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロトン
の積算値に対して0.5〜10%の範囲にあることを特
徴とする。
【0011】上記アクリル系モノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸の他、後述する一般式(IV)で表され
る重合性不飽和化合物が挙げられる。このようなアクリ
ル系重合体は、下記を主たる構成単位とするものであ
る。
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸の他、後述する一般式(IV)で表され
る重合性不飽和化合物が挙げられる。このようなアクリ
ル系重合体は、下記を主たる構成単位とするものであ
る。
【0012】
【化1】
【0013】上記の末端水酸基は、−CH2 OH又は−
CH(OH)COOHとして分子末端に存在するもので
あり、 1H−NMRにおける末端水酸基に隣接するプロ
トンの積算値は、−CH2 OHの下線部のプロトンに由
来する3.80〜3.90ppmのピーク面積と−CH
(OH)COOHの下線部のプロトンに由来する3.9
4〜4.10ppmのピーク面積との和(以下、bとす
る。)に相当する。
CH(OH)COOHとして分子末端に存在するもので
あり、 1H−NMRにおける末端水酸基に隣接するプロ
トンの積算値は、−CH2 OHの下線部のプロトンに由
来する3.80〜3.90ppmのピーク面積と−CH
(OH)COOHの下線部のプロトンに由来する3.9
4〜4.10ppmのピーク面積との和(以下、bとす
る。)に相当する。
【0014】また、上記の分子鎖のメチレン及びメチン
のプロトンの積算値は、主鎖及び側鎖のメチレン及びメ
チンのプロトン、OH末端に隣接するプロトン、後述す
るエステル結合に隣接するプロトンを有する場合はこれ
を含むものであり、下記の下線で示すようなプロトンに
由来する1.0〜3.6ppmのピーク面積(以下、a
とする。)と上記のbと後述のcとの和に相当する。
のプロトンの積算値は、主鎖及び側鎖のメチレン及びメ
チンのプロトン、OH末端に隣接するプロトン、後述す
るエステル結合に隣接するプロトンを有する場合はこれ
を含むものであり、下記の下線で示すようなプロトンに
由来する1.0〜3.6ppmのピーク面積(以下、a
とする。)と上記のbと後述のcとの和に相当する。
【0015】
【化2】
【0016】本発明の末端水酸基に隣接するプロトンの
積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算
値に対して0.5〜10%の範囲にあるとは、上記の
〔b/(a+b+c)〕×100(%)が0.5〜10
%の範囲にあることである。これが0.5%未満では、
十分な生分解性が得られず、10%を超えるとCa捕捉
能が低下する。好ましくは、1〜5%の範囲である。
積算値が分子鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算
値に対して0.5〜10%の範囲にあるとは、上記の
〔b/(a+b+c)〕×100(%)が0.5〜10
%の範囲にあることである。これが0.5%未満では、
十分な生分解性が得られず、10%を超えるとCa捕捉
能が低下する。好ましくは、1〜5%の範囲である。
【0017】また、本発明のアクリル系重合体の好まし
い態様としては、分子鎖(主鎖及び側鎖を含む。)に複
数のエステル結合を有するものであり、このエステル結
合した箇所が生分解性の向上に役立っていると考える。
この分子鎖のエステル結合とは、公知のポリアクリル酸
メチル等のメチルエステル、エチルエステル等を意味す
るものではなく、下記の重合体の代表例に示す分子鎖の
−COO−(−CH2 −CR4 (COOX)−)k −を
意味するものである。
い態様としては、分子鎖(主鎖及び側鎖を含む。)に複
数のエステル結合を有するものであり、このエステル結
合した箇所が生分解性の向上に役立っていると考える。
この分子鎖のエステル結合とは、公知のポリアクリル酸
メチル等のメチルエステル、エチルエステル等を意味す
るものではなく、下記の重合体の代表例に示す分子鎖の
−COO−(−CH2 −CR4 (COOX)−)k −を
意味するものである。
【0018】さらに、 1H−NMRで測定したエステル
結合部の−COO−CH2 −のプロトンの積算値が分子
鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算値に対して1
〜20%の範囲にあるものが好ましい。この−COO−
CH2 −のプロトンの積算値は、−COO−CH2 −の
下線で示すプロトンに由来する4.4〜4.7ppmの
ピーク面積(以下、cとする。)に相当する。
結合部の−COO−CH2 −のプロトンの積算値が分子
鎖のメチレン及びメチンのプロトンの積算値に対して1
〜20%の範囲にあるものが好ましい。この−COO−
CH2 −のプロトンの積算値は、−COO−CH2 −の
下線で示すプロトンに由来する4.4〜4.7ppmの
ピーク面積(以下、cとする。)に相当する。
【0019】また、分子鎖のメチレン及びメチンのプロ
トンの積算値は上記の(a+b+c)に相当し、上記の
1〜20%の範囲にあるとは、〔c/(a+b+c)〕
×100(%)が1〜20%の範囲にあることである。
これが1%未満では、十分な生分解性が得られない場合
があり、20%を超えるとCa捕捉能や無機顔料等の分
散作用が低下する場合がある。好ましくは、2〜10%
の範囲である。
トンの積算値は上記の(a+b+c)に相当し、上記の
1〜20%の範囲にあるとは、〔c/(a+b+c)〕
×100(%)が1〜20%の範囲にあることである。
これが1%未満では、十分な生分解性が得られない場合
があり、20%を超えるとCa捕捉能や無機顔料等の分
散作用が低下する場合がある。好ましくは、2〜10%
の範囲である。
【0020】本発明の代表例として、以下のような重合
体が挙げられる。
体が挙げられる。
【0021】
【化3】
