JP2004122081A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚泥に両性高分子汚泥脱水剤を添加したのち、スクリュープレス型脱水機で脱水処理する汚泥の脱水方法において、該両性高分子汚泥脱水剤が、[A]ジアルキルアミノエチルメタクリレートの第四級アンモニウム塩単位、[B]ジアルキルアミノエチルアクリレートの第四級アクリレート塩単位、[C](メタ)アクリル酸又はその塩単位及び[D](メタ)アクリルアミド単位を有し、構成単位のモル比が、
1.8 ≦ [A]/[B] ≦ 10
及び
0.01 <[C]/([A]+[B])< 0.5
を満たし、[D]単位が35〜80モル%であり、かつ1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g以上である共重合体を含有することを特徴とする汚泥の脱水方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥の脱水方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、凝集脱水性能に優れ、スクリュープレス型脱水機を用いて、低含水率の脱水ケーキを得ることができる汚泥の脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリュープレス型脱水機は、製紙工場から発生する混合汚泥を始め、各種の有機汚泥の脱水や、魚肉蛋白の回収に使用されてきた。近年、密閉式の圧入式スクリュープレス型脱水機が、比較的脱水しにくい汚泥に対しても有効性を発揮するために、中小規模の処理場で採用されつつある。圧入式スクリュープレス型脱水機は、脱水機の中でろ過ケーキが外筒の全面で脱水されるために、含水率が下がりやすいという特徴を有し、遠心脱水機、ベルトプレス脱水機などの時代から、次世代に向けての脱水機として注目されている。
従来より、汚泥の脱水のために、カチオン性高分子汚泥脱水剤の単独使用、カチオン性とアニオン性の高分子汚泥脱水剤の併用などのほか、高い脱水性を得るために、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する方法などが採られている。例えば、各種産業廃水、下水、し尿処理などにおいて発生する汚泥処理に有効な両性高分子凝集剤の製造方法として、第三級アミンを含有する単量体、アニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合による特定のイオン当量値を有する両性高分子凝集剤の製造方法が提案されている(特許文献1)。この両性高分子凝集剤は、従来のカチオン性高分子凝集剤に比べて凝集性能に優れ、大きな凝集フロックを形成するが、下水やし尿の消化汚泥などのpHの高い汚泥に対しては著しく性能が低下するという問題がある。また、高分子脱水剤として卓効を示す両性高分子凝集剤として、第四級アンモニウム基を有する単量体、アクリル酸系単量体、アクリルアミド系単量体及びアクリロニトリル系若しくはアクリル酸エステル系単量体の共重合体が提案されている(特許文献2)。この両性高分子凝集剤は、製品安定性が良好で、凝集力は強いが、必要添加量が多い、ケーキ含水率が高いなど、改善すべき点が多い。さらに、凝集脱水性能に優れ、低含水率のケーキを与える両性高分子汚泥脱水剤として、(A)ジアルキルアミノエチルメタクリレートの四級アンモニウム塩単位、(B)ジアルキルアミノエチルアクリレートの四級アンモニウム塩単位、(C)(メタ)アクリル酸単位及び(D)アクリルアミド単位を有し、0.5<(A)/[(A)+(B)]<1.0、(C)/[(A)+(B)]<0.8の関係を満たし、固有粘度2.0dL/g以上の共重合体を有効成分とする両性高分子汚泥脱水剤が提案されている(特許文献3)。この両性高分子汚泥脱水剤は、凝集脱水性能に優れ、多くの場合含水率の低いケーキが得られるが、スクリュープレス型脱水機に適用すると、脱水機の性能を完全に活かす結果が得られない場合があった。
【特許文献1】
特開昭62−205112号公報
【特許文献2】
特開昭53−149292号公報
【特許文献3】
特開平7−256299号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、凝集脱水性能に優れ、スクリュープレス型脱水機を用いて、低含水率の脱水ケーキを得ることができる汚泥の脱水方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、[A]メタクリレート系第四級アンモニウム塩単位、[B]アクリレート系第四級アンモニウム塩単位、[C]アクリル酸単位及び[D]アクリルアミド単位を有し、構成単位が特定のモル比の条件を満たし、[D]単位が35〜80モル%であり、固有粘度が7.0dL/g以上である両性高分子汚泥脱水剤は、圧入式スクリュープレス型脱水機に適用したとき、特に良好な脱水効果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)汚泥に両性高分子汚泥脱水剤を添加したのち、スクリュープレス型脱水機で脱水処理する汚泥の脱水方法において、該両性高分子汚泥脱水剤が、一般式[A]で表されるカチオン性構成単位、一般式[B]で表されるカチオン性構成単位、一般式[C]で表されるアニオン性構成単位及び一般式[D]で表されるノニオン性構成単位を有し、構成単位のモル比が、
1.8 ≦ [A]/[B] ≦ 10
及び
0.01 <[C]/([A]+[B])< 0.5
を満たし、[D]単位が35〜80モル%であり、かつ1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g以上である共重合体を含有することを特徴とする汚泥の脱水方法、
