JPH10235399A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents

汚泥の脱水方法

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JPH10235399A
JPH10235399A JP9039242A JP3924297A JPH10235399A JP H10235399 A JPH10235399 A JP H10235399A JP 9039242 A JP9039242 A JP 9039242A JP 3924297 A JP3924297 A JP 3924297A JP H10235399 A JPH10235399 A JP H10235399A
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JP
Japan
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sludge
polymer flocculant
flocculant
dehydrating agent
polymer
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JP9039242A
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English (en)
Inventor
Mitsutaka Obata
充孝 小畑
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一次脱水剤添加による重力脱水と二次脱水剤
添加後の機械脱水を組み合わせた脱水方法を更に改善
し、難脱水性汚泥の汚泥効率を一段と高め、機械脱水後
のケーキの含水率を大幅に低減することを課題とする。 【解決手段】 汚泥に第1高分子凝集剤を添加、重力脱
水後、次に第2高分子凝集剤を添加、機械脱水する二段
脱水法において、第1高分子凝集剤および第2高分子凝
集剤が両性高分子凝集剤であることを特徴とする汚泥の
脱水方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種産業廃水、お
よび下水、し尿処理等で残査物として生じる汚泥を効率
よく脱水することのできる汚泥脱水法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】下水やし尿処理場、有機質産業廃水等か
ら生じる汚泥は複雑な構造を有する多数の有機物および
無機物の集合体であり、粒子サイズが小さくかつ水との
親和性も強いため、予備処理を行うことなく直接濾過や
遠心分離等の脱水処理にかけても水を効率よく分離する
ことは難しい。そのため通常は、脱水剤(以下、凝集剤
ということもある)の添加等により汚泥の脱水特性を高
めてから脱水処理を行う方法が採用されている。
【0003】また脱水をより効率よく遂行するための方
法として特公平1−17760号公報には、カチオン性
ポリマーを一次脱水剤として添加してから重力脱水によ
って部分脱水を行い、その後凝集力の高いカチオン性ポ
リマーを二次脱水剤として更に添加してから機械脱水を
行う方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高分子凝集剤
を用いて汚泥を脱水するには、汚泥の活性点に作用して
疎水化(易脱水化)させる効果と、汚泥粒子間との間で
架橋して粗大フロックを形成し重力脱水を容易にする効
果が必要とされているが、有機物の含有率が高い汚泥や
消化汚泥の如く難脱水性の汚泥では、高分子凝集剤に期
待されるこれらの効果が十分に発揮されないことも多
い。また、前述の如く一次脱水剤を添加してから重力脱
水で部分脱水を行い、次いで凝集力の高い二次脱水剤を
更に添加し機械脱水を行う脱水方法にしても、使用する
一次脱水剤がカチオン系ポリマーであり、また二次脱水
剤についてもカチオン系ポリマーであるため、脱水性の
改善にはおのずと限界がある。
