JP4109145B2 - 高分子凝集剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマーを必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)からなる高分子凝集剤、その製造方法及び汚泥の脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマーを必須構成単位とするビニル系水溶性重合体の製造方法としては、3級アミン含有(メタ)アクリル系モノマーを水中において酸で中和することにより得られるモノマーを重合させて製造する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では中和反応時に(メタ)アクリル系モノマーの加水分解物が副生し、ポリマーの分子量が大きくなりにくい、ポリマーの水溶解時に不溶解分が生じる等の問題点があった。また加水分解副生物を除去する方法として、イオン交換樹脂で処理するといった方法が提案されているが工業的に好適な方法ではなかった。そのためこのポリマーを高分子凝集剤として使用した場合は、下水、し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥に対する脱水効果が良くなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はこれらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到った。すなわち本発明は、一般式(1)で表されるアミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマー(m1)を必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)からなる高分子凝集剤において、(m1)が、pH1〜7の水および(m1)と酸との混合物中に、(m1)の未中和物、酸および水を加えて中和して得られ、(m1)の重量に基づく(メタ)アクリル酸含量が1重量%以下であることを特徴とする高分子凝集剤;該モノマー(m1)を必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)からなる高分子凝集剤の製造方法;並びに、該高分子凝集剤を汚泥に添加してフロックを形成した後固液分離を行うことを特徴とする汚泥の脱水方法である。
CH2=CR1−CO−X−Q−NR23・HZ (1)
[式中、R1、R2、R3はそれぞれHまたはCH3 ;XはOまたはNH;QはCH2CH2
CH2CH2CH2またはCH2CH(OH)CH2;ZはCl、Br、I、NO3 、1/2SO4、CH3SO4、H2PO4またはCH3COOを表す。]

【0005】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマー(m1)は、上記一般式(1)で表される。
(m1)の具体例としては、(メタ)アクリレート類〔1級アミン塩基含有系[アミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩および硫酸塩、アミノプロピル(メタ)アクリレート塩酸塩および硫酸塩等]、2級アミン塩基含有系[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩および硫酸塩、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート塩酸塩および硫酸塩、アミノエチル(メタ)アクリレートのメチル硫酸塩等]、3級アミン塩基含有系[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩酸塩および硫酸塩およびメチル硫酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートの塩酸塩および硫酸塩、メチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチル硫酸塩等]等〕;(メタ)アクリルアミド類〔1級アミン塩基含有系[アミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩、アミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩等]、2級アミン塩基含有系[メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩等]、3級アミン塩基含有系[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩および硫酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩酸塩および硫酸塩等]〕;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、工業的に製造しやすいとの観点から、好ましいのは、XがOである(メタ)アクリレート類、さらに好ましいのはR2およびR3がいずれもCH3、ZがClまたは1/2SO4であるジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート硫酸塩、特に好ましいのはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩、最も好ましいのはジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩である。
