JP3608094B2 - 有機汚泥の脱水剤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機汚泥の脱水剤およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで凝集脱水する際に添加する脱水剤およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥あるいはこれらの混合汚泥の凝集処理、脱水処理にはカチオン性高分子凝集剤が使用されてきたが、近年、汚泥発生量の増加や汚泥性状の悪化などにより、カチオン性高分子凝集剤の単独使用では汚泥処理量が上がらない上に、脱水ケーキの含水率、SSの回収率、ケーキのろ布からの剥離性などについて、必ずしも満足できるものではなく、その改善が求められてきた。
【0003】
従来のカチオン性高分子凝集剤の欠点を改良するために、交叉結合されたカチオン性、アニオン性および両性の有機高分子組成物が提案されており(ヨーロッパ特許第0,202,780号明細書、特開昭61−293510号公報、特開昭64−85199号公報、特開平4−226102号公報など)、種々の固−液分離用、殊に懸濁固体の分散液の凝集などに有効であることが知られている。しかしこれらの凝集剤は高投与量でないと効果がでないという欠点がある。最近の環境汚染および材料の経費の増大などの観点から、低投与量で高度の分離が可能な凝集剤が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで凝集脱水する際に使用できる、低投与量で高度の分離が可能な凝集剤およびこの凝集剤を効率よく製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、優れた凝集脱水性能をもつ有機汚泥の脱水剤を開発すべく鋭意研究した結果、水溶性カチオン性ビニル単量体とスルホン基を含む水溶性ビニル単量体を、必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、逆相エマルジョン重合させて得られる水溶性高分子であって、分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こしてイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子から成る脱水剤により課題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】
本発明の請求項1の発明は、製造時に分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こしてイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子であって、下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物5〜99.9モル%およびスルホン基含有ビニル単量体の塩0.1〜3モル%を含有する水溶性ビニル単量体の共重合物である水溶性高分子から成ることを特徴とする有機汚泥の脱水剤である。
【0007】
【化3】
【0008】
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 H4 、C3 H6 、C3 H5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【0009】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤において、2重量%硫酸アンモニウム水溶液中における水溶性高分子の固有粘度が3dl/g以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3の発明は、請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤において、請求項1に掲げる以外の共重合単量体が(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4の発明は、請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤において、請求項1に掲げる以外の共重合単量体が(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリル酸であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項5の発明は、請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤において、スルホン基含有ビニル単量体の塩がアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩であることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項6の発明は、請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤において、逆相エマルジョン重合によって製造することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項7の発明は、(A)5〜99.9モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)0.1〜3モル%のスルホン基含有ビニル単量体の塩、(C)残与の水溶性単量体、(D)水、(E)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物、(F)逆相エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤の混合体を強攪拌し、微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行って分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こしてイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子を製造し、前記水溶性高分子を水に溶解して使用することを特徴とする有機汚泥の脱水剤の製造方法である。
【0015】
【化4】
【0016】
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 H4 、C3 H6 、C3 H5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)水溶性カチオン性ビニル単量体の具体例としては、下記に示す(1−A)、(2−A)、(3−A)、(4−A)の群から選ばれたカチオン性ビニル単量体およびこれらの混合物を挙げることができる。
(1−A) 第4級窒素含有(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリレートとはアクリレート、メタクリレートを指す。以下同様。〕
(i) (メタ)アクリロイロキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩たとえば2−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2−(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルトリエチルアンモニウムエトサルフェート、3−(メタ)アクリロイロキシプロピルジメチルエチルアンモニウムメトサルフェートなど。
(ii) (メタ)アクリロイロキシヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩たとえば3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピルメチルジエチルアンモニウムクロリド、3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェートなど。
【0018】
(2−A) 第3級窒素含有(メタ)アクリレートと酸との塩
(i) ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩たとえば2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート硫酸塩、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩など。
