JP6931209B2 - 有機性廃棄物の改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は有機性廃棄物の改質方法に関する。更に詳しくは養豚場や養鶏場等の家畜の畜産施設で発生する有機性廃棄物に対して、薬品を添加して改質し固化する処理方法であり、更に詳しくは、アルカリ剤及び特定の組成を有する単量体混合物を、分散剤として塩水溶液に可溶な水溶性高分子を共存させ該塩水溶液中にて撹拌下、分散重合して得られる水溶性高分子分散液散を添加し固化する有機性廃棄物の改質方法に関する。
養豚場や養鶏場等の家畜の畜産施設で発生する有機性廃棄物として、肥料や家畜糞尿、飼料、各種汚泥、生ごみ等が挙げられる。これら有機性廃棄物の内、固形状のものは場外に排出あるいは再利用しやすいが、含水状のものについては改質処理する必要が生じる。これら有機性廃棄物を改質するためにこれまでに様々な薬品添加処方が提案されている。薬品として、一般的にポリアクリルアミド(PAM)系水溶性高分子等が汎用されている。例えば、特許文献1では、有機性廃棄物にポリマーを添加混合した後加熱乾燥し、次いで熱処理する熟成コンポスト様物の製造方法が開示されている。使用するポリマーとして、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合体のようなカチオン性ポリマー、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体のような両性ポリマー等が記載されている。
特許文献2では、最終液体分及び最終固体分を生成し、最終液体分の浮遊物質(SS)含有量が約3g/L以下である動物肥料の処理方法が開示されており、ポリアクリルアミドを添加することが記載されている。
特許文献3では、動物性廃棄物等の含湿汚泥から揮発性ガスを除去するプロセスが開示されており、脱水効果を高めるための凝集剤として種々のポリマーの使用が記載されている。
特許文献4では、含水率90質量%以上の動物糞尿にリセルロースファイバーを添加し、有機高分子凝集剤を加えてかきまぜ、十分にフロックを形成させ、次いで搾液後、発酵処理するコンポスト肥料の製造方法が開示されており、有機高分子凝集剤として種々のポリマーが記載されている。
しかし、これらは何れも使用するポリマーの有効な組成や物性について記載はない。又、対象物によっては従来の改質処方では、満足した効果が得られない場合が有り、ポリマーを使用する有機性廃棄物の効率的な改質方法が要望されている。
特開2004−99427号公報 特表2005−522399号公報 特表2006−510487号公報 特開2003−095769号公報
本発明の目的は、養豚場、養鶏場等の家畜の畜産施設から発生する有機性廃棄物の改質において、ポリマーを添加し、凝集処理により有機性廃棄物の改質方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討の結果、以下に述べる発明に達した。即ち、有機性廃棄物に対して、アルカリ剤及び下記一般式(1)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を、分散剤として塩水溶液に可溶な水溶性高分子を共存させ該塩水溶液中にて撹拌下、分散重合して得られる水溶性高分子分散液を添加する有機性廃棄物の改質方法である。
Figure 0006931209
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、7〜20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
本発明におけるアルカリ剤及び水溶性高分子分散液を有機性廃棄物に適用することで有機性廃棄物を効率良く改質することができる。
本発明における改質方法は、アルカリ剤及び水溶性高分子分散液を家畜の畜産施設から発生する有機性廃棄物に添加、混合し凝集させた後、改質することを特徴とする。一般的に使用されている高分子に比べて、特定の組成を有し、特定の製法により製造されるため、溶解効率が良く、有機性廃棄物に添加すると優れた凝集処理効果を発揮し効率良く改質することができる。改質した廃棄物は、有機質肥料や飼料として再利用することができる。
本発明における有機性廃棄物は、主に豚、鶏、牛、羊、馬等の家畜の畜産施設から発生する動物用の飼料の余剰や廃棄分、飼育動物の糞尿や生ごみ、下水処理汚泥や余剰汚泥、消化汚泥、浄化槽汚泥、廃水や廃棄物の生物処理工程で生じる生物処理汚泥を脱水処理して得られる汚泥等が挙げられ、これらを複数含んでいても良い。これらの中で液体状や含水率が高い有機性廃棄物では、場外に排出する場合や再利用する場合に、作業効率が低下するため有機性廃棄物を改質する必要があり、本発明の改質方法が適用される。
本発明におけるアルカリ剤は、消石灰(水酸化カルシウム)、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中から一種あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。本発明におけるアルカリ剤と水溶性高分子分散液の添加順序は同時、あるいはどちらを先に添加しても良いが、アルカリ剤を添加後に水溶性高分子分散液を添加する方が好ましい。アルカリ剤の添加率としては、対象とする有機性廃棄物によって変わってくるが、有機性廃棄物に対して、500〜10000ppmであり、1000〜8000ppmが好ましく適用できる範囲である。対象物のpHを中性から弱アルカリ域にすることにより処理効果が高まり、pH6〜11が好ましい範囲である。
本発明における水溶性高分子分散液は、塩水溶液中で、下記一般式(1)で表される単量体を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物水溶液を、該塩水溶液中に可溶な高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られる水溶性高分子分散液である。
Figure 0006931209
