JP3309485B2 - ポリマレイン酸の製造方法 - Google Patents
ポリマレイン酸の製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F222/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
- C08F222/04—Anhydrides, e.g. cyclic anhydrides
- C08F222/06—Maleic anhydride
Description
製造方法に関するものであり、特に水処理剤、スケール
コントロール剤及び洗剤ビルダー等に有用なポリマレイ
ン酸の製造方法に関するものである。更に詳しくは、水
性媒体中でマレイン酸と2個以上の二重結合を有するエ
チレン性不飽和単量体を用いて重合することにより性能
の優れたポリマレイン酸を製造する方法に関するもので
あり、本発明方法により得られるポリマレイン酸は、従
来のポリマレイン酸より性能が優れ、且つ耐熱性に優れ
るものである。
下ポリマレイン酸(塩)という〕は、水処理剤、スケー
ルコントロール剤及び洗剤ビルダーに有用であることが
知られている。この様なポリマレイン酸(塩)の製造方
法としては、マレイン酸モノマーが重合しにくいモノマ
ーであるため、その重合度を上げるために、無水マレイ
ン酸を芳香族炭化水素溶剤中で重合した後、加水分解し
てポリマレイン酸を得る方法が提案されている(例え
ば、特開昭61−181804、特開昭62−3604
2、特開昭63−77906号)。さらに芳香族炭化水
素溶剤中で2個以上の二重結合を有するエチレン性不飽
和単量体と共重合させる架橋型ポリマレイン酸に関する
提案もある(特開昭63−77911号)。しかしなが
ら、これらの技術では、重合媒体として芳香族有機溶剤
を使用しているため、芳香族基がポリマー中に導入され
カルボン酸密度の低下、水溶性の低下等の問題があるう
え、重合反応終了後、溶剤を除去することによってはじ
めて水溶性のポリマレイン酸が得られる方法であるの
で、操作が長くなりコスト高になるのが避けられないも
のである。更に、これらの方法では人体に有害な有機溶
剤の使用による環境汚染の問題も存在している。一方、
水系での製造方法としては、重合しにくいマレイン酸そ
のものではなく、マレイン酸を各種アルカリで中和して
マレイン酸塩としてから重合する方法が主に提案されて
いる(例えば特開昭57−168906、特開昭59−
64613、特開昭59−64615、特開昭59−2
10913、特開昭60−212411、特開昭61−
178097、特開昭62−91296、特開昭63−
235313、特開昭63−12485、特開平3−7
2502号)。しかしながら、これらのポリマレイン酸
塩の製造法では、重合時に脱炭酸を起こしやすく、この
ようにして得られたポリマレイン酸塩は水処理剤として
の性能が十分なものではないうえ、これらの技術ではア
ンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のポリマレ
イン酸塩しか製造できないため、例えば洗剤ビルダー等
の洗浄剤用の添加剤として用いた場合、中性界面活性剤
等の他薬剤との相溶性が悪く、濁りや沈澱が生じるた
め、それらの組成が制限されるといった問題を有してい
る。
題点を解決するため水性媒体中でのマレイン酸の重合に
より、他薬剤との相溶性に優れ、且つ水処理性能の優れ
る水溶性ポリマレイン酸が得られる方法を提供すること
を課題として研究を行ったのである。
点が、マレイン酸を水性媒体中で2個以上の二重結合を
有するエチレン性不飽和単量体の共存下に重合させるこ
とにより解決され、他薬剤との相溶性に優れ、且つ水処
理性能の優れる水溶性ポリマレイン酸が得られることを
見出して本発明を完成したのである。
中で2個以上の二重結合を有するエチレン性不飽和単量
体の共存下に重合させることを特徴とする水溶性ポリマ