【0005】一次脱水剤として求められる性能は、主に
重力脱水性であり、重力脱水性と相関のあるフロックを
できる限り強くする必要がある。前述の如く、一次脱水
剤としてカチオン性ポリマーを使用する場合、従来の脱
水方法の場合と同様に有機性の高い汚泥、例えば多量の
生活廃水を含む汚水やし尿処理場から生じる汚泥の如
く、いわゆる難脱水性汚泥では十分なフロック強度は得
られず、それらに起因して機械脱水ケーキの脱水性や剥
離性も十分に改善できない。原因として、カチオン電荷
が汚泥のプラス粒子の中和が不十分およびポリマー間で
の架橋が不十分であるために十分なフロック強度が得ら
れていないと考えている。
【0006】また二次脱水剤としてカチオン系ポリマー
を用いる場合、重力脱水後の汚泥スラッジの疎水化が不
十分であり、それに起因して機械脱水ケーキの脱水性や
剥離性も十分に改善できない。これは、上記の様な難脱
水性汚泥に対しカチオン系高分子凝集剤では電荷中和剤
としての作用しか発揮されないことも原因しているもの
と考えられる。
【0007】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、先に提案された、一次脱
水剤添加による重力脱水と二次脱水剤添加後の機械脱水
を組み合わせた脱水方法を更に改善し、難脱水性汚泥の
汚泥効率を一段と高め、機械脱水後のケーキの含水率を
大幅に低減することのできる一次脱水剤、二次脱水剤お
よび汚泥脱水方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するこ
とのできた本発明に関わる汚泥の脱水方法とは、脱水機
に供給する前工程で、汚泥に第1高分子凝集剤を添加、
重力脱水後、粗大フロック状とし、次に第2高分子凝集
剤を添加、機械脱水する二段脱水法において、第1高分
子凝集剤および/または第2高分子凝集剤として、両性
高分子凝集剤であることを特徴とする。
【0009】この時使用される第1高分子凝集剤として
は、重量平均分子量が100万以上の両性高分子凝集剤
が好ましく、また、カチオン当量値(Cv)が0.8〜
13.0meq/g、アニオン当量値(Av)が0.1
〜6.0meq/gの両性高分子凝集剤が好ましく、ま
たこの両性高分子凝集剤の好ましいものとしては、カル
ボキシル基含有重合性単量体を必須的に含む重合性単量
体から導かれる重合体であって、該重合体分子中のカル
ボキシル基の一部が、1〜3級アミノアルキルエステル
の一塩基酸付加塩として存在するポリアルキレンイミン
系高分子凝集剤が挙げられ、とりわけ、下記一般式
(1)と一般式(2)で示される繰り返し単位が、前者
1モルに対し後者0.005〜7.5モルの比率で存在
するポリアルキレンイミン系高分子凝集剤は、極めて好
ましいものとして推奨される。
【0010】また第2高分子凝集剤としては、重量平均
分子量が1万以上の両性高分子凝集剤が好ましく、また
第1高分子凝集剤と同様にカチオン当量値(Cv)が
0.8〜13.0meq/g、アニオン当量値(Av)
が0.1〜6.0meq/gの両性高分子凝集剤が好ま
しく、またこの両性高分子凝集剤の好ましいものとして
は、カルボキシル基含有重合性単量体を必須的に含む重
合性単量体から導かれる重合体であって、該重合体分子
中のカルボキシル基の一部が、1〜3級アミノアルキル
エステルの一塩基酸付加塩として存在するポリアルキレ
ンイミン系高分子凝集剤が挙げられ、とりわけ、下記一
般式(1)と
【0011】
【化1】
【0012】[ただし、n=1〜5の整数、R1および
2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基、R3
水素原子、アルキル基またはω−ヒドロキシ基で置換さ
れたアルキル基、HYは一塩基酸をそれぞれ表す。] 一般式(2)
【0013】
【化2】
【0014】[ただし、R4は水素原子またはアルキル
基、Lは水素原子または−COOH基、R5は水素原
子、アルキル基または−COOH基をそれぞれ表す。]
で示される繰り返し単位が、前者1モルに対し後者0.