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、7〜20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
本発明における水溶性高分子分散液を製造する際に使用する一般式(1)で表されるカチオン性単量体は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である。その例として一般式(1)で表わされるカチオン性単量体は、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物である。これらのカチオン性ビニル系単量体は一種を単独で用いることができ、二種以上を組み合わせて用いることもできる。一般式(1)で表されるカチオン性単量体は30〜100モル%の範囲が好ましい。これはカチオン度がこの範囲にあると分子量もある程度上げることができ、有機性廃棄物中の懸濁粒子のアニオン電荷を中和させる中和作用と、架橋吸着による凝集効果がバランス良く発揮できるためである。
本発明における水溶性高分子分散液を製造する際に一般式(1)で表されるカチオン性単量体と非イオン性単量体を共重合させても良い。その場合に使用する非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。本発明における水溶性高分子分散液を構成するカチオン性単量体の総量は30〜100モル%が好ましい。
本発明における水溶性高分子分散液は、イオン性が両性であっても良く、その場合は製造時に、下記一般式(2)で表されるアニオン性単量体が使用される。
Figure 0006931209
一般式(2)
は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOO、Rは水素又はCOO 、YあるいはYは水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
本発明における両性水溶性高分子分散液を製造する際に使用する前記一般式(2)で表されるアニオン性単量体は0〜15モル%の範囲である。15モル%を超えると有機性廃棄物中の懸濁粒子のアニオン電荷を中和させる中和作用が低下するので好ましくはない。アニオン性単量体の例としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸あるいはp−カルボキシスチレン酸等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせて使用しても良い。又、一般式(1)で表されるカチオン性単量体と一般式(2)で表されるアニオン性単量体を使用しても良く、一般式(1)で表されるカチオン性単量体と一般式(2)で表されるアニオン性単量体と前記非イオン性単量体を使用しても良い。
本発明における水溶性高分子分散液は塩水中分散重合法によって製造する。製造方法は、特開昭61−123610号公報、特開62−20511号公報、特開2007−16086号公報、特開2016−003255号公報等によって開示されている公知の方法による。即ち、塩水溶液中において、分散剤として該塩水溶液中に溶解可能な水溶性高分子を共存させイオン性単量体及び非イオン性単量体混合物を分散重合して製造する。その場合、重合遅延性物質を全単量体に対し0.5〜5モル%添加することにより、増粘が抑制可能であり、重量平均分子量が高い水溶性重合体を製造することができる。又、前記重合遅延性物質はイタコン酸、マレイン酸、フタル酸、アリルアミンおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドから選択される一種以上である。
塩水中分散重合時の重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決定し、温度としては0〜100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系の何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4、4’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチル)バレロニトリル等が挙げられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。又、レドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤の2、2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩である。アゾ系開始剤の添加率は、重合開始時、単量体当たり50〜500ppm、好ましくは70〜200ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回に分けて添加することが好ましい。
又、レドックス系開始剤で共重合する場合、40℃以上の条件で重合を開始させると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、高重合度で安定な分散液が得られないため、15〜35℃が好ましい。この開始剤の添加率は、重合開始時、単量体当たり5〜100ppm、好ましくは10〜50ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回添加することが好ましい。添加回数としては、2〜5回、好ましくは2〜3回である。これらイオン性高分子からなる高分子分散剤の添加率としては、対単量体1〜30質量%であり、好ましくは2〜20質量%である。1質量%以下では、分散剤としての効果がなく、30質量%以上では、分散液の粘性が高くなる上、コスト的に不利になる。