【0022】また、本発明のアクリル系重合体は後述す
るGPCで測定した数平均分子量が300〜100,0
00であるものが好ましい。300未満ではキレート性
能の実用性に問題が生じ、100,000を超えると生
分解性に問題が生じる場合がある。本発明のアクリル系
重合体を製造する方法の代表例としては、一般式(I)
るGPCで測定した数平均分子量が300〜100,0
00であるものが好ましい。300未満ではキレート性
能の実用性に問題が生じ、100,000を超えると生
分解性に問題が生じる場合がある。本発明のアクリル系
重合体を製造する方法の代表例としては、一般式(I)
【0023】
【化4】
【0024】で示される過カルボン酸を重合開始剤とし
てアクリル系モノマーを重合させる製造方法である。前
記一般式(I) において、R1 及びR2 は水素原子又はメ
チル基を示し、R3は水素原子又は−COOX(Xは水
素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を示
す。)を示す。
てアクリル系モノマーを重合させる製造方法である。前
記一般式(I) において、R1 及びR2 は水素原子又はメ
チル基を示し、R3は水素原子又は−COOX(Xは水
素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を示
す。)を示す。
【0025】上記の過カルボン酸は、以下のように開裂
し、生成したラジカルが重合開始剤となると共に、末端
停止剤ともなるので、成長した重合体ラジカルと水酸基
ラジカルの停止反応等で分子中に末端水酸基が生成して
いくと推測される。
し、生成したラジカルが重合開始剤となると共に、末端
停止剤ともなるので、成長した重合体ラジカルと水酸基
ラジカルの停止反応等で分子中に末端水酸基が生成して
いくと推測される。
【0026】
【化5】
【0027】また、上記のような過カルボン酸が分子鎖
中に取り込まれ、そこからさらにアクリル系モノマーの
重合が開始し、結果として分岐構造を生成するものと推
測される。なお、この開始点となる箇所がエステル結合
となる。上記の過カルボン酸は、該過カルボン酸が得ら
れるアクリル系モノマーと過酸化水素を反応させて生成
されるのが好ましく、過酸化水素としては、通常、25
〜75重量%過酸化水素水、好ましくは30〜70重量
%過酸化水素水が用いられる。
中に取り込まれ、そこからさらにアクリル系モノマーの
重合が開始し、結果として分岐構造を生成するものと推
測される。なお、この開始点となる箇所がエステル結合
となる。上記の過カルボン酸は、該過カルボン酸が得ら
れるアクリル系モノマーと過酸化水素を反応させて生成
されるのが好ましく、過酸化水素としては、通常、25
〜75重量%過酸化水素水、好ましくは30〜70重量
%過酸化水素水が用いられる。
【0028】本発明のアクリル系重合体は、アクリル系
モノマーの単独重合体であってもよいし、二種以上のア
クリル系モノマーからなる重合体であってもよい。二種
以上を組み合わせてできた重合体の場合、その割合は重
合時に供給されるモノマー量等により、任意に選択する
ことができる。このアクリル系モノマーが、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸
等(以下、アクリル酸類)の場合は、強酸又は有機スル
ホン酸を全重量の1〜10重量%添加するのがよい。こ
れらを添加することで過カルボン酸の生成を促進するこ
とができる。
モノマーの単独重合体であってもよいし、二種以上のア
クリル系モノマーからなる重合体であってもよい。二種
以上を組み合わせてできた重合体の場合、その割合は重
合時に供給されるモノマー量等により、任意に選択する
ことができる。このアクリル系モノマーが、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸
等(以下、アクリル酸類)の場合は、強酸又は有機スル
ホン酸を全重量の1〜10重量%添加するのがよい。こ
れらを添加することで過カルボン酸の生成を促進するこ
とができる。
【0029】前記強酸としては、硫酸、発煙硫酸、過塩
素酸、硝酸、塩酸、フルオロ硫酸の他、水溶液系での酸
解離指数pKaが3以下のものを挙げることができる。
また、有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、スルホン酸型イオン交換樹脂等を
挙げることができる。これらの中では、硫酸が好まし
い。
素酸、硝酸、塩酸、フルオロ硫酸の他、水溶液系での酸
解離指数pKaが3以下のものを挙げることができる。
また、有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、スルホン酸型イオン交換樹脂等を
挙げることができる。これらの中では、硫酸が好まし
い。
【0030】この重合方法としては、水性媒体中におい
て、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、又はフマル酸等と過酸化水素と共存させ、それらの
過カルボン酸を生成させながら、前記のアクリル酸類と
重合させていく方法がある。これは過酸化水素濃度、強
酸又は有機スルホン酸の添加の有無等の条件にもよる
が、重合系のpHを7以下、好ましくは5以下に保ちな
がら、通常30〜120℃、好ましくは70〜100℃
の範囲の温度において行うのがよい。重合系のpHを7
を超えると所望のアクリル系重合体が得られにくい。
て、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、又はフマル酸等と過酸化水素と共存させ、それらの
過カルボン酸を生成させながら、前記のアクリル酸類と
重合させていく方法がある。これは過酸化水素濃度、強
酸又は有機スルホン酸の添加の有無等の条件にもよる
が、重合系のpHを7以下、好ましくは5以下に保ちな
がら、通常30〜120℃、好ましくは70〜100℃
の範囲の温度において行うのがよい。重合系のpHを7
を超えると所望のアクリル系重合体が得られにくい。