【化5】
(ただし、式中、R1は、炭素数1〜3の炭化水素基又はヒドロキシアルキル基であり、R2及びR3は、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2とR3は、たがいに同一でも異なっていてもよく、X−は、陰イオンである。)
【化6】
(ただし、式中、R4は、炭素数1〜3の炭化水素基又はヒドロキシアルキル基であり、R5及びR6は、炭素数1〜4のアルキル基であり、R5とR6は、たがいに同一でも異なっていてもよく、Y−は、陰イオンである。)
【化7】
(ただし、式中、R7は、水素又はメチル基であり、Mは、水素、アンモニウム又はアルカリ金属である。)
【化8】
(ただし、式中、R8は、水素又はメチル基であり、R9は、水素又はメチル基であり、R10は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(2)共重合体の固有粘度が、8.0dL/g以上である第1項記載の汚泥の脱水方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の汚泥の脱水方法は、汚泥に両性高分子汚泥脱水剤を添加したのち、スクリュープレス型脱水機で脱水処理する汚泥の脱水方法において、該両性高分子汚泥脱水剤が、一般式[A]で表されるカチオン性構成単位、一般式[B]で表されるカチオン性構成単位、一般式[C]で表されるアニオン性構成単位及び一般式[D]で表されるノニオン性構成単位を有し、構成単位のモル比が、
1.8 ≦ [A]/[B] ≦ 10
及び
0.01 <[C]/([A]+[B])< 0.5
を満たし、[D]単位が35〜80モル%であり、かつ1モル/硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g以上である共重合体を含有する。
【化9】
ただし、一般式[A]〜[D]において、R1及びR4は、炭素数1〜3の炭化水素基又はヒドロキシアルキル基であり、R2、R3、R5及びR6は、炭素数1〜4のアルキル基であり、X−及びY−は、陰イオンであり、R7及びR8は、水素又はメチル基であり、Mは、水素、アンモニウム又はアルカリ金属であり、R9は、水素又はメチル基であり、R10は、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。
【0006】
R1及びR4で表される炭素数1〜3の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基などを挙げることができる。R1及びR4で表される炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などを挙げることができる。R2、R3、R5及びR6で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などを挙げることができる。R2とR3及びR5とR6は、それぞれ互いに同一であっても、異なっていてもよい。X−及びY−で表される陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸水素イオン、1/2モルの硫酸イオン、硝酸イオン、メチルサルフェートイオン、エチルサルフェートイオン、ホルミルオキシイオン、アセトキシイオンなどを挙げることができる。
一般式[A]で表されるカチオン性構成単位を形成する単量体としては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物、塩化ベンジル四級化物などを挙げることができる。一般式[B]で表されるカチオン性構成単位を形成する単量体としては、例えば、ジアルキルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物、塩化ベンジル四級化物などを挙げることができる。一般式[C]で表されるアニオン性構成単位を形成する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、それらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩などを挙げることができる。一般式[D]で表されるノニオン性構成単位を形成する単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドなどを挙げることができる。これらの単量体は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0007】
本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤は、一般式[A]、[B]、[C]及び[D]で表される構成単位以外の構成単位を有することができる。一般式[A]、[B]、[C]及び[D]で表される構成単位以外の構成単位を与える単量体としては、例えば、ジアルキルアミノエチルアクリレート、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、これらの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ビニルピリジン、その四級化物、ビニルイミダゾール、アリルアミンなどのカチオン性単量体、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸、それらのアルカリ金属塩などのアニオン性単量体、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルなどのノニオン性単量体などを挙げることができる。