【0006】
本発明におけるモノマー(m)は、上記(m1)からなる。
(m)の製造方法としては、該(m1)の未中和物に酸および水を同時に加えて中和する方法、およびpH1〜7の水及び/又は(m1)と酸との混合物中に、該(m1)の未中和物、酸及び水を同時に加えて中和する方法などが挙げられる。これらのうち、(m1)の加水分解を避ける観点から好ましいのはpH1〜7の水及び/又は(m1)と酸との混合物中に、該(m1)の未中和物、酸及び水を同時に加えて中和する方法である。
pH1〜7の水は酸でpHを1〜7、(m1)の加水分解を避ける観点から好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5.5に調整した水である。
ここおよび以下においてpHは、市販の温度補正機能の付いたpHメーター[例えばpH METER M−12、(株)堀場製作所製]を用い、希釈などせず原液そのままに電極を浸すことにより測定した値である。
水は工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水等が使用できるが不純物の少ないイオン交換水、蒸留水が好ましい。pHを調整する酸としては、HCl、HBr、HI、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、メチルスルホン酸等の有機酸が挙げられ、これらのうち水に対する溶解性の観点から好ましいのは無機酸、さらに好ましいのはHCl、硫酸、特に好ましいのはHClである。
【0007】
(m1)との混合物に使用される酸としては上記例示した酸と同じものでよい。(m1)が使用される場合には、最初に使用される(m1)の量は中和終了後の合計モノマー重量に対して(m1)の加水分解防止と得量の観点から好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。
酸の量は初期の(m1)量に対して、(m1)の加水分解を避ける観点から好ましくは1〜5モル%、さらに好ましくは2〜3モル%である。
(m1)の未中和物、酸及び水を同時に加える前の混合物が(m1)、酸、水の混合物である場合には初期の(m1)濃度は重合時における高分子量化の観点から好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは50〜80重量%になるように水を使用する。
上記の中和が行われる状態としては、中和時のpHコントロールが容易であるとの観点から好ましくは(m1)と酸との混合物中、さらに好ましくは水を含む三者の混合物である。中和反応が終了するまで系内のpHは1〜7、(m1)の加水分解を避ける観点から好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5.5である。
【0008】
本発明における(m)は上記の状態において(m1)の未中和物、酸及び水を投入していくことにより得られる。(m1)の未中和物とは上記一般式(1)からHZを除いたものであり、具体的には前記例示した(m1)からHZを除いたものが挙げられる。 これらの中で工業的に製造しやすいとの観点から好ましいのは(メタ)アクリレート類、さらに好ましいのはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、特に好ましいのはジメチルアミノエチルメタアクリレートである。
加える酸は前記と同じものが挙げられるが、初期に使用した酸[水のpH調整に用いたものおよび/または(m1)との混合物に用いたもののいずれでもよい]の種類と同じものが好ましい。
【0009】
加える(m1)の未中和物の量は中和終了後の合計モノマー(m1)の重量に対して好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%である。
加える(m1)の未中和物と加える酸の当量比は(m1)の加水分解を避ける観点から好ましくは1/1〜1/1.02、さらに好ましくは1/1〜1/1.01である。
加える水の量は、重合時における高分子量化の観点から最終時のモノマー(m1)の濃度が65〜85重量%になるような量とするのが好ましく、75〜80重量%になるような量とするのがさらに好ましい。
【0010】
(m1)の未中和物、酸及び水を加える順序については、これらを別々に加えてもよいし、二者を混合して加えてもよいし、三者を混合して加えてもよい。(m1)の加水分解を避ける観点から好ましいのは別々に加える方法である。また、加える方法については、滴下による方法、一括投入する方法、断続的に加える方法が挙げられるが、(m1)の加水分解を避ける観点から好ましいのは滴下による方法である。
加える際又は中和時の系内の温度は、(m1)の加水分解反応を抑える観点から好ましくは0〜50℃、さらに好ましくは0〜30℃である。中和時間は系内の温度を制御できる観点から好ましくは5〜100分、さらに好ましくは10〜30分である。中和が進むにつれてpHはある一定の値に収斂していくので、pHの値が一定になった時点を中和の終点とすることができる。この値は使用する酸の種類、量によって異なる。
