JP3709825B2 - 汚泥の脱水方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、濾過速度が速く、優れたフロックを得ることができるという各種凝集脱水性能に優れる汚泥の脱水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、汚泥の脱水処理には、カチオン性高分子凝集剤が単独で使用されているが、近年、汚泥発生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来のカチオン性高分子凝集剤では、汚泥の処理量に限界があることや、脱水ケーキ含水率、SS回収率及びケーキのろ布からの剥離性等の点で処理状態は必ずしも満足できるものではなく、これらの点を改善することが要求されている。
【0003】
従来のカチオン性高分子凝集剤のこれら欠点を改良するために、種々の両性高分子凝集剤やこれをを使用した脱水方法が種々提案されている。
例えば、(1)無機汚泥を含まない無機凝集剤を添加したpHが5〜8の有機質汚泥に、特定イオン当量のカチオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法(特公平5−56199号公報)、(2)pHが5〜8の有機質汚泥に、アクリレート系カチオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法(特許2933627号公報)、(3)汚泥に無機凝集剤を添加しpHを5未満に設定し、特定組成のアニオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する脱水方法(特公平6−239号公報)及び(4)排水に無機凝集剤、アニオン性高分子凝集剤及びカチオンリッチ両性高分子凝集剤を順次添加する有機性排水の処理方法(特開平6−134213号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記(1)〜(4)の脱水方法は、それなりに特長を有するものではあるが、最近の廃水の難脱水化傾向に対して、必ずしも有効的な方法とは言い難いものであった。
即ち、廃水処理後のCOD値をより低いものとする要求があるため、廃水に対する活性汚泥処理の比率が従来より高くなっており、汚泥脱水処理を行なう汚泥は余剰汚泥を多く含んだものとなり、又製紙廃水においては、廃水中の繊維分の回収率が上昇しているため、汚泥中の繊維分含有量が低くなり、従来の高分子凝集剤や汚泥脱水方法では対応できない場合があった。
【0005】
本発明は、種々の汚泥に対して凝集脱水性能に優れ、特に余剰比率の大きい汚泥に対しても凝集脱水性能に優れる汚泥の脱水方法を見出すため鋭意検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々の検討を行なった結果、アニオン性高分子凝集剤と特定のブレンド系両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法がが有効であることを見出し、本発明を完成した。
以下に、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.アニオン性高分子凝集剤
本発明で使用するアニオン性高分子凝集剤としては、アニオン性単量体の単独重合体及びアニオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体等を挙げることができる。
【0008】
アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸及びこのナトリウム塩等のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;マレイン酸等及びそれらのアルカリ金属塩;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルキルアルカンスルホン酸及びこのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;並びにビニルスルホン酸及びこのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
【0009】
ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダノール及びアリルアミン等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0010】
アニオン性高分子凝集剤としては、アニオン性単量体単位が5モル%以上の共重合割合であることが好ましい。
【0011】
2.両性高分子凝集剤
本発明で使用する両性高分子凝集剤を構成する両性高分子としては、カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及びノニオン性単量体単位を必須構成単量体単位とする共重合体であれば良い。
【0012】
カチオン性単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド等の塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩等が挙げられる。
【0013】
アニオン性単量体及びノニオン性単量体としては、前記と同様のものを挙げることができる。