本発明における水溶性高分子分散液を製造する際の重合時あるいは重合後、構造変性剤として架橋性単量体を使用しても良い。使用する場合は、架橋性単量体を単量体総量に対し、0.00005〜0.050質量%の範囲内で存在させる。単量体組成や重合条件により異なるが、0.050質量%を超えると架橋が進行しすぎて水不溶性となるため本発明の用途としては好ましくはない。架橋性単量体の例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられ、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドが好ましく適用されている。
本発明における水溶性高分子分散液を製造する際に使用する高分子分散剤は、イオン性、非イオン性とも使用可能であるが、好ましくはイオン性、さらに好ましくはカチオン性である。カチオン性高分子分散剤の場合、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物やジメチルジアリルアンモニウム塩化物などのカチオン性単量体の(共)重合体を高分子分散剤として使用するが、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等であるが、アクリルアミドとの共重合体が好ましい。
また、非イオン性高分子分散剤としては、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラクタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体、無水マレイン酸/ブテン共重物の完全アミド化物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性重合体も有効である。
これらカチオン性高分子分散剤の分子量としては、5,000〜200万、好ましくは5万〜100万である。また、非イオン性高分子分散剤の分子量としては、1,000〜10万、好ましくは1,000〜5万である。これら非イオン性あるいはイオン性高分子分散剤の添加率は、単量体に対して1〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%である。
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンなどの陽イオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどの陰イオンとを組み合わせた塩が使用可能であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、10質量%〜飽和濃度まで使用できる。
重合濃度としては、単量体濃度として10質量%〜35質量%であるが、好ましくは15質量%〜30質量%である。これは単量体濃度が高い程、輸送コストの問題で経済的に有利であるが、単量体濃度が35質量%を超えると製造時に増粘が大きくなり分散液が得られ難くなるためである。単量体供給方法としては、重合開始時、一括して仕込んでも良いし、適宜分割して仕込んでも良い。
本発明における水溶性高分子分散液の高分子濃度が0.2質量%になるように水で完全溶解したときの25℃において測定した粘度が、100mPa・s以下の範囲である。70mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がより一層好ましい。水溶性高分子分散液がこの範囲の粘度物性を有すると有機性廃棄物に添加時に分散性が良く効率的に混合される。0.2質量%水溶液粘度は、B型粘度計において2号ローター、30rpmで測定した値である。B型粘度計としては東京計器製B8M等が使用される。
本発明における水溶性高分子分散液の分子量は重量平均分子量で100万〜1000万であり、好ましくは100万〜800万である。又、水溶性高分子分散液を2質量%硫酸アンモニウム水中に高分子濃度が0.5質量%になるように完全溶解したときの25℃において回転粘度計にて測定した塩水溶液粘度は、5mPa・s以上、100mPa・s以下の範囲であり、好ましくは5mPa・s以上、70mPa・s以下である。この範囲の粘度物性を有すると凝集処理効果が最適となる。この0.5質量%塩水溶液粘度は、B型粘度計において1号ローター、60rpmで測定した値である。
本発明における水溶性高分子分散液は、アルカリ剤と併用して有機性廃棄物に添加、混合し凝集させることで、有機性廃棄物を改質する方法である。有機性廃棄物は主に豚、鶏、牛、羊、馬等の家畜の畜産施設から発生する動物用の飼料の余剰や廃棄分、飼育動物の糞尿や生ごみ、下水処理汚泥や余剰汚泥、消化汚泥、浄化槽汚泥、廃水や廃棄物の生物処理工程で生じる生物処理汚泥を脱水処理して得られる汚泥等が挙げられる。有機性廃棄物の指標となる有機物量VSS値(浮遊物質中の強熱減量、質量%対SS)が、80質量%/SS以上が好ましく、85質量%/SS以上がより好ましく適用される。含水率は70質量%以上から90質量%以下の範囲が好ましい。SS濃度では10質量%以上から30質量%以下が好ましく適用される。尚、各種測定値は、定法(下水試験方法)に基づく測定による。
有機性廃棄物の中でも特に動物用の液体状の飼料を廃棄物として排出する場合や、粉末状の飼料と混合して再利用する場合が生じる。排出する場合、作業効率が低下したり、流動性があると粉末状の飼料と混合し難かったり、腐りやすくなり長時間の保存ができなくなったりするため液体状の飼料を改質、固化処理する必要がある。又、液体状や含水率が高い場合では体積が大きく保管場所の問題等が生じる。この様な場合において本発明における改質方法が好適である。本発明における改質方法が動物用の液体状の飼料に好適な理由としては、アルカリ剤の添加によって、飼料中の懸濁粒子のアニオン電荷度を高めること、飼料中に含有される澱粉の粘性を低下させること、乳酸発酵により生成した乳酸を乳酸塩に変換すること等が生じ、水溶性高分子分散液の効果が最大限に発揮されることが推測される。
本発明における水溶性高分子分散液は、溶解性が優れるため製品のままの状態で添加することもできるし、任意の濃度に水で溶解、希釈して有機性廃棄物に添加できる。溶解する場合は、一般的に溶解濃度0.05〜0.3質量%を適用する。又、有機性廃棄物に対する添加率は、通常50〜2000ppmであるが、対象とする有機性廃棄物により任意に調節する。アルカリ剤の他に塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド等の無機系凝集剤と併用しても差し支えない。