【0031】この重合反応においては、所望により、重
合開始剤の過酸化水素と共に、水溶性還元剤を併用する
ことができる。この水溶性還元剤としては、例えばエチ
レンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、あるいはこれらと鉄,銅,クロムなどの重金属との
錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、L−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩,カリ
ウム塩,カルシウム塩,ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホル
ムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類など
が挙げられる。これらは一種用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特に、L−
アスコルビン酸及びそのナトリウム塩,カリウム塩,カ
ルシウム塩が好適である。この際、硫酸又は有機スルホ
ン酸を全重量で0.1〜10重量%添加してもよい。有
機スルホン酸としてはベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、スルホン酸型イオン交換樹脂が好適である。
合開始剤の過酸化水素と共に、水溶性還元剤を併用する
ことができる。この水溶性還元剤としては、例えばエチ
レンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、あるいはこれらと鉄,銅,クロムなどの重金属との
錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、L−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩,カリ
ウム塩,カルシウム塩,ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホル
ムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類など
が挙げられる。これらは一種用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特に、L−
アスコルビン酸及びそのナトリウム塩,カリウム塩,カ
ルシウム塩が好適である。この際、硫酸又は有機スルホ
ン酸を全重量で0.1〜10重量%添加してもよい。有
機スルホン酸としてはベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸、スルホン酸型イオン交換樹脂が好適である。
【0032】また、この重合反応は、所望により、連鎖
移動剤の存在下に行ってもよい。この連鎖移動剤の種類
については特に制限はなく、従来、アクリル酸類の水溶
液重合において慣用されているものの中から、任意に一
種以上選択して用いることができるが、特にメルカプト
エタノールが好適である。重合時間は、重合温度やその
他の条件により異なり、一概に定めることができない
が、通常は30分〜10時間程度である。
移動剤の存在下に行ってもよい。この連鎖移動剤の種類
については特に制限はなく、従来、アクリル酸類の水溶
液重合において慣用されているものの中から、任意に一
種以上選択して用いることができるが、特にメルカプト
エタノールが好適である。重合時間は、重合温度やその
他の条件により異なり、一概に定めることができない
が、通常は30分〜10時間程度である。
【0033】重合反応終了後、生成した重合体は、その
まま、あるいはアルカリ金属の水酸化物やアンモニアを
用いて部分若しくは完全アルカリ金属塩やアンモニウム
塩に導いたのち、常法に従って単離することにより、所
望のアクリル系重合体が得られるが、前記のごとく単離
せず、重合に使用した化合物とかその分解物が混在した
状態で生分解性ビルダーに供することができる。
まま、あるいはアルカリ金属の水酸化物やアンモニアを
用いて部分若しくは完全アルカリ金属塩やアンモニウム
塩に導いたのち、常法に従って単離することにより、所
望のアクリル系重合体が得られるが、前記のごとく単離
せず、重合に使用した化合物とかその分解物が混在した
状態で生分解性ビルダーに供することができる。
【0034】もう1つの重合方法としては、先ず、水性
媒体中において、アクリル酸類を過酸化水素又は、過酸
化水素と硫酸又は有機スルホン酸の存在下でpH5以下
にて処理したのち、この処理物を、アクリル酸類と混合
し、次いで得られた混合物の重合系のpHを7以下、好
ましくは5以下に保ちながら、通常30〜120℃、好
ましくは70〜100℃の範囲の温度おいて、30分〜
10時間程度水溶液重合させる方法がある。
媒体中において、アクリル酸類を過酸化水素又は、過酸
化水素と硫酸又は有機スルホン酸の存在下でpH5以下
にて処理したのち、この処理物を、アクリル酸類と混合
し、次いで得られた混合物の重合系のpHを7以下、好
ましくは5以下に保ちながら、通常30〜120℃、好
ましくは70〜100℃の範囲の温度おいて、30分〜
10時間程度水溶液重合させる方法がある。
【0035】この方法において、水性媒体中でのアクリ
ル酸類の過酸化水素又は過酸化水素と強酸又は有機スル
ホン酸による処理は、25〜95℃程度の温度で、通常
10分〜3時間程度行われる。この処理の際、pHが5
を超えると所望のアクリル酸系重合体が得られにくく、
また、次の段階での重合反応において、重合系のpHが
7を超えると同様に所望のアクリル系重合体が得られに
くい。
ル酸類の過酸化水素又は過酸化水素と強酸又は有機スル
ホン酸による処理は、25〜95℃程度の温度で、通常
10分〜3時間程度行われる。この処理の際、pHが5
を超えると所望のアクリル酸系重合体が得られにくく、
また、次の段階での重合反応において、重合系のpHが
7を超えると同様に所望のアクリル系重合体が得られに
くい。