【0014】
いずれの単量体も、単独又は2種以上を使用することができる。
【0015】
本発明における好ましい単量体の組合せとしては、▲1▼カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルアクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体、▲2▼カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルメタクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体、並びに▲3▼カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキルメタクリレートの3級塩又は4級塩、ジアルキルアミノアルキルアクリレートの3級塩又は4級塩、アニオン性単量体としてアクリル酸塩及びノニオン性単量体としてアクリルアミドからなる共重合体がある。
【0016】
本発明で使用する両性高分子凝集剤は、特定2種の両性高分子1及び同2を含み、前記両性高分子におけるカチオン性単量体単位及びアニオン性単量体単位の割合が下記式(1)〜(3)を満たすものである。
【0017】
【式5】
Ca1/An1≧1 ・・・・(1)
【式6】
Ca2/An2≧1 ・・・・(2)
【式7】
│(Ca1−An1)−(Ca2−An2)│≧1.5 ・・・・(3)
【0018】
〔尚、上記式(1)〜(3)において、Ca1及びAn1は、それぞれ、両性高分子1における全構成単量体単位の合計量を100モルに換算した場合における、全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表し、Ca2及びAn2は、それぞれ前記と同様に、両性高分子2における全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表す。〕
【0019】
即ち、いずれもカチオンリッチ両性高分子である両性高分子1及び同2の2種を併用し、それらを構成するカチオン性単量体単位とアニオン性単量体単位の差が大きいものと小さいものとを併用するものである。
【0020】
Ca1/An1としては1.2〜40.0が好ましく、Ca2/An2としては1.2〜40.0が好ましい。
│(Ca1−An1)−(Ca2−An2)│としては1.5〜40.0が好ましい。この値が1.5に満たないと、本発明の様な優れた凝集性能が発揮されない。
【0021】
両性高分子1及び同2は、前記単量体単位割合を満たす様にカチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及びノニオン性単量体単位を共重合して得ることができる。
【0022】
両性高分子の製造方法については特に制限はなく、一般的な重合方法を採用することができる。例えば、水溶液重合であれば、重合開始剤として過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩や、レドックス系の重合開始剤等を用いて、熱ラジカル重合を行なう方法や、ベンゾイン及びアセトフェノン型の光重合開始剤を用いて紫外線照射により光ラジカル重合を行なうこともできる。又、逆相のエマルション重合であれば、前記重合開始剤以外に、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等の水不溶性開始剤を用いて重合を行っても良い。
【0023】
両性高分子の分子量については、分子量の指標である0.5%塩粘度で示すと、5〜120mPa・sであることが好ましく、安定した脱水処理を達成するためには、15〜90mPa・sがより好ましい。
0.5%塩粘度は、4%塩化ナトリウム水溶液に両性高分子を0.5%溶解した試料を25℃で、B型粘度計にて、ローターNo.1又は2を用いて、60rpmで測定する。
【0024】
両性高分子凝集剤は、両性高分子1及び同2を混合することにより製造することができる。又、後記する汚泥の脱水においては、それぞれの成分を別々に添加することもできる。
両性高分子1及び同2としては、それぞれ1種を使用することも、2種以上を併用することもでき、両性高分子1及び同2の1種づつを使用することが簡便であり好ましい。
組成物における両性高分子の割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、両性高分子1が10〜90質量%及び両性高分子2が90〜10質量%の範囲が好ましい。
【0025】
又、両性高分子凝集剤としては、全両性高分子における全構成単量体単位中のノニオン性単量体単位の割合が60モル%以上であるもの、即ちイオン性単量体単位を40モル%未満とするものが好ましい。組成物中の全両性高分子における全構成単量体単位中のノニオン性単量体単位の割合が60モル%に満たないと、凝集力が低下する場合がある。
【0026】
両性高分子凝集剤の使用に際しては、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸等、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混合して使用しても良い。
【0027】
3.汚泥の脱水方法