(ii) ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの塩たとえば3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート塩酸塩、3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート硫酸塩など。
【0019】
(3−A) 第4級窒素含有(メタ)アクリルアミド
(i) (メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩たとえば3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2−(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートなど。
(ii) (メタ)アクリルアミドヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩たとえば3−(メタ)アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3−(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートなど。
【0020】
(4−A) 第3級窒素含有(メタ)アクリルアミドと酸との塩
(i) ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩たとえば2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド塩酸塩、2−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド硫酸塩など。
(ii) ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの塩たとえば3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド酢酸塩、3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド硫酸塩など。
【0021】
本発明に用いられる(B)スルホン基を含む水溶性ビニル単量体の具体例としては、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸あるいはその塩、ビニルスルホン酸あるいはその塩、スチレンスルホン酸あるいはその塩およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0022】
本発明においては、(A)水溶性カチオン性ビニル単量体と(B)スルホン基を含む水溶性ビニル単量体とともに水溶性非イオン性ビニル単量体を共重合してもよい。水溶性非イオン性ビニル単量体の具体例としては(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどを挙げることができる。特に(メタ)アクリルアミドが望ましい。
【0023】
本発明においては、(A)水溶性カチオン性ビニル単量体と(B)スルホン基を含む水溶性ビニル単量体、水溶性非イオン性ビニル単量体とともに(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびその塩などのアニオン性単量体を少量共重合してもよい。
【0024】
本発明においては、生成する水溶性高分子の分子量を調整するために必要に応じて(C)連鎖移動剤を用いることができる。(C)連鎖移動剤の具体例としては、アルコール、メルカプタン、ホスファイト、サルファイトまたはこれらのいずれかの混合物を挙げることができる。
【0025】
本発明に用いられる成分(B)スルホン基を含む水溶性ビニル単量体の量は特に限定されないが、成分(B)スルホン基を含む水溶性ビニル単量体の量は通常0.1〜3モル%、好ましくは0.1〜2モル%、特に好ましくは0.1〜1モル%である。
成分(B)が0.1モル%未満では水溶性高分子の分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こして十分なイオンコンプレックスを形成できないので、優れた凝集脱水性能が得られない。また3モル%超では非分散性の重合体となり、汚泥に添加混合しても脱水性良好なフロックが得られない。
【0026】
本発明においては成分(A)と主に成分(B)を含む重合性ビニル単量体を乳化重合させ、カチオン基とスルホン基の間で結合を起こして十分なイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子を、有機汚泥の凝集脱水に用いた場合、特に顕著な効果を発揮する。本発明の水溶性高分子の重合度はイオンコンプレックスを形成しているため定かではないが、一般の水溶性高分子脱水剤を僅かに架橋させた重合体と考えればよい。
【0027】
本発明の水溶性高分子が脱水剤として有用なためには分子量が高い必要があり、2重量%硫安水溶液中における極限粘度が3dl/g以上であることが好ましく、5dl/g以上であることが更に好ましい。極限粘度が3dl/g未満であると凝集、脱水性能が不十分となる。
【0028】
本発明においては成分(A)と主に成分(B)を含む重合性ビニル単量体を、(C)連鎖移動剤の存在下に逆相エマルジョン重合させ、カチオン基とスルホン基の間で結合を起こして十分なイオンコンプレックスを形成せしめるとともに適当な分子量になるように調整された水溶性高分子を、有機汚泥の凝集脱水に用いた場合、更に顕著な効果を発揮する。
【0029】
本発明に用いられる水溶性高分子は、通常使用されている公知の重合法によって共重合することができる。
重合温度は開始剤の種類により異なるので特に限定されず、開始剤が機能する温度であれば差し支えない。また、使用する重合開始剤も一般的に使用されているレドックス系、アゾ系などどのようなものでも使用でき特に限定されない。
特に疎水性界面活性剤と有機溶剤中で成分(A)と成分(B)を含む重合性ビニル単量体を必要に応じて(C)連鎖移動剤の存在下に共重合する方法が好ましい。
たとえば、成分(A)と成分(B)を含む重合性ビニル単量体と(C)連鎖移動剤を含む水溶液と、HLBが3〜6である疎水性界面活性剤を含む有機分散媒とを混合し乳化させた後、ラジカル重合触媒の存在下、温度30〜80℃で重合させ油中水型カチオン性重合体エマルジョンを製造する方法がある(特開昭61−236250号)。
この油中水型エマルジョンに親水性界面活性剤を添加して水に混合し、水中油型のエマルジョンに転相し使用する。
【0030】
本発明の脱水剤の形状は、水分散性の良好なエマルジョンが好ましく、その平均粒子径は10μm以下、好ましくは1μm以下のものである。
【0031】
次にこのような脱水剤を有機性汚泥に添加し、攪拌混合すると比較的小さいが絡まった硬いフロックが得られる。脱水剤を汚泥に添加、攪拌、混合する方法は、処理する有機性汚泥の条件によって変わるので特定されないが、例えば汚泥全固形分に対してエマルジョンの0.2重量%水溶液の形で2重量%以下程度添加し、急速攪拌を短時間行いフロックを形成させ、これを脱水するなどの方法が挙げられる。
【0032】
本発明の脱水剤が適用できる汚泥については、特に制限はなく、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥あるいはこれらの混合汚泥の凝集処理、脱水処理に用いられる。
さらに本発明の脱水剤が使用できる脱水機としてはデカンター、ベルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などが挙げられるが、これらに限定されるものではなくその他の脱水機でも使用できる。
【0033】
【作用】
本発明の脱水剤は分子内および分子間でカチオン基とスルホン基の間で結合を起こして十分なイオンコンプレックスを形成しているので、広範囲の有機汚泥に対して低投与量で優れた凝集、脱水性能をもつことが判明した。これは本発明の脱水剤の分子構造が有機汚泥の凝集、脱水作用に有効に機能しているものと考えられる。
本発明の他の脱水剤は分子内および分子間でカチオン基とスルホン基の間で結合を起こして十分なイオンコンプレックスを形成しており、且つ分子量も適当な分子量に調整されているので、広範囲の有機汚泥に対して低投与量でさらに優れた凝集、脱水性能をもつことが判明した。これは本発明の脱水剤の分子構造および分子量が有機汚泥の凝集、脱水作用に有効に機能しているものと考えられる。勿論、これらの考え方に限定されるものではない。
【0034】
本発明の脱水剤の製造方法により本発明の脱水剤を効率よく製造することができる。