【0036】また、この方法において、過酸化水素とし
ては、通常は過酸化水素水が用いられるが、反応系で過
酸化水素を生成する水溶性無機過酸化物なども用いるこ
とができる。さらに、有機スルホン酸としては前述の通
りである。さらに、この重合反応においては、前記の反
応の場合と同様に、所望により、水溶性還元剤や連鎖移
動剤の存在下に、水溶液重合を行ってもよい。また、重
合反応終了後、生成した重合体は、そのまま、あるいは
アルカリ金属の水酸化物やアンモニアを用いて部分若し
くは完全アルカリ金属塩やアンモニウム塩に導いたの
ち、常法に従って単離することにより、所望のアクリル
系重合体が得られるが、前記のごとく単離せず、重合に
使用した化合物とかその分解物が混在した状態で生分解
性ビルダーに供することができる。
ては、通常は過酸化水素水が用いられるが、反応系で過
酸化水素を生成する水溶性無機過酸化物なども用いるこ
とができる。さらに、有機スルホン酸としては前述の通
りである。さらに、この重合反応においては、前記の反
応の場合と同様に、所望により、水溶性還元剤や連鎖移
動剤の存在下に、水溶液重合を行ってもよい。また、重
合反応終了後、生成した重合体は、そのまま、あるいは
アルカリ金属の水酸化物やアンモニアを用いて部分若し
くは完全アルカリ金属塩やアンモニウム塩に導いたの
ち、常法に従って単離することにより、所望のアクリル
系重合体が得られるが、前記のごとく単離せず、重合に
使用した化合物とかその分解物が混在した状態で生分解
性ビルダーに供することができる。
【0037】一方、アクリル系モノマーに、酸無水物の
無水マレイン酸を用いる場合は、過酸化水素が無水マレ
イン酸を開環し、重合開始剤として機能しているものと
考える。つまり、開環して形成された過カルボン酸とア
クリル酸類又は無水マレイン酸との反応により、本発明
のアクリル系重合体が生成するものと考える。この場合
は無水マレイン酸残基が分子末端又は側鎖末端に有する
アクリル系重合体が生成するものと推測される。
無水マレイン酸を用いる場合は、過酸化水素が無水マレ
イン酸を開環し、重合開始剤として機能しているものと
考える。つまり、開環して形成された過カルボン酸とア
クリル酸類又は無水マレイン酸との反応により、本発明
のアクリル系重合体が生成するものと考える。この場合
は無水マレイン酸残基が分子末端又は側鎖末端に有する
アクリル系重合体が生成するものと推測される。
【0038】また、アクリル酸類と過酸化水素との反応
物の存在下、上記の無水マレイン酸を反応させ、上記ア
クリル酸類を重合させて製造することもできる。この場
合は無水マレイン酸残基が分子末端又は側鎖末端に有す
るアクリル系重合体と該末端を有しないアクリル系重合
体が生成するものと推測される。無水マレイン酸と過酸
化水素の反応は、濃度は20〜80重量%、温度は20
〜60℃、時間は1分〜5時間が好適である。
物の存在下、上記の無水マレイン酸を反応させ、上記ア
クリル酸類を重合させて製造することもできる。この場
合は無水マレイン酸残基が分子末端又は側鎖末端に有す
るアクリル系重合体と該末端を有しないアクリル系重合
体が生成するものと推測される。無水マレイン酸と過酸
化水素の反応は、濃度は20〜80重量%、温度は20
〜60℃、時間は1分〜5時間が好適である。
【0039】キレート能力及び生分解性の面や過カルボ
ン酸の生成率、分子量の制御等の重合の面から、無水マ
レイン酸を25〜75mol%とアクリル酸類を75〜
25%とする組み合わせが好ましい。この重合方法にお
いては、無水マレイン酸と過酸化水素の反応物である過
マレイン酸は、アクリル系モノマーの重合開始剤として
使用され、従来方法に比較して、H2 O2 が効率よく使
用され、生成重合体中にほとんど残留しないことが可能
になる。また、これらの方法により、着色のない、アク
リル系重合体、特に低分子量のオリゴマーの合成が容易
になる。
ン酸の生成率、分子量の制御等の重合の面から、無水マ
レイン酸を25〜75mol%とアクリル酸類を75〜
25%とする組み合わせが好ましい。この重合方法にお
いては、無水マレイン酸と過酸化水素の反応物である過
マレイン酸は、アクリル系モノマーの重合開始剤として
使用され、従来方法に比較して、H2 O2 が効率よく使
用され、生成重合体中にほとんど残留しないことが可能
になる。また、これらの方法により、着色のない、アク
リル系重合体、特に低分子量のオリゴマーの合成が容易
になる。
【0040】重合反応終了後、生成した重合体は、その
まま、あるいはアルカリ金属の水酸化物やアンモニアを
用いて部分若しくは完全アルカリ金属塩やアンモニウム
塩に導いたのち、常法に従って単離することにより、所
望のアクリル系重合体が得られるが、前記のごとく単離
せず、重合に使用した化合物とかその分解物が混在した
状態で生分解性ビルダーに供することができる。
まま、あるいはアルカリ金属の水酸化物やアンモニアを
用いて部分若しくは完全アルカリ金属塩やアンモニウム
塩に導いたのち、常法に従って単離することにより、所
望のアクリル系重合体が得られるが、前記のごとく単離
せず、重合に使用した化合物とかその分解物が混在した
状態で生分解性ビルダーに供することができる。
【0041】さらに、アクリル系重合体は、上記のアク
リル酸類及び無水マレイン酸の他に一般式(IV)
リル酸類及び無水マレイン酸の他に一般式(IV)
【0042】
【化6】
【0043】(式中、R6 は水素原子、メチル基、−O
H基又は−COOXを示す。Y及びZは、それぞれ水素
原子、塩素原子、−COOX、−SO3 X、−OH、−
OCOR7 、−COR7 、−CONH2 、−COOOH
又は−CHOを示す。Xは上記と同じ。R7 は炭素数1
〜12のアルキル基を示す。また、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸を除く。)
で表される重合性不飽和化合物を加え、重合開始剤とし
て過酸化水素又は過酸化水素と強酸又は有機スルホン酸
を用い、前述したアクリル系重合体の製造方法と同様に
して水溶液重合することにより、所望のアクリル系重合
体が得られる。