005〜7.5モルの比率で存在するポリアルキレンイ
ミン系高分子凝集剤は、極めて好ましいものとして推奨
される。
【0015】つまり、第1高分子凝集剤と第2高分子凝
集剤の少なくとも一方が前記一般式(1)と一般式
(2)で示される繰り返し単位を含むポリアルキレンイ
ミン系高分子凝集剤であることが好ましく、より好まし
くは第1高分子凝集剤と第2高分子凝集剤の両方が前記
一般式(1)と一般式(2)で示される繰り返し単位を
含むポリアルキレンイミン系高分子凝集剤であることが
好ましい。
【0016】また上記第1高分子凝集剤と第2高分子凝
集剤を重量比で90:10〜10:90の比率で併用す
る事が好ましく、特に70:30〜30:70の比率で
併用することが極めて好ましいと推奨される。
【0017】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明に関わる脱水方
法では、汚泥に高分子凝集剤を加えて凝集させた後、こ
れを脱水機にかけて水分を除去する脱水方法を実施する
際に、脱水機にかける前工程で、汚泥に一次脱水剤(一
次凝集剤ということもある)として高分子量の両性高分
子凝集剤を添加して粗大フロック化してから重力脱水に
より濃縮し、次いでこの濃縮汚泥に、二次脱水剤(二次
凝集剤ということもある)として両性高分子凝集剤を添
加してから機械脱水を行うものであり、特に一次脱水剤
と二次脱水剤の両方にとして両性高分子凝集剤を使用す
ることによって、脱水効率を著しく高めることができ
る。
【0018】ここで用いられる本発明の一次脱水剤とし
ては、重量平均分子量が100万以上の両性高分子凝集
剤であることが好ましい。また両性高分子凝集剤とし
て、カチオン当量値(Cv)が0.8〜13.0meq
/g、より好ましくは4.0〜13.0meq/gで、
アニオン当量値(Av)が0.1〜6.0meq/g、
より好ましくは0.2〜3.0meq/gの範囲の高分
子凝集剤が好ましく、該両性高分子凝集剤としてはカル
ボキシル基含有重合性単量体を必須的に含む重合性単量
体から導かれる重合体であって、該分子中のカルボキシ
ル基の一部が、1〜3級アミノアルキルエステルの一塩
基酸付加塩として存在するポリアルキレンイミン系高分
子凝集剤が好ましい。
【0019】上記一次脱水剤としての両性高分子凝集剤
の中でも特に好ましいのは、前記一般式(1)と一般式
(2)で示される繰り返し単位が、前者1モルに対し後
者0.005〜7.5モルの比率で存在するポリアルキ
レンイミン系高分子凝集剤である。
【0020】上記ポリアルキレンイミン系高分子凝集剤
は、通常アニオン性単量体(I)とノニオン性単量体
(II)の重合によって得られるカルボキシル基含有重
合体(III)にアルキレンイミンを反応させることに
よって製造される。この時の重合方法に格別の制限はな
く、水溶液重合法や油中水型エマルション重合法等を採
用することができ、その際に用いられる重合開始剤とし
ては一般的なラジカル重合触媒を使用すればよい。ま
た、油中水型エマルション重合法を採用する際に用いら
れる疎水性有機溶剤や活性剤、水等は公知の方法に従っ
て任意の割合で用いることができる。重合開始剤の種類
や使用量は、得られるポリアルキレンイミン系高分子凝
集剤の分子量が100万以上になるように設定すること
が好ましく、油中水型エマルション重合の場合に用いら
れる好ましい重合開始剤としては、アゾビスイソブチロ
ニトリルやアゾビス酪酸ジメチル等が例示される。
【0021】上記ポリアルキレンイミン系高分子凝集剤
を製造する際に用いられる好ましいアニオン性単量体
(I)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸等が挙げられ、中でも特に好ましいのはアクリル酸で
ある。
【0022】またノニオン性単量体(II)としては、
前記アニオン性単量体(I)と共重合可能な任意のノニ
オン性単量体(II)を用いることができるが、好まし