本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤は、構成単位のモル比が、1.8≦[A]/[B]≦10であり、より好ましくは1.9≦[A]/[B]≦7である。[A]/[B]が1.8未満であっても、10を超えても、スクリュープレス型脱水機による脱水処理において、脱水ケーキの含水率が十分に低下しなかったり、十分な処理量が得られないとか、ろ液中の懸濁物質(SS)の濃度が高くなるおそれがある。本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤は、構成単位のモル比が、0.01<[C]/([A]+[B])<0.5であり、より好ましくは0.1<[C]/([A]+[B])<0.4である。[C]/([A]+[B])が0.01以下であっても、[C]/([A]+[B])が0.5以上であっても、スクリュープレス型脱水機による脱水処理において、脱水ケーキの含水率が十分に低下しないおそれがある。本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤は、[D]単位が35〜80モル%であり、より好ましくは40〜70モル%である。[D]単位が35モル%未満であっても、80モル%を超えても、スクリュープレス型脱水機による脱水処理において、脱水ケーキの含水率が十分に低下しないおそれがある。
【0008】
本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤は、1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g以上であり、より好ましくは8.0dL/g以上である。1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g未満であると、汚泥に対する凝集作用が弱く、脱水ケーキの含水率が十分に低下しないおそれがある。
本発明方法に用いる両性高分子汚泥脱水剤の製造方法に特に制限はないが、一般式[A]、[B]、[C]及び[D]で表される構成単位を与える単量体は水溶性なので、水溶液重合法によることが好ましい。モル比が1.8≦[A]/[B]≦10及び0.01<[C]/([A]+[B])<0.5を満たし、[D]単位=35〜80モル%となるように、各単量体を水に溶解し、雰囲気を窒素などの不活性ガスで置換し、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などの水溶性重合開始剤を添加して加熱することにより、共重合体を得ることができる。
本発明方法を適用する汚泥に特に制限はなく、例えば、下水、し尿の混合汚泥、食品工場、化学工場の余剰汚泥と凝集汚泥の混合汚泥などを挙げることができる。本発明方法は、繊維分が少なく、通常の高分子凝集剤ではフロック強度が出にくい場合に特に有効性を発揮する。
【0009】
本発明方法は、スクリュープレス型脱水機による汚泥の脱水処理に適用し、圧入式スクリュープレス型脱水機による処理に特に好適に適用することができる。圧入式スクリュープレス型脱水機に対する脱水剤では、必ずしも脱水性能が十分ではなく、目標の含水率が達成できないとか、回収率が不十分で返流水の懸濁物質負荷が高いとかにより、処理に困難をきたしている場合がある。また、無機凝集剤を併用すると、コストアップになるばかりか、処理の煩雑さを生じるために、無機凝集剤を使用しない方法も含めて、これらの改善が必要とされていた。本発明方法によれば、机上試験では優位性が明瞭でない場合であっても、圧入式スクリュープレス型脱水機の実装置に適用すると、汚泥の処理量が増加し、含水率の低い脱水ケーキが得られ、大幅に効率が向上する。
単量体の共重合反応性比より、一般式[A]で表されるカチオン性構成単位を形成する単量体は、ブロック的に共重合体に取り込まれやすい。したがって、凝集させるための添加量は多くなるが、分子の固まりの中で共重合している一般式[C]で表されるアニオン性構成単位が比較的表面に出やすく、この性質により反応性がよく、高い凝集性が発揮されるものと考えられる。また、固有粘度は、高分子凝集剤の分子量の指標であるが、固有粘度が高いものは、机上試験では粘着性が強すぎて脱水性が不十分となる。しかし、ベルトプレス脱水機では脱水機内の滞留時間が通常は20〜30分であって剪断力がかからないのに対して、圧入式スクリュープレス型脱水機では滞留時間が0.3〜2時間と長く、脱水ケーキが全面から剪断力を受け、フロックに大きい力がかかること、及び、比較的目開きの大きなろ材を使用しているのでフロック強度が要求されることから、固有粘度が高い分子量の大きい脱水剤の有効性が発揮されるものと考えられる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例においては、懸濁物質(SS)1.2重量%、有機物量(VSS、対SS比)68.5重量%の下水余剰汚泥を処理した。
なお、共重合体の固有粘度は、1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒とし、30℃において、測定した。また、机上試験における脱水ケーキの剥離性は、完全に剥離される場合を良好、90重量%以上が剥離される場合を普通、90重量%未満が剥離される場合を不良とした。
実施例1
メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド単位(DAM)20モル%、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド単位(DAA)10モル%、アクリル酸単位(AA)10モル%及びアクリルアミド単位(AAm)60モル%からなり、固有粘度8.2dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用いた。