H基又は−COOXを示す。Y及びZは、それぞれ水素
原子、塩素原子、−COOX、−SO3 X、−OH、−
OCOR7 、−COR7 、−CONH2 、−COOOH
又は−CHOを示す。Xは上記と同じ。R7 は炭素数1
〜12のアルキル基を示す。また、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸を除く。)
で表される重合性不飽和化合物を加え、重合開始剤とし
て過酸化水素又は過酸化水素と強酸又は有機スルホン酸
を用い、前述したアクリル系重合体の製造方法と同様に
して水溶液重合することにより、所望のアクリル系重合
体が得られる。
【0044】上記一般式(IV) で表される重合性不飽和
化合物としては、例えばイタコン酸、α−ヒドロキシア
クリル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニ
ルトルエンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩(ナ
トリウム塩等)、アンモニウム塩、炭素数1〜12のア
ルコールのエステル(アリルアルコール、メタリルアル
コール等のエステルを含む)の他、アクリルアミド、ア
クロレインなどを挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物としては、例えばイタコン酸、α−ヒドロキシア
クリル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニ
ルトルエンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩(ナ
トリウム塩等)、アンモニウム塩、炭素数1〜12のア
ルコールのエステル(アリルアルコール、メタリルアル
コール等のエステルを含む)の他、アクリルアミド、ア
クロレインなどを挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】また、アクリル酸系重合体は、前述したア
クリル酸系重合体の製造方法と同様に、水性媒体中にお
いて、アクリル酸類を過酸化水素又は過酸化水素と強酸
又は有機スルホン酸の存在下でpH5以下で処理し、次
いでこの処理物を、上記アクリル酸類と上記一般式(I
V) で表される重合性不飽和化合物と混合し、その後、
得られた混合物を重合系のpHを7以下に保ちながら水
溶液重合させることによっても、製造することができ
る。
クリル酸系重合体の製造方法と同様に、水性媒体中にお
いて、アクリル酸類を過酸化水素又は過酸化水素と強酸
又は有機スルホン酸の存在下でpH5以下で処理し、次
いでこの処理物を、上記アクリル酸類と上記一般式(I
V) で表される重合性不飽和化合物と混合し、その後、
得られた混合物を重合系のpHを7以下に保ちながら水
溶液重合させることによっても、製造することができ
る。
【0046】さらに、酸無水物の無水マレイン酸を用い
た場合も、上述の同様に過酸化水素で無水マレイン酸を
開環し、過マレイン酸を生成させ、それを重合開始剤と
して、それとアクリル酸類及び重合性不飽和化合物を反
応させればよいし、また、アクリル酸類及び重合性不飽
和化合物と過酸化水素との反応物の存在下、上記の無水
マレイン酸と過酸化水素を反応させ、アクリル酸類を重
合させて製造することもできる。この場合は、上記無水
マレイン酸残基の末端基を分子末端又は側鎖末端に有す
るアクリル系重合体及び重合性不飽和化合物からなる構
造単位も有するアクリル系重合体と該末端基を有しない
アクリル系重合体及び重合性不飽和化合物からなる構造
単位を有するアクリル系重合体の混合物が生成するもの
と推測される。
た場合も、上述の同様に過酸化水素で無水マレイン酸を
開環し、過マレイン酸を生成させ、それを重合開始剤と
して、それとアクリル酸類及び重合性不飽和化合物を反
応させればよいし、また、アクリル酸類及び重合性不飽
和化合物と過酸化水素との反応物の存在下、上記の無水
マレイン酸と過酸化水素を反応させ、アクリル酸類を重
合させて製造することもできる。この場合は、上記無水
マレイン酸残基の末端基を分子末端又は側鎖末端に有す
るアクリル系重合体及び重合性不飽和化合物からなる構
造単位も有するアクリル系重合体と該末端基を有しない
アクリル系重合体及び重合性不飽和化合物からなる構造
単位を有するアクリル系重合体の混合物が生成するもの
と推測される。
【0047】以上のようにして得られたアクリル酸系重
合体を主成分とする本発明の生分解性ビルダーは、キレ
ート能力に優れるとともに、生分解性を有し、洗浄剤ビ
ルダーとして好適に用いられ、また、界面活性剤との併
用により、生分解性を有する洗剤組成物を得ることがで
きる。また、本発明のアクリル系重合体を常法によりア
ルカリで中和したものは、カルボキシル基を有すること
から親水性があり、また上述のような構造から生分解性
もあり、紙コーティングに用いられる炭酸カルシウム、
クレイ等の無機顔料の分散剤として極めて有用である。
好ましくは、アクリル系モノマーを主鎖とする数平均分
子量が300〜100,000の重合体をアルカリで中
和したものである。本発明のアクリル系重合体を中和す
るには、NaOH、KOH等の水溶液を用いるとよい。
合体を主成分とする本発明の生分解性ビルダーは、キレ
ート能力に優れるとともに、生分解性を有し、洗浄剤ビ
ルダーとして好適に用いられ、また、界面活性剤との併
用により、生分解性を有する洗剤組成物を得ることがで
きる。また、本発明のアクリル系重合体を常法によりア
ルカリで中和したものは、カルボキシル基を有すること
から親水性があり、また上述のような構造から生分解性
もあり、紙コーティングに用いられる炭酸カルシウム、
クレイ等の無機顔料の分散剤として極めて有用である。
好ましくは、アクリル系モノマーを主鎖とする数平均分
子量が300〜100,000の重合体をアルカリで中
和したものである。本発明のアクリル系重合体を中和す
るには、NaOH、KOH等の水溶液を用いるとよい。
【0048】この分散剤を使用する際は、これのみでも