いのは例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド等やヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等、あるいはアクリロニトリル等である。これらのノニ
オン性単量体(II)は、ポリアルキレンイミン系高分
子凝集剤の分子量やイオン当量の調節等を主たる目的と
して使用されるものであり、通常は、それらの重合によ
って得られるカルボキシル基含有重合体(III)中に
占める比率で50モル%以下に抑えることが好ましい。
【0023】また、上記ポリアルキレンイミン系高分子
凝集剤を製造するにあたっては、該ポリアルキレンイミ
ン系高分子凝集剤のカチオン当量値(Cv)が0.8〜
13.0meq/g、アニオン当量値(Av)が0.1
〜6.0meq/gの範囲になる様、カルボキシル基含
有重合体(III)を製造する際のアニオン性単量体
(I)やノニオン性単量体(II)の使用量を決めるこ
とが望ましく、またアミノアルキル化時においては、該
カルボキシル基含有重合体(III)とアルキレンイミ
ンの使用量をその都度適正に決めることが望ましい。こ
こで用いられるアルキレンイミンとは、1,2−アルキ
レンイミン(アジリジン)であり、中でも1,2−プロ
ピレンイミンやエチレンイミンは、比較的安価でかつ容
易に入手することができるので好ましく用いられる。
【0024】上記ポリアルキレンイミン系高分子凝集剤
のカチオン当量値(Cv)が0.8meq/g未満で
は、両性としての特性が十分に発揮されず、汚泥に対す
る凝集力不足によって満足な脱水性が得られ難く、一方
13.0meq/gを超えるものでは、相対的にアニオ
ン不足となってやはり両性としての特性が有効に発揮さ
れ難くなる。更に、アニオン当量値(Av)が6.0m
eq/gを超えるものでは、水への溶解性が低下して凝
集作用が有効に発揮され難くなるので好ましくない。
【0025】ポリアルキレンイミン系高分子凝集剤の好
ましい重量平均分子量は100万以上であり、より好ま
しくは200〜600万の範囲であり、重量平均分子量
が100万未満では凝集力不足となって満足な脱水効果
が得られず、あるいは添加量を過度に多くしなければな
らなくなり、重量平均分子量が1500万を超えて大き
くなり過ぎると、凝集効率が非常に悪くなりがちであ
り、良好な含水率低下効果が発揮され難くなる。
【0026】油中水型エマルション重合法を採用する際
に用いられる好ましい疎水性有機溶剤としては、イソパ
ラフィン、シクロヘキサン等の脂環族系溶剤やケロシン
等が例示される。また一塩基酸としては、塩酸、硝酸等
の鉱酸、蟻酸等のカルボン酸を使用することができ、こ
れらの一塩基酸は、付加アルキレンイミンに対し通常5
0〜100モル%の範囲で用いられる。
【0027】また、本発明に関わる上記以外の両性高分
子凝集剤は、カチオン性単量体とアニオン性単量体を使
用し、これらを既知の方法で重合することによって得る
ことができる。その際に用いられるカチオン性単量体の
種類は特に制限されないが、好ましいものとしては、ア
ルキルアミノエチルアクリレート、アルキルアミノエチ
ルメタアクリレート等の中から選ばれる単量体もしくは
それらの4級アンモニウム塩が例示され、これらのカチ
オン性単量体の中から最適のカチオン強度が得られる様
に適宜選択して使用すればよいが、通常はジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの4級アンモニ
ウム塩が好ましく用いられる。1〜3級アミノ基の場合
は通常中和のための酸を必要とするが、その際に用いら
れる酸としては、例えば塩酸、硝酸等の鉱酸、蟻酸等の
カルボン酸等の一塩基酸が好ましく用いられる。
【0028】一方、アニオン性単量体としては、上記カ
チオン性単量体と共重合可能なものから任意に選択する
ことができるが、特に好ましいのはアクリル酸、メタク
リル酸やマレイン酸等である。
【0029】上記の両性高分子凝集剤を製造するにあた
っては、更に他の成分として上記カチオン性単量体およ
びアニオン性単量体と共重合可能な任意のノニオン性単
量体を用いることが可能であり、その様なノニオン性単