また、中和する際に(m1)が加水分解して副生物が一部生ずる場合があり、この副生物としては(メタ)アクリル酸が主なるものとして挙げられる。
【0011】
(m)中の(メタ)アクリル酸含量は(m1)の重量に基づいて1重量%以下、好ましくは0〜0.5重量%である。(メタ)アクリル酸含量が1重量%を超えると(m)を必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)の高分子量化が難しくなり、(A)からなる高分子凝集剤の水への溶解性が不良となる。
(m)中の(メタ)アクリル酸含量は、例えば溶剤(クロロホルムなど)で抽出してガスクロマトグラフィーか液体クロマトグラフィーで測定できる。
また、(m)中の(m1)の含有量は好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上である。
該含有量はヨード価測定により二重結合量で測定できる。
【0012】
本発明において、ビニル系水溶性重合体(A)は、モノマー(m)の単独重合体であっても、他の公知のビニルモノマーとの共重合体であってもよい。
その場合に使用される他のビニルモノマーの例としては、非イオン性ビニルモノマー[炭素数3〜20、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン等];アニオン性ビニルモノマー[炭素数5〜20、例えば(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(塩)、イタコン酸(塩)等];カチオン性ビニルモノマー[炭素数3〜30、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアミン、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メチル)ジアリルアミン、ビニルピリジン、それらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸など)塩]、4級化物(メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩、ベンジルクロライド塩など)およびそれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
【0013】
これらの中で工業的観点から、好ましいのはアクリルアミド及び/又は他のカチオン性ビニルモノマー、さらに好ましいのはアクリルアミド及び/又はN、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、特に好ましいのはアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドである。
【0014】
(m)と他のビニルモノマーを共重合する場合、(m)の共重合割合は目的に応じて自由に選びうるが、ポリマーの性能、特に高分子凝集剤として用いた時の脱水率の観点から、非イオン性、アニオン性も含めた全ビニルモノマー[本発明におけるビニル系水溶性重合体(A)を構成する全ビニルモノマー]の合計量に対する(m)の含量は、好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%である。
【0015】
本発明におけるビニル系水溶性重合体(A)は、公知の方法、例えば水溶液重合、水と有機溶剤を用いた乳化重合、懸濁重合等により製造できる。
水溶液重合の場合は、モノマー濃度が通常10〜80重量%となるようにモノマー水溶液を調製し、系内を不活性ガス(窒素、アルゴン等)で置換した後、公知の重合触媒〔過硫酸塩、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム;有機過酸化物、例えばベンゾイルパーオキシド;アゾ系化合物、例えば2,2’−アゾビス−(アミジノプロパン)ハイドロクロライド、アゾビスシアノバレリン酸;レドックス触媒[過酸化物(H22、過硫酸カリウム等)と還元剤(重亜硫酸ソーダ、硫酸第一鉄等)との組合せ]など〕を加えて20〜100℃程度で数時間重合することにより製造できる。
重合触媒の使用量は、モノマーの重量に基づいて過硫酸塩、有機過酸化物およびレドックス触媒ではそれぞれ通常10重量%以下、好ましくは0.000001〜1重量%、アゾ系化合物では通常10重量%以下、好ましくは0.0001〜5重量%である。
【0016】
乳化重合の場合は、モノマー濃度が通常10〜90重量%となるようにモノマー水溶液を調製し、油性媒体(鉱物油、炭化水素系溶剤など)、乳化剤(ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤など)と混合し、機械的攪拌やホモジナイザー等により乳化処理を行い系内を不活性ガス(窒素、アルゴン等)で置換した後、前記重合触媒を加えて20〜100℃程度で数時間重合することにより製造できる。
【0017】
懸濁重合の場合は、モノマー濃度が通常10〜90重量%となるようにモノマー水溶液を調製し、油性媒体(鉱物油、炭化水素系溶剤など)、分散剤(親水性高分子化合物、ノニオン性界面活性剤など)と混合し、機械的攪拌やホモジナイザー等により乳化処理を行い系内を不活性ガス(窒素、アルゴン等)で置換した後、前記重合触媒を加えて20〜100℃程度で数時間重合することにより製造できる。