よいが、他の配合剤としてポリビニルアルコール等を本
発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。この分
散剤を炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料100重量
部に対して、0.05〜2.0重量部の割合で添加して
水中に分散することにより、それらの混合液を低粘度で
しかも高流動性にすることができる。
よいが、他の配合剤としてポリビニルアルコール等を本
発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。この分
散剤を炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料100重量
部に対して、0.05〜2.0重量部の割合で添加して
水中に分散することにより、それらの混合液を低粘度で
しかも高流動性にすることができる。
【0049】また、本発明のアクリル系重合体は、キレ
ート能力を有することから、冷却水系、ボイラー水系等
の装置におけるスケール防止剤としても有用である。さ
らに、本発明のアクリル系重合体は、生分解性が良好で
あることから、排水が外界に出ても環境への影響も少な
い。
ート能力を有することから、冷却水系、ボイラー水系等
の装置におけるスケール防止剤としても有用である。さ
らに、本発明のアクリル系重合体は、生分解性が良好で
あることから、排水が外界に出ても環境への影響も少な
い。
【0050】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、重合体の数平均分子量、 1H−
NMRによる測定、生分解率、Caイオンキレート能
力、及び分散作用は、以下の方法により求めた。 (1)数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により、ポリアクリル酸を標準物質として測定した。測
定条件としては、ウォーターズ社製ALC/GPC 1
50C装置(検出器:内蔵示差屈折計、カラム:ASA
HIPAK(GSM−700+GS310)を用いて、
移動相はアセトニトリル/50mM酢酸ナトリウム=3
/7、カラム温度は40℃、流速は0.7ml/mi
n、注入量は200μlとした。
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、重合体の数平均分子量、 1H−
NMRによる測定、生分解率、Caイオンキレート能
力、及び分散作用は、以下の方法により求めた。 (1)数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により、ポリアクリル酸を標準物質として測定した。測
定条件としては、ウォーターズ社製ALC/GPC 1
50C装置(検出器:内蔵示差屈折計、カラム:ASA
HIPAK(GSM−700+GS310)を用いて、
移動相はアセトニトリル/50mM酢酸ナトリウム=3
/7、カラム温度は40℃、流速は0.7ml/mi
n、注入量は200μlとした。
【0051】(2) 1H−NMRによる測定 末端水酸基量、分子鎖中のプロトン量及びエステル結合
の量は上述のように 1H−NMRにより測定した。この
測定は、日本電子製GSX−400装置を用いて、重水
の溶媒で重合体濃度4%とした溶液を直径5mmφの試
験管に入れ、室温、400MHz、SGNONモードに
て、32回の積算により行った。
の量は上述のように 1H−NMRにより測定した。この
測定は、日本電子製GSX−400装置を用いて、重水
の溶媒で重合体濃度4%とした溶液を直径5mmφの試
験管に入れ、室温、400MHz、SGNONモードに
て、32回の積算により行った。
【0052】(3)生分解率 生物化学的酸素要求量(BOD)は、JIS規格K69
50に準じて25℃で28日間攪拌させた際に消費され
る溶存酸素の量から求め、次式に従って生分解率を算出
した。 生分解率(%)=(BOD/TOD)×100 BOD:試料の生物化学的酸素要求量 TOD:試料の理論的酸素要求量 (4)Caイオンキレート能力(Ca++捕捉能) 100ミリリットルのビーカーに、重合体20mgを入
れ、さらに塩化カルシウム0.001モル/リットル、
塩化カリウム0.10モル/リットル、塩化アンモニウ
ム0.10モル/リットル、及びアンモニア0.40モ
ル/リットルとを含有する水溶液100ミリリットルを
入れ、25℃の恒温槽中で混合し、水溶液中の二価のC
aイオン濃度をイオンメーターにより測定した。これを
重合体1gによって捕捉されるCaCO3 に換算し、C
a++捕捉能(mg・CaCO3 /g)として表した。
50に準じて25℃で28日間攪拌させた際に消費され
る溶存酸素の量から求め、次式に従って生分解率を算出
した。 生分解率(%)=(BOD/TOD)×100 BOD:試料の生物化学的酸素要求量 TOD:試料の理論的酸素要求量 (4)Caイオンキレート能力(Ca++捕捉能) 100ミリリットルのビーカーに、重合体20mgを入
れ、さらに塩化カルシウム0.001モル/リットル、
塩化カリウム0.10モル/リットル、塩化アンモニウ
ム0.10モル/リットル、及びアンモニア0.40モ
ル/リットルとを含有する水溶液100ミリリットルを
入れ、25℃の恒温槽中で混合し、水溶液中の二価のC
aイオン濃度をイオンメーターにより測定した。これを
重合体1gによって捕捉されるCaCO3 に換算し、C
a++捕捉能(mg・CaCO3 /g)として表した。
【0053】(5)分散作用の評価 分散作用は、炭酸カルシウム(関東化学製)と水の比を
60:40(重量比)になるように調整したスラリー
に、Na塩とした重合体を炭酸カルシウムに対して0.
3重量%となる量を添加し、3分間攪拌し、1分間静置
した後の粘度をB型回転粘度計(リオン社製ビスコメー
タVT−04)で測定した。なお、重合体を添加しない
場合は、10dPa・sであった。
60:40(重量比)になるように調整したスラリー
に、Na塩とした重合体を炭酸カルシウムに対して0.