量体として例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド等やヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トやアクリロニトリル等が挙げられる。なおこれらのノ
ニオン性単量体は、両性高分子凝集剤の分子量やイオン
当量の調節等を主たる目的として使用されるものであ
る。
【0030】次に本発明の脱水方法を実施する際に、二
次脱水剤(二次凝集剤)としては、両性高分子凝集剤が
好ましく、また、重量平均分子量が1万以上の凝集剤が
好ましい。二次脱水剤について、上記で示した一次脱水
剤で用いるものと同じものを使用しても構わない。なお
二次脱水剤の種類は、汚泥の性状、脱水機の種類等に応
じて、カチオン強度や分子量や粘度の適切なものを適宜
選択して使用される。また汚泥の性状、脱水機の種類等
に応じて、上記両性高分子凝集剤と無機多価電解質とを
併用することが可能であり、無機多価電解質としては、
例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、アルミニ
ウム塩、具体的には、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化ア
ルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄等を
挙げることができる。
【0031】なお二次脱水剤としての両性高分子凝集剤
としての種類は限定されることはないが、分子量は1万
以上必要であり、汚泥スラッジの効率的疎水化するに
は、好ましい分子量は20〜600万であり、より好ま
しくは50〜300万の範囲であり、分子量が1万未満
では汚泥スラッジに対する凝集力不足となり、スラッジ
の疎水化が不十分となり、一方1000万を超えて過度
に高分子量になりと、汚泥スラッジ中に均一に分散させ
難くなる。
【0032】一次脱水剤として上記両性高分子凝集剤を
加えることによって生成する重力脱水可能な粗大フロッ
ク状汚泥を濃縮する装置としては、例えばスクリーン装
置、真空濾過機、遠心分離機あるいはベルトプレス型脱
水機等の如く、基本的に汚泥中固形物の重力を利用して
固液分離を行う方式を採用すべきである。しかして機械
的に圧力を加える機器ではコスト的に不利であり、しか
も汚泥を通常の機械脱水機で脱水すると、生成した粗大
フロック状汚泥への高分子凝集剤の混合が困難となり、
二次脱水剤として凝集剤を用いることによってもたらさ
れる優れた含水率向上効果も有効に活用できなくなるの
で、本発明では、粗大フロック状の濃縮に重力による固
液分離法を採用する。
【0033】重力による固液分離装置としては、スクリ
ーン装置の他、ロータリードラムスクリーンあるいは回
転円筒造粒脱水装置があり、いずれの装置を用いても構
わない。なお、機械脱水機としてベルトプレス型脱水機
を使用する場合、この脱水機には大抵の場合重力による
固液分離部が配備されているので、別途固液分離装置を
設ける必要がないという利点を享受できる。
【0034】本発明で用いられる機械脱水機の種類にも
格別の制限はなく、例えばベルトプレス、フィルタープ
レス、スクリュープレス、真空濾過機、遠心分離機等を
使用できるが、中でもベルトプレス脱水機は、前述の如
く重力による固液分離区間が装置内に配備されているの
で、本発明の実施に特に適した機械脱水機として推奨さ
れる。ただし本発明によれば、両性高分子凝集剤による
粗大フロック化と重力脱水による濃縮、および該濃縮汚
泥への凝集剤の添加という組合せによって汚泥の脱水性
が根本的に改善されるので、上記以外の機械脱水機であ
っても勿論支障なく適用することが可能である。
【0035】一次脱水剤および二次脱水剤の添加量は汚
泥の種類や各凝集剤の組成によっても変わってくるの
で、一律に決めることはできないが、一般的には汚泥の
固形分(TS)に対して0.05重量%以上であれば十
分である。一次脱水剤の場合、一液凝集法を採用する場
合の適正添加量を超えて添加する必要はなく、処理コス
トの増大と含水率低下量のバランスから好ましくは0.