また、光増感剤をモノマー水溶液に加えた後、紫外線等を照射してもよい。
これらの重合方法のうち、工業的に製造しやすい観点から好ましいのは水溶液重合の方法である。
【0018】
(A)の分子量は、凝集性能の観点から、好ましくは固有粘度(1N−NaNO3 中、30℃で測定、単位:dl/g、以下同様)で2〜30、さらに好ましくは4〜25、特に好ましくは5〜20、最も好ましくは8〜15である。
【0019】
上記方法で得られた(A)は通常粉末化して高分子凝集剤として用いられる。
水溶液重合法の場合は、得られた重合体を適宜細断して熱風乾燥、溶剤沈澱・乾燥し、粉砕することで粉末化できる。乳化重合法の場合は、得られた乳化液を溶剤沈殿・乾燥することで粉末化できる。懸濁重合法の場合は、得られた懸濁液をろ過または遠心分離により固液分離させた後、乾燥することで粉末化できる。
【0020】
本発明の高分子凝集剤は、単独でも使用できるが、目的に応じて、例えば他のカチオン性ビニルモノマーを必須構成単位とするカチオン性又は両性のビニル系水溶性重合体(B)からなる高分子凝集剤と併用してもよい。該必須構成単位を形成する他のカチオン性ビニルモノマーとしては、前記のものと同じものが挙げられる。
【0021】
上記モノマー等を重合した(B)の具体例としては、カチオン性ビニル系水溶性(共)重合体〔ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドコポリマー[共重合比(重量比)0.1/99.9〜98/2]、ポリビニルアミジン等〕、両性ビニル系水溶性重合体〔アクリルアミド/アクリル酸/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドコポリマー[共重合比(重量比)(0〜98)/(0.1〜50)/(0.1〜100)]等〕が挙げられるが、中でも、有機性汚泥に対する脱水効果の観点から好ましいのは両性ビニル系水溶性重合体、及びpH4におけるコロイド当量値が4.0〜7.0であるカチオン性ビニル系水溶性重合体、さらに好ましいのはポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、特に好ましいのはポリメタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドである。
【0022】
本発明の高分子凝集剤は、0.1重量%濃度の水溶液とした時の水溶液pHは、経時変化によるポリマーの劣化の観点から、好ましくは2〜4、さらに好ましくは2.5〜3.5である。
0.1重量%水溶液とした時の水溶液pHを2〜4とするために、本発明の高分子凝集剤は酸性物質を含有させてもよい。
酸性物質としては、公知の無機もしくは有機の酸性物質が使用でき、具体例としては無機酸性物質[鉱酸(硫酸、塩酸、リン酸等)、固体酸性物質(酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、重硫酸アンモニウム、スルファミン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等)等];有機酸[シュウ酸、酢酸、プロピオン酸等]が挙げられるが、経時変化によるポリマーの劣化防止効果及び経済性の観点から好ましいのは無機固体酸性物質、さらに好ましいのは酸性ぼう硝およびスルファミン酸である。
酸性物質の使用量は、(A)の重量に基づいて通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。
【0023】
本発明の高分子凝集剤は、必要に応じ種々の添加剤を併用することができる。
添加剤としては、無機酸塩〔無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸など)の金属[アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど]塩およびアンモニウム塩(但し、上記固体酸性物質を除く)、例えば硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム、炭酸アンモン〕;有機酸塩[有機酸(カルボン酸、スルホン酸、フェノールなど)の金属(前記のもの)塩およびアンモニウム塩、例えば、酢酸ソーダ、乳酸ソーダなど];界面活性剤[米国特許第4331447号明細書記載の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ジオクチルスルホコハク酸ソーダなど];酸化防止剤{フェノール化合物(ハイドロキノン、カテコールなど)、ヒンダードアミン[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなど]、含硫化合物〔2−メルカプトベンゾチアゾールおよびその塩[金属(前記のもの)塩およびアンモニウム塩など]、チオ尿素、テトラメチルチウラムジサルファイド、ジメチルジチオカルバミン酸およびその塩[(金属(前記のもの)塩またはアンモニウム塩など]、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなど〕、含リン化合物(トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムなど)、含窒素化合物(グアニジン硫酸塩など)など};増粘剤〔水溶性高分子、例えばセルロース系高分子(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、アクリル系高分子[ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなど]〕などが挙げられる。