本発明の汚泥の脱水方法は、汚泥に対して、前記したアニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤を添加し、次いで脱水する方法である。
汚泥への凝集剤の添加方法としては、アニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤を別々に添加することも、同時に添加することも可能であるが、アニオン性高分子凝集剤を添加した後、両性高分子凝集剤を添加する方法が、これら高分子凝集剤の併用効果が最も大きくなるため好ましい。
【0028】
本発明は、種々の汚泥に適用可能であり、下水、し尿、並びに食品工業、化学工業及びパルプ又は製紙工業汚泥等の一般産業排水で生じる有機性汚泥及び凝集沈降汚泥を含む混合汚泥等を挙げることができる。
本発明の両性高分子凝集剤は、特に繊維分が少ない汚泥、即ち余剰比率の高い汚泥に好ましく適用できるものである。具体的には、余剰比率が5SS%以上の汚泥に好ましく適用でき、より好ましくは5〜40SS%の汚泥に適用できる。
【0029】
脱水方法は、具体的には、汚泥に凝集剤を添加した後、これにより汚泥フロックを形成させるものである。フロックの形成方法は、公知の方法に従えば良い。
【0030】
又、必要に応じて、無機凝集剤、有機カチオン性化合物及びカチオン性高分子凝集剤を併用することができる。
【0031】
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄及び硫酸第一鉄及びポリ硫酸鉄等を例示できる。
【0032】
有機カチオン性化合物としては、ポリマーポリアミン、ポリアミジン及びカチオン性界面活性剤等を例示できる。
【0033】
無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した場合においては、pHを4〜8とすることが、より効果的に汚泥の処理を行うことができるため好ましい。
pHの調整方法としては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合は、酸又はアルカリを添加して調整する。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることができる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
【0034】
カチオン性高分子凝集剤としては、前記したカチオン性単量体の単独重合体及び前記したカチオン性単量体及びノニオン性単量体の共重合体等を挙げることができる。
【0035】
本発明では、汚泥に添加する凝集剤は、使用する全高分子凝集剤の合計したカチオン性単量体単位とアニオン性単量体単位の割合が、下記式(4)を満足する様に添加する。
【0036】
【式8】
0.5≦Caall/Anall≦10.0 (4)
【0037】
〔尚、上記式(4)において、Caall及びAnallは、それぞれ、全使用高分子凝集剤の全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量の合計量を100モルに換算した場合における、全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表す。〕
この範囲外で使用すると、フロックの造粒性が乏しくなったり、全凝集剤の必要添加量が異常に増加したりし、得られるケーキの含水率が高くなることがある。
【0038】
アニオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤、その他凝集剤の添加量、攪拌速度、攪拌時間等は、従来行われている脱水条件に従えば良い。
アニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤の併用割合としては、使用する全高分子凝集剤中にアニオン性高分子凝集剤が1〜70質量%、両性高分子凝集剤が99〜30質量%であることが好ましい。
アニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤の汚泥に対する添加割合としては、それらの合計量として、5〜500ppmが好ましく、SSに対しては0.05〜1ppmが好ましい。
【0039】
このようにして形成したフロックは、公知の手段を用いて脱水し、脱水ケーキとする。
【0040】
脱水装置としては、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機及びスクリューデカンター等を例示することが出来る。
【0041】
又、本発明は、濾過部を有する造粒濃縮槽を使用する脱水方法にも適用可能である。
具体的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した後、又は高分子凝集剤と共に、該汚泥を濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処理する方法等が挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、「部」とは質量部を意味する。
各例で使用した両性高分子及びアニオン性高分子凝集剤は、それぞれ下記表1及び表2に示すものを使用した。
又、各表における略号は、以下の意味を示す。
・DAC:ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル4級塩