レイン酸(以下単にポリマレイン酸という)の製造方法
に関するものである。
マレイン酸の重合の際に共存させる2個以上の二重結合
を有するエチレン性不飽和単量体の具体例としては以下
の様なものが挙げられる。まず2価又は3価の飽和アル
コールのジ(メタ)アクリレート及びトリ(メタ)アクリレ
ート等のエチレン性不飽和カルボン酸のエステルが挙げ
られ、それらの具体的な化合物としては、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)ア
クリレート、又、分子量200〜8000のポリエチレ
ングリコール又はポリプロピレングリコールのジ(メタ)
アクリレート、アリル(メタ)アクリレートが挙げられ
る。又、その他としては、ジビニルベンゾール、ジビニ
ルオキサン、メチレンビス(メタ)アクリルアミドが挙げ
られる。以上の中で、本発明にとり好ましいものは、エ
チレングリコールジメタアクリレート、アリルメタアク
リレート、1,2-プロピレングリコールジメタアクリレー
トである。
不飽和単量体を単独又は複数併用して使用することがで
き、それらは、マレイン酸100重量部に対して好まし
くは0.2〜2.0重量部、より好ましくは0.4〜1.0重量
部の範囲で用いられる。0.2重量部未満では性能向上の
効果が不十分で、使用しないものとの性能の差が小さ
く、2.0重量部を越えて使用すると、いったん得られた
効果が低下する様になるうえ、不経済でもある。これら
単量体の重合系内への供給は、反応中に連続的に投入し
て行うのが好ましい。一括投入の場合、反応が均一に行
われないため、未反応モノマーが生じてくる恐れがあ
る。連続投入時間は、重合反応速度に応じて変化させれ
ば良いが、一般的には30〜240分間、特には120
〜180分である。重合方法は常法の水溶液重合方法法
に準ずればよく、重合開始剤も、過硫酸塩、アゾ系化合
物、有機過酸化物、過酸化水素等の通常良く用いられる
開始剤を単独及び複数で用いられる。更に亜硫酸塩、無
機還元塩等の還元剤との併用でも良い。重合温度は50
℃〜130℃で、好ましくは80℃〜100℃である。
50℃未満では、重合が進行しにくく、未反応のモノマ
ーが多く残り、130℃を越えると脱炭酸反応により、
ポリマー中のカルボキシル基密度が下がり、ポリマーの
性能が低下するようになる。重合媒体としては、水単独
であるのが性能面、及び経済性の面で好ましいが、水以
外の溶媒としてイソプロピルアルコール、メタノール、
エタノール等の低級アルコールを本発明の効果を損なう
ことのない範囲内で使用することもできる。本発明で得
られるポリマレイン酸は、そのままで各種用途に供する
ことにより優れた性能を発揮するが、使用する目的によ
っては適宜、1価金属、2価金属の水酸化物や炭酸塩、
アンモニアや有機アミンなどの塩基性化合物で中和して
用いることも当然可能である。又、本発明のポリマレイ
ン酸は、例えばスケールコントロール剤に単独で使用し
ても効果を発揮するものであるが、従来、水処理剤とし
て使用されている防錆剤、キレート剤あるいは分散剤を
併用して使用することも可能である。
合を有するエチレン性不飽和単量体の共存下に重合され
たものであるため、構造的に架橋構造を形成しているも
のと推定されるが、分子量が小さいこととそれら不飽和
単量体の使用量が少ないため、従来のマレイン酸を単に
重合したものとの構造の差が明瞭には区別されないが、
水処理剤、スケールコントロール剤及び洗剤ビルダー等
に必要とされる性能に著しい差異を示すものであり、従
来知られている芳香族炭化水素溶剤中での重合によって
得られる架橋型ポリマレイン酸には認められない特異的
な作用を示すものである。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下において重量部及び重量%は単にそれ
ぞれ部又は%と示す。
スコに無水マレイン酸196部と水119部を仕込み攪
拌して反応させ、マレイン酸とした後、塩化鉄(II)0.