【0024】
上記添加剤の使用量は、(A)の重量に基づいて無機酸塩、有機酸塩、増粘剤はそれぞれ通常10重量%以下、ポリマー水溶液の粘度の観点から好ましくは0.1〜5重量%、界面活性剤は通常5重量%以下、ポリマー水溶液の粘度の観点から好ましくは0.1〜3重量%、酸化防止剤は通常5重量%以下、ポリマー水溶液の粘度の観点から好ましくは0.1〜3重量%である。
【0025】
これらの添加剤は(A)の製造時に添加するか、または(A)を高分子凝集剤として用いる際に(A)に配合して使用される。
(A)の製造時に添加する方法としては特に限定はないが、予めモノマー水溶液に添加する方法、重合後の含水ゲルに添加する方法等が挙げられる。
(A)に配合する方法としては特に限定はなく、任意の順序、装置で配合できる。また、配合に用いる装置としては、コニカルブレンダーなどが挙げられる。
これらのうち、酸化防止剤を併用する場合は本発明における(A)の水溶液の粘度安定性の観点から(A)の製造時に添加する方法がより好ましい。
【0026】
本発明の高分子凝集剤の製品形状は、粉末状、フィルム状、水溶液状、w/oエマルション状、懸濁液状等公知の任意の形状でよい。
【0027】
本発明の高分子凝集剤は、(A)として通常0.1重量%程度の濃度の水溶液とし、これを汚泥等に添加して使用される。高分子凝集剤の使用量は、汚泥中の懸濁物の重量に基づいて、(A)として通常0.01〜100重量%、固液分離のしやすさの観点から好ましくは0.1〜20重量%である。
添加後混合することによりフロックを形成させ、その後固液分離を行い脱水処理される。脱水方法としては、公知の遠心脱水、ベルトプレス脱水、フィルタープレス脱水、キャピラリー脱水等の方法が使用できるが、脱水効果の点から遠心脱水、ベルトプレス脱水が好ましい。
【0028】
本発明の高分子凝集剤は、水中の懸濁粒子に高い吸着性を示して効果的な凝集性(フロック形成性)を示すため、公知の水系懸濁液の固液分離促進に特に限定なく使用できるが、実用的価値の面から、下水、し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥及びこれらの混合物)の脱水により有用である。これらの中でも、同じ理由で有機分含量[VSS(懸濁物中の有機分含量)/SS(汚泥中の懸濁物含量)]が70%以上の有機性汚泥の脱水により有用である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
撹拌棒、滴下ロート3個を備えた1Lコルベンにジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の70%水溶液200gを仕込み、塩酸でpHを3に調整し、1本目の滴下ロートからジメチルアミノエチルメタアクリレート314g(2.0モル)を15.7g/10分の速度で、2本目の滴下ロートから35%塩酸208g(2.0モル)を10.4g/10分の速度で、更に3本目の滴下ロートから水10gを0.5g/10分の速度で同時に滴下した。滴下中は反応温度を20〜30℃、pHを3〜5に調整した。滴下時間は200分であった。滴下終了後25℃で60分熟成した。全量滴下が終了した時点でジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の得量は522gであった(収率99%)。ジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の重量に対するメタアクリル酸は0.2重量%であった。
この生成物をイオン交換水で濃度50重量%となるように調整し、35℃に温調した後、重合触媒として過硫酸アンモニウムと重亜硫酸ソーダを、この順序で該モノマー(ジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩)の重量に基づいて各々0.015重量%を50重量%の水溶液で添加して、5時間重合させた。
得られた重合体(ゲル)を直径約5mmのミンチ状に細断し、これを100℃の熱風で2時間乾燥後ジューサーミキサーで粉砕して、体積平均粒子径1,000μmの粉末状のジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の重合体を得た。重合体の水への溶解性は良好であった。
【0030】
比較例1
撹拌棒、滴下ロートを備えた1Lコルベンにジメチルアミノエチルメタアクリレート314g(2.0モル)と水30gを仕込んだ。この時のpHは9.1であった。滴下ロートから35%塩酸208g(2.0モル)を10.4g/10分の速度で滴下した。滴下中は反応温度を20〜30℃に調整した。滴下中のpHは6.0〜9.1であった。全量滴下が終了した時点で得量は725gであった(収率99%)。ジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の重量に対するメタアクリル酸は2重量%であった。