3重量%となる量を添加し、3分間攪拌し、1分間静置
した後の粘度をB型回転粘度計(リオン社製ビスコメー
タVT−04)で測定した。なお、重合体を添加しない
場合は、10dPa・sであった。
【0054】〔実施例1〕フラスコに、無水マレイン酸
3.922g及び60%過酸化水素水2.26gを入
れ、室温で混合し、均一溶液とした。次に、この溶液と
アクリル酸4.32gを100℃に加熱したセパラブル
フラスコ中に滴下した。滴下中は攪拌を行い、滴下終了
後も同じ温度で加熱攪拌を2時間続けた。反応終了後、
冷却し、凍結乾燥により重合体を単離した。このものを
前記の 1H−NMRによる測定に従い得たチャートを図
1に示す。また、4ppm近傍を拡大したものを図2に
示す。
3.922g及び60%過酸化水素水2.26gを入
れ、室温で混合し、均一溶液とした。次に、この溶液と
アクリル酸4.32gを100℃に加熱したセパラブル
フラスコ中に滴下した。滴下中は攪拌を行い、滴下終了
後も同じ温度で加熱攪拌を2時間続けた。反応終了後、
冷却し、凍結乾燥により重合体を単離した。このものを
前記の 1H−NMRによる測定に従い得たチャートを図
1に示す。また、4ppm近傍を拡大したものを図2に
示す。
【0055】図2において、3.94〜4.10ppm
にみられる一群のピークは、乳酸等のモデル化合物の分
析結果から−CH2 CH(OH)COOHの下線部のプ
ロトンに由来するものであると判断される。また、3.
80〜3.90ppmにみられる2つのピークは、−C
H2 OHの下線部のプロトンに由来するものであると判
断される。これは、重合体の末端には−COO−CH
(COOH)−CH2 OHが生成すると考えられ、低分
子モデル化合物として、CH3 COO−CH(COO
H)−CH2 OH等を用いた分析結果から、4.37p
pmのピークは、−COO−CH(COOH)−の下線
部のプロトンに由来するものと判断され、またこれと上
記の3.80〜3.90ppmのピークは隣接炭素に結
合するプロトンであることから、−CH2 OHの下線部
のプロトンに由来するものと判断される。このように末
端水酸基に隣接するプロトンに由来するピークは、3.
80〜4.10ppmの範囲にみられるものと判断され
る。
にみられる一群のピークは、乳酸等のモデル化合物の分
析結果から−CH2 CH(OH)COOHの下線部のプ
ロトンに由来するものであると判断される。また、3.
80〜3.90ppmにみられる2つのピークは、−C
H2 OHの下線部のプロトンに由来するものであると判
断される。これは、重合体の末端には−COO−CH
(COOH)−CH2 OHが生成すると考えられ、低分
子モデル化合物として、CH3 COO−CH(COO
H)−CH2 OH等を用いた分析結果から、4.37p
pmのピークは、−COO−CH(COOH)−の下線
部のプロトンに由来するものと判断され、またこれと上
記の3.80〜3.90ppmのピークは隣接炭素に結
合するプロトンであることから、−CH2 OHの下線部
のプロトンに由来するものと判断される。このように末
端水酸基に隣接するプロトンに由来するピークは、3.
80〜4.10ppmの範囲にみられるものと判断され
る。
【0056】次に、上記の単離した重合体の0.5gを
2.5mlの重水素化溶媒(DMF−d7)に溶解した
後、250mlの塩化メチレン中に滴下し析出した重合
体をろ別し、40℃で18時間、真空乾燥して、再沈精
製した。このものを前記の 1H−NMRによる測定に従
い得たチャートを図3に示す。精製により低分子量体成
分が除かれたため、分子鎖の量に対する末端量が減少す
ることになり、3.80〜4.10ppmの範囲のピー
ク面積も小さくなり、全体的にブロードなピークとなっ
ている。
2.5mlの重水素化溶媒(DMF−d7)に溶解した
後、250mlの塩化メチレン中に滴下し析出した重合
体をろ別し、40℃で18時間、真空乾燥して、再沈精
製した。このものを前記の 1H−NMRによる測定に従
い得たチャートを図3に示す。精製により低分子量体成
分が除かれたため、分子鎖の量に対する末端量が減少す
ることになり、3.80〜4.10ppmの範囲のピー
ク面積も小さくなり、全体的にブロードなピークとなっ
ている。
【0057】また、このチャートから分子鎖中のプロト
ンに由来するピークの積算値に対する末端水酸基に隣接
するプロトンに由来するピークの積算値の比〔b/(a
+b+c)〕又はエステル結合部の−COO−CH2 −
のプロトンに由来するピークの積算値の比〔c/(a+
b+c)〕を算出した。これらの結果を第1表にまとめ
る。さらに、得られた重合体をNaOHによりNa塩と
したものの分散作用を評価した。これも第1表に示す。
ンに由来するピークの積算値に対する末端水酸基に隣接
するプロトンに由来するピークの積算値の比〔b/(a
+b+c)〕又はエステル結合部の−COO−CH2 −
のプロトンに由来するピークの積算値の比〔c/(a+
b+c)〕を算出した。これらの結果を第1表にまとめ
る。さらに、得られた重合体をNaOHによりNa塩と
したものの分散作用を評価した。これも第1表に示す。
【0058】〔実施例2及び3〕使用した無水マレイン
酸、60%過酸化水素水、及びアクリル酸の量又は重合
温度を第1表に示すように変えた以外は、実施例1と同
様にして重合を行い、単離した。得られた重合体の性状
等も第1表に示した。また、実施例1と同様にしてNa
塩としたものの分散作用を評価した。これも第1表に示
した。
酸、60%過酸化水素水、及びアクリル酸の量又は重合
温度を第1表に示すように変えた以外は、実施例1と同
様にして重合を行い、単離した。得られた重合体の性状
等も第1表に示した。また、実施例1と同様にしてNa
塩としたものの分散作用を評価した。これも第1表に示
した。
【0059】〔比較例1〕100mlセパラブルフラス
コにFeCl3 ・4H2 0を1mg、無水マレイン酸を
9.8g、NaOHを1.0gを入れ、120℃のオイ
ルバスで加熱攪拌した。次に、この溶液中にアクリル酸
7.7gと60%過酸化水素水3.46gからなる溶液
を1時間かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度で加熱
攪拌を1時間続けた。反応終了後、冷却し、凍結乾燥に
より重合体を単離した。得られた重合体の性状等は第1
表に示した。また、実施例1と同様にしてNa塩とした
ものの分散作用を評価した。これも第1表に示した。
コにFeCl3 ・4H2 0を1mg、無水マレイン酸を
9.8g、NaOHを1.0gを入れ、120℃のオイ
ルバスで加熱攪拌した。次に、この溶液中にアクリル酸
7.7gと60%過酸化水素水3.46gからなる溶液
を1時間かけて滴下した。滴下終了後も同じ温度で加熱
攪拌を1時間続けた。反応終了後、冷却し、凍結乾燥に
より重合体を単離した。得られた重合体の性状等は第1
表に示した。また、実施例1と同様にしてNa塩とした
ものの分散作用を評価した。これも第1表に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明のアクリル系重合体は、末端水酸
基を特定量有するもので、キレート能力に優れ、生分解
性を有する。また、分子鎖中に特定量のエステル結合を
有するものは、生分解性が優れる。このアクリル系重合
体は、生分解性ビルダーとして有用であり、アルカリで
中和したものは分散剤としても有用である。また、本発
明のアクリル系重合体は、製造方法も簡単であり、経済