汚泥200mLを容量300mLのビーカーにとり、両性高分子汚泥脱水剤の0.2重量%水溶液16.8mLを添加し、スパーテルを用いて180rpmで20秒間撹拌した。60メッシュのナイロンろ布を敷いたブフナーロートに内径5cmの塩化ビニル樹脂製円筒を置き、その中に凝集した汚泥を一気に注ぎ込んだ。10秒後の重力ろ液量は、140mLであった。さらに、ナイロンろ布上の汚泥を98kPaの圧力で60秒間圧搾した。ナイロンろ布からの脱水ケーキの剥離性は不良であり、脱水ケーキの含水率は80.9重量%であった。
後退翼二段、直径30cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの凝集反応槽に、汚泥5m3/hを供給して300rpmで撹拌し、懸濁物質100重量部に対して1.4重量部の両性高分子汚泥脱水剤を添加し、外筒内径600mmの圧入式スクリュープレス型脱水機に圧力10kPaで圧入して脱水を行った。得られた脱水ケーキの含水率は78.5重量%であり、結果は良好であった。
実施例2
DAM25モル%、DAA5モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度9.0dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.2重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は165mLであり、剥離性は普通であり、脱水ケーキの含水率は79.8重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は78.1重量%であり、結果は良好であった。
実施例3
DAM35モル%、DAA10モル%、AA10モル%及びAAm45モル%からなり、固有粘度8.4dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.2重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は174mLであり、剥離性は普通であり、脱水ケーキの含水率は79.6重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は78.2重量%であり、結果は良好であった。
実施例4
実施例1と同じ汚泥200mLを容量300mLのビーカーにとり、ハンドミキサーで350rpmで撹拌しながら(ポリ鉄)10重量%水溶液4.8mLを添加して、さらに20秒間撹拌し、実施例1と同じ両性高分子汚泥脱水剤の0.2重量%水溶液14.4mLを添加し、スパーテルを用いて180rpmで20秒間撹拌した。次いで、実施例1と同様にして、ナイロンろ布を用いてろ過し、圧搾処理を行った。10秒後の重力ろ液量は184mLであり、ナイロンろ布からの脱水ケーキの剥離性は良好であり、脱水ケーキの含水率は77.0重量%であった。
パドル翼二段、直径20cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの第一凝集反応槽に、汚泥5m3/hを供給して300rpmで撹拌し、懸濁物質100重量部に対して20重量部のポリ硫酸第二鉄を添加し、後退翼二段、直径30cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの第二凝集反応槽に送って300rpmで撹拌し、実施例1と同じ両性高分子汚泥脱水剤を懸濁物質100重量部に対して1.2重量部添加し、外筒内径600mmの圧入式スクリュープレス型脱水機に圧力10kPaで圧入して脱水を行った。得られた脱水ケーキの含水率は77.0重量%であり、結果は良好であった。
【0011】
比較例1
DAM30モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度8.1dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用いた。
汚泥200mLを容量300mLのビーカーにとり、両性高分子汚泥脱水剤の0.2重量%水溶液19.2mLを添加し、スパーテルを用いて180rpmで20秒間撹拌した。60メッシュのナイロンろ布を敷いたブフナーロートに内径5cmの塩化ビニル樹脂製円筒を置き、その中に凝集した汚泥を一気に注ぎ込んだ。10秒後の重力ろ液量は、106mLであった。さらに、ナイロンろ布上の汚泥を98kPaの圧力で60秒間圧搾した。ナイロンろ布からの脱水ケーキの剥離性は良好であり、脱水ケーキの含水率は79.6重量%であった。
後退翼二段、直径30cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの凝集反応槽に、汚泥5m3/hを供給して300rpmで撹拌し、懸濁物質100重量部に対して1.6重量部の両性高分子汚泥脱水剤を添加し、外筒内径600mmの圧入式スクリュープレス型脱水機に圧力10kPaで圧入して脱水を行った。得られた脱水ケーキの含水率は80.3重量%であり、結果は不良であった。
比較例2
DAM18モル%、DAA12モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度9.1dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.2重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は120mLであり、剥離性は普通であり、脱水ケーキの含水率は79.2重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は81.0重量%であり、結果は不良であった。
