JP2670716B2 - 水溶性共重合体 - Google Patents

水溶性共重合体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性共重合体に関す
るものであって、本発明の共重合体はアニオン性とカチ
オン性の両特性を有し、各種水性溶液の増粘剤として用
いられる他、特に下水、し尿及び製紙排水等各種産業排
水の処理によって生じる汚泥の脱水剤として有効なもの
で、排水処理の必要な種々の産業において利用されるも
のである。
【0002】
【従来技術】下水、し尿及び各種産業排水の処理によっ
て生じる汚泥は、脱水剤の添加、混合によって凝集させ
た後、遠心脱水機、圧搾型脱水機などの脱水機によって
脱水処理されている。
【0003】前記汚泥は、カチオン性有機高分子凝集剤
を単独で使用する一般的な脱水方法で、ケーキの含水率
を低く、又SS回収率も高くすることができ問題がない
場合が多いのであるが、有機物の含有量が高い汚泥、例
えば、し尿三次凝沈汚泥などの場合には、汚泥の粒子が
細かく、アニオン度、ゼータ電位が高いために、前記脱
水方法は、SS回収率、脱水ケーキの含水率、脱水ケー
キの瀘布からの剥離性などの面で不十分な方法である。
【0004】これらを改善するために、無機凝集剤を先
に添加したのち、カチオン性とアニオン性という両性を
利用する高分子凝集剤の適用方法が提案されている。
【0005】両性を利用する高分子凝集剤の適用方法と
しては、カチオン性有機高分子凝集剤とアニオン性有
機高分子凝集剤を順次添加又は同時に添加する方法。
カチオン性単量体とアニオン性単量体を共重合すること
により得られる両性高分子凝集剤を使用する方法。の二
つが提案されている。
【0006】のようにカチオン性有機高分子凝集剤と
アニオン性有機高分子凝集剤を同一溶解槽中に投入する
方法は、多くの場合、ポリイオンコンプレックスを生成
し不溶化するという問題があり、それを回避する方法と
して、カチオン性有機高分子凝集剤に酸を配合したり
(例えば特開昭58−216706号公報)、アルカリ
剤を配合したり(例えば特開昭58−216707号公
報)、或いは塩を配合(例えば特開昭62−28930
0号公報)することにより不溶化を回避した汚泥脱水方
法が提案されている。
【0007】又、のように両性高分子凝集剤を使用す
る方法においては、両性高分子凝集剤を得るための、カ
チオン性単量体とアニオン性単量体の共重合に際して、
重合性及び得られた重合体の溶解性を良好にするため
に、酸性領域で重合することが提案されている(例えば
特開昭62−205112号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58−21
6706号公報にみられるような,カチオン性有機高分
子凝集剤とアニオン性有機高分子凝集剤に酸を配合する
方法は、強酸性の溶解液になるために鉄製の溶解槽や配
管の腐食が起こったり、アニオン性有機高分子凝集剤の
解離が抑制されているために溶解性が悪くなるといった
悪影響があり改善が要求されている。
【0009】又、特開昭58−216707号公報にみ
られるようなアルカリ剤を配合する方法は、第4級アン
モニウム塩を含まないカチオン性有機高分子凝集剤に限
定され、更には、水溶液のpHが強アルカリ性となるた
めに、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系等
のエステル系カチオン性高分子凝集剤は、カチオン性基
の加水分解が生じ安定性に欠けるという問題点を有して
いる。
【0010】更に、特開昭62−289300号公報に
みられるような塩を配合する方法は、塩を多量に配合す
るために添加量が増加し、そのうえ塩の吸湿性のために
保存に困難が生じるといった問題がある。
【0011】又、特開昭62−205112号公報にみ
られるような、カチオン性単量体とアニオン性単量体を
酸性領域において共重合したものは、両性高分子凝集剤
でありながらアニオン性基であるカルボキシル基の解離
が抑制されているために、溶解速度が遅いばかりかその
性能も十分発揮されないという問題がある。
【0012】本発明者等はこれらの問題点を解決した優
れた汚泥脱水剤を開発すべく検討を行ったのである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