2〜2重量%程度の範囲で添加される。一方、二次脱水
剤の添加量は多ければ多いほど効果的であるが、処理コ
ストの増大と含水率低下量のバランスから、好ましくは
0.4〜1重量%の添加量が採用される。
【0036】また、一次脱水剤としての両性高分子凝集
剤と共に適量の無機多価電解質を併用すると更に効果的
である。無機多価電解質としてはカルシウム塩、マグネ
シウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等、具体的には、硫酸
バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一
鉄、ポリ硫酸鉄等が例示され、これらの無機多価電解質
は、両性高分子凝集剤と同時に汚泥に添加してもよい
し、別々に添加しても構わないが、好ましくは無機多価
電解質を両性高分子凝集剤の添加に先立って添加した方
がより効果的である。無機多価電解質の添加量は、併用
される両性高分子凝集剤への影響や処理コスト、含水率
低下効果のバランスを考慮して、汚泥の固形分に対し
0.5〜10重量%の範囲から選ぶのがよい。
【0037】本発明において被処理対象となる汚泥と
は、高BOD廃水を生物処理等した時に生成する汚泥を
いい、その例としては、下水・し尿処理場で発生する汚
泥;食品工場、畜産場、化学工場等から発生する汚水・
廃水の活性汚泥法処理により生成する余剰汚泥や初沈汚
泥;それらを混合した混合生汚泥;汚水・廃水の嫌気性
消化により生成する消化汚泥等、を包含する上位概念の
汚泥を意味しており、それらの中でも、難脱水性汚泥に
対しては本発明の効果が極めて有効に発揮される。
【0038】本発明は以上の様に構成されており、まず
汚泥に一次脱水剤(両性高分子凝集剤)を添加すると、
汚泥は該凝集剤の優れた凝集作用によって重力脱水可能
な粗大フロック状汚泥を形成し、この粗大フロック状汚
泥を濃縮した後二次脱水剤を添加すると、汚泥は該二次
脱水剤の作用で表面親水層が効率よく疎水化されて更に
凝集し、その後の機械脱水により極めて効率よく脱水さ
れる。
【0039】本発明によって汚泥の脱水性が改善される
理由は必ずしも明確にされている訳ではないが、一次脱
水剤で汚泥を前処理してから濃縮することにより、粗大
フロック状汚泥中の電解質やコロイド分等の有機酸性物
質等の凝集・脱水を阻害する要因物質が低減されると共
に、二次脱水剤の官能基と汚泥粒子間での架橋によりフ
ロック強度を高めて機械脱水ケーキの脱水性と剥離性を
高める効果を発揮し、一次脱水剤としてカチオン性高分
子凝集剤を用いたのでは得ることのできない優れた含水
率低下効果が発揮されたものと考えている。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範
囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であ
り、それらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【0041】[ポリアルキレンイミン系高分子凝集剤の
合成例]アクリル酸とアクリルアミドを活性剤共存下
に、脂肪族炭化水素(エクソールD−80、エクソンケ
ミカル社製)中でアゾビスイソ酪酸ジメチルを用いて油
中水型エマルション重合を行う。得られたカルボキシル
基含有重合体をエチレンイミンによってアミノエチルエ
ステル化し、次いで硝酸で酸性化することにより、ポリ
アルキレンイミン系高分子凝集剤を有効成分20wt%
の油中水型エマルションとして得る。得られたポリアル
キレンイミン系高分子凝集剤の組成、Cv値、Av値、
分子量を表1に示した。
【0042】[その他のカチオン系または両性高分子凝
集剤の合成例]ジメチルアミノエチルメタクリレート4
級化物(4DAM)、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト4級化物(4DAA)、ジメチルアミノエチルメタク
リレート(3DAM)、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート(3DAA)、アクリルアミド(AAm)およびア
クリル酸(AA)を既知の方法で重合または共重合させ
ることにより得た。また既知の方法で、ポリN−ビニル
ホルムアミド(PNVF)とアクリロニトリル(AN)
を共重合、加水分解することによりポリアミジンを得
た。得られた高分子凝集剤の組成、Cv値、Av値、分
子量を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1において、 EI;エチレンイミン、AAm;アクリルアミト゛、AA;アクリル酸 4DAM;シ゛メチルアミノエチルメタクリレート4級化物 4DAA;シ゛メチルアミノエチルアクリレート4級化物 3DAM;シ゛メチルアミノエチルメタクリレート3級塩 組成は各々モノマーの重量%、カチオン当量値はpH3での値アミシ゛ン は三菱化学品を使用、PEIは日本触媒品を使用 実施例1、1a 都市下水処理場から発生した消化汚泥A(pH:7.