2部を加え、攪拌しながら該水溶液を90℃まで昇温し
た。次に、攪拌下にエチレングリコールジメタアクリレ
ート1.39部及び35%過酸化水素165.1部を3時間
にわたってそれぞれ連続的に滴下し、重合反応を行っ
た。滴下終了後、系の沸騰温度でさらに1時間攪拌し重
合反応を完了し、固形分40%で pH=0.5、粘度10
cps のポリマレイン酸水溶液を得た。
ートの量を表1に示した通りにした以外は、実施例1と
同様にしてポリマレイン酸水溶液を得た。尚、実施例4
のポリマレイン酸水溶液の粘度は11cps であった。
ートの代わりにアリルメタアクリレートを表1に示した
量で用いた以外は、実施例1と同様にして重合体水溶液
を得た。尚、実施例7及び実施例8のポリマレイン酸水
溶液の粘度はそれぞれ11cps 及び12cps であった。
ートを使用しない以外は実施例1と同様にして粘度10
cps のポリマレイン酸水溶液を得た。
L四つ口フラスコに無水マレイン酸196部及びエチレ
ングリコールジメタアククリレート1.39部を294部
のo-キシレンに溶かし、沸騰温度に加熱する。溶液が沸
騰したところでo-キシロール49部中の三級ブチルパー
エチルヘキサノエート29部の溶液を5時間かけて添加
する。よく攪拌しながら還流下に重合を行う。開始剤添
加の終了後、反応混合物をなお1時間沸騰加熱し、つい
で冷却水147部を添加して加水分解する。ついで反応
混合物に水蒸気を導入して未反応のo-キシロールの共沸
により除去してポリマレイン酸水溶液を得た。
ートを使用しない以外は比較例2と同様にしてポリマレ
イン酸水溶液を得た。
制率で評価した。ガラス瓶に純水179g、塩化カルシ
ウム2水塩1.78%溶液10g、上記実施例及び比較例
で得られた重合体800ppm 溶液1g、炭酸水素ナトリ
ウム3%溶液10g入れて全量200gとする。得られ
た600ppm の飽和炭酸カルシウム溶液を70℃、3時
間加温する。冷却後、0.1μmメンブレンフィルターで
ろ過する。ろ液をJIS K 0101に従って、EDTA滴定でカル
シウム濃度を測定する。下式により炭酸カルシウムスケ
ール抑制率(%)として計算した。得られた結果を表1
に示す。 スケール抑制率(%)=(C−A)/(B−A) A:ポリマー無添加時における試験後ろ液中のカルシウ
ム濃度 B:試験前溶液中のカルシウム濃度 C:試験後ろ液中のカルシウム濃度
溶液重合若しくはそれに準じた方法によって製造される
ため、従来の製造方法である有機溶剤中で重合後、水で
置換して製造する方法に比べ、得られたポリマレイン酸
を、例えばスケールコントロール剤として使用する場
合、防触性向上のための金属塩を配合したときにゲル化
しにくいなど他薬剤との相溶性に優れるものにするう
え、従来の製造方法に比較して、製造工程を短縮し、防
災上の危険性も低く、環境汚染を軽減することができる
などの特長をもつものである。さらに、本発明により得
られるポリマレイン酸は、従来のポリマレイン酸より水
処理剤及び洗浄添加剤として優れた性能、すなわち炭酸
カルシウム、水酸化マグネシウム、シリカ等のスケール
に対するスケールコントロール剤として優れた効果を示
し、洗浄添加剤、キレート剤、無機顔料の水系スラリー
分散剤、農薬分散剤、泥水用調整剤等の幅広い用途にも
非常に有効に働くという優れた効果を奏するものであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 マレイン酸を水性媒体中で2個以上の二
重結合を有するエチレン性不飽和単量体の共存下に重合
させることを特徴とする水溶性ポリマレイン酸の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11530393A JP3309485B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | ポリマレイン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11530393A JP3309485B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | ポリマレイン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06298874A JPH06298874A (ja) | 1994-10-25 |
JP3309485B2 true JP3309485B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=14659296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11530393A Expired - Lifetime JP3309485B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | ポリマレイン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309485B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP11530393A patent/JP3309485B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06298874A (ja) | 1994-10-25 |
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