本発明におけるアルカリ剤及び水溶性高分子分散液を添加処理後、有機性廃棄物を汚泥脱水で使用される様な圧搾機、例えば、スクリュー濃縮機、遠心濃縮機、楕円盤型濃縮機等や、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円盤型脱水機、ロータリープレス、フィルタープレス等の脱水機を任意に適用できる。これらの他にも圧搾に関して同様な技術思想を任意に適用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
先ず、本発明で使用する水溶性高分子分散液試料A〜Cを常法により製造した。これらの組成、物性を表1に示す。又、高分子凝集剤と汎用されている試料1〜5を準備、調製した。これらの組成、物性を表1に示す。更に汎用品の凝結剤試料6(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体、pH7でのカチオン当量6.1meq/g、製品濃度35%、重量平均分子量25万)、凝集剤試料7(ポリアミジン系水溶性高分子、pH7でのカチオン当量5.2meq/g、粉末品、重量平均分子量300万)も用意した。
(表1)
Figure 0006931209
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DMC:メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DMBZ:アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物
AAM:アクリルアミド
AAC:アクリル酸
形態;DR:塩水液中分散重合液、EM:油中水型エマルジョン、P:粉末
0.2質量%水溶液粘度;高分子濃度が0.2質量%になるように水で溶解したときの25℃において測定した粘度(mPa・s)
0.5質量%塩水溶液粘度(塩水中分散重合体):2質量%硫酸アンモニウム水中に高分子濃度が0.5質量%になるように溶解したときの25℃において測定した粘度(mPa・s)。
0.5質量%塩水溶液粘度(塩水中分散重合体以外);4質量%食塩水中に高分子濃度が0.5質量%になるように溶解したときの25℃において測定した粘度(mPa・s)。
(実施例1)
本発明におけるアルカリ剤及び水溶性高分子分散液添加処方の改質処理性能を評価した。対象の有機性廃棄物として、某養豚場の養豚向け液体状飼料の廃棄分を主成分とするスラリーを用いた。当該廃棄物試料の分析値は下記の様であった。pH3.7、EC756mS/m、SS濃度16.4質量%、TS濃度18.7質量%、VSS87.2質量%/SS、アニオン量2.35meq/L。当該廃棄物試料をメスシリンダーに100mL採取し試験に用いた。一液目にアルカリ剤として消石灰を対液4500ppm添加後、二液目として表1の本発明における水溶性高分子分散液試料Aの0.2質量%溶解液を、対液400ppm添加、スパチュラによる混合攪拌100回実施後、ナイロン製濾布(#202)により濾過し、60秒後の濾液量、フロック径を測定した。測定後、60秒間濾過した汚泥をプレス圧3Kg/cmで30秒間脱水し、ケーキ含水率(105℃で20時間乾燥)を測定した。その結果を表2に示す。尚、消石灰添加後の廃棄物試料のpHは7.0であった。
(実施例2〜8)
実施例1と同じ廃棄物試料を用い、同様な試験を実施した。一液目に消石灰あるいは苛性ソーダを添加、二液目に表1の本発明における水溶性高分子分散液試料A〜Cを添加し試験を実施した。その結果を表2に示す。
(比較例1〜14)
比較試験として実施例1と同じ廃棄物試料を用い、同様な試験を実施した。その結果を表2に示す。
(表2)
Figure 0006931209
本発明におけるアルカリ剤及び水溶性高分子分散液試料を添加時、廃棄物試料はフロックを形成し、濾過速度が速く凝集性能が高く、ケーキ含水率も低下を示した。本発明におけるアルカリ剤及び水溶性高分子分散液を添加することで有機性廃棄物を効率良く改質することが確認できた。一方、本発明における水溶性高分子分散液以外のポリマーを使用した場合や、アルカリ剤を使用しない場合では、フロックを殆ど形成せず、有機性廃棄物の改質は認められなかった。




Claims (4)

  1. 畜産施設から発生する動物用の液体状飼料の余剰あるいは廃棄分である有機性廃棄物に、アルカリ剤及び下記一般式(1)で表される単量体として、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物を必須として含有する単量体あるいは単量体混合物を、分散剤として塩水溶液に可溶な水溶性高分子を共存させ該塩水溶液中にて撹拌下、分散重合して得られる水溶性高分子分散液を添加し、混合させることを特徴とする有機性廃棄物の改質方法。
    Figure 0006931209
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、7〜20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
  2. 前記アルカリ剤が、消石灰、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム及び水酸化カリウムから選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の改質方法。
  3. 前記水溶性高分子分散液の25℃における0.2質量%水溶液粘度が、100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の改質方法。
  4. 前記有機性廃棄物の有機物量VSS値が、80質量%/SS以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の改質方法。
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