問題点について検討を行った結果、優れた特性を有する
水溶性共重合体を見出し本発明を完成した。
【0014】即ち、本発明は、(1)アクリル酸又はメ
タアクリル酸の二価または三価の塩から選ばれた1種以
上の単量体並びに(2)アクリル酸又はメタアクリル酸
のジアルキルアミノアルキルエステルの3級化物又は4
級化物及びジアルキルアミノアルキルアクリルアミドの
3級化物又は4級化物から選ばれた1種以上の単量体を
必須構成単量体単位として含有し、且つ(1)の単量体
に対する(2)の単量体のモル比が2であることを特徴
とする水溶性共重合体に関するものである。
【0015】アクリル酸マグネシウム等のアクリル酸の
多価塩は、重合して水に不溶性のポリマー(ゲル)を作
ることが知られており、土壌硬化(改良)剤として或い
は架橋性単量体として少量重合体のなかに組み込まれ、
該重合体の特性改良のために用いられてきているが、本
発明者等は、アクリル酸の多価塩をそのアニオン性を利
用し得る程多量、例えば4モル%以上、重合体成分とし
て用いても、特定のカチオン性モノマーを共重合体成分
として用いると、その重合体は水溶性を維持し且つ汚泥
脱水用として優れていることを見出し本発明を完成した
のである。
【0016】本発明の共重合体はアニオン性とカチオン
性の両特性を有するものであり、その特性は以下のアニ
オン性単量体及びカチオン性単量体の共重合により達成
されるものである。
【0017】アニオン性単量体としては、アクリル酸又
はメタアクリル酸の二価又は三価の塩であり、具体的に
は、アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム、
アクリル酸アルミニウムなどが挙げられるが、得られた
共重合体を汚泥脱水剤として用いる際、脱水性能が良好
という点から、本発明にとっては二価金属塩が好まし
い。
【0018】カチオン性単量体としては、アクリル酸ま
たはメタアクリル酸のジアルキルアミノアルキルエステ
ルの3級化物又は4級化物又はジアルキルアミノアルキ
ルアクリルアミドの3級化物又は4級化物であり、具体
的には、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド等の3級化物又は4級化物であり、低級
アルキル基、具体的には炭素数3以下のアルキル基を有
するものが好ましい。
【0019】本発明の共重合体には、ノニオン性単量体
を構成単量体として共重合させたものも含まれ、ノニオ
ン性単量体としては、アクリルアミド,メタクリルアミ
ド等が具体的に挙げられる。
【0020】本発明の共重合体を構成する単量体の構成
割合としては、アニオン性単量体4〜30モル%、カチ
オン性単量体8〜95モル%及びノニオン性単量体85
モル%以下が好ましいものとして挙げることができる。
この範囲であれば、水溶性を維持し且つアニオン性とカ
チオン性の両特性が十分に発揮される。
【0021】アニオン性単量体及びカチオン性単量体の
併用割合としては、カチオン性モノマーのモルをアニ
オン性モノマーのモルの2倍以上にすることが必要
で、その様にアニオン性単量体とカチオン性単量体を併
用することにより、水に不溶性のポリマーを生ずること
なく、溶解性に優れ、更に pH領域の如何にかかわら
ず、常に良好な性能を発揮する汚泥脱水剤を提供するこ
とが可能となるのである。
【0022】本発明の共重合体を得るための重合方法と
しては、通常のカチオン系高分子凝集剤を製造する際の
重合方法と同様で良く、水溶液重合法、逆相懸濁重合
法、逆相乳化重合法などが挙げられる。
【0023】以下,重合方法の代表例として水溶液重合
法について説明する。単量体混合物の水溶液に窒素等の
不活性ガスを通じることにより脱酸素した後、重合開始
剤を添加することにより重合は行われる。重合開始剤と
しては,アゾ系あるいはレドックス系などの公知のラジ
カル開始剤を使用することができる。重合温度として
は,開始温度を5〜30℃程度とし、実質的に断熱系で
重合することも、シート重合法などの系外から温度コン
トロールをしながら重合することもできる。このような
重合方法により、含水ゲル状あるいは固体状の共重合体
が製造される。含水ゲル状あるいは固体状の共重合体は
必要に応じて乾燥し、粉砕することにより粉末状の共重
合体が得られる。
【0024】本発明の共重合体の分子量は、重合温度、