比較例3
DAM15モル%、DAA15モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度9.3dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.1重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は94mLであり、剥離性は良好であり、脱水ケーキの含水率は79.4重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は81.4重量%であり、結果は不良であった。
比較例4
DAM10モル%、DAA20モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度8.7dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.0重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は84mLであり、剥離性は良好であり、脱水ケーキの含水率は80.1重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は81.8重量%であり、結果は不良であった。
比較例5
実施例1と同じ汚泥200mLを容量300mLのビーカーにとり、ハンドミキサーで350rpmで撹拌しながら(ポリ鉄)10重量%水溶液4.8mLを添加して、さらに20秒間撹拌し、比較例4と同じ両性高分子汚泥脱水剤の0.2重量%水溶液13.2mLを添加し、スパーテルを用いて180rpmで20秒間撹拌した。次いで、実施例1と同様にして、ナイロンろ布を用いてろ過し、圧搾処理を行った。10秒後の重力ろ液量は136mLであり、ナイロンろ布からの脱水ケーキの剥離性は良好であり、脱水ケーキの含水率は79.1重量%であった。
パドル翼二段、直径20cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの第一凝集反応槽に、汚泥5m3/hを供給して300rpmで撹拌し、懸濁物質100重量部に対して20重量部のポリ硫酸第二鉄を添加し、後退翼二段、直径30cmの撹拌羽根を備えた容量200Lの第二凝集反応槽に送って300rpmで撹拌し、比較例4と同じ両性高分子汚泥脱水剤を懸濁物質100重量部に対して1.1重量部添加し、外筒内径600mmの圧入式スクリュープレス型脱水機に圧力10kPaで圧入して脱水を行った。得られた脱水ケーキの含水率は79.1重量%であり、結果は普通であった。
比較例6
DAM20モル%、DAA10モル%、AA10モル%及びAAm60モル%からなり、固有粘度6.7dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用い、懸濁物質100重量部に対する脱水剤の添加量を1.6重量部とし、実施例1と同様にして、机上試験及び実機試験を行った。
机上試験において、ろ液量は136mLであり、剥離性は普通であり、脱水ケーキの含水率は79.7重量%であった。実機試験において、脱水機ケーキの含水率は82.2重量%であり、結果は不良であった。
実施例1〜4及び比較例1〜6の試験条件を第1表に、結果を第2表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
第2表に見られるように、DAM/DAAのモル比が2.0〜5.0で、固有粘度が8.2dL/g以上の両性高分子汚泥脱水剤を用いた実施例1〜4では、圧入式スクリュープレス型脱水機を用いた実機試験において、強度が高いフロックが生成するために脱水機の胴内に汚泥が十分詰まり、従来の方法に比べて脱水ケーキの含水率が3重量%低下し、初期の凝集ろ過性が向上するために処理量が50%増加し、良好な結果が得られている。
これに対して、DAAを有しない両性高分子汚泥脱水剤を用いた比較例1、DAM/DAAのモル比が1.5以下の両性高分子汚泥脱水剤を用いた比較例2〜5、及び、固有粘度が6.7dL/gの両性高分子汚泥脱水剤を用いた比較例6では、机上試験の結果は普通ないし良好であり、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機などのあまり剪断力がかからない脱水機では良好な結果が得られることが予測されるが、圧入式スクリュープレス型脱水機のような強い剪断力がかかる脱水機には良好な結果が得られない。
【0015】
【発明の効果】
本発明の汚泥の脱水方法によれば、スクリュープレス型脱水機を用いて、優れた凝集脱水性能を発揮し、高能率で低含水率の脱水ケーキを得ることができる。
Claims (1)
- 汚泥に両性高分子汚泥脱水剤を添加したのち、スクリュープレス型脱水機で脱水処理する汚泥の脱水方法において、該両性高分子汚泥脱水剤が、一般式[A]で表されるカチオン性構成単位、一般式[B]で表されるカチオン性構成単位、一般式[C]で表されるアニオン性構成単位及び一般式[D]で表されるノニオン性構成単位を有し、構成単位のモル比が、
1.8 ≦ [A]/[B] ≦ 10
及び
0.01 <[C]/([A]+[B])< 0.5
を満たし、[D]単位が35〜80モル%であり、かつ1モル/L硝酸ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度が7.0dL/g以上である共重合体を含有することを特徴とする汚泥の脱水方法。
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