・AA:アクリル酸
・AMD:アクリルアミド
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
○実施例1〜同3
表3に示す両性高分子を表3に示す割合で使用し、これらを混合して組成物を製造し、これを両性高分子凝集剤として使用した。
製紙・パルプ排水混合汚泥(SS:47900mg/l、VSS:29000mg/l、繊維分:8500mg/l)200mlを300mlのビーカーに採取し、これにアニオン性高分子凝集剤を添加し、その後両性高分子凝集剤を添加した後、空の300mlのビーカー移液し、計5回移液操作を実施した後、スパーテルにて50回攪拌してフロックを生成させた。この時のフロックの造粒程度を3段階で評価し所定回数攪拌後のフロックの粒径を評価した。
その後、80メッシュ濾布をフィルターとして用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過し、10秒後の濾液容量を測定し、これを濾過速度とした。又、濾布上のケーキの自立性と得られた濾液の外観を3段階で評価した。
その後、80メッシュ濾布をフィルターとして用いて、前記汚泥フロック分散液を重力濾過し、10秒後の濾液容量を測定し、これを濾過速度とした。又、濾布上のケーキの自立性と得られた濾液の外観を下記の3段階で評価した。
ケーキの含水率は、得られた汚泥フロックを濾布の上にのせ、ミニベルト機を用い、走行速度0.5m/分、0.5kg/cm2で3段圧搾後、ケーキを105℃×12時間加熱後、その減量値から求めた。
評価結果を表4に示す。実施例1の汚泥脱水方法は、評価を行なった全ての凝集性能に優れるものであった。
【0046】
・造粒性
優;攪拌すると直ちに粒径の大きなフロックを形成した。良;攪拌をしばらく続けると粒径の大きなフロックを形成した。不良;攪拌を続けても粒径の小さなフロックしか形成しなかった。
・濾過概観
優;完全に透明。良;僅かに浮遊物有り。不良;多くの浮遊物有り。
・自立性
重力濾過時にフロック分散液を円筒に流し込み、濾過後、円筒を取り外したときにおいて、
優:完全にケーキが自力で立った。良:僅かにケーキが流れた。不良:ケーキが流れてしまった。
・剥離性
ケーキを濾布からはがした時における濾布の状況が、
優:全く汚れなかった。良:僅かに汚れた。不良:汚れてしまった。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
○比較例1及び同2
汚泥に、表5に示すアニオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤を使用した以外は実施例と同様にして、汚泥の脱水処理を行なった。
実施例1と同様に評価した結果を表5に示す。
比較例1及び同2で使用した両性高分子凝集剤のCO−1及びCO−2の構成単量体比率は、それぞれ両性高分子凝集剤のBL−1及びBL−3の混合後の構成単量体比率が同じものであったが、いずれの凝集性能も不充分なものであった。
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】
本発明の汚泥の脱水方法によれば、種々の汚泥に対して、特に余剰比率の高い汚泥に対しても、濾過速度が速く、得られるフロックは粒径が大きく、自立性及び剥離性に優れるという各種凝集脱水性能に優れたものとなる。
Claims (1)
- 汚泥に対して、アニオン性高分子凝集剤及び下記両性高分子凝集剤を別々に又は同時に添加する方法であって、使用する全高分子凝集剤の合計したカチオン性単量体単位とアニオン性単量体単位の割合が、下記式 (4) を満足する様に汚泥に高分子凝集剤を添加し、次いで脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
○両性高分子凝集剤
カチオン性単量体単位、アニオン性単量体単位及びノニオン性単量体単位を必須構成単量体単位とする2種の両性高分子(以下両性高分子1及び両性高分子2という)を含み、前記両性高分子におけるカチオン性単量体単位及びアニオン性単量体単位の割合が下記式(1)〜(3)を満たす組成物からなる両性高分子凝集剤。
【式1】
Ca1/An1≧1 ・・・・(1)
【式2】
Ca2/An2≧1 ・・・・(2)
【式3】
│(Ca1−An1)−(Ca2−An2)│≧1.5 ・・・・(3)
〔尚、上記式(1)〜(3)において、Ca1及びAn1は、それぞれ、両性高分子1における全構成単量体単位の合計量を100モルに換算した場合における、全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表し、Ca2及びAn2は、それぞれ前記と同様に、両性高分子2における全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表す。〕
【式4】
0.5≦Ca all /An all ≦10 ・・・・ (4)
〔尚、上記式 (4) において、Ca all 及びAn all は、それぞれ、全使用高分子凝集剤の全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量の合計量を100モルに換算した場合における、全カチオン性単量体単位量及び全アニオン性単量体単位量のモル数を表す。〕
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