触媒量等の選択により任意に設定することが出来るが、
汚泥脱水剤や増粘剤としての用途と重合の容易性を考え
た場合、本発明にとり好ましいものは、1規定の硝酸ナ
トリウム水溶液で測定した極限粘度[η]で5〜10の
ものであり、より好ましくは6〜9のものである。
【0025】
【作用】架橋性の単量体であるアクリル酸またはメタア
クリル酸の二価または三価の塩を多量に共重合させたに
も係わらず、水溶性を維持し、アニオン性とカチオン性
の両性を示すという特異の作用が、如何なる機構でなさ
れているのか現在のところ全く不明であるが、この作用
自身、本発明者等が始めて見出したことである。
【0026】
【実施例】以下実施例によりさらに具体的に説明する。 実施例1 ステンレス製ジュワービンにジメチルアミノエチルアク
リレート塩化メチル4級塩水溶液、アクリル酸マグネシ
ウム水溶液及びアクリルアミド水溶液をそれぞれ25モ
ル%、10モル%、65モル%の組成で全重量1Kg、単
量体濃度50%になるようにイオン交換水を加えた。水
溶液の pHを5.0、温度を20℃に調整した後、窒素を
導入し60分間脱気した。触媒としてアゾビスアミジノ
プロパン塩酸塩を900ppm 、過硫酸アンモニウム10
0ppm 、亜硫酸ナトリウム100ppm を単量体全量に対
してそれぞれ添加した。温度上昇開始50分後重合が完
結したので、得られたゲルを取り出し小型のチョッパー
で挽き肉状に処理した後、80℃の熱風乾燥機中で3時
間乾燥させた。得られた固体を粉砕し粉末の共重合体を
得た。赤外線吸収スペクトルは図1に示されるとおりで
あり、それから、両性高分子共重合体であることが確認
される。
【0027】実施例2〜、比較例1〜 過硫酸アンモニウム40ppm 、亜硫酸ナトリウム40pp
m に、又実施例2、3において単量体濃度50%にし、
仕込み組成を表1に示すとうりにし、実施例1に準じて
共重合体を得た。
【0028】
【表1】
【0029】特性評価1 実施例及び比較例で得られた共重合体の溶解粘度の経時
変化を測定し表2に示した。本発明の共重合体の溶解性
が優れていることが分かる。
【0030】
【表2】
【0031】特性評価2 実施例及び比較例で得られた共重合体の溶解液への未溶
解分の経時変化を測定し表3に示した。本発明の共重合
体の溶解性が優れていることが分かる。
【0032】
【表3】
【0033】特性評価3 実施例及び比較例で得られた共重合体の溶解液の pH変
化に対する溶解液の粘度と透過率を表4及び表5に示し
た。本発明の共重合体の溶解液は pH変化に対してその
特性がほとんど変動しないことが分かる。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】特性評価4 実施例及び比較例で得られた共重合体を汚泥脱水剤とし
て用いたときの脱水性能テストの結果を表6示した。本
発明の共重合体は汚泥脱水剤として凝集・脱水に優れて
いることが分かる。
【0037】
【表6】
【0038】
【発明の効果】本発明の共重合体は、水に対して溶解性
がよく、得られる溶解液の pH安定性もよく、脱水性能
に優れ、汚泥脱水剤として特に工業的に有用であり、ま
た、各種水性溶液の増粘剤としても有効に利用されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた水溶性共重合体の赤
外線吸収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 永坂 友康 審判官 沼辺 征一郎 審判官 佐藤 邦彦 (56)参考文献 特開 平2−78499(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)アクリル酸又はメタアクリル酸
    の二価または三価の塩から選ばれた1種以上の単量体並
    びに(2)アクリル酸又はメタアクリル酸のジアルキル
    アミノアルキルエステルの3級化物又は4級化物及びジ
    アルキルアミノアルキルアクリルアミドの3級化物又は
    4級化物から選ばれた1種以上の単量体を必須構成単量
    体単位として含有し、且つ(1)の単量体に対する
    (2)の単量体のモル比が2以上であることを特徴とす
    る水溶性共重合体。
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