この生成物を実施例1と同様に処理して、体積平均粒子径1,000μmの粉末状のジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩の重合体を得た。重合体の水への溶解性をテストしたところ10重量%の不溶解分があった。
【0031】
実施例2
実施例1で得られたジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩とアクリルアミドをモル比80/20の割合で共重合した。その他の条件、例えば重合濃度、重合温度、時間、開始剤等は実施例1と同様にして行い体積平均粒子径1,000μmの粉末状のジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩/アクリルアミドの共重合体を得た。
【0032】
比較例2
比較例1で得られたジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩とアクリルアミドをモル比80/20の割合で共重合した。その他の条件、例えば重合濃度、重合温度、時間、開始剤等は比較例1と同様にして行い平均粒子径1,000μmの粉末状のジメチルアミノエチルメタアクリレート塩酸塩/アクリルアミドの共重合体を得た。
【0033】
実施例1〜2、比較例1〜2で得られた(共)重合体からなる高分子凝集剤をそれぞれイオン交換水に溶解して0.1重量%水溶液とし、K市下水処理場余剰汚泥[pH6.9、TS(総固形分)2.3重量%、有機分81重量%]に(共)重合体として0.85重量%/TSずつ添加、混合してフロックを形成させ、これを小型ベルトプレス脱水機を用いて脱水試験を行い、得られた脱水ケーキの含水率を測定した。試験結果を表1に示す。
本発明の高分子凝集剤(実施例1〜2)は、比較例1〜2に比べて、高い脱水性(低いケーキ含水率)を示した。
【0034】
【表1】
Figure 0004109145
【0035】
【発明の効果】
本発明の高分子凝集剤及びその製造方法は下記の効果を奏する。
▲1▼ 本発明の高分子凝集剤を構成する原料モノマーは、副生物である(メタ)アクリル酸の含量が極めて少ないことから、高分子量化が容易で、得られる高分子凝集剤は水溶解性に優れる。
▲2▼ そのため下水、し尿等の微生物処理で生じる有機性汚泥に対する優れた脱水効果を奏する。また、特に従来脱水が困難であった有機分含量(VSS/SS)の高い汚泥に対し際立った効果を発揮する。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表されるアミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマー(m1)を必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)からなる高分子凝集剤において、(m1)が、pH1〜7の水および(m1)と酸との混合物中に、(m1)の未中和物、酸および水を加えて中和して得られ、(m1)の重量に基づく(メタ)アクリル酸含量が1重量%以下であることを特徴とする高分子凝集剤。
    CH2=CR1−CO−X−Q−NR23・HZ (1)
    [式中、R1、R2、R3はそれぞれHまたはCH3 ;XはOまたはNH;QはCH2CH2
    CH2CH2CH2またはCH2CH(OH)CH2;ZはCl、Br、I、NO3 、1/2SO4、CH3SO4、H2PO4またはCH3COOを表す。]
  2. (A)が前記(m1)とアクリルアミド及び/又は他のカチオン性ビニルモノマーとの共重合体であって、該(m1)の量が全モノマーの50モル%以上である請求項1記載の高分子凝集剤。
  3. (A)の、1N−NaNO3 中30℃で測定した固有粘度(dl/g)が4以上である請求項1または2記載の高分子凝集剤。
  4. 一般式(1)で表されるアミン塩基を有する(メタ)アクリル系モノマー(m1)を必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(A)からなる高分子凝集剤の製造方法において、(m1)が、pH1〜7の水および(m1)と酸との混合物中に、(m1)の未中和物、酸および水を加えて中和して得られ、(m1)の重量に基づく(メタ)アクリル酸含量が1重量%以下であることを特徴とする高分子凝集剤の製造方法。
    CH2=CR1−CO−X−Q−NR23・HZ (1)
    [式中、R1、R2、R3はそれぞれHまたはCH3 ;XはOまたはNH;QはCH2CH2
    CH2CH2CH2またはCH2CH(OH)CH2;ZはCl、Br、I、NO3 、1/2SO4、CH3SO4、H2PO4またはCH3COOを表す。]
  5. 請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤を汚泥に添加してフロックを形成した後固液分離を行うことを特徴とする汚泥の脱水方法。
  6. さらに、アクリルアミド及び/又は他のカチオン性ビニルモノマーを必須構成単位とするビニル系水溶性重合体(B)からなる高分子凝集剤を併用する請求項5記載の汚泥の脱水方法。
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