0、TS:2.0%、M−アルカリ度:2800pp
m)を、ベルトプレス型脱水機を用いて脱水処理した。
【0045】両性高分子凝集剤(R−1)は0.2%重
量%水溶液として使用した。また、これら各凝集剤の添
加量は、いずれも汚泥のTSに対する重量%として示し
た。
【0046】両性高分子凝集剤(R−1)を、上記消化
汚泥のTS当たり0.7重量%添加混合して粗大フロッ
ク状汚泥を形成させ、ベルトプレス型脱水機の重力脱水
部で重力により固液分離した後、得られた濃縮汚泥に両
性高分子凝集剤(R−1)をTS当たり0.7重量%添
加混合し、ベルトによって機械的に圧搾脱水を行った。
得られた機械脱水ケーキは71%であり、ベルトからの
脱水ケーキの剥離性は良好であった。
【0047】比較例1a〜1d 比較例として、第2高分子凝集剤の使用を省略した場合
(比較例1a)、第1高分子凝集剤としてカチオン性高
分子凝集剤(C−1)を使用した場合(比較例1b)、
第1高分子凝集剤添加後の重力脱水を省略した場合(比
較例1c)、第2凝集剤としてカチオン性高分子凝集剤
(C−1)を使用した場合(比較例1d)について、そ
れぞれ同様の実験を行った。
【0048】結果は表2に示す通りである。本発明に従
って、両性高分子凝集剤を添加して粗大フロック状汚泥
を形成してから重力脱水し、その後両性高分子凝集剤を
添加してから機械脱水を行った実施例のケーキ含水率
は、比較例1a〜1dに比べて低く、かつ汚泥処理能力
も高いことがわかる(実施例1)。
【0049】また、両性高分子凝集剤(R−1)を添加
混合する前に、消化汚泥に無機多価電解質としてポリ硫
酸鉄を汚泥のTS当たり2重量%添加した以外は上記と
全く同様にして実験を行ったところ、最終的に機械的圧
搾脱水を行って得た機械脱水ケーキの含水率は70.2
%で、実施例1よりも更に含水率は低くなっており、ベ
ルトからの脱水ケーキの剥離性は良好であった(実施例
1a)。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、汚
泥にまず両性高分子凝集剤を添加、混合後重力脱水を行
い、次いで高分子凝集剤を添加して機械脱水をする手順
を採用することにより、難脱水性汚泥を始めとする様々
な汚泥に対して卓越した凝集作用を発揮することがで
き、それにより脱水ケーキの脱水効率を著しく高めると
共に、汚泥処理効率の向上にも寄与することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥に第1高分子凝集剤を添加、重力脱水
    後、次に第2高分子凝集剤を添加、機械脱水する二段脱
    水法において、第1高分子凝集剤および第2高分子凝集
    剤として両性高分子凝集剤を用いることを特徴とする汚
    泥の脱水方法。
  2. 【請求項2】第1高分子凝集剤および/または第2高分
    子凝集剤として、カチオン当量値(Cv)が0.8〜1
    3.0meq/g、アニオン当量値(Av)が0.1〜
    6.0meq/gの両性高分子凝集剤を使用する請求項
    1に記載の脱水方法。
  3. 【請求項3】第1高分子凝集剤および/または第2高分
    子凝集剤である両性高分子凝集剤が、カルボキシル基含
    有重合性単量体を必須的に含む重合性単量体から導かれ
    る重合体であって、該重合体分子中のカルボキシル基の
    一部が、1〜3級アミノアルキルエステルの一塩基酸付
    加塩として存在するポリアルキレンイミン系高分子凝集
    剤である請求項1または2に記載の脱水方法。
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