的に有利である。
基を特定量有するもので、キレート能力に優れ、生分解
性を有する。また、分子鎖中に特定量のエステル結合を
有するものは、生分解性が優れる。このアクリル系重合
体は、生分解性ビルダーとして有用であり、アルカリで
中和したものは分散剤としても有用である。また、本発
明のアクリル系重合体は、製造方法も簡単であり、経済
的に有利である。
【図1】実施例1で得られたアクリル系重合体の 1H−
NMRチャート(重水溶媒)。
NMRチャート(重水溶媒)。
【図2】図1の4ppm近傍を拡大した 1H−NMRチ
ャート(重水溶媒)。
ャート(重水溶媒)。
【図3】実施例1で再沈精製して得られたアクリル系重
合体の 1H−NMRチャート(重水溶媒)。
合体の 1H−NMRチャート(重水溶媒)。
Claims (6)
- 【請求項1】 1H−NMRで測定した末端水酸基に隣接
するプロトンの積算値が分子鎖のメチレン及びメチンの
プロトンの積算値に対して、0.5〜10%の範囲にあ
ることを特徴とするアクリル系重合体。 - 【請求項2】分子鎖に複数のエステル結合を有する請求
項1に記載のアクリル系重合体。 - 【請求項3】 1H−NMRで測定したエステル結合部の
−COO−CH2 −のプロトンの積算値が分子鎖のメチ
レン及びメチンのプロトンの積算値に対して、1〜20
%の範囲にある請求項1又は2に記載のアクリル系重合
体。 - 【請求項4】数平均分子量が300〜100,000で
ある請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系重合
体。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル
系重合体を主成分とする生分解性ビルダー。 - 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル
系重合体をアルカリで中和したものからなる分散剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP517197A JPH10195137A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP517197A JPH10195137A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10195137A true JPH10195137A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11603798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP517197A Pending JPH10195137A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | アクリル系重合体、それからなる生分解性ビルダー及び分散剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10195137A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999048938A1 (fr) * | 1998-03-20 | 1999-09-30 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Polymere d'acide carboxylique non sature, adjuvant biodegradable et composition detergente |
JP2000109524A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-04-18 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 不飽和カルボン酸重合体および生分解性ビルダー |
WO2000059958A1 (fr) * | 1999-03-30 | 2000-10-12 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Copolymere reticule d'acide carboxylique insature et son procede de production, copolymere d'acide carboxylique insature, adjuvant biodegradable, et composition detergente |
WO2006107060A1 (en) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water soluble polymer composition |
-
1997
- 1997-01-16 JP JP517197A patent/JPH10195137A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999048938A1 (fr) * | 1998-03-20 | 1999-09-30 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Polymere d'acide carboxylique non sature, adjuvant biodegradable et composition detergente |
JP2000109524A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-04-18 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 不飽和カルボン酸重合体および生分解性ビルダー |
WO2000059958A1 (fr) * | 1999-03-30 | 2000-10-12 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Copolymere reticule d'acide carboxylique insature et son procede de production, copolymere d'acide carboxylique insature, adjuvant biodegradable, et composition detergente |
US6699830B1 (en) | 1999-03-30 | 2004-03-02 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Crosslinked copolymer of unsaturated carboxylic acid and process for producing the same, copolymer of unsaturated carboxylic acid, biodegradeable builder, and detergent composition |
WO2006107060A1 (en) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water soluble polymer composition |
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