【0035】
【実施例】
次に実施例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0036】
(実施例1)
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン120.0Kgおよびソルビタンモノオレート7.5Kgを仕込んだ。
脱塩水165Kgおよびアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)99.7モル%、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(AMPS)0.3モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を添加し、ホモジナイザーにて攪拌乳化した。
得られたエマルジョンにイソプロピルアルコール200gを加え窒素置換の後、ジメチルアゾビスイソブチレート40gを加え、温度50℃に制御しながら重合反応を完結させ、その後ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル7.5Kgを添加混合して試験に供する試料(試料−1)(本発明の有機汚泥の脱水剤)とした。
得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0037】
(実施例2)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)99.0モル%、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(AMPS)1.0モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−2)(本発明の有機汚泥の脱水剤)を作った。 得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0038】
(実施例3)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.7モル%、アクリルアミド(AAm)50モル%、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(AMPS)0.3モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−5)(本発明の有機汚泥の脱水剤)を作った。
得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0039】
(実施例4)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.0モル%、アクリルアミド(AAm)50モル%、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ(AMPS)1.0モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−6)(本発明の有機汚泥の脱水剤)を作った。
得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0040】
(比較例1)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)のみを200Kg用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−7)を作った。
得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0041】
(比較例2)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)50モル%、アクリルアミド(AAm)50モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は実施例1と同様にして試験に供する試料(試料−9)を作った。 得られたエマルジョンポリマーの固有粘度を表1に記載する。
【0042】
(実施例5〜8)
低希釈二段脱窒方式による、し尿処理場の余剰汚泥と三次処理汚泥の混合汚泥について、ベルトプレス型汚泥脱水機(日立プラント社製)を用いて試料−1、2、5、6のポリマー濃度0.2重量%水溶液をポリマー添加量が対SS1.5重量%となるように加え凝集脱水処理を行った。脱水試験結果を表2に記載する。
【0043】
(比較例3〜4)
実施例5〜8と同様にして試料−7、9を用いて凝集脱水処理を行った。脱水試験結果を表2に記載する。
【0044】
(実施例9〜12)
水産加工排水の処理工程から発生するPAC処理(ポリ塩化アルミニウム処理)によるスカムおよび活性汚泥処理の余剰汚泥を混合した汚泥について遠心デカンター(IHI社製)を用いて試料−1、2、5、6のポリマー濃度0.2重量%水溶液をポリマー添加量が対SS1.5重量%となるように加えて凝集脱水処理を行った。脱水試験結果を表3に記載する。
【0045】
(比較例5〜6)
実施例9〜12と同様にして試料−7、9を用いて凝集脱水処理を行った。脱水試験結果を表3に記載する。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】
本発明の脱水剤は、従来の脱水剤が高投与量でしか有効でなかったのに対して、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの広い範囲の有機汚泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などでこれらの汚泥を凝集脱水する際に低投与量で添加することにより、優れた凝集脱水性能を発揮する。
本発明の脱水剤は公知の方法で容易に製造することができる上、凝集性能と脱水性能の両方が優れているので産業上の利用価値が高い。
Claims (7)
- 製造時に分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こしてイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子であって、下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物5〜99.9モル%およびスルホン基含有ビニル単量体の塩0.1〜3モル%を含有する水溶性ビニル単量体の共重合物である水溶性高分子から成ることを特徴とする有機汚泥の脱水剤。
- 2重量%硫酸アンモニウム水溶液中における水溶性高分子の固有粘度が3dl/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤。
- 請求項1に掲げる以外の共重合単量体が(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤。
- 請求項1に掲げる以外の共重合単量体が(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤。
- スルホン基含有ビニル単量体の塩がアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩であることを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤。
- 逆相エマルジョン重合によって製造することを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の脱水剤。
- (A)5〜99.9モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)0.1〜3モル%のスルホン基含有ビニル単量体の塩、(C)残与の水溶性単量体、(D)水、(E)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物、(F)逆相エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤の混合体を強攪拌し、微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行って分子内および分子間においてカチオン基とスルホン基の間で結合を起こしてイオンコンプレックスを形成せしめた水溶性高分子を製造し、前記水溶性高分子を水に溶解して使用することを特徴とする有機汚泥の脱水剤